説明

アダプタ及びこれに接続される接続装置

【目的】 本発明の目的は、電子部品から発せられる熱を効率よく放熱することができる安価なアダプタ及びこれに接続される接続装置を提供することにある。
【構成】 アダプタ100は、冷陰極蛍光ランプ10のランプ部12の長さ方向の端部に突設されたリード端子11と、接続装置200との間を接続可能なアダプタであって、第1、第2コイル100a、100bを備えている。第1、第2コイル100a、100bは、第1、第2接点部110a、110bと、第1、第2放熱部120a、120bとを有している。第1、第2接点部110a、110bは、リード端子11に電気的に接続可能になっている。第1放熱部120aは疎巻き状であり、ランプ部12の端部が挿入可能になっている。第2放熱部120bは疎巻き状であり、第1放熱部120aが挿入されている。第2放熱部120bは接続装置200に接続可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷陰極蛍光ランプ等の電子部品に接続可能なアダプタ及びこれに接続される接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のアダプタとしては、冷陰極蛍光ランプのランプ部の長さ方向の端部が挿入される円筒状の本体部と、前記ランプ部の端部に突設されたリード端子が挿入され接続される円筒状の接続部と、本体部と接続部との間を繋ぐアーム部とを備えているものがある(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO/2009/022480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記アダプタは、円筒状の本体部がランプ部の端部を囲っているため、冷陰極蛍光ランプの発熱を効率よく放熱することが困難であった。もっとも、本体部の一部をカットし通気孔や切欠きを設けることにより、冷陰極蛍光ランプの熱を放熱することが可能になるが、本体部の形状が複雑になり、本体部の加工難度が向上し、コスト高になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、電子部品から発せられる熱を効率よく放熱することができる安価なアダプタ及びこれに接続される接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のアダプタは、電子部品の本体部の長さ方向の端部に突設されたリード端子と、接続装置との間を接続可能なアダプタである。このアダプタは第1コイルを備えている。前記第1コイルは、前記リード端子に電気的に接続可能な第1接点部と、前記本体部の端部が挿入され、前記接続装置に電気的に接続可能なコイル状の第1放熱部とを有している。
【0007】
このようなアダプタによる場合、第1放熱部がコイル状であるので、従来例の円筒状の本体部に比べて第1放熱部の空気に触れる表面積を大きくすることができる。このため、第1放熱部内に本体部の端部が挿入された状態で、該電子部品の本体部から発せられた熱が第1放熱部に伝わると、第1放熱部が空気に触れることにより、第1放熱部の熱を効率よく放熱することができる。この結果、電子部品の発熱を効率よく放熱することができる。また、本アダプタは、第1コイルの第1放熱部は線材をコイル状に巻くだけで簡単に作成することができるので、本アダプタの低コスト化を図ることができる。
【0008】
前記第1放熱部が疎巻きにされていることが好ましい。このように前記第1放熱部が疎巻きにされていると、該第1放熱部のコイル間から熱が逃げやすくなるので、第1放熱部の放熱効率を更に向上させることができる。
【0009】
前記アダプタは、第1コイルの回りに配置された第2コイルを更に備えた構成とすることができる。前記第2コイルは、前記リード端子に電気的に接続可能な第2接点部と、前記第1放熱部が挿入されたコイル状の第2放熱部とを有している。前記第1、第2放熱部の少なくともいずれか一方が前記接続装置に電気的に接続可能になっている。
【0010】
このようなアダプタによる場合、コイル状の第2放熱部が前記第1放熱部の回りに配置されているので、第2放熱部の分、空気に触れる表面積が大きくなる。このため、電子部品の発熱を更に効率よく放熱することができる。また、本アダプタは、2つのコイルを用いているため、導体断面積が一つのコイルを用いる場合に比べて増大する。よって、本アダプタの電気抵抗を低減することができ、本アダプタ自体の温度上昇を抑えることができる。また、本アダプタは、第1、第2コイルの第1、第2放熱部は線材をコイル状に巻くだけで簡単に作成することができるので、本アダプタの低コスト化を図ることができる。
【0011】
前記第2放熱部が疎巻きにされていることが好ましい。このように前記第2放熱部が疎巻きにされていると、該第2放熱部のコイル間から熱が逃げやすくなるので、第2放熱部の放熱効率を更に向上させることができる。
【0012】
前記第1、第2放熱部が疎巻きにされている場合、前記第1放熱部を構成する線材は、前記第2放熱部を構成する線材の間から外部に露出していることが好ましい。このように前記第1放熱部の線材が前記第2放熱部の線材の間から外部に露出していると、内側の第1放熱部が空気に触れやすくなるので、放熱効率を更に向上させることができる。
【0013】
前記第1接点部は前記第1放熱部に連続しており且つ前記リード端子が挿入され、接触可能な座巻部とすることができる。前記第2接点部は、前記第2放熱部に連続しており且つ前記第1接点部に外嵌し接触する座巻部とすることができる。この場合、第1コイルを第2コイル内に挿入し、第2接点部を第1接点部に外嵌させ接触させるだけで、第1コイルと第2コイルとを組み合わせることができる。よって、本アダプタの組み立てが簡単になるので、低コスト化を図ることができる。
【0014】
前記第1、第2放熱部は少なくとも一部が軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっていると良い。この場合、前記第1、第2接点部が前記リード端子に電気的且つ機械的に接続され、前記第1、第2放熱部の少なくとも一方が前記接続装置に電気的且つ機械的に接続された状態で、電子部品が熱膨張又は熱収縮し、リード端子及び第1、第2接点部が熱膨張方向又は熱収縮方向に移動すると、前記第1、第2放熱部の少なくとも一部が前記軸方向及び/又は半径方向に弾性変形して電子部品の熱膨張又は熱収縮を吸収することができる。よって、電子部品の熱膨張又は熱収縮時に、リード端子及び本体部の端部のリード端子の根元部分にかかる負荷を低減することができる。
【0015】
前記第1放熱部の内径が、前記本体部の端部が前記長さ方向に移動自在となる程度の大きさを有していることが好ましい。この場合、電子部品の熱膨張又は熱収縮時に、本体部の端部が前記第1放熱部内を移動するので、前記端部が前記第1放熱部内に引っ掛かる等して前記端部の移動が妨げられ、これにより前記リード端子及び本体部の端部のリード端子の根元部分に負荷がかかるのを防止することができる。
【0016】
また、前記アダプタは第2コイルを更に備えた構成とすることができる。前記第2コイルは、前記リード端子に電気的に接続可能な第2接点部と、コイル状の第2放熱部とを有している。前記第1放熱部を構成する線材と前記第2放熱部を構成する線材とが前記長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻かれており、該第1、第2放熱部内に前記本体部の端部が挿入され、前記接続装置に電気的に接続可能になっている。
【0017】
このようなアダプタによる場合、前記第1放熱部を構成する線材と前記第2放熱部を構成する線材とが前記長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻かれているので、第2放熱部の分、空気に触れる表面積が大きくなる。このため、電子部品の発熱を更に効率よく放熱することができる。また、本アダプタは、2つのコイルを用いているため、導体断面積が一つのコイルを用いる場合に比べて増大する。よって、本アダプタの電気抵抗を低減することができ、本アダプタ自体の温度上昇を抑えることができる。また、本アダプタは、第1、第2コイルの第1、第2放熱部は二本の線材を二重螺旋状に巻くだけで簡単に作成することができるので、本アダプタの低コスト化を図ることができる。
【0018】
前記第1放熱部を構成する線材と前記第2放熱部を構成する線材とが全長において平行で且つ互いに接触した構成とすることができる。前記第1、第2放熱部は疎巻きにされていることが好ましい。この場合、第1、第2放熱部のコイル間から熱が逃げやすくなるので、前記第1、第2放熱部の放熱効率を更に向上させることができる。
【0019】
前記第1、第2接点部は、前記第1、第2放熱部に連続する線材が長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻かれた構成とすることができる。この第1、第2接点部に前記リード端子が挿入され、接触可能な構成とすることができる。この場合、前記二本の線材を前記第1、第2放熱部に続けて二重螺旋状に巻くだけで、前記第1、第2接点部を簡単に作成することができるので、本アダプタの低コスト化を図ることができる。
【0020】
前記第1、第2放熱部は少なくとも一部が軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっていると良い。この場合、前記第1、第2接点部が前記リード端子に電気的且つ機械的に接続され、前記第1、第2放熱部が前記接続装置に電気的且つ機械的に接続された状態で、電子部品が熱膨張又は熱収縮し、リード端子及び第1、第2接点部が熱膨張方向又は熱収縮方向に移動すると、前記第1、第2放熱部の少なくとも一部が前記軸方向及び/又は半径方向に弾性変形して電子部品の熱膨張又は熱収縮を吸収することができる。よって、電子部品の熱膨張又は熱収縮時に、リード端子及び本体部の端部のリード端子の根元部分にかかる負荷を低減することができる。
【0021】
前記第1、第2放熱部の内径は、前記本体部の端部が前記長さ方向に移動自在となる程度の大きさを有していることが好ましい。この場合、電子部品の熱膨張又は熱収縮時に、本体部の端部が前記第1、第2放熱部内を移動するので、前記端部が前記第1、第2放熱部内に引っ掛かる等して前記端部の移動が妨げられ、これにより前記リード端子及び本体部の端部のリード端子の根元部分に負荷がかかるのを防止することができる。
【0022】
本発明の接続装置は、上記アダプタが接続される装置であって、前記アダプタの第1及び/又は第2放熱部が挿入可能な挿入凹部を有するボディと、前記ボディに設けられ且つ前記挿入凹部の内壁面に対向するコンタクトとを備えている。前記コンタクトと前記内壁面との間で前記第1及び/又は第2放熱部が弾性的に挟持されるようになっている。
【0023】
前記接続装置がボディに設けられた一対のコンタクトを備えている場合、前記コンタクトと前記内壁面との間で前記第1及び/又は第2放熱部が弾性的に挟持されるのではなく、前記挿入凹部内において、前記一対のコンタクト間で前記第2放熱部が弾性的に挟持される構成とすることができる。
【0024】
前記ボディには、前記挿入凹部の壁面から前記ボディの外部にかけて貫通する通気孔が設けられていても良いし、前記挿入凹部の底面から前記ボディの外部にかけて貫通する通気孔が設けられていても良い。勿論、前記ボディに双方の通気孔が設けられていても良い。この場合、前記通気孔により前記挿入凹部に空気が流通しやすくなるので、前記アダプタの第1、第2放熱部に空気が触れ、該第1、第2放熱部の熱が効率よく放熱される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1に係るアダプタの概略図であって、(a)が正面図、(b)が背面図、(c)が平面図、(d)が底面図、(e)が右側面図、(f)が左側面図、(g)が正面平面右側面を表した斜視図、(h)が正面平面左側面を表した斜視図、(i)正面底面右側面を表した斜視図、(j)正面底面左側面を表した斜視図である。
【図2】前記アダプタが冷陰極蛍光ランプに接続された状態を示す概略図であって、(a)が斜視図、(b)が側面図である。
【図3】(a)は前記アダプタの図2(b)中のA−A断面図、(b)は図3(a)中B部分の拡大図である。
【図4】前記アダプタの第1、第2コイルを組み合わせる前であり且つ冷陰極蛍光ランプを接続する前の状態を示す概略的側面図である。
【図5】本発明の接続装置に前記アダプタが接続された状態を示す概略図であって、(a)が斜視図、(b)が正面図、(c)が側面図である。
【図6】前記接続装置のボディの概略図であって、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が右側面図、(d)が左側面図、(e)が斜視図である。
【図7】本発明の実施例2に係るアダプタの概略図であって、(a)が正面図、(b)が背面図、(c)が平面図、(d)が底面図、(e)が右側面図、(f)が左側面図、(g)が正面平面右側面を表した斜視図、(h)が正面平面左側面を表した斜視図、(i)正面底面右側面を表した斜視図、(j)正面底面左側面を表した斜視図である。
【図8】前記アダプタが冷陰極蛍光ランプに接続された状態を示す概略図であって、(a)が斜視図、(b)が側面図である。
【図9】前記アダプタの図8(b)中のC−C断面図である。
【図10】前記アダプタと冷陰極蛍光ランプとが接続される前の状態を示す概略的側面図である。
【図11】実施例1の前記アダプタの設計変更例を示す概略図であって、(a)が正面図、(b)が背面図、(c)が平面図、(d)が底面図、(e)が右側面図、(f)が左側面図、(g)が正面平面右側面を表した斜視図、(h)が正面平面左側面を表した斜視図、(i)正面底面右側面を表した斜視図、(j)正面底面左側面を表した斜視図である。
【図12】実施例2の前記アダプタの別の設計変更例を示す概略図であって、(a)が正面図、(b)が背面図、(c)が平面図、(d)が底面図、(e)が右側面図、(f)が左側面図、(g)が正面平面右側面を表した斜視図、(h)が正面平面左側面を表した斜視図、(i)正面底面右側面を表した斜視図、(j)正面底面左側面を表した斜視図である。
【図13】前記アダプタが一つのコイルのみで構成された設計変更例を示す概略図であって、冷陰極蛍光ランプとが接続される前の状態を示す概略的底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例1及び2について説明する。
【実施例1】
【0027】
まず、本発明の実施例1のアダプタについて図1乃至図4を参照しつつ説明する。
【0028】
図1乃至図3に示すアダプタ100は、冷陰極蛍光ランプ10のリード端子11に接続されるものである。このアダプタ100は、第1コイル100aと、この第1コイル100aが挿入され、第1コイル100aの回りに配置された第2コイル100bとを備えている。以下、詳しく説明する。
【0029】
冷陰極蛍光ランプ10は、図2乃至図4に示すように、リード端子11と、円柱状のランプ部12(本体部)とを備えている。リード端子11はランプ部12の長さ方向の両端部に突設されている。なお、図2乃至図4においては、冷陰極蛍光ランプ10の長さ方向の一方のランプ部12の端部及びリード端子11のみが図示されている。また、図3では、ランプ部12の内部構造が図示省略されている。
【0030】
第1コイル100aは、図1乃至図4に示すように、導電性を有する断面円形の線材がコイル状に巻き回されたコイルスプリングである。この第1コイル100aは、第1接点部110aと、第1放熱部120aとを有している。第1接点部110aは円筒状の座巻部であって、その内径がリード端子11の外径よりも若干大きくなっている。第1放熱部120aは、第1接点部110aの後端に連続する円錐筒部121aと、円錐筒部121aの後端に連続する円筒部122aとを有する疎巻き状のコイル部である。円筒部122aは所定のコイル間隔をあけて巻かれている。円筒部122aの内径は、ランプ部12が挿入され、前記長さ方向に移動自在となる程度の大きさを有している。具体的には、円筒部122aの内径はランプ部12の外径よりも若干大きくなっている。円錐筒部121aは、円筒部122aよりも若干狭いコイル間隔で第1接点部110aに向けて漸次低減するように巻かれている。円錐筒部121a及び円筒部122aは、その軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっている。すなわち、第1放熱部120a全体が軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっている。
【0031】
第2コイル100bは、図2乃至図4に示すように、導電性を有する断面円形の線材がコイル状に巻き回されたコイルスプリングである。この第2コイル100bは、第2接点部110bと、第2放熱部120bとを有している。第2接点部110bは、円筒状の座巻部であって、先端部と、後端部とを有している。前記先端部の内径は、第1コイル100aの第1接点部110aの内径と同じであり、前記後端部の内径は第1コイル100aの第1接点部110aの外径と略同じになっている。この第2接点部110bの後端部が第1接点部110aに外嵌し接触している。これにより、第1コイル100aが第2コイル100b内に挿入された状態で組み合わされている。第2接点部110bの先端部及び第1接点部110a内には、リード端子11が挿入され、接触可能となっている。第2放熱部120bは、第2接点部110bの後端に連続する円錐筒部121bと、円錐筒部121bの後端に連続する円筒部122bとを有する疎巻き状のコイル部である。円錐筒部121bは、円錐筒部121aよりも広いコイル間隔で第2接点部110bに向けて外径が漸次低減するように巻かれている。円筒部122bは円筒部122aと略同じコイル間隔をあけて巻かれている。円筒部122bの内径は円筒部122aの外径よりも若干大きくなっている。この円筒部122b内に円筒部122aが挿入されている。また、円筒部122bの長さ寸法は円筒部122aよりも長さ寸法よりも小さくなっている。このため、円筒部122aの後端部が円筒部122bから後方に突出している。また、第2接点部110bの長さ寸法、円錐筒部121bの長さ寸法及び/又は円錐筒部121bのコイル間隔が、円筒部122bを構成する線材の間から円筒部122aを構成する線材が外部に露出するように調整されている。これにより、円筒部122a、122bの双方が外気に触れやすくなっている。円錐筒部121b及び円筒部122bはその軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっている。すなわち、第2放熱部120b全体が軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっている。
【0032】
以下、上述した構成のアダプタ100の製造方法について説明する。まず、上記線材を巻き回して第1コイル100aを作成し、上記線材を巻き回して第2コイル100bを作成する。その後、図3に示すように、第1コイル100aの第1接点部110aを第2コイル100bの後方から第2放熱部120b内に挿入する。その後、第1コイル100aの第1接点部110aを第2放熱部120b内で前進させ、第2接点部110bの後端部に嵌合させる。このとき、第1コイル100aの第1放熱部120aが第2コイル100bの第2放熱部120b内に挿入され、第1放熱部120aの円筒部122aの線材が第2放熱部120bの円筒部122bの線材の間から外部に露出するように配置される。このようにして第1、第2コイル100a、100bが組み合わされ、アダプタ100となる。
【0033】
以下、アダプタ100に冷陰極蛍光ランプ10を接続する手順について説明する。まず、冷陰極蛍光ランプ10のリード端子11をアダプタ100の後方からアダプタ100の第1コイル100aの第1放熱部120a内に挿入する。その後、リード端子11を第1放熱部120a内で前進させ、第1接点部110a及び第2接点部110bの先端部内に挿入する。すると、リード端子11が第1接点部110a及び第2接点部110bの先端部に接触し、ランプ部12の端部が第1放熱部120a内に挿入される。その後、リード端子11を第2接点部110bの先端部に半田又は溶接により電気的且つ機械的に接続する。
【0034】
なお、上述の如く組み合わされた第1、第2コイル100a、100bを冷陰極蛍光ランプ10に接続するのではなく、冷陰極蛍光ランプ10に第1、第2コイル100a、100bを順次接続するようにしても構わない。具体的には、冷陰極蛍光ランプ10のリード端子11を第1コイル100aに後方から挿入し、リード端子11を第1接点部110aに挿入して接触させると共に、ランプ部12の端部を第1放熱部120a内に挿入させる。その後、冷陰極蛍光ランプ10及び第1コイル100aを第2コイル100bに後方から挿入し、リード端子11を第2コイル100bの第2接点部110bの先端部内に挿入すると共に、第1コイル100aの第1接点部110aを第2接点部110bの後端部に嵌合させる。このとき、第1コイル100aの第1放熱部120aが第2コイル100bの第2放熱部120b内に挿入され、第1放熱部120aの円筒部122aの線材が第2放熱部120bの円筒部122bの線材の間から外部に露出するように配置される。
【0035】
以下、アダプタ100が冷陰極蛍光ランプ10と共に接続される接続装置200について図5及び図6を参照しつつ説明する。図5に示す接続装置200は、ボディ210と、コンタクト220とを備えている。以下、各部について詳しく説明する。
【0036】
ボディ210は略立方体の絶縁樹脂製の射出成形品である。このボディ210には、図5及び図6に示すように、該ボディ210を厚み方向に貫通した断面略U字状の挿入凹部211が設けられている。この挿入凹部211にアダプタ100が挿脱自在となっている。ボディ210の挿入凹部211の長さ方向の両壁部が第1、第2壁部212、213となっている。ボディ210の挿入凹部211の底板の第1壁部212の近傍には矩形状の開口211aが、該底板の中央部には矩形状の通気孔211bが設けられている。また、ボディ210には、開口211aに連通しており且つ下側に開放された取付孔214が設けられている。この取付孔214の幅寸法は、コンタクト220の本体部の幅寸法よりも若干小さくなっている。すなわち、取付孔214にコンタクト220の本体部が圧入され取り付けられるようになっている。通気孔211bは、ボディ210の底板を厚み方向に貫通し、該ボディ210の外部に通じている。第1壁部212は、中央壁と、中央壁の前記厚み方向の両端に第2壁部213に向けて立設された一対の側壁とを有している。第1壁部212の中央壁には、該中央壁の内壁面から外壁面にかけて貫通する一対の通気孔212aが設けられている。第2の壁部213は第1壁部212よりも厚い壁であって、内壁面から外壁面にかけて貫通する一対の通気孔213aが設けられている。また、ボディ210の下面の角部には、一対の係止凸部215が設けられている。この係止凸部215が基板20の図示しない係止孔に係止されるようになっている。
【0037】
コンタクト220は導電性を有する板がプレス成形されたものである。このコンタクト220は、図5(a)及び図5(c)に示すように、図示しない前記本体部と、接点部221と、接続部222とを有している。コンタクト220の本体部は略矩形状の板部であって、ボディ210の取付孔214に圧入され、取り付けられている。接点部221は、前記本体部の上端に連続して設けられた板部であって、ボディ210の開口211aから挿入凹部211内に挿入されている。この接点部221は、第2壁部213の内壁面に向けて略U字状に折り曲げられており、該第2壁部213の内壁面から離れる方向に弾性変形可能になっている。接点部221と第2壁部213の内壁面とは、互いに対向しており、その間の距離はアダプタ100の第2放熱部120bの円筒部122bの直径よりも小さくなっている。すなわち、接点部221と第2壁部213の内壁面との間にアダプタ100の円筒部122bが挿入されることにより、接点部221と第2壁部213の内壁面との間でアダプタ100の円筒部122bが挟持されるようになっている。接続部222は二股状になっており、基板20の図示しない接続孔に係止され且つ電気的に接続されるようになっている。
【0038】
以下、上述した構成の接続装置200にアダプタ100を接続する手順について説明する。まず、上述の如く冷陰極蛍光ランプ10が接続されたアダプタ100の円筒部122bを接続装置200のコンタクト220の接点部221と第2壁部213の内壁面との間に挿入する。すると、接点部221が第2壁部213の内壁面から離れる方向に弾性変形する。その後、円筒部122bが接点部221の折り曲げ部の頂部を乗り越えると、接点部221が自身の弾性力により、第2壁部213の内壁面に近づく方向に復帰移動する。これにより、円筒部122bが接点部221と第2壁部213の内壁面との間で挟持される。このようにしてアダプタ100の円筒部122bが接続装置200に電気的且つ機械的に接続される。以下、この状態を第1接続状態と称する。
【0039】
この第1接続状態で、冷陰極蛍光ランプ10のリード端子11が基板20、コンタクト220及びアダプタ100を通じて通電され、該ランプ部12が発熱すると、その熱がランプ部12の端部を囲うアダプタ100の第1、第2放熱部120a、120bに伝わる。この第1、第2放熱部120a、120bは、断面円形の線材が間隔をあけて巻かれたコイル部であって、第1放熱部120aの円筒部122aを構成する線材が第2放熱部120bの円筒部122bを構成する線材の間から外部に露出している。すなわち、第1、第2放熱部120a、120bは空気に触れる表面積が大きく且つ円筒部122a、122bの双方が空気に触れやすくなっているので、第1、第2放熱部120a、120bが空気に触れることにより、第1、第2放熱部120a、120bの熱を効率よく放熱することができる。この結果、冷陰極蛍光ランプ10のランプ部12の発熱も効率よく放熱することができる。しかも、接続装置200は、ボディ210に通気孔211b、212a、213aが設けられているので、通気孔211b、212a、213aを通じてボディ210の挿入凹部211に空気を流通させることが可能になり、その結果、該ボディ210の挿入凹部211に挿入されたアダプタ100及びランプ部12の端部の熱を効率よく逃がすことができる。また、アダプタ100は、2つのコイルを用いているため、導体断面積を一つのコイルを用いた場合に比べて増大させることができる。よって、アダプタ100の電気抵抗を低減することができ、アダプタ100自体の温度上昇を抑えることができる。
【0040】
また、アダプタ100は、線材をコイル状に巻いて第1、第2コイル100a、100bを作成し、第1コイル100aを第2コイル100b内に挿入するだけで、簡単に製造することができるので、従来例の如く複雑な加工を必要としない。よって、アダプタ100の低コスト化を図ることができる。
【0041】
また、アダプタ100の第1、第2放熱部120a、120bが軸方向及び半径方向に弾性変形可能となっているので、前記第1接続状態で、冷陰極蛍光ランプ10が自身の発熱や外気温の上昇等の外部環境の変化により熱膨張、又は外気温の低下等の外部環境の変化により熱収縮し、リード端子11及びこれに接続されたアダプタ100の第1、第2接点部110a、110bが熱膨張方向又は熱収縮方向に移動したとしても、第1、第2放熱部120a、120bの接続装置200の接点部221とボディ210の第2壁部213の内壁面との間との間で挟持された部分の前方部分(すなわち、第1、第2放熱部120a、120bの前記挟持された部分より第1、第2接点部110a、110b側の部分)が熱膨張方向又は熱収縮方向に(すなわち、軸方向及び/又は半径方向に)弾性変形し、冷陰極蛍光ランプ10の熱膨張又は熱収縮を吸収することができる。よって、冷陰極蛍光ランプ10の熱膨張又は熱収縮時に、リード端子11及びランプ部12のリード端子11の根元部分にかかる負荷を低減することができる。また、第1放熱部120aの円筒部122aの内径が、ランプ部12の端部が前記長さ方向に移動自在となる程度の大きさを有していることから、冷陰極蛍光ランプ10の熱膨張又は熱収縮時に、前記端部が円筒部122a内で引っ掛かる等して前記端部の移動が妨げられ、これによりリード端子11及びランプ部12のリード端子11の根元部分に負荷がかかるのを防止することもできる。
【実施例2】
【0042】
次に、本発明の実施例2のアダプタについて図7乃至図10を参照しつつ説明する。図7乃至図10に示すアダプタ300は、冷陰極蛍光ランプ10のリード端子11に接続されるものである。このアダプタ300は、第1、第2コイル300a、300bを備えている。
【0043】
この第1、第2コイル300a、300bは、全長にわたって平行で且つ互いに接触した導電性を有する断面円形の二本の線材が、冷陰極蛍光ランプ10の長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻き回されたコイルスプリングである。この第1、第2コイル300a、300bは、第1、第2接点部310a、310bと、第1、第2放熱部320a、320bとを有している。第1、第2接点部310a、310bは、前記二本の線材の先端部(すなわち、前記二本の線材のうち第1、第2接点部310a、310bを構成する部分)が前記長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻き回された円筒状のコイル部である。第1、第2接点部310a、310bは所定のコイル間隔で疎巻きにされている。第1、第2接点部310a、310bの内径はリード端子11の外径よりも若干大きくなっている。この第1、第2接点部310a、310b内にリード端子11が挿入され、該第1、第2接点部310a、310bに接触するようになっている。
【0044】
第1、第2放熱部320a、320bは、前記二本の線材の後端部(すなわち、前記二本の線材のうち第1、第2放熱部320a、320bを構成する部分)が前記長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻き回された筒状のコイル部である。第1、第2放熱部320a、320bは、第1、第2接点部310a、310bの後端に連続する円錐筒部321a、321bと、円錐筒部321a、321bの後端に連続する円筒部322a、322bとを有している。円筒部322a、322bは所定のコイル間隔で疎巻きにされている。円筒部322a、322bの内径は、ランプ部12が挿入され、前記長さ方向に移動自在となる程度の大きさを有している。具体的には、円筒部322a、322bの内径はランプ部12の外径よりも若干大きくなっている。円錐筒部321a、321bは第1、第2接点部310a、310bに向けて外径が漸次低減するように巻かれている。この円錐筒部321a、321bは円筒部322a、322bよりも広いコイル間隔で疎巻きにされている。円錐筒部321a、321b及び円筒部322a、322bは、その軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっている。すなわち、第1、第2放熱部320a、320b全体が軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっている。
【0045】
上述した構成のアダプタ300は、上記二本の線材を平行に配置し、互いに接触させる。この状態で前記線材を、該線材が冷陰極蛍光ランプ10の長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻き回す。これにより、アダプタ300が製造される。
【0046】
以下、アダプタ300に冷陰極蛍光ランプ10を接続する手順について説明する。まず、図8に示すように、冷陰極蛍光ランプ10のリード端子11をアダプタ300の後方から第1、第2放熱部320a、320b内に挿入する。その後、リード端子11を第1、第2放熱部320a、320b内で前進させ、第1、第2接点部310a、310bに挿入する。すると、リード端子11が第1、第2接点部310a、310bに接触し、ランプ部12の端部が第1、第2放熱部320a、320b内に挿入される。その後、リード端子11を第1、第2接点部310a、310bに半田又は溶接により電気的且つ機械的に接続する。
【0047】
その後、アダプタ300を上記接続装置200に次の通り接続する。まず、アダプタ300の第1、第2放熱部320a、320bの円筒部322a、322bを接続装置200のコンタクト220の接点部221と第2壁部213の内壁面との間に挿入する。すると、接点部221が第2壁部213の内壁面から離れる方向に弾性変形する。その後、円筒部322a、322bが接点部221の折り曲げ部の頂部を乗り越えると、接点部221が自身の弾性力により、第2壁部213の内壁面に近づく方向に復帰移動する。これにより、円筒部322a、322bが接点部221と第2壁部213の内壁面との間で挟持される。このようにしてアダプタ300の第1、第2放熱部320a、320bの円筒部322a、322bが接続装置200に電気的且つ機械的に接続される。以下、この状態を第2接続状態と称する。
【0048】
この第2接続状態で、冷陰極蛍光ランプ10のリード端子11が基板20、コンタクト220及びアダプタ300を通じて通電され、ランプ部12が発熱すると、その熱がランプ部12の端部を囲うアダプタ300の第1、第2放熱部320a、320bに伝わる。この第1、第2放熱部320a、320bは、断面円形の線材が間隔をあけて長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻かれたコイル部である。すなわち、第1、第2放熱部120a、120bは空気に触れる表面積が大きくなっているので、第1、第2放熱部120a、120bが空気に触れることにより、第1、第2放熱部120a、120bの熱を効率よく放熱することができる。この結果、冷陰極蛍光ランプ10のランプ部12の発熱も効率よく放熱することができる。しかも、接続装置200は、ボディ210に通気孔211b、212a、213aが設けられているので、通気孔211b、212a、213aを通じてボディ210の挿入凹部211に空気を流通させることが可能になり、その結果、該ボディ210の挿入凹部211に挿入されたアダプタ300及びランプ部12の端部の熱を効率よく逃がすことができる。また、アダプタ300は、2つのコイルを用いているため、導体断面積を一つのコイルを用いた場合に比べて増大させることができる。よって、アダプタ300の電気抵抗を低減することができ、アダプタ300自体の温度上昇を抑えることができる。
【0049】
また、アダプタ300は、二本の線材を二重螺旋状に巻くだけで製造することができるので、アダプタ300の低コスト化を図ることができる。
【0050】
また、アダプタ300の第1、第2放熱部320a、320bが軸方向及び半径方向に弾性変形可能となっているので、前記第2接続状態で、冷陰極蛍光ランプ10が自身の発熱や外気温の上昇等の外部環境の変化により熱膨張、又は外気温の低下等の外部環境の変化により熱収縮し、リード端子11及びこれに接続されたアダプタ100の第1、第2接点部310a、310bが熱膨張方向又は熱収縮方向に移動したとしても、第1、第2放熱部320a、320bの接続装置200の接点部221とボディ210の第2壁部213の内壁面との間との間で挟持された部分の前方部分(すなわち、第1、第2放熱部320a、320bの前記挟持された部分より第1、第2接点部310a、310b側の部分)が熱膨張方向又は熱収縮方向に(すなわち、軸方向及び/又は半径方向に)弾性変形し、冷陰極蛍光ランプ10の熱膨張又は熱収縮を吸収することができる。よって、冷陰極蛍光ランプ10の熱膨張又は熱収縮時に、リード端子11及びランプ部12のリード端子11の根元部分にかかる負荷を低減することができる。また、第1、第2放熱部320a、320bの円筒部322a、322bの内径は、ランプ部12が挿入され、前記長さ方向に移動自在となる程度の大きさを有しているので、冷陰極蛍光ランプ10の熱膨張又は熱収縮時に、前記端部が円筒部322a、322b内で引っ掛かる等して前記端部の移動が妨げられ、これによりリード端子11及びランプ部12のリード端子11の根元部分に負荷がかかるのを防止することもできる。
【0051】
なお、上記アダプタ100、300及び接続装置200は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、図11乃至図13を参照しつつ詳しく説明する。
【0052】
上記実施例1では、第1、第2接点部は円筒状の座巻部、上記実施例2では第1、第2接点部は所定のコイル間隔をあけて巻かれた二重螺旋状のコイル部であるとしたが、第1、第2接点部は冷陰極蛍光ランプ10等の電子部品のリード端子に電気的に接続可能である限りどのように設計変更しても構わない。例えば、第1、第2コイル100a、100bを構成する線材の端部を略L字状に折り曲げて冷陰極蛍光ランプ10のリード端子11に接触させることにより、該端部を第1、第2接点部とすることができる。すなわち、第1、第2接点部を略L字状とすることができる。第1、第2コイル300a、300bについても同様に略L字状の端部を第1、第2接点部とすることができる。また、実施例1の第1、第2接点部を疎巻き状のコイル部とすることも可能であり、実施例2の第1、第2接点部を円筒状の座巻部とすることも可能である。また、第1、第2接点部のいずれか一方の接点部のみをリード端子11に接触させるようにしても構わない。この場合、他方の接点部は一方の接点部に接触させ、これにより第1、第2コイルを電気的に接続すれば良い。また、他方の接点部を、一方の接点部ではなく、該一方の接点部側の放熱部に接触させ、これにより第1、第2コイルを電気的に接続することも可能である。
【0053】
また、上記実施例1及び2では、第1、第2接点部は第1、第2放熱部に連続しているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1、第2接点部と第1、第2放熱部との間に冷陰極蛍光ランプ等の電子部品の熱膨張又は熱収縮を緩和するための弾性変形部を別途設けることも可能である。この弾性変形部は、少なくとも放熱部の軸方向に弾性変形可能になっていれば良い。
【0054】
上記実施例1では、第1、第2放熱部は疎巻きであるとしたが、前記第1放熱部は、前記本体部の端部が挿入可能なコイル部あり、前記第2放熱部は、前記第1放熱部が挿入されたコイル部である限り、疎巻き及び密巻きのいずれにも任意に設計変更することが可能である。例えば、図11に示すように、第1、第2コイル100a’、100b’の円筒部122a’、122b’を、コイル間隔を開けずに密巻きにすることが可能である。この場合であっても、円筒部122a’、122b’の空気に触れる表面積を従来例の円筒状の本体部に比べて大きくすることができるので、放熱効果を向上させることができる。また、第1、第2放熱部の一方のみを疎巻きとすることも可能である。また、円筒部122a、122bのコイル間隔が開いている場合であっても、円筒部122bを構成する線材の間から円筒部122aを構成する線材が外部に露出しないようにすることも可能である。また、上記実施例1では、円筒部122bの長さ寸法は円筒部122aよりも長さ寸法よりも小さいとしたが、円筒部122a、122bの長さ寸法は同じにしても良いし、また、円筒部122bの長さ寸法が円筒部122aよりも長さ寸法よりも長くなるように設計変更しても構わない。また、実施例1では、第2放熱部の円筒部が接続装置200のコンタクト220の接点部221と第2壁部213の内壁面との間で挟持されるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1放熱部120aの円筒部122aの第2放熱部120bの後方から突出した部分が接続装置200のコンタクト220の接点部221と第2壁部213の内壁面との間で挟持されるようにしても構わない。また、上記実施例1では、第1、第2放熱部120a、120b全体が弾性変形可能であるとしたが、一部のみが軸方向及び/又は半径方向に弾性変形可能な構成とすることが可能である。例えば、図11に示すように、第1、第2放熱部120a’、120b’の円錐筒部121a’、121b’だけが軸方向及び半径方向に弾性変形可能な構成とすることができる。
【0055】
上記実施例2では、第1、第2放熱部は疎巻きであるとしたが、二本の線材が前記長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻かれており且つ前記本体部の端部が挿入可能なコイル部である限り、疎巻き及び密巻きのいずれにも任意に設計変更することが可能である。例えば、図12に示すように、第1、第2コイル300a’、300b’の円筒部322a’、322b’を、コイル間隔を開けずに密巻きにすることが可能である。この場合であっても、円筒部322a’、322b’の空気に触れる表面積を従来例の円筒状の本体部に比べて大きくすることができるので、放熱効果を向上させることができる。また、上記実施例2では、第1、第2放熱部320a、320b全体が弾性変形可能であるとしたが、一部のみが軸方向及び/又は半径方向に弾性変形可能な構成とすることが可能である。例えば、図12に示すように、第1、第2放熱部320a’、320b’の円錐筒部321a’、321b’だけが軸方向及び半径方向に弾性変形可能な構成とすることができる。なお、上記実施例1及び2の第1、第2放熱部全体を密巻きにし、弾性変形しない構成とすることも可能である。
【0056】
上記実施例1及び2では、上記線材が断面円形であるとしたが、これに限定されるものではなく、第1、第2放熱部の空気に触れる表面積が、従来例の円筒状の本体部よりも大きくなり得る形状である限り任意に設計変更することが可能である。なお、第1、第2放熱部を上述の如く密巻きにする場合には、該第1、第2放熱部を構成する線材として断面矩形状の線材を用いることはできない。前記線材を用いて密巻きにすると、従来例と同様の円筒状となるからである。また、上記実施例2では、第1、第2コイル300a、300bを構成する二本の線材が全長において平行で且つ互いに接触しているとしたが、二本の線材の間に隙間があいていても良い。また、二本の線材が逆平行な二重螺旋状に巻かれていても良い。
【0057】
また、上記実施例1では、アダプタ100は、二つの第1、第2コイルを備えているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、アダプタ100は、三つ以上のコイルを備えた構成とすることも可能である。具体的には、三つ目以上のコイルで第1、第2コイルの周囲を囲い、三以上のコイルを半径方向に多層配置することが可能である。この場合、三つ目以上のコイルの放熱部が第1、第2放熱部の周囲を囲い、前記放熱部が半径方向に三重以上に多層配置されることとなる。また、実施例2では、アダプタ300は、二つの線材が冷陰極蛍光ランプ10の長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻き回されて構成された第1、第2コイルを備えているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、アダプタ300は、三本以上線材が電子部品の長さ方向に交互に並ぶように多重螺旋状に巻き回された構成とすることも可能である。この場合、放熱部も三本以上線材が電子部品の長さ方向に交互に並ぶように多重螺旋状となる。更に、本発明に係るアダプタは、図13に示すように、一つのコイル100a’’のみを備えた構成とすることも可能である。コイル100a’’のみであっても、従来例の円筒状の本体部に比べて、空気に触れる表面積を大きくすることができるので、その放熱効果を高めることができる。また、前記アダプタはコイルが一つだけであるので、上記実施例1及び2に比べて部品点数を低減することができ、低コスト化を図ることができる。なお、前記アダプタの第1接点部110a’’及び第1放熱部120a’’も、上述した第1接点部及び第1放熱部の如く設計変更することが可能であり、第1放熱部120a’’の一部又は全部を密巻きにすることもできる。
【0058】
上記実施例1及び2では、接続装置200は一つのコンタクト220を備えているとしたが、複数のコンタクトを備えた構成となっていても良い。例えば、接続装置がボディ設けられ且つ一部が該ボディの挿入凹部内に配置される一対のコンタクトを備えている場合、前記挿入凹部内で前記一対のコンタクトの一部により第2放熱部120bの円筒部122bを挟持したり、第1、第2放熱部320a、320bの円筒部322a、322bを挟持したりすることができる。なお、上述した第1、第2放熱部は、前述のように教示され、接続装置に電気的且つ機械的に接続されている必要はなく、第1、第2放熱部の少なくとも一方が接続装置に電気的に接続可能となっていればよい。
【0059】
また、上記実施例1及び2では、ボディ210の挿入凹部211の底板の中央部に矩形状の通気孔211bが、挿入凹部211の第1壁部212の中央壁に一対の通気孔212aが、挿入凹部211の第2の壁部213に一対の通気孔213aが設けられているとしたが、これに限定されるものではない。挿入凹部211内の通気の状況に応じて前記挿入凹部の壁面及び/又は底面に通気孔を設けるか否かは適宜決定すればよく、挿入凹部が、その内部に空気が流れ込み易い形状である場合には、通気孔を設けなくても良い。すなわち、通気孔211b、212a、213aは省略可能であり、また、いずれか一つであっても良い。
【0060】
なお、上記実施例1及び2では、アダプタ100、300及び接続装置200の各部を構成する素材、形状、寸法及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。また、上記実施例1及び2では、本発明のアダプタに接続可能な電子部品として冷陰極蛍光ランプ10を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、本体部と、この本体部の長さ方向の端部に突設されたリード端子とを有する電子部品で限り、本発明のアダプタに接続可能である。接続装置200は、基板20ではなく、電子機器のフレームに接続することも可能である。
【符号の説明】
【0061】
10・・・・冷陰極蛍光ランプ
11・・・リード端子
12・・・ランプ部(本体部)
20・・・・基板
100・・・アダプタ
100a・第1コイル
110a・第1接点部
120a・第1放熱部
121a・円錐筒部
122a・円筒部
100b・・第2コイル
110b・第2接点部
120b・第2放熱部
121b・円錐筒部
122b・円筒部
200・・・接続装置
210・・ボディ
211・・挿入凹部
211b・通気孔
212a・通気孔
213a・通気孔
220・・コンタクト
300・・・アダプタ
300a・第1コイル
310a・第1接点部
320a・第1放熱部
321a・円錐筒部
322a・円筒部
300b・・第2コイル
310b・第2接点部
320b・第2放熱部
321b・円錐筒部
322b・円筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の本体部の長さ方向の端部に突設されたリード端子と、接続装置との間を接続可能なアダプタにおいて、
第1コイルを備えており、
前記第1コイルは、前記リード端子に電気的に接続可能な第1接点部と、
前記本体部の端部が挿入され、前記接続装置に電気的に接続可能なコイル状の第1放熱部とを有するアダプタ。
【請求項2】
請求項1記載のアダプタにおいて、
前記第1放熱部が疎巻きにされているアダプタ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のアダプタにおいて、
第1コイルの回りに配置された第2コイルを更に備えており、
前記第2コイルは、前記リード端子に電気的に接続可能な第2接点部と、
前記第1放熱部が挿入されたコイル状の第2放熱部とを有しており、
前記第1、第2放熱部の少なくともいずれか一方が前記接続装置に電気的に接続可能になっているアダプタ。
【請求項4】
請求項3記載のアダプタにおいて、
前記第2放熱部が疎巻きにされているアダプタ。
【請求項5】
前記第1、第2放熱部が疎巻きにされている場合の請求項4記載のアダプタにおいて、
前記第1放熱部を構成する線材が、前記第2放熱部を構成する線材の間から外部に露出しているアダプタ。
【請求項6】
請求項3乃至5の何れかに記載のアダプタにおいて、
前記第1接点部は、前記第1放熱部に連続しており且つ前記リード端子が挿入され、接触可能な座巻部であり、
前記第2接点部は、前記第2放熱部に連続しており且つ前記第1接点部に外嵌し接触する座巻部であるアダプタ。
【請求項7】
請求項3乃至6の何れかに記載のアダプタにおいて、
前記第1、第2放熱部は、少なくとも一部が軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっているアダプタ。
【請求項8】
請求項7記載のアダプタにおいて、
前記第1放熱部の内径は、前記本体部の端部が前記長さ方向に移動自在となる程度の大きさを有しているアダプタ。
【請求項9】
請求項1記載のアダプタにおいて、
第2コイルを更に備えており、
前記第2コイルは、前記リード端子に電気的に接続可能な第2接点部と、
コイル状の第2放熱部とを有しており、
前記第1放熱部を構成する線材と前記第2放熱部を構成する線材とが前記長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻かれており、該第1、第2放熱部内に前記本体部の端部が挿入され、前記接続装置に電気的に接続可能になっているアダプタ。
【請求項10】
請求項9記載のアダプタにおいて、
前記第1放熱部を構成する線材と前記第2放熱部を構成する線材とが全長において平行で且つ互いに接触しているアダプタ。
【請求項11】
請求項10記載のアダプタにおいて、
前記第1、第2放熱部は疎巻きにされているアダプタ。
【請求項12】
請求項10又は11記載のアダプタにおいて、
前記第1、第2接点部は、前記第1、第2放熱部に連続する線材が長さ方向に交互に並ぶように二重螺旋状に巻かれており、
前記第1、第2接点部に前記リード端子が挿入され、接触可能になっているアダプタ。
【請求項13】
請求項9乃至12の何れかに記載のアダプタにおいて、
前記第1、第2放熱部は、少なくとも一部が軸方向及び半径方向に弾性変形可能になっているアダプタ。
【請求項14】
請求項13記載のアダプタにおいて、
前記第1、第2放熱部の内径は、前記本体部の端部が前記長さ方向に移動自在となる程度の大きさを有しているアダプタ。
【請求項15】
請求項1又は2記載のアダプタが接続される接続装置であって、
前記アダプタの第1放熱部が挿入可能な挿入凹部を有するボディと、
前記ボディに設けられ且つ前記挿入凹部の内壁面に対向するコンタクトとを備えており、
前記コンタクトと前記内壁面との間で前記第1放熱部が弾性的に挟持されるようになっている接続装置。
【請求項16】
請求項1又は2記載のアダプタが接続される接続装置であって、
前記アダプタの第1放熱部が挿入可能な挿入凹部を有するボディと、
前記ボディに設けられており且つ前記挿入凹部内で前記第1放熱部を弾性的に挟持する一対のコンタクトとを備えている接続装置。
【請求項17】
請求項3乃至8の何れかに記載のアダプタが接続される接続装置であって、
前記アダプタの第2放熱部が挿入可能な挿入凹部を有するボディと、
前記ボディに設けられ且つ前記挿入凹部の内壁面に対向するコンタクトとを備えており、
前記コンタクトと前記内壁面との間で前記第2放熱部が弾性的に挟持されるようになっている接続装置。
【請求項18】
請求項3乃至8の何れかに記載のアダプタが接続される接続装置であって、
前記アダプタの第2放熱部が挿入可能な挿入凹部を有するボディと、
前記ボディに設けられており且つ前記挿入凹部内で前記第2放熱部を弾性的に挟持する一対のコンタクトとを備えている接続装置。
【請求項19】
請求項9乃至14の何れかに記載のアダプタが接続される接続装置であって、
前記アダプタの第1、第2放熱部が挿入可能な挿入凹部を有するボディと、
前記ボディに設けられ且つ前記挿入凹部の内壁面に対向するコンタクトとを備えており、
前記コンタクトと前記内壁面との間で前記第1、第2放熱部が弾性的に挟持されるようになっている接続装置。
【請求項20】
請求項9乃至14の何れかに記載のアダプタが接続される接続装置であって、
前記アダプタの第1、第2放熱部が挿入可能な挿入凹部を有するボディと、
前記ボディに設けられており且つ前記挿入凹部内で前記第1、第2放熱部を弾性的に挟持する一対のコンタクトとを備えている接続装置。
【請求項21】
請求項15乃至20の何れかに記載の接続装置において、
前記ボディには、前記挿入凹部の壁面から前記ボディの外部にかけて貫通する通気孔が設けられている接続装置。
【請求項22】
請求項15乃至20の何れかに記載の接続装置において、
前記ボディには、前記挿入凹部の底面から前記ボディの外部にかけて貫通する通気孔が設けられている接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−258480(P2011−258480A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133485(P2010−133485)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】