説明

アナライトの測定方法

【課題】安定性の高い200nm以下の小さな一枚膜リポソームを用いて、高感度に測定できるアナライトの測定方法を提供する。
【解決手段】標識物質内封リポソーム−リガンド複合体とアナライトとを結合させて標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体を形成する複合体形成工程と、前記標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体と標識物質内封リポソームあるいは前記標識物質内封リポソーム−リガンド複合体の一方もしくは両方とを凝集させる凝集工程と、前記凝集工程において未凝集の物質を分離する分離工程と、前記標識物質内封リポソームあるいは前記標識物質内封リポソーム−リガンド複合体の一方もしくは両方が凝集した前記標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体を測定する測定工程と、からなるアナライトの測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナライトの測定方法に関し、より詳細には、リポソーム−リガンド複合体を用いたアナライトの測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抗原を感度良く検出するために、抗体に酵素で標識したものを用いるELISA法(Enzyme−Linked−Immunosorbent Assay)が広く使用されている。一般に、ELISA法の分析ステップとしては披検物質のタンパク質のタンパク質との抗原抗体反応、二次抗体との抗原抗体反応、酵素反応による発色反応の3ステップから構成されている。ELISA法の検出感度は、概ねタンパク質0.001〜0.1μg程度なので、生体内の極微量の抗原の検出には不向きである。そのため、リポソームによるリポソーム感度増幅法が知られている。
【0003】
リポソーム感度増幅法は、糖脂質またはリン脂質の脂質二分子膜で形成されたリポソーム内水相に標識物質を内封し、リポソーム表面にリガンドを固定化したリポソーム−リガンド複合体を用いてアナライトを測定する手法である。つまり、リポソーム内水相に数多くの標識物質を内封できるため、シグナルを上昇させることができるため、微量の生体分子であるDNA、環境汚染物質、癌マーカーのような微量の生体分子の測定が期待され、リポソームに内封する標識物質として、化学発光物質や電気化学発光物質を内封した手法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0004】
一般的に生体分子のリポソームは、粒径の均一な一枚膜リポソームが用いられる。一枚膜リポソームには、粒径が20nm〜200nmの小さな一枚膜リポソームと200nm以上の大きな一枚膜リポソームに大別される。リポソーム粒径が大きくなるに従って、リポソーム内水相の体積が増加するため、多量の標識物質を内封することができる。
【特許文献1】特表2000−509494号公報
【特許文献2】特開2007−101339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、リポソーム粒径を大きくすると標識剤を多く封入できるので、高感度測定が可能になるが、リポソーム粒径が大きくなると構造的に不安定になり、リポソームの崩壊に繋がる。従って、安定性を考慮する上で、リポソーム粒径を大きくするのには限界があるので、検出感度の向上が抑えられるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、リポソーム粒径の大きさによらず、高感度な測定ができるアナライトの測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のアナライトの測定方法は、標識物質内封リポソーム−リガンド複合体とアナライトとを結合させて標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体を形成する複合体形成工程と、前記標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体と標識物質内封リポソームあるいは前記標識物質内封リポソーム−リガンド複合体の一方もしくは両方とを凝集させる凝集工程と、前記凝集工程において未凝集の物質を分離する分離工程と、前記標識物質内封リポソームあるいは前記標識物質内封リポソーム−リガンド複合体の一方もしくは両方が凝集した前記標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体を測定する測定工程とからなることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のリポソームを用いたアナライトの測定方法によれば、安定性の高い粒径20nm〜200nmの標識物質を内封した一枚膜リポソームを作製し、これらのリポソームを凝集させることにより、高感度にアナライトを測定することができる。また、本発明のリポソームを用いたアナライトの測定方法によれば、20nm〜200nmの小さな一枚膜リポソームを用いることで、アナライトとリガンドとの結合反応の立体障害を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明のアナライトの測定方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明のアナライトの測定手順を示した図である。本発明のアナライトの測定方法は、リポソーム内部に標識物質を内封し、リポソーム表面にリガンドを固定化した標識物質内封リポソーム−リガンド複合体をアナライトの分析試薬として用いる。
【0011】
(a)測定準備
図1(a)に示すように、リポソーム表面にリガンドを修飾した標識物質内封リポソームリガンド複合体とアナライトを準備する。
【0012】
本発明に用いられるリポソーム1は、リン脂質及び糖脂質の少なくともいずれか一方を主要構成成分とした粒径20nm〜200nmの小さな一枚膜リポソームである。リン脂質及び糖脂質は特に限定されるものではなく、例えばジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)等が挙げられる。これらリン脂質、糖脂質中の脂肪酸炭素鎖は、炭素原子数が12〜18であることが好ましい。また、リポソーム1の表面にリガンド3を固定するために、リン脂質及び糖脂質の一部に抗体修飾基を結合させる。このような物質として、N−サクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)がある。なお、安定性を増すために、必要に応じてリン脂質、糖脂質に対してコレステロールを10〜500モル%の割合で加えたり、脂質酸化防止のためα−トコフェロールを加えてもよく、リポソームの特性に応じて適宜加えたりすることができる。
【0013】
リポソーム1の表面に修飾するリガンド3には、抗体、抗原、DNAのような核酸が挙げられ、アナライト4と特異的に結合できるものを使用する。
【0014】
本発明の実施の形態1のリポソーム1に内封する標識物質2には、電気化学発光を示すルテニウム錯体を用いたが、親水性でリポソーム1に内封された標識物質量とアナライト量とが相関のあるシグナルを示すものであれば特に限定されない。このような物質としては、カルボキシフルオロセリンのような蛍光物質、ルミノールのような発光物質、可視域又は紫外域に特異的な吸収帯を有する吸光性化合物などが挙げられる。また、測定方法及び測定条件においても、リポソーム1に内封した標識物質2に応じて適宜定めることができるものとする。
【0015】
(b)標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体の形成
図1(b)に示すように、標識物質内封抗体修飾リポソームとアナライトとを混合させ、標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体を形成させる。
【0016】
この際のアナライトは、単に標識物質内封リポソーム−リガンド複合体と結合したものでもよいし、あらかじめ抗原を他の捕捉リガンドと結合させたものと、標識物質内封リポソーム−リガンド複合体とを結合させるサンドイッチ反応を用いてもよく、アナライトに応じて適宜定めることができる。
【0017】
(c)及び(d)凝集体形成
図1(c)と図1(d)に示すように、標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体に対し、標識物質内封リポソームを凝集させる。
【0018】
本発明のリポソームの凝集工程は、塩(えん)の添加により誘導される。これは、リポソーム表面に存在する親水基が水中に分散することで水和したリポソームが、ある一定量以上の塩(えん)を加えることで、リポソーム周辺の水分子を奪い取り、その結果、リポソームが集まってくる現象であると考えられる。本発明に用いられる塩(えん)は、マグネシウムイオンやナトリウムイオン、カルシウムイオン等の金属元素からなる陽イオンと塩化物イオンや硫酸イオン、酢酸イオン等の非金属元素からなる陰イオンとがイオン結合した化学物質のことである。このようなものとして、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム等がある。
【0019】
この際に凝集させる標識物質内封リポソームは、反応用液中に存在するアナライトと結合しなかったリガンド−アナライト複合体を凝集させてもよいし、新たに追加させた標識物質内封リポソームを凝集してもよいし、その両方を同時に行ってもよい。ただし、新たに標識物質内封リポソームを追加させる場合は、標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体の形成後に、未結合の標識物質内封リポソーム−リガンド複合体を分離及び除去する必要がある。
【0020】
(e)及び(f)未反応物の分離及び測定
最後に、図1(e)と図1(f)に示すように、選択的に標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体を分離させ、標識物質に応じた測定を行う。この際の未反応物の分離には、磁気ビーズを用いた分離や固相への固定による分離を用いてもよく、測定手法に応じて適宜定めることができるものとする。
【0021】
以下、TNF−α(tumor necrosis factor−α:腫瘍壊死因子)をアナライトとして用いた場合の本発明の測定手順を具体的に説明する。
【0022】
本発明のアナライトの測定方法の実施の形態1では、DPPC、DPPE及びコレステロールから構成されるリポソーム、標識物質として電気化学発光体であるルテニウム錯体、リガンドとして、ストレプトアビジンを用いた。また、アナライトとして、Recombinant human TNF−αを用いた。
【0023】
まず、以下の手順により標識物質内封リポソーム−リガンド複合体であるRu錯体内封ストレプトアビジン修飾リポソームを調製した。
【0024】
(1)活性型DPPEの調製
DPPE10μmol、SPDP12μmol、トリエチルアミン(TEA)20μmolをクロロホルム/無水メタノール=9:1溶液に溶解し、室温にて2時間攪拌した。2時間攪拌後、リン酸二水素カリウムからなる10mMリン酸緩衝液(pH7.4)を加えて激しく攪拌し、上相を取り除く。ついで蒸留水を加えて激しく攪拌し、上相を取り除き、下相を採取した。採取した下相の溶媒を留去し、12時間、減圧乾燥し、活性型DPPEを得た。
【0025】
(2)小さな一枚膜リポソームの調製
ナス型フラスコ中で、クロロホルム/無水メタノール=9:1溶液にそれぞれ溶解したDPPC10μmol、活性型DPPE0.03μmol、コレステロール10μmolを入れ、エバポレーターにて溶媒を留去し、フラスコ内壁に脂質フィルムを形成した。この脂質フィルムを減圧乾燥した後、標識剤として5mMのルテニウム(Ru)錯体溶液1mLを注入し、脂質フィルムが形成したナス型フラスコを激しく攪拌し、フラスコ内壁の脂質フィルムを剥がし、Ru錯体が内封された多重層リポソームを形成した。調製したRu錯体内封多重層リポソームに対し、エクストルーダーを用いて100nmのフィルターを通すことによりサイジングを行い、ルテニウム錯体内封一枚膜リポソームを調整した。
【0026】
(3)SPDP修飾ストレプトアビジンの調製
SPDP3.2×10-6molを無水メタノール500μLに溶解させた。そのうち5μLを100mM酢酸緩衝液(pH4.5)に溶解させたストレプトアビジン1mg/mLに加えて、室温にて30分間、インキュベートした。インキュベートしたストレプトアビジンを100mM酢酸緩衝液中(pH4.5)で24時間、透析(分画分子量:3500ダルトン)を行った。
【0027】
(4)Ru錯体内封ストレプトアビジン修飾リポソームの調製
透析後のSPDP修飾ストレプトアビジンを、500μLの酢酸緩衝液にジチオスレイトール(DTT)3.9μgを溶解させたDTT溶液を添加して、30分間室温でインキュベートした。その後、SPDP修飾BSA抗体をSephadex G25で分画し、DTT、副生成物ピリジン−2−チオンを除去した(溶出はpH7.4の10mMリン酸緩衝液)。分画したSPDP修飾BSA抗体を、ルテニウム錯体内封小さな一枚膜リポソームに加えて24時間室温にてインキュベートした。インキュベートしたルテニウム錯体内封小さな一枚膜リポソームをSepharose 4Bで分画し、未結合のSPDP修飾抗体を除去し、Ru錯体内封ストレプトアビジン修飾リポソームを得た。得られたRu錯体内封ストレプトアビジン修飾リポソームをマルバーン社製のゼータ電位計で粒径測定したところ、粒径平均値が120nmであった。
【0028】
次に、Ru錯体内封ストレプトアビジン修飾リポソームが、塩(えん)の添加により凝集することを確認した。調製したRu錯体内封ストレプトアビジン修飾リポソーム溶液500μLに対し、それぞれ最終濃度が0mM、10mM、25mM、50mM、100mM、250mMとなるように塩化マグネシウム溶液500μLを添加し、マルバーン社製のゼータ電位計を用いてBSA抗体修飾リポソームの粒径の経時変化を測定した。測定結果を表1、図2及び3に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
表1及び図2は、塩化マグネシウム濃度依存のRu錯体内封ストレプトアビジン修飾リポソームの凝集を確認結果である。50mM以上の塩化マグネシウムを添加すると、速やかにリポソーム同士が凝集を始め、100mM及び250mMの塩化マグネシウム添加後のサンプルに関しては、5分後に粒径が2倍近く相当まで凝集した。また、100mM以上の塩化マグネシウムの添加後は、リポソームの凝集度合いに差異が無い。従って、塩化マグネシウム濃度を変化することでリポソームの凝集量を制御できる。なお、図2の結果の粒径の経時変化を割り出したゼータ電位計による粒度分布図の一例として、250mMの塩化マグネシウム添加によるリポソーム凝集結果を図3に示した。図3に示すように、塩化マグネシウム添加して5分経過すると凝集が進み粒径分布のピーク点が右にシフトしている。これは、リポソームの平均粒径が大きくなったことを示している。
【0031】
次に、本発明のアナライトの測定方法を用いて、TNF−αを測定する具体的手順を示す。
【0032】
(1)リポソーム−リガンド−アナライト複合体形成工程
直径4.6μmのトシル基が活性化された磁気ビーズ(ベリタス社製)20μLに対し、
72μg/mLの抗TNF−α抗体500μLを加え、37℃で24時間反応させた。その後、磁気ビーズをPBST[10mMリン酸緩衝液(pH7.4)、0.85%NaCl、0.02%Tween20]で数回洗浄した。
【0033】
3%BSA(牛血清アルブミン)溶液を添加し、37℃で3時間反応させた。その後、磁気ビーズをPBSTで数回洗浄し、1ng/mLのTNF−α溶液を1mL加え、25℃で1.5時間反応させた。その後、磁気ビーズをPBSTで数回洗浄し、7.3μg/mLのビオチン標識抗TNF−α抗体を500μL加えた。再び、磁気ビーズをPBSTで数回洗浄し、調整したRu錯体内封ストレプトアビジン修飾リポソームを1mL加え、25℃で1時間反応させ、リポソーム−リガンド−アナライト複合体を形成させた。
【0034】
(2)凝集工程
リポソーム−リガンド−アナライト複合体に対して50μLに対して、Ru錯体内封リポソーム溶液50μL加え、更に200mM塩化マグネシウム溶液100μLを滴下し、15分間緩やかに攪拌することで、凝集反応を生じさせた。
【0035】
(3)分離工程
凝集工程を経たリポソーム−リガンド−アナライト複合体の磁気ビーズを分離し、上清を捨て、100mM塩化マグネシウム溶液を200μL加えた。この操作を5度繰り返した。その後、50μLの10mMリン酸緩衝液を加えた。
【0036】
(4)測定工程
作用電極の直径3mmの金電極チップの作用電極に3μL滴下し、65℃、15分間放置した。0.1Mリン酸二水素カリウム、0.1Mリン酸水素ニカリウム及び0.1MTEAからなる電解質溶液80μLを滴下し、0V〜1.3Vまで電圧走査し、4秒間の電気化学発光量を測定した。なお、金電極チップは、ガラス基板上にスパッタ装置(アルバック製SH−350)によりチタン10nmを下地に金200nmを形成させ、フォトリソグラフィ工程により電極パターンを形成したものを用いた。また、電気化学発光量の測定には、光電子倍増管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における最大発光量を測定した。
【0037】
図4にTNF−αを測定した結果を示す。凝集工程を経ない従来法でTNF−αを測定した結果と比較すると、発光量の増加は、本発明による方法では9〜10倍程度になった。従って、本発明による凝集工程を用いることで、従来に比べ発光量が増加することが示された。本発明を用いると、ホトマルのような高精度かつ高感度な検出器を用いなくても、フォトディテェクタやCCDといった簡便な検出器を用いることで、測定機器の小型化を実現することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明にかかるリポソームを用いたアナライトの測定方法は、粒径20nm〜200nmの小さな一枚膜リポソームを用いて感度良く測定ができ、抗原やDNAなどの生体物質の測定に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態1におけるアナライトの測定方法を示した図
【図2】本発明の実施の形態1における各濃度の塩化マグネシウム存在下のTNF−α抗体修飾リポソームの凝集の経時変化を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における250mM塩化マグネシウム存在下のTNF−α抗体修飾リポソームの凝集変化を粒度分布で確認した図
【図4】本発明の実施の形態1におけるTNF−αを測定した図
【符号の説明】
【0040】
1 リポソーム
2 標識物質
3 リガンド
4 アナライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標識物質内封リポソーム−リガンド複合体とアナライトとを結合させて標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体を形成する複合体形成工程と、
前記標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体と標識物質内封リポソームあるいは前記標識物質内封リポソーム−リガンド複合体の一方もしくは両方とを凝集させる凝集工程と、
前記凝集工程において未凝集の物質を分離する分離工程と、
前記標識物質内封リポソームあるいは前記標識物質内封リポソーム−リガンド複合体の一方もしくは両方が凝集した前記標識物質内封リポソーム−リガンド−アナライト複合体を測定する測定工程と、
からなるアナライトの測定方法。
【請求項2】
前記アナライトは、抗原、抗体、核酸の少なくとも1つを含むリガンドと特異的に結合し得るものである、請求項1記載のアナライトの測定方法。
【請求項3】
前記リガンドは、抗原、抗体、核酸の少なくとも1つを含むアナライトと特異的に結合し得るものである、請求項1及び2記載のアナライトの測定方法。
【請求項4】
前記リポソームは、粒径20nm以上200nm以下の小さな一枚膜リポソームである、請求項1〜3記載のアナライトの測定方法。
【請求項5】
前記リガンドとアナライトの結合反応は、抗原抗体反応である、請求項1〜4記載のアナライトの測定方法。
【請求項6】
前記リガンドとアナライトの結合反応は、核酸のハイブリダイズである、請求項1〜5記載のアナライトの測定方法。
【請求項7】
前記リポソームに内封された標識物質は、電気化学発光、蛍光、化学発光、発色を示す物質を含む、請求項1〜6記載のアナライトの検出方法。
【請求項8】
請求項7記載の電気化学発光を示す物質が、配位子に複素環系化合物を有する金属錯体、ルブレン、アントラセン、コロネン、ピレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、ペレリン、ビナフチル、オクタテトラエン、ゲルマニウム粒子、シリコン粒子の少なくとも1つを含む、アナライトの測定方法。
【請求項9】
請求項8記載の配位子に複素環系化合物を有する金属錯体が、配位子にピリジン部位を有する金属錯体であることを含む、アナライトの測定方法。
【請求項10】
請求項9記載のピリジン部位を有する金属錯体が、金属ビピリジン、金属フェナントロリン錯体の少なくとも1つを含む、アナライトの測定方法。
【請求項11】
請求項10記載の配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属が、ルテニウム、オスミウムの少なくとも1つである、アナライトの測定方法。
【請求項12】
前記凝集工程は塩(えん)の添加により凝集させる請求項1記載のアナライトの測定方法。
【請求項13】
請求項12記載の塩(えん)は金属元素からなる陽イオンと非金属元素からなる陰イオンとがイオン結合した化学物質であるアナライトの測定方法。
【請求項14】
請求項12記載の塩(えん)濃度として、50mM以上であるアナライトの測定方法。
【請求項15】
リポソームが凝集した該リポソーム−リガンド−アナライト複合体と未凝集のリポソームを分離は、クロマトグラフィーにより分離される、請求項1〜14載のアナライトの測定方法。
【請求項16】
前記リポソーム−リガンド−レセプタ複合体を検出は、電気化学的に検出されるものである、請求項1〜15記載のアナライトの測定方法。
【請求項17】
請求項16記載の電気化学的検出手段として、電気化学発光により検出されるものである、アナライトの測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−198283(P2009−198283A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39642(P2008−39642)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】