説明

アンチ・エイジング・ベッド

【課題】 加齢とともに腰痛、膝痛、肩痛、肘痛 などの障害に悩まされる人たちは多い。また、高齢者でなくても上記の障害に悩む人は多い。人間は、夜間睡眠時に固定した体位を長時間維持することが多いが、上記の障害にとってはこれは大変悪い影響を与える。とくに高齢者の場合は、上記障害に関連した関節部の潤滑液が枯渇して、長時間同じ姿勢をとっていると潤滑液が広い領域からなくなって、覚醒して動き出したときに潤滑液なしに患部を動かすことになりさらに障害を悪化させる。
【解決手段】 睡眠中に腰部、膝部、肩部、肘部などの関節を睡眠に障害がないようにゆっくり上下、左右、回転等の運動をさせることにより、潤滑液が万遍なく関節にまわるようする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰痛、膝痛、肩痛、肘痛などに悩む人のための睡眠用のベッドで、腰部、膝部、肩部、肘部などを低速度で上下、左右、回転などの運動をさせる機構を備えたシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベッドの面を自動的に変形させて使用者の配位を変えるものは下に上げた特許など多くの特許があるが、睡眠中の使用者を対象として睡眠に障害を与えない程度の速度で 身体の表記各部の痛み等の障害を除去することを意図して長時間サイクリックに動かすものはこれまでなかった。また、腰部については、上向きに寝ている使用者の腰部が上に凸にまで変形が可能なベッドはこれまでなかった。
【特許文献1】特開2004−73550
【特許文献2】特開2004−222746
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、加齢とともに腰痛、膝痛、肩痛、肘痛 などの障害に悩まされる人たちは多い。また、高齢者でなくても上記の障害に悩む多くの人に資することを意図したものである。人間は、夜間睡眠時に固定した体位を長時間維持することが多いが、上記の障害にとってはこれは大変悪い影響を与える。とくに高齢者の場合は、上記障害に関連した関節部の潤滑液が枯渇して、長時間同じ姿勢をとっていると潤滑液が広い領域からなくなって、覚醒して動き出したときに潤滑液なしに患部を動かすことになりさらに障害を悪化させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するアンチ・エイジング・ベッドは、腰部、膝部、肩部、肘部等を就寝中に使用者が感じない程度の低速で 強制的にサイクリックに動かす機構をもったベッドを提供する。 請求項1記載の発明は、就寝用のベッドで、上向きに就寝中に使用者がほとんど感じない程度の低速で、腰部は少し上に凸の配位から上に凹に曲げられ、それと同期して 膝部はぴんと伸ばした状態から下に凹に曲げられる運動をサイクリックに上下することができる機構を ベッドの平面を持ち上げたり、持ち下げたりすることによって実現する。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明のなかで、繰り返し速度、上下の振幅と上下の最高・最低点、上下の運動の波形が自由に設定できる機構を持つことにより、腰部の障害の解消をより効果的にすることができる。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1,2記載の発明において、使用者が仰向けの体位から横向き等に転じたことを検知して横向きの間は 上下運動を止めて水平状態に維持し、また、仰向けに戻ったときに上下運動を開始することによって、横向きの就寝位に対して不必要な障害が生ずることを防止する。仰向けから横向きに就寝位を転ずる また、その逆の検知を請求項4では使用者の下に設置した面圧力センサーを用い、また 請求項5では、使用者の腹部または胸部に設置したシートベルトの長さの差で検知する。
【0007】
請求項6の発明は、肩部、肘部についても就寝中に使用者がほとんど感じない程度の速度でサイクリックに肩部 肘部を動かす機構も兼ね備えた就寝用ベッドで、腰部 膝部だけでなく、肩部、肘部の障害を除去するのに寄与する。
【0008】
請求項7の発明は、請求項1.2の発明において、仰向けの姿勢を維持しているとベッド上で足側に体全体が移動するが、体全体の足側への移動を防止するためのバー構造を付置したものである。
【0009】
請求項8記載の発明は、横向きの就寝位でも腰部を低速でサイクリックに動かす機構がついていて 腰痛などで仰向けに寝ることが出来ない人でも腰痛治療を行うことができる。
【0010】
請求項9の発明は、腰部、膝部等の超低速上下運動する構造体を既存のベッドに付加することによって請求項1,2の発明の要求を達成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、高齢者だけでなく、一般に腰痛、膝痛、肩痛、肘痛等に悩まされている人たちが腰痛、膝痛、肩痛、肘痛等の障害から解放される。また、人間毎日だれでも取らなければいけない睡眠時間中に効果が期待できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態の実施例について説明する。
【実施例】
【0013】
図1は本発明に係るシステムのなかで腰痛、膝痛に対処するシステムの構成・運用図である。
【0014】
ベッドの台(1)は 胴部(1−1)上脚部(1−2)下脚部(1−3)から構成されている。胴部(1−1)上脚部(1−2)の間の下には、腰部上下運動機構(2)がついていてベッドを押し上げたり、押し下げたりする。
【0015】
図1―(I)は、人が水平に寝ている状態である。腰部上下運動機構(2)が、胴部(1−1)上脚部(1−2)の間を押し上げ、腰部を押し上げる(図1―(II))。逆に胴部(1−1)上脚部(1−2)の間を押し下げると腰部は押し下げられ、腰部は下がり膝部も曲がる(図1-(III))。
【0016】
腰部上下運動機構(2)の動力は、この例では電動モーターであるが、油圧、空気圧が使用可能である。
【0017】
腰部上下運動機構(2)の駆動は、制御装置(3)によってコントロールされる。
【0018】
図2に示したように 上下運動の運動の周期(4)、最上点(5―1)と最下点(5―2)、運動の種類、駆動時間 等を指定することができる。運動の種類は、正弦波を基本とするが、正弦波的な運動の間に休止時間(6)をおく、正弦波の頂点で静止する(7)など任意の波形を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】アンチ・エイジング・ベッドのシステム構成・運用図である。
【図2】上下運動の大きさの制御波形を示したものである。
【符号の説明】
【0020】
1 ベッドの台
1−1 胴部
1−2 上脚部
1−3 下脚
2 上下運動機構
3 制御装置
4 上下運動の周期
5−1 上下運動上昇高さ
5−2上下運動下降深さ
6 水平位置静止時間
7 最上点 最下点静止時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
就寝用のベッドで、上向きに就寝中に使用者がほとんど感じない程度の低速で、腰部は上に凸の配位から上に凹に 膝部はぴんと伸ばした状態から下に凹にサイクリックに上下する機構をもった就寝用ベッド
【請求項2】
請求項1記載の発明と同じ構成で、繰り返し速度、上下の振幅と上下の最高・最低点、上下の運動の波形が自由に設定できる機構を持った就寝用ベッド
【請求項3】
請求項1,2記載の発明において、使用者が仰向けの体位から横向き等に転じたことを検知して横向きの間は 上下運動を止めて水平状態に維持し、また、仰向けに戻ったときに上下運動を開始する就寝用ベッド
【請求項4】
請求項3に記載の発明で、仰向けから横向きに転じたことを検知するのに 使用者の下鱈の下に設置した圧力センサーで検知するもの
【請求項5】
請求項3に記載の発明で、仰向けから横向けに転じたことを検知するのに 使用者の腹部または胸部の上に設置したベルトの長さの変化から検知するもの
【請求項6】
請求項1,2,3に記載の発明で、肩部、肘部についても就寝中に使用者がほとんど感じない程度の速度でサイクリックに肩部 肘部を動かす機構ももった就寝用ベッド
【請求項7】
請求項1.2の発明において、仰向けの姿勢を維持しているとベッド上で足側に体全体が移動するが、体全体の足側への移動を防止するためのバー構造を付置したもの
【請求項8】
仰向けに寝ない人や腰痛などで仰向けに寝ることが困難なひとのために快適に横向きに寝ている状態が取りやすい構造で腰部を低速でゆっくり動かす機構がついている就寝用ベッド
【請求項9】
請求項1,2の発明において、腰部、膝部等の超低速上下運動する機構を既存のベッドに付加することによって請求項1,2の発明を達成するもの

【図1】
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【図2】
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