説明

アルファ波誘導機能を内蔵するヘッドホン

【課題】屋外での携行性に優れ、かつアルファ波誘導・非誘導を選択可能としたアルファ波誘導デバイスを提供する。
【解決手段】
アルファ波誘導機能をヘッドホン筐体内部にすべて格納する。オーディオ用接続端子を3極とし、アルファ波誘導機能動作のオン/オフができるスイッチを備え、アルファ波誘導ユニットの電池容量低下時のビープ音アラートを組み込む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、人の脳波をアルファ波に誘導するためのヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の脳波が、7〜12Hz(ヘルツ)のアルファ波の状態のとき、リラックス状態となり、集中力、記憶力、思考力などが強化されるといわれている。そのため、従来から、脳波をアルファ波に誘導するための装置が考えられている。このような装置では、アルファ波と同じ周波数の信号を人に与えることによって、脳波をアルファ波に誘導しようとするものである。
【0003】
また、上記超低周波音に音楽などの信号を重畳させて出力し、人が音楽を聴きながら超低周波音の刺激を受けられるようにすることも考えられている。
しかし、人に対して出力される超低周波音に可聴音を重畳させた場合に、可聴音の音圧レベルを調整したとしても、脳波誘導に最適な超低周波音を出力できるようにすることが必要である。
【0004】
発明者は、特許文献1に示すように、可聴音の再生部および出力部とは別に、出力部へ電気信号を入力する超低周波信号発生部を備え、この超低周波信号発生部が出力する電気信号は、上記出力部から出力される7〜12Hzの範囲内における周波数であり、かつ、60〜95dB(デシベル)の範囲内における音圧レベルの音波に対応する電気信号とすることや、上記電気信号に、1/fゆらぎを与えることで、短時間で確実に脳波誘導が出来る脳波誘導装置を提案している。
具体的な製品としては、発明者が開発した非特許文献1に示すアルソニック株式会社製のα Cube(アルファ キューブ)AL−500である。
【特許文献1】特開2006−288572号公報
【非特許文献1】アルソニック株式会社 αCube(アルファ キューブ)AL−500 製品カタログ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の製品(AL−500)は、屋内で着座して使用する場合は特に大きな問題はないと思われる。
しかし、屋内でも着座しない状態や、屋外で使用する場合には、大きな問題がある。それは、従来の製品が、オーディオプレーヤーの入力端子(3極)およびヘッドホンへの出力端子(4極)を持つアルファ波誘導ユニットと超低周波音も再生可能なヘッドホン(端子4極)で構成されているために、携帯型オーディオプレーヤーとヘッドホン以外に加え、アルファ波誘導ユニットも携帯する必要があることである。
【0006】
図1は、従来のアルファ波誘導装置の全体構成図である。このアルファ波誘導ユニット2は、超低周波信号発生部と、音楽や英会話朗読教材などの音データを外部のオーディオプレーヤー3から入力する入力部、この音データを再生する再生部、再生部で再生された音データと上記超低周波信号発生部から出力された電気信号を重畳させて、音波として専用ヘッドホン1へ出力する出力部とを備えている。
【0007】
携帯型オーディオプレーヤーの大きさは以前に比較して、年を追うごとに小型化しており、アルファ波誘導ユニット(AL−500の場合、幅40mm高さ60mm奥行き16.5mm)の大きさは、それに応じて負担となる。また、ヘッドホンの端子は4極なので、オーディオプレーヤー(出力端子3極)と直接連結して使用することは出来ないという問題もある。
【0008】
図1のアルファ波誘導ユニット2は、出力部やスピーカーなど、電気信号を音波、すなわち振動に変換する手段である。そして上記出力部としては、4極端子で接続する専用ヘッドホン1を用いていた。4極端子とした理由は図2で示めすように、音楽信号(最大電圧はbV)にアルファ波を重畳するために、アルファ波誘導機能をオンにした場合、超低周波音(最大電圧はaV)を常にフルパワーで発振し続けるため、通常の音源に必要な一般的な3極端子に加え、電圧確保のために更に1極追加したものである(結果として合計の電圧は(a+b)Vとなる)。4極端子を用いたこの専用ヘッドホン1は、通常の3極端子を用いた音源との直接接続ができず、3極端子入力部を有する誘導ユニット2を経由した接続が必須であり、それ単体での使用ができなかった。
【0009】
また図1が示すように、誘導ユニットが独立しているため、専用ヘッドホン1と誘導ユニット2、誘導ユニット2とオーディオプレーヤー3と、結線部は2箇所となり、携行する場合には断線のリスクは通常のヘッドホン等と比べると倍の可能性があった。
以上の理由により、使用時は専用ヘッドホン1、誘導ユニット2、およびオーディオプレーヤー3の3つを同時に使用する必要があり、屋外の使用においては着座・定位置での使用と比して更に取り回しが悪かった。
【0010】
この発明の目的は、小型化している携帯型オーディオプレーヤーの大きさにマッチしたアルファ波誘導装置の大きさにし、かつそのヘッドホンをオーディオプレーヤーにも直接連結して使用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、アルファ波誘導装置を、ヘッドホン筐体にすべて格納した点に特徴を有する。
【0012】
第2の発明は、前記ヘッドホンのオーディオ入力端子が3極であること、とともに前記ヘッドホンにアルファ波誘導機能動作のオン/オフができるスイッチを備えた点に特徴を有する。
【0013】
第3の発明は、アルファ波誘導ユニットとその電源である電池を、前記ヘッドホンの左右に振り分けて格納した点に特徴を有する。
【0014】
第4の発明は、前記ヘッドホンにおいて、前記電池の容量が低下した時にビープ音によるアラート(警告)を発する点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明によれば、アルファ波誘導ユニットをヘッドホン内部に格納したために、誘導ユニットを別途持ち歩く必要がなくなったため、屋外での使用についてはヘッドホン1つを携行するだけとなり、携行性の飛躍的な向上、また、中継点である誘導ユニットとヘッドホンを結ぶ結線コードの断線等のリスクを回避することが可能となる。
【0016】
第2の発明によれば、従来技術では、アルファ波誘導を必要としない場合、ヘッドホンの端子が4極であるために独立した使用が不可能であった、ヘッドホンに格納されたアルファ波誘導ユニットの電源スイッチをオン・オフ操作することにより、アルファ波誘導ヘッドホン・通常のヘッドホンと、単独で両面での使用が可能となる。
【0017】
第3の発明によれば、装着時の重量として大きな分量となる充電池を、誘導ユニットと分け、左右別に格納したことにより、装着時の左右の重量バランスに大きな差異を生じることを防ぐことを可能とした。
【0018】
第4の発明によれば、格納した電池の容量が低下した段階でビープ音を発し、充電を要する状態を知らせ、ユーザーに効率的な運用を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図3を用いて、この発明の一実施形態を説明する。
前述したように、これまでの技術では図1で示す構成であるオーディオプレーヤー、誘導ユニットおよび専用ヘッドホンの3つを同時に用いていたが、本発明により誘導ユニットそのものを、図3に於けるヘッドホン左側5内部へ格納した。この形態を採ることにより、外見的にはヘッドホンそのものから、通常のオーディオプレーヤーへと接続可能な、3極のオーディオミニプラグを8に挿入・装着するという構成となった。
誘導ユニットの動作は動作スイッチ9の操作で行われ、動作時はLEDランプ10が点灯する。
【0020】
電源となる充電器をヘッドホン右側4内部に、ヘッドホン左側5内部に誘導ユニットと、分けて格納したため、装着時の左右の重量バランスに大きな差異を抑えることを可能とし、動作時の誘導ユニットへの電源供給のために別途電源コードを用いる必要もなく、携帯性は大きく向上した。
ヘッドホン右側4に内蔵された充電池への充電は、充電器のコード(図示しない)を給電用USBミニプラグ7に挿入して行われ、充電状態はLEDランプ6によって随時確認でき、充電終了時と同時にランプの点灯が終了する。
アルファ波誘導動作時に、格納した電池の容量が低下した段階で、ヘッドホン左側5からビープ音を発し、充電を要する状態を知らせ、ユーザーに効率的な運用を促すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
上記の発明は、携行に便利なアルファ波誘導装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来のアルファ波誘導装置の構成図である。
【図2】超低周波音を音楽信号に重畳させる状況を示すものである。
【図3】本発明のアルファ波誘導機能内蔵ヘッドホンである。
【符号の説明】
1 専用ヘッドホン
2 アルファ波誘導ユニット(電池内蔵)
3 オーディオプレーヤー
4 ヘッドホン右側(充電池内蔵)
5 ヘッドホン左側(誘導ユニット本体、ビープ音アラート発振機能内蔵)
6 LEDランプ(充電時点灯)
7 充電用USBミニプラグ(メス)
8 オーディオ用3極接続端子(メス)
9 誘導ユニット動作スイッチ
10 LEDランプ(誘導ユニット動作時点灯)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファ波誘導機能を内蔵することを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】
前記ヘッドホンのオーディオ入力端子が3極であること、およびアルファ波誘導機能動作のオン/オフができるスイッチを備えたことを特徴とする請求項1のヘッドホン。
【請求項3】
前記ヘッドホンの左右の一方にアルファ波誘導ユニット、他方に前記アルファ波誘導ユニットの電源である電池、を設けたことを特徴とする請求項2のヘッドホン。
【請求項4】
前記電池の容量が低下した際に、ビープ音によるアラート(警告)を発することを特徴とする請求項3のヘッドホン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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