説明

アルファ2,3−およびアルファ2,6−シアリル化を含む組換えFSH

組換えFSH(rFSH)を含む調製物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不妊症治療に使用するためのゴナドトロピンに関する。特に、本発明は、卵胞刺激ホルモン(FSH)に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴナドトロピンは、雄および雌の生殖腺機能を制御する一群のヘテロ二量体糖タンパク質ホルモンである。ゴナドトロピンには、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、および絨毛性ゴナドトロピン(CG)が含まれる。
【0003】
FSHは、天然では脳下垂体前葉により分泌され、卵胞発達および排卵を支援する機能を果たす。FSHは、他の糖タンパク質ホルモンLHおよびCGにも共通している92個アミノ酸アルファサブユニットと、FSHに生物学的特異性を付与するFSHに固有の111個アミノ酸ベータサブユニットを含む(Pierce and Parsons、1981)。各サブユニットは、複合糖質残基の付加により翻訳後修飾される。両方サブユニットは、アルファサブユニットではアミノ酸52および78、ならびにベータサブユニットではアミノ酸残基7および24の、2つのN結合グリカン付加部位を保持している(Rathnam and Saxena、1975、Saxena and Rathnam、1976)。したがって、FSHは、約30質量%までグリコシル化される(Dias and Van Roey.2001.Fox et al.2001)。
【0004】
閉経後のヒト尿から精製されたFSHは、不妊治療において、自然生殖では排卵を促進するため、および補助生殖技術では卵母細胞を供給するための両方のために長年使用されている。2つの組換え型FSH、Gonal−F(Serono社製)およびPuregon(Organon社製)が、1990年代中頃に利用可能になった。これらは両方ともチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現される(Howles、1996)。
【0005】
FSH調製物には、存在する種々のアイソフォーム量が異なることに関する相当の不均質性が伴っている。個々のFSHアイソフォームは同一のアミノ酸配列を示すが、それらが翻訳後修飾される程度は異なっており、特定のアイソフォームが、糖鎖分岐構造の不均質性および異なる量のシアル酸(末端の糖)組み込みによって特徴づけられ、不均一性および組み込みの両方は、その特定のアイソフォームの生物活性に影響を及ぼすと考えられている。
【0006】
天然FSHのグリコシル化は高度に複雑である。天然由来の下垂体FSHのグリカンは、ビ−、トリ−、およびテトラ−アンテナグリカン(antennary glycan)の組合せを含むことができる広範囲の構造を含むことができる(Pierce and Parsons、1981.Ryan et al.、1987.Baenziger and Green、1988)。グリカンは、以下のさらなる修飾を保持している場合がある:コアフコシル化(core fucosylation)、バイセクティンググルコサミン(bisecting glucosamine)、アセチルラクトサミンによる鎖伸長、部分的または完全なシアリル化、α2,3およびα2,6結合によるシアリル化、およびガラクトースを置換する硫酸化ガラクトサミン(Dalpathado et al.、2006)。さらに、個々のグリコシル化部位におけるグリカン構造の分布に相異がある。同じようなレベルのグリカン複雑性は、個体の血清および閉経後の女性の尿に由来するFSHに見出されている(Wide et al.、2007)。
【0007】
組換えFSH産物のグリコシル化は、宿主細胞系に存在するグリコシルトランスフェラーゼの範囲を反映する。既存のrFSH産物は、遺伝子操作されたチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)に由来する。CHOに由来するrFSHのグリカン修飾の範囲は、下垂体抽出物または尿のいずれかに由来する天然産物に見出される範囲よりも限定されている。CHO由来のrFSHに見出されるグリカン不均質性低減の例には、バイセクティンググルコサミンの欠如、ならびにコアフコシル化およびアセチルラクトサミン伸長の含有量低減が含まれる(Hard et al.、1990)。加えて、CHO細胞は、α2,3結合を使用してシアル酸を付加することができるに過ぎない(Kagawa et al、1988、Takeuchi et al、1988、Svensson et al.、1990)。これは、α2,3およびα2,6結合シアル酸が混在するグリカンを含有する天然産生FSHとは異なる。
【0008】
組換えFSH調製物(オルガノン社製)は、下垂体、血清、または閉経後の尿のFSHと比較した際に、4未満の等電点(pI)を有するFSH(酸性のアイソフォームと考えられている)の量が異なっていることが示されている(Ulloa−Aguirre et al.1995)。尿調製物の酸性アイソフォームの量は、組換え産物であるGonal−F(Serono社製)およびPuregon(Organon社製)と比較して、はるかに高かった(Andersen et al.2004)。硫酸化修飾された負荷電グリカンのFSHにおける含有量は低いため、これは、rFSHのシアル酸モル含有量が低いことを反映しているはずである。天然FSHと比較してシアル酸含有量がより低いことは、市販の両FSH製品の特徴であり、したがって製造工程における制限を反映しているはずである(Bassett and Driebergen、2005)。
【0009】
FSHグリコシル化の個体間相異および排卵周期中の変動を分析し、説明しようと試みる科学的研究が大量に存在する。主な考察のうちの1つは、FSH濃度およびシアル酸含有量が両方とも、排卵周期の排卵前期中に減少するという観察に関する。シアル酸含有量の減少は、より迅速に除去され、かつ少なくともin vitroで標的受容体に対してより強力である、より塩基性のFSHをその結果としてもたらす(Zambrano et al.1996)。これらの変動の生物学的関連性およびこれらの変動が優性卵胞の選択にどのように関与しているかに関する問題は、未解明のままである(Ulloa−Aguirre、2003による総説)。
【0010】
FSHの循環寿命(circulatory life−time)は、様々な供給源に由来する物質で実証されている。これらの物質の幾つかは、それらのpIにより特徴づけられるような全体的な分子電荷に基づいて分画されており、そこではより強い酸性はより高い負電荷と等しい。以前に記述されているように、全体的な分子電荷の主な寄与要因は、各FSH分子の総シアル酸含有量である。例えば、rFSH(Organon社製)は、約8mol/molのシアル酸含有量を有しているが、尿由来のFSHはより高いシアル酸含有量を有している(de Leeuw et al.1996)。ラットにおける対応する血漿クリアランス速度は、0.34および0.14ml/分である(Ulloa−Aguirre et al.2003)。組換えFSHの試料が、高pI画分および低pI画分に分割された別の例では、高pI(シアル酸含有量がより低い)画分のin vivo効力は減少しており、より短期間の血漿半減期を示した(D’Antonio et al.1999)。排卵周期の後期中に循環するより塩基性のFSHが、エストラジオールレベルの増加により引き起こされる下垂体前葉でのα2,3シアリル−トランスフェラーゼの下方制御に起因することも報告されている(Damian−Matsumara et al.1999.Ulloa−Aguirre et al.2001)。α2,6シアリル−トランスフェラーゼに関する結果は報告されていない。
【0011】
FSHおよびrFSHの総シアル酸含有量は、シアル酸が一般的に2つの様式で結合されているため、直接的に比較することができない。下垂体/血清/尿のFSHは、α2,3およびα2,6結合のシアル酸を両方とも含有しており、前者が圧倒的に多い。しかしながら、CHO細胞に由来する組換え体は、α2,3のみを含有する(Kagawa et al、1988、Takeuchi et al、1988、Svensson et al.、1990)。これは、後者のシアル酸含有量が全体的に低いことに加えて、天然産物と現行の組換え産物との間にある別の相異である。
【0012】
CHO細胞は、医薬品ヒト組換えタンパク質の生産に一般的に使用されている。構造解析により、シアル酸はα2,3結合によってのみ結合していることが特定されている。(Kagawa et al、1988、Takeuchi et al、1988、Svensson et al.、1990)。多くのヒト糖タンパク質では、α2,3結合およびα2,6結合の両方が混在する。したがって、CHO系を使用して発現させた組換えタンパク質は、末端シアル酸結合のタイプが天然対応物と異なるだろう。このことは、糖鎖がこの分子の薬理学的属性に寄与している可能性があるため、医薬品に使用するための生物学的調製物の生産において考慮すべき重要な点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ヒト尿からもたらされる産物の生理化学的および薬物動態学的特性をより厳密に再現または模倣するrFSH産物を有することが望まれている。既知の組換え産物と比較して薬物動態学的特性(複数可)が向上したrFSH産物を有することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、α2,3シアリル化とα2,6シアリル化とを含む、および任意選択的にα2,8シアリル化を含んでもよい、組換えFSH(「rFSH」または「recFSH」)が提供される。本発明によるrFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の10%以上が、α2,3シアリル化であってもよく、例えば総シアリル化の65〜85%が、α2,3シアリル化であってもよい。本発明のrFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の50%以下が、α2,6シアリル化であってもよく、例えば総シアリル化の15〜35%が、α2,6シアリル化であってもよい。本発明のrFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の5%以下が、α2,8シアリル化であってもよく、例えば総シアリル化の0.1〜4%がα2,8シアリル化であってもよい。本発明によるrFSH(またはrFSH調製物)は、6mol/mol以上の、例えば6mol/mol〜15mol/molのシアル酸含有量[シアル酸モル数対タンパク質モル数の比率として表されている]を有してもよい。
【0015】
本出願者らは、シアル酸結合のタイプ、α2,3−またはα2,6−が、FSHの生物学的クリアランスに劇的な影響を及ぼすことができることを見出した。CHO細胞系とは異なり、ヒト細胞系は、シアル酸がα2,3結合およびα2,6結合の両方により結合されている組換えFSHを発現することができる。実施例4では、α2,3結合シアル酸およびα2,6結合シアル酸のレベルが両方とも低いグリカンを含有するFSHを発現した組換えFSH細胞系が作製された(図6)。シアル酸含有量が限定されているこの塩基性物質(図4)は、予測どおり、ラットの循環から非常に迅速に除去された(図7)。その後、この細胞系を、α2,6−シアリル−トランスフェラーゼをコードする遺伝子を付加する第2の操作(engineering)ステップに供した(実施例5)。その結果生じたrFSHは、高度にシアリル化されており、尿のFSHと同様のシアル酸含有量およびpI分布を示した(図5)。しかしながら、この物質は、シアル酸含有量が低かった元の物質と同様の速度でラットの循環から非常に迅速に除去された(図8)。天然の生物学的に活性なFSHのシアル酸の一部は、α2,6結合であることが知られているため、これは予期しない観察だった。α2,6−シアリル化rFSHのクリアランスは、肝臓に見出されるアシアロ糖タンパク質(ASGP)受容体により媒介されることが見出された(実施例9)。これは、この受容体の別の基質を過剰量で使用して、ASGP受容体を一時的にブロックすることにより実証された。受容体をアシアロフェツインでブロックすると、この高度にシアリル化された物質の予測通りのクリアランスが回復した(図9)。これは、ブロックが克服されて、α2,6結合の高度にシアリル化されたrFSHの速やかなクリアランスが再開されるまで、数時間維持された。
【0016】
α2,3およびα2,6結合シアル酸の両方が混在する組換えFSHは、rFSHおよびα2,3シアリルトランスフェラーゼの両方を発現するようにヒト細胞系を操作する(engineering)ことにより作製した(実施例4および実施例5)。発現された産物は高度に酸性であり、α2,3結合シアル酸およびα2,6結合シアル酸の両方が混在しており、後者は内因性シアリルトランスフェラーゼ活性によりもたらされる(図6)。これは、従来のCHO細胞で発現されるrFSHに対して以下の2つの利点を有する:第1には、この物質が、2つのシアリルトランスフェラーゼの合わさった活性によってより高度にシアリル化されており、第2には、この物質が、天然FSHにより類似している。これは、α2,3結合シアル酸のみを産生し(Kagawa et al、1988、Takeuchi et al、1988、Svensson et al.、1990)、シアル酸含有量が低い(Ulloa−Aguirre et al.1995.、Andersen et al.2004)、CHO細胞由来の組換え産物と比較して、より生物学的に適切である可能性が高い。
【0017】
驚くべきことに、本出願者らは、本発明のrFSHが、他の組換え産物より、天然ヒト尿産物の生理化学的および薬物動態学的特性をより厳密に再現または模倣することができることを見出した。言いかえれば、本発明のrFSHは「天然」FSHにより類似している可能性がある。これは、投薬などに関して顕著な利点を有している可能性がある。さらに、より「天然の」またはより「ヒトに類似した」産物は、ある意味では可能な限り「天然」に類似した人工物ではあるが、治療を望む可能性がある患者により望ましい場合がある。他の組換え産物より天然(例えば、ヒト尿)FSHに類似した糖鎖(例えばグリカン)構造を有する組換え産物には、他の利点(例えば、薬物動態学的利点)が存在する可能性がある。
【0018】
したがって、本発明は、α2,3シアル酸およびα2,6シアル酸の混在する、したがってより厳密に天然FSHに類似している組換え型FSHである。IVF技術における卵巣刺激および排卵誘発の制御に本化合物を使用すると、その結果として既存の組換え産物と比較してより自然な卵巣刺激がもたらされることになることが予想される。
【0019】
本発明によると、α2,3シアリル化、およびα2,6シアリル化を含む組換えFSH(「rFSH」または「recFSH」)(および/または組換えFSH調製物)が提供される。rFSHまたはrFSH調製物は、任意選択的にα2,8シアリル化をさらに含んでいてもよい。
【0020】
本明細書中では、「組換えFSH調製物」という用語は、例えば、組換えFSHを含む医薬品に使用するための調製物を含む。本発明の実施形態では、rFSHは、単一のアイソフォームとして存在してもよく、またはアイソフォームの混合物として存在してもよい。
【0021】
本発明によるrFSH(またはrFSH調製物)は、シアル酸含有量[シアル酸モル数対タンパク質モル数の比率として表されている]が、6mol/mol以上(実施例8)、例えば6mol/mol〜15mol/mol、例えば8mol/mol〜14mol/mol、例えば10mol/mol〜14mol/mol、例えば11mol/mol〜14mol/mol、例えば12mol/mol〜14mol/mol、例えば12mol/mol〜13mol/molであってもよい。本発明のrFSHは、ヒト細胞系で産生または発現させてもよい。
【0022】
本発明によるrFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の10%以上が、α2,3シアリル化であってもよい。例えば、総シアリル化の20、30、40、50、60、70、80、または90%以上が、α2,3シアリル化であってもよい。rFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の65〜85%、例えば総シアリル化の70〜80%、例えば総シアリル化の71〜79%の量のα2,3シアリル化を含んでいてもよい。本発明のrFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の50%以下が、α2,6シアリル化であってもよい。例えば、総シアリル化の40、30、20、10、または5%以下が、α2,6シアリル化であってもよい。rFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の15〜35%、例えば総シアリル化の20〜30%、例えば総シアリル化の21〜29%の量のα2,6シアリル化を含んでいてもよい。本発明のrFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の5%以下が、α2,8シアリル化であってもよい。例えば、総シアリル化の2.5%以下がα2,8シアリル化であってもよい。rFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の0.1〜4%、例えば総シアリル化の0.5〜3%、例えば総シアリル化の0.5〜2.5%の量のα2,8シアリル化を含んでいてもよい。シアリル化とは、FSH糖鎖構造に存在するシアル酸残基の量を意味する。α2,3シアリル化とは、2,3位(当技術分野で周知であるような)におけるシアリル化を意味しており、α2,6シアリル化とは、2,6位(これも当技術分野で周知)におけるシアリル化を意味する。したがって、「総シアリル化の%はα2,3シアリル化であってもよい」とは、2,3位でシアリル化されているFSHに存在するシアル酸残基の総数の%を指す。「総シアリル化の%はα2,6シアリル化であってもよい」という用語は、2,6位でシアリル化されているFSHに存在するシアル酸残基の総数の%を指す。
【0023】
本発明によるrFSH(またはrFSH調製物)は、シアル酸含有量(1FSH分子当たりのシアリル化量)が、質量(糖鎖およびタンパク質の質量ではなく、タンパク質の質量に基づく)で、6%以上(例えば6%〜15%、例えば7%〜13%、例えば8%〜12%、例えば11%〜15%、例えば12%〜14%)であってもよい。
【0024】
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現された組換えFSHは、α2,3シアリル化のにを含んでいる(Kagawa et al、1988、Takeuchi et al.1988、Svensson et al.1990)。
【0025】
本発明のrFSHは、ヒト細胞系で産生または発現させてもよい。例えばシアリル化を保持する細胞増殖培地の取扱いおよびコントロールは公知の工程ほど重要ではないと考えられるため、これにより、生産方法を単純化する(かつより効率的にする)ことができる。本方法はより効率的でもあり得る。なぜなら、公知のrFSH産物を生産する際よりも塩基性rFSHがほとんど産生されず、より多くの酸性rFSHが産生され、塩基性FSHの分離/除去はそれほど問題ではないためである。rFSHは、Per.C6細胞系、Per.C6由来細胞系、または修飾Per.C6細胞系で産生または発現させることができる。細胞系は、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを使用して修飾されていてもよい。細胞系は、α2,6−シアリルトランスフェラーゼを使用して修飾されていてもよい。あるいはまたはそれに加えて、rFSHは、[細胞系]の内因性シアリルトランスフェラーゼ活性によりもたらされるα2,6結合シアル酸(α2,6シアリル化)を含んでいてもよい。
【0026】
rFSHは、α2,3および/またはα2,6シアリルトランスフェラーゼを使用して産生させてもよい。rFSHは、α2,3シアリルトランスフェラーゼを使用して産生させてもよい。rFSHは、内因性シアリルトランスフェラーゼ活性によりもたらされるα2,6結合シアル酸(α2,6シアリル化)を含んでいてもよい。
【0027】
さらなる態様の本発明によると、本明細書中に記載のような(本発明の態様による)rFSHおよび/またはrFSH調製物の生産方法であって、ヒト細胞系、例えばPer.C6細胞系、Per.C6由来細胞系、または修飾Per.C6細胞系、例えばα2,3シアリルトランスフェラーゼを使用して修飾された細胞系でrFSHを産生または発現させるステップを含む方法が提供される。
【0028】
rFSH構造はグリカン部分を含有している。分岐が生じる場合があり、その結果グリカンは、当技術分野で周知であるように、1、2、3、または4つ以上の末端糖残基または「アンテナ(antennae)」を有する場合がある。本発明のrFSHは、モノ−アンテナおよび/またはジ−アンテナおよび/またはトリ−アンテナおよび/またはテトラ−アンテナ構造上にシアリル化が存在するグリカンを有していてもよい。rFSHは、好ましくは、モノ−シアリル化、ジ−シアリル化、トリ−シアリル化、およびテトラ−シアリル化グリカン構造を以下のような相対量で含んでいてもよい:9〜15%のモノシアリル化、27〜30%のジ−シアリル化、30〜36%のトリ−シアリル化、および25〜29%のテトラ−シアリル化(例えば、実施例8cで示されている荷電グリカンのWAX分析により示されたような)。
【0029】
さらなる態様の本発明によると、ヒト細胞系で産生された(例えば、発現された)rFSHが提供される。rFSHは、α2,3およびα2,6シアリル化を含んでいてもよい。rFSHは、Per.C6細胞系、Per.C6由来細胞系、または修飾Per.C6細胞系で産生または発現させることができる。細胞系は、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを使用して修飾されていてもよい。細胞系は、α2,6−シアリルトランスフェラーゼを使用して修飾されていてもよい。あるいはまたはそれに加えて、rFSHは、[細胞系]の内因性シアリルトランスフェラーゼ活性によりもたらされるα2,6結合シアル酸(α2,6シアリル化)を含んでいてもよい。rFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の10%以上が、α2,3シアリル化であってもよく、例えば総シアリル化の65〜85%がα2,3シアリル化であってもよい。本発明のrFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の50%以下が、α2,6シアリル化であってもよく、例えば総シアリル化の15〜35%がα2,6シアリル化であってもよい。本発明のrFSH(またはrFSH調製物)は、総シアリル化の5%以下が、α2,8シアリル化であってもよく、例えば総シアリル化の0.5〜4%がα2,8シアリル化であってもよい。rFSHは、6mol/mol以上の、例えば6mol/mol〜15mol/molのシアル酸含有量[シアル酸モル数対タンパク質モル数の比率として表されている]を有してもよい。
【0030】
さらなる態様の本発明によると、α2,3シアリル化およびα2,6シアリル化(例えば、上記のような)を含むrFSHを含む医薬組成物が提供される。医薬組成物は、hCGおよび/またはLHをさらに含んでいてもよい。
【0031】
hCGは、当技術分野で公知の任意の手段により取得することができる。hCGは、本明細書中で使用される場合、ヒト由来の組換えhCGを含む。ヒト由来のhCGは、当技術分野で公知の任意の方法により任意の適切な供給源(例えば、尿および胎盤)から精製することができる。組換えhCGを発現および精製する方法は、当技術分野で周知である。
【0032】
LHは、当技術分野で公知の任意の手段により取得することができる。LHは、本明細書中で使用される場合、ヒト由来の組換えLHを含む。ヒト由来のLHは、当技術分野で公知の任意の方法により任意の適切な供給源(例えば、尿)から精製することができる。組換えLHを発現および精製する方法は、当技術分野で周知である。
【0033】
医薬組成物は、例えば不妊症の治療用、例えば補助生殖技術(ART)、排卵誘発、または子宮腔内授精(IUI)用であってもよい。医薬組成物は、例えば、公知のFSH調製物が使用される医学的適応に使用することができる。本発明は、本明細書に記載の(本発明の態様による)rFSHおよび/またはrFSH調製物の、不妊症治療または不妊症治療用の薬剤の製造における使用も提供する。本発明の医薬組成物は、任意の薬物投与経路、例えば経口、直腸、非経口、経皮的(例えば、パッチ技術)、静脈内、筋肉内、皮下、槽内(intrasusternal)、膣内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏剤、または滴下剤)、またはバッカルもしくは鼻内噴霧用の周知の組成物に製剤化することができる。典型的な組成物は、なかでもRemington’s Pharmaceutical Sciences fifteenth edition(Matt Publishing Company、1975)の1405〜1412ページおよび1461〜87ページ、ならびにthe national formulary XIV fourteenth edition(American Pharmaceutical Association、1975)に記載の、水溶液、塩および保存剤を含む非毒性賦形剤、ならびに緩衝剤などの薬学的に許容される担体を含む。
【0034】
好適な水性および非水性の医薬用担体、希釈剤、溶媒、または媒体の例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコールなどのような)、カルボキシメチルセルロース、およびそれらの好適な混合物、植物油(オリーブオイルなど)、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが含まれる。
【0035】
本発明の組成物は、これらに限定されないが、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの添加剤も含有することができる。抗菌剤および抗真菌剤が、微生物の増殖を予防するために含まれていてもよく、それらには、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、およびソルビン酸などを含む。さらに、糖および塩化ナトリウムなどのような等張剤を含むことが望ましい場合がある。
【0036】
時には、持続的効果を達成するために、皮下または筋肉内注射からのFSH(およびもし存在すれば他の活性成分)の吸収を遅延させることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶または非結晶性物質の液体懸濁剤を使用することにより達成することができる。したがって、FSHの吸収速度はその溶解速度に依存するところ、溶解速度は結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与したFSH配合剤形態の遅延吸収は、FSH配合剤を油性媒体に溶解または懸濁させることにより達成される。
【0037】
注射可能なデポー形態は、ポリ乳酸−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中でFSH(およびもし存在すれば他の作用剤)のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作製することができる。FSH対ポリマーの比率、および使用する特定のポリマーの性質に依存して、FSH放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリビニルピロリドン、ポリ(オルトエステル)、ポリ(無水物)が含まれる。デポー注射製剤は、体内組織と適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中にFSHを捕捉することによっても調製することができる。
【0038】
注射可能な製剤は、例えば、細菌除去フィルターでろ過することにより、または使用直前に滅菌水または他の無菌注射可能媒体に溶解または分散することができる無菌固形組成物の形態の殺菌剤を組み込むことにより、殺菌することができる。注射可能な製剤は、任意の好適な容器、例えばバイアル、充填済シリンジ、および注射カートリッジなどで供給することができる。
【0039】
注射可能な製剤は、FSH(任意選択的にhCG、LHなどと共に)を含有する医薬組成物を有する製品として供給することができる。複数の活性成分(つまり、FSHおよび例えばhCGまたはLH)が存在する場合、これらは、個別投与または同時投与に好適であり得る。個別投与の場合、投与は連続的であってもよい。製品は任意の適切な包装で供給することができる。例えば、製品は、FSH、hCG、またはFSHとhCGとの両組合せのいずれかを含有する多数の充填済シリンジを含むことができ、シリンジは、ブリスター包装または殺菌を維持する他の手段に包装されている。製品は、任意選択的にFSHおよびhCG製剤を使用するための説明書を含有することができる。
【0040】
医薬組成物の種々の成分のpHおよび正確な濃度は、当分野での日常的な作業により調整される。GOODMAN and GILMAN’s THE PHARMACOLOGICAL BASIS FOR THERAPEUTICES、第7版を参照されたい。好ましい実施形態では、本発明の組成物は、非経口投与用組成物として供給される。非経口製剤を調製するための一般的方法は、当技術分野で公知であり、REMINGTON; THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY、上記、780〜820ページに記載されている。非経口用組成物は、液体製剤中で、または投与直前に無菌注射剤媒体と混合されることになる固形として供給することができる。特に好ましい実施形態では、非経口用組成物は、投与および均一な用量を容易にするために単位剤形で供給される。
【0041】
本発明は、これから以下の実施例および添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】pFSHアルファ/ベータ発現ベクターのプラスミド地図を示す図である。
【図2】α2,3−シアリルトランスフェラーゼ(ST3GAL4)発現ベクターを示す図である。
【図3】α2,6−シアリルトランスフェラーゼ(ST6GAL1)発現ベクターを示す図である。
【図4】安定的にFSHを発現するPer.C6細胞により産生された組換えFSHの等電点電気泳動を示す図である。
【図5】α2,3−またはα2,6−シアリルトランスフェラーゼで操作した後で安定的にFSHを発現するPer.C6細胞により産生された組換えFSHの等電点電気泳動により分析されたクローンの例を示す図である。
【図6A】Per.C6 FSHのシアル酸結合の分析を示す図である。
【図6B】Per.C6 FSHのシアル酸結合の分析を示す図である。
【図7】Per.C6 FSH試料の代謝クリアランス率(MCR)を示す図である。
【図8】α2,6−シアリトランスフェラーゼ(sialytransferase)で操作したPer.C6 FSH試料のMCRを示す図である。
【図9】α2,6−シアリトランスフェラーゼで操作したPer.C6 FSH試料のMCRを示す図である。
【図10】α2,3−シアリトランスフェラーゼで操作したPer.C6 FSH試料のMCRを示す図である。
【図11】SteelmanおよびPohley(1953年)の方法に従った、親Per.C6 rFSHのPer.C6 rFSHクローンによる卵巣重量増大を示す図である。
【図12】操作した(α2,6−シアリルトランスフェラーゼ)Per.C6 rFSHのPer.C6 rFSHクローンによる卵巣重量増大を示す図である。
【図13】操作した(α2,3−シアリルトランスフェラーゼ)Per.C6 rFSHのPer.C6 rFSHクローンによる卵巣重量増大を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
配列選択
ヒトFSH
FSHアルファポリペプチドの遺伝子のコード領域を、FiddesおよびGoodman(1981年)に従って使用した。この配列は、AH007338として寄託されており、構築時には、このタンパク質配列の他の変異体は存在しなかった。この配列は、本明細書中では配列番号1として参照される。
【0044】
FSHベータポリペプチドの遺伝子のコード領域を、Keeneら(1989年)に従って使用した。この配列は、NM_000510として寄託されており、構築時には、このタンパク質配列の他の変異体は存在しなかった。この配列は、本明細書中では配列番号2として参照される。
【0045】
シアリルトランスフェラーゼ
α2,3−シアリルトランスフェラーゼ:ベータガラクトシドアルファ−2,3−シアリルトランスフェラーゼ4(α2,3−シアリルトランスフェラーゼ、ST3GAL4)の遺伝子のコード領域を、KitagawaおよびPaulson(1994年)に従って使用した。この配列は、L23767として寄託されており、本明細書中では配列番号3として参照される。
【0046】
α2,6−シアリルトランスフェラーゼ:ベータガラクトサミドアルファ−2,6−シアリルトランスフェラーゼ1(α2,6−シアリルトランスフェラーゼ、ST6GAL1)の遺伝子のコード領域を、Grundmannら(1990年)に従って使用した。この配列は、NM_003032として寄託されており、本明細書中では配列番号4として参照される。
【実施例】
【0047】
実施例1
FSH発現ベクターの構築
FSHアルファポリペプチド(AH007338、配列番号1)のコード配列、およびFSHベータポリペプチド(NM_003032、配列番号2)を、プライマーの組合せFSHa−fwおよびFSHa−revならびにFSHb−fwおよびFSHb−recをそれぞれ使用して、PCRにより増幅した。
FSHa-fw 5'-CCAGGATCCGCCACCATGGATTACTACAGAAAAATATGC-3'
FSHa-rev 5'-GGATGGCTAGCTTAAGATTTGTGATAATAAC-3'
FSHb-fw 5'-CCAGGCGCGCCACCATGAAGACACTCCAGTTTTTC-3'
FSHb-rev 5'-CCGGGTTAACTTATTATTCTTTCATTTCACCAAAGG-3'
【0048】
その結果生じた増幅FSHベータDNAを、制限酵素子AscIおよびHpaIで消化し、ネオマイシン選択マーカーを保持するCMV駆動性(driven)哺乳類発現ベクターのAscIおよびHpaI部位に挿入した。同様に、FSHアルファDNAを、BamHIおよびNheIで消化し、FSHベータポリペプチドDNAを既に含有していた発現ベクターのBamHIおよびNheI部位に挿入した。
【0049】
ベクターDNAを使用して大腸菌(E.coli)DH5α株を形質転換した。60個のコロニーを増幅用に選択し、57個が、FSHアルファおよびベータの両方を含有するベクターを含有していた。これらのうちの20個を配列決定用に選択し、すべてが配列番号1および配列番号2の通りの正確な配列を含有していた。プラスミドpFSH A+B#17をトランスフェクション用に選択した(図1)。
【0050】
実施例2
ST3発現ベクターの構築
ベータガラクトシドアルファ−2,3−シアリルトランスフェラーゼ4(ST3、L23767、配列番号3)のコード配列を、プライマーの組合せ2,3STfwおよび2,3STrevを使用してPCRにより増幅した。
2,3STfw 5'-CCAGGATCCGCCACCATGTGTCCTGCAGGCTGGAAGC-3'
2,3STrev 5'-TTTTTTTCTTAAGTCAGAAGGACGTGAGGTTCTTG-3'
【0051】
その結果生じた増幅ST3 DNAを、制限酵素BamHIおよびAflIIで消化し、ヒグロマイシン耐性マーカーを保持するCMV駆動性哺乳類発現ベクターのBamHIおよびAflII部位に挿入した。以前に記載されているようにベクターを増幅し、配列決定した。クローンpST3#1(図2)は、配列番号3の通りの正確な配列を含有しており、トランスフェクション用に選択された。
【0052】
実施例3
ST6発現ベクターの構築
ベータガラクトサミドアルファ−2,6−シアリルトランスフェラーゼ1(ST6、NM_003032、配列番号4)のコード配列を、プライマーの組合せ2,6STfwおよび2,6STrevを使用してPCRにより増幅した。
2,6STfw 5'-CCAGGATCCGCCACCATGATTCACACCAACCTGAAG-3'
2,6STrev 5'-TTTTTTTCTTAAGTTAGCAGTGAATGGTCCGG-3'
【0053】
その結果生じた増幅ST6 DNAを、制限酵素BamHIおよびAflIIで消化し、ヒグロマイシン耐性マーカーを保持するCMV駆動性哺乳類発現ベクターのBamHIおよびAflII部位に挿入した。以前に記載されているようにベクターを増幅し、配列決定した。クローンpST6#11(図3)は、配列番号4の通りの正確な配列を含有しており、トランスフェクション用に選択された。
【0054】
実施例4
PER.C6細胞におけるpFSH A+Bの安定的発現。クローンのトランスフェクション単離およびスクリーニング。
FSHを産生するPer.C6クローンを、単一プラスミドからFSHの両ポリペプチド鎖を発現させることにより産生した(実施例1を参照)。
【0055】
安定的クローンを取得するために、リポソームに基づくトランスフェクション剤をpFSH A+B構築体と共に使用した。安定的クローンを、10%FCSが添加され、G418を含有するVPRO中で選択した。トランスフェクションの3週間後に、G418耐性クローンが増殖した。計250個のクローンを選択して単離した。単離されたクローンを、70〜80%コンフルエントまで選択培地で培養した。上清を、FSH選択的ELISAを使用してFSHタンパク質含有量について分析し、およびcAMP蓄積アッセイを使用してクローン細胞系のFSH受容体での薬理活性について分析した。機能的タンパク質を発現するクローン(98個)を、24ウエル、6ウエル、およびT80フラスコで培養増殖に進ませた。
【0056】
7つのクローンに由来する物質の生産性および品質を決定する研究をT80フラスコで開始し、十分な材料を産生させた。細胞を、以前に記載されているように添加培地で7日間培養し、上清を回収した。生産性は、FSH選択的ELISAを使用して測定した。材料の等電点特性を測定した(実施例6)。代表的な試料を図4に示す。IEFからの情報を使用して、代謝クリアランス率を分析するためのクローンを選択した(実施例9)。十分な生産性および品質を有するクローン(005、104、179、223、144)を選択して、シアリルトランスフェラーゼで操作した。
【0057】
実施例5
シアリル化のレベルは、α2,3−またはα2,6−シアリルトランスフェラーゼを過剰発現する細胞で増加する。PER.C6細胞を発現するFSHにおけるpST3またはpST6の安定的な発現;クローンのトランスフェクション単離およびスクリーニング。
FSHの両ポリペプチド鎖を既に発現しているPer.C6細胞においてα2,3シアリルトランスフェラーゼまたはα2,6シアリルトランスフェラーゼを別々のプラスミド(実施例2および3を参照)から発現させることにより、高度にシアリル化されたFSHを産生するPer.C6クローンを生成した(実施例4を参照)。実施例4で示したようなPER.C6(登録商標)細胞から生成した4つのクローンを、生産性、良好な増殖特性、機能的タンパク質の産生、および産生されたFSH(幾らかのシアリル化を含む)などの特徴によって選択した。
【0058】
実施例4で前述したように、安定的なクローンが生成された。α2,3−シアリルトランスフェラーゼプログラムに由来する計202個のクローン、およびα2,6−シアリルトランスフェラーゼプログラムに由来する210個のクローンを単離、増殖、およびアッセイした。α2,3−研究用の最終クローン数は12個であり、α2,6−研究用は30個だった。
【0059】
α2,3−シアリルトランスフェラーゼクローンを無血清培地および懸濁条件に適応させた。
【0060】
上記のように、FSH選択的ELISA、FSH受容体細胞系における機能的応答、IEF(実施例6)、代謝クリアランス率(実施例9)、およびSteelman Pohley分析(実施例10)を使用して、クローンをアッセイした。結果を、市販の組換えFSH(Gonal−f、Serono社製)および親FSH Per.C6細胞系と比較した。代表的な試料を図5に示す。α2,3−またはα2,6−シアリルトランスフェラーゼ無しで発現されたFSHと比較して、幾つかのクローンはシアリル化の増加を示さなかったが、ほとんどのクローンにより産生されたFSHはシアリル化が著しく向上していた(つまり、平均すると、多数のシアル酸を有するFSHアイソフォームがより多い)ことがわかる。
【0061】
結論として、Per.C6細胞においてシアリルトランスフェラーゼをFSHと一緒に発現させることは、その結果として、FSHのみを発現する細胞と比較してシアリル化FSHのレベル増加をもたらす。
【0062】
実施例6
Per.C6が産生したFSHアイソフォームのpIの等電点電気泳動による分析。
電気泳動は、電場による荷電された分子の溶媒中の移動と定義される。電場中の生体分子の移動度は、電場の強さ、分子の正味電荷、分子のサイズおよび形状、分子が移動する媒体のイオン強度および特性に依存するだろう。
【0063】
等電点電気泳動法(IEF)は、タンパク質をそのpIに基づいて分離するための電気泳動技術である。pIとは、タンパク質が正味電荷を示さず、電場中で移動しないpHのことである。FSHアイソフォームのシアル酸含有量によって、各アイソフォームのpI点が微妙に変わるので、そのことをIEF技術を使って利用すれば、各クローンに由来するPer.C6 FSHアイソフォームを視覚化することができる。
【0064】
Per.C6が細胞培養上清中に産生したFSHアイソフォームの等電点を、等電点電気泳動法を使用して分析した。Per.C6 FSHクローンからの細胞培養培地を、実施例4および5に記載されているように作った。
【0065】
Per.C6 FSH試料を、両性電解質溶液pH3.0〜pH7.0中pH3.0〜7.0勾配の天然条件下で5%ポリアクリルアミドを含有するNovex(登録商標)IEFゲルで分離した。
【0066】
タンパク質を、支持されたニトロセルロースに移し、一次抗FSHαモノクローナル抗体、二次抗マウスIgGアルカリホスファターゼ結合抗体(conjugated antibody)、ならびにバンドを視覚化するための5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェート(BCIP)およびニトロブルーテトラゾリウム(NBT)試薬を使用して視覚化した。
【0067】
図4および5に示されるように、バンドは、異なる数のシアル酸分子を含有するFSHのアイソフォームを表す。
【0068】
この方法を使用して、多数のシアル酸分子を有するFSHアイソフォームを産生するクローンを特定した。α2,3−またはα2,6−シアリルトランスフェラーゼで操作することにより、結果としてより多くのシアル酸および低pIを有するクローンがもたらされた。
【0069】
実施例7
Per.C6 FSHのシアル酸結合の分析
レクチンに基づくグリカン識別法を使用して、複合糖質を分析した。この方法では、ニトロセルロースに結合した糖タンパク質および複合糖質を特徴づけることができる。レクチンは、特定の部分、例えばα2,3結合シアル酸を選択的に認識する。添加されたレクチンは、ステロイドハプテンジゴキシゲニンと結合し、これによって結合したレクチンの免疫学的検出が可能になる。
【0070】
親クローン由来の精製Per.C6 FSH(シアリルトランスフェラーゼの追加なし)、α2,3−シアリルトランスフェラーゼ操作クローンおよびα2,6−シアリルトランスフェラーゼ操作クローンを、標準的SDS−PAGE技術を使用して分離した。市販の組換えFSH(Gonal−f、Serono社製)を標準物質として使用した。
【0071】
製造業者説明書に従ってDIGグリカン識別キット(カタログ番号11 210 238 001、Roche社製)を使用して、シアル酸を分析した。セイヨウニワトコ(Sambucus nigra)凝集素(SNA)との陽性反応は、末端結合(2−6)シアル酸を示した。イヌエンジュ(Maackia amurensis)凝集素II(MMA)との陽性反応は、末端結合(α2−3)シアル酸を示した。
【0072】
要約すると、親クローン005は、α2,3−およびα2,6−シアル酸を両方とも低レベルで含有していた。α2,3−シアリルトランスフェラーゼで操作したクローンは、高レベルのα2,3−シアル酸結合および低レベルのα2,6−シアル酸結合を含有していた。α2,6−シアリルトランスフェラーゼで操作したクローンは、高レベルのα2,6−シアル酸結合および低レベルのα2,3−シアル酸結合を含有していた。基準対照Gonal−fは、α2,3−シアル酸結合のみを含有している。これは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で産生された組換えタンパク質について公知であることと一致している(Kagawa et al、1988、Takeuchi et al、1988、Svensson et al.、1990)。
【0073】
結論として、α2,3−またはα2,6−シアリルトランスフェラーゼで操作したPer.C6 FSH細胞は、試料中のFSH結合シアル酸分子数を増加させることに成功した。
【0074】
実施例8a
総シアル酸の定量
シアル酸は、単糖類と考えられているタンパク質結合炭水化物であり、ガラクトース、マンノース、グルコサミン、ガラクトサミン、およびフコースのような他のモノサッカライドとの組合せで生じる。
【0075】
精製rFSH(実施例11)の総シアル酸を、製造業者プロトコールに従って酵素的シアル酸定量キットを使用して測定した(Sigma社製、Sialic−Q)。手短に言えば、N−アセチルノイラミン酸アルドラーゼは、シアル酸に触媒作用を及ぼしてN−アセチルマンノアシン(N-acetylmannoasine)およびピルビン酸にする。ピルビン酸は、β−NADHおよび乳酸デヒドロゲナーゼにより乳酸に還元することができる。Β−NADH酸化は、分光光度法で正確に測定することができる。
【0076】
タンパク質濃度は、ローリー法に基づく市販のビシンコニン酸(BCA)アッセイキット(Sigma社製、B9643)を使用して、マイクロタイタープレート中で測定した(Lowry et al、1951)。
【0077】
Per.C6 FSHの総シアル酸含有量を測定し、6mol/molを超えることを見出した。
【0078】
実施例8b
α2,3、α2,6、およびα2,8シアル酸の相対量の定量
精製rFSH(実施例11)のα2,3、α2,6、およびα2,8シアル酸の相対パーセント量を、公知の技術を使用して測定した。
【0079】
rFSHの各試料を、固定化し(ゲルブロック)、洗浄し、還元し、アルキル化し、PNGase Fで一晩消化した。その後、N−グリカンを抽出および処理した。NP−HPLCおよびWAX−HPLC分析用に、N−グリカンをRoyleらに詳述されているようなフルオロフォア2ABで標識した。N−グリカンを、TSKアミドカラム(Royleらに詳述されているような)の順相(NP)HPLCにかけ、保持時間をグルコース単位(GU)で表した。
【0080】
抽出し、プールしたグリカン(上記のように抽出した)の試料を、異なるシアリダーゼで消化して結合を決定した。NAN1(組換えシアリダーゼ)は、α2,3結合の非還元末端シアル酸(NeuNAcおよびNeuNGc)を放出し、ABS(アルトロバクター・ウレアファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)シアリダーゼ)は、α2,3、α2,6、およびα2,8結合非還元末端シアル酸(NeuNAcおよびNeuNGc)を放出する。試料をNP−HPLCで分析して、未消化の試料を、NAN1で消化した試料およびABSで消化した試料と比較した。3つのNP−HPLCトレース(未消化、NAN1消化、ABS消化)を比較すると、ABSおよびNAN1による消化が異なる結果もたらすことが示された。これは、試料が、α2,3、α2,6、およびα2,8結合を有するシアル酸を有することを示す。相対パーセントを未消化グリカンのプールに存在する構造から計算したところ、α2,3シアリル化は65%〜85%の範囲(例えば、77.75%)であり、α2,6シアリル化は15%〜35%(例えば、21.46%)、およびα2,8シアリル化は0.1%〜3%であることが見出された。
【0081】
実施例8c
モノ、ジ、トリ、およびテトラアンテナシアリル化構造の相対量の定量
精製rFSH(実施例11)から抽出したグリカンにあるモノ、ジ、トリ、およびテトラシアリル化構造の相対パーセント量を、公知の技術を使用して測定した。
【0082】
rFSHの各試料を、固定化し(ゲルブロック)、洗浄し、還元し、アルキル化し、PNGase Fで一夜消化した。その後、N−グリカンを抽出および処理した。NP−HPLCおよびWAX−HPLC分析用に、N−グリカンをRoyleらに詳述されているようなフルオロフォア2ABで標識した。
【0083】
電荷によりN−グリカンを分離するための弱アニオン交換(WAX)HPLC(実施例8b)を、フェチュイン(Fetuin)N−グリカン標準物質を基準として、Royleらに示されているように実施した。グリカンを、それらが含有していたシアル酸の数により溶出した。すべての試料には、モノ(1S)、ジ(2S)、トリ(3S)、およびテトラ(4S)シアリル化構造が含まれていた。シアリル化構造の相対量は、以下の比率であることが見出された(1S:2S:4S:4S):9〜15%:27〜30%:30〜36%:25〜29%(例えば、10.24:28.65:35.49:25.62)。
【0084】
実施例9
rFSHの代謝クリアランス率の測定
Per.C6 FSH試料の代謝クリアランス率(MCR)を測定するために、意識のある雌ラット(1クローン当たり3匹の動物)の尾部静脈に、rFSHのボーラスを時点ゼロで注射した(1〜10μg/ラット、試料のELISA定量に基づいて、DRG EIA 1288)。血液試料(400μl)を、試験試料注射の1、2、4、8、12、24、および32時間後に尾部先端から採取した。血清を遠心分離により収集し、ELISA(DRG EIA 1288)によりFSH含有量についてアッセイした。
【0085】
アシアロ糖タンパク質受容体(ASGP−R)は、アシアロフェツイン(ASF)などの脱シアリ化(desialyated)(ガラクトース末端化)糖タンパク質を認識する(Pricer and Ashwell、1971.Van Lenten and Ashwell、1972)。ASGP受容体および結合した脱シアリ化糖タンパク質は、細胞内に内部移行し、そこで受容体が再利用され、リガンドが分解される(Regoeczi et al、1978、Steer and Ashwell、1980)。
【0086】
Per.C6 FSH物質がこの機序により除去されるかどうかを調査するために、ASGP−Rをアシアロフェツインで飽和させた。親物質、α2,6−シアリルトランスフェラーゼ操作物質、またはα2,3−シアリルトランスフェラーゼ操作物質の代謝クリアランス率を、記載したように、最低7500倍モル過剰のアシアロフェツインを同時投与して、ASGP−Rを1〜2時間飽和させて測定した。
【0087】
親Per.C6 FSHクローンにより産生された物質は、MCRがより長い物質をある程度含有していたが、高い割合の物質が速やかに除去された(図7)。最もシアリル化した物質を含有していたリード(lead)クローン005は、α2,6−またはα2,3−シアリルトランスフェラーゼを使用して操作されていた(実施例5)。α2,6−シアリルトランスフェラーゼで操作したクローンは、シアリル化が増加していたが(図5)、MCRに改善はなかった(図7)。ASGRのブロックは、基準物質のMCRと比べてα2,6物質のMCRを回復させ、α2,6結合が増加しても、この物質が速やかに除去されることが示された(図8)。α2,3−シアリルトランスフェラーゼによる操作は、その結果として、基準物質と同様のMCRを有するクローンをもたらし(図9)、シアル酸含有量が様々であったことは、FSHのアイソフォームで知られていることと一致していた(図10)。
【0088】
実施例10
Steelman−Pohley in vivoアッセイ
FSHのシアル酸含有量の増加が、その結果として生物学的効果の増加をもたらすことを示すために、高度にシアリル化されたFSH、例えば実施例5で産生されたものなど、によるラット卵巣の重量増加を検査した。
【0089】
Per.C6 rFSHクローンによる卵巣重量の増加を、SteelmanおよびPohley(1953年)の方法に従って分析した。細胞培地をろ過した試料からのPer.C6 rFSHを、ELISA(DRG、EIA−1288)で定量した。試料(Per.C6 rFSH)および基準物質(Gonal−f rFSH)を、5つの異なる用量で試験した(3匹の動物/用量)。Gonal−fを、50、100、200、400、および800ng/ラットで投与した。試料用量は、Gonal−fに対するそれらのAUC値を用いて計算し、典型的には0.05〜10μg/ラットであった。
【0090】
結論としては、親Per.C6 FSHクローンによって産生された低シアリル化(undersialylated)物質(図11)は、卵巣の重量増加アッセイにおいて市販のrFSHほど効力がなかった。追加的なα2,6結合を付加するシアリルトランスフェラーゼ操作は、シアル酸含有量を増加させたが、このin vivoアッセイでは効力を向上させなかった(図12)。しかしながら、追加的なα2,3結合は、効力を著しく向上させ(図13)、2つの組換えFSH調製物(Per.C6およびCHO由来)は、このアッセイで非常に類似した特性を示した。
【0091】
実施例11
産生および精製の概要
無血清培地に懸濁培養したPER.C6細胞中でFSHを産生するための手順を開発した。その手順は下記に記載されており、数個のFSH産生PER.C6細胞系に適用した。
【0092】
親クローン005、α2,3クローン007、およびα2,6クローン059に由来するFSHを、Lowryら(1976年)によって記載されている方法の変法を使用して調製した。
【0093】
PER.C6−FSHを産生する場合、細胞系を無血清培地、つまりExcell525(JRH Biosciences社製)に馴化させた。まず、細胞を培養して、T80培養フラスコで、70%〜90%コンフルエント単層を形成させた。継代の際に、細胞を無血清培地、Excell525+4mM L−グルタミンに再懸濁して、0.3×10細胞/mlの細胞密度にした。25mlの細胞懸濁液を250mlの振とうフラスコに入れ、5%CO、37℃、100rpmで振とうした。1×10細胞/mlを超える細胞密度に達した後、0.2または0.3×10細胞/mlの細胞密度で細胞を継代し、37℃、5%CO、および100rpmの振とうフラスコでさらに培養した。
【0094】
FSHを産生させる場合、PER.C6細胞が非常に高い細胞密度(通常バッチ培養で10細胞/mlを超える)に増殖するのを支援する無血清産生培地、つまりVPRO(JRH Biosciences社製)に、細胞を移した。まず細胞を、1×10細胞/mlを超えるまでExcell525で培養し、その後1000rpmで5分間遠心沈降し、続いて1×10細胞/mlの密度でVPRO培地+6mM L−グルタミンに懸濁した。その後、細胞を37℃、5%CO、および100rpmで7〜10日間振とうフラスコで培養した。この期間中に、細胞は10細胞/mlを超える密度に増殖した。細胞生存率が低下し始めた後、培地を回収した。細胞を、1000rpmで5分間遠心沈降し、上清をFSHの定量および精製に使用した。FSHの濃度を、ELISA(DRG EIA 1288)を使用して測定した。
【0095】
その後、FSHの精製を、Lowryら(1976年)により記述されている方法の変法を使用して実施した。これは、DEAE−セルロース上のクロマトグラフィー、セファデックスG100上のゲルろ過、ヒドロキシアパタイト上の吸着クロマトグラフィー、および調製用ポリアクリルアミド電気泳動によって達成された。
【0096】
すべてのクロマトグラフィーの手順中、免疫反応性FSHの存在は、RIA(DRG EIA 1288)およびIEF(実施例6)によって確認された。
【0097】
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【0098】
配列番号1
卵胞刺激ホルモンアルファポリペプチド
受託番号AH007338
FSHアルファのヌクレオチド配列
1 ATGGATTACT ACAGAAAATA TGCAGCTATC TTTCTGGTCA CATTGTCGGT GTTTCTGCAT
61 GTTCTCCATT CCGCTCCTGA TGTGCAGGAT TGCCCAGAAT GCACGCTACA GGAAAACCCA
121 TTCTTCTCCC AGCCGGGTGC CCCAATACTT CAGTGCATGG GCTGCTGCTT CTCTAGAGCA
181 TATCCCACTC CACTAAGGTC CAAGAAGACG ATGTTGGTCC AAAAGAACGT CACCTCAGAG
241 TCCACTTGCT GTGTAGCTAA ATCATATAAC AGGGTCACAG TAATGGGGGG TTTCAAAGTG
301 GAGAACCACA CGGCGTGCCA CTGCAGTACT TGTTATTATC ACAAATCTTA A
FSHアルファのタンパク質配列
1 MKTLQFFFLF CCWKAICCNS CELTNITIAI EKEECRFCIS INTTWCAGYC YTRDLVYKDP
61 ARPKIQKTCT FKELVYETVR VPGCAHHADS LYTYPVATQC HCGKCDSDST DCTVRGLGPS
121 YCSFGEMKE
配列番号2
卵胞刺激ホルモンベータポリペプチド
受託番号NM_000510
FSHベータのヌクレオチド配列
1 ATGAAGACAC TCCAGTTTTT CTTCCTTTTC TGTTGCTGGA AAGCAATCTG CTGCAATAGC
61 TGTGAGCTGA CCAACATCAC CATTGCAATA GAGAAAGAAG AATGTCGTTT CTGCATAAGC
121 ATCAACACCA CTTGGTGTGC TGGCTACTGC TACACCAGGG ATCTGGTGTA TAAGGACCCA
181 GCCAGGCCCA AAATCCAGAA AACATGTACC TTCAAGGAAC TGGTATATGA AACAGTGAGA
241 GTGCCCGGCT GTGCTCACCA TGCAGATTCC TTGTATACAT ACCCAGTGGC CACCCAGTGT
301 CACTGTGGCA AGTGTGACAG CGACAGCACT GATTGTACTG TGCGAGGCCT GGGGCCCAGC
361 TACTGCTCCT TTGGTGAAAT GAAAGAATAA
FSHベータのタンパク質配列
1 MKTLQFFFLF CCWKAICCNS CELTNITIAI EKEECRFCIS INTTWCAGYC YTRDLVYKDP
61 ARPKIQKTCT FKELVYETVR VPGCAHHADS LYTYPVATQC HCGKCDSDST DCTVRGLGPS
121 YCSFGEMKE
配列番号3
ベータガラクトシドアルファ−2,3−シアリルトランスフェラーゼ4
受託番号L23767
ST3GAL4のヌクレオチド配列
1 ATGTGTCCTG CAGGCTGGAA GCTCCTGGCC ATGTTGGCTC TGGTCCTGGT CGTCATGGTG
61 TGGTATTCCA TCTCCCGGGA AGACAGGTAC ATCGAGCTTT TTTATTTTCC CATCCCAGAG
121 AAGAAGGAGC CGTGCCTCCA GGGTGAGGCA GAGAGCAAGG CCTCTAAGCT CTTTGGCAAC
181 TACTCCCGGG ATCAGCCCAT CTTCCTGCGG CTTGAGGATT ATTTCTGGGT CAAGACGCCA
241 TCTGCTTACG AGCTGCCCTA TGGGACCAAG GGGAGTGAGG ATCTGCTCCT CCGGGTGCTA
301 GCCATCACCA GCTCCTCCAT CCCCAAGAAC ATCCAGAGCC TCAGGTGCCG CCGCTGTGTG
361 GTCGTGGGGA ACGGGCACCG GCTGCGGAAC AGCTCACTGG GAGATGCCAT CAACAAGTAC
421 GATGTGGTCA TCAGATTGAA CAATGCCCCA GTGGCTGGCT ATGAGGGTGA CGTGGGCTCC
481 AAGACCACCA TGCGTCTCTT CTACCCTGAA TCTGCCCACT TCGACCCCAA AGTAGAAAAC
541 AACCCAGACA CACTCCTCGT CCTGGTAGCT TTCAAGGCAA TGGACTTCCA CTGGATTGAG
601 ACCATCCTGA GTGATAAGAA GCGGGTGCGA AAGGGTTTCT GGAAACAGCC TCCCCTCATC
661 TGGGATGTCA ATCCTAAACA GATTCGGATT CTCAACCCCT TCTTCATGGA GATTGCAGCT
721 GACAAACTGC TGAGCCTGCC AATGCAACAG CCACGGAAGA TTAAGCAGAA GCCCACCACG
781 GGCCTGTTGG CCATCACGCT GGCCCTCCAC CTCTGTGACT TGGTGCACAT TGCCGGCTTT
841 GGCTACCCAG ACGCCTACAA CAAGAAGCAG ACCATTCACT ACTATGAGCA GATCACGCTC
901 AAGTCCATGG CGGGGTCAGG CCATAATGTC TCCCAAGAGG CCCTGGCCAT TAAGCGGATG
961 CTGGAGATGG GAGCTATCAA GAACCTCACG TCCTTCTGA
ST3GAL4のタンパク質配列
1 MCPAGWKLLA MLALVLVVMV WYSISREDRY IELFYFPIPE KKEPCLQGEA ESKASKLFGN
61 YSRDQPIFLR LEDYFWVKTP SAYELPYGTK GSEDLLLRVL AITSSSIPKN IQSLRCRRCV
121 VVGNGHRLRN SSLGDAINKY DVVIRLNNAP VAGYEGDVGS KTTMRLFYPE SAHFDPKVEN
181 NPDTLLVLVA FKAMDFHWIE TILSDKKRVR KGFWKQPPLI WDVNPKQIRI LNPFFMEIAA
241 DKLLSLPMQQ PRKIKQKPTT GLLAITLALH LCDLVHIAGF GYPDAYNKKQ TIHYYEQITL
301 KSMAGSGHNV SQEALAIKRM LEMGAIKNLT SF
配列番号4
ベータガラクトサミドアルファ−2,6シアリルトランスフェラーゼ1
受託番号NM_003032
ST6GAL1のヌクレオチド配列
1 ATGATTCACA CCAACCTGAA GAAAAAGTTC AGCTGCTGCG TCCTGGTCTT TCTTCTGTTT
61 GCAGTCATCT GTGTGTGGAA GGAAAAGAAG AAAGGGAGTT ACTATGATTC CTTTAAATTG
121 CAAACCAAGG AATTCCAGGT GTTAAAGAGT CTGGGGAAAT TGGCCATGGG GTCTGATTCC
181 CAGTCTGTAT CCTCAAGCAG CACCCAGGAC CCCCACAGGG GCCGCCAGAC CCTCGGCAGT
241 CTCAGAGGCC TAGCCAAGGC CAAACCAGAG GCCTCCTTCC AGGTGTGGAA CAAGGACAGC
301 TCTTCCAAAA ACCTTATCCC TAGGCTGCAA AAGATCTGGA AGAATTACCT AAGCATGAAC
361 AAGTACAAAG TGTCCTACAA GGGGCCAGGA CCAGGCATCA AGTTCAGTGC AGAGGCCCTG
421 CGCTGCCACC TCCGGGACCA TGTGAATGTA TCCATGGTAG AGGTCACAGA TTTTCCCTTC
481 AATACCTCTG AATGGGAGGG TTATCTGCCC AAGGAGAGCA TTAGGACCAA GGCTGGGCCT
541 TGGGGCAGGT GTGCTGTTGT GTCGTCAGCG GGATCTCTGA AGTCCTCCCA ACTAGGCAGA
601 GAAATCGATG ATCATGACGC AGTCCTGAGG TTTAATGGGG CACCCACAGC CAACTTCCAA
661 CAAGATGTGG GCACAAAAAC TACCATTCGC CTGATGAACT CTCAGTTGGT TACCACAGAG
721 AAGCGCTTCC TCAAAGACAG TTTGTACAAT GAAGGAATCC TAATTGTATG GGACCCATCT
781 GTATACCACT CAGATATCCC AAAGTGGTAC CAGAATCCGG ATTATAATTT CTTTAACAAC
841 TACAAGACTT ATCGTAAGCT GCACCCCAAT CAGCCCTTTT ACATCCTCAA GCCCCAGATG
901 CCTTGGGAGC TATGGGACAT TCTTCAAGAA ATCTCCCCAG AAGAGATTCA GCCAAACCCC
961 CCATCCTCTG GGATGCTTGG TATCATCATC ATGATGACGC TGTGTGACCA GGTGGATATT
1021 TATGAGTTCC TCCCATCCAA GCGCAAGACT GACGTGTGCT ACTACTACCA GAAGTTCTTC
1081 GATAGTGCCT GCACGATGGG TGCCTACCAC CCGCTGCTCT ATGAGAAGAA TTTGGTGAAG
1141 CATCTCAACC AGGGCACAGA TGAGGACATC TACCTGCTTG GAAAAGCCAC ACTGCCTGGC
1201 TTCCGGACCA TTCACTGCTA A
0p−
ST6GAL1のタンパク質配列
1 MIHTNLKKKF SCCVLVFLLF AVICVWKEKK KGSYYDSFKL QTKEFQVLKS LGKLAMGSDS
61 QSVSSSSTQD PHRGRQTLGS LRGLAKAKPE ASFQVWNKDS SSKNLIPRLQ KIWKNYLSMN
121 KYKVSYKGPG PGIKFSAEAL RCHLRDHVNV SMVEVTDFPF NTSEWEGYLP KESIRTKAGP
181 WGRCAVVSSA GSLKSSQLGR EIDDHDAVLR FNGAPTANFQ QDVGTKTTIR LMNSQLVTTE
241 KRFLKDSLYN EGILIVWDPS VYHSDIPKWY QNPDYNFFNN YKTYRKLHPN QPFYILKPQM
301 PWELWDILQE ISPEEIQPNP PSSGMLGIII MMTLCDQVDI YEFLPSKRKT DVCYYYQKFF
361 DSACTMGAYH PLLYEKNLVK HLNQGTDEDI YLLGKATLPG FRTIHC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α2,3−およびα2,6−シアリル化を含む組換えFSH(rFSH)。
【請求項2】
6mol/mol以上のシアル酸含有量[シアル酸モル数対タンパク質モル数の比率として表される]を有する、請求項1に記載の組換えFSH。
【請求項3】
6mol/mol〜15mol/molのシアル酸含有量を有する、請求項1または請求項2に記載の組換えFSH。
【請求項4】
総シアリル化の10%以上がα2,3−シアリル化である、請求項1から3のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項5】
総シアリル化の65〜85%の量のα2,3−シアリル化を含む、請求項1から4のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項6】
総シアリル化の70〜80%の量のα2,3−シアリル化を含む、請求項1から5のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項7】
総シアリル化の50%以下がα2,6−シアリル化である、請求項1から6のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項8】
総シアリル化の15〜35%の量のα2,6−シアリル化を含む、請求項1から7のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項9】
総シアリル化の20〜30%の量のα2,6−シアリル化を含む、請求項1から8のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項10】
α2,8−シアリル化をさらに含む、請求項1から9のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項11】
シアル酸含有量が6質量%以上である、請求項1から10のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項12】
ヒト細胞系で産生または発現される、請求項1から11のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項13】
Per.C6細胞系、Per.C6由来細胞系、または修飾Per.C6細胞系で産生または発現される、請求項1から12のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項14】
前記細胞系が、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを使用して修飾されている、請求項12または13に記載の組換えFSH。
【請求項15】
内因性シアリルトランスフェラーゼ活性によりもたらされるα2,6結合シアル酸(α2,6−シアリル化)を含む、請求項12から14のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項16】
ヒト細胞系で発現される組換えFSH。
【請求項17】
総シアリル化の10%以上がα2,3−シアリル化である、請求項16に記載の組換えFSH。
【請求項18】
総シアリル化の65〜85%の量のα2,3−シアリル化を含む、請求項16または17に記載の組換えFSH。
【請求項19】
総シアリル化の50%以下がα2,6−シアリル化である、請求項16から18のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項20】
総シアリル化の15〜35%の量のα2,6−シアリル化を含む、請求項16から19のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項21】
6mol/mol以上のシアル酸含有量[シアル酸モル数対タンパク質モル数の比率として表される]を含む、請求項16から20のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項22】
α2,3−シアリル化およびα2,6−シアリル化を含む、請求項16または21のいずれかに記載の組換えFSH。
【請求項23】
α2,3−およびα2,6−シアリル化を含む組換えFSH調製物。
【請求項24】
医薬品用調製物である、請求項23に記載の調製物。
【請求項25】
6mol/mol以上のシアル酸含有量[シアル酸モル数対タンパク質モル数の比率として表される]を有する、請求項23または24に記載の調製物。
【請求項26】
総シアリル化の10%以上がα2,3−シアリル化である、請求項23から25のいずれかに記載の調製物。
【請求項27】
総シアリル化の65〜85%の量のα2,3−シアリル化を含む、請求項23から26のいずれかに記載の調製物。
【請求項28】
総シアリル化の50%以下がα2,6−シアリル化である、請求項23から27のいずれかに記載の調製物。
【請求項29】
総シアリル化の15〜35%の量のα2,6−シアリル化を含む、請求項23から28のいずれかに記載の調製物。
【請求項30】
ヒト細胞系で産生または発現される、請求項23から29のいずれかに記載の調製物。
【請求項31】
α2,3−シアリル化およびα2,6−シアリル化を含むrFSHを含む医薬組成物。
【請求項32】
総シアリル化の10%以上がα2,3−シアリル化である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
総シアリル化の65〜85%の量のα2,3−シアリル化を含む、請求項31または32のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項34】
総シアリル化の50%以下がα2,6−シアリル化である、請求項31から33のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項35】
総シアリル化の15〜35%の量のα2,6−シアリル化を含む、請求項31から33のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項36】
請求項1から22のいずれかに記載のrFSHおよび/または請求項23から30のいずれかに記載の調製物を含む医薬組成物。
【請求項37】
hCGおよび/またはLHをさらに含む、請求項31から36のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項38】
不妊症治療に使用するための、請求項31から37のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項39】
不妊症を治療する方法であって、請求項1から22のいずれかに記載のrFSH、および/または請求項23から30のいずれかに記載の調製物、および/または請求項31から37のいずれかに記載の医薬組成物を含む組成物を、対象に投与するステップを含む方法。
【請求項40】
不妊症治療用の薬剤の製造における、請求項1から22のいずれかに記載のrFSHおよび/または請求項23から30のいずれかに記載のrFSH調製物の使用。
【請求項41】
ヒト細胞系でrFSHを産生または発現させるステップを含む、請求項1から22のいずれかに記載のrFSHおよび/または請求項23から30のいずれかに記載のrFSH調製物の生産方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−519359(P2011−519359A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504527(P2011−504527)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000978
【国際公開番号】WO2009/127826
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(508265619)フェリング インターナショナル センター エス.アー. (6)
【Fターム(参考)】