説明

アラーム信号制御方法および装置並びにこれを用いる電子機器

【課題】アラーム情報が複数発生した場合にもアラーム情報の時系列を保証するとともに、アラーム情報を処理する上位プロセッサの負荷を軽減するアラーム信号制御装置を得る。
【解決手段】電子機器内に設けられた複数のアラーム検出部からのアラーム信号の制御方法において、周期的に前記複数のアラーム検出部からアラーム信号を取得し、これらのアラーム信号をFIFO方式で管理する。また、前記複数のアラーム信号を複数の信号群に分けて監視し、いずれかの信号群を構成するアラーム信号の状態変化が生じた場合に当該信号群を構成するアラーム信号のみを前記プロセッサへ送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアラーム信号制御方法及び装置に関し、特に、コンピュータ装置などで装置内の被監視部のアラーム情報を収集して上位プロセッサに報告する方法及び装置並びにこれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンピュータ装置において、複数の被監視部(スレーブ)で発生するアラーム情報を監視部(マスタ)で収集する2つの方式が特許文献1に開示されている。第1の方式は、図7に示すように、上位プロセッサ71と、アラーム情報収集装置72と、複数のアラーム検出部73〜75とを具える。各アラーム検出部73〜75はアラーム信号線76でアラーム情報収集装置72に接続されている。被監視部であるアラーム検出部73〜75はアラーム発生事由を検出すると、専用線であるアラーム信号線76を介してアラーム情報収集部72へアラームを送出する。その後、監視部であるアラーム情報収集部72が上位プロセッサ71にアラーム情報を伝達する。
【0003】
第2の方式は、図8に示すように、複数のアラーム検出部83〜85が共通バス86,87で共通バスインタフェース装置82に接続されている。共通バスインタフェース装置82は、上位プロセッサ81の要求により、共通バスを介して任意の被監視部のアラーム検出部からアラーム情報を収集する。そして、共通バスインタフェース装置82に蓄積されたアラーム情報は上位プロセッサ81へ伝達される。
【0004】
【特許文献1】特開平3−32245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、複数のアラーム検出部から送出されるアラームの発生時系列が判断できない場合があり、適切な対処が困難になる問題がある。すなわち、例えば上記第1の方式では、最初に発生したアラームに対して上位プロセッサ71が処理を行っている間に別途複数のアラームが発生した場合、上位プロセッサ71はこれらの正確な発生時系列を判断することができない。また、上記第2の方式では、上位プロセッサ81の要求があった場合に共通バスインタフェース装置82がアラーム情報を収集する構成であり、アラームが複数発生している場合には正確な発生時系列を判断することができない。したがって、被監視部で発生したアラームが場合によっては長期間処理されない場合があり、障害が深刻化したり障害復旧が遅延してしまうことがあった。
【0006】
また、上記第2の方式では、上位プロセッサ81の要求があった場合に被監視部から情報を収集する構成であるため、アラームの発生を早期に認識するには上位プロセッサ81は絶え間なく共通バスインタフェース装置82にアラーム情報を要求する必要がある。これにより、上位プロセッサの負荷が高くなる問題がある。
【0007】
本発明の目的の一つは、アラーム情報が複数発生した場合にもアラーム情報の時系列を保証する方法および装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の別の目的は、アラーム情報を処理する上位プロセッサの負荷を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、電子機器内に設けられた複数のアラーム検出部からのアラーム信号の制御方法において、周期的に前記複数のアラーム検出部からアラーム信号を取得するステップと、これらのアラーム信号をFIFO方式で蓄積するステップと、前記アラーム信号の一部または全部を前記プロセッサへ送出するステップを備えることを特徴とする。
【0010】
この方法において、前記アラーム信号をプロセッサへ送出するステップは、前記複数のアラーム信号を複数の信号群に分けて監視し、いずれかの信号群を構成するアラーム信号の状態変化が生じた場合に当該信号群を構成するアラーム信号のみを前記プロセッサへ送出することが有効である。
【0011】
また、前記アラーム検出部から今回受信したアラーム信号ごとに前回受信したアラーム信号と比較して状態変化の有無を検出するステップを備えることが好ましい。
【0012】
本発明の別の態様は、電子機器内に設けられる複数のアラーム検出部からアラーム信号を収集するアラーム信号制御装置であって、周期的に前記複数のアラーム検出部からアラーム信号を取得するアラーム信号収集手段と、これらのアラーム信号をFIFO方式で蓄積するFIFO手段と、前記アラーム信号の一部または全部を前記プロセッサへ送出するアラームバス制御部とを備えることを特徴とする。
【0013】
この装置はさらに、前記複数のアラーム信号を信号群ごとに監視する複数の信号群監視手段を備え、いずれかの信号群を構成するアラーム信号の状態変化が生じた場合に当該信号群を構成するアラーム信号のみを前記プロセッサへ送出することが好ましい。
【0014】
また、前記アラーム検出部から今回受信したアラーム信号ごとに前回受信したアラーム信号と比較して状態変化の有無を検出する比較手段を備えることが好ましい。
【0015】
本発明のさらなる別の態様は、上記いずれかのアラーム信号制御装置を備えることを特徴とする電子機器に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、装置内の複数のアラーム検出部から周期的にアラーム信号を取得し、これをFIFO(First-In First-Out)方式で蓄積するため、アラームの発生時系列を保証しながらプロセッサへ報告することができる。これにより障害の深刻化や復旧の遅延を防止することができる。また、アラーム情報をFIFO手段に蓄積することにより、プロセッサの状況に応じてアラーム情報を転送することが可能となり、プロセッサに過度の負荷がかかるのを防止することができる。
【0017】
また、多数存在するアラーム信号を信号群に分けて監視し、アラームが発生した信号群の情報のみをプロセッサに転送する構成とすると、プロセッサの処理負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明にかかるアラーム信号制御装置の一実施例の構成を示すブロック図である。本実施例のアラーム信号制御装置は、プロセッサ1と、監視制御部2と、複数のアラーム検出部3を具えている。このアラーム信号制御装置は、例えばコンピュータ装置内で多数の被監視部にそれぞれ設けられたアラーム検出部3からアラーム情報を収集し、上位プロセッサ1に報告するものである。本実施例では128個のアラーム検出部[0−127]3が設けられている。ただしこれは一例にすぎず、アラーム検出部の数はこれ以上であっても以下であってもよい。各アラーム検出部3はそれぞれアラーム信号線5で監視制御部2に接続されている。アラーム検出部3は、個々に割り当てられたアラーム検出機能(図示せず)でアラームを検出するとアラーム出力信号を”0”から”1”に変更する。
【0020】
監視制御部2は、アラームバス制御部21と、FIFO手段22と、アラーム情報収集部23とを備えている。アラーム情報収集部23はクロック6のタイミングで、各アラーム検出部3からのアラーム信号5を取得する。
【0021】
アラーム情報収集部23の詳細を図2に示す。本図に示すように、電子機器の各所に配設された128個のアラーム検出部3からのアラーム信号[0−127]5と、クロック信号6とがアラーム情報収集部23に入力している。このアラーム情報収集部23において、128本のアラーム信号5は8本ごとに分けられ、計16束の信号群として扱われる。図2ではアラーム信号[0−7]の信号群用の構成のみを詳細に示しているが、アラーム信号[8−15]、アラーム信号[16−23]・・・アラーム信号[120−127]用にも同様の構成を有するものとする。図に示すように、8本のアラーム信号[0−7]はそれぞれ、アラーム信号収集部23のクロック動作に合わせてF/F(フリップフロップ)231に入力し、次のクロック動作でF/F231を出てF/F232及びXOR回路233に入力し、さらにアラーム状況を示すステータス信号29としてアラーム情報収集部23から出力される。後段のF/F232に入力したアラーム信号5は次のクロックでXOR回路233に入力し、その出力がアラーム検出信号28として出力される。XOR233は、今回のアラーム信号と1つ前のアラーム信号を入力し、2つの入力が同じであれば”0”を、異なれば”1”を出力する。8本のアラーム検出信号28はまた、グループごとに1つ設けられたOR回路234に入力され、このOR回路234からアドレス信号27が出力する。グループ毎に計16本出力されるアドレス信号27は、各グループで1以上の状態変化が検出された場合に”1”を出力する。また、16本のアドレス信号27は1つのOR回路235に入力され、このOR回路235からFifo_wr信号24が出力する。
【0022】
以上の構成により、本実施例のアラーム信号収集部23によれば、128本のアラーム信号を入力し、16本のアドレス信号[0−15]27と、128本のアラーム検出信号[0−127]28と、128本のステータス信号[0−127]とが出力される。アラーム信号収集部23はクロック6で動作するF/F231、232を用い、各アラーム信号3の現在の状態と1サイクル前の状態を比較する。128本のうち1つでも状態変化が検出されるとアラーム検出信号28の対応ビットに”1”がセットされ、状態変化後の信号状態”1”または”0”が128本のステータス信号29の対応ビットにセットされる。また、アラーム検出信号28は8ビット単位で扱われ、8ビット中に1つでも状態変化を示す”1”がセットされている場合は16本のアドレス信号27の対応ビットが”1”にセットされる。また、アラーム情報収集部23は図1に示すFIFO手段22にライトすべきアラームが発生した場合、すなわちいずれかのアドレス信号27に”1”がセットされた場合に、FIFO手段22に対してOR回路235からFifo_wr信号24を出力する。
【0023】
図3に、FIFO手段22の詳細を示す。図1および図3に示すように、FIFO手段22は、アドレス信号27を保管するアドレスFIFO221と、アラーム検出信号28を保管するアラームFIFO222と、ステータス信号29を保管するステータスFIFO223を備えている。FIFO(First In, First Out)は、先に入力したものが先に出力されるデータ構造であり、複数のデータをその順番を保証しながら一時的に保持することができる。FIFO手段22は、一段のビット幅がアドレス信号[0−15]27、アラーム検出信号[0−127]28、およびステータス信号[0−127]29に対応した272ビットでなり、このビット幅を多数段有する。FIFO手段22は、アラーム情報収集部23からFifo_wr信号24が出力されると、その出力タイミングでアドレス信号[0−15]27、アラーム検出信号[0−127]28、およびステータス信号[0−127]29をFIFO22内の1段に取り込む。これにより、各FIFOの同じ段におけるアラーム情報の同時性が保証される。また、FIFO22は内部に有効データを保持している間はData_Exsist信号25をアラームバス制御部21に出力する。これを受けたアラームバス制御部21からFifo_rd信号26を受けると、FIFO手段22はFifo_rd信号の入力タイミングで先頭の1段のデータ、すなわちアドレスFIFO信号[0−15]2a、アラーム検出FIFO信号[0−127]2b、ステータスFIFO信号[0−127]2cをアラームバス制御部21に出力する。
【0024】
アラームバス制御部21は、プロセッサ1に通知すべき情報を保持することを示すALM_CS#信号41と、プロセッサ1に対するライト動作を示すALM_WR#信号42と、アドレスFIFO信号2aをプロセッサ1に通知するための8ビットアドレスであるALM_AD[7−0]信号43と、アラームFIFO信号2bをプロセッサ1に通知するための8ビットデータであるALM_DT[7−0]信号44を出力し、プロセッサ1がALM_AD[7−0]信号43とALM_DT[7−0]信号44を採取したことを示すALM_RDY信号45を入力する。
【0025】
図4は、アラームバス制御部21の動作を説明するためのステートマシンである。本ステートマシンのデフォルト「アラームバス_アイドル」(S1)では、FIFO手段22から受信するData_exist信号25が”1”に変化するのを待っている。このとき、カウンタの初期値は0にクリアされ、ALM_AD[7−0]信号43にはデフォルト値の”FFh”がセットされる。FIFO手段22からのData_exist信号25が、有効データ保持を示す”1”に変化すると(S2)、「FIFO_リード」ステート(S3)に移行する。この「FIFO_リード」ステートにおいてアラームバス制御部21はFIFO手段22にFIFO_rd信号26を出力し、この応答であるアドレスFIFO信号[0−15]2a、アラーム検出FIFO信号[0−127]2b、ステータスFIFO信号[0−127]2cの値を読み込む。その後、次のステート「アラームバス_スタート」(S4)に移る。
【0026】
「アラームバス_スタート」(S4)において、アラームバス制御部21は、ALM_DT[7−0]信号44に”00h”をセットし、既にセット済みであるALM_AD[7−0]信号43=”FFh”と合わせてプロセッサ1にライト動作を実行する。本実施例では、このALM_AD[7−0]信号43=”FFh”とALM_DT[7−0]信号44=”00h”の組み合わせが同じクロックタイミングで採取されたアラームのアラームバス4への転送開始を意味するものとする。これを受けたプロセッサ1は転送準備を整えてALM_RDY信号45を返信する。アラームバス制御部はALM_RDY信号45を受けると、ALM_AD[7−0]信号43に”00h”をセットして(S5)、次のステート「アドレス信号_チェック」(S6)に移行する。
【0027】
ステートS6「アドレス信号_チェック」(S6)において、アラームバス制御部21は、カウンタ”n”(初期値は0)で示されるアドレスFIFO[0−15]2aのビットに対して、”1”がセットされているか、すなわちアドレスFIFO[n]で示される領域が有効データを含むかを確認する。ここでアドレスFIFO[n]=0であれば当該アドレス信号に対応する8本のアラーム信号に異常なしということが分かり、ステートS7「アドレス信号_カウント」に進む。このステート(S7)では”n”の値を1つインクリメントし、”n”が16未満であればALM_AD[7−0]信号43の値を1つインクリメントして(S8)ステートS6「アドレス信号_チェック」に戻る。またステートS7にて、”n”が16であればアドレスFIFO信号「0−15」全16ビットの確認が済んだとして、処理を終了すべくステートS9「アラームバス_エンド」に進む。
【0028】
一方、ステートS6「アドレスFIFO_チェック」にてアドレスFIFO[n]=1の場合、当該アドレスFIFO[n]に対応する8ビットアラーム信号の1以上に状態変化が生じているため、ステートS10「アラーム_ライト」に移行する。このステートでアラームバス制御部21は、アラームFIFO[(8×n+7)−(8×n)]で示される領域の値をALM_DT[7−0]信号44にセットし、プロセッサ1にライト動作を行う。これにより、アドレスFIFO[n]に対応する8ビットのアラームFIFO信号がプロセッサ1に書き込まれる。プロセッサ1はこのライト動作を受けて所定の処理を行い、再び準備ができたらALM_RDY信号45をアラームバス制御部21に送出する。次に、アラームバス制御部2はステートS11「ステータス_ライト」に移行し、ステータスFIFO[(8×n+7)−(8×n)]で示される領域の値をALM_DT[7−0]信号44にセットし、プロセッサ1にライト動作を実行する。再びプロセッサ1からALM_RDY信号45を受信すると、ステートS7「アドレスFIFO_カウント」へ進み、次のアドレスFIFO信号への処理へと移行する。
【0029】
16ビット総てのアドレスFIFO信号についてのチェックおよび処理を行った後、ステートS9「アラームバス_エンド」で、同時発生アラームの転送終了を示すALM_AD[7−0]信号43=”FFh”とALM_DT[7−0]信号44=”FFh”をセットし、プロセッサ1へライト動作を行う。プロセッサ1からALM_RDY信号45が返ってきたら、最初のステート1「アラームバス_アイドル」に戻る。
【0030】
このようにして本実施例のアラーム監視制御部2は、128本のアラーム信号を8本づつ16束の信号群に分け、信号群全体としての状態変化の有無を示すアドレス信号を作成してFIFO方式で保管し、アラームが発生した信号群のアラーム信号およびステータス信号のみをプロセッサ1に送るようにしている。アラーム信号をFIFOに入れることにより、アラーム発生の時系列が保証されるとともに、プロセッサが準備できるのを待ってアラーム信号を転送するためプロセッサの負荷を平坦化できる。さらに、アラーム信号を複数の信号群ごとに監視し、アラームが発生したグループの情報のみをプロセッサに送ることによりプロセッサの負荷が軽減される。
【0031】
図5に、本実施例においてアラーム信号[0]とアラーム信号「127」が同時に発生した場合のタイミングチャートを示す。電子機器の各所に配置されたアラーム検出部[0−127]のうち、時刻t1にてアラーム信号[0](ALM_AD=00h/ALM_DT=bit0)とアラーム信号[127](ALM_AD=0Fh/ALM_DT=bit7)が同時発生したとする。アラームバス制御部21はこれをFIFO手段22を介して取得し、ALM_AD=FFh/ALM_DT=00hのWriteトランザクションを発行する(t2)。上述のように、本実施例ではこの組み合わせがアラームバス転送のスタートを意味する。
【0032】
プロセッサ1からのALM_RDY信号45を待って、アラームバス制御部21は最初に検出されるアラーム信号[0]をプロセッサに報告する。すなわち、ALM_AD=00h/ALM_DT=01hをセットし、Writeトランザクションを発行する(t3)。その後ALM_RDYを受けたら、再びALM_AD=00h/ALM_DT=01hのWriteトランザクションを発行する(t4)。これにより、t3のトランザクションと合わせアラーム信号がHighになったことを示している。
【0033】
次にアラーム信号[127]の処理へと移り、ALM_AD=0Fh/ALM_DT=80hのWriteトランザクションを発行する(t5)。これはアラーム信号[127]にアラーム有りということを示している。続いてALM_AD=0Fh/ALM_DT=80hのWriteトランザクションを発行する(t6)。これはt5のトランザクションと合わせアラーム信号[127]がHighになったことを示している。最後に、ALM_AD=FFh/ALM_DT=FFhのWriteトランザクションを発行する(t7)。この組み合わせが同時発生アラームのアラームバス転送終了を示しており、以降はアイドル状態になる。なお、アラームバス転送の開始および終了の組み合わせはこの例に限るものではなく、実データとして使用するアドレス以外であれば任意のアドレスの組み合わせを用いてもよい。
【実施例2】
【0034】
図6は、本発明のアラーム信号制御装置の別の実施例の構成を示す図である。本実施例は、図1に示す実施例と対比すると、簡易化のためアドレス信号27、アドレスFIFO221、およびアドレスFIFO信号2aが省かれている。また、図示しないが本実施例では図2に示すOR回路234も省かれ、OR回路235の入力は128ビットからなるアラーム信号28となる。本実施例では、いずれかのアラーム信号28がアラーム発生を示す場合にOR回路235の出力であるfifo_wr24が”1”となる。またアラームバス制御部21は、アドレスFIFOチェックを行わずに、アラームFIFO信号[0−127]2bおよびステータスFIFO信号[0−127]2cの総てをアラームバス4に出力する。これにより装置の構成が簡単になるとともにアラームバス制御部21の処理を簡略化することができる。ただしこの場合でもアラーム信号はFIFO方式で管理されるためアラーム発生の時系列を保証してプロセッサに送ることができる。
【0035】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施例に何ら限定されるものではなく、請求項の記載の意図する範囲を超えない限りにおいて、他の様々な変形例として実現することができる。また、本発明のアラーム信号制御装置はコンピュータのみならず、プロセッサを備える様々な電子機器に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係るアラーム信号制御方法は、複数箇所にアラーム検出部を設けたコンピュータその他の電子機器の製造業で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のアラーム信号制御装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す監視制御部のアラーム情報収集部の詳細を示す図である。
【図3】図1に示す監視制御部のFIFO手段の詳細を示す図である。
【図4】アラームバス制御部のステートマシンを示す図である。
【図5】アラームバス制御部のタイミングチャートを示す図である。
【図6】本発明のアラーム信号制御装置の別の実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】従来のアラーム信号制御装置の構成を示す図である。
【図8】従来のアラーム信号制御装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 プロセッサ
2 監視制御部
3 アラーム検出部
4 アラームバス
21 アラームバス制御部
22 FIFO手段
221 アドレスFIFO
222 アラームFIFO
223 ステータスFIFO
23 アラーム情報収集部
231、232 F/F
233 XOR回路
234 OR回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器内に設けられた複数のアラーム検出部からのアラーム信号の制御方法において、周期的に前記複数のアラーム検出部からアラーム信号を取得するステップと、これらのアラーム信号をFIFO方式で蓄積するステップと、前記アラーム信号の一部または全部を前記プロセッサへ送出するステップを備えることを特徴とするアラーム信号制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアラーム信号制御方法において、前記アラーム信号をプロセッサへ送出するステップは、前記複数のアラーム信号を複数の信号群に分けて監視し、いずれかの信号群を構成するアラーム信号の状態変化が生じた場合に当該信号群を構成するアラーム信号のみを前記プロセッサへ送出することを特徴とするアラーム信号制御方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアラーム信号制御方法において、前記アラーム検出部から今回受信したアラーム信号ごとに前回受信したアラーム信号と比較して状態変化の有無を検出するステップを備えることを特徴とするアラーム信号制御方法。
【請求項4】
電子機器内に設けられる複数のアラーム検出部からアラーム信号を収集するアラーム信号制御装置であって、周期的に前記複数のアラーム検出部からアラーム信号を取得するアラーム信号収集手段と、これらのアラーム信号をFIFO方式で蓄積するFIFO手段と、前記アラーム信号の一部または全部を前記プロセッサへ送出するアラームバス制御部とを備えることを特徴とするアラーム信号制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載のアラーム信号制御装置がさらに、前記複数のアラーム信号を信号群ごとに監視する複数の信号群監視手段を備え、いずれかの信号群を構成するアラーム信号の状態変化が生じた場合に当該信号群を構成するアラーム信号のみを前記プロセッサへ送出することを特徴とするアラーム信号制御装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載のアラーム信号制御装置において、前記アラーム検出部から今回受信したアラーム信号ごとに前回受信したアラーム信号と比較して状態変化の有無を検出する比較手段を備えることを特徴とするアラーム信号制御装置。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれかのアラーム信号制御装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate