アタッチ部材
【課題】繰り返しての使用ができるタグの取り付け具を提供する。
【解決手段】ループ形成材1の一端に、内部に係止部4を備えた受孔3を有する受部2を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部10を有する挿入部8を備えたアタッチ部材において、前記受孔の一部壁面をバネ性を有する可動部としてあることとし、受孔を複数個とするとともに、挿入部を軸方向に直列に複数個連続して備えていることとし、受孔の奥行を深くするとともに、挿入部の係合部を構成する頭部を軸方向に二以上直列に連続して備えていることとする。
【解決手段】ループ形成材1の一端に、内部に係止部4を備えた受孔3を有する受部2を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部10を有する挿入部8を備えたアタッチ部材において、前記受孔の一部壁面をバネ性を有する可動部としてあることとし、受孔を複数個とするとともに、挿入部を軸方向に直列に複数個連続して備えていることとし、受孔の奥行を深くするとともに、挿入部の係合部を構成する頭部を軸方向に二以上直列に連続して備えていることとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアタッチ部材、特に衣料品等の商品に価格や品質等を表示したタグを吊持取り付けるために使用するアタッチ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、衣料品等の店頭に陳列される商品には、その商品の価格や品質等を表示したタグがループ形成材を使用したものやピン材からなるアタッチ部材を介して吊持取り付けされている。このタグは店頭の陳列には襟部分やボタンホール等を利用して吊持取り付けされるが、製造から出荷の過程では商品のチェック作業等の関係から袖口に付けられるのが一般的である。
【0003】
ここで、ループ形成材を用いてタグを吊持取り付けする場合、ループ形成材はそのループを切断しない限り、商品から外すことができないように構成されているため、製造から出荷の過程にあってはタグを安全ピン等を用いて仮留めし、店頭陳列時にその安全ピンを外し、前記した所定の位置へ付け替えをする作業がなされている。
【0004】
しかしながら、前記したタグの付け替え作業にあって安全ピンを一旦留め、それを外してアタッチ部材を使用するという流れは非常に煩わしく、時間と労力を費やしてしまうものとなっていた。
【特許文献1】本願発明に関し、出願人は先行する技術の調査を行なったが、格別に関連すると思われる文献を発見することはできなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、衣料品等の商品に対してタグを吊持取り付けするためのアタッチ部材は一旦ロックしてしまうと、切断しない限り外すことはできず、タグの取り付け位置を変更するための繰り返しての使用ができる構成としたものが存在していなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
係る問題点を解決するために、本発明に係るアタッチ部材はループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記受孔の一部壁面をバネ性を有する可動部としてあることを特徴とし、前記した可動部は両サイドにスリットを形成した片体としてあることを特徴とし、前記した片体とした可動部は受部の外側面の外方へ、その先端を突出させていることを特徴とし、前記した受部は、前記したバネ性を有する可動部を具備した受孔に隣接し、あるいは近傍に、前記した可動部のない完全ロック用の受孔を有していることを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係るアタッチ部材はループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記した受部の受孔を複数個とするとともに、挿入部を軸方向に直列に複数個連続して備えていることを特徴とし、前記した受部の受孔は平行して設けられていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係るアタッチ部材はループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記した受部の受孔の奥行を深くするとともに、挿入部の係合部を構成する頭部を軸方向に二以上直列に連続して備えていることを特徴とし、前記した連続された頭部の最端に位置する頭部内まで前記したループ形成材が貫入されていることを特徴としている。
【0009】
そして、本発明に係るアタッチ部材は前記したループ形成部材は糸であることを特徴とし、前記した受部の外側面にクリップその他の別異に連結部を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るアタッチ部材は上記のように構成されているので、一旦受部の受孔に嵌入され、ロック状態とされた挿入部をロックを開放することや、一部千切り取ることで外すことができ、再び別の商品の別部位に対し、装着し直すことができる。そのため、一連の作業が非常にスムーズで楽なものとなって、時間的、労力的に大きな節減を図ることができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面として示す各実施例のように構成することで実現した。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明に係るアタッチ部材の第一実施例を示す部分断面正面図、図2は同じく平面図、図3は同じく底面図、図4は同じく右側面図、図5は同じく左側面図、図6は同じく図1中のA−A’線断面図、図7は同じく図6中のB−B’線断面図、図8は変形例を示す部分断面正面図、図9は同じく平面図、図10は同じく底面図、図11は同じく右側面図、図12は図8中のA−A’線断面図、図13は同じくB−B’線断面図である。
【0013】
これらの図にあって1はループ形成材を示しており、このループ形成材1は糸が使用されているもので、約10cm〜20cm程度の適宜な長さを用途に応じ設定することができる。このループ形成材1の一端にはプラスチックで成形された受部2が一体的に備えられている。この受部2には貫通状態とされた円筒状の受孔3が形成されている。
【0014】
前記した受孔3の内壁面の前方寄り略中央位置には、後述する挿入部の挿入側を挿入ガイド用のテーパとし、逆側を段状とした係止部4が一体に形成されている。また、受孔3のこの係止部4と対向する壁面は、両サイドにスリット5、5が設けられ、背面を空隙6としたバネ性を有する可動片7とされており、この可動片7の内面には前記係止部4と対応する位置に係止部4aが一体に形成され、この係止部4aと4とで全体としてスリット5、5部分が途切れるリング状の係止部を構成することとなる。尚、受部2の上面は前記した可動片7の先端を操作し易いようにするためその可動片7の先端が突出できるテーパ状としてある。また、可動片7の先端を突出させず、受部2内に位置させる構造とすることもでき、この場合は可動片7を小型の治具を用いて操作することとなる。
【0015】
一方、ループ形成材1の他端には前記した受部2の受孔3へ嵌入され、ループのロック状態を構成する挿入部8が一体的に備えられており、この挿入部8の先端には挿入をガイドするため半球状とされた頭部9が一体に形成され、その頭部9の背面が係止部4、4aと掛合する係合部10とされている。また、細径部に続けては係止部4、4aのテーパ面と当接するストッパ部11がテーパ面として形成されている。
【0016】
ここで、この実施例に係るアタッチ部材の使用法を説明すると、タグに形成されている透孔に挿入部8を挿通し、挿入部8を受孔3内に嵌入する。挿入部8の係合部10が受孔3の係止部4、4aと掛合されて、抜け止めされるロック状態となるが、可動片7を空隙6側へ傾動させることで、係止部4aと係合部10との掛合が解除され、挿入部8を受孔3から引き抜くことが可能となる。そして、商品の部位を変えて再び同一のアタッチ部材を使用し、タグを吊持取り付けすることができることとなる。
【0017】
次いで、図8乃至図13を参照して前記した第一実施例の変形例を説明する。尚、共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。この図8乃至図13にあって12は第2受孔を示している。この第2受孔12は受孔3の係止部4が形成されている壁面を共通として受孔3に隣接して形成されている。
【0018】
この第2受孔12の内壁面には相互に対向する一対の爪状をしたバネ性を有する係止部13、13が一体に形成されている。この変形例にあっては、受孔3から一旦引き抜かれた挿入部8を第2受孔12に挿入し、係合部10を一対の係止部13、13と掛合させることで、今度は挿入部8の引き抜きを不可とする完全なロック状態とすることができることとなる。
【実施例2】
【0019】
また、図14乃至図18を参照して本発明の第二実施例を説明する。図14は正面図、図15は右側面図、図16は左側面図、図17は図14中のA−A’線断面図、図18は図17中のB−B’線断面図である。尚、第一実施例と共通する部分は同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0020】
この第二実施例では糸製のループ形成材1の一端に一体的に備えられた受部2には有底とした一対の受孔3、3が隣接して平行に形成されており、その各受孔3、3の奥部分にはその受孔3、3の軸芯と直交する方向に貫通する窓孔14、14が形成されている。
【0021】
また、前記した各受孔3、3内には窓孔14、14に臨んで、半割形状として相対向する一対とし、略有底円筒体としたバネ性を保有した係止部15、15が一体に形成されている。この係止部15、15の基部には挿入部8の頭部9の挿入を受けガイドする凹部15aが形成されたものとなっている。
【0022】
一方、ループを形成材1の他端には前述したものと同様の挿入部8が一体的に備えられているが、本実施例の場合はこの挿入部8の頭部9の先端に脆弱構成とした連結部16を介して頭部9aを有する第二の挿入部8aが直列状態で一体的に連結されて備えられている。
【0023】
ここで、この第二実施例に係るアタッチ部材の使用法を説明する。まず、ループ形成材1にタグの透孔を通して保持させ、第二の挿入部8aを受部2のいずれか一方の受孔3内に嵌入させ係止部15によりロック状態とする。次いで、アタッチ部材の取り付け位置を変更する場合に脆弱となっている連結部16を千切り、あるいは捻ることで切断し、第二の挿入部8aを嵌入された受孔3内に残留させたまま、挿入部8を別の受孔3内へ嵌入し、係止部15によりロック状態とすることとなり、このロック状態はループ形成材1を切断しない限り開放できない。尚、挿入部8を別の受孔3へ嵌入する作業は窓孔14を介して残留している第二の挿入部8aの存在が目視確認できるので、受孔3の選択を誤ってしまうことはなくなる。
【実施例3】
【0024】
さらに、図19乃至図25を参照して本発明の第三実施例を説明する。図19は第三実施例を示す正面図、図20は同じく右側面図、図21は同じく左側面図、図22は同じく図19中のA−A’線断面図、図23は同じく変形例を示す正面図、図24は同じく左側面図、図25は同じく図23中のA−A’線断面図である。尚、前記した実施例を共通する部分は同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0025】
この第三実施例にあって糸によるループ形成材1の一端には受部2が一体的に備えられており、この受部2には受孔3が形成され、第二実施例と同様な係止部15、15が一体形成され、その係止部15、15は貫通する窓孔14に臨まされている。
【0026】
一方、ループ形成材1の他端には挿入部8が一体的に備えられているが、本実施例にあってはこの挿入部8の頭部9の先端に脆弱な構成とした連結部16を介して第二の頭部9bが一体的に連結された構成となっている。
【0027】
ここで、この第三実施例に係るアタッチ部材の使用法を説明すると、まずループ形成材1にタグの透孔を通して保持させ、第二の頭部9bを受孔3内に嵌入し、係止部15、15により掛合してロック状態とする。次いで、このアタッチ部材の装着部位を変更する際に脆弱な連結部16を切断して第二の頭部9bを切離し、窓孔14から排出した後、改めて挿入部8の頭部9を受孔3に嵌入し、係止部15、15とのあいだで掛合し、ロック状態とする。このロック状態はループ形成材1を切断しない限り開放されることはないものとなっている。
【0028】
続いて、図23乃至図25によってこの第三実施例の変形例を説明する。この変形実施例は基となる前記した第三実施例と同様であるが、この場合、糸製のループ形成材1は挿入部8から第二の頭部9bまでその内部を貫通し、また受部2の窓孔14部分までも貫通したものとされている。
【0029】
上記構成とした変形実施例の場合は、一旦、第二の頭部9bを受孔3に嵌入し、係止部15、15と掛合してロック状態とした後に、アタッチ部材の装着位置を変更する時、挿入部8を摘んで強く引くと、脆弱な連結部16は切断され、第二の頭部9bを分離させるが、この際、ループ形成材1は第二の頭部9b内から引き抜かれることとなる。即ち、この変形実施例にあってはループ形成材1をより長く使用して受部2や挿入部8内へ入れることで、そのループ形成材1と受部2、挿入部8との接合部分の強化を図ることが可能となっている。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本実施例に係るアタッチ部材は上記のように構成されている。ここで、ループ形成材1は糸を使用することとしているが、これは糸に代え、延伸処理されたプラスチック、チェーン、伸縮性のあるゴム紐、あるいは皮革紐を用いることもでき、これらを幅広とした帯材とすることも可能である。また、第一実施例や第二実施例の場合、受部2の外側部に別途にタグ吊り専用のクリップやホック、フック等を連結材を介し、あるいは直接的に付設する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るアタッチ部材の第一実施例を示す部分断面正面図である。
【図2】平面図である。
【図3】底面図である。
【図4】右側面図である。
【図5】左側面図である。
【図6】図1中のA−A’線断面図である。
【図7】図6中のB−B’線断面図である。
【図8】変形例を示す部分断面正面図である。
【図9】平面図である。
【図10】底面図である。
【図11】右側面図である。
【図12】図8中のA−A’線断面図である。
【図13】B−B’線断面図である。
【図14】正面図である。
【図15】右側面図である。
【図16】左側面図である。
【図17】図14中のA−A’線断面図である。
【図18】図17中のB−B’線断面図である。
【図19】第三実施例を示す正面図である。
【図20】右側面図である。
【図21】左側面図である。
【図22】図19中のA−A’線断面図である。
【図23】変形例を示す正面図である。
【図24】左側面図である。
【図25】図23中のA−A’線断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ループ形成材
2 受部
3 受孔
4 係止部
4a 係止部
5 スリット
6 空隙
7 可動片
8 挿入部
8a 第二の挿入部
9 頭部
9a 頭部
9b 第二の頭部
10 係合部
11 ストッパ部
12 第2受孔
13 係止部
14 窓孔
15 係止部
15a 凹部
16 連結部
【技術分野】
【0001】
本発明はアタッチ部材、特に衣料品等の商品に価格や品質等を表示したタグを吊持取り付けるために使用するアタッチ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、衣料品等の店頭に陳列される商品には、その商品の価格や品質等を表示したタグがループ形成材を使用したものやピン材からなるアタッチ部材を介して吊持取り付けされている。このタグは店頭の陳列には襟部分やボタンホール等を利用して吊持取り付けされるが、製造から出荷の過程では商品のチェック作業等の関係から袖口に付けられるのが一般的である。
【0003】
ここで、ループ形成材を用いてタグを吊持取り付けする場合、ループ形成材はそのループを切断しない限り、商品から外すことができないように構成されているため、製造から出荷の過程にあってはタグを安全ピン等を用いて仮留めし、店頭陳列時にその安全ピンを外し、前記した所定の位置へ付け替えをする作業がなされている。
【0004】
しかしながら、前記したタグの付け替え作業にあって安全ピンを一旦留め、それを外してアタッチ部材を使用するという流れは非常に煩わしく、時間と労力を費やしてしまうものとなっていた。
【特許文献1】本願発明に関し、出願人は先行する技術の調査を行なったが、格別に関連すると思われる文献を発見することはできなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、衣料品等の商品に対してタグを吊持取り付けするためのアタッチ部材は一旦ロックしてしまうと、切断しない限り外すことはできず、タグの取り付け位置を変更するための繰り返しての使用ができる構成としたものが存在していなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
係る問題点を解決するために、本発明に係るアタッチ部材はループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記受孔の一部壁面をバネ性を有する可動部としてあることを特徴とし、前記した可動部は両サイドにスリットを形成した片体としてあることを特徴とし、前記した片体とした可動部は受部の外側面の外方へ、その先端を突出させていることを特徴とし、前記した受部は、前記したバネ性を有する可動部を具備した受孔に隣接し、あるいは近傍に、前記した可動部のない完全ロック用の受孔を有していることを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係るアタッチ部材はループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記した受部の受孔を複数個とするとともに、挿入部を軸方向に直列に複数個連続して備えていることを特徴とし、前記した受部の受孔は平行して設けられていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係るアタッチ部材はループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記した受部の受孔の奥行を深くするとともに、挿入部の係合部を構成する頭部を軸方向に二以上直列に連続して備えていることを特徴とし、前記した連続された頭部の最端に位置する頭部内まで前記したループ形成材が貫入されていることを特徴としている。
【0009】
そして、本発明に係るアタッチ部材は前記したループ形成部材は糸であることを特徴とし、前記した受部の外側面にクリップその他の別異に連結部を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るアタッチ部材は上記のように構成されているので、一旦受部の受孔に嵌入され、ロック状態とされた挿入部をロックを開放することや、一部千切り取ることで外すことができ、再び別の商品の別部位に対し、装着し直すことができる。そのため、一連の作業が非常にスムーズで楽なものとなって、時間的、労力的に大きな節減を図ることができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面として示す各実施例のように構成することで実現した。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明に係るアタッチ部材の第一実施例を示す部分断面正面図、図2は同じく平面図、図3は同じく底面図、図4は同じく右側面図、図5は同じく左側面図、図6は同じく図1中のA−A’線断面図、図7は同じく図6中のB−B’線断面図、図8は変形例を示す部分断面正面図、図9は同じく平面図、図10は同じく底面図、図11は同じく右側面図、図12は図8中のA−A’線断面図、図13は同じくB−B’線断面図である。
【0013】
これらの図にあって1はループ形成材を示しており、このループ形成材1は糸が使用されているもので、約10cm〜20cm程度の適宜な長さを用途に応じ設定することができる。このループ形成材1の一端にはプラスチックで成形された受部2が一体的に備えられている。この受部2には貫通状態とされた円筒状の受孔3が形成されている。
【0014】
前記した受孔3の内壁面の前方寄り略中央位置には、後述する挿入部の挿入側を挿入ガイド用のテーパとし、逆側を段状とした係止部4が一体に形成されている。また、受孔3のこの係止部4と対向する壁面は、両サイドにスリット5、5が設けられ、背面を空隙6としたバネ性を有する可動片7とされており、この可動片7の内面には前記係止部4と対応する位置に係止部4aが一体に形成され、この係止部4aと4とで全体としてスリット5、5部分が途切れるリング状の係止部を構成することとなる。尚、受部2の上面は前記した可動片7の先端を操作し易いようにするためその可動片7の先端が突出できるテーパ状としてある。また、可動片7の先端を突出させず、受部2内に位置させる構造とすることもでき、この場合は可動片7を小型の治具を用いて操作することとなる。
【0015】
一方、ループ形成材1の他端には前記した受部2の受孔3へ嵌入され、ループのロック状態を構成する挿入部8が一体的に備えられており、この挿入部8の先端には挿入をガイドするため半球状とされた頭部9が一体に形成され、その頭部9の背面が係止部4、4aと掛合する係合部10とされている。また、細径部に続けては係止部4、4aのテーパ面と当接するストッパ部11がテーパ面として形成されている。
【0016】
ここで、この実施例に係るアタッチ部材の使用法を説明すると、タグに形成されている透孔に挿入部8を挿通し、挿入部8を受孔3内に嵌入する。挿入部8の係合部10が受孔3の係止部4、4aと掛合されて、抜け止めされるロック状態となるが、可動片7を空隙6側へ傾動させることで、係止部4aと係合部10との掛合が解除され、挿入部8を受孔3から引き抜くことが可能となる。そして、商品の部位を変えて再び同一のアタッチ部材を使用し、タグを吊持取り付けすることができることとなる。
【0017】
次いで、図8乃至図13を参照して前記した第一実施例の変形例を説明する。尚、共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。この図8乃至図13にあって12は第2受孔を示している。この第2受孔12は受孔3の係止部4が形成されている壁面を共通として受孔3に隣接して形成されている。
【0018】
この第2受孔12の内壁面には相互に対向する一対の爪状をしたバネ性を有する係止部13、13が一体に形成されている。この変形例にあっては、受孔3から一旦引き抜かれた挿入部8を第2受孔12に挿入し、係合部10を一対の係止部13、13と掛合させることで、今度は挿入部8の引き抜きを不可とする完全なロック状態とすることができることとなる。
【実施例2】
【0019】
また、図14乃至図18を参照して本発明の第二実施例を説明する。図14は正面図、図15は右側面図、図16は左側面図、図17は図14中のA−A’線断面図、図18は図17中のB−B’線断面図である。尚、第一実施例と共通する部分は同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0020】
この第二実施例では糸製のループ形成材1の一端に一体的に備えられた受部2には有底とした一対の受孔3、3が隣接して平行に形成されており、その各受孔3、3の奥部分にはその受孔3、3の軸芯と直交する方向に貫通する窓孔14、14が形成されている。
【0021】
また、前記した各受孔3、3内には窓孔14、14に臨んで、半割形状として相対向する一対とし、略有底円筒体としたバネ性を保有した係止部15、15が一体に形成されている。この係止部15、15の基部には挿入部8の頭部9の挿入を受けガイドする凹部15aが形成されたものとなっている。
【0022】
一方、ループを形成材1の他端には前述したものと同様の挿入部8が一体的に備えられているが、本実施例の場合はこの挿入部8の頭部9の先端に脆弱構成とした連結部16を介して頭部9aを有する第二の挿入部8aが直列状態で一体的に連結されて備えられている。
【0023】
ここで、この第二実施例に係るアタッチ部材の使用法を説明する。まず、ループ形成材1にタグの透孔を通して保持させ、第二の挿入部8aを受部2のいずれか一方の受孔3内に嵌入させ係止部15によりロック状態とする。次いで、アタッチ部材の取り付け位置を変更する場合に脆弱となっている連結部16を千切り、あるいは捻ることで切断し、第二の挿入部8aを嵌入された受孔3内に残留させたまま、挿入部8を別の受孔3内へ嵌入し、係止部15によりロック状態とすることとなり、このロック状態はループ形成材1を切断しない限り開放できない。尚、挿入部8を別の受孔3へ嵌入する作業は窓孔14を介して残留している第二の挿入部8aの存在が目視確認できるので、受孔3の選択を誤ってしまうことはなくなる。
【実施例3】
【0024】
さらに、図19乃至図25を参照して本発明の第三実施例を説明する。図19は第三実施例を示す正面図、図20は同じく右側面図、図21は同じく左側面図、図22は同じく図19中のA−A’線断面図、図23は同じく変形例を示す正面図、図24は同じく左側面図、図25は同じく図23中のA−A’線断面図である。尚、前記した実施例を共通する部分は同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0025】
この第三実施例にあって糸によるループ形成材1の一端には受部2が一体的に備えられており、この受部2には受孔3が形成され、第二実施例と同様な係止部15、15が一体形成され、その係止部15、15は貫通する窓孔14に臨まされている。
【0026】
一方、ループ形成材1の他端には挿入部8が一体的に備えられているが、本実施例にあってはこの挿入部8の頭部9の先端に脆弱な構成とした連結部16を介して第二の頭部9bが一体的に連結された構成となっている。
【0027】
ここで、この第三実施例に係るアタッチ部材の使用法を説明すると、まずループ形成材1にタグの透孔を通して保持させ、第二の頭部9bを受孔3内に嵌入し、係止部15、15により掛合してロック状態とする。次いで、このアタッチ部材の装着部位を変更する際に脆弱な連結部16を切断して第二の頭部9bを切離し、窓孔14から排出した後、改めて挿入部8の頭部9を受孔3に嵌入し、係止部15、15とのあいだで掛合し、ロック状態とする。このロック状態はループ形成材1を切断しない限り開放されることはないものとなっている。
【0028】
続いて、図23乃至図25によってこの第三実施例の変形例を説明する。この変形実施例は基となる前記した第三実施例と同様であるが、この場合、糸製のループ形成材1は挿入部8から第二の頭部9bまでその内部を貫通し、また受部2の窓孔14部分までも貫通したものとされている。
【0029】
上記構成とした変形実施例の場合は、一旦、第二の頭部9bを受孔3に嵌入し、係止部15、15と掛合してロック状態とした後に、アタッチ部材の装着位置を変更する時、挿入部8を摘んで強く引くと、脆弱な連結部16は切断され、第二の頭部9bを分離させるが、この際、ループ形成材1は第二の頭部9b内から引き抜かれることとなる。即ち、この変形実施例にあってはループ形成材1をより長く使用して受部2や挿入部8内へ入れることで、そのループ形成材1と受部2、挿入部8との接合部分の強化を図ることが可能となっている。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本実施例に係るアタッチ部材は上記のように構成されている。ここで、ループ形成材1は糸を使用することとしているが、これは糸に代え、延伸処理されたプラスチック、チェーン、伸縮性のあるゴム紐、あるいは皮革紐を用いることもでき、これらを幅広とした帯材とすることも可能である。また、第一実施例や第二実施例の場合、受部2の外側部に別途にタグ吊り専用のクリップやホック、フック等を連結材を介し、あるいは直接的に付設する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るアタッチ部材の第一実施例を示す部分断面正面図である。
【図2】平面図である。
【図3】底面図である。
【図4】右側面図である。
【図5】左側面図である。
【図6】図1中のA−A’線断面図である。
【図7】図6中のB−B’線断面図である。
【図8】変形例を示す部分断面正面図である。
【図9】平面図である。
【図10】底面図である。
【図11】右側面図である。
【図12】図8中のA−A’線断面図である。
【図13】B−B’線断面図である。
【図14】正面図である。
【図15】右側面図である。
【図16】左側面図である。
【図17】図14中のA−A’線断面図である。
【図18】図17中のB−B’線断面図である。
【図19】第三実施例を示す正面図である。
【図20】右側面図である。
【図21】左側面図である。
【図22】図19中のA−A’線断面図である。
【図23】変形例を示す正面図である。
【図24】左側面図である。
【図25】図23中のA−A’線断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ループ形成材
2 受部
3 受孔
4 係止部
4a 係止部
5 スリット
6 空隙
7 可動片
8 挿入部
8a 第二の挿入部
9 頭部
9a 頭部
9b 第二の頭部
10 係合部
11 ストッパ部
12 第2受孔
13 係止部
14 窓孔
15 係止部
15a 凹部
16 連結部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記受孔の一部壁面をバネ性を有する可動部としてあることを特徴とするアタッチ部材。
【請求項2】
前記した可動部は両サイドにスリットを形成した片体としてあることを特徴とする請求項1に記載のアタッチ部材。
【請求項3】
前記した片体とした可動部は受部の外側面の外方へ、その先端を突出させていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアタッチ部材。
【請求項4】
前記した受部は、前記したバネ性を有する可動部を具備した受孔に隣接し、あるいは近傍に、前記した可動部のない完全ロック用の受孔を有していることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のアタッチ部材。
【請求項5】
ループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記した受部の受孔を複数個とするとともに、挿入部を軸方向に直列に複数個連続して備えていることを特徴とするアタッチ部材。
【請求項6】
前記した受部の受孔は平行して設けられていることを特徴とする請求項5に記載のアタッチ部材。
【請求項7】
ループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記した受部の受孔の奥行を深くするとともに、挿入部の係合部を構成する頭部を軸方向に二以上直列に連続して備えていることを特徴とするアタッチ部材。
【請求項8】
前記した連続された頭部の最端に位置する頭部内まで前記したループ形成材が貫入されていることを特徴とする請求項7に記載のアタッチ部材。
【請求項9】
前記したループ形成部材は糸であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のアタッチ部材。
【請求項10】
前記した受部の外側面にクリップその他の別異に連結部を備えていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8または請求項9に記載のアタッチ部材。
【請求項1】
ループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記受孔の一部壁面をバネ性を有する可動部としてあることを特徴とするアタッチ部材。
【請求項2】
前記した可動部は両サイドにスリットを形成した片体としてあることを特徴とする請求項1に記載のアタッチ部材。
【請求項3】
前記した片体とした可動部は受部の外側面の外方へ、その先端を突出させていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアタッチ部材。
【請求項4】
前記した受部は、前記したバネ性を有する可動部を具備した受孔に隣接し、あるいは近傍に、前記した可動部のない完全ロック用の受孔を有していることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のアタッチ部材。
【請求項5】
ループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記した受部の受孔を複数個とするとともに、挿入部を軸方向に直列に複数個連続して備えていることを特徴とするアタッチ部材。
【請求項6】
前記した受部の受孔は平行して設けられていることを特徴とする請求項5に記載のアタッチ部材。
【請求項7】
ループ形成材の一端に、内部に係止部を備えた受孔を有する受部を備え、他端に前記した受部の受孔に嵌装され、係止部と掛合する係合部を有する挿入部を備えたアタッチ部材において、前記した受部の受孔の奥行を深くするとともに、挿入部の係合部を構成する頭部を軸方向に二以上直列に連続して備えていることを特徴とするアタッチ部材。
【請求項8】
前記した連続された頭部の最端に位置する頭部内まで前記したループ形成材が貫入されていることを特徴とする請求項7に記載のアタッチ部材。
【請求項9】
前記したループ形成部材は糸であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のアタッチ部材。
【請求項10】
前記した受部の外側面にクリップその他の別異に連結部を備えていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8または請求項9に記載のアタッチ部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−328235(P2007−328235A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160676(P2006−160676)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000134464)株式会社トスカ (23)
【出願人】(505064932)株式会社メックモールド (5)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000134464)株式会社トスカ (23)
【出願人】(505064932)株式会社メックモールド (5)
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