説明

アミド化合物ならびにその植物病害防除用途

【課題】植物病害に対して優れた防除効力を有する化合物を提供すること。
【解決手段】式(I)


〔式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、R2は直鎖C3−C8アルケニル基または直鎖C3−C8アルキニル基を表す。〕
で示されるアミド化合物は、植物病害に対して優れた防除効力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド化合物ならびにその植物病害防除用途に関する。
【背景技術】
【0002】
植物病害防除剤の有効成分として多くの化合物が開発され、実用に供されている。しかしながら、これらの化合物は必ずしも十分な防除効力を示さない場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2005/033079号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、植物病害に対して優れた防除効力を有する化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、植物病害に対して優れた防除効力を有する化合物を見出すべく検討の結果、下記式(I)

〔式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、R2は直鎖C3−C8アルケニル基または直鎖C3−C8アルキニル基を表す。〕
で示されるアミド化合物(以下、本発明化合物と記す場合もある。)が植物病害に対して優れた防除効力を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔10〕のものである。
〔1〕 式(I)

〔式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、R2は直鎖C3−C8アルケニル基または直鎖C3−C8アルキニル基を表す。〕
で示されるアミド化合物。
〔2〕 R1がフッ素原子でありである〔1〕記載のアミド化合物。
〔3〕 R1が水素原子である〔1〕記載のアミド化合物。
〔4〕 R2が直鎖C5−C7アルケニル基である〔1〕〜〔3〕いずれか一項記載のアミド化合物。
〔5〕 R2が4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基又は6−ヘプテニル基である〔1〕〜〔3〕いずれか一項記載のアミド化合物。
〔6〕 R2が直鎖C5−C7アルキニル基である〔1〕〜〔3〕いずれか一項記載のアミド化合物。
〔7〕 R2が4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基又は6−ヘプチニル基である〔1〕〜〔3〕いずれか一項記載のアミド化合物。
〔8〕 〔1〕〜〔7〕いずれか一項記載のアミド化合物と担体とを含有する植物病害防除剤(以下、本発明防除剤と記す場合もある。)。
〔9〕 〔1〕〜〔7〕いずれか一項記載のアミド化合物の有効量を植物又は土壌に処理する工程を有する植物病害の防除方法(以下、本発明防除方法と記す場合もある。)。
〔10〕 植物病害を防除するための〔1〕〜〔7〕いずれか一項記載のアミド化合物の使用。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、植物病害を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明化合物において、R2で示される直鎖C3−C8アルケニル基とは炭素鎖に枝分かれがないC3−C8アルケニル基を意味する。R2で示される直鎖C3−C8アルキニル基とは炭素鎖に枝分かれがないC3−C8アルキニル基を意味する。
【0008】
本発明化合物において、R2で示される直鎖C3−C8アルケニル基とは炭素鎖に枝分かれがないC3−C8アルケニル基を意味する。R2で示される直鎖C3−C8アルキニル基とは炭素鎖に枝分かれがないC3−C8アルキニル基を意味する。
【0009】
2で示される直鎖C3−C8アルケニル基としては、プロペニル基、直鎖ブテニル基、直鎖ペンテニル基、直鎖ヘキセニル基、直鎖へプテニル基及び直鎖オクテニル基が挙げられる。プロペニル基としては、例えば2−プロペニル基が挙げられ、直鎖ブテニル基としては、例えば2−ブテニル基及び3−ブテニル基が挙げられ、直鎖ペンテニル基としては、例えば2−ペンテニル基、3−ペンテニル基及び4−ペンテニル基が挙げられ、直鎖ヘキセニル基としては、例えば2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基及び5−ヘキセニル基が挙げられ、直鎖へプテニル基としては、例えば2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基及び6−ヘプテニル基が挙げられ、直鎖オクテニル基としては、例えば2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、5−オクテニル基、6−オクテニル基及び7−オクテニル基が挙げられる。
【0010】
2で示される直鎖C3−C8アルキニル基としては、プロピニル基、直鎖ブチニル基、直鎖ペンチニル基、直鎖ヘキシニル基、直鎖へプチニル基及び直鎖オクチニル基が挙げられる。プロピニル基としては、例えば2−プロピニル基が挙げられ、直鎖ブチニル基としては、例えば2−ブチニル基及び3−ブチニル基が挙げられ、直鎖ペンチニル基としては、例えば2−ペンチニル基、3−ペンチニル基及び4−ペンチニル基が挙げられ、直鎖ヘキシニル基としては、例えば2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基及び5−ヘキシニル基が挙げられ、直鎖へプチニル基としては、例えば2−へプチニル基、3−へプチニル基、4−へプチニル基、5−へプチニル基及び6−へプチニル基が挙げられ、直鎖オクチニル基としては、例えば2−オクチニル基、3−オクチニル基、4−オクチニル基、5−オクチニル基、6−オクチニル基及び7−オクチニル基が挙げられる。
【0011】
2で示される直鎖C3−C8アルケニル基として好ましくは、直鎖ペンテニル基、直鎖ヘキセニル基、直鎖へプテニル基が挙げられ、より好ましくは4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基及び6−ヘプテニル基が挙げられる。
【0012】
2で示される直鎖C3−C8アルキニル基として好ましくは、直鎖ペンチニル基、直鎖ヘキシニル基、直鎖へプチニル基が挙げられ、より好ましくは4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基及び6−ヘプチニル基が挙げられる。
【0013】
本発明化合物の態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0014】
式(I)において、R1が水素原子であり、R2が直鎖C3−C8アルケニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1が水素原子であり、R2が直鎖C5−C7アルケニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1が水素原子であり、R2が4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基又は6−ヘプテニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1がフッ素原子であり、R2が直鎖C3−C8アルケニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1がフッ素原子であり、R2が直鎖C5−C7アルケニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1がフッ素原子であり、R2が4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基又は6−ヘプテニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1が水素原子であり、R2が直鎖C3−C8アルキニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1が水素原子であり、R2が直鎖C5−C7アルキニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1が水素原子であり、R2が4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基又は6−ヘプチニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1がフッ素原子であり、R2が直鎖C3−C8アルキニル基であるアミド化合物;
式(I)において、R1がフッ素原子であり、R2が直鎖C5−C7アルキニル基であるアミド化合物;及び
式(I)において、R1がフッ素原子であり、R2が4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基又は6−ヘプチニル基であるアミド化合物。
【0015】
本発明化合物は、例えば以下の(製造法1)、(製造法2)又は(製造法3)により製造することができる。
【0016】
(製造法1)
本発明化合物は、化合物(II)、(III)又はその塩(例えば、塩酸塩及び臭化水素酸塩が挙げられる。)及び縮合剤を反応させることにより製造することができる。

〔式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル(以下、MTBEと記す。)等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記す。)等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと記す。)等のスルホキシド類、ピリジン等の含窒素芳香族化合物類等及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、WSCと記す。)及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(以下、BOP試薬と記す。)等が挙げられる。
該反応では化合物(II)1モルに対して化合物(III)が通常0.5〜3モルの割合、化合物(II)1モルに対して脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は、通常−20℃〜140℃の範囲である。該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に水を加えた際、固体が析出した場合は、濾過することにより本発明化合物を単離することができる。反応混合物に水を加えた際に固体が析出しない場合は、反応混合物と水との混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより、本発明化合物を単離することができる。単離された本発明化合物をクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0017】
(製造法2)
本発明化合物は、化合物(IV)又はその塩酸塩と化合物(III)又はその塩(例えば、塩酸塩及び臭化水素酸塩が挙げられる。)とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。

〔式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばTHF、エチレングリコールジメチルエーテル、MTBE等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類等が挙げられる。
該反応では化合物(IV)1モルに対して化合物(III)が通常0.5〜3モルの割合、化合物(IV)1モルに対して塩基が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は通常−20℃〜100℃の範囲である。該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に水を加えた際、固体が析出した場合は、濾過することにより本発明化合物を単離することができる。反応混合物に水を加えた際に固体が析出しない場合は、反応混合物と水との混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより、本発明化合物を単離することができる。単離された本発明化合物を、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0018】
(製造法3)
本発明化合物は、化合物(V)と化合物(VI)とを塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。

〔式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表し、Lは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばTHF、エチレングリコールジメチルエーテル、MTBE等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、DMF等の酸アミド類、DMSO等のスルホキシド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物類等が挙げられる。
該反応では、化合物(V)1モルに対して化合物(VI)が通常1〜10モルの割合、化合物(V)1モルに対して塩基が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は通常−20℃〜100℃の範囲である。該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に水を加えた際、固体が析出した場合は、濾過することにより本発明化合物を単離することができる。反応混合物に水を加えた際に固体が析出しない場合は、反応混合物と水との混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより、本発明化合物を単離することができる。単離された本発明化合物を、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0019】
化合物(V)は、例えば以下の(合成法1)又は(合成法2)により製造することができる。
【0020】
(合成法1)
化合物(V)は、化合物(II)、化合物(VII)又はその塩(例えば、塩酸塩及び臭化水素酸塩が挙げられる。)及び縮合剤を反応させることにより製造することができる。

〔式中、R1は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばTHF、エチレングリコールジメチルエーテル、MTBE等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、DMF等の酸アミド類、DMSO等のスルホキシド類、ピリジン等の含窒素芳香族化合物類等及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる脱水縮合剤としては、WSC及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類、BOP試薬等が挙げられる。
該反応では、化合物(II)1モルに対して化合物(VII)が通常0.5〜3モルの割合、化合物(II)1モルに対して脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は、通常−20℃〜140℃の範囲である。該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に水を加えた際、固体が析出した場合は、濾過することにより化合物(V)を単離することができる。反応混合物に水を加えた際に固体が析出しない場合は、反応混合物と水との混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより、化合物(V)を単離することができる。単離された化合物(V)を、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0021】
(合成法2)
化合物(V)は、化合物(IV)又はその塩酸塩と化合物(VII)又はその塩(例えば、塩酸塩及び臭化水素酸塩が挙げられる。)とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することもできる。

〔式中、R1は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばTHF、エチレングリコールジメチルエーテル、MTBE等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類等が挙げられる。
該願王では、化合物(IV)1モルに対して化合物(VII)が通常0.5〜1モルの割合、化合物(IV)1モルに対して塩基が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は通常−20℃〜100℃の範囲である。該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物に水を加えた際、固体が析出した場合は、濾過することにより化合物(V)を単離することができる。反応混合物に水を加えた際に固体が析出しない場合は、反応混合物と水との混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより、化合物(V)を単離することができる。単離された化合物(V)を、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0022】
本発明化合物としては、具体的には以下の化合物が挙げられる。
N−[2−フルオロ−3−(2−プロペニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ブテニルオキシ)−2−フルオロフェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ブテニルオキシ)−2−フルオロフェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(2−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(3−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(2−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(3−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(5−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(2−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(3−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(5−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(6−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(2−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(3−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(6−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(7−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
【0023】
N−[3−(2−プロペニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ブテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ブテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(4−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(4−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(5−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(4−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(5−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(6−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(4−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(5−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(6−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(7−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
【0024】
N−[2−フルオロ−3−(2−プロピニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ブチニルオキシ)−2−フルオロフェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ブチニルオキシ)−2−フルオロフェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(2−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(3−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(2−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(3−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(5−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(2−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(3−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(5−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(6−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(2−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(3−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(4−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(5−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(6−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[2−フルオロ−3−(7−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
【0025】
N−[3−(2−プロピニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ブチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ブチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(4−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(4−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(5−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(4−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(5−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(6−へプチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(2−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(3−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(4−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(5−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、
N−[3−(6−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド、及び
N−[3−(7−オクチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド。
【0026】
本発明防除剤は、本発明化合物と担体とを含有する。担体としては、固体担体、液体担体及びガス担体が挙げられる。本発明防除剤は通常さらに界面活性剤、固着剤、分散剤、安定剤等の製剤用補助剤が加えられ、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粒剤、ドライフロアブル剤、乳剤、水性液剤、油剤、くん煙剤、エアゾール剤、マイクロカプセル剤等に製剤化されている。本発明防除剤には本発明化合物が重量比で通常0.1〜99%、好ましくは0.2〜90%含有される。
【0027】
固体担体としては、例えば、粘土類(例えば、カオリン、珪藻土、合成含水酸化珪素、ろう石クレー、ベントナイト、酸性白土、タルク)、その他の無機鉱物(例えば、セリサイト、石英粉末、硫黄粉末、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ)等の微粉末あるいは粒状物が挙げられる。液体担体としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン)、脂肪族又は脂環式炭化水素類(例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサノン、灯油)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、イソブチルロニトリル)、エーテル類(例えば、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル)、酸アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素)等が挙げられる。
【0028】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリオキシエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等が挙げられる。
【0029】
その他の製剤用補助剤としては、例えば固着剤、分散剤、増粘剤、濡れ剤、増量剤や、酸化防止剤、具体的にはカゼイン、ゼラチン、多糖類(例えば、デンプン、アラビヤガム、セルロース誘導体、アルギン酸)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類)、PAP(酸性りん酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、脂肪酸又はそのエステル等が挙げられる。
【0030】
植物病害を防除するために本発明防除剤を施用する方法としては、例えば茎葉散布等の生育した植物への処理、土壌処理等の植物の栽培地への処理、種子消毒等の種子への処理等が挙げられる。
【0031】
また、本発明防除剤を他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、植物生長調節剤、肥料または土壌改良剤と混用又は併用することができる。
かかる他の殺菌剤としては、例えば、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等のアゾール系殺菌化合物;フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン等の環状アミン系殺菌化合物;カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等のベンズイミダゾール系殺菌化合物;プロシミドン;シプロディニル;ピリメタニル;ジエトフェンカルブ;チウラム;フルアジナム;マンコゼブ;イプロジオン;ビンクロゾリン;クロロタロニル;キャプタン;メパニピリム;フェンピクロニル;フルジオキソニル;ジクロフルアニド;フォルペット;クレソキシムメチル;アゾキシストロビン;トリフロキシストロビン;フルオキサストロビン;ピコキシストロビン;ピラクロストロビン;ジモキシストロビン;ピリベンカルブ;スピロキサミン;キノキシフェン;フェンヘキサミド;ファモキサドン;フェナミドン;ゾキサミド;エタボキサム;アミスルブロム;イプロヴァリカルブ;ベンチアバリカルブ;シアゾファミド;マンジプロパミド;ボスカリド;ペンチオピラド;メトラフェノン;フルオピラン;ビキサフェン;シフルフェナミド及びプロキナジドが挙げられる。
【0032】
本発明防除剤の施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、対象病害、対象作物等によっても異なるが、本発明防除剤中の本発明化合物量で10アールあたり、通常1〜500g、好ましくは2〜200gである。乳剤、水和剤、懸濁剤等は通常水で希釈して施用されるが、その場合の希釈後の本発明化合物濃度は、通常0.0005〜2重量%、好ましくは0.005〜1重量%であり、粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま施用される。種子への処理においては、種子1Kgに対して本発明防除剤中の本発明化合物量で、通常0.001〜100g、好ましくは0.01〜50gの範囲で施用される。
【0033】
本発明防除剤は、畑、水田、芝生、果樹園等の農耕地における植物病害の防除剤として使用することができる。本発明防除剤は、以下に挙げられる「作物」等を栽培する農耕地等において、当該農耕地の病害を防除することができる。
【0034】
農作物;トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等、
花卉、
観葉植物、
果樹;仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ等、
果樹以外の樹;チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
【0035】
上記「植物」とは、イソキサフルトール等のHPPD阻害剤、イマゼタピル、チフェンスルフロンメチル等のALS阻害剤、グリホサート等のEPSP合成酵素阻害剤、グルホシネート等のグルタミン合成酵素阻害剤、セトキシジム等のアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤、フルミオキサジン等のPPO阻害剤、ブロモキシニル、ジカンバ、2,4−D等の除草剤に対する耐性を古典的な育種法、もしくは遺伝子組換え技術により付与された植物も含まれる。
【0036】
古典的な育種法により耐性を付与された「植物」の例として、イマゼタピル等のイミダゾリノン系ALS阻害型除草剤に耐性のナタネ、コムギ、ヒマワリ、イネがありClearfield(登録商標)の商品名で既に販売されている。同様に古典的な育種法によるチフェンスルフロンメチル等のスルホニルウレア系ALS阻害型除草剤に耐性のダイズがあり、STSダイズの商品名で既に販売されている。同様に古典的な育種法によりトリオンオキシム系、アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤などのアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性が付与された植物の例としてSRコーン等がある。アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性が付与された植物はプロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)87巻、7175〜7179頁(1990年)等に記載されている。またアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性の変異アセチルCoAカルボキシラーゼがウィード・サイエンス(Weed Science)53巻、728〜746頁(2005年)等に報告されており、こうした変異アセチルCoAカルボキシラーゼ遺伝子を遺伝子組換え技術により植物に導入するかもしくは抵抗性付与に関わる変異を植物アセチルCoAカルボキシラーゼに導入する事により、アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤に耐性の植物を作出することができる。さらに、キメラプラスティ技術(Gura T. 1999. Repairing the Genome’s Spelling Mistakes. Science 285: 316−318.)に代表される塩基置換変異導入核酸を植物細胞内に導入して植物のアセチルCoAカルボキシラーゼ遺伝子またはALS遺伝子等に部位特異的アミノ酸置換変異を導入することにより、アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤またはALS阻害剤等に耐性の植物を作出することができる。
【0037】
遺伝子組換え技術により耐性を付与された植物の例として、グリホサート耐性のトウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネ、テンサイ品種があり、ラウンドアップアップレディ(RoundupReady(登録商標))、AgrisureGT等の商品名で既に販売されている。同様に遺伝子組換え技術によるグルホシネート耐性のトウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネ品種があり、リバティーリンク(LibertyLink(登録商標))等の商品名ですでに販売されている。同様に遺伝子組換え技術によるブロモキシニル耐性のワタはBXNの商品名で既に販売されている。
【0038】
この様な遺伝子組換え植物で発現される毒素として、バチルス・セレウスやバチルス・ポピリエ由来の殺虫性タンパク;バチルス・チューリンゲンシス由来のCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1またはCry9C等のδ−エンドトキシン、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫タンパク;線虫由来の殺虫タンパク;さそり毒素、クモ毒素、ハチ毒素または昆虫特異的神経毒素等動物によって産生される毒素;糸状菌類毒素;植物レクチン;アグルチニン;トリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン、シスタチン、パパイン阻害剤等のプロテアーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシ−RIP、アブリン、ルフィン、サポリン、ブリオジン等のリボゾーム不活性化タンパク(RIP);3−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド−UDP−グルコシルトランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ等のステロイド代謝酵素;エクダイソン阻害剤;HMG−CoAリダクターゼ;ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル阻害剤等のイオンチャネル阻害剤;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ等が挙げられる。
【0039】
この様な遺伝子組換え植物で発現される毒素として、バチルス・セレウスやバチルス・ポピリエ由来の殺虫性タンパク;バチルス・チューリンゲンシス由来のCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1またはCry9C等のδ−エンドトキシン、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫タンパク;線虫由来の殺虫タンパク;さそり毒素、クモ毒素、ハチ毒素または昆虫特異的神経毒素等動物によって産生される毒素;糸状菌類毒素;植物レクチン;アグルチニン;トリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン、シスタチン、パパイン阻害剤等のプロテアーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシ−RIP、アブリン、ルフィン、サポリン、ブリオジン等のリボゾーム不活性化タンパク(RIP);3−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド−UDP−グルコシルトランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ等のステロイド代謝酵素;エクダイソン阻害剤;HMG−CoAリダクターゼ;ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル阻害剤等のイオンチャネル阻害剤;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ等が挙げられる。
【0040】
またこの様な遺伝子組換え植物で発現される毒素として、Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1、Cry9C、Cry34AbまたはCry35Ab等のδ−エンドトキシンタンパク、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫タンパクのハイブリッド毒素、一部を欠損した毒素、修飾された毒素も含まれる。ハイブリッド毒素は組換え技術を用いて、これらタンパクの異なるドメインの新しい組み合わせによって作り出される。一部を欠損した毒素としては、アミノ酸配列の一部を欠損したCry1Abが知られている。修飾された毒素としては、天然型の毒素のアミノ酸の1つまたは複数が置換されている。
【0041】
これら毒素の例およびこれら毒素を合成する事ができる組換え植物は、EP−A−0374753、WO93/07278、WO95/34656、EP−A−0427529、EP−A−451878、WO03/052073等に記載されている。
【0042】
これらの組換え植物に含まれる毒素は、特に、甲虫目害虫、半翅目害虫、双翅目害虫、鱗翅目害虫、線虫類への耐性を植物へ付与する。
【0043】
また、1つもしくは複数の殺虫性の害虫抵抗性遺伝子を含み、1つまたは複数の毒素を発現する遺伝子組換え植物は既に知られており、いくつかのものは市販されている。これら遺伝子組換え植物の例として、YieldGard(登録商標)(Cry1Ab毒素を発現するトウモロコシ品種)、YieldGard Rootworm(登録商標)(Cry3Bb1毒素を発現するトウモロコシ品種)、YieldGard Plus(登録商標)(Cry1AbとCry3Bb1毒素を発現するトウモロコシ品種)、Herculex I(登録商標)(Cry1Fa2毒素とグルホシネートへの耐性を付与する為にホスフィノトリシン N−アセチルトランスフェラーゼ(PAT)を発現するトウモロコシ品種)、NuCOTN33B(登録商標)(Cry1Ac毒素を発現するワタ品種)、Bollgard I(登録商標)(Cry1Ac毒素を発現するワタ品種)、Bollgard II(登録商標)(Cry1AcとCry2Ab毒素とを発現するワタ品種)、VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を発現するワタ品種)、NewLeaf(登録商標)(Cry3A毒素を発現するジャガイモ品種)、NatureGard(登録商標)Agrisure(登録商標)GT Advantage(GA21 グリホサート耐性形質)、Agrisure(登録商標) CB Advantage(Bt11コーンボーラー(CB)形質)、Protecta(登録商標)等が挙げられる。
【0044】
上記「植物」とは、遺伝子組換え技術を用いて、選択的な作用を有する抗病原性物質を産生する能力を付与されたものも含まれる。
抗病原性物質の例として、PRタンパク等が知られている(PRPs、EP−A−0392225)。このような抗病原性物質とそれを産生する遺伝子組換え植物は、EP−A−0392225、WO95/33818、EP−A−0353191等に記載されている。
【0045】
こうした遺伝子組換え植物で発現される抗病原性物質の例として、例えば、ナトリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤(ウイルスが産生するKP1、KP4、KP6毒素等が知られている。)等のイオンチャネル阻害剤;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ;PRタンパク;ペプチド抗生物質、ヘテロ環を有する抗生物質、植物病害抵抗性に関与するタンパク因子(植物病害抵抗性遺伝子と呼ばれ、WO03/000906に記載されている。)等の微生物が産生する抗病原性物質等が挙げられる。このような抗病原性物質とそれを産生する遺伝子組換え植物は、EP−A−0392225、WO95/33818、EP−A−0353191等に記載されている。
【0046】
上記「植物」とは、遺伝子組換え技術を用いて、油糧成分改質やアミノ酸含量増強形質などの有用形質を付与した植物も含まれる。例として、VISTIVE(登録商標)(リノレン含量を低減させた低リノレン大豆)あるいは、high−lysine(high−oil)corn(リジンあるいはオイル含有量を増量したコーン)等が挙げられる。
【0047】
さらに、上記の古典的な除草剤形質あるいは除草剤耐性遺伝子、殺虫性害虫抵抗性遺伝子、抗病原性物質産生遺伝子、油糧成分改質やアミノ酸含量増強形質などの有用形質について、これらを複数組み合わせたスタック品種も含まれる。
【0048】
本発明により防除することができる植物病害としては、例えば糸状菌類病害等が挙げられる。具体的には以下の植物病害を挙げることができる。
【0049】
イネのいもち病(Magnaporthe grisea)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi);
ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum, F. avenacerum, F. culmorum, Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis, P. graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp.,Micronectriella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、網斑病(Pyrenophora teres Drechsler)、立枯れ病(Gaeumannomyces graminis);
カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum);
リンゴのモニリア病(Monilinia mali)、腐らん病(Valsa ceratosperma)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria alternata apple pathotype)、黒星病(Venturia inaequalis)、炭そ病(Glomerella cingulata);
ナシの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria alternata Japanese pear pathotype)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum);
モモの灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.);
【0050】
ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola);
カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae);
ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、苗立枯病(Pythium sp.);
トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans);
ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum);
アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae);
ネギのさび病(Puccinia allii)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)、さび病( Phakopsora pachyrhizi)
インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)
ラッカセイの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)、白絹病(Sclerotium rolfsii);
エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi);
ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、半身萎凋病(Verticillium albo-atrum, V. dahliae, V. nigrescens);
イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli);
チャの網もち病(Exobasidium reticulatum);白星病(Elsinoe leucospila)、輪斑病(Pestalotiopsis sp.)、炭そ病(Colletotrichum theae-sinensis)
タバコの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae);
【0051】
テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、根腐病(Thanatephorus cucumeris);
バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa);
キクの褐斑病(Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana);
タマネギの白斑葉枯病(Botrytis cinerea, B. byssoidea, B. squamosa)、灰色腐敗病(Botrytis alli)、小菌核性腐敗病(Botrytis squamosa);
種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum);ダイコンの黒すす病(Alternaria brassicicola);
シバのダラースポット病(Sclerotinia homeocarpa)、シバのブラウンパッチ病およびラージパッチ病(Rhizoctonia solani);並びに
バナナのシガトカ病(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola、Pseudocercospora musae)。
【実施例】
【0052】
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。なお、部は重量部を表す。
【0053】
製造例1
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.15g、5−ブロモ−1−ペンテン0.087g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.21gを加え、室温で12時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付してN−[2−フルオロ−3−(4−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(1)と記す。)0.15gを得た。
本発明化合物(1)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.90-1.97 (2H, m), 2.24-2.29 (2H, m), 4.05 (2H, t, J = 6.5 Hz), 4.79 (2H, dd, J = 6.3, 1.0 Hz), 4.99-5.03 (1H, m), 5.05-5.10 (1H, m), 5.81-5.91 (1H, m), 6.89-6.95 (1H, m), 7.01-7.06 (2H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.8, 4.1 Hz), 8.41 (1H, dd, J = 8.5, 1.5 Hz), 8.53-8.58 (3H, m), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.5 Hz).
【0054】
製造例2
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.20g、6−ブロモ−1−ヘキセン0.14g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.26gを加え、室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、析出した固体を濾過により集めた。この固体を15%水酸化ナトリウム水溶液、水及びヘキサンで順次洗浄し、減圧下乾燥してN−[2−フルオロ−3−(5−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(2)と記す。)0.11gを得た。
本発明化合物(2)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.53-1.63 (2H, m), 1.81-1.88 (2H, m), 2.11-2.18 (2H, m), 4.04 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.79 (2H, d, J = 6.1 Hz), 4.96-5.06 (2H, m), 5.78-5.89 (1H, m), 6.90-6.94 (1H, m), 7.02-7.05 (2H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.0, 4.1 Hz), 8.41 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.52-8.58 (3H, m), 9.05 (1H, d, J = 3.7 Hz).
【0055】
製造例3
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.17g、7−ブロモ−1−ヘプテン0.13g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.22gを加え、室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、析出した固体を濾過により集めた。この固体を15%水酸化ナトリウム水溶液、水及びヘキサンで順次洗浄し、減圧下乾燥してN−[2−フルオロ−3−(6−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(3)と記す。)0.13gを得た。
本発明化合物(3)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.46-1.51 (4H, m), 1.81-1.87 (2H, m), 2.06-2.12 (2H, m), 4.03 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.79 (2H, d, J = 6.3 Hz), 4.94-5.03 (2H, m), 5.77-5.87 (1H, m), 6.88-6.94 (1H, m), 7.00-7.06 (2H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.41 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.53-8.58 (3H, m), 9.05 (1H, d, J = 3.2 Hz).
【0056】
製造例4
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.17g、1−ブロモ−2−ブテン0.10g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.22gを加え、室温で12時間攪拌した。反応混合物に15%水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−フルオロ−3−(2−ブテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(4)と記す。)0.14gを得た。
本発明化合物(4)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.76 (3.0H, d, J = 6.3 Hz), 4.53 (1.7H, d, J = 6.1 Hz), 4.68 (0.3H, d, J = 6.3 Hz), 4.79 (2.0H, d, J = 6.1 Hz), 5.71-5.79 (1.0H, m), 5.82-5.92 (1.0H, m), 6.89-6.95 (1.0H, m), 7.02-7.04 (2.0H, m), 7.70 (1.0H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.40 (1.0H, d, J = 8.5 Hz), 8.52-8.57 (3.0H, m), 9.05 (1.0H, dd, J = 4.1, 1.5 Hz).
【0057】
製造例5
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.17g、1−ブロモ−2−ペンテン0.11g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.22gを加え、室温で12時間攪拌した。反応混合物に15%水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−フルオロ−3−(2−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(5)と記す。)0.16gを得た。
本発明化合物(5)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.02 (3H, td, J = 7.5, 2.0 Hz), 2.07-2.19 (2H, m), 4.55 (1H, d, J = 6.1 Hz), 4.67 (1H, d, J = 4.9 Hz), 4.79 (2H, d, J = 6.3 Hz), 5.64-5.94 (2H, m), 6.91-6.95 (1H, m), 7.01-7.05 (2H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.40 (1H, dd, J = 8.5, 1.2 Hz), 8.49-8.57 (3H, m), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.5 Hz).
【0058】
製造例6
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.11g、5−ブロモ−1−ペンテン69mg及びDMF2mlの混合物に、炭酸セシウム0.20gを加え、室温で12時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付してN−[3−(4−ペンテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(6)と記す。)0.12gを得た。
本発明化合物(6)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.84-1.91 (2H, m), 2.20-2.26 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 6.5 Hz), 4.72 (2H, d, J = 6.1 Hz), 4.96-5.00 (1H, m), 5.02-5.08 (1H, m), 5.79-5.89 (1H, m), 6.84 (1H, dd, J = 7.9, 2.3 Hz), 6.95-7.00 (2H, m), 7.28 (1H, t, J = 8.2 Hz), 7.69 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.37-8.40 (1H, m), 8.48 (1H, s), 8.56 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.59 (1H, d, J = 8.8 Hz), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.7 Hz).
【0059】
製造例7
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.20g、6−ブロモ−1−ヘキセン0.13g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.27gを加え、室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、析出した固体を濾過により集めた。この固体を15%水酸化ナトリウム水溶液、水及びヘキサンで順次洗浄し、減圧下乾燥してN−[(5−ヘキセニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(7)と記す。)0.11gを得た。
本発明化合物(7)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.52-1.63 (2H, m), 1.75-1.83 (2H, m), 2.08-2.14 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 6.5 Hz), 4.72 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.94-5.05 (2H, m), 5.76-5.86 (1H, m), 6.84 (1H, dd, J = 8.0, 2.2 Hz), 6.95-7.00 (2H, m), 7.26-7.30 (1H, m), 7.69 (1H, dd, J = 8.7, 4.1 Hz), 8.37-8.40 (1H, m), 8.48 (1H, br s), 8.55-8.61 (2H, m), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.7 Hz).
【0060】
製造例8
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.20g、水素化ナトリウム(55% in oil)29mg及びDMF3mlの混合物に、5−クロル−1−ペンチン90mgを加え、80℃で2時間、次いで100℃で5時間攪拌した。その後、反応混合物を室温付近まで冷却した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してN−[2−フルオロ−3−(4−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(8)と記す。)0.18gを得た。
本発明化合物(8)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.98 (1H, t, J = 2.7 Hz), 2.02-2.08 (2H, m), 2.45 (2H, td, J = 6.9, 2.6 Hz), 4.15 (2H, t, J = 6.1 Hz), 4.79 (2H, dd, J = 6.2, 1.1 Hz), 6.92-6.97 (1H, m), 7.03-7.05 (2H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.41 (1H, dd, J = 8.5, 1.7 Hz), 8.53-8.58 (3H, m), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.7 Hz).
【0061】
製造例9
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.20g、水素化ナトリウム(55% in oil)32mg及びDMF3mlの混合物に、6−クロロ−1−ヘキシン102mgを加え、80℃で2時間、次いで100℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してN−[2−フルオロ−3−(5−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(9)と記す。)0.14gを得た。
本発明化合物(9)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.72-1.79 (2H, m), 1.93-2.00 (3H, m), 2.30 (2H, td, J = 7.0, 2.7 Hz), 4.07 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.79 (2H, dd, J = 6.3, 1.2 Hz), 6.90-6.94 (1H, m), 7.03-7.04 (2H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.41 (1H, dd, J = 8.5, 1.7 Hz), 8.53-8.58 (3H, m), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.7 Hz).
【0062】
製造例10
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.17g、プロパルギルブロミド0.08g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.2gを加え、室温で12時間攪拌した。反応混合物に15%水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−フルオロ−3−(2−プロピニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(10)と記す。)0.16gを得た。
本発明化合物(10)

1H-NMR (CDCl3) δ: 2.55 (1H, t, J = 2.1 Hz), 4.78-4.81 (4H, m), 7.06-7.12 (3H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.41 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.54-8.57 (3H, m), 9.05 (1H, d, J = 2.7 Hz).
【0063】
製造例11
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.17g、1−ブロモ−2−ペンチン0.11g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.22gを加え、室温で12時間攪拌した。反応混合物に15%水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−フルオロ−3−(2−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(11)と記す。)0.26gを得た。
本発明化合物(11)

1H-NMR (CDCl3)δ: 1.12 (3H, t, J = 7.4 Hz), 2.17-2.26 (2H, m), 4.75-4.76 (2H, m), 4.79 (2H, d, J = 6.3 Hz), 7.03-7.10 (3H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.41 (1H, dd, J = 8.5, 1.2 Hz), 8.52-8.58 (3H, m), 9.05 (1H, dd, J = 4.0, 1.6 Hz).
【0064】
製造例12
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.20g、水素化ナトリウム(55% in oil)34mg及びDMF3mlの混合物に、5−クロル−1−ペンチン90mgを加え、80℃で2時間、次いで100℃で4時間攪拌した。その後、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してN−[3−(4−ペンチニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(12)と記す。)0.21gを得た。
本発明化合物(12)

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.95 (1H, t, J = 2.7 Hz), 1.98-2.03 (2H, m), 2.40 (2H, td, J = 7.0, 2.7 Hz), 4.07 (2H, t, J = 6.1 Hz), 4.72 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.86 (1H, dd, J = 8.2, 1.8 Hz), 6.96-6.97 (1H, m), 7.00 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.29 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.69 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.37-8.40 (1H, m), 8.49 (1H, s), 8.56 (1H, dd, J = 8.8, 0.5 Hz), 8.59 (1H, d, J = 8.8 Hz), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.5 Hz).
【0065】
製造例13
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.20g、水素化ナトリウム(55% in oil)34mg及びDMF3mlの混合物に、6−クロロ−1−ヘキシン109mgを加え、80℃で2時間、次いで100℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してN−[3−(5−ヘキシニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(13)と記す。)0.19gを得た。
本発明化合物(13)

1 H-NMR (CDCl3) δ: 1.68-1.75 (2H, m), 1.87-1.94 (2H, m), 1.96 (1H, t, J = 2.7 Hz), 2.27 (2H, td, J = 7.0, 2.6 Hz), 3.99 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.71 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.84 (1H, dd, J = 7.8, 2.2 Hz), 6.95-6.96 (1H, m), 6.99 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.28 (1H, t, J = 8.3 Hz), 7.69 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.37-8.40 (1H, m), 8.48 (1H, s), 8.56 (1H, dd, J = 8.7, 0.6 Hz), 8.59 (1H, d, J = 8.8 Hz), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.7 Hz).
【0066】
製造例14
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.30g、3−クロロ−1−プロペン0.23g及びDMF5mlの混合物に、炭酸カリウム0.0.42gを加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してN−[2−フルオロ−3−(2−プロペニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(14)と記す。)0.26gを得た。
本発明化合物(14)

1H-NMR (DMSO-D6) δ: 4.60-4.66 (4H, m), 5.28 (1H, d, J = 10.5 Hz), 5.42 (1H, d, J = 17.6 Hz), 6.00-6.11 (1H, m), 6.93-6.99 (1H, m), 7.03-7.10 (2H, m), 7.91 (1H, dd, J = 8.7, 4.0 Hz), 8.39 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.53 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.62 (1H, d, J = 8.8 Hz), 9.10-9.14 (1H, m), 9.48 (1H, t, J = 5.9 Hz).
【0067】
製造例15
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.30g、3−クロロ−1−プロペン0.33g及びDMF3mlの混合物に、炭酸カリウム0.59gを加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、N−[3−(2−プロペニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(15)と記す。)0.27gを得た。
本発明化合物(15)

1H-NMR (DMSO-D6) δ: 4.52-4.53 (4H, m), 5.18-5.24 (1H, m), 5.32-5.39 (1H, m), 5.96-6.05 (1H, m), 6.80-6.85 (1H, m), 6.92-6.97 (2H, m), 7.20-7.25 (1H, m), 7.89 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.39 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.51 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.60 (1H, d, J = 8.8 Hz), 9.10 (1H, dd, J = 4.1, 1.5 Hz), 9.49 (1H, t, J = 6.2 Hz).
【0068】
製造例16
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.30g、7−ブロモ−1−ヘプテン0.38g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.70gを加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、N−[3−(6−ヘプテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(16)と記す。)0.33gを得た。
本発明化合物(16)

1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.34-1.41 (4H, m), 1.63-1.73 (2H, m), 1.97-2.04 (2H, m), 3.93 (2H, t, J = 6.4 Hz), 4.54 (2H, d, J = 6.3 Hz), 4.87-5.01 (2H, m), 5.70-5.83 (1H, m), 6.80 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.90-6.95 (2H, m), 7.23 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.91 (1H, dd, J = 8.6, 4.2 Hz), 8.40 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.52 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.62 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.09-9.13 (1H, m), 9.51 (1H, t, J = 6.4 Hz).
【0069】
製造例17
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.30g、8−ブロモ−1−オクテン0.41g及びDMF3mlの混合物に、炭酸セシウム0.70gを加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、N−[3−(7−オクテニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(17)と記す。)0.34gを得た。
本発明化合物(17)

1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.25-1.42 (6H, m), 1.64-1.71 (2H, m), 1.95-2.02 (2H, m), 3.92 (2H, t, J = 6.5 Hz), 4.54 (2H, d, J = 6.3 Hz), 4.89-5.00 (2H, m), 5.72-5.82 (1H, m), 6.81 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.92-6.95 (2H, m), 7.23 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.90 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.40 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.53 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.62 (1H, d, J = 8.8 Hz), 9.10-9.13 (1H, m), 9.50 (1H, t, J = 6.3 Hz).
【0070】
製造例18
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.30g、3−ブロモ−1−プロピン0.26g及びDMF3mlの混合物に、炭酸カリウム0.30gを加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、N−[3−(2−プロピニルオキシ)フェニル]メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、本発明化合物(18)と記す。)0.27gを得た。
本発明化合物(18)

1H-NMR (DMSO-D6) δ: 3.52-3.54 (1H, m), 4.55 (2H, d, J = 6.3 Hz), 4.76-4.78 (2H, m), 6.87-6.91 (1H, m), 6.97-7.01 (2H, m), 7.25-7.29 (1H, m), 7.90 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.40 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.53 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.62 (1H, d, J = 8.8 Hz), 9.10-9.13 (1H, m), 9.52 (1H, t, J = 6.3 Hz).
【0071】
次に、本発明化合物の中間体の製造について参考製造例として示す。
【0072】
参考製造例1
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.30g、2−フルオロ−3−ヒドロキシベンジルアミン臭化水素酸塩0.46g、ピリジン0.5mlおよびDMF5mlの混合物にWSC0.43gを加え、室温で8時間攪拌した。反応混合物に水を加え、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付してN−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.25gを得た。
N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド

1H-NMR (CDCl3) δ: 4.80 (2H, d, J = 6.6 Hz), 5.47 (1H, s), 6.94-7.04 (3H, m), 7.70 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.41 (1H, dd, J = 8.7, 1.6 Hz), 8.51 (1H, s), 8.57 (2H, s), 9.06 (1H, dd, J = 4.1, 1.7 Hz).
【0073】
参考製造例2
3−ヒドロキシベンジルアミン塩酸塩0.42g、[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.3g、WSC0.43g、ピリジン0.5ml及びDMF5mlの混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付してN−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド0.29gを得た。
N−(3−ヒドロキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド

1H-NMR (CDCl3) δ: 4.70 (2H, d, J = 6.3 Hz), 5.19 (1H, s), 6.79 (1H, dd, J = 7.8, 2.5 Hz), 6.92 (1H, s), 6.97 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.25 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.70 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.38 (1H, dd, J = 8.6, 1.6 Hz), 8.51 (1H, s), 8.55 (2H, s), 9.05 (1H, dd, J = 4.1, 1.7 Hz).
【0074】
参考製造例3
3−ヒドロキシベンズアルデヒド20g、2−プロパノール200ml、ピリジン16g及びヒドロキシルアミン塩酸塩15gの混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し、3−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム26gを得た。
3−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム25g、5%パラジウム炭素1.3g及びエタノール300mlの混合物を約1気圧の水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過した。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣、アセトニトリル200ml及び濃塩酸28gを0℃で混合し、生成した固体を濾過により集めた。その固体をアセトニトリルで洗浄し、減圧下で乾燥して3−ヒドロキシベンジルアミン塩酸塩20gを得た。
3−ヒドロキシベンジルアミン塩酸塩

1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.89 (2H, q, J = 5.6 Hz), 6.79-6.82 (1H, m), 6.88-6.91 (2H, m), 7.18 (1H, t, J = 7.7 Hz), 8.51 (3H, s), 9.72 (1H, s).
【0075】
参考製造例4
2−フルオロ−3−メトキシベンジルアルコール4.5gと塩化メタンスルホニル2.9ml及びTHF50mlを混合し、0℃で攪拌した。その混合物にトリエチルアミン6.0mlを加え、0℃で30分間、次いで室温で2時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えた後、セライト(登録商標)を通して濾過した。ろ液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し、(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)メチルメタンスルホネート6.9gを得た。
(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)メチルメタンスルホネート

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.00 (3H, s), 3.91 (3H, s), 5.30 (2H, s), 6.96-7.14 (3H, m).
【0076】
参考製造例5
(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)メチルメタンスルホネート6.7g及びフタルイミドカリウム5.3g及びDMF60mlを混合し、70℃で4時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、希塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗浄してN−(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)メチルフタルイミド5.8gを得た。
N−(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)メチルフタルイミド


1H-NMR (CDCl3) δ: 3.87 (3H, s), 4.94 (2H, s), 6.86-6.90 (2H, m), 6.98-7.02 (1H, m), 7.73 (2H, dd, J = 5.4, 3.0 Hz), 7.86 (2H, dd, J = 5.4, 3.0 Hz).
【0077】
参考製造例6
N−(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)メチルフタルイミド7.7gとエタノール30mlとの混合物にヒドラジン1水和物1.63gを滴下し、4時間加熱還流した。その後、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に水を加え、減圧下濃縮した。残渣に希塩酸を加え、濾過した。得られた濾液に酢酸エチルを加え、該混合液の水層がpHが11になるまで15%水酸化ナトリウム水溶液を加え、2層に分液した。有機層に濃塩酸を加え、減圧下濃縮し、2−フルオロ−3−メトキシベンジルアミン塩酸塩4.5gを得た。
2−フルオロ−3−メトキシベンジルアミン塩酸塩

1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.85 (3H, s), 4.03 (2H, q, J = 5.3 Hz), 7.13-7.23 (3H, m), 8.60 (3H, br s).
【0078】
参考製造例7
2−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒド15.4g、THF30ml及び水3mlの混合溶液に、ピリジン24mlを滴下し、氷冷下でヒドロキシルアミン塩酸塩13.8を加えた。室温で30分間撹拌した。反応混合物を全体の容量が半分程度となるまで減圧下濃縮した。この混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、2−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒドオキシム16gを得た。
2−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒドオキシム

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.90 (3H, s), 6.96-7.00 (1H, m), 7.03-7.12 (1H, m), 7.30-7.33 (1H, m), 7.64-7.78 (1H, m), 8.39 (1H, s).
【0079】
参考製造例8
10%パラジウム炭素2.4g、10N塩酸8.3ml及びエタノール200mlの混合溶液に、2−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒドオキシム12.8gを加え、約1気圧の水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。その後、反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過した。濾液を減圧下濃縮し、2−フルオロ−3−メトキシベンジルアミン塩酸塩8.2gを得た。
【0080】
参考製造例9
10%パラジウム炭素1.8g、水10ml、10N塩酸6.5ml及びエタノール50mlの混合溶液に、2−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒド10g及びエタノール80mlの混合溶液を加え、次いでヒドロキシルアミン塩酸塩5.4gを加えた。室温で2時間攪拌した。この混合物を約1気圧の水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣に水を加えて、クロロホルムで抽出した。得られた水層のpHが11になるまで15%水酸化ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出した。有機層を炭酸カリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、2−フルオロ−3−メトキシベンジルアミン8.0gを得た。
2−フルオロ−3−メトキシベンジルアミン

1H-NMR (CDCl3) δ: 1.55 (2H, br s), 3.89 (3H, s), 3.90 (2H, br s), 6.86-6.91 (2H, m), 7.02-7.06 (1H, m).
【0081】
参考製造例10
2−フルオロ−3−メトキシベンジルアミンの塩酸塩4gに48%臭化水素酸15mlを加え、5時間加熱還流した。室温付近で放冷した反応混合物を減圧下濃縮し、2−フルオロ−3−ヒドロキシベンジルアミン臭化水素酸塩4.0gを得た。
2−フルオロ−3−ヒドロキシベンジルアミン臭化水素酸塩

1H-NMR (DMSO-d6) δ: 4.04 (2H, q, J = 5.5 Hz), 6.90-6.94 (1H, m), 6.97-7.06 (2H, m), 8.23 (3H, br s), 10.05 (1H, br s).
【0082】
参考製造例11
[1,5]ナフチリジン69.4gを700mlのクロロホルムに溶解し、120gのm−クロロ過安息香酸を室温で加え、2時間攪拌した。この混合物に12gのm−クロロ過安息香酸を加え、さらに室温で2時間攪拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、[1,5]ナフチリジン N−オキサイド73gを得た。
[1,5]ナフチリジン N−オキサイド

1H-NMR (CDCl3) δ:7.53-7.57(1H, m), 7.68-7.71 (1H, m), 8.03 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.57 (1H, d, J = 8.0Hz), 9.05-9.06 (2H, m).
【0083】
参考製造例12
[1,5]ナフチリジンN−オキサイド73g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン76gを700mlのTHFに溶解し、52gのトリメチルシリルシアニドを氷冷下で1時間かけて滴下した。約2時間かけて室温に戻し、15時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2−シアノ[1,5]ナフチリジン38gを得た。
2−シアノ[1,5]ナフチリジン

1H-NMR (CDCl3) δ:7.80 (1H, dd, J = 4.0, 8.0 Hz), 7.96 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.49 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.58 (1H, d, J = 8.0 Hz), 9.14 (1H, d, J = 4.0 Hz).
【0084】
参考製造例13
2−シアノ[1,5]ナフチリジン1.6gを40mlの50%硫酸水溶液に溶解し、加熱還流下で4時間攪拌した。反応混合物を氷冷してから、反応混合物に5N水酸化ナトリウム水溶液を少しづつ加えたところ、結晶が析出した。この結晶を濾過により集め、減圧下乾燥して、[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸1.5gを得た。
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸

1H-NMR (DMSO-d6) δ:7.92 (1H, dd, J = 4.0, 8.0 Hz), 8.36 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 9.14 (1H, d, J = 8.0 Hz), 13.65 (1H, br s).
【0085】
製剤例1
本発明化合物(1)〜(18)のいずれか1種 50部、リグニンスルホン酸カルシウム 3部、ラウリル硫酸マグネシウム 2部及び合成含水酸化珪素 45部をよく粉砕混合することにより、水和剤を得る。
【0086】
製剤例2
本発明化合物(1)〜(18)のいずれか1種 20部とソルビタントリオレエ−ト 1.5部とを、ポリビニルアルコ−ル 2部を含む水溶液 28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム 0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケ−ト 0.1部を含む水溶液 40部を加え、さらにプロピレングリコ−ル 10部を加えて攪拌混合し、フロアブル製剤を得る。
【0087】
製剤例3
本発明化合物(1)〜(18)のいずれか1種 2部、カオリンクレー 88部及びタルク 10部をよく粉砕混合することにより、粉剤を得る。
【0088】
製剤例4
本発明化合物(1)〜(18)のいずれか1種 5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル 14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 6部及びキシレン 75部をよく混合することにより、乳剤を得る。
【0089】
製剤例5
本発明化合物(1)〜(18)のいずれか1種 2部、合成含水酸化珪素 1部、リグニンスルホン酸カルシウム 2部、ベントナイト 30部及びカオリンクレー 65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより、粒剤を得る。
【0090】
製剤例6
本発明化合物(1)〜(18)のいずれか1種 10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩 50部を含むホワイトカーボン 35部及び水 55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル製剤を得る。
【0091】
次に、本発明化合物が植物病害の防除に有用であることを試験例で示す。
なお防除効果は、調査時の供試植物上の病斑の面積を目視観察し、本発明化合物を処理した植物の病斑の面積と、無処理の植物の病斑の面積を比較することにより評価した。
【0092】
試験例1
プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(品種;相模半白)を播種し、温室内で12日間生育させた。本発明化合物(1),(2),(4)〜(17)及び(18)の各々を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(500ppm)にし、上記キュウリ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の胞子含有PDA培地をキュウリ葉面上に置いた。接種後12℃、多湿下に5日間置いた後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物(1),(2),(4)〜(17)及び(18)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
【0093】
試験例2
プラスチックポットに砂壌土を詰め、インゲン(品種;長鶉菜豆)を播種し、温室内で8日間生育させた。本発明化合物(18)の各々を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(500ppm)にし、上記インゲン葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、インゲン菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌糸含有PDA培地をインゲン葉面上に置いた。接種後全てのインゲンは夜間のみ多湿下におき、接種5日後に病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物(18)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の10%以下であった。
【0094】
試験例3
プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(品種;相模半白)を播種し、温室内で12日間生育させた。本発明化合物(1)〜(13)の各々を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(500ppm)にし、上記キュウリ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、キュウリ菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌糸含有PDA培地をキュウリ葉面上に置いた。接種後18℃、多湿下に4日間置いた後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物(1)〜(12)及び(13)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の10%以下であった。
また、本発明化合物の代わりにBioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 9, p.2583(1999)に記載されたN−(2−メトキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、比較化合物(A)と記す。)
を用いて同じ試験を行った。その結果、比較化合物(A)を処理した植物上の病斑面積は無処理区の病斑面積の76%以上であった。
N−(2−メトキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミドとは、下記式(A)で示される化合物である。

【0095】
試験例4
プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(相模半白)を播種し、温室内で12日間生育させた。その後、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の胞子含有PDA培地をキュウリ葉面上に接種した後、本発明化合物(1)、(5)、(8)及び(13)の水和剤をそれぞれ水で200ppmの濃度に希釈し、該散布液を前記キュウリの葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、12℃、多湿下に2日間置いた後、防除効果を調査した。その結果、本発明化合物(1)、(5)、(8)及び(13)を処理した植物の病斑面積は、それぞれ無処理区の病斑面積の30%以下であった。
また、本発明化合物の代わりに国際公開第2005/033079号パンフレットに記載されたN−(3−フェノキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミド(以下、比較化合物(B)と記す。)
を用いて同じ試験を行った。その結果、比較化合物(B)を処理した植物上の病斑面積は無処理区の病斑面積の50%以上であった。
N−(3−フェノキシフェニル)メチル−2−[1,5]ナフチリジンカルボキサミドとは、下記式(B)で示される化合物である。

【0096】
試験例5
プラスチックポットに床土を詰め、イネ(品種;日本晴)を播種し、温室内で12日間生育させた。本発明化合物(1),(2),(4),(5),(8),(10),(13)及び(14)を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(500ppm)にし、上記イネの葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、散布した植物の周囲にイネいもち病(Magnaporthe grisea)罹病葉を有するポットを静置した。全てのイネは夜間のみ多湿下におき、接種5日後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物(1),(2),(4),(5),(8),(10),(13)及び(14)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

〔式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表し、R2は直鎖C3−C8アルケニル基または直鎖C3−C8アルキニル基を表す。〕
で示されるアミド化合物。
【請求項2】
1がフッ素原子でありである請求項1記載のアミド化合物。
【請求項3】
1が水素原子である請求項1記載のアミド化合物。
【請求項4】
2が直鎖C5−C7アルケニル基である請求項1〜3いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項5】
2が4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基又は6−ヘプテニル基である請求項1〜3いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項6】
2が直鎖C5−C7アルキニル基である請求項1〜3いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項7】
2が4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基又は6−ヘプチニル基である請求項1〜3いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか一項記載のアミド化合物と担体とを含有する植物病害防除剤。
【請求項9】
請求項1〜7いずれか一項記載のアミド化合物の有効量を植物又は土壌に処理する工程を有する植物病害の防除方法。
【請求項10】
植物病害を防除するための請求項1〜7いずれか一項記載のアミド化合物の使用。

【公開番号】特開2009−196979(P2009−196979A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5470(P2009−5470)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】