アレイ検査装置およびアレイ検査方法
【課題】走査画像上において検査対象領域の端部の座標位置を正確に求め、ピクセルの位置精度およびアレイ検査の検査精度を向上させる。
【解決手段】走査画像上において検査対象領域(パネル領域)の外周の端部を検出し、この端部を基準として検査対象領域を特定し、検査対象領域のアレイ検査を行う。検査対象領域(パネル領域)の外周の端部を基準として検査対象領域を特定することによって、検査対象領域のコーナー部分の形状を基にして検査対象領域の基準位置を定める場合よりも、画像の画像歪みや画像斑による位置ずれの影響を低減することができる。アレイ検査装置の態様では、走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出部を備え、端部検出部で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定する。
【解決手段】走査画像上において検査対象領域(パネル領域)の外周の端部を検出し、この端部を基準として検査対象領域を特定し、検査対象領域のアレイ検査を行う。検査対象領域(パネル領域)の外周の端部を基準として検査対象領域を特定することによって、検査対象領域のコーナー部分の形状を基にして検査対象領域の基準位置を定める場合よりも、画像の画像歪みや画像斑による位置ずれの影響を低減することができる。アレイ検査装置の態様では、走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出部を備え、端部検出部で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査して得られる走査画像に基づいて基板のアレイ検査を行うアレイ検査装置に関し、特に、基板上のピクセル位置の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査して得られる走査画像に基づいて基板のアレイを検査するアレイ検査が知られている。例えば、液晶パネル等のTFTディスプレイ装置に用いるTFTアレイ基板の製造工程では、製造されたTFTアレイ基板が正しく駆動するかの検査が行われる。このTFTアレイ基板検査では、例えば電子ビームをTFTアレイ基板で走査させることで走査画像を取得し、この走査画像に基づいてアレイ検査を行っている。
【0003】
電子ビームを基板上で二次元的に走査するには、電子ビームとステージをX軸方向及びY軸方向に相対的に移動することによって、通常、X軸方向に1ライン分移動して検出信号を取得した後、Y軸方向に1ライン分ずらす操作を繰り返すことによって1フレーム分の走査信号を取得している。
【0004】
走査画像によって基板のアレイ検査を行うには、パネルが備える各ピクセルの位置を走査画像で正確に特定する必要がある。
【0005】
従来、パネル内において各ピクセルの座標位置を求める際には、アレイの仕様等の設計上で定められている値を用いて計算により求めている。
【0006】
図9は、従来のアレイ検査装置において、基板上に設けられたパネルのピクセル位置の算出を説明するための図である。図9(a)は基板の設計上のパネル位置を示し、図9(b)はパネル内のピクセルを示している。
【0007】
基板は、パネルの寸法や設置面数、基板上における各パネルの配置位置等の設計値等の仕様が定められ、製造工程ではこの仕様の設計値に基づいて製造される。製造された基板をアレイ検査する際においても、この設計値に基づいて各パネルの位置及びそのパネル上の各ピクセル位置を計算によって求め、求めたピクセル位置に基づいて検査するピクセルを特定し、ピクセルに対応するアレイ検査を行う。
【0008】
図9(a)において、基板100に形成される複数のパネル101において、各パネル101の特定部位の位置を設計情報に基づいて算出して基準位置102とし、図9(b)に示すように、この基準位置102をパネル101の原点として各ピクセル103の位置を算出する。
【0009】
一枚の基板100上に、例えば16面のアクティブエリアであるパネル101が設けられる場合には、各パネル101の基準位置の座標を設計情報に基づいて算出し、得られた座標データをアレイ検査装置に入力し、座標データに基づいて電子ビームとステージをX軸方向及びY軸方向に相対的に移動させ、走査画像を取得する。
【0010】
走査画像の取得において座標位置がずれている場合には、アレイ検査においてピクセル位置がずれるため、欠陥位置の特定に時間を要することになる。この座標位置がずれる要因として、ステージの座標系と走査ビームの座標系とが一致していない場合があり、この場合には、検出信号を取得して得られる走査画像の位置とステージ上に配置した基板の位置との間に位置ずれ(走査信号の視野ずれ)が生じることになる。
【0011】
従来、この位置ずれの補正は、試料上に位置合わせのためのマークを設け、ステージを動作させながら試料上に設けたマークの位置を確認し、ステージの座標系と走査ビームの座標系を座標変換することによって行っている。また、マークを試料上に設けた場合には検査対象の基板を交換する際に生じる位置ずれの問題があるため、この問題を解消するものとして、試料を支持するステージ上にマークを設け、このマークの走査画像からステージの座標系の位置ずれや走査ビームの座標系の位置ずれを求める検査を、本願の出願人は出願している。
【0012】
前記したように設計値に基づいて計算によって求めた検査対象領域の座標位置には、基板製造工程における誤差が考慮されていないため、実際の基板上に形成される検査対象位置は、計算で得られた座標位置からずれている場合がある。この座標位置のずれは画一的でなく、製造条件や環境条件によって種々変化する。
【0013】
図10は、検査対象領域の座標位置のずれを説明するための図である。図10(a)において破線は設計情報に基づいて算出した検査対象領域104を示し、実線は実際の基板上に形成される検査対象領域105をそれぞれ模式的に示している。検査対象領域はアクティブエリアであるパネル領域に相当している。基板において、実際の検査対象領域105は、製造上の誤差によって設計上の検査対象領域104から位置ずれが生じる。この位置ずれの方向やずれ量は、同一の基板上の各検査対象領域(パネル領域)によってそれぞれ異なり画一的とならない。
【0014】
図10(b)において、実際の検査対象領域105が、設計上の検査対象領域104から位置ずれしている場合には、ピクセル103の位置も位置ずれることになり、ピクセルの位置を正確に特定することが困難となり、欠陥ピクセルの特定も困難となる。
【0015】
上記した座標位置の位置ずれを解消するために、座標位置がずれる要因として、ステージの座標系と走査ビームの座標系との関係の他に、基板上の検査対象領域の座標位置があることの見地に鑑み、走査画像中からパネルの特定部位の座標位置を取得し、この座標位置に基づいて検査位置を特定する基板検査装置を出願している(特許文献1参照)。
【0016】
特許文献1では、走査画像を表示して得られる表示画像上で特定部位を指定して座標位置を取得する他に、走査画像を画像処理することによって特定部位の座標位置を自動取得する点が開示されている。この特定部位の座標位置の自動取得は、予め設定しておいた特定部位の形状を検索キーとして検索を行う。
【0017】
図11は、パネルの特定部位の座標位置に基づいてピクセルの座標位置を求める例を示している。基板を走査して得られる走査画像20は基板面113およびパネル領域112を含み、このパネル領域112のコーナーを特定部位としてピクセル位置を特定する。
【0018】
図11では、パネル領域112のコーナー部分を設定パネルコーナー位置11として設定し、この位置に基づいてパネル領域112の端部位置を定め、ピクセル位置を定める。ピクセル位置は、例えば、端部位置を基準位置とし、この基準位置からピクセルのピッチ分だけ順次ずらすことによって特定することができる。図11では、x方向のピッチをpxとし、y方向のピッチをpyとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】国際公開WO2006/112242(段落[0072],[0073])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前記した従来技術では、走査画像上において検査対象領域(パネル領域)の特定部位としてパネルコーナーを定め、このパネルコーナーの座標位置を取得している。パネルコーナーは検査対象領域の外周の端部の辺が交差する点であるため、パネルコーナーの座標位置から検査対象領域の端部位置を取得することができ、これによってピクセルの座標位置を特定することができる。
【0021】
パネルコーナーの設定は、手動で行う場合には表示装置上に表示した表示画像に基づいて設定し、自動で行う場合にはコーナー部位の角度情報や陰影情報を検索キーとして用いることによって走査画像から検索している。
【0022】
本願の発明者は、検査対象領域(パネル領域)の端部位置を走査画像上で設定したパネルコーナーから取得した座標位置は、走査画像の画像歪みや画像斑によって位置ずれが発生する場合があり、このパネルコーナーの座標位置における位置ずれによって、取得された検査対象領域(パネル領域)の端部の座標位置と実際の検査対象領域(パネル領域)の端部の座標位置との間にずれが生じることを見出した。このように検査対象領域の端部の座標位置の誤差は、ピクセルの位置の正確な特定、および欠陥ピクセルの特定を困難となる要因となる。
【0023】
図12は、走査画像の画像歪みや画像斑による位置ずれを説明するための図である。図12において、検査対象領域(パネル領域)112は画像歪みや画像斑による位置ずれを含む場合を示している。検査対象領域112のコーナー位置に基づいて設定した設定パネルコーナー位置111(x0,y0)は、画像歪みや画像斑による位置ずれによって実際のパネルコーナー位置110(X0,Y0)との間に誤差分(Δx,Δy)の位置ずれがある。そのため、設定パネルコーナー位置111(x0,y0)に基づいてピクセルの座標位置を定めると、誤差分(Δx,Δy)だけずれた位置をピクセル位置として設定することになるため、アレイ検査においてピクセルの位置を正確に特定することができない。
【0024】
そこで、本発明は上記課題を解決して、走査画像上において検査対象領域の端部の座標位置を正確に求め、ピクセルの位置精度およびアレイ検査の検査精度を向上させることを目的とする。
【0025】
より詳細には、画像の画像歪みや画像斑によって位置ずれの影響を受けることなく検査対象領域の端部の座標位置を正確に求めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、走査画像上において検査対象領域(パネル領域)の外周の端部を検出し、この端部を基準として検査対象領域を特定し、検査対象領域のアレイ検査を行う。
【0027】
一般に、コーナー部分の形状を照合位置の検出精度は、端部の直線部分の検出精度よりも劣る。本発明は、検査対象領域(パネル領域)の外周の端部を基準として検査対象領域を特定することによって、検査対象領域のコーナー部分の形状を基にして検査対象領域の基準位置を定める場合よりも、画像の画像歪みや画像斑による位置ずれの影響を低減することができる。
【0028】
本発明は、荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像に基づいて基板上に形成されたアレイを検査するアレイ検査において、アレイ検査装置の態様およびアレイ検査方法の態様を備える。
【0029】
本発明のアレイ検査装置の態様では、走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出部を備え、端部検出部で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定する。
【0030】
端部検出部は、走査画像の信号強度を2値化閾値と比較する比較部と、比較部の出力を微分演算する微分演算部と、微分演算の演算結果のピークを検出するピーク検出部と、ピークの位置を検査対象領域の端部として検出する領域端検出部とを備える構成とすることができる。
【0031】
走査画像上において、基板部分の信号強度と検査対象領域(パネル領域)の信号強度は強度レベルに差があり、両信号強度の間の強度レベルの2値化閾値を設定することによって2値化処理を行うことができる。比較部は、走査画像の信号強度と2値化閾値とを比較して2値化処理を行う。
【0032】
比較部は、2値化処理によって2値化閾値又は基板部分の信号強度を出力する。検査対象領域(パネル領域)の信号強度が基板部分の信号強度よりも大きい場合には、基板部分の信号強度よりも大きく、基板部分の信号強度よりも小さな信号強度を2値化閾値として設定する。
【0033】
比較部は、走査画像の信号強度が2値化閾値よりも小さい場合には、走査画像の位置は基板部分内にあるとして基板部分の信号強度をそのまま出力する。一方、走査画像の信号強度が2値化閾値よりも大きい場合には、走査画像の位置は検査対象領域内にあるとして2値化閾値を出力する。なお、走査画像の信号強度が2値化閾値と等しい場合には、例えば2値化閾値を出力する。
【0034】
比較部は、走査画像の位置が検査対象領域内にあるときに、走査画像の信号強度に代えて2値化閾値を出力することによって、以後に行う微分演算処理においてピーク信号の発生を抑制することができる。
【0035】
検査対象領域の端部の検出は、微分演算処理で得られるピーク信号を検出することによって行うため、検査対象領域内で発生するピーク信号は端部検出の際のノイズ分となり、誤検出の要因となる。本発明の比較部は、走査画像の位置が検査対象領域内にあるときに、走査画像の信号強度に代えて2値化閾値を出力することによって、端部以外でのピーク信号の発生を抑制することができる。
【0036】
微分演算部は、比較部で得られた出力を微分演算し、微分信号のピークによって検査対象領域の端部を検出する。比較部では、検査対象領域の端部を境界として、検査対象領域側の走査画像信号については、例えば、2値化閾値の信号強度などの基板側の走査画像信号よりも大きな一定信号強度を出力し、基板側の走査画像信号についてはその走査画像の信号強度のままで出力する。比較部の出力の信号強度は、端部位置において走査画像の信号強度と2値化閾値の信号強度との間で変化する。
【0037】
2値化閾値の信号強度は、基板側の走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度に設定しているため、微分演算部が検出する端部での微分値はピーク出力となる。このピーク出力は、基板側の走査画像の信号強度の微分値の変動よりも十分に識別できる程度に大きいため、ピーク検出部でこのピーク位置を検出することができる。
【0038】
領域端検出部は、ピーク検出部で検出したピーク位置を検査対象領域の端部として検出する。
【0039】
本発明のアレイ検査方法の態様では、荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像に基づいて基板上に形成されたアレイを検査するアレイ検査方法において、走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出工程と、端部検出工程で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定する検査位置特定工程とを備える。
【0040】
端部検出工程において、走査画像上において、基準位置に対して予め定めた所定の位置関係に基づいて、検査対象領域の外周部分に検出領域を設定し、検出領域内の信号強度の変化から端部を検出する。
【0041】
検出領域は、検査対象領域の外周部分の辺に1つの検出領域を設定する他に、外周部分の少なくとも一辺に2つの検出領域を設定してもよい。外周部分の少なくとも一辺に2つの検出領域を設定した場合には、この2つの検出領域内の信号強度の変化から端部の位置および傾きを検出することができる。検出領域の傾きを検出することで、ピクセルの位置精度をより向上させることができる。
【0042】
端部検出工程は、検出領域内の信号強度を2値化閾値と比較し、比較による出力を微分演算し、微分演算の演算結果のピークを検出し、ピークの位置を検査対象領域の端部として検出する。
【0043】
走査画像の信号強度と2値化閾値との比較において、比較結果に基づいて、走査画像の信号強度、又は基板部における走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度を出力する。ここで、一定信号強度は、2値化閾値の信号強度とすることができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、走査画像上においてパネルの端部の座標位置を正確に求めることができ、これによって、ピクセルの位置精度およびアレイ検査の検査精度を向上させることができる。
【0045】
本発明によれば、画像の画像歪みや画像斑によって位置ずれに影響を受けることなくパネルの端部の座標位置を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の概要を説明するための図である。
【図2】本発明のアレイ検査装置の構成例を説明するために概略ブロック図である。
【図3】本発明のアレイ検査装置における検査対象領域およびピクセルの座標位置を特定する例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明のアレイ検査装置における検査対象領域およびピクセルの座標位置を特定する例を説明するための図である。
【図5】本発明の基準位置および検出領域の他の設定例を説明するための図である。
【図6】本発明の基準位置および検出領域の他の設定例を説明するための図である。
【図7】本発明の検査対象領域の外周の一つの端部に2つの検出領域を設定する例を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の検査対象領域の外周の一つの端部に2つの検出領域を設定する例を説明するための図である。
【図9】従来のアレイ検査装置において、基板上に設けられたパネルのピクセル位置の算出を説明するための図である。
【図10】検査対象領域の座標位置のずれを説明するための図である。
【図11】パネルの特定部位の座標位置に基づいてピクセルの座標位置を求める例を示す図である。
【図12】走査画像の画像歪みや画像斑による位置ずれを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。以下では、図1を用いて本発明の概要を説明し、図2を用いて本発明のアレイ検査装置の一構成例を説明し、図3〜図6を用いて本発明のアレイ検査の第1の例を説明し、図7,8を用いて本発明のアレイ検査の第2の例を説明する。
【0048】
はじめに、図1を用いて本発明の概要について説明する。
図1は、電子線等の荷電粒子ビームを、液晶基板等の基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像を示している。走査画像は、荷電粒子の照射によって基板側から放出される電子等を検出して得られる検出信号の信号強度に基づいて形成される。図示する走査画像の濃淡は、検出信号の信号強度に依存して模式的に示している。基板上に形成されたパネルに所定パターンの検査信号を印加することによって、パネルに対応する検査対象領域(パネル領域)40には所定のパターンが現れる。図示するパターンは格子状パターンを形成している。
【0049】
本発明のアレイ検査では、検査対象領域(パネル領域)40内のピクセルの座標位置を特定する際に、検査対象領域40に位置を特定するための基準として、従来の検査対象領域40のコーナー位置45に代えて、検査対象領域40の外周の端部(パネル端)41−44を用いる。
【0050】
検査対象領域40のコーナー位置45は、コーナーの形状を目視あるいは画像処理によって検出するため、走査画像に画像歪みや画像斑がある場合にはコーナーの位置を正確に取得することが困難である。
【0051】
一方、検査対象領域40の外周の端部は基板面21と検査対象領域40との境界を表す直線部分である。走査画像の信号強度からの直線部分の検出は、コーナー形状の検出と比較して、走査画像の画像歪みや画像斑により影響を受けにくいため、検査対象領域の位置を正確に特定することができる。
【0052】
なお、検査対象領域40の外周の端部は、4つの端部41−44を用いて検査対象領域40の位置を特定する他、1つあるいは2つの端部を用いて検査対象領域40の位置を特定し、ピクセルの位置を特定してもよい。
【0053】
1つの端部を用いる場合には、例えば端部41のみを検出し、端部41をx方向(図の横方向)の基準としてピクセルを特定し、y方向(図の縦方向)については設計値等に基づいて定めた位置に基づいてピクセルを特定する。
【0054】
2つの端部を用いる場合には、例えば互いに直交する端部41と端部42を検出し、端部41をx方向(図の横方向)の基準とし、端部42をy方向(図の縦方向)の基準としてピクセルを特定する。
【0055】
また、4つの端部41−44を用いる場合には、互いに対向する端部41と端部43をx方向(図の横方向)の両端の基準とし、互いに対向する端部42と端部44にをy方向(図の縦方向)の両端の基準としてピクセルを特定する。
【0056】
図2は、本発明のアレイ検査装置の構成例を説明するための概略ブロック図である。なお、図示する構成例は一例であってこの構成に限られるものではなく、他の構成としてもよい。
【0057】
図2において、アレイ検査装置1は、電子ビーム源2、ステージ3、検出器4、走査画像形成部5,走査画像記憶部6、端部検出部7,ピクセル位置算出部8、検査部9,および制御部10を備える。
【0058】
電子ビーム源2及びステージ3は、制御部10の制御によって、ステージ3に配置したアレイ基板(図示していない)を走査し、アレイ基板から放出される二次電子等を検出器4で検出する。走査画像形成部5は検出器4で検出した検出信号を入力し、走査画像を形成する。形成された走査画像は、走査画像記憶部6に記憶する。
【0059】
本発明のアレイ検査装置1は、取得した走査画像からアレイ基板上に設けられた検査対象領域(パネル領域)を特定し、検査対象領域内のピクセルを特定してアレイ検査を行う。
【0060】
図2に示す構成において、端部検出部7は走査画像記憶部6が記憶している走査画像を読み出し、読み出した走査画像に基づいてアレイ基板の検査対象領域(パネル領域)40の外周の端部を検出し、この端部を基準として検査対象領域40の座標位置を特定する。
【0061】
ピクセル位置算出部8は、端部検出部7で特定した検査対象領域(パネル領域)40の外周の端部の座標位置を基準として、当該検査対象領域40内のピクセルの位置を算出する。ピクセル位置は、例えば、端部の座標位置にピクセルのピッチを加算することによって算出することができる。
【0062】
検査部9は、ピクセル位置算出部8で算出したピクセルの座標位置に基づいて、走査画像記憶部5から座標位置に対応する信号強度を読み出し、この信号強度に基づいてピクセルの欠陥判定を行ってアレイ検査を行う。ピクセルとアレイとは対応関係にあるため、各ピクセルの欠陥判定によって対応するアレイについて欠陥判定を行うことができる。
【0063】
制御部10は、電子ビーム源2やステージ3を駆動して、TFTアレイ基板(図示していない)上を走査し、二次電子を検出器4で検出し、走査画像を取得する。
【0064】
また、アレイ検査装置1は、端部検出部7で取得した検査対象領域40の端部の座標位置を記憶しておき、制御部10によって記憶しておいた座標位置に基づいて再度走査をおこなって走査画像を取得してもよい。
【0065】
端部検出部7は、走査画像に基づいて検査対象領域の端部を検出する構成として、走査画像抽出部7a、比較部7b、比較結果記憶部7c、微分演算部7d、ピーク検出部7e、検査対象領域(パネル領域)検出部7f、検出領域設定部7g、2値化閾値設定部7hを備える。
【0066】
走査画像抽出部7aは、検査対象領域の外周の端部を検出するための走査画像のデータを走査画像記憶部6から抽出する。端部検出部7は、走査画像20内に定めた検出領域の信号強度を用いて端部を検出することによって、走査画像20内の全ての信号強度を用いて端部を検出する場合と比較して、処理時間を短くすると共に処理装置の規模を小さくすることができる。
【0067】
検出領域設定部7gは走査画像20内に検出領域を設定し、走査画像抽出部7aはこの検出領域に基づいて走査画像を抽出する。検出領域は、走査画像20内の基準位置と検出領域との位置関係を予め定めておき、この位置関係に基づいて基準位置から検出領域を設定する。
【0068】
比較部7bは、走査画像抽出部7aで抽出した検出領域内の走査画像の信号強度を2値化閾値と比較することによって2値化処理を行う。この2値化処理では、走査画像の信号強度が2値化閾値よりも小さい場合には、走査画像の位置は基板部分内にあるとして基板部分の信号強度をそのまま出力し、走査画像の信号強度が2値化閾値よりも大きい場合には、走査画像の位置は検査対象領域内にあるとして2値化閾値を出力する。なお、走査画像の信号強度が2値化閾値と等しい場合には、例えば2値化閾値を出力する。
【0069】
この比較部7bによる2値化処理では、走査画像の位置が検査対象領域内にあるときに、走査画像の信号強度に代えて2値化閾値を出力することによって、以後に行う微分演算処理においてピーク信号の発生を抑制する。検査対象領域の端部の検出は、微分演算処理で得られるピーク信号を検出することによって行うため、検査対象領域内で発生するピーク信号は端部検出の際のノイズ分となり、誤検出の要因となる。比較部7bは、走査画像の位置が検査対象領域内にあるときに、走査画像の信号強度に代えて2値化閾値を出力することによって、端部以外でのピーク信号の発生を抑制する。
【0070】
2値化閾値は2値化閾値設定部7hに記憶しておくことができる。比較部7bは2値化閾値設定部7hから2値化閾値を読み出し、走査画像抽出部7aで抽出した検出領域内の走査画像の信号強度を読み出した2値化閾値と比較する。比較結果は、比較結果記憶部7cに記憶する。
【0071】
微分演算部7dは、比較結果記憶部7cに記憶された比較結果の出力を微分演算する。比較部7bの出力の信号強度は、端部位置において走査画像の信号強度と2値化閾値の信号強度との間で変化する。
【0072】
ここで、2値化閾値の信号強度は、基板側の走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度に設定しているため、微分演算部7dが出力する微分値は、端部においてピーク出力となり、検査対象領域内では零となる。また、端部におけるピーク出力は、基板側の走査画像の信号強度の微分値の変動よりも十分に識別できる程度に大きい。これによって、ピーク検出部7eはピーク位置を検出することができる。
【0073】
領域端検出部7fは、ピーク検出部7eで検出したピーク位置を検査対象領域の端部として検出する。
【0074】
次に、図3のフローチャートおよび図4の説明図を用いてアレイ検査装置における検査対象領域およびピクセルの座標位置を特定する例について説明する。
【0075】
電子ビームをアレイ基板上で走査(Signal Scan)して走査画像を取得する。図4(a)は走査画像の一例を模式的に示している。図示する走査画像20は、基板面21の一部と検査対象領域(パネル領域)40の一部を示している。検査対象領域40には、格子状のパターンが形成され、各格子パターンはピクセルに対応している(S1)。
【0076】
走査画像上で基準点30を定める。この基準点30は、走査画像20上で検出領域31,32を設定するための基準であり、走査画像を表示装置に表示した表示画像上で設定する他、走査画像20上の所定位置に予め設定しておいてもよい(S2)。
【0077】
基準点30に基づいて検査対象領域(パネル領域)40の辺を含む位置に検出領域31,32を設定する。検出領域31,32の設定は、基準点30と検出領域31,32との位置関係を予め定めておき、S2の工程で設定された基準点30とこの位置関係から定める。基準点30と検出領域31,32との位置関係は、例えば、基準点30と検出領域31,32上の所定位置との間のx方向およびをy方向の距離で定めることができる。図4(a)では、x方向の距離dxとy方向の距離dyによって定めている。検出領域31,32は破線の矩形で示している(S3)。
【0078】
次に、検出領域31,32内における走査画像の信号強度を抽出して2値化閾値と比較し(S4)、比較結果に基づいて2値化処理を行う(S5〜S7)。
【0079】
走査画像の信号強度と2値化閾値との比較は、例えば、検出領域31内の走査画像の信号強度をx方向について順に読み出して2値化閾値との大きさを比較し、検出領域32内の走査画像の信号強度をy方向について順に読み出して2値化閾値との大きさを比較することで行う。図4(b)は、検出領域31における信号強度を示している。検査対象領域40側の信号強度Bの信号レベルは、基板側の信号強度Aの信号レベルよりも高く、信号レベルの境界Dは検査対象領域40の外周の端部に対応している。
【0080】
2値化閾値Cの信号レベルは、基板側の信号強度Aの信号レベルと検査対象領域40側の信号強度Bの信号レベルとの間に設定し、走査画像の信号強度を2値化閾値と比較する。
【0081】
図4(c)は、S5〜S7による2値化処理の処理結果を示している。基板側の信号強度Aは2値化閾値よりも小であるため、信号強度Aの信号強度のままの信号Eとなり、検査対象領域40側の信号強度Bの信号レベルは2値化閾値よりも大であるため、2値化閾値Cの信号強度に置き換えた信号Gとなる。信号Eと信号Gの境界Fは、検査対象領域の外周の端部に対応している。
【0082】
次に、2値化処理の処理結果について微分演算を行う。この微分演算によって、検査対象領域の外周の端部に対応する位置をピーク位置で検出することができる。図4(d)は、微分演算の結果を示している(S8)。微分演算によって、信号の変動部分にピークが現れるが、基板側の信号強度Eの変動は小さいため、その微分値信号Hのピークは小さく、また、検査対象領域40側の信号強度Gは一定であるため、その微分値信号Jは0となる。一方、検査対象領域の外周の端部に対応する位置の信号強度の変動は大きいため、微分値のピーク値は微分値信号HおよびJのピーク値よりも、十分識別可能な程度に大きな値となり、容易にピーク値Iを検出することができる(S9)。
【0083】
このピーク値Iが現れる位置は、検査対象領域の外周の端部に対応しているため、ピーク位置から検査対象領域の外周の端部を検出することができる(S10)。
【0084】
検査対象領域の外周の端部の座標位置を基準として、検査対象領域内のピクセルの座標位置を算出し、算出した座標位置によってピクセルを特定する(S11)。特定したピクセルの信号強度に基づいて欠陥検査を行う(S12)。
【0085】
図4に示す例では、基準点30に対してx方向(横方向)とy方向(縦方向)に対して所定距離に検出領域31,32を設定する例を示している。基準位置および検出領域の設定は、この例に限らず別の例とすることもできる。
【0086】
図5、6を用いて、基準位置および検出領域の他の設定例について説明する。
図5(a),(b)に示す例は、基準点30から所定の傾きを有した基準線35を伸ばし、この基準線35上において、検査対象領域40の外周の端部41,42と交差する部分を含むように検出領域31,32を設定する例である。
【0087】
この例では、基準位置と検出領域との位置関係は、所定の傾きを有した基準線35と、基準点30からの距離によって定めることができる。
【0088】
図5(a)に示す例は基準点30を検査対象領域40の外側に設けた例であり、図5(b)に示す例は基準点30を検査対象領域40の内側に設けた例である。
【0089】
なお、基準点30を検査対象領域40の外側に設けた例において、基準点30は基板面21上に設ける他、基板面21から外れた位置に設けても良い。
【0090】
図6(a)に示す例は基準点30を検査対象領域40の内側に設けた例であって、基準点30からx方向の位置に検出領域31を設け、y方向の位置に検出領域32を設ける例である。
【0091】
また、図6(b)は、検査対象領域40の外周の4つの各端部41〜44を含むように4つの検出領域31〜34を設ける例を示している。
【0092】
次に、検査対象領域40の外周の一つの端部に2つの検出領域を設定する例について、図7のフローチャートおよび図8の説明図を用いて説明する。
【0093】
電子ビームをアレイ基板上で走査(Signal Scan)して走査画像を取得する。図8は走査画像の一例を模式的に示している。図示する走査画像20は、基板面21の一部と検査対象領域(パネル領域)40の一部を示している。検査対象領域40には、格子状のパターンが形成され、各格子パターンはピクセルに対応している(S1)。
【0094】
走査画像上で基準点30を定める。この基準点30は、走査画像20上で検出領域31a,31b,32a,32bを設定するための基準であり、走査画像を表示装置に表示した表示画像上で設定する他、走査画像20上の所定位置に予め設定しておいてもよい(S2)。
【0095】
基準点30に基づいて検査対象領域(パネル領域)40の辺を含む位置に検出領域31a,31b,32a,32bを設定する。検出領域31a,31bは、検査対象領域40の一つの端部(例えば、端部41)の異なる部分を含む領域であり、検出領域32a,32bは、検査対象領域40の別の一つの端部(例えば、端部42)の異なる部分を含む領域である。検出領域31a,31bを設定する端部と検出領域32a,32bを設定する端部とは互いに交差する端部としている。
【0096】
検出領域31a,31b,32a,32bの設定は、基準点30と検出領域31a,31b,32a,32bとの位置関係を予め定めておき、S2の工程で設定された基準点30とこの位置関係から定める。基準点30と検出領域31a,31b,32a,32bとの位置関係は、例えば、基準点30と検出領域31a,31b,32a,32b上の所定位置との間のx方向およびをy方向の距離で定めることができる。
【0097】
図8では、x方向の距離dx1,dx2とy方向の距離dy1,du2によって定めている。検出領域31a,31b,32a,32bは破線の矩形で示している(S3A)。
【0098】
次に、検出領域31a,31b,32a,32b内における走査画像の信号強度を抽出して2値化閾値と比較し(S4)、比較結果に基づいて2値化処理を行う(S5〜S7)。
【0099】
走査画像の信号強度と2値化閾値との比較は、例えば、検出領域31内の走査画像の信号強度をx方向について順に読み出して2値化閾値との大きさを比較し、検出領域32内の走査画像の信号強度をy方向について順に読み出して2値化閾値との大きさを比較することで行う。
【0100】
次に、2値化処理の処理結果について微分演算を行う。この微分演算によって、検査対象領域の外周の端部に対応する位置をピーク位置で検出することができる (S8,S9)。
【0101】
このピーク値Iが現れる位置は、検査対象領域の外周の端部に対応しているため、ピーク位置から検査対象領域の外周の端部を検出することができる。検査対象領域の端部41では検出領域31a,31bを設定することによって、2つの端部の座標位置が検出される(S10a)。
【0102】
この2つの座標位置を用いることによって、検査対象領域の端部の傾きを算出することができる(S10b)。
【0103】
検出領域31a,31bで得られた端部から算出した端部の傾きと、検出領域32a,32bで得られた端部から算出した端部の傾きとを用い、この傾きの直線が交差する点を求めることによって、検査対象領域40のコーナー位置45を求めることができる(S10c)。
【0104】
検査対象領域の外周の端部の座標位置および傾きを基準として、検査対象領域内のピクセルの座標位置を算出し、算出した座標位置によってピクセルを特定する(S11)。特定したピクセルの信号強度に基づいて欠陥検査を行う(S12)。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、液晶製造装置におけるTFTアレイ検査工程の他、有機ELや種々の半導体基板が備えるTFTアレイの欠陥検査に適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 アレイ検査装置
2 電子ビーム源
3 ステージ
4 検出器
5 走査画像形成部
6 走査画像記憶部
7 端部検出部
7a 走査画像抽出部
7b 比較部
7c 比較結果記憶部
7d 微分演算部
7e ピーク検出部
7f 領域端検出部
7g 検出領域設定部
7h 値化閾値設定部
8 ピクセル位置算出部
9 検査部
10 制御部
11 設定パネルコーナー位置
20 走査画像
21 基板面
30 基準点
31,32 検出領域
31a,31b,32a,32b 検出領域
35 基準線
40 検査対象領域
41−44 端部
45 コーナー位置
100 基板
101 パネル
102 基準位置
103 ピクセル
104 検査対象領域
105 検査対象領域
110 パネルコーナー位置
111 設定パネルコーナー位置
112 検査対象領域
113 基板面
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査して得られる走査画像に基づいて基板のアレイ検査を行うアレイ検査装置に関し、特に、基板上のピクセル位置の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査して得られる走査画像に基づいて基板のアレイを検査するアレイ検査が知られている。例えば、液晶パネル等のTFTディスプレイ装置に用いるTFTアレイ基板の製造工程では、製造されたTFTアレイ基板が正しく駆動するかの検査が行われる。このTFTアレイ基板検査では、例えば電子ビームをTFTアレイ基板で走査させることで走査画像を取得し、この走査画像に基づいてアレイ検査を行っている。
【0003】
電子ビームを基板上で二次元的に走査するには、電子ビームとステージをX軸方向及びY軸方向に相対的に移動することによって、通常、X軸方向に1ライン分移動して検出信号を取得した後、Y軸方向に1ライン分ずらす操作を繰り返すことによって1フレーム分の走査信号を取得している。
【0004】
走査画像によって基板のアレイ検査を行うには、パネルが備える各ピクセルの位置を走査画像で正確に特定する必要がある。
【0005】
従来、パネル内において各ピクセルの座標位置を求める際には、アレイの仕様等の設計上で定められている値を用いて計算により求めている。
【0006】
図9は、従来のアレイ検査装置において、基板上に設けられたパネルのピクセル位置の算出を説明するための図である。図9(a)は基板の設計上のパネル位置を示し、図9(b)はパネル内のピクセルを示している。
【0007】
基板は、パネルの寸法や設置面数、基板上における各パネルの配置位置等の設計値等の仕様が定められ、製造工程ではこの仕様の設計値に基づいて製造される。製造された基板をアレイ検査する際においても、この設計値に基づいて各パネルの位置及びそのパネル上の各ピクセル位置を計算によって求め、求めたピクセル位置に基づいて検査するピクセルを特定し、ピクセルに対応するアレイ検査を行う。
【0008】
図9(a)において、基板100に形成される複数のパネル101において、各パネル101の特定部位の位置を設計情報に基づいて算出して基準位置102とし、図9(b)に示すように、この基準位置102をパネル101の原点として各ピクセル103の位置を算出する。
【0009】
一枚の基板100上に、例えば16面のアクティブエリアであるパネル101が設けられる場合には、各パネル101の基準位置の座標を設計情報に基づいて算出し、得られた座標データをアレイ検査装置に入力し、座標データに基づいて電子ビームとステージをX軸方向及びY軸方向に相対的に移動させ、走査画像を取得する。
【0010】
走査画像の取得において座標位置がずれている場合には、アレイ検査においてピクセル位置がずれるため、欠陥位置の特定に時間を要することになる。この座標位置がずれる要因として、ステージの座標系と走査ビームの座標系とが一致していない場合があり、この場合には、検出信号を取得して得られる走査画像の位置とステージ上に配置した基板の位置との間に位置ずれ(走査信号の視野ずれ)が生じることになる。
【0011】
従来、この位置ずれの補正は、試料上に位置合わせのためのマークを設け、ステージを動作させながら試料上に設けたマークの位置を確認し、ステージの座標系と走査ビームの座標系を座標変換することによって行っている。また、マークを試料上に設けた場合には検査対象の基板を交換する際に生じる位置ずれの問題があるため、この問題を解消するものとして、試料を支持するステージ上にマークを設け、このマークの走査画像からステージの座標系の位置ずれや走査ビームの座標系の位置ずれを求める検査を、本願の出願人は出願している。
【0012】
前記したように設計値に基づいて計算によって求めた検査対象領域の座標位置には、基板製造工程における誤差が考慮されていないため、実際の基板上に形成される検査対象位置は、計算で得られた座標位置からずれている場合がある。この座標位置のずれは画一的でなく、製造条件や環境条件によって種々変化する。
【0013】
図10は、検査対象領域の座標位置のずれを説明するための図である。図10(a)において破線は設計情報に基づいて算出した検査対象領域104を示し、実線は実際の基板上に形成される検査対象領域105をそれぞれ模式的に示している。検査対象領域はアクティブエリアであるパネル領域に相当している。基板において、実際の検査対象領域105は、製造上の誤差によって設計上の検査対象領域104から位置ずれが生じる。この位置ずれの方向やずれ量は、同一の基板上の各検査対象領域(パネル領域)によってそれぞれ異なり画一的とならない。
【0014】
図10(b)において、実際の検査対象領域105が、設計上の検査対象領域104から位置ずれしている場合には、ピクセル103の位置も位置ずれることになり、ピクセルの位置を正確に特定することが困難となり、欠陥ピクセルの特定も困難となる。
【0015】
上記した座標位置の位置ずれを解消するために、座標位置がずれる要因として、ステージの座標系と走査ビームの座標系との関係の他に、基板上の検査対象領域の座標位置があることの見地に鑑み、走査画像中からパネルの特定部位の座標位置を取得し、この座標位置に基づいて検査位置を特定する基板検査装置を出願している(特許文献1参照)。
【0016】
特許文献1では、走査画像を表示して得られる表示画像上で特定部位を指定して座標位置を取得する他に、走査画像を画像処理することによって特定部位の座標位置を自動取得する点が開示されている。この特定部位の座標位置の自動取得は、予め設定しておいた特定部位の形状を検索キーとして検索を行う。
【0017】
図11は、パネルの特定部位の座標位置に基づいてピクセルの座標位置を求める例を示している。基板を走査して得られる走査画像20は基板面113およびパネル領域112を含み、このパネル領域112のコーナーを特定部位としてピクセル位置を特定する。
【0018】
図11では、パネル領域112のコーナー部分を設定パネルコーナー位置11として設定し、この位置に基づいてパネル領域112の端部位置を定め、ピクセル位置を定める。ピクセル位置は、例えば、端部位置を基準位置とし、この基準位置からピクセルのピッチ分だけ順次ずらすことによって特定することができる。図11では、x方向のピッチをpxとし、y方向のピッチをpyとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】国際公開WO2006/112242(段落[0072],[0073])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前記した従来技術では、走査画像上において検査対象領域(パネル領域)の特定部位としてパネルコーナーを定め、このパネルコーナーの座標位置を取得している。パネルコーナーは検査対象領域の外周の端部の辺が交差する点であるため、パネルコーナーの座標位置から検査対象領域の端部位置を取得することができ、これによってピクセルの座標位置を特定することができる。
【0021】
パネルコーナーの設定は、手動で行う場合には表示装置上に表示した表示画像に基づいて設定し、自動で行う場合にはコーナー部位の角度情報や陰影情報を検索キーとして用いることによって走査画像から検索している。
【0022】
本願の発明者は、検査対象領域(パネル領域)の端部位置を走査画像上で設定したパネルコーナーから取得した座標位置は、走査画像の画像歪みや画像斑によって位置ずれが発生する場合があり、このパネルコーナーの座標位置における位置ずれによって、取得された検査対象領域(パネル領域)の端部の座標位置と実際の検査対象領域(パネル領域)の端部の座標位置との間にずれが生じることを見出した。このように検査対象領域の端部の座標位置の誤差は、ピクセルの位置の正確な特定、および欠陥ピクセルの特定を困難となる要因となる。
【0023】
図12は、走査画像の画像歪みや画像斑による位置ずれを説明するための図である。図12において、検査対象領域(パネル領域)112は画像歪みや画像斑による位置ずれを含む場合を示している。検査対象領域112のコーナー位置に基づいて設定した設定パネルコーナー位置111(x0,y0)は、画像歪みや画像斑による位置ずれによって実際のパネルコーナー位置110(X0,Y0)との間に誤差分(Δx,Δy)の位置ずれがある。そのため、設定パネルコーナー位置111(x0,y0)に基づいてピクセルの座標位置を定めると、誤差分(Δx,Δy)だけずれた位置をピクセル位置として設定することになるため、アレイ検査においてピクセルの位置を正確に特定することができない。
【0024】
そこで、本発明は上記課題を解決して、走査画像上において検査対象領域の端部の座標位置を正確に求め、ピクセルの位置精度およびアレイ検査の検査精度を向上させることを目的とする。
【0025】
より詳細には、画像の画像歪みや画像斑によって位置ずれの影響を受けることなく検査対象領域の端部の座標位置を正確に求めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、走査画像上において検査対象領域(パネル領域)の外周の端部を検出し、この端部を基準として検査対象領域を特定し、検査対象領域のアレイ検査を行う。
【0027】
一般に、コーナー部分の形状を照合位置の検出精度は、端部の直線部分の検出精度よりも劣る。本発明は、検査対象領域(パネル領域)の外周の端部を基準として検査対象領域を特定することによって、検査対象領域のコーナー部分の形状を基にして検査対象領域の基準位置を定める場合よりも、画像の画像歪みや画像斑による位置ずれの影響を低減することができる。
【0028】
本発明は、荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像に基づいて基板上に形成されたアレイを検査するアレイ検査において、アレイ検査装置の態様およびアレイ検査方法の態様を備える。
【0029】
本発明のアレイ検査装置の態様では、走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出部を備え、端部検出部で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定する。
【0030】
端部検出部は、走査画像の信号強度を2値化閾値と比較する比較部と、比較部の出力を微分演算する微分演算部と、微分演算の演算結果のピークを検出するピーク検出部と、ピークの位置を検査対象領域の端部として検出する領域端検出部とを備える構成とすることができる。
【0031】
走査画像上において、基板部分の信号強度と検査対象領域(パネル領域)の信号強度は強度レベルに差があり、両信号強度の間の強度レベルの2値化閾値を設定することによって2値化処理を行うことができる。比較部は、走査画像の信号強度と2値化閾値とを比較して2値化処理を行う。
【0032】
比較部は、2値化処理によって2値化閾値又は基板部分の信号強度を出力する。検査対象領域(パネル領域)の信号強度が基板部分の信号強度よりも大きい場合には、基板部分の信号強度よりも大きく、基板部分の信号強度よりも小さな信号強度を2値化閾値として設定する。
【0033】
比較部は、走査画像の信号強度が2値化閾値よりも小さい場合には、走査画像の位置は基板部分内にあるとして基板部分の信号強度をそのまま出力する。一方、走査画像の信号強度が2値化閾値よりも大きい場合には、走査画像の位置は検査対象領域内にあるとして2値化閾値を出力する。なお、走査画像の信号強度が2値化閾値と等しい場合には、例えば2値化閾値を出力する。
【0034】
比較部は、走査画像の位置が検査対象領域内にあるときに、走査画像の信号強度に代えて2値化閾値を出力することによって、以後に行う微分演算処理においてピーク信号の発生を抑制することができる。
【0035】
検査対象領域の端部の検出は、微分演算処理で得られるピーク信号を検出することによって行うため、検査対象領域内で発生するピーク信号は端部検出の際のノイズ分となり、誤検出の要因となる。本発明の比較部は、走査画像の位置が検査対象領域内にあるときに、走査画像の信号強度に代えて2値化閾値を出力することによって、端部以外でのピーク信号の発生を抑制することができる。
【0036】
微分演算部は、比較部で得られた出力を微分演算し、微分信号のピークによって検査対象領域の端部を検出する。比較部では、検査対象領域の端部を境界として、検査対象領域側の走査画像信号については、例えば、2値化閾値の信号強度などの基板側の走査画像信号よりも大きな一定信号強度を出力し、基板側の走査画像信号についてはその走査画像の信号強度のままで出力する。比較部の出力の信号強度は、端部位置において走査画像の信号強度と2値化閾値の信号強度との間で変化する。
【0037】
2値化閾値の信号強度は、基板側の走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度に設定しているため、微分演算部が検出する端部での微分値はピーク出力となる。このピーク出力は、基板側の走査画像の信号強度の微分値の変動よりも十分に識別できる程度に大きいため、ピーク検出部でこのピーク位置を検出することができる。
【0038】
領域端検出部は、ピーク検出部で検出したピーク位置を検査対象領域の端部として検出する。
【0039】
本発明のアレイ検査方法の態様では、荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像に基づいて基板上に形成されたアレイを検査するアレイ検査方法において、走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出工程と、端部検出工程で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定する検査位置特定工程とを備える。
【0040】
端部検出工程において、走査画像上において、基準位置に対して予め定めた所定の位置関係に基づいて、検査対象領域の外周部分に検出領域を設定し、検出領域内の信号強度の変化から端部を検出する。
【0041】
検出領域は、検査対象領域の外周部分の辺に1つの検出領域を設定する他に、外周部分の少なくとも一辺に2つの検出領域を設定してもよい。外周部分の少なくとも一辺に2つの検出領域を設定した場合には、この2つの検出領域内の信号強度の変化から端部の位置および傾きを検出することができる。検出領域の傾きを検出することで、ピクセルの位置精度をより向上させることができる。
【0042】
端部検出工程は、検出領域内の信号強度を2値化閾値と比較し、比較による出力を微分演算し、微分演算の演算結果のピークを検出し、ピークの位置を検査対象領域の端部として検出する。
【0043】
走査画像の信号強度と2値化閾値との比較において、比較結果に基づいて、走査画像の信号強度、又は基板部における走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度を出力する。ここで、一定信号強度は、2値化閾値の信号強度とすることができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、走査画像上においてパネルの端部の座標位置を正確に求めることができ、これによって、ピクセルの位置精度およびアレイ検査の検査精度を向上させることができる。
【0045】
本発明によれば、画像の画像歪みや画像斑によって位置ずれに影響を受けることなくパネルの端部の座標位置を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の概要を説明するための図である。
【図2】本発明のアレイ検査装置の構成例を説明するために概略ブロック図である。
【図3】本発明のアレイ検査装置における検査対象領域およびピクセルの座標位置を特定する例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明のアレイ検査装置における検査対象領域およびピクセルの座標位置を特定する例を説明するための図である。
【図5】本発明の基準位置および検出領域の他の設定例を説明するための図である。
【図6】本発明の基準位置および検出領域の他の設定例を説明するための図である。
【図7】本発明の検査対象領域の外周の一つの端部に2つの検出領域を設定する例を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の検査対象領域の外周の一つの端部に2つの検出領域を設定する例を説明するための図である。
【図9】従来のアレイ検査装置において、基板上に設けられたパネルのピクセル位置の算出を説明するための図である。
【図10】検査対象領域の座標位置のずれを説明するための図である。
【図11】パネルの特定部位の座標位置に基づいてピクセルの座標位置を求める例を示す図である。
【図12】走査画像の画像歪みや画像斑による位置ずれを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。以下では、図1を用いて本発明の概要を説明し、図2を用いて本発明のアレイ検査装置の一構成例を説明し、図3〜図6を用いて本発明のアレイ検査の第1の例を説明し、図7,8を用いて本発明のアレイ検査の第2の例を説明する。
【0048】
はじめに、図1を用いて本発明の概要について説明する。
図1は、電子線等の荷電粒子ビームを、液晶基板等の基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像を示している。走査画像は、荷電粒子の照射によって基板側から放出される電子等を検出して得られる検出信号の信号強度に基づいて形成される。図示する走査画像の濃淡は、検出信号の信号強度に依存して模式的に示している。基板上に形成されたパネルに所定パターンの検査信号を印加することによって、パネルに対応する検査対象領域(パネル領域)40には所定のパターンが現れる。図示するパターンは格子状パターンを形成している。
【0049】
本発明のアレイ検査では、検査対象領域(パネル領域)40内のピクセルの座標位置を特定する際に、検査対象領域40に位置を特定するための基準として、従来の検査対象領域40のコーナー位置45に代えて、検査対象領域40の外周の端部(パネル端)41−44を用いる。
【0050】
検査対象領域40のコーナー位置45は、コーナーの形状を目視あるいは画像処理によって検出するため、走査画像に画像歪みや画像斑がある場合にはコーナーの位置を正確に取得することが困難である。
【0051】
一方、検査対象領域40の外周の端部は基板面21と検査対象領域40との境界を表す直線部分である。走査画像の信号強度からの直線部分の検出は、コーナー形状の検出と比較して、走査画像の画像歪みや画像斑により影響を受けにくいため、検査対象領域の位置を正確に特定することができる。
【0052】
なお、検査対象領域40の外周の端部は、4つの端部41−44を用いて検査対象領域40の位置を特定する他、1つあるいは2つの端部を用いて検査対象領域40の位置を特定し、ピクセルの位置を特定してもよい。
【0053】
1つの端部を用いる場合には、例えば端部41のみを検出し、端部41をx方向(図の横方向)の基準としてピクセルを特定し、y方向(図の縦方向)については設計値等に基づいて定めた位置に基づいてピクセルを特定する。
【0054】
2つの端部を用いる場合には、例えば互いに直交する端部41と端部42を検出し、端部41をx方向(図の横方向)の基準とし、端部42をy方向(図の縦方向)の基準としてピクセルを特定する。
【0055】
また、4つの端部41−44を用いる場合には、互いに対向する端部41と端部43をx方向(図の横方向)の両端の基準とし、互いに対向する端部42と端部44にをy方向(図の縦方向)の両端の基準としてピクセルを特定する。
【0056】
図2は、本発明のアレイ検査装置の構成例を説明するための概略ブロック図である。なお、図示する構成例は一例であってこの構成に限られるものではなく、他の構成としてもよい。
【0057】
図2において、アレイ検査装置1は、電子ビーム源2、ステージ3、検出器4、走査画像形成部5,走査画像記憶部6、端部検出部7,ピクセル位置算出部8、検査部9,および制御部10を備える。
【0058】
電子ビーム源2及びステージ3は、制御部10の制御によって、ステージ3に配置したアレイ基板(図示していない)を走査し、アレイ基板から放出される二次電子等を検出器4で検出する。走査画像形成部5は検出器4で検出した検出信号を入力し、走査画像を形成する。形成された走査画像は、走査画像記憶部6に記憶する。
【0059】
本発明のアレイ検査装置1は、取得した走査画像からアレイ基板上に設けられた検査対象領域(パネル領域)を特定し、検査対象領域内のピクセルを特定してアレイ検査を行う。
【0060】
図2に示す構成において、端部検出部7は走査画像記憶部6が記憶している走査画像を読み出し、読み出した走査画像に基づいてアレイ基板の検査対象領域(パネル領域)40の外周の端部を検出し、この端部を基準として検査対象領域40の座標位置を特定する。
【0061】
ピクセル位置算出部8は、端部検出部7で特定した検査対象領域(パネル領域)40の外周の端部の座標位置を基準として、当該検査対象領域40内のピクセルの位置を算出する。ピクセル位置は、例えば、端部の座標位置にピクセルのピッチを加算することによって算出することができる。
【0062】
検査部9は、ピクセル位置算出部8で算出したピクセルの座標位置に基づいて、走査画像記憶部5から座標位置に対応する信号強度を読み出し、この信号強度に基づいてピクセルの欠陥判定を行ってアレイ検査を行う。ピクセルとアレイとは対応関係にあるため、各ピクセルの欠陥判定によって対応するアレイについて欠陥判定を行うことができる。
【0063】
制御部10は、電子ビーム源2やステージ3を駆動して、TFTアレイ基板(図示していない)上を走査し、二次電子を検出器4で検出し、走査画像を取得する。
【0064】
また、アレイ検査装置1は、端部検出部7で取得した検査対象領域40の端部の座標位置を記憶しておき、制御部10によって記憶しておいた座標位置に基づいて再度走査をおこなって走査画像を取得してもよい。
【0065】
端部検出部7は、走査画像に基づいて検査対象領域の端部を検出する構成として、走査画像抽出部7a、比較部7b、比較結果記憶部7c、微分演算部7d、ピーク検出部7e、検査対象領域(パネル領域)検出部7f、検出領域設定部7g、2値化閾値設定部7hを備える。
【0066】
走査画像抽出部7aは、検査対象領域の外周の端部を検出するための走査画像のデータを走査画像記憶部6から抽出する。端部検出部7は、走査画像20内に定めた検出領域の信号強度を用いて端部を検出することによって、走査画像20内の全ての信号強度を用いて端部を検出する場合と比較して、処理時間を短くすると共に処理装置の規模を小さくすることができる。
【0067】
検出領域設定部7gは走査画像20内に検出領域を設定し、走査画像抽出部7aはこの検出領域に基づいて走査画像を抽出する。検出領域は、走査画像20内の基準位置と検出領域との位置関係を予め定めておき、この位置関係に基づいて基準位置から検出領域を設定する。
【0068】
比較部7bは、走査画像抽出部7aで抽出した検出領域内の走査画像の信号強度を2値化閾値と比較することによって2値化処理を行う。この2値化処理では、走査画像の信号強度が2値化閾値よりも小さい場合には、走査画像の位置は基板部分内にあるとして基板部分の信号強度をそのまま出力し、走査画像の信号強度が2値化閾値よりも大きい場合には、走査画像の位置は検査対象領域内にあるとして2値化閾値を出力する。なお、走査画像の信号強度が2値化閾値と等しい場合には、例えば2値化閾値を出力する。
【0069】
この比較部7bによる2値化処理では、走査画像の位置が検査対象領域内にあるときに、走査画像の信号強度に代えて2値化閾値を出力することによって、以後に行う微分演算処理においてピーク信号の発生を抑制する。検査対象領域の端部の検出は、微分演算処理で得られるピーク信号を検出することによって行うため、検査対象領域内で発生するピーク信号は端部検出の際のノイズ分となり、誤検出の要因となる。比較部7bは、走査画像の位置が検査対象領域内にあるときに、走査画像の信号強度に代えて2値化閾値を出力することによって、端部以外でのピーク信号の発生を抑制する。
【0070】
2値化閾値は2値化閾値設定部7hに記憶しておくことができる。比較部7bは2値化閾値設定部7hから2値化閾値を読み出し、走査画像抽出部7aで抽出した検出領域内の走査画像の信号強度を読み出した2値化閾値と比較する。比較結果は、比較結果記憶部7cに記憶する。
【0071】
微分演算部7dは、比較結果記憶部7cに記憶された比較結果の出力を微分演算する。比較部7bの出力の信号強度は、端部位置において走査画像の信号強度と2値化閾値の信号強度との間で変化する。
【0072】
ここで、2値化閾値の信号強度は、基板側の走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度に設定しているため、微分演算部7dが出力する微分値は、端部においてピーク出力となり、検査対象領域内では零となる。また、端部におけるピーク出力は、基板側の走査画像の信号強度の微分値の変動よりも十分に識別できる程度に大きい。これによって、ピーク検出部7eはピーク位置を検出することができる。
【0073】
領域端検出部7fは、ピーク検出部7eで検出したピーク位置を検査対象領域の端部として検出する。
【0074】
次に、図3のフローチャートおよび図4の説明図を用いてアレイ検査装置における検査対象領域およびピクセルの座標位置を特定する例について説明する。
【0075】
電子ビームをアレイ基板上で走査(Signal Scan)して走査画像を取得する。図4(a)は走査画像の一例を模式的に示している。図示する走査画像20は、基板面21の一部と検査対象領域(パネル領域)40の一部を示している。検査対象領域40には、格子状のパターンが形成され、各格子パターンはピクセルに対応している(S1)。
【0076】
走査画像上で基準点30を定める。この基準点30は、走査画像20上で検出領域31,32を設定するための基準であり、走査画像を表示装置に表示した表示画像上で設定する他、走査画像20上の所定位置に予め設定しておいてもよい(S2)。
【0077】
基準点30に基づいて検査対象領域(パネル領域)40の辺を含む位置に検出領域31,32を設定する。検出領域31,32の設定は、基準点30と検出領域31,32との位置関係を予め定めておき、S2の工程で設定された基準点30とこの位置関係から定める。基準点30と検出領域31,32との位置関係は、例えば、基準点30と検出領域31,32上の所定位置との間のx方向およびをy方向の距離で定めることができる。図4(a)では、x方向の距離dxとy方向の距離dyによって定めている。検出領域31,32は破線の矩形で示している(S3)。
【0078】
次に、検出領域31,32内における走査画像の信号強度を抽出して2値化閾値と比較し(S4)、比較結果に基づいて2値化処理を行う(S5〜S7)。
【0079】
走査画像の信号強度と2値化閾値との比較は、例えば、検出領域31内の走査画像の信号強度をx方向について順に読み出して2値化閾値との大きさを比較し、検出領域32内の走査画像の信号強度をy方向について順に読み出して2値化閾値との大きさを比較することで行う。図4(b)は、検出領域31における信号強度を示している。検査対象領域40側の信号強度Bの信号レベルは、基板側の信号強度Aの信号レベルよりも高く、信号レベルの境界Dは検査対象領域40の外周の端部に対応している。
【0080】
2値化閾値Cの信号レベルは、基板側の信号強度Aの信号レベルと検査対象領域40側の信号強度Bの信号レベルとの間に設定し、走査画像の信号強度を2値化閾値と比較する。
【0081】
図4(c)は、S5〜S7による2値化処理の処理結果を示している。基板側の信号強度Aは2値化閾値よりも小であるため、信号強度Aの信号強度のままの信号Eとなり、検査対象領域40側の信号強度Bの信号レベルは2値化閾値よりも大であるため、2値化閾値Cの信号強度に置き換えた信号Gとなる。信号Eと信号Gの境界Fは、検査対象領域の外周の端部に対応している。
【0082】
次に、2値化処理の処理結果について微分演算を行う。この微分演算によって、検査対象領域の外周の端部に対応する位置をピーク位置で検出することができる。図4(d)は、微分演算の結果を示している(S8)。微分演算によって、信号の変動部分にピークが現れるが、基板側の信号強度Eの変動は小さいため、その微分値信号Hのピークは小さく、また、検査対象領域40側の信号強度Gは一定であるため、その微分値信号Jは0となる。一方、検査対象領域の外周の端部に対応する位置の信号強度の変動は大きいため、微分値のピーク値は微分値信号HおよびJのピーク値よりも、十分識別可能な程度に大きな値となり、容易にピーク値Iを検出することができる(S9)。
【0083】
このピーク値Iが現れる位置は、検査対象領域の外周の端部に対応しているため、ピーク位置から検査対象領域の外周の端部を検出することができる(S10)。
【0084】
検査対象領域の外周の端部の座標位置を基準として、検査対象領域内のピクセルの座標位置を算出し、算出した座標位置によってピクセルを特定する(S11)。特定したピクセルの信号強度に基づいて欠陥検査を行う(S12)。
【0085】
図4に示す例では、基準点30に対してx方向(横方向)とy方向(縦方向)に対して所定距離に検出領域31,32を設定する例を示している。基準位置および検出領域の設定は、この例に限らず別の例とすることもできる。
【0086】
図5、6を用いて、基準位置および検出領域の他の設定例について説明する。
図5(a),(b)に示す例は、基準点30から所定の傾きを有した基準線35を伸ばし、この基準線35上において、検査対象領域40の外周の端部41,42と交差する部分を含むように検出領域31,32を設定する例である。
【0087】
この例では、基準位置と検出領域との位置関係は、所定の傾きを有した基準線35と、基準点30からの距離によって定めることができる。
【0088】
図5(a)に示す例は基準点30を検査対象領域40の外側に設けた例であり、図5(b)に示す例は基準点30を検査対象領域40の内側に設けた例である。
【0089】
なお、基準点30を検査対象領域40の外側に設けた例において、基準点30は基板面21上に設ける他、基板面21から外れた位置に設けても良い。
【0090】
図6(a)に示す例は基準点30を検査対象領域40の内側に設けた例であって、基準点30からx方向の位置に検出領域31を設け、y方向の位置に検出領域32を設ける例である。
【0091】
また、図6(b)は、検査対象領域40の外周の4つの各端部41〜44を含むように4つの検出領域31〜34を設ける例を示している。
【0092】
次に、検査対象領域40の外周の一つの端部に2つの検出領域を設定する例について、図7のフローチャートおよび図8の説明図を用いて説明する。
【0093】
電子ビームをアレイ基板上で走査(Signal Scan)して走査画像を取得する。図8は走査画像の一例を模式的に示している。図示する走査画像20は、基板面21の一部と検査対象領域(パネル領域)40の一部を示している。検査対象領域40には、格子状のパターンが形成され、各格子パターンはピクセルに対応している(S1)。
【0094】
走査画像上で基準点30を定める。この基準点30は、走査画像20上で検出領域31a,31b,32a,32bを設定するための基準であり、走査画像を表示装置に表示した表示画像上で設定する他、走査画像20上の所定位置に予め設定しておいてもよい(S2)。
【0095】
基準点30に基づいて検査対象領域(パネル領域)40の辺を含む位置に検出領域31a,31b,32a,32bを設定する。検出領域31a,31bは、検査対象領域40の一つの端部(例えば、端部41)の異なる部分を含む領域であり、検出領域32a,32bは、検査対象領域40の別の一つの端部(例えば、端部42)の異なる部分を含む領域である。検出領域31a,31bを設定する端部と検出領域32a,32bを設定する端部とは互いに交差する端部としている。
【0096】
検出領域31a,31b,32a,32bの設定は、基準点30と検出領域31a,31b,32a,32bとの位置関係を予め定めておき、S2の工程で設定された基準点30とこの位置関係から定める。基準点30と検出領域31a,31b,32a,32bとの位置関係は、例えば、基準点30と検出領域31a,31b,32a,32b上の所定位置との間のx方向およびをy方向の距離で定めることができる。
【0097】
図8では、x方向の距離dx1,dx2とy方向の距離dy1,du2によって定めている。検出領域31a,31b,32a,32bは破線の矩形で示している(S3A)。
【0098】
次に、検出領域31a,31b,32a,32b内における走査画像の信号強度を抽出して2値化閾値と比較し(S4)、比較結果に基づいて2値化処理を行う(S5〜S7)。
【0099】
走査画像の信号強度と2値化閾値との比較は、例えば、検出領域31内の走査画像の信号強度をx方向について順に読み出して2値化閾値との大きさを比較し、検出領域32内の走査画像の信号強度をy方向について順に読み出して2値化閾値との大きさを比較することで行う。
【0100】
次に、2値化処理の処理結果について微分演算を行う。この微分演算によって、検査対象領域の外周の端部に対応する位置をピーク位置で検出することができる (S8,S9)。
【0101】
このピーク値Iが現れる位置は、検査対象領域の外周の端部に対応しているため、ピーク位置から検査対象領域の外周の端部を検出することができる。検査対象領域の端部41では検出領域31a,31bを設定することによって、2つの端部の座標位置が検出される(S10a)。
【0102】
この2つの座標位置を用いることによって、検査対象領域の端部の傾きを算出することができる(S10b)。
【0103】
検出領域31a,31bで得られた端部から算出した端部の傾きと、検出領域32a,32bで得られた端部から算出した端部の傾きとを用い、この傾きの直線が交差する点を求めることによって、検査対象領域40のコーナー位置45を求めることができる(S10c)。
【0104】
検査対象領域の外周の端部の座標位置および傾きを基準として、検査対象領域内のピクセルの座標位置を算出し、算出した座標位置によってピクセルを特定する(S11)。特定したピクセルの信号強度に基づいて欠陥検査を行う(S12)。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、液晶製造装置におけるTFTアレイ検査工程の他、有機ELや種々の半導体基板が備えるTFTアレイの欠陥検査に適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 アレイ検査装置
2 電子ビーム源
3 ステージ
4 検出器
5 走査画像形成部
6 走査画像記憶部
7 端部検出部
7a 走査画像抽出部
7b 比較部
7c 比較結果記憶部
7d 微分演算部
7e ピーク検出部
7f 領域端検出部
7g 検出領域設定部
7h 値化閾値設定部
8 ピクセル位置算出部
9 検査部
10 制御部
11 設定パネルコーナー位置
20 走査画像
21 基板面
30 基準点
31,32 検出領域
31a,31b,32a,32b 検出領域
35 基準線
40 検査対象領域
41−44 端部
45 コーナー位置
100 基板
101 パネル
102 基準位置
103 ピクセル
104 検査対象領域
105 検査対象領域
110 パネルコーナー位置
111 設定パネルコーナー位置
112 検査対象領域
113 基板面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像に基づいて基板上に形成されたアレイを検査するアレイ検査装置において、
前記走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出部を備え、
前記端部検出部で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定することを特徴とするアレイ検査装置。
【請求項2】
前記端部検出部は、
前記走査画像の信号強度を2値化閾値と比較する比較部と、
前記比較部の出力を微分演算する微分演算部と、
前記微分演算の演算結果のピークを検出するピーク検出部と、
前記ピークの位置を検査対象領域の端部として検出する領域端検出部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のアレイ検査装置。
【請求項3】
前記比較部は、走査画像の信号強度と2値化閾値との比較において、比較結果に基づいて、走査画像の信号強度、又は基板部における走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度を出力することを特徴とする、請求項1に記載のアレイ検査装置。
【請求項4】
前記一定信号強度は、2値化閾値の信号強度であることを特徴とする、請求項3に記載のアレイ検査装置。
【請求項5】
荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像に基づいて基板上に形成されたアレイを検査するアレイ検査方法において、
前記走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出工程と、
前記端部検出工程で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定する検査位置特定工程とを備えることを特徴とするアレイ検査方法。
【請求項6】
前記端部検出工程において、
走査画像上において、基準位置に対して予め定めた所定の位置関係に基づいて、検査対象領域の外周部分に検出領域を設定し、当該検出領域内の信号強度の変化から端部を検出することを特徴とする、請求項5に記載のアレイ検査方法。
【請求項7】
前記検査対象領域の外周部分の少なくとも一辺に前記検出領域を2つ設定し、当該検出領域内の信号強度の変化から端部の位置および傾きを検出することを特徴とする、請求項6に記載のアレイ検査方法。
【請求項8】
前記端部検出工程は、
前記検出領域内の信号強度を2値化閾値と比較し、
前記比較による出力を微分演算し、
前記微分演算の演算結果のピークを検出し、
前記ピークの位置を検査対象領域の端部として検出することを特徴とする、請求項6又は7に記載のアレイ検査方法。
【請求項9】
前記走査画像の信号強度と2値化閾値との比較において、比較結果に基づいて、走査画像の信号強度、又は基板部における走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度を出力することを特徴とする、請求項8に記載のアレイ検査方法。
【請求項10】
前記一定信号強度は、2値化閾値の信号強度であることを特徴とする、請求項9に記載のアレイ検査方法。
【請求項1】
荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像に基づいて基板上に形成されたアレイを検査するアレイ検査装置において、
前記走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出部を備え、
前記端部検出部で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定することを特徴とするアレイ検査装置。
【請求項2】
前記端部検出部は、
前記走査画像の信号強度を2値化閾値と比較する比較部と、
前記比較部の出力を微分演算する微分演算部と、
前記微分演算の演算結果のピークを検出するピーク検出部と、
前記ピークの位置を検査対象領域の端部として検出する領域端検出部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のアレイ検査装置。
【請求項3】
前記比較部は、走査画像の信号強度と2値化閾値との比較において、比較結果に基づいて、走査画像の信号強度、又は基板部における走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度を出力することを特徴とする、請求項1に記載のアレイ検査装置。
【請求項4】
前記一定信号強度は、2値化閾値の信号強度であることを特徴とする、請求項3に記載のアレイ検査装置。
【請求項5】
荷電粒子ビームを基板上で二次元的に走査させて得られる走査画像に基づいて基板上に形成されたアレイを検査するアレイ検査方法において、
前記走査画像から基板上の検査対象領域の外周部分の少なくとも一つの端部を検出する端部検出工程と、
前記端部検出工程で検出した端部の座標位置に基づいて、走査画像上における検査対象領域内の検査位置を特定する検査位置特定工程とを備えることを特徴とするアレイ検査方法。
【請求項6】
前記端部検出工程において、
走査画像上において、基準位置に対して予め定めた所定の位置関係に基づいて、検査対象領域の外周部分に検出領域を設定し、当該検出領域内の信号強度の変化から端部を検出することを特徴とする、請求項5に記載のアレイ検査方法。
【請求項7】
前記検査対象領域の外周部分の少なくとも一辺に前記検出領域を2つ設定し、当該検出領域内の信号強度の変化から端部の位置および傾きを検出することを特徴とする、請求項6に記載のアレイ検査方法。
【請求項8】
前記端部検出工程は、
前記検出領域内の信号強度を2値化閾値と比較し、
前記比較による出力を微分演算し、
前記微分演算の演算結果のピークを検出し、
前記ピークの位置を検査対象領域の端部として検出することを特徴とする、請求項6又は7に記載のアレイ検査方法。
【請求項9】
前記走査画像の信号強度と2値化閾値との比較において、比較結果に基づいて、走査画像の信号強度、又は基板部における走査画像の信号強度よりも大きな一定信号強度を出力することを特徴とする、請求項8に記載のアレイ検査方法。
【請求項10】
前記一定信号強度は、2値化閾値の信号強度であることを特徴とする、請求項9に記載のアレイ検査方法。
【図2】
【図3】
【図7】
【図9】
【図10】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図11】
【図12】
【図3】
【図7】
【図9】
【図10】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−221594(P2012−221594A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83101(P2011−83101)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]