説明

アリール縮合多環式ラクタムの製造のための方法

神経および精神障害の処置のための薬物としてのアリール縮合アザ多環式化合物の合成における有用な中間体である式Iのアリール縮合多環式ラクタムの製造のための方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
本発明は式:
【0002】
【化1】

【0003】
のアリール縮合多環式ラクタムの製造のための方法に関し、式中RおよびRは以下に記載のとおりである。
式Iの化合物は、神経および精神障害の処置のための薬物としての活性を示すある種のアリール縮合アザ多環式化合物の製造における有用な中間体である。
【0004】
米国特許出願番号第09/514002号(2000年、2月25日出願)は、3−アミノメチル−インダン−1−カルボン酸メチルエステルの製造、およびある種のアリール縮合アザ多環式化合物の合成における中間体としてのその化合物の使用を開示する。
【0005】
米国特許出願番号第10/124,135号(2002年4月4日出願)は、式Iを有する中間体からのアリール縮合アザ多環式化合物の製造を開示する。
神経および精神障害の処置のための薬物としての活性を示すある種のアリール縮合アザ多環式化合物の合成、組成物、および使用の方法は、米国特許第6,410,550号に開示される。上記の特許出願および特許はそのまま本明細書に参照として援用される。
【0006】
発明の概要
本発明は、式:
【0007】
【化2】

【0008】
を有する化合物を、水素化触媒および酸の存在において式:
【0009】
【化3】

【0010】
の化合物を水素ガスおよび式ROHを有するアルコールで水素化することにより製造するための方法に関する。
およびRは水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、スルホニルアルキル、アルキルアミノ、アミド、エステル、アリール‐アルキル、ヘテロアルキルおよびアリール‐アルコキシから独立して選択されるか;
またはRおよびRはそれらが結合する炭素原子と一緒に単環または二環を形成し;
そしてRはC〜Cアルキルである。
【0011】
触媒は約5%〜約10%のパラジウム‐炭素である。好ましくは、触媒は約5%パラジウム‐炭素である。好ましい態様において、RはCまたはCアルキルである。
式IIの化合物の水素化において、ニトリル基は対応するアミノ基に還元される。
【0012】
本発明は約1:99〜約10:90の触媒対式IIの化合物の重量比を提供する。好ましくは、比は約10:90である。
パラジウム‐炭素触媒は水と触媒の混合物として安全に貯蔵される。一般に、該混合物は水の重量で約30%〜約60%からなる。本発明の好ましい態様において、触媒は水の重量で約50%からなる。
【0013】
酸は酸対アミノ基の等価比、約1:1で存在する。適切な酸には、硫酸、塩酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、パラ‐トルエンスルホン酸、酢酸、ギ酸、安息香酸およびサリチル酸が挙げられる。好ましくは、酸は硫酸である。
【0014】
式:
【0015】
【化4】

【0016】
の中間体化合物は式ROHのアルコールを含む溶媒中、塩基で処理することにより式Iの化合物に環化される。好ましくは、塩基は族I金属アルコキシドである。もっとも好ましくは、塩基はtert−ブトキシドナトリウムである。
【0017】
式IIIの化合物から式Iの化合物への環化は式ROH(RはC〜Cアルキルである)のアルコールを含む溶媒中で行われる。好ましくは、RはCまたはCアルキルである。
【0018】
本発明の好ましい態様において、式IIIの中間体化合物は中間体IIIを前もって単離せずに式Iの化合物に環化される。
別の態様において、式IIIの中間体化合物は式Iの化合物への変換前に単離される。式IIIの化合物はRがC〜Cアルキルであり、そしてアミノ基が酸付加塩として結合する場合、単離されてもよい。例としては、p−トルエンスルホン酸、マンデル酸、サリチル酸、および酒石酸の塩が挙げられるが、それらに限定されない。
【0019】
好ましい態様において、式Iの化合物は以下のものからなる群から選択される:
10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2.7]ドデカ−2,4,6−トリエン−9−オン;
3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;
(+)−3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;
(−)−3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;
3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;
(+)−3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;および
(−)−3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明はスキーム1において説明する反応の順により、式Iの化合物を製造するための方法を提供する。
【0021】
【化5】

【0022】
ステップ1では、式IIの化合物は水素化触媒、ROHのアルコールおよび酸の存在下で中間体化合物IIIに水素化される。反応は、ニトリル基から対応するアミンへの還元、インデン環の飽和、およびケテンアセタールから対応する式−COのエステル基への変換を含む。
【0023】
およびRは水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、スルホニルアルキル、アルキルアミノ、アミド、エステル、アリール‐アルキル、ヘテロ‐アルキルおよびアリール‐アルコキシから独立して選択されるか;
またはRおよびRはそれらが結合する炭素原子と一緒に単環または二環を形成し;
そしてRはC〜Cアルキルである。
【0024】
ステップ1に適切な水素化触媒は、一般に安全のために触媒と水の混合物として貯蔵される。一般に、安全な貯蔵および取り扱いのために、水素化触媒は水の重量で約30%〜約60%からなる。
【0025】
水の存在における式IIおよびIIIの化合物の固有の不安定性のために、水の導入を制限する触媒および水素化条件を選択することが本発明の目的である。触媒は約5%〜約10%のパラジウム‐炭素、好ましくは約5%パラジウム‐炭素であり、触媒対式IIの化合物の重量比は約1:99〜10:90である。好ましくは、比は約10:90である。
【0026】
一般に、スキーム1のステップ1で説明する水素化反応の型は、過剰な酸の存在において行われる。本明細書で使用する過剰な酸という用語は、式IIIのアミノ基に塩として結合しない酸を表す。
【0027】
式IIの化合物の水素化が酸対アミノ基の等価比、約2:1で行われる場合、生成物の収率は非常に低い。上記の結果に基づき、式IIおよび式IIIの化合物は過剰な酸の存在において不安定であると考えられている。
【0028】
本発明において、酸対アミノ化合物の等価比は1:1であり、その結果すべての酸は式IIIのアミノ基に塩として結合する。
水素化は硫酸、酢酸、ギ酸、安息香酸またはサリチル酸のような酸、好ましくは硫酸、ギ酸、酢酸、またはパラ‐トルエンスルホン酸、そしてもっとも好ましくは硫酸の存在下で行われる。適切な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロパノール、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、テトラヒドロフラン、トルエン、またはこれらの溶媒の任意の混合物、好ましくはメタノールまたはエタノールである。反応は7気圧(約100psi)まで、好ましくは3〜4気圧(約50psi)の水素気圧下で、1〜48時間、好ましくは12時間行われる。これにより式IIの化合物が生じ、そしてそれはジアステレオマーの混合物であってよい。
【0029】
スキーム1のステップ1で説明したように、反応物への水または酸の導入を制限する上記の条件は、化学的に安定な環境を提供し、中間体IIIの収率が改善される。
本明細書で使用する不安定という用語は、式IIまたはIIIのいずれかの化合物が水または過剰な酸の存在において行う、望ましくない化学的副反応の可能性を表す。式IIまたはIIIの化合物が望ましくない副反応を行うと、化合物1の収率は著しく減少する。化学的に安定な環境という用語は、式IIまたはIIIの化合物が水または酸により望ましくない副反応を行う可能性が比較的低いことを表す。
【0030】
スキーム1のステップ2は式Iのラクタムの形成である。式(III)のアミノ酸エステルは、tert−ブトキシドナトリウム、メトキシドナトリウム、エトキシドナトリウム、tert−ブトキシドカリウム、メトキシドカリウム、およびエトキシドカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、メチルイミダゾール、ルチジン、ピリジン、メチルモルホリン、エチルモルホリンまたはジイソプロピルエチルアミン(dissdopropylethylamine)のような塩基で処理される。好ましくは、塩基はグループI金属アルコキシドである。もっとも好ましくは、塩基はtert−ブトキシドナトリウムである。アルコキシド塩基は好ましくは非常に低い水酸化ナトリウム含有量を有する。
【0031】
適切な溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチルアセテート、アセトニトリル、トルエン、または任意の先に記載の溶媒の混合物、好ましくはメタノールまたはメタノールとエチルアセテートの混合物である。反応は0℃〜120℃、好ましくは室温で行われる。反応は0.5時間〜72時間、好ましくは6時間行い、式(I)の化合物を得る。
【0032】
式IIおよびIIIの化合物の上記の副反応に基づき、ステップ2の溶媒は最少量の水を含有する。
好ましい態様において、式IIの中間体化合物はステップ2の環化反応の前に単離しない。塩基は中間体IIIのろ過液に直接添加し、続いてラクタム1に環化される。
【0033】
別の態様において、中間体化合物IIIはRがC〜Cであり、そしてアミノ基が酸付加塩として結合する場合、単離されてもよい。例としてはp−トルエンスルホン酸、マンデル酸、サリチル酸、および酒石酸の塩が挙げられるが、それらに限定されない。
【0034】
単離された化合物の形状、または前もって単離しない溶液としてのいずれかの中間体IIIは上記の環化条件に従ってラクタム1に変換されてもよい。
式Iの化合物は神経および精神障害の処置において活性を示すアリール縮合アザ多環式化合物の合成における有用な中間体である
式IIの化合物から式IVのアリール縮合アザ多環式化合物への変換はスキーム2で説明する。
【0035】
【化6】

【0036】
式中、Rは水素、C〜Cアルキル、非共役C〜Cアルケニル、ベンジルまたはアルコキシC〜Cである。
ステップ1では、式IIの化合物の水素化により中間体IIを得て、それはステップ2においてメタノール中のt−ブトキシドナトリウムにより環化され、式Iのラクタムを形成する。カルボニル官能基はステップ3においてナトリウムボロヒドリド‐三フッ化ホウ素により還元され、式IVのアリール縮合アザ多環式化合物が得られる。
【0037】
式IVの具体的な化合物の例としては以下の化合物が挙げられる:
4−エチニル−5−クロロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4,5−ビストリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−クロロ−5−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−メチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;および
4,5−ジフルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4,5−ジクロロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
(+)−3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
(−)−3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
(+)−3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
(−)−3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−エチニル−5−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
(+)−4−エチニル−5−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
(−)−4−エチニル−5−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−フルオロ−5−トリフルオロメチルメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
(+)−4−フルオロ−5−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
(−)−4−フルオロ−5−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;および薬剤的に受容できるその塩。
【0038】
スキーム2のステップ1のステップ4において、式IVの誘導体は式IVの第2アミンと式RCHOのアルデヒドを縮合することにより製造される。
式Vの化合物は神経ニコチン性アセチルコリン特異的受容体部位に結合し、コリン作動性機能の調節に有用である。そのような化合物は炎症性大腸疾患(潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症およびクローン病を含むが、それらに限定されない)、過敏性腸管症候群、痙攣性ジストニア、慢性疼痛、急性疼痛、セリアック病、回腸嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、鬱病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知障害、高血圧、多食症、食欲不振、肥満、心不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、クロム親和細胞腫、進行性核上麻痺、薬物依存および耽溺(たとえば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸系催眠薬、オピオイドまたはコカインに対する依存性、またはそれらに対する耽溺)、頭痛、偏頭痛、脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫神経症(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、精神分裂病(統合失調症)、多発梗塞性痴呆、加齢による認知減退、てんかん(小発作欠神てんかんを含む)、アルツハイマー型老人性痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動性障害およびトゥーレット症候群の処置に有用である。
【0039】
式Vの化合物、およびそれらの薬剤的に受容できる塩(以後“活性化合物”)は経口、経皮(たとえば、パッチによる)、鼻腔内、舌下、直腸内、非経口または局所経路のいずれかにより投与することができる。経皮および経口投与が好ましい。処置される対象の体重および状態、ならびに選択された投与経路に依存して必然的に変動が生じることになるが、これらの化合物は、最も好ましくは、単回または分割投与において、1日につき約0.01mg〜1500mgまで、好ましくは1日につき約0.1〜約300mgまでの範囲の投与量で投与される。しかし、1日につき体重1kgあたり約0.01mg〜約10mgまでの範囲である投与量レベルが最も好ましく使用される。処置される対象者の体重や状態および上記医薬品に対する個々の反応、ならびに選択された医薬製剤の型およびそのような投与が行われる期間、間隔に依存してやはり変動が生じてもよい。ある例では上記の範囲の最低限以下の投与量レベルで十分に適切であり、一方別の例では、1日を通した投与のために、より多い投与量を初めにいくつかの少ない投与量に分割すれば、どのような有害な副作用も引き起こさずに、そのようなより多い投与量を使用することができる。
【0040】
活性化合物は、先に示したいくつかの経路のいずれかにより、単独で、または薬剤的に受容できるキャリアもしくは希釈剤と一緒に投与することができる。より具体的には、活性化合物は多様な異なる剤形で投与することができる、たとえばそれらは錠剤、カプセル剤、経皮パッチ、バッカル剤、トローチ剤、ハードキャンディー、粉末剤、噴霧剤、クリーム剤、膏薬、坐剤、ゼリー、ゲル、パスタ剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射用溶液、エリキシル剤、シロップ剤などの形状において、種々の薬剤的に受容できる不活性なキャリアと組み合わせることができる。そのようなキャリアには、固体希釈剤または充填剤、滅菌水性媒質および種々の非毒性有機溶媒が挙げられる。さらに、経口医薬組成物は適切に甘味付け、および/または風味付けされてもよい。一般に、活性化合物は重量で約5.0%〜約70%までの範囲の濃度レベルでそのような剤形中に存在する。
【0041】
経口投与の場合には、錠剤は種々の添加剤、崩壊剤、潤滑剤および充填剤を含んでいてよい。
経口投与のための水性懸濁剤には香料、着色料、および希釈剤が含有されてよい。
【0042】
非経口投与の場合には、活性化合物の溶液は適切に緩衝液でpHを調節されてよく、そして植物油またはプロピレングリコールで希釈されてもよい。
以下の実施例はより詳細な説明のために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0043】
実施例1
3−アミノエチル−インダン−1−カルボン酸メチルエステル
初めの反応装置に3−[1,3]ジオキソラン−2−イリデン−3H−インデン−1−カルボニトリル(47.3kg 223.9モル)および5% パラジウム‐炭素(50% 水;4.7kg)を満たした。メタノール(126kg)を反応装置2に満たし、0℃〜5℃に冷却した。0℃〜5℃において反応装置2のメタノールに硫酸(22.3kg)を添加した。この酸溶液は必要になるまで0℃〜5℃に保持した。反応装置1に0℃〜5℃でメタノール(136.5kg)を満たした。両反応装置は独立してパージし、酸および触媒由来の水へのケテンアセタールの曝露時間を最少化した。反応装置2のメタン/硫酸溶液に0℃〜5℃において反応装置1の内容物を加え、水素を速やかに導入して水素化を開始した。反応装置1の内容物は5psigにおいて0℃で水素化を開始し、水素の取込が終わるまで、ゆっくり少しずつ50〜55℃まで温度を上げた。反応完了を確かめるために、反応物から試料を抽出し、一旦完了と見なされると、反応装置1を窒素でパージし、20℃〜25℃に冷却した。その後反応装置1の内容物をろ過して消費された触媒を除去し、触媒ケーキをメタノール(165kg)ですすいだ。反応装置1のろ液およびメタノール洗浄物は、次のステップでの使用するために分離せずに保持した。
【0044】
実施例2
10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2.7]ドデカ−2,4,6−トリエン−9−オン
実施例1で得られたメタノール溶液(539L、46kg 理論値)は反応装置1で容積114Lに濃縮した。メタノール(460L)および25% メトキシドナトリウム/メタノール溶液(124L)を15℃〜25℃で反応装置2に満たした。反応装置1の内容物は15℃〜25℃で、反応装置2にゆっくり満たした。15℃〜25℃においてメタノール(19L)で反応装置1をすすぎ、洗浄液を反応装置2に移した。反応装置2の内容物は15℃〜25℃で15時間撹拌した。反応物から試料を抽出し、一旦完了と見なされると15℃〜25℃で85% リン酸(20L)を数回に分けて添加し、pH4.5〜5に調整した。15℃〜25℃で反応装置2の内容物を148Lに濃縮し、その後水(322L)を反応装置2に添加した。15℃〜25℃で反応装置2の内容物を367Lに濃縮し、その後メチレンクロリドを反応装置2に加えた。次に反応装置2の内容物を30分間撹拌し、その後45分間放置した。層を分離し、水層を再びメチレンクロリド(45L)で抽出した。合わせた、生成物に富むメチレンクロリド層は水(91L)で洗浄した。メチレンクロリド層は清潔な反応装置2に戻し、容積64Lに濃縮した。反応装置2に酢酸エチル(185L)をゆっくり加え、反応装置2の内容物を64Lに濃縮した。酢酸エチルの添加を繰り返してもう1回濃縮し、15℃〜25℃において、反応装置2の還元された酢酸エチル生成物スラリーを冷却した。2.5時間かけて反応装置2の内容物を粒状にし、その後ろ過した。フィルターケーキは酢酸エチル(34L)で洗浄し、生成物は40℃で乾燥させた。融点は168℃〜169℃であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

の化合物を製造するための方法であって、水素化触媒および酸の存在において、式II
【化2】

の化合物を水素ガスおよび式ROHを有するアルコールで水素化することを含む前記方法:
[式中、
およびRは水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、スルホニルアルキル、アルキルアミノ、アミド、エステル、アリール‐アルキル、ヘテロアルキルおよびアリール‐アルコキシから独立して選択されるか;
またはRおよびRはそれらが結合する炭素原子と一緒に単環または二環を形成し;そしてRはC〜Cアルキルであり;そして
a.水素化触媒は約5%〜約10%のパラジウム‐炭素からなり;
b.水素化触媒は触媒対式IIの化合物の重量比が約1:99〜約10:90の範囲で存在し;
c.水素化触媒は水の重量で約30%〜約60%からなり;
d.ニトリル基は対応するアミノ基に還元され;そして
e.酸は酸対アミノ基の等価比、約1:1で存在する]。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
a.式IIの化合物の水素化が式
【化3】

(式中RはC〜Cアルキルである)の中間体化合物の形成を引き起こし;そして
b.式IIIの中間体化合物が式ROH(式中RはC〜Cアルキルである)のアルコールを含む溶媒中で、塩基による処理により式Iの化合物に変換される、前記方法。
【請求項3】
式IIIの中間体化合物が前もって単離されずに式Iに変換される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
がC〜Cであり、そしてアミノ基が酸塩として結合する式IIIの中間体化合物が、式Iの化合物への変換の前に単離される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記水素化触媒が炭上約5%パラジウムからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
触媒対式IIの化合物の前記重量比が約10:90である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記水素化触媒が水の約50重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記酸が硫酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記塩基が族I金属アルコキシドである、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記塩基がtert−ブトキシドナトリウムである、請求項10に記載の方法。
【請求項11】
式Iの化合物が以下のものからなる群から選択される、請求項1に記載の方法:
10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2.7]ドデカ−2,4,6−トリエン−9−オン;
3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;
(+)−3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;
(−)−3−トリフルオロメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;
3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;
(+)−3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン;および
(−)−3−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.0.2,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−9−オン。

【公表番号】特表2006−517202(P2006−517202A)
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500307(P2006−500307)
【出願日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000152
【国際公開番号】WO2004/063164
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】