説明

アルコールの製造方法

【課題】 地球温暖化対策、化石燃料のエネルギー転換の対策、食糧対策。
【解決手段】
野菜類及び/又は果実類の発酵工程において、酵母に加えてクロロフィルを入れ、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光を当てる。発酵工程と、発光ダイオードの光とクロロフィルによる光合成工程を同時におこない、発酵工程で発生した二酸化炭素を光合成工程で原料として使い糖を作る。発光ダイオードの光とクロロフィルと二酸化炭素との光合成工程で作られた糖もアルコールの原料とし発酵する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜類及び/又は果実類を用いた、アルコールの製造方法に関する技術分野である。
【背景技術】
【0002】
野菜類及び/又は果実類を破砕し、液状を呈する固液混合物を得、固液混合物を加熱濃縮法、冷凍濃縮法、逆浸透濃縮法及び真空濃縮法から選ばれる1種又は2種以上の濃縮法で固液混合物を濃縮し、固液混合物に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光りを当てて固液混合物を熟成し、固液混合物熟成と同時に固液混合物に酵母を加え、固液混合物の熟成工程と固液混合物の発酵工程を一緒に行い、酵母が固液混合物の糖類を無酸素的に分解してエチル・アルコールと炭酸ガスを生じ発酵し、完熟した野菜類及び/又は果実類の風味や香りを持つアルコール飲料を製造することを特徴とするアルコール飲料の製造方法(例えば、特許文献1参照。)。がある。
【0003】
野菜類及び/又は果実類を破砕し、液状を呈する固液混合物を得、固液混合物に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光りを当てて固液混合物を熟成し、固液混合物熟成と同時に固液混合物に酵母を加え、固液混合物の熟成工程と固液混合物の発酵工程を一緒に行い、酵母が固液混合物の糖類を無酸素的に分解してエチル・アルコールと炭酸ガスを生じ発酵し、完熟した野菜類及び/又は果実類の風味や香りを持つアルコール飲料を製造することを特徴とするアルコール飲料の製造方法(例えば、特許文献1参照。)。がある。
【0004】
【特許文献1】 特許第3981932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
化石燃料から脱却して他のエネルギーに転化する必要があるエネルギー問題、二酸化炭素による地球温暖化の問題および穀物をアルコールに変える事による食糧の問題を解決する必要がある。
【0006】
特許第3981932号公報(特許文献1)の生産するアルコ−ル量を多くする事。
【0007】
特許第3981932号公報(特許文献1)の発生する二酸化炭素を減らす事。二酸化炭素の発生を全く無くし、二酸化炭素に変えて酸素を発生させる事。
【課題を解決するための手段】
【0008】
クロロフィルは光合成の明反応で光エネルギーを吸収する化学物質である。クロロフィルは葉緑素とも言う。
【0009】
クロロフィルのうち、酸素発生型の光合成をおこなう植物及びシアノバクテリアが持つクロロフィルであり、酸素非発生型の光合成をおこなう光合成細菌が持つバクテリオクロロフィルである。
【0010】
酸素発生型光合成をおこなう生物としては、緑色植物、紅色植物、灰色植物、クリプト植物、ハプト植物、不等毛植物、渦鞭毛植物、ユーグレナ植物、クロララクニオン植物、藍色植物がある。
【0011】
酸素非発生型光合成をおこなう光合成細菌としては、緑色硫黄細菌、緑色非硫黄細菌、紅色硫黄細菌、紅色非硫黄細菌、好気性光合成細菌、ヘリオバクテリアがある。
【0012】
クロロフィル類は、クロロフィルa、クロロフィルb、クロロフィルc1、クロロフィルc2、クロロフィルc3、クロロフィルdがある。
【0013】
バクテリオクロロフィル類は、バクテリオクロロフィルa、バクテリオクロロフィルb、バクテリオクロロフィルc、バクテリオクロロフィルd、バクテリオクロロフィルe、バクテリオクロロフィルf、バクテリオクロロフィルgがある。
【0014】
クロロフィルとバクテリオクロロフィルは、構造的な特徴で区別される物でなく、単に陸上植物や藻類やシアノバクテリアなどが持つクロロフィルをクロロフィルと言い、光合成細菌が持つクロロフィルをバクテリオクロロフィルと言う。よって、本願ではクロロフィルとバクテリオクロロフィルの両者をクロロフィルと言う。
【0015】
特許第3981932号公報のアルコ−ル生産量を増やし、安定してより多くのアルコールを得るため、二酸化炭素の発生を無くすため、発酵を司る酵母と、光合成を司るクロロフィル(クロロフィル及び/又はバクテリオクロロフィル)を加え、アルコール発酵工程と発光ダイオードの光の照射による光合成工程を同時におこなう。
【0016】
野菜類及び/又は果実類を破砕し、生野菜汁及び/又は果汁の液状を呈する固液混合物(固体と液体との混合物)を得る。
【0017】
固液混合物を加熱濃縮法、冷凍濃縮法、逆浸透濃縮法及び真空濃縮法から選ばれる1種又は2種以上の濃縮法で加工して、固液混合物を濃縮する。
【0018】
又は、固液混合物の濃縮法を用いず、固液混合物の濃縮はしない。
【0019】
固液混合物に酵母と、光合成をおこなうクロロフィル(クロロフィル及び/又はバクテリオクロロフィル)を加え、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光を当て、固液混合物を同時に発酵と光合成をする。
【0020】
固液混合物の種類によって、当てる発光ダイオードの光の色の組み合わせ(例えば、白色発光ダイオード35%、赤色発光ダイオード35%及び緑色発光ダイオード30%。)とクロロフィルの種類が適合すると、固液混合物からのアルコ−ル生産量が増える。
【0021】
アルコール生産量を増やす方法として、固液混合物に含まれる糖(第一の糖)に酵母を加えて発酵するとアルコール(第一のアルコール)と二酸化炭素(第一の二酸化炭素)が発生する。この時に発生する二酸化炭素(第一の二酸化炭素)を再利用する。つまり、発酵の時に発生した二酸化炭素(第一の二酸化炭素)と、水と、加えたクロロフィル(クロロフィル及び/又はバクテリオクロロフィル)に発光ダイオードの光を当て光合成をさせて糖(第二の糖)を作る。ここで得た糖(第二の糖)を再びアルコールの原料とする。光合成で得た糖(第二の糖)を酵母で発酵するとアルコール(第二のアルコール)と二酸化炭素(第二の二酸化炭素)が発生する。この時に発生する二酸化炭素(第二の二酸化炭素)を再利用する。発酵の時に発生した二酸化炭素(第二の二酸化炭素)と、水と、加えたクロロフィルに発光ダイオードの光を当て光合成をさせて糖(第三の糖)を作る。ここで得た糖(第三の糖)を再びアルコールの原料とする。光合成で得た糖(第三の糖)を酵母で発酵するとアルコール(第三のアルコール)と二酸化炭素(第三の二酸化炭素)が発生する。この時に発生する二酸化炭素(第三の二酸化炭素)を再利用する。以上のように、糖と二酸化炭素を再利用する。発生する全ての二酸化炭素を利用してより多くの糖を得る。より多く得た糖からより多くのアルコールを生産する。
【0022】
酸素発生型光合成をおこなうクロロフィルの場合は、生野菜汁及び/又は果汁の液状を呈する固液混合物に酵母とクロロフィルを加え発光ダイオードの光を当てる。酵母による糖の発酵で、糖からアルコールと二酸化炭素が発生する。またクロロフィルによる光合成により、発酵の時に発生した二酸化炭素と水から糖と酸素と水が生産される。よって、これを繰り返す事で、アルコールの発酵工程ではより多くのアルコールと酸素が発生する。発酵で発生する二酸化炭素を光合成で全て糖と酸素に変える事ができる。地球温暖化問題の最大の悪役の二酸化酸素の発生を全く無くす事も可能である。アルコールと酸素だけを作ることもできる。アルコールと酸素は共に重要な資源となる。
【0023】
太陽光や白熱球の光や蛍光灯の光などの発光ダイオード以外の光りは、熱の副産物として光を得ている。つまり、太陽光や白熱球の光や蛍光灯の光などは、高温にしてその副産物として光を得るため、その光には熱線(紫外線)が含まれる。
【0024】
紫外線(熱線)を含む光を大量に照射すると、酵母は活動が鈍り死滅する事があるのは周知の事である。
【0025】
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光には紫外線が含まれない。よって、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光の照射で酵母が死んでしまう事はない。ゆえに、固液混合物への発光ダイオードの光の照射による熟成工程と固液混合物の発酵工程とを同時に一緒に行うことができる。
【0026】
加熱濃縮法、冷凍濃縮法、逆浸透濃縮法及び真空濃縮法から選ばれる1種又は2種以上の濃縮法で上手に加工すると、野菜類及び/又は果実類が熟成するシステムは壊れない。
【0027】
藍色及び紫色の発光ダイオードの光は赤色発光ダイオードと青色発光ダイオードを組み合わせても作る事ができる。
【0028】
白色発光ダイオードについて、人が光を見るときの白色光は、光の三原色の組み合わせ、又は補色関係にある色の組み合わせで作る事ができる。よって、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードを組み合わせて白色発光ダイオードを作る事ができる。また補色関係の一例として、青色発光ダイオードと黄色発光ダイオードを組み合わせて白色発光ダイオードを作る事ができる。
【0029】
野菜類及び/又は果実類を破砕し、液状を呈する固液混合物を得、固液混合物を加熱濃縮法、冷凍濃縮法、逆浸透濃縮法及び真空濃縮法から選ばれる1種又は2種以上の濃縮法で固液混合物を濃縮し、固液混合物に酵母とクロロフィルを加え、固液混合物の糖を発酵させてアルコールと二酸化炭素を作り、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光を固液混合物に照射し、発酵で作られた二酸化炭素とクロロフィルと発光ダイオードの光の照射で光合成をして糖を作り、発光ダイオードの照射による光合成で作られた糖をアルコールの原料にして、糖の発酵工程と発光ダイオードの光の照射による光合成工程を一緒にする、以上のことを特徴とするアルコールの製造方法である。
【0030】
野菜類及び/又は果実類を破砕し、液状を呈する固液混合物を得、固液混合物に酵母とクロロフィルを加え、固液混合物の糖を発酵させてアルコールと二酸化炭素を作り、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光を固液混合物に照射し、発酵で作られた二酸化炭素とクロロフィルと発光ダイオードの光の照射で光合成をして糖を作り、発光ダイオードの照射による光合成で作られた糖をアルコールの原料にして、糖の発酵工程と発光ダイオードの光の照射による光合成工程を一緒にする、以上のことを特徴とするアルコールの製造方法である。
【発明の効果】
【0031】
固液混合物に含まれる糖の発酵工程で発生した二酸化炭素を再利用して、発生した二酸化炭素を発光ダイオードの光による光合成の原料にするので、二酸化炭素の発生は無くして、現在用いられているアルコールの製造方法よりアルコールが多く生産することができる。
【0032】
現在用いられているアルコールの製造方法よりアルコールが多く生産し、二酸化炭素を排出しないので、地球温暖化対策に非常に効果がある。
【0033】
現在用いられているアルコールの製造方法よりアルコールが多く生産する事で、食糧の問題解決手段に非常に有効である。
【発明の実施するための最良の形態】
【0034】
発明の実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1において、野菜類及び/又は果実類を洗浄する、洗浄工程。
【0035】
図1において、野菜類及び/又は果実類を破砕し、液状を呈する固液混合物(固体と液体との混合物)を得る、破砕工程。
【0036】
図1において、液状を呈する固液混合物を加熱濃縮法、冷凍濃縮法、逆浸透濃縮法及び真空濃縮法から選ばれる1種又は2種以上の濃縮法で固液混合物を濃縮する、濃縮工程。
【0037】
図1において、液状を呈する固液混合物を滅菌する、滅菌工程。ただし、滅菌工程が必要で無いときは、滅菌工程をしない。
【0038】
図1において、液状を呈する固液混合物に酵母とクロロフィルを入れ、液状を呈する固液混合物に酵母を加えて発酵する、発酵工程。
【0039】
図1において、発酵工程と同時に、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光を当てて、発酵工程で作られた二酸化炭素と、クロロフィルとを用いて光合成をする、光合成工程。
【0040】
図1において、アルコールの完成。以上のことを特徴とするアルコールの製造方法である。
【0041】
また、液状を呈する固液混合物を濃縮する、濃縮工程が無い製造方法では、
図2において、野菜類及び/又は果実類を洗浄する、洗浄工程。
【0042】
図2において、野菜類及び/又は果実類を破砕し、液状を呈する固液混合物(固体と液体との混合物)を得る、破砕工程。
【0043】
図2において、液状を呈する固液混合物を滅菌する、滅菌工程。ただし、滅菌工程が必要で無いときは、滅菌工程をしない。
【0044】
図2において、液状を呈する固液混合物に酵母とクロロフィルを入れ、液状を呈する固液混合物に酵母を加えて発酵する、発酵工程。
【0045】
図2において、発酵工程と同時に、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光を当てて、発酵工程で作られた二酸化炭素と、クロロフィルとを用いて光合成をする、光合成工程。
【0046】
図2において、アルコールの完成。以上のことを特徴とするアルコールの製造方法である。
【実施例1】
【0047】
ここで、クロロフィルをもちいた発酵と、クロロフィルをもちいなかった発酵との実験例を示します。
▲1▼、場所;栃木県小山市小薬530番地。
▲2▼、期間;2007年6月20日から2007年7月10日。
▲3▼、食料品店よりサトウキビを購入し洗浄した。洗浄工程。
▲4▼、サトウキビを絞った汁から砂糖を除いた液体を撹拌し2000グラムの廃糖蜜を作った。その廃糖蜜660グラムと酵母10グラムと870グラムの水とでミキサーを用いて撹拌し酵母入り廃糖蜜溶液を作った。その廃糖蜜溶液を11等分して、容量300ccのビーカーに140グラムの廃糖蜜溶液を入れ、その11個のビーカーをA1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1,I1,J1,K1とした。
▲5▼、透明ガラス製の容量300ccの注射器を11本用意し、A2,B2,C2,D2,E2,F2,G2,H2,I2,J2,K2とした。
▲6▼、クロロフィルを持つ植物を用意した。
a;イチョウの葉5グラム、b;ソテツの葉5グラム、c;稲の葉5グラム、d;カワモズク5グラム、e;灰色藻5グラム、f;クリプト藻5グラム、g;生ワカメ5グラム、h;ユーグレナ藻5グラム、i;クロララクニオン藻5グラム、j;藍藻5グラム、夫れ夫れを用意し、洗浄した。
▲7▼、容量300ccビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液とクロロフィルを撹拌し、透明ガラス製の容量300ccの注射器に注入した。
a;イチョウの葉5グラムを粉砕し、A1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕したイチョウの葉5グラムを撹拌して容量300ccのA2注射器に注入した。
b;ソテツの葉5グラムを粉砕し、B1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕したソテツの葉5グラムを撹拌して容量300ccのB2注射器に注入した。
c;稲の葉5グラムを粉砕し、C1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕した稲の葉5グラムを撹拌して容量300ccのC2注射器に注入した。
d;カワモズク5グラムを粉砕し、D1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕したカワモズク5グラムを撹拌して容量300ccのD2注射器に注入した。
e;灰色藻5グラムを粉砕し、E1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕した灰色藻5グラムを撹拌して容量300ccのE2注射器に注入した。
f;クリプト藻5グラムを粉砕し、F1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕したクリプト藻5グラムを撹拌して容量300ccのF2注射器に注入した。
g;生ワカメイ5グラムを粉砕し、G1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕した生ワカメイ5グラムを撹拌して容暈300ccのG2注射器に注入した。
h;ユーグレナ藻5グラムを粉砕し、H1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕したユーグレナ藻5グラムを撹拌して容量300ccのH2注射器に注入した。
i;クロララクニオン藻5グラムを粉砕し、I1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕したクロララクニオン藻5グラムを撹拌して容量300ccのI2注射器に注入した。
j;藍藻5グラムを粉砕し、J1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液と粉砕した藍藻5グラムを撹拌して容量300ccのJ2注射器に注入した。
K1ビーカーの140グラムの廃糖蜜溶液を容量300ccのK2注射器に注入した。
▲8▼、A2からK2の透明ガラス製の注射器に200個の白色発光ダイオードと200個の赤色発光ダイオードと200個の青色発光ダイオードの合計で600個の発光ダイオード(合計で36ワット/時)を24時間照射し、発光ダイオードの光による光合成工程をした。発酵工程と光合成工程が同時に進行した。
▲9▼、A2からK2の注射器の中に作られた気体を酸素濃度測定器で測定した。
また。A2からK2の注射器の中の溶液を蒸留し、アルコールを回収し測定した。
【0048】
【表1】

【実施例2】
【0049】
ここで、クロロフィルをもちいた発酵と、クロロフィルをもちいなかった発酵との実験例を示します。
▲1▼、場所;栃木県小山市小薬530番地。
▲2▼、期間;2007年7月12日から2007年7月31日。
▲3▼、食料品店より黄桃を購入し洗浄した。洗浄工程。
▲4▼、黄桃を粉砕し2000グラムの水を加えない固液混合物を作った。その水を加えない固液混合物660グラムと酵母10グラムと870グラムの水とでミキサーを用いて撹拌し酵母入り固液混合物を作った。その固液混合物を11等分して、容量300ccのビーカーに140グラムの固液混合物を入れ、その11個のビーカーをA1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1,I1,J1,K1とした。
▲5▼、透明ガラス製の容量300ccの注射器を11本用意し、A2,B2,C2,D2,E2,F2,G2,H2,I2,J2,K2とした。
▲6▼、クロロフィルを持つ植物を用意した。
a;イチョウの葉5グラム、b;ソテツの葉5グラム、c;稲の葉5グラム、d;カワモズク5グラム、e;灰色藻5グラム、f;クリプト藻5グラム、g;生ワカメ5グラム、h;ユーグレナ藻5グラム、i;クロララクニオン藻5グラム、j;藍藻5グラム、夫れ夫れを用意し、洗浄した。
▲7▼、容量300ccビーカーの140グラムの固液混合物とクロロフィルを撹拌し、透明ガラス製の容量300ccの注射器に注入した。
a;イチョウの葉5グラムを粉砕し、A1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕したイチョウの葉5グラムを撹拌して容量300ccのA2注射器に注入した。
b;ソテツの葉5グラムを粉砕し、B1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕したソテツの葉5グラムを撹拌して容量300ccのB2注射器に注入した。
c;稲の葉5グラムを粉砕し、C1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕した稲の葉5グラムを撹拌して容量300ccのC2注射器に注入した。
d;カワモズク5グラムを粉砕し、D1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕したカワモズク5グラムを撹拌して容量300ccのD2注射器に注入した。
e;灰色藻5グラムを粉砕し、E1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕した灰色藻5グラムを撹拌して容量300ccのE2注射器に注入した。
f;クリプト藻5グラムを粉砕し、F1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕したクリプト藻5グラムを撹拌して容量300ccのF2注射器に注入した。
g;生ワカメイ5グラムを粉砕し、G1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕した生ワカメイ5グラムを撹拌して容量300ccのG2注射器に注入した。
h;ユーグレナ藻5グラムを粉砕し、H1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕したユーグレナ藻5グラムを撹拌して容量300ccのH2注射器に注入した。
i;クロララクニオン藻5グラムを粉砕し、I1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕したクロララクニオン藻5グラムを撹拌して容量300ccのI2注射器に注入した。
j;藍藻5グラムを粉砕し、J1ビーカーの140グラムの固液混合物と粉砕した藍藻5グラムを撹拌して容量300ccのJ2注射器に注入した。
K1ビーカーの140グラムの固液混合物を容量300ccのK2注射器に注入した。
▲8▼、A2からK2の透明ガラス製の注射器に200個の黄色発光ダイオードと200個の緑色発光ダイオードと100個の紫色発光ダイオードと100個の藍色発光ダイオードの合計で600個の発光ダイオード(合計で36ワット/時)を24時間照射し、発光ダイオードの光による光合成工程をした。発酵工程と光合成工程が同時に進行した。
▲9▼、A2からK2の注射器の中に作られた気体を酸素濃度測定器で測定した。
また。A2からK2の注射器の中の溶液を蒸留し、アルコールを回収し測定した。
【0050】
【表2】

【0051】
クロロフィルをもちいた発酵と、クロロフィルをもちいなかった発酵の実験例では、
発酵工程で発生する気体の酸素の濃度は、クロロフィルをもちいた発酵では実施例1および実施例2において酸素の濃度は97%から99%であった。クロロフィルをもちいなかった発酵では実施例1および実施例2において酸素の濃度は0%であった。
【0052】
クロロフィルをもちいた発酵と、クロロフィルをもちいなかった発酵の実施例では、
発酵工程後の蒸留器で蒸留して回収できたアルコール量は、
実施例1においてクロロフィルをもちいた発酵では3.0ccから3.6ccであった。クロロフィルをもちいなかった発酵では2.0ccであった。
実施例2においてクロロフィルをもちいた発酵では3.3ccから3.9ccであった。クロロフィルをもちいなかった発酵では2.2ccであった。
【0053】
酸素発生型の光合成をおこなうクロロフィルをもちいた場合は、
クロロフィルをもちいた発酵と、クロロフィルをもちいなかった発酵の実施例を比べると、クロロフィルをもちいた発酵では、全ての実験で大量の酸素を発生し、その大量の酸素を得る事ができた。クロロフィルをもちいなかった発酵では酸素の測定値は0%であった。
【0054】
実施例1および実施例2において、クロロフィルをもちいなかった発酵に比べてクロロフィルをもちいた発酵では、蒸留器で回収できたアルコール量は、1.5倍から1.8倍であった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本願の発酵工程では、二酸化炭素を排出しない。これは、地球温暖化対策に有効な手段である。また、本願の発酵工程で酸素を得る事もできる。酸素は有効な資源である。
【0056】
本願の発酵工程では、クロロフィルをもちいなかった発酵に比べて、回収できたアルコール量は1.5倍から1.8倍で、非常に有効な発酵手段であり、地球温暖化対策、化石燃料のエネルギー転換の対策、食糧対策に非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のアルコールの製造方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明のアルコールの製造方法の実施例を説明するためのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
野菜類及び/又は果実類を破砕し、液状を呈する固液混合物を得、固液混合物を加熱濃縮法、冷凍濃縮法、逆浸透濃縮法及び真空濃縮法から選ばれる1種又は2種以上の濃縮法で固液混合物を濃縮し、固液混合物に酵母とクロロフィルを加え、固液混合物の糖を発酵させてアルコールと二酸化炭素を作り、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光を固液混合物に照射し、発酵で作られた二酸化炭素とクロロフィルと発光ダイオードの光の照射で光合成をして糖を作り、発光ダイオードの照射による光合成で作られた糖をアルコールの原料にして、糖の発酵工程と発光ダイオードの光の照射による光合成工程を一緒にする、以上のことを特徴とするアルコールの製造方法。
【請求項2】
野菜類及び/又は果実類を破砕し、液状を呈する固液混合物を得、固液混合物に酵母とクロロフィルを加え、固液混合物の糖を発酵させてアルコールと二酸化炭素を作り、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫及び白から選ばれる1種又は2種以上の発光ダイオードの光を固液混合物に照射し、発酵で作られた二酸化炭素とクロロフィルと発光ダイオードの光の照射で光合成をして糖を作り、発光ダイオードの照射による光合成で作られた糖をアルコールの原料にして、糖の発酵工程と発光ダイオードの光の照射による光合成工程を一緒にする、以上のことを特徴とするアルコールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−171936(P2009−171936A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36674(P2008−36674)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【特許番号】特許第4179399号(P4179399)
【特許公報発行日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(599015641)
【Fターム(参考)】