説明

アミド化合物を使用する植物の生長促進方法

本発明は、式(I)を有するアミド化合物の非植物毒性で植物生長を促進する有効量を施用することにより、正の生長調節応答を誘発することができる、植物処理の新規方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正の生長調節応答を誘導できる、植物処理の新規の方法に関する。
【0002】
用語「植物の生長を調節する方法」もしくは用語「生長調節方法」または本明細書で用いる単語「生長調節」もしくは単語「調節」を用いる他の用語の使用は、植物もしくは生物の生長を損なうまたは妨げるための殺害虫性作用の意図とは区別される、植物の一部の特性の向上を試みる植物の多様な応答を意味する。この理由のため、本発明の実施において使用される化合物は、非植物毒性の量で処理される植物に対して使用される。
【0003】
より正確には、本発明は、特定のアミド化合物の使用に関し、特に、生長調節応答を誘発するためのニコチンアミド化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
EP−A0545099は、ボトリチス(Botrytis)に対抗するためのアミド誘導体およびこの使用を記載している。植物の生長促進効果に関しては、何も開示されていない。
【0005】
WO2005/018324は、カルボキサミドを記載しており、特に、ボスカリドおよび正の生長調節応答を誘導するためのこの使用を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0545099号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/018324号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、より優れた植物、より高い収穫量、より良い作物品質および農作業のより良い条件を得るために、植物の生長方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、植物、植物が生長する種子または植物が生長する部位に、式I
【0009】
【化1】

[式中
は、水素またはハロゲン、
は、ハロゲン、
nは、1または2から選択される整数である]
を有するアミド化合物の非植物毒性で植物生長を促進する有効量を施用することを含む、生長促進が必要な前記植物を処理する方法によって達成されることが分かった。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、
は、フッ素、
は、塩素、
nは、2である。
【0011】
本発明のより好ましい実施形態では、
は、5−フッ素、
は、3,4−ジクロロである。
【0012】
最も好ましい化合物は、その開示を参照により本明細書に組み込む、WO03/070705に記載の、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(Bixafen)およびその開示を参照により本明細書に組み込む、WO2005/123690に記載の、N−(3’,4’−ジクロロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドから成る群から選択される。
【0013】
本発明の方法において使用されるアミド化合物は、使用される濃度、採用される配合物および処理される植物種のタイプに応じて、植物の生長を調節する多種多様な特性を示すことが分かった。
【0014】
本発明の実施に基づく、次の、a)より大きなサイズの果実、b)より大きなサイズの野菜、c)より高い糖度の果実、d)より発達した根系、e)作物の硬さがより高くより長期に貯蔵できる、g)向上した外観、h)果実のより良好な出来栄え、i)より早期の果実成熟、j)草丈の増大、k)より大きな葉身、i)より少ない死滅根出葉、m)より緑の葉色、n)より早期の開花、o)増加した苗条生長、p)向上した樹勢、q)早期の発芽を含む、植物の多種多様の生長応答。
【0015】
本発明の好ましい実施形態においては、施用される、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(Bixafen)の植物生長を促進する量は、a)より大きなサイズの果実、b)より大きなサイズの野菜、c)より高い糖度の果実、d)より発達した根系、e)作物の硬さがより高くより長期に貯蔵できる、g)向上した外観、h)果実のより良好な出来栄え、i)より早期の果実成熟、j)草丈の増大、k)より大きな葉身、I)より少ない死滅根出葉、m)より緑の葉色、n)より早期の開花、o)増加した苗条生長、p)向上した樹勢、q)早期の発芽から成る群より選択される、少なくとも1つの植物生長を促進する効果を提供するのに十分な量である。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施形態においては、施用される、N−(3’,4’−ジクロロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの植物生長を促進する量は、a)より大きなサイズの果実、b)より大きなサイズの野菜、c)より高い糖度の果実、d)より発達した根系、e)作物の硬さがより高くより長期に貯蔵できる、g)向上した外観、h)果実のより良好な出来栄え、i)より早期の果実成熟、j)草丈の増大、k)より大きな葉身、I)より少ない死滅根出葉、m)より緑の葉色、n)より早期の開花、o)増加した苗条生長、p)向上した樹勢、q)早期の発芽から成る群より選択される、少なくとも1つの植物生長を促進する効果を提供するのに十分な量である。
【0017】
本明細書で用いる用語「植物の生長を調節する方法」は、果実または野菜が収穫されていないにせよ収穫されているにせよ、最終結果が、任意の他の殺害虫性作用から際立った、生長および品質を増大させるまたは植物、種子、果実もしくは野菜の任意の特性に利益を与える目的にある限りにおいて、植物、種子、果実、野菜の前述の16種類の応答のいずれかの達成、ならびに任意の他の改良を意味することを意図している。本明細書で用いられている用語「果実」は、植物によって産生される経済的価値の任意のものを意味すると理解されるべきである。
【0018】
前述の16種類に関連する特定の事前の詳細は、本発明のより良い理解に役立つはずである。
【0019】
可能な配合物の記述は、特許出願、WO−A−2005/123690およびWO03/070705に見出すことができる。
【0020】
化合物Iの施用量は、0.005から0.5kg/ha、好ましくは、0.01から0.2kg/ha、特に、0.02から0.1kg/haである。
【0021】
種子の処理に関しては、混合物の施用量は、一般に、種子に対して0.001から250g/kg、好ましくは、0.01から100g/kg、特に、0.01から50g/kgである。
【0022】
アミド化合物1は、例えば、そのまま散布できる溶液、粉末および懸濁液の形状または高度に濃縮された水性、油性もしくは他の懸濁液、分散液、乳液、油分散物、ペースト、粉剤、ばらまき用の物質または粒剤の形状で配合でき、散布、噴霧、散粉、ばらまきまたは散水により施用できる。意図される目的に依存する使用形状は、いかなる場合においても、本発明による混合物の可能な限り細かく均一な分布を確保しなければならない。
【0023】
配合物は、既知の方法、例えば活性成分を溶媒および/または担体で、所望するなら乳化剤および分散剤を使用して増量することにより調製し、また、水を希釈液として使用する場合、補助溶媒として他の有機溶媒を使用することも可能である。この目的のために適当な補助剤は、実質的には、芳香族化合物(例えば、キシレン)、塩素化芳香族化合物(例えば、クロロベンゼン)、パラフィン(例えば、鉱油画分)、アルコール(例えば、メタノール、ブタノール)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジメチルホルムアミド)および水などの溶媒、細かくすりつぶした天然鉱物(例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク)および細かくすりつぶした合成鉱物(例えば、細かく分割したシリカ、ケイ酸塩)などの担体、非イオン性および陰イオン性乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩)などの乳化剤、ならびにリグノ亜硫酸パルプ廃液およびメチルセルロースなどの分散剤である。
【0024】
適当な界面活性剤は、例えば、リグノ、フェノール、ナフタレンおよびジブチルナフタレンスルホン酸の芳香族スルホン酸、脂肪酸、アルキルおよびアルキルアリールスルホン酸、アルキル、ラウリルエーテルおよび脂肪アルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩ならびにアンモニウム塩、硫酸化ヘキサ、ヘプタ、オクタデカノールの塩または脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、ナフタレンスルホン酸およびこの誘導体のホルムアルデヒド縮合物、ナフタレンもしくはナフタレンスルホン酸のフェノールおよびホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシ化イソオクチル、オクチルもしくはノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシ化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルもしくはポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸パルプ廃液またはメチルセルロースである。
【0025】
ばらまき用および粉剤用の粉末、物質は、アミド化合物Iを固体担体と混合または一緒に粉砕することにより調製することができる。
【0026】
粒剤(例えば、被覆粒、含浸粒または均質粒)は、通常、活性成分または複数の活性成分を固体担体に結合させることにより調製される。
【0027】
増量剤または固体担体は、例えば、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、ボール、レス、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの鉱物質土類、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などの粉砕された合成物質および肥料、穀粉、樹皮粉、木粉およびナッツ殻粉、セルロース粉末などの植物由来の生成物または他の固体担体である。
【0028】
配合物は、一般に、化合物を0.1から95重量%、好ましくは、0.5から90重量%含む。活性成分は、(NMRスペクトルまたはHPLCに従って)90%から100%の純度、好ましくは、95%から100%の純度のものが採用される。
【0029】
活性成分を含むこのような調製物の例は、I.活性成分90重量部およびN−メチルピロリドン10重量部の溶液(この溶液は微小滴の形状で使用するのに適切である。)、II.活性成分20重量部、キシレン80重量部、8−10モルのエチレンオキシドと1モルのオレイン酸N−モノエタノールアミドとの付加物10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩5重量部、40モルのエチレンオキシドと1モルのヒマシ油との付加物5重量部の混合物(溶液を水中で細かく分布させることにより、分散が得られる。)、III.活性成分20重量部、シクロヘキサノン40重量部、イソブタノール30重量部、40モルのエチレンオキシドと1モルのヒマシ油との付加物20重量部の水分散液、IV.活性成分の20重量部、シクロヘキサノール25重量部、沸点が210−280℃の鉱油画分65重量部、40モルのエチレンオキシドと1モルのヒマシ油との付加物10重量部の水分散液、V.活性成分80重量部、ジイソブツルナフタレン−1−スルホン酸のナトリウム塩3重量部、亜硫酸パルプ廃液由来のリグノスルホン酸のナトリウム塩10重量部および粉状シリカゲル7重量部の、ハンマーミル中で粉砕した混合物(散布用混合物は、水中で混合物を細かく分布させることにより得られる。)、VI.活性成分3重量部および細かく分割したカオリン97重量部の均質混合物(この粉末は、活性成分の3重量%を含む。)、VII.活性成分30重量部、粉状シリカゲル92重量部およびこのシリカゲルの表面に散布したパラフィン油8重量部の均質混合物(この配合物は、活性成分に良好な接着性を付与する。)、VIII.活性成分40重量部、フェノールスルホン酸/尿素/ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩10重量部、シリカゲル2重量部および水48重量部の安定な水分散液(この分散液は、さらに希釈してもよい。)、IX.活性成分20重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩の2重量部、脂肪アルコールポリグリコールエーテル8重量部、フェノールスルホン酸/尿素/ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩20重量部およびパラフィン系鉱油88重量部の安定な油分散液である。
【0030】
また、本発明によるアミド化合物は、他の活性化合物、例えば、除草剤、殺虫剤、生長調節剤、殺かび剤その他と組み合わせて、肥料と共に存在してもよい。多くの場合、他の活性化合物と共に生長促進剤としての使用形状にあるアミド化合物1またはこれを含む組成物の混合物は、より広域な活性スペクトルをもたらす。
【0031】
本発明によるアミド化合物と組み合わせて使用できる殺かび剤の次の一覧は、可能な組合せを例示することを意図しているが、いかなる制限も定めることを意図していない。すなわち、ジメチルジチオカルバミン酸鉄(III)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン、エチレンジアミンビスジチオカルバミン酸マンガン亜鉛、テトラメチルチウラムジスルフィド、亜鉛(N,Nエチレンビスジチオカルバミン酸)のアンモニア錯体、亜鉛(N,N’−プロピレンビスジチオカルバミン酸)のアンモニア錯体、亜鉛(N,N’−プロピレンビスジチオカルバミン酸)、N,N’−ポリプロピレンビス(チオカルバモイル)ジスルフィドなどの硫黄、ジチオカルバミン酸塩およびこの誘導体;ジニトロ(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート、2−sec−ブチル−4,6−ジニトロフェニル−3,3−ジメチルアクリレート、2−sec−ブチル−4,6−ジニトロフェニルイソプロピルカーボネート、ジイソプロピル5−ニトロイソフタレートなどのニトロ誘導体;2−ヘプタデシル−2−イミダゾリンアセテート、2,4−ジクロロ−6−(o−クロロアニリノ)−s−トリアジン、0,0−ジエチルフタルイミドホスホノチオエート、5−アミノ−1−[ビス(ジメチルアミノ)ホスフィニル]−3−フェニル−1,2,4−トリアゾール、2,3−ジシアノ−1,4−ジチオアントラキノン、2−チオ−1,3−ジチオロ[4,5−b]キノキサリン、メチル1−(ブチル−カルバモイル)−2−ベンゾイミダゾールカルバメート、2−メトキシカルボニルアミノベンゾイミダゾール、2−(フリル−(2))ベンゾイミダゾール、2−(チアゾリル−(4))ベンゾイミダゾール、N−(1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ)テトラヒドロフタルイミド、N−トリクロロメチルチオテトラヒドロ−フタルイミド、N−トリクロロメチルチオフタルイミドなどのヘテロ環の物質;N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−フェニル硫酸ジアミド、5−エトキシ−3−トリクロロメチル−1,2,3−チアジアゾール、2−チオシアナトメチルチオベンゾチアゾール、1,4−ジクロロ−2,5−ジメトキシベンゼン、4−(2−クロロフェニルヒドラゾノ)−3−メチル−5−イソオキサゾロン、ピリジン2−チオ−1−オキシド、8−ヒドロキシキノリンまたはこの銅塩、2,3−ジヒドロ−5−カルボキサアニリド−6−メチル−1,4−オキサチイン、2,3−ジヒドロ−5−カルボキサアニリド−6−メチル−1,4−オキサチイン4,4−ジオキシド、2−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−ピラン−3−カルボキサアニリド、2−メチルフラン−3−カルボキサアニリド、2,5−ジメチルフラン−3−カルボキサアニリド、2,4,5−トリメチルフラン−3−カルボキサアニリド、N−シクロヘキシル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキサミド、N−シクロヘキシル−N−メトキシ−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキサミド、2−メチルベンズアニリド、2−ヨードベンズアニリド、N−ホルミル−N−モルホリン2,2,2−トリクロロエチルアセタール、ピペラジン−1,4−ジイル−ビス−1−(2,2,2−トリクロロエチル)ホルムアミド、1−(3,4−ジクロロアニリノ)−1−ホルミル−アミノ−2,2,2−トリクロロエタン、2,6−ジメチル−N−トリデシルモルホリンまたはこの塩、2,6−ジメチル−N−シクロドデシルモルホリンまたはこの塩、−N−[3−(p−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル]−cis−2,6−ジメチルモルホリン、N−[3−(p−tert−ブチルフェニル)−2−メチル−プロピル]ピペリジン、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−エチル−1,3−ジ−オキソラン−2−イル−エチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルエチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、N−(n−プロピル)−N−(2,4,6−トリクロロフェノキシエチル)−N’−イミダゾリル尿素、1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノン、1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノール、(2RS,3RS)−1−[3−(2−クロロ−フェニル)−2−(4−フルオロフェニル)オキシラン−2−イルメチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、α−(2−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−5−ピリミジン−メタノール、5−ブチル−2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン、ビス(p−クロロフェニル)−3−ピリジンメタノール、1,2−ビス(3−エトキシカルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン、1,2−ビス−(3−メトキシカルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン;メチルE−メトキシイミノ−[α−(o−トリルオキシ)−o−トリル]アセテート、メチルE−2−{2−[6−(2−シアノフェノキシ)−ピリジミン−4−イルオキシ]−フェニル}3−メトキシアクリレート、メチルE−メトキシイミノ−[α−(2−フェノキシフェニル)]アセトアミド、メチルE−メトキシイミノ−[α−(2,5−ジメチルフェノキシ)−o−トイル]アセトアミドなどのストロビルリン類;N−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アニリン、N−[4−メチル−6−(1−プロピニル)ピリミジン−2−イル]アニリン、N−(4−メチル−6−シクロプロピルピリミジン−2−イル)アニリンなどの、’ans)アニリノピリミジン類;4−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソ−ル−4−イル)ピロール−3−カルボニトリルなどの’theyフェニルピロール類;3−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)アクリロイルモルホリドなどのシンナムアミド類;およびドデシルグアニジンアセテート、3−[3−(3,5−ジメチル−2−オキシシクロヘキシル)−2−ヒドロキシエチル]グルタルイミド、ヘキサクロロベンゼン、メチルN−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(2−フロイル)−DL−アラニネート、DL−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(2’−メトキシアセチル)アラニンメチルエステル、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−クロロアセチル−D,L−2−アミノブチロラクトン、DL−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(フェニルアセチル)アラニンメチルエステル、5−メチル−5−ビニル−3−(3,5−ジクロロフェニル)−2,4−ジオキソ−1,3−オキサゾリジン、3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−メトキシ−メチル−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン、3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−1−イソプロピルカルバモイルヒダントイン、N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシミド、2−シアノ−[N−(エチルアミノカルボニル)−2−メトキシイミノ]アセトアミド、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)ペンチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジフルオロ−α−(1H−1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)ベンゾヒドリルアルコール、N−(3−クロロ−2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−5−トリフルオロメチル−3−クロロ−2−アミノピリジン、1−((ビス−(4−フルオロフェニル)メチルシリル)メチル)−1H−1,2,4−トリアゾールなどの数種の殺かび剤である。
【0032】
植物の生長促進作用によって改良される作物の例としては、野菜、ナッツまたは果実がある。
【0033】
本発明のさらなる態様では、式Iのアミド化合物とストロビルリンの混合物は、植物の生長促進方法において適当である。
【0034】
これらの混合物に適当なストロビルリンは、例えば、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビンまたはトリフロキシストロビンである。
【0035】
アミド化合物Iおよびストロビルリンは、好ましくは、20:1から1:20までの範囲の重量比、特に、10:1から1:10までの範囲の重量比で採用される。
【0036】
式Iのアミド化合物とストロビルリンは、同時に施用してもよく、すなわち、一緒に、別々にまたは連続して施用してもよい。
【0037】
植物の生長調節作用によって改良される作物の例としては、野菜、ナッツまたは果実がある。
【0038】
アミド化合物の正確な量は、処理される特定の植物種に依存する。この量は、当業者により数回の試験で決定してもよく、使用される化合物の全量ならびに処理される特定の植物種に応じて、植物の応答が変化することもある。もちろん、アミド化合物の量は、処理される植物に対して非植物毒性でなければならない。
【0039】
本発明の方法で使用されるアミド化合物の好ましい施用方法は、植物の葉および茎に対して直接的なものであるが、上述の化合物を植物が生長している土壌に施用してもよく、本発明の教示に従って植物の応答をもたらすように、上述の化合物が十分な程度に経根吸収されると判断された。
【0040】
以下の例は、本発明による植物の生長調節方法を例示するものであるが、前記本発明を制限するものとして理解すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物、植物が生長する種子または植物が生長する部位に、式I
【化1】

[式中
は、水素またはハロゲン、
は、ハロゲン、
nは、1または2から選択される整数である]
に従ったアミド化合物の非植物毒性で植物生長を促進する有効量を施用することを含む、生長促進が必要な前記植物を処理する方法。
【請求項2】
式I
[式中
は、フッ素、
は、塩素、
nは、2である]
のアミド化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式I
[式中
は、5−フッ素、
は、3,4−ジクロロである]
の化合物をアミド化合物として含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(Bixafen)およびN−(3’,4’−ジクロロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドから成る群から選択されるアミド化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
施用される式(I)のアミド化合物の植物生長を促進する量が、a)より大きなサイズの果実、b)より大きなサイズの野菜、c)より高い糖度の果実、d)より発達した根系、e)作物の硬さがより高くより長期に貯蔵できる、g)向上した外観、h)果実のより良好な出来栄え、i)より早期の果実成熟、j)草丈の増大、k)より大きな葉身、I)より少ない死滅根出葉、m)より緑の葉色、n)より早期の開花、o)増加した苗条生長、p)向上した樹勢、q)早期の発芽から成る群より選択される少なくとも1つの植物生長を促進する効果を提供するのに十分な量である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
式(I)のアミド化合物が、前記植物または植物が生長する部位に、式(I)化合物の約0.005kg/haから約0.5kg/haの施用量において粒剤の形状で施用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
施用量が、式(I)の化合物の約0.01kg/haから約0.2kg/haである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
植物が、イネ、トウモロコシ、穀草類および野菜の植物ならびに芝生から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
式Iのアミド化合物とストロビルリンの混合物が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ストロビルリンが、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビンまたはトリフロキシストロビンから成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
bixafenとピラクロストロビンの混合物が使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
アミド化合物Iとストロビルリンの割合が、20:1から1:20である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
アミド化合物およびストロビルリンが、同時に施用される、すなわち、一緒にもしくは別々にまたは連続して施用される、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2011−519352(P2011−519352A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501137(P2011−501137)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002162
【国際公開番号】WO2009/118161
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】