説明

アルコキシル化オリゴ−またはポリエチレンイミンを解乳化剤として使用してポリオキシアルキレングリコールエーテルを製造する方法

【課題】
乳化破壊剤を使用してポリオキシアルキレングリコールエーテルを製造する方法を提供する。
【解決手段】
水および遊離のNH基1個に付きC2-〜C4-アルキレンオキシド基またはそのようなアルキレンオキシド基の混合物1〜100個でアルコキシル化しておいたオリゴ-またはポリエチレンイミンを、形成していたアルコキシドと、アルキル化剤と、ポリオキシアルキレングリコールエーテルとの混合物に加えることを含む、アルコキシドをアルキル化剤と反応させることによってポリオキシアルキレングリコールモノエーテルおよび/またはジエーテルを製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化破壊剤を使用してポリオキシアルキレングリコールエーテルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオキシアルキレングリコール中の遊離のOH 基のエーテル化は、一般にWilliamson 合成 (非特許文献1参照)により、下記の反応式に従って、ポリオキシアルキレングリコールR-OH を水酸ナトリウムまたはナトリウムと反応させて対応するアルコキシドをもたらし、次いで、塩化アルキルR1-Clでアルキル化することによって工業規模で達成される:
【化1】

形成する塩を、水を加えることによって溶液の状態に至らせ、次いで、相分離によって生成物から単離する。 しかし、この時間のかかる水性相分離は、特に混合ポリオキシアルキレングリコールジアルキルエーテルまたは純ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルの場合に、数時間かかり得、故に、タンク占有時間が長くなりそして対応して費用が高くなるに至る。
【非特許文献1】K. Weissermel, H. J. Arpe “Industrielle Organische Chemie” [Industrial Organic Chemistry], 1998, page 179
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、本発明の目的は、ポリオキシアルキレングリコールジアルキルエーテルからの水の相分離が一層速く進行する方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、特定のアルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンが、所望の反応生成物に悪影響を与えないで、相分離を速めるために適していることを見出した。
【0005】
これより、本発明は、水および遊離のNH基1個に付きC2-〜C4-アルキレンオキシド基またはそのようなアルキレンオキシド基の混合物1〜100個でアルコキシル化しておいたオリゴ-またはポリエチレンイミンを、形成していたアルコキシドと、アルキル化剤と、ポリオキシアルキレングリコールエーテルとの混合物に加えることを含む、アルコキシドをアルキル化剤と反応させることによってポリオキシアルキレングリコールモノエーテルおよび/またはジエーテルを製造する方法を提供する。
【0006】
本発明は、遊離のNH基1個に付きC2-〜C4-アルキレンオキシド基またはそのようなアルキレンオキシド基の混合物1〜100個でアルコキシル化しておいたオリゴ-またはポリエチレンイミンの、本発明に従う方法における解乳化剤としての使用を更に提供する。
【0007】
本発明に従う方法によって製造できるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルおよび/またはジエーテルは、一般に式1に相当する:
【化2】

式中、
Rは、水素、炭素原子1〜24個を有する炭化水素基またはR*-C(O)- (ここで、R*は、炭素原子1〜24個を有する炭化水素基である)基であり、
R1は、炭素原子1〜12個を有する炭化水素基であり、
AOは、アルコキシ基であり、そして
yは、1〜200である。
【0008】
y は、2〜100であるのが好ましく、 特に3〜50である。
【0009】
Rは、脂肪族性質でもまたは芳香族性質でもよい。 Rは、飽和されていてもまたは不飽和でもよい。Rの例は、炭素原子1〜24個を有するアルキル基、炭素原子2〜24個を有するアルケニル基、フェニル、ベンジルおよびアリルである。 R は、好ましくは炭素原子2〜18個、特に4〜12個を含む。
【0010】
式 1中のRが水素である場合に、これらの化合物は、モノアルキレングリコール, ジアルキレングリコールまたは一層高級なアルキレングリコールをアルキル化することによって得られるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルである。
【0011】
式 1中のRが、炭素原子1〜24個を有する炭化水素基である場合に、これらの化合物は、炭素原子1〜24個、好ましくは2〜18個、特に4〜12個を有するモノアルコールのアルコキシラートをアルキル化することによって得られるポリオキシアルキレングリコールジエーテルである。
【0012】
式 1中のRが、R*-C(O)- 基 (式中、R* は、炭素原子1〜24個を有する炭化水素基である)である場合に、これらの化合物は、モノカルボン酸(ここで、R*は、炭素原子を1〜24個、好ましくは2〜18個、特に4〜12個含む )のアルコキシラートをアルキル化することによって得られるポリオキシアルキレングリコールジエーテルである。
【0013】
1は、 好ましくは 、炭素原子1〜12個、好ましくは2〜8個、特に4〜6個を有するヒドロカルビルハライドから、ハロゲン原子を引き抜くことによって誘導されるラジカルである。R1は、脂肪族性質でもまたは芳香族性質でもよい。R1は、飽和されていてもまたは不飽和でもよい。R1の例は、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、炭素原子2〜12個を有するアルケニル基、フェニル, ベンジル, アリルである。ヒドロカルビルハライドは、アルキル化剤である。好適なハライドは、クロリドである。
【0014】
AOは、一様なまたは混合アルコキシ基であり、ランダムに配列されてもまたはブロックで配列されてもよく、エトキシ, プロポキシおよび/またはブトキシ基を含むことができる。好適な実施態様では、AOは、少なくとも1個のプロポキシまたはブトキシ基を含む。
【0015】
アルコキシル化オリゴ-およびポリエチレンイミンの前駆物質は、枝分かれした, オリゴマー性またはポリマー性アミンであって、2個の炭素原子に続いていつも窒素原子があるものである。第一窒素原子対第二窒素原子対第三窒素原子の比は、好ましくは -対応する商用製品において通例である通りに- 約1:2:1である。それらは、ポリマーのように、分子量分布を有する。本発明に関連して、好ましいのは、平均モル質量 (光散乱によって測定したMw) が、15 000 g/モルより大きいそれらのタイプを使用することである。下記の式 2は、第一窒素原子対第二窒素原子対第三窒素原子の比が約1:2:1である商用の枝分かれしたポリエチレンイミンの構造を例示する:
【0016】
【化3】


【0017】
従来技術において知られている通りに、オリゴ-またはポリエチレンイミンを、C2-〜C4-アルキレンオキシドまたはそのようなアルキレンオキシドの混合物でアルコキシル化し、それで、アルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンが、遊離のNH 基1個に付きアルキレンオキシド単位2〜80の好適なアルコキシル化度を有するようにする。特に、使用するアルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンは、エチレンオキシド, プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドをアルカリ触媒下で逐次にアルコキシル化することによって製造する。好ましいのは、初めにプロピレンオキシド (PO)でアルコキシル化し、次いで、エチレンオキシド(EO)でアルコキシル化することによって製造するそれらのアルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンである。下記の構造式は、例として、使用するのが好ましいアルコキシル化オリゴ- (3) またはポリエチレンイミン (4)の構造を例示する:
【0018】
【化4】


【0019】
【化5】


【0020】
式中、l, mおよびnは、各々独立に0〜1000でありそして (x + y) は、1〜1000に等しい。
【0021】
アルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンd) は、通常、テトラヒドロフラン中のポリエチレングリコールに対してゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定して、分子量が25 000 g/モルより大きく、好ましくは25 000〜1 000 000 g/モルであり、特に25 000〜250 000 g/モルである。
【0022】
アルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンに加えて、また、本発明に従う方法において、共解乳化剤(codemulsifier)を使用することも可能である。そのような共解乳化剤は、
a) アルコール, ポリオール, アミンおよびアミノアルコールをベースにしたアルキレンオキシドブロックポリマー
b) タイプa)の架橋されたアルキレンオキシドブロックポリマー
c) タイプb)のアルコキシル化架橋されたアルキレンオキシドブロックポリマー
d) アルコキシル化アルキルフェノール-アルデヒド樹脂
またはこれらの混合物である。
【0023】
ブロックポリマー a) は、炭素原子を1〜30個およびヒドロキシル基, アミノ基または両方を1〜25個含む化合物から、各々の場合にC2-〜C4-アルキレンオキシド1〜200 モルの少なくとも2つの異なるブロックでそれらをブロック様式でアルコキシル化することによって得られる。
【0024】
適しているブロックポリマーa)は、例えば、式5に相当する:
【0025】
【化6】

【0026】
式中、
A, Bは、種々の C2-〜C4-アルキレン基であり、
R3は、Hまたは炭素原子1〜30個を有しかつヘテロ原子を含んでよい炭化水素ラジカルであり、
R4は、HまたはC1-〜C4-アルキル基であり、
l, mは、各々独立に1〜200であり、
nは、0〜200であり、
qは、1〜25であり、そして
Yは、OまたはNR5であり、そして
R5は、R3について定義した通りである。
【0027】
YがNR5である場合に、式 (3) の化合物は、少なくとも2個の活性な水素原子、すなわち、アルコキシル化に適した部位を有するのが好適である。特に好ましいのは、qが2以上に等しいそれらの化合物、およびR3 および/またはR5 がヒドロキシル基を少なくとも1個有するそれらの化合物である。
【0028】
R3は、炭素原子1〜30個を有しかつ酸素および/または窒素のようなヘテロ原子を含んでよい炭化水素ラジカルである。R3は、置換されてよく、その場合に、好適な置換基は、ヒドロキシルおよびアミノ基である。R3の置換基は、式 -(A-O)l-(B-O)m-(A-O)n- (式中、A, B, l, m, nは、各々上に定義した通りである)のアルコキシ基を有してよい。これらのアルコキシ基中に存在する炭素原子は、R3が含むことができる炭素原子1〜30個に含まれない。
【0029】
l, mおよびnは、各々独立に2〜100である。好適な実施態様では、アルコキシ鎖-(A-O)l-(B-O)m-(A-O)n- は、プロピレンオキシド基を30モル%より多く含有する。
【0030】
qは、好ましくは2〜20, 特に3〜8である。
【0031】
式5の化合物の分子量は、1000〜30 000 g/モルであるのが好ましい。
【0032】
好適な実施態様では、式 5の化合物は、ジオール, ポリオールまたはアミンをC2-C4-アルケンオキシドと反応させることによって得られる、モル質量1500〜35 000、好ましくは2000〜15 000を有するアルキレンオキシドポリマーである。アルキレンオキシドポリマー用の有用なジオールは、下記の生成物を含む:
【0033】
1. 脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール, 1,2-プロピレングリコール, ブタンジオール-1,4, ドデカンジオール-1,12, ジエチレングリコール, トリエチレングリコール, ジプロピレングリコール, 相対モル質量およそ 20 000までを有するポリエチレングリコール, 相対モル質量およそ4000までを有するポリプロピレングリコール, 相対モル質量およそ4000までを有するポリブチレングリコール。
【0034】
2. モル質量少なくとも600を有するポリプロピレンオキシドを、好ましくはモル質量600〜3500を有するポリプロピレンオキシドから出発して、オキシエチレン化することによって製造されるエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックポリマー。プロピレンオキシドは、また、ブチレンオキシドによって一部置き換えられてもよい。ブロックポリマーの全体的分子中のポリエチレンオキシド基の割合は、それが少なくとも5%, 好ましくは10-80%を構成するように選定する。
【0035】
3. モル質量少なくとも600を有するポリブチレンオキシドを、好ましくはモル質量600〜3000を有するポリブチレンオキシドから出発して、オキシエチレン化することによって製造されるエチレンオキシド-ブチレンオキシドブロックポリマー;ブチレンオキシドは、また、プロピレンオキシドによって一部置き換えられてもよい;ブロックポリマーの全体的分子中のポリエチレンオキシド基の割合は、それが少なくとも10%, 好ましくは10-80%になるように選定する。
【0036】
適しているポリオールは、例えば、グリセロール, ジグリセロール, トリグリセロール, ポリグリセロール, トリメチロールプロパン, ペンタエリトリトール, ジペンタエリトリトール, ソルビトール, マンニトールおよび更に還元糖である。そのようなブロックポリマーを製造するために適しているアミンは、例えば、エチレンジアミン, ジエチレントリアミン, トリエチレンテトラミン, テトラエチレンペンタミンおよびそれらの一層高級な同族体, トリエタノールアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。
【0037】
a)に掲記したアルキレンオキシドブロックポリマーも、また、架橋することができる。架橋されたブロックポリマーb) は、ブロックポリマー a)から、ビ-, トリ-およびテトラグリシジルエーテルと反応させることにより, 多塩基性ジカルボン酸およびそれらの無水物でエステル化することにより, 並びに多価イソシアネートと反応させることによって得られる。
【0038】
下記の架橋剤を使用するのが好ましい: ビスフェノール A ジグリシジルエーテル, ブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル, ヘキサン-1,6-ジオールジグリシジルエーテル, エチレングリコールジグリシジルエーテル, シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル, レゾルシノールジグリシジルエーテル, グリセリルジグリシジルエーテル, グリセリルトリグリシジルエーテル, グリセリルプロポキシラートトリグリシジルエーテル, ポリグリセリルポリグリシジルエーテル, p-アミノフェノールトリグリシジルエーテル, ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル, ペンタエリスリチルテトラグリシジルエーテル, ソルビトールポリグリシジルエーテル, トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル, ヒマシ油トリグリシジルエーテル, ジアミノビフェニルテトラグリシジルエーテル, 大豆油エポキシド, アジピン酸, マレイン酸, フタル酸, 無水マレイン酸, 無水コハク酸, 無水ドデシルコハク酸, 無水フタル酸, 無水トリメリット酸, ピロメリト酸無水物, トルエンジイソシアナート, ジフェニルメタンジイソシアナート。
【0039】
b)に記載した架橋されたアルキレンオキシドブロックポリマーもまた、アルコキシル化形態で使用することができる。この目的を達成するために, それらを、架橋された生成物 b) 100 g当りC2-〜C4-アルキレンオキシド5〜700 g、好ましくは30〜300 gでアルコキシル化する。 アルコキシル化するために特に適したブロックポリマーは、グリシジルエーテルと反応させることによって得られる架橋されたブロックポリマー、特にはジグリシジルエーテルで架橋されたブロックポリマーである。
【0040】
適した解乳化剤d) は、式6の化合物である:
【0041】
【化7】

【0042】
式中、
R2は、直鎖または枝分かれした C1-〜C20-アルキルラジカルであり、
pは、1〜75であり、
Xは、炭素原子2〜4個を有する一種の1,2-アルキレン基または異なる1,2-アルキレン基であり、そして
kは、1〜200である。
R2は、 C4-〜C12-アルキルラジカルであるのが好ましい。
pは、 2〜40であるのが好ましい。
kは、 好ましくは5〜150であり、特に10〜100である。
Xは、エチレンまたはプロピレン基であるのが好ましい。
【0043】
式 6のアルコキシル化アルキルフェノール-アルデヒド樹脂は、既知のプロセスにより、対応するアルキルフェノールをホルムアルデヒドと、すなわち、アルキルフェノール1モル当りホルムアルデヒド0.5〜1.5 モル, 好ましくは0.8〜1.2 モルと縮合させることによって得られる。縮合は、溶媒を用いないで実行することができるが、鉱油, アルコール, エーテル等のような水-不混和性のまたは一部だけ水-混和性の不活性有機溶媒の存在において実行するのが好ましい。 特に好ましいのは、水と共沸混合物を形成することができる溶媒である。使用するこのタイプの溶媒は、特に、芳香族、例えば、トルエン, キシレン, ジエチルベンゼン, 相対的に沸点の高い商用溶媒混合物、例えば Solvent Naphtha, またはグリム (ポリエチレングリコールジアルキルエーテル) である。縮合は、好ましくは70〜200°Cで、特に90〜160°Cで実行する。それらは、塩基または酸0.05〜5重量%で触媒するのが典型的である。アルキルフェノール-アルデヒド樹脂を製造した後に、それを, C2-〜C4-アルキレンオキシドでアルコキシル化し、それで、生成したアルコキシラートは、アルコキシ基を1〜200個含有する。
【0044】
本発明の乳化破壊剤は、溶液状で加えるのが好ましい。使用する溶媒は、例えば、アルカンまたは芳香族のような任意の有機溶媒であるか、または水であるか, さもなくばそれ自体破壊される生成物のいずれかである。このプロセスでは、好ましくは乳化破壊剤および溶媒の残渣が、ポリアルキレングリコールエーテル中に残留すべきでなく、むしろ水性相中だけに残留すべきである。従って、好ましいのは、水-溶性破壊剤を使用することである。乳化破壊剤は、反応混合物(すなわち、粗製生成物 + 塩負担量 + 水)の合計量に基づいて0.0001〜5重量%、 特に0.001〜0.01重量%の量で加える。
【0045】
本発明に従うプロセスを、今、いくつかの例を用いて詳細に例示することにする:
【実施例】
【0046】
例 1:(比較):
破壊剤を加えないポリプロピレングリコールアリルブチルエーテルの製造
攪拌式反応装置において、温度および圧力をモニターしながら、平均モル質量1400 g/モルを有するポリプロピレングリコールアリルエーテル96.4 gに、80°Cの水酸ナトリウム6.43 gを窒素下で攪拌しながら混和した。その後に、塩化ブチル19.28 gを1時間以内で滴下して加えた。反応装置を加熱して120°C にして後反応させ、そしてこの温度において更に3時間攪拌した。その後に、過剰の塩化ブチルを留去しそして冷却して90°Cにした。 攪拌しながら、塩化ナトリウムの量を溶液に至らせるのに必要とする水の量を精確に加えた。
【0047】
例 2:
破壊剤を加えることによるポリプロピレングリコールアリルブチルエーテルの製造
手順を例 1の通りにしたが、 但し、Mw=25 000 g/モル (光散乱によって測定した) を有するポリエチレンイミンを、プロピレンオキシド30 モルでアルコキシル化し、これをポリプロピレングリコールアリルブチルエーテルと水との混合物に加えた。
【0048】
例 3 (比較):
破壊剤を加えないポリアルキレングリコールアリルブチルエーテルの製造
攪拌式反応装置において、温度および圧力をモニターしながら、平均モル質量1600 g/モルを有するポリアルキレングリコールアリルエーテル96.5 g およびエチレングリコール対プロピレングリコールの混合比3対1 に、80°C の水酸ナトリウム3.7 g を窒素下に攪拌しながら混和した。その後に、塩化ブチル11.6 gをゆっくり滴下して加えた。反応装置を加熱して120°C にして後反応させ、そしてこの温度において3時間攪拌した。その後に、過剰の塩化ブチルを留去させそして混合物を冷却して90°Cにした。 攪拌しながら、塩化ナトリウムの量を溶液に至らせるのに必要とする水の量を精確に加えた。
【0049】
例 4:
破壊剤を加えることによるポリアルキレングリコールアリルブチルエーテルの製造
手順を例 3の通りにしたが、 但し、Mw=25 000 g/モル (光散乱によって測定した) を有するポリエチレンイミンを、プロピレンオキシド30 モルでアルコキシル化し、これをポリアルキレングリコールアリルブチルエーテルと水との混合物に加えた。
【0050】
例 5 (比較):
破壊剤を加えないポリアルキレングリコールアリルメチルエーテルの製造
攪拌式反応装置において、温度および圧力をモニターしながら、平均モル質量2000 g/モルを有するポリアルキレングリコールアリルエーテル99.6 g およびエチレングリコール対プロピレングリコールの混合比1対1 に、80°C の水酸ナトリウム0.75 gを窒素下に攪拌しながら混和した。その後に、塩化メチル0.95 gをゆっくり滴下して加えた。反応装置を加熱して120°C にして後反応させ、そしてこの温度において更に3時間攪拌した。その後に、過剰の塩化ブチルを留去させそして混合物を冷却して90°Cにした。 攪拌しながら、塩化ナトリウムの量を溶液に至らせるのに必要とする水の量を加えた。
【0051】
例 6:
破壊剤を加えることによるポリアルキレングリコールアリルメチルエーテルの製造
手順を例 1の通りにしたが、 但し、Mw=25 000 g/モル (光散乱によって測定した) を有するポリエチレンイミンを、プロピレンオキシド30 モルでアルコキシル化し、これをポリアルキレングリコールアリルメチルエーテルと水との混合物に加えた。
【0052】
相分離実験の結果:
乳化破壊剤の有効性を求めるために、粗製生成物エマルジョンからの水分離を時間の関数として求めた。この目的を達成するために、各々の場合において、粗製生成物エマルジョン100 mlを破壊(breakage)ボトル (円錐形, スクリュー-閉鎖式(screw-closeable), 目盛り付きガラス容器)中に導入した。 その後に、破壊ボトルを恒温浴中に入れそして水分離を80°Cにおいてモニターした。
【0053】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水および遊離のNH基1個に付きC2-〜C4-アルキレンオキシド基またはそのようなアルキレンオキシド基の混合物1〜100個でアルコキシル化しておいたオリゴ-またはポリエチレンイミンを、形成していたアルコキシドと、アルキル化剤と、ポリオキシアルキレングリコールエーテルとの混合物に加えることを含む、アルコキシドをアルキル化剤と反応させることによってポリオキシアルキレングリコールモノエーテルおよび/またはジエーテルを製造する方法。
【請求項2】
ポリオキシアルキレングリコールモノエーテルおよび/またはジエーテルが、式 1:
【化1】

(式中、
Rは、水素、炭素原子1〜24個を有する炭化水素基またはR*-C(O)-(ここで、R*は、炭素原子1〜24個を有する炭化水素基である)基であり、
R1は、炭素原子1〜12個を有する炭化水素基であり、
AOは、アルコキシ基であり、そして
yは、1〜200である)
に相当する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
yが2〜100である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
Rが、
炭素原子1〜24個を有するアルキル基,
炭素原子2〜24個を有するアルケニル基,
式 R*-C(O)-(式中、R*は、炭素原子1〜24個を有する炭化水素基である)の基,
フェニル, ベンジルまたはアリル基
から選択する基である、請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
Rが炭素原子を4〜12個含む、請求項1〜4のいずれか一に記載の方法。
【請求項6】
R1が、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、炭素原子2〜12個を有するアルケニル基、フェニル, ベンジルまたはアリル基から選択する基である、請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
【請求項7】
R1が炭素原子を2〜8個含む、請求項1〜6のいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
AO が少なくとも1個のプロポキシまたはブトキシ基を含む、請求項1〜7のいずれか一に記載の方法。
【請求項9】
アルコキシル化する前のオリゴ-またはポリエチレンイミンの平均分子量(光散乱によって測定したMw) が55 000 g/モルより大きい、請求項1〜8のいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
アルコキシル化する前のオリゴ-またはポリエチレンイミンの平均分子量(光散乱によって測定したMw) が55 000〜1 000 000 g/モルである、請求項1〜9のいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
アルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンの第一窒素原子対第二窒素原子対第三窒素原子の比が約 1:2:1である、請求項1〜10のいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
アルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンが、遊離のNH 基1個に付きアルキレンオキシド単位2〜80 のアルコキシル化度を有する、請求項9〜11のいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
初めにプロピレンオキシド(PO)でアルコキシル化し、次いで、エチレンオキシド (EO)でアルコキシル化することによってアルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンを製造しておく、請求項1〜12のいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
アルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミンが、式3または式4:
【化2】


【化3】

(式中、l, mおよびnは、各々独立に0〜1000であり、 (x + y) は、1〜1000に等しい)
に相当する、請求項1〜13のいずれか一に記載の方法。
【請求項15】
アルコキシル化オリゴ-またはポリエチレンイミン が、テトラヒドロフラン中のポリエチレングリコールに対してゲル透過クロマトグラフィー (GPC)によって測定して、分子量55 000〜1 000 000 g/モルを有する、請求項1〜14のいずれか一に記載の方法。
【請求項16】
下記:
a) アルコール, ポリオール, アミンおよびアミノアルコールをベースにしたアルキレンオキシドブロックポリマー
b) タイプa)の架橋されたアルキレンオキシドブロックポリマー
c) タイプb)のアルコキシル化架橋されたアルキレンオキシドブロックポリマー
d) アルコキシル化アルキルフェノール-アルデヒド樹脂
から選択する共解乳化剤
またはこれらの混合物を使用する、請求項1〜15のいずれか一に記載の方法。

【公開番号】特開2008−45129(P2008−45129A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212515(P2007−212515)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(398025878)クラリアント・インターナシヨナル・リミテッド (74)
【Fターム(参考)】