説明

アルキル化ベンゼン誘導体の触媒によるアシル化

本発明は、アシル化芳香族エーテルを製造するための改良されたゼオライト系触媒によるプロセスに関する。更に詳細には、本発明はp‐イソブチルアセトフェノンのようなアシル化芳香族化合物を製造するための、イソブチルベンゼンの環境にやさしい触媒によるアシル化に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキル化ベンゼン誘導体の、好ましくはパラ位における、触媒によるアシル化のための環境にやさしいプロセスに関する。更に詳細には、本発明は、アシル化芳香族化合物、即ちp‐イソブチルアセトフェノンを製造するための、イソブチルベンゼンのゼオライト触媒によるアシル化に関する。
【背景技術】
【0002】
アシル化された芳香族化合物は、主に医薬品工業において使用されている。鎮痛薬(痛み除去剤)は、アスプレリン(asprerine)、アセトアミノフェン[Tylenol]、イブプロフェン[Motrin、Advil及びMedipren]を含む、非常に良く知られた医薬品の群である。それらの鎮痛特性に加えて、イブプロフェンとアスプレリンは、非ステロイド性抗炎症薬の群のものであり、従って腫脹及び炎症を減少させるために使用される。イブプロフェンは、慢性関節リウマチの軽減の提供を助長するために、1969年にカルボン酸として導入された。それはアスピリンよりも胃に優しいと信じられている。それは、身体で迅速に代謝して、通常摂取の24時間内に排尿によって身体から出る。イブプロフェンは、Advil(登録商標)、Bayer(登録商標)、Midol 200(登録商標)、Motrin IB(登録商標)及びNuprin(登録商標)の主要成分である。それは、テンデンティアス(tendentious)及び滑液包炎のような軟組織の損傷と同様に、慢性関節リウマチ及び変形性関節症によって生じる炎症及び痛みの治療のために使用される。それはまた、熱の迅速な除去、及び月経痙攣のような痛みを穏やかに緩和するために使用される。
【0003】
イブプロフェンを製造するための工業的プロセスは、以下に記載するように、慣用的なフリーデル‐クラフト触媒の存在下でイソブチルベンゼンのアシル化で開始する。
【0004】
(A)BOOTSプロセス
イングランドのBoots社は、イブプロフェンの製造のための6工程を有するプロセスを1960年に開発しており、それが米国特許第3,385,886号明細書において記載されている。それは、アシル化剤として無水酢酸を使用することによって、AlCl3の存在下でイソブチルベンゼンのアシル化で開始する。この多段プロセスは、副生成物として大量の不要な廃薬品をもたらす。反応生成物の多くの原子の結果として生成する廃棄物の多くは、望ましい生成物(イブプロフェン)中に導入されるのではなくて、副生成物中に導入される。その結果、プロセスが低いアトムエコノミー/原子利用率を有する。
【0005】
【化1】

【0006】
(B)HOESCHTプロセス
これはイブプロフェンの3段合成であって、米国特許第4,981,995号明細書及び第5,068,448号明細書において教示されている。そのHoeschtプロセスもまた、アシル化剤として無水酢酸を使用することによって、HFの存在下でイソブチルベンゼンのアシル化で開始する。Bootsプロセスに比較して、Hoeschtプロセスはより環境にやさしいものであるが、アシル化のための危険の多いHFの使用が依然として操作性の点で安全ではない。
【0007】
【化2】

【0008】
AlCl3及びHFを置き換えることが可能な環境にやさしくより安全な触媒を見出すための研究が文献において示されてきているので、ここでそれらを再吟味する。
【0009】
Indian J. of Chemistry, Vol-37B, Dec. 1998, pp.1221-1227にはE. Nandananらの研究について言及されており、そこではアシル化剤としてAlCl3及び塩化アセチルを使用することによる4‐アシルイソブチルベンゼンの製造が教示されている。E. Nandananらは溶剤としてジクロロメタンを使用した。このプロセスは、長時間反応に加えて、触媒の分離及び触媒の非再生性なる不利益を有する。
【0010】
J. of Catalysis-192, 215-223 (2000)にはP. Andyらの研究が言及されており、そこでは、アシル化剤として無水酢酸を使用する、イソブチルベンゼンのベータゼオライトによるアシル化が教示されている。このプロセスは、低転化率(20時間後で12%)の欠点を有しており、企業化するほど経済的ではない。
【0011】
J. of Mol. Cat.-42(1987)-229-235にはBich Chichiら研究が言及されており、そこではカチオン交換モンモリロナイトによる芳香族化合物(BTX)のカルボン酸とのフリーデル‐クラフトアシル化が教示されている。このプロセスは、トルエンのアシル化におけるパラ位に関する選択性が低い不利益を有する。
【0012】
J. of Mol. Cat.-A: Chemical-134(1998) 215-222にはC. De Castroらの研究が言及されており、そこではヘテロ多酸と大きな細孔のゼオライトの存在下でアシル化剤としてクロトン酸を使用することによるキシレンのアシル化が教示されている。このプロセスは、ある場合には望ましくない副生成物の生成及び出発化合物の損失に至る大量のアルキル化も生じる欠点を有する。
【0013】
A. J. A. van der Weerdtの個人的書簡には彼の研究が言及されており、そこにはAlCl3の存在下でイソブチリルクロリドによるトルエンのアシル化が教示されている。このプロセスは、ケトンとの錯化のために理論量よりも多量の塩化アルミニウムが使用され、反応後の流出物処理プロセスを有する必要があり、そして腐蝕性で刺激性のAlCl3の使用と言った非利益を有する。上記のプロセスの主要な欠点は、反応の完結後の触媒の分離である。これは、それに続く加水分解、有機相の抽出、有機相と水相の分離及び後者の更なる乾燥のような、長くて費用のかかる処理を必要とする。更に、水性塩流出物を中和しなければならず、追加の操作を要する問題がある。そのルイス酸は、加水分解されてしまっているので、再循環することができない。
【0014】
J. Chem. Soc. Comm. P. 257, Vol-3, February 1993にはI. Akhremらの研究が言及されており、そこではp-tert. ブチルアセトフェノンへの触媒としてAl2Br6を用いることによる臭化アセチルによるベンゼンのアシル化が報告されている。このプロセスには、理論量よりも多い触媒/試薬を必要とすることに加えて、廃棄物の生成と回収不能な触媒の不利益がある。
【0015】
Chem. Lett.-P.1987, 1992 Vol-10にはY. Izumiらの研究が言及されており、そこではヘテロ多酸の存在下でのベンゾイルクロリド/無水物によるp‐キシレンのアシル化がなされている。このプロセスは、ヘテロ多酸の存在下での、望ましくない副生成物の生成に至る同時アルキル化の発現のような不利益を有する。
【0016】
米国特許第4,899,008号明細書にはR. B. Lapierreらの研究が言及されており、そこでは酸性ゼオライトによるベンゼン及びトルエンのC2〜C4アルカンとのアルキル化が報告されている。ベンゼンがH-ZSM-5によって385〜399℃/6184kPaでC3H8と49時間反応して、9.92%MePhを与えた。このプロセスは、非常に高い温度と圧力での操作と言う欠点を有する。
【0017】
Ger. Off. D. E. 3839853, 31 May-1990にはKlein、Alfons、Fiegeらの研究が言及されており、そこでは酸性ゼオライトの存在下でp‐クレゾールのシクロヘキサノール又はシクロへキセンとのアルキル化がなされている。このプロセスは、高い温度と圧力並びに低い転化率なる欠点を有する。
【0018】
Izv. Akad. Nauk, SSSR, Ser Khim, 1990 (3), 708-710 (RUSS)にはD. V. Davydovらの研究が言及されており、そこでは、ベンゼン及びトルエンのアシルクロリド及びベンズアルデヒドとの求電子性アシル化のための触媒としてLnCl3(LnはPr、Dy、Er、Sm、Yb)及びYb(O3SCF3)が使用されている。このプロセスは、多段反応及び触媒の非再生と言う欠点を有する。
【0019】
特開平09−278705には中谷、岡本らの研究が言及されており、そこではゼオライト‐ベータの存在下において270℃でベンゼンがCH3CH2COOHとアシル化されて約10%のプロピオフェノンを得ている。このプロセスは、高温と非常に長い反応時間の欠点を有し、その商業的活用を妨げている。
【0020】
特開2001−278833(2001年10月10日、16頁)にはChoudaryら(インド)の研究が言及されており、そこでは、ナノ結晶性ゼオライトの存在下においてアシル化触媒として無水酢酸を用いてイソブチルベンゼンのアシル化が行なわれている。このプロセスは、プロセス全体の費用を高くするナノサイズの物質を使用する不利益を有する。イソブチルベンゼンの転化率は30重量%に過ぎなかった。
【0021】
J. of Molecular Catalysis A, 138 (1999)-25-36にはEun Joo Jang, Kyungらの研究が言及されており、そこではパラジウム錯体によるイブプロフェンの位置選択的合成が報告されている。このプロセスでは、一酸化炭素と水を用いて1‐(4‐イソブチルフェニル)エタノールのヒドロカルボニル化によってイブプロフェンが合成されている。このプロセスは、危険で操作が非常に困難な一酸化炭素ガスの使用という欠点を有し、更にイソブチルベンゼンの慣用的なフリーデル‐クラフトアシル化によって4‐イソブチルアセトフェノンが生成する。
【0022】
J. Catal. 195(1), 161-168 (英語) 2000にはP. Botellaらの研究が言及されており、そこでは150℃でステンレス鋼のオートクレーブ中でアレーン/無水物の比を10〜20に保ちながらベータゼオライトにより無水酢酸でトルエンのアシル化が行なわれた。このプロセスは、高温及び生成物と未使用のトルエンから分離される必要のある大量の無水酢酸を要する欠点を有している。
【0023】
言及してここに取り入れられる、出願人の「4’−イソブチルアセトフェノンの製造プロセス」と題する先の米国特許第6,384,285号明細書にも言及する。上記の米国特許は、ゼオライトベータ触媒の存在下でアシル化剤として無視酢酸を用いてイソブチルベンゼンを60〜165℃の温度範囲で2〜12時間反応し、ろ過によって反応混合物から触媒を分離し、そして通常の方法で生成物を回収することを含む、イソブチルベンゼンからの4’−イソブチルアセトフェノンの製造プロセスを教示している。本発明者らは、上記の特許が無視酢酸を使用してイソブチルベンゼンをアシル化するプロセスにおける溶剤の使用を教示していないことをここで言いたい。本発明者らは、驚くべきことには、アシル化プロセスにおける特定の溶剤の使用が転化率を増加させ、パラ位についての選択性をも増加させることを見出した。本出願人らはまた、全ての溶剤が転化率と選択性を増加することができるわけではないことも見出した。例えば、シクロへキサン、ジクロロエタン、ジクロロメタン及びにニトロメタンのような溶剤がアシル化プロセス中に添加された場合には、転化が生じない。上記の点で、アシル化プロセス中で添加される溶剤の性質が非常に重要であることが提起される。転化率と選択性をうまく増加させる特定の溶剤は、単に外挿によって決定され得るものではなく、多くの研究と知的なインプットが必要である。従って、本発明が米国特許第6,384,285号明細書により自明であると考えられるべきではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の主たる目的は、上記のような不利を未然に防いだ、溶剤の存在下でアルキル化ベンゼン誘導体を好ましくはパラ位でアシル化するための環境にやさしいプロセスを提供することである。
【0025】
そのプロセスのもう一つの目的は、環境にやさしく操作上安全な、結晶性アルミノシリケート系で固体酸の不均一触媒が使用される、アルキル化ベンゼン誘導体をアシル化するためのプロセスを提供することである。
【0026】
更に本発明のもう一つの目的は、温度及び圧力の穏やかな条件で操作されて、パラアシル化生成物について90%より高い選択性で高い転化率が得られるような、結晶性アルミノシリケート触媒によるアルキル化芳香族化合物のアシル化プロセスを開発することである。
【0027】
本発明の更なるもう一つの目的は、アシル化剤が危険性の高い副生成物を生成しないプロセスを提供することである。
本発明の更なるもう一つの目的は、添加される溶剤が生成物又は反応物から容易に分離され得るようなプロセスを提供することである。
本発明のもう一つの目的は、原子利用率が高く、所望の生成物に対する廃棄物の質量比が低い状態で、アルキル化芳香族化合物のアシル化が触媒的に行なわれるプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
アルキル化ベンゼン誘導体の、好ましくはパラ位での、アシル化のための環境にやさしいプロセスであって、
(a)ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジメチルスルホラン、ベンゾニトリル又はそれらの混合物から成る群から選択される溶剤、及び一般式
2/nO.Al23.xSiO2.wH2
(そこでは、Mがアルカリ及び/又は稀土類カチオン或いはプロトンであり、nがMの原子価であり、xがSiO2/Al23の比であって3〜24の範囲にあり、Wが吸着される水の重量であって1〜20%の範囲にあり、Si/Alの比が5.5〜20の範囲にあり、アルカリ及び/又はランタニドカチオンが10〜30重量%の範囲にある)
を有する結晶性アルミノシリケート触媒の実質的且つ選択的な存在下で、80℃〜140℃の範囲の温度で、5〜25時間の範囲の期間に、アルキル化ベンゼン誘導体をカルボン酸又はその同族体の塩化物又は無水物のようなアシル化剤と反応させる工程、
(b)該工程(a)の反応混合物から固体触媒を分離する工程、及び
(c)該工程(b)の混合物からアシル化されたアルキルベンゼン誘導体を分離する工程、
を含むプロセスである。
【0029】
本発明の一つの態様において、アルキル化ベンゼン誘導体がイソブチルベンゼンである。
本発明のもう一つの態様において、アシル化されたアルキルベンゼン誘導体がイソブチルアセトフェノンである。
本発明の更なるもう一つの態様において、アシル化されたアルキルベンゼン誘導体が好ましくはp‐イソブチルアセトフェノンである。
【0030】
本発明の更なるもう一つの態様において、使用された結晶性アルミノシリケート触媒がゼオライト‐Y及びゼオライト‐βから選択されるものである。
本発明のもう一つの態様において、結晶性アルミノシリケート触媒が好ましくは稀土類カチオンを用いて改質される。
本発明のもう一つの態様において、結晶性アルミノシリケート触媒が10〜30重量%の範囲でランタン及び/又はセリウムを用いて改質される。
【0031】
本発明の更なる態様では、アシル化剤が、好ましくは無水酢酸である。
本発明の更なる態様では、工程(a)において、アルキル化ベンゼン誘導体が大気条件でアシル化剤と反応する。
本発明の一つの態様では、工程(a)において、アルキル化ベンゼン誘導体が、100℃〜140℃の範囲の温度で、好ましくは100℃〜120℃の範囲の温度でアシル化剤と反応する。
本発明のもう一つの態様では、工程(b)において分離された固体触媒が再使用のために再生される。
【0032】
本発明の更なる一つの態様において、その反応が通常大気圧で行なわれる。反応温度が反応物及び/又は生成物の沸点よりも高い場合には、自己発生圧力が用いられる。
【0033】
触媒を調製する典型的な手順では、結晶性アルミノシリケート、即ちゼオライト‐Y,‐β、ZSM‐5又はナトリウム形態のモルデナイトが採用されて、更に(a)H‐形態への転化、及び(b)H‐形態のランタニド形態への転化の2工程において処理された。H‐形態のゼオライトを調製するために、10gのナトリウムゼオライトが1MのNH4Cl溶液を100ml使用して80〜100℃で6時間還流された。その系は冷却され、固体触媒がろ過されて、AgNO3による試験でろ液の塩化物が無くなるまで熱い蒸留水で洗浄され、そして水分を除去するために実験室炉中において110℃で一晩中乾燥された。かくして乾燥されたサンプルが550℃で6〜10時間焼成されて、H‐形態のゼオライトが得られた。このようにして得られた触媒は冷却されて大気温度であった。
【0034】
最終的なランタニド形態のゼオライト触媒を調製するための典型的な手順では、上記のように調製されたH‐形態のゼオライト10gが、各々ランタニドカチオンの硝酸塩、塩化物又は酢酸塩のような可溶性塩の0.01M溶液100mlで80〜100℃において10時間還流された。次いで、その触媒は、内容物の冷却後にろ過されて、ろ液がアニオンを含まなくなるまで熱い蒸留水で洗浄され、そして水分を除去するために実験室炉内において110℃で一晩中乾燥された。これらの調製された触媒の賦活が、触媒的な検討の前に空気中において400℃で4〜10時間行なわれた。
【0035】
触媒の改質における結晶性の保持を明瞭に示す、Philips MPDシステムを使用するX線回折、及びMicromeritics ASAP-2010を使用するBET表面積によって、上記の触媒の解析が行なわれた。
【0036】
上記の触媒を使用した触媒的な検討が、温度制御器、水循環器、電磁攪拌機及び水分トラップを備えた50mlの容量の連続攪拌漕反応器(CSTR)中で行なわれた。典型的には、1:1〜1:3の範囲のモル比のイソブチルベンゼンと無水酢酸を50mlの丸底フラスコ中に取られて、イソブチルベンゼン/触媒の比が2〜10の範囲になるように、賦活された触媒がそれに添加された。触媒の賦活は、400℃で4時間行なわれた。その丸底フラスコに凝縮器が取り付けられて、それによって一定温度の水が循環された。水分トラップはその凝縮器の端部に取り付けられた。そのフラスコの内容物は、電磁攪拌機を使用して絶えず攪拌された。そのフラスコは油浴中に保持されて、その温度が所望の反応温度までゆっくり高められた。フラスコの内容物は、キャピラリーカラムHP‐5を用いたガスクロマトグラフィーHPモデル6890によって、5〜25時間の範囲で種々の時間間隔で分析された。イソブチルベンゼンの転化率は、次式
転化率(%)=(no−nf/no)x100
(ここでは、noが反応前に投入されたアルキル化芳香族化合物のモル数であり、nfが反応後の反応混合物中に残っているアルキル化芳香族化合物のモル数である)
を使用して算出された。
【0037】
本発明において、結晶性アルミノシリケート系の触媒は、p‐アシル化製品を選択的に製造するためのイソブチルベンゼンのアシル化用に開発されている。検討されたこれら全ての触媒の中で、稀土類改質ゼオライトベータが最も高い活性を示し、H-Y、クレー及びモルデナイトがそれに続いた。ニトロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン及びジメチルスルホランのようなより極性の溶剤がイソブチルベンゼンのより高い転化率をもたらす方向に反応を進行させるのを助長し、一方ではシクロヘキサン、へキサンのような非極性の溶剤はあまり活性を示さないことも観察されている。更に、ジクロロメタン及びジクロロエタンのような低沸点の溶剤は、溶剤蒸気のロスのため実際には活用できない。無水酢酸に対するイソブチルベンゼンの比が転化率に影響することも観察されている。本研究における進歩性には、以下のものが含まれる。
【0038】
1. アシル化の転化率と選択性を高めるために高度に選択的な溶剤を使用することは新規であって自明ではない。溶剤の使用が転化率と選択性を高めたり低下させたりし得るものであって、多くの試行錯誤の後にのみ、どの溶剤がアシル化の転化率及びパラ位についての選択性を増加させるかを判定し得ることに注目すべきである。
【0039】
2. 10〜30重量%の範囲において稀土類カチオンで結晶性アルミノシリケートを簡単に改質することが、触媒をアシル化反応により適したものにする表面活性を導入して、より高い転化率とパラ位選択性をもたらす。
【0040】
3. アシル化反応が一段で行なわれ、反応混合物からの触媒の分離がろ過で簡単に行なわれることが可能である。
4. 低い温度と圧力が所望のパラ位選択性を助長する。
5. プロセスエネルギーを効率的にする、比較的穏やかな120℃の温度と大気圧下で触媒反応が進行する。
6. 触媒が簡単なプロセスで再生され、そして再利用され得る。
【実施例】
【0041】
以下の実施例は、説明のためにのみあたえられるものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0042】
実施例‐1
10gの結晶性アルミノシリケート、即ちナトリウム形態のゼオライト‐ベータを、1Mの塩化アンモニウム水溶液100mlを用いて80℃で6時間還流させた。続いて、それをろ過して、硝酸銀溶液によるチェックでろ液が塩化物を含まなくなるまで熱い蒸留水で洗浄した。そのようにして得られた固形物を110℃で一晩中乾燥した。その乾燥サンプルを、アンモニア除去のために空気中において550℃で焼成し、その焼成固体をH‐ベータと名付けた。このように調製した触媒0.5gを予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)して、そして2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で10mlのニトロベンゼンと共に、10mmolの無水酢酸及び10mmolのイソブチルベンゼンと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度、即ち100℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表1に示すように、20時間後にイソブチルベンゼンの転化率は6.35%であり、95%の選択性であった。
【0043】
実施例‐2
0.5gの結晶性アルミノシリケート、即ちゼオライト‐Yを予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)して、そして2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で10mlのニトロベンゼンと共に、10mmolの無水酢酸及び10mmolのイソブチルベンゼンと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度、即ち100℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表1に示すように、20時間後にイソブチルベンゼンの転化率は1.38%であり、97%の選択性であった。
【0044】
実施例‐3
10gの結晶性アルミノシリケート、即ちゼオライトNa‐ZSM‐5を、1Mの塩化アンモニウム水溶液100mlを用いて80℃で6時間還流させた。続いて、それをろ過して、硝酸銀溶液によるチェックでろ液が塩化物を含まなくなるまで熱い蒸留水で洗浄した。そのようにして得られた固形物を110℃で一晩中乾燥した。その乾燥サンプルを、アンモニアを除去するために空気中において550℃で焼成し、その焼成固体をH‐ZSM‐5と名付けた。このように調製したゼオライト触媒0.5gを予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)して、そして2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で10mlのニトロベンゼンと共に、10mmolの無水酢酸及び10mmolのイソブチルベンゼンと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を100℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表1に示すように、20時間後でもイソブチルベンゼンの転化は皆無であった。
【0045】
実施例‐4
10gの結晶性アルミノシリケート、即ちゼオライトNa‐モルデナイトを、1Mの塩化アンモニウム水溶液100mlを用いて80℃で6時間還流させた。続いて、それをろ過して、硝酸銀溶液によるチェックでろ液が塩化物を含まなくなるまで熱い蒸留水で洗浄した。そのようにして得られた固形物を110℃で一晩中乾燥した。その乾燥サンプルを、アンモニアを除去するために空気中において550℃で焼成し、その焼成固体をH‐モルデナイトゼオライトと名付けた。このように調製したゼオライト触媒0.5gを予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)して、そして2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で10mlのニトロベンゼンと共に、10mmolの無水酢酸及び10mmolのイソブチルベンゼンと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度100℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表1に示すように、20時間後でもイソブチルベンゼンの転化は皆無であった。
【0046】
実施例‐5
10gのアルミノシリケート、即ち原料のままのモンモリロナイトクレーを、10リッターの蒸留水と混合し、24時間攪拌した。それを24時間静置させて、スペマント(supemant)を傾斜させ、次いでクレイを自然の太陽光中で乾燥させて、ナトリウム形態の改質されたクレイを得た。次いでそれを2NのH2SO4で6時間処理して、ろ過し、そして硝酸銀溶液によるチェックでそれがスルフェートを含まなくなるように熱い蒸留水で洗浄した。このように調製したH‐モンモリロナイト0.5gを予備賦活(炉中において120℃で12時間)して、2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で10mlのニトロベンゼンと共に、20mmolの無水酢酸及び10mmolのイソブチルベンゼンと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表1に示すように、20時間後でもイソブチルベンゼンの転化は皆無であった。
【0047】
実施例‐6
10gの結晶性アルミノシリケート、即ちゼオライト‐Yを、0.01Mの硝酸セリウム水溶液100mlを用いて80℃で6時間還流させ、続いてそれをろ過して、硝酸銀によるチェックでそれが硝酸塩を含まなくなるように熱い蒸留水で洗浄した。そのようにして得られた固形物を110℃で一晩中乾燥し、そして550℃で焼成してCe‐Yゼオライトを得た。2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、10mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、上記のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度100℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表1に示すように、20時間後にイソブチルベンゼンの転化率は2.08%であり、98%の選択性であった。
【0048】
実施例‐7
実施例1のように調製した10gの結晶性アルミノシリケート、即ちゼオライトベータを、0.01Mの硝酸セリウム水溶液100mlを用いて80℃で6時間還流させ、続いてそれをろ過して、硝酸銀によるチェックでそれが硝酸塩を含まなくなるように熱い蒸留水で洗浄した。そのようにして得られた固形物を110℃で一晩中乾燥し、そして550℃で焼成してCe‐ベータを得た。そして2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、10mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、上記のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度100℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表1に示すように、20時間後にイソブチルベンゼンの転化率は11.27%であり、95%の選択性であった。
【0049】
実施例‐8
10gの結晶性アルミノシリケート、ゼオライトYを、0.01Mの硝酸ランタン水溶液100mlを用いて80℃で6時間還流させ、続いてそれをろ過して、硝酸銀によるチェックでそれが硝酸塩を含まなくなるように熱い蒸留水で洗浄した。そのようにして得られた固形物を110℃で一晩中乾燥し、そして550℃で焼成してLa‐Yゼオライトを得た。2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、10mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、上記のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度100℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表1に示すように、20時間後にイソブチルベンゼンの転化率は2%であり、94%の選択性であった。
【0050】
実施例‐9
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、10mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度100℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、5〜25時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は6〜15%の範囲にあり、92〜98%の選択性であった。
【0051】
実施例‐10
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、10mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、5〜25時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は8〜20%の範囲にあり、89〜100%の選択性であった。
【0052】
実施例‐11
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、10mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度140℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、5〜25時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は7.5〜9.15%の範囲にあり、85〜100%の選択性であった。
【0053】
実施例‐12
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、10mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、10〜20時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は8.5〜12.8%の範囲にあり、95〜97%の選択性であった。
【0054】
実施例‐13
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、10〜20時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は34〜36%の範囲にあり、60〜92%の選択性であった。
【0055】
実施例‐14
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、30mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、10〜20時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は12〜16%の範囲にあり、72〜81%の選択性であった。
【0056】
実施例‐15
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、10〜15時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は34〜36%の範囲にあり、89〜92%の選択性であった。
【0057】
実施例‐16
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び5mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、10〜20時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は13〜14%の範囲にあり、77〜85%の選択性であった。
【0058】
実施例‐17
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.1gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、5〜10時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は8〜20%の範囲にあり、88〜94%の選択性であった。
【0059】
実施例‐18
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.15gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、5〜10時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は9〜19%の範囲にあり、88〜95%の選択性であった。
【0060】
実施例‐19
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.25gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、10〜20時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は5〜13%の範囲にあり、100%の選択性であった。
【0061】
実施例‐20
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、5〜10時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は27〜34%の範囲にあり、87〜89%の選択性であった。
【0062】
実施例‐21
2個のネック付きの250mlの丸底フラスコ中で、200mmolの無水酢酸、100mmolのイソブチルベンゼン及び100mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表2に示すように、5〜10時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は24〜31%の範囲にあり、87〜95%の選択性であった。
【0063】
実施例‐22
実施例19に記載した反応の後に、固形部分をろ過により分離して、ろ液が無色になるまでアセトンで洗浄した。そのように洗浄したサンプルを110℃で一晩中炉の中に据えて、次いで使用の前に空気中でマッフル炉中において400℃で4時間賦活した。かくして賦活された触媒を、2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。同様の操作を更に4回繰り返したところ、表2に示すように、それぞれ第1、第2、第3及び第4の再生における15時間の反応後において、イソブチルベンゼンの転化率は37%、36%、22%、8%及び5%であり、それぞれ81%、81%、90%、96%及び96%の選択性であった。
【0064】
実施例‐23
実施例21に記載したような第1の再生プロセス後に得た触媒を、使用の前に500℃で4時間賦活した。かくして賦活された触媒を、2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表3に示すように、10〜15時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は22〜30%の範囲にあり、83〜87%の選択性であった。
【0065】
実施例‐24
50mlのParrオートクレーブ中で、20.0mmolの無水酢酸、10.0mmolのイソブチルベンゼン及び10.0mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。このオートクレーブは、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備える。その反応容器の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。8時間の反応後に、そのオートクレーブを冷却して、反応混合物をHP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表3に示すように、8時間の反応後においてイソブチルベンゼンの転化率は27%であり、90%の選択性であった。
【0066】
実施例‐25
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸と10mmolのイソブチルベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えて、反応の間凝縮器の先端から窒素ガスをゆっくり通過させた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表3に示すように、10時間の反応後においてイソブチルベンゼンの転化率は9.87%であり、88%の選択性であった。
【0067】
実施例‐26
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸と10mmolのイソブチルベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えて、反応の間凝縮器の先端からアルゴンをゆっくり通過させた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表3に示すように、10時間の反応後においてイソブチルベンゼンの転化率は3%であり、87%の選択性であった。
【0068】
実施例‐27
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、30mmolの無水酢酸と10mmolのイソブチルベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表3に示すように、10〜15時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は3〜6%の範囲にあり、40〜46%の選択性であった。
【0069】
実施例‐28
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、60mmolの無水酢酸と10mmolのイソブチルベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表3に示すように、10〜15時間の時間間隔においてイソブチルベンゼンの転化率は6〜8%の範囲にあり、24〜40%の選択性であった。
【0070】
実施例‐29
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのジメチルスルホランを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、15時間後においてイソブチルベンゼンの転化率は20%であり、82%の選択性であった。
【0071】
実施例‐30
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのベンゾニトリルを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、8時間後においてイソブチルベンゼンの転化率は5.6%であり、100%の選択性であった。
【0072】
実施例‐31
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、15時間後においてイソブチルベンゼンの転化率は37%であり、92%の選択性であった。
【0073】
実施例‐32
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのジクロロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、15時間後においてイソブチルベンゼンの転化率は29%であり、88%の選択性であった。
【0074】
実施例‐33
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlの無水酢酸を、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、15時間後においてイソブチルベンゼンの転化率は6.6%であり、24%の選択性であった。
【0075】
実施例‐34
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのシクロへキサンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、5時間後においてイソブチルベンゼンの転化は皆無であった。
【0076】
実施例‐35
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのジクロロエタンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、5時間後においてイソブチルベンゼンの転化は皆無であった。
【0077】
実施例‐36
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのジクロロメタンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、5時間後においてイソブチルベンゼンの転化は皆無であった。
【0078】
実施例‐37
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのニトロメタンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度120℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、5時間後においてイソブチルベンゼンの転化は皆無であった。
【0079】
実施例‐38
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのジメチルスルホランを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度140℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、15時間後においてイソブチルベンゼンの転化率は16%であり、75%の選択性であった。
【0080】
実施例‐39
2個のネック付きの50mlの丸底フラスコ中で、20mmolの無水酢酸、10mmolのイソブチルベンゼン及び10mlのクロロベンゼンを、実施例7のように調製して予備賦活(マッフル炉中において400℃で4時間)した触媒Ce‐ベータ0.5gと混合した。次いで、温度制御器、電磁攪拌器、凝縮器及び水循環器を備えたこの丸底フラスコを油浴中に据えた。油浴の温度を所望の温度140℃までゆっくり高めた。注射器で定期的にサンプルを採取して、HP‐5カラムを使用したガスクロマトグラフィによって分析した。表4に示すように、15時間後においてイソブチルベンゼンの転化率は28%であり、83%の選択性であった。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
【表3】

【0084】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキル化ベンゼン誘導体の、好ましくはパラ位での、アシル化のための環境にやさしいプロセスであって、
(a)ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジメチルスルホラン、ベンゾニトリル又はそれらの混合物から成る群から選択される溶剤、及び一般式
2/nO.Al23.xSiO2.wH2
(そこでは、Mがアルカリ及び/又は稀土類カチオン或いはプロトンであり、nがMの原子価であり、xがSiO2/Al23の比であって3〜24の範囲にあり、Wが吸着される水の重量であって1〜20%の範囲にあり、Si/Alの比が5.5〜20の範囲にあり、アルカリ及び/又はランタニドカチオンが10〜30重量%の範囲にある)
を有する結晶性アルミノシリケート触媒の実質的且つ選択的な存在下で、80℃〜140℃の範囲の温度で、5〜25時間の範囲の期間に、アルキル化ベンゼン誘導体をカルボン酸又はその同族体の塩化物又は無水物のようなアシル化剤と反応させる工程、
(b)該工程(a)の反応混合物から固体触媒を分離する工程、及び
(c)該工程(b)の混合物からアシル化されたアルキルベンゼン誘導体を分離する工程、
を含むプロセス。
【請求項2】
前記アルキル化ベンゼン誘導体がイソブチルベンゼンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記アシル化されたアルキルベンゼン誘導体がイソブチルアセトフェノンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記アシル化されたアルキルベンゼン誘導体が、好ましくはp‐イソブチルアセトフェノンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記使用された結晶性アルミノシリケート触媒が、ゼオライト‐Y及びゼオライト‐βから選択されるものである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記結晶性アルミノシリケート触媒が、好ましくは稀土類カチオンを用いて改質される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記結晶性アルミノシリケート触媒が、10〜30重量%の範囲でランタン及び/又はセリウムを用いて改質される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記アシル化剤が、好ましくは無水酢酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
工程(a)において、前記アルキル化ベンゼン誘導体が大気条件でアシル化剤と反応する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
工程(a)において、前記アルキル化ベンゼン誘導体が、100℃〜140℃の範囲の温度で、好ましくは100℃〜120℃の範囲の温度でアシル化剤と反応する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
工程(b)において分離された前記固体触媒が再使用のために再生される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記アルキル化ベンゼン誘導体の転化率(重量%)が5〜40%の範囲にある、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
パラ位に対する選択率が70〜100%の範囲にある、請求項1に記載のプロセス。

【公表番号】特表2007−518667(P2007−518667A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509162(P2005−509162)
【出願日】平成15年12月31日(2003.12.31)
【国際出願番号】PCT/IN2003/000439
【国際公開番号】WO2005/030691
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(595059872)カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ (81)
【Fターム(参考)】