説明

アンテナ取り付け部材

【課題】建物の外壁に取り付けのための開口が形成されず、見栄えが悪くならず作業に手間がかからないアンテナ取り付け部材を提供する。
【解決手段】雨樋の外面の周囲を保持する環状をした雨樋取付部と、雨樋取付部から連設されアンテナが取り付けられるアンテナ取付部と、を備える。雨樋取付部は、周方向の一部に不連続部を有する弾性材からなり、雨樋取付部の不連続部の両側の互いに対向する端部にそれぞれ固着孔を有する固着片が設けられる。アンテナ取付部は、その外面にアンテナが当接するアンテナ当接面が形成される。アンテナ取付部に、アンテナ当接面の一部を通って貫通する固着孔が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨樋にアンテナが取り付けられるためのアンテナ取り付け部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、地上デジタル放送やBS放送やCS放送といった各種放送の受信のため、建物の外壁にダイポールアンテナやパラボラアンテナが取り付けられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この従来のアンテナにあっては、建物の外壁を穿設して開口を形成し、この開口を介して外壁内の外壁芯材等にブラケット取付部材を固定し、ブラケット取付部材にアンテナが取り付けられたブラケットが取り付けられて、設置されるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−312512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のアンテナの取り付けにあっては、建物の外壁が穿設されて開口が形成されるため、見栄えが悪く、建物の居住者や所有者によっては外壁が穿設されることに対し抵抗感があり、また、作業に手間がかかり設置が容易でないものであった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、建物の外壁に取り付けのための開口が形成されず、見栄えが悪くならず作業に手間がかからないアンテナ取り付け部材を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成とする。
【0008】
雨樋の外面の周囲を保持する環状をした雨樋取付部と、前記雨樋取付部から連設されアンテナが取り付けられるアンテナ取付部と、を備え、前記雨樋取付部は、周方向の一部に不連続部を有する弾性材からなり、前記雨樋取付部の前記不連続部の両側の互いに対向する端部にそれぞれ固着孔を有する固着片が設けられ、前記アンテナ取付部は、その外面に前記アンテナが当接するアンテナ当接面が形成され、前記アンテナ取付部に、前記アンテナ当接面の一部を通って貫通する固着孔が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、建物の外壁に取り付けのための開口が形成されず、見栄えが悪くならず作業に手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態のアンテナ取り付け部材の竪樋への取り付けを説明する図であり、(a)はアンテナ取り付け部材が竪樋へ取り付けられる前の平面図であり、(b)はアンテナ取り付け部材が竪樋へ取り付けられた後の平面図である。
【図2】同上のアンテナ取り付け部材の斜視図である。
【図3】アンテナ取り付け部材を介して竪樋に取り付けられたアンテナを示し、(a)は竪樋と反対側から見た斜視図であり、(b)は竪樋側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基いて説明する。
【0012】
雨樋は、本実施形態では図3に示すように、住宅やビルなどの建物の壁面に沿って上下に取り付けられる竪樋4で、壁面に取り付けられる控え具6により保持される。竪樋4は、合成樹脂で形成される円筒状をしたものであるが、特に合成樹脂製に限定されない。なお、本実施形態では雨樋は竪樋4であるが、合成樹脂で形成される円筒状をしたものであれば竪樋でなくてもよい。
【0013】
竪樋4には、本実施形態のアンテナ取り付け部材1を介して様々はアンテナ5が取り付けられる。なお、アンテナ5の形態、形状、大きさ、個数は特に限定されないものであり、本実施形態ではボックス50に収容され、図示しない配線等によりアンテナ5と建物内の電気機器とが接続されている。
【0014】
アンテナ取り付け部材1は、図2に示すように、竪樋4を保持する雨樋取付部2と、アンテナ5が取り付けられるアンテナ取付部3と、で構成される。
【0015】
雨樋取付部2は、竪樋4の外面の周囲を保持する環状をしたもので、周方向の一部に不連続部20を有する弾性材からなるもので、本実施形態では合成樹脂で形成される。そして、雨樋取付部2の不連続部20の両側の互いに対向する端部には、それぞれ、固着孔22を有する固着片21が設けられる。本実施形態では、固着孔22にはめねじが形成される。
【0016】
アンテナ取付部3は、雨樋取付部2から連設され、その外面の一部にアンテナ5が当接するアンテナ当接面30が形成されるものである。本実施形態では、アンテナ取付部3は、合成樹脂により雨樋取付部2と一体に形成されるもので、環状をした雨樋取付部2の不連続部20と対向する部分から上下両側に連設されている。そしてアンテナ取付部3には、アンテナ当接面30の一部を通って貫通する固着孔31が設けられるものである。
【0017】
次に、本実施形態のアンテナ取り付け部材1による、アンテナ5の竪樋4の取り付けについて説明する。
【0018】
まず、アンテナ5がアンテナ取付部3に取り付けられる。図2に示すように、ビス12aが竪樋4が保持される側から固着孔31に挿入され、ビス12aの頭部が固着孔31の大径部31aに収容され、ビス12aの足部が固着孔31の小径部31bを挿通する。そして、固着孔31から突出したビス12aの足部が、アンテナ5のボックス50の壁部に形成された孔部(不図示)を挿通してボックス50内に突出し、ボックス50内にてビス12aとともに固着具12をなすナット12bが足部に締結される。
【0019】
その後、アンテナ5が取り付けられたアンテナ取付部3が竪樋4に取り付けられる。図1(a)に示すように、雨樋取付部2の不連続部20の両側の端部が広げられ、竪樋4が挿通される。そして、図1(b)に示すように、雨樋取付部2の不連続部20の両側の端部が狭められ、一方の固着孔22aにねじからなる固着具11が螺入され、固着具11の足部が他方の固着孔22bに螺入され、雨樋取付部2が竪樋4の周囲を締め付ける状態となる。なお、本実施形態では固着孔22はねじ孔であるが、一方の固着孔22が貫通孔(いわゆるばか孔)となるとともに、他方の固着孔22がねじ孔となっていて、一方の固着孔22に挿入された固着具11の足部が他方の固着孔22に螺入され、雨樋取付部2が竪樋4の周囲を締め付けてもよい。また、両方の固着孔22が貫通孔なり、ビスとナットからなる固着具にて固着されてもよい。
【0020】
本実施形態のアンテナ取り付け部材1が用いられることで、建物の外壁に開口が形成される必要がないため、見栄えが悪くなるのが抑えられ、建物の居住者や所有者が外壁を穿設されることに対する抵抗感を感じることもなく、また、開口形成の作業に手間がかかることがない。また、竪樋4に取り付けられる取付部を備えていないアンテナ5でも、竪樋4に容易に取り付けられるものである。
【符号の説明】
【0021】
1 アンテナ取り付け部材
11 固着具
12 固着具
12a ビス
12b ビス
2 雨樋取付部
20 不連続部
21 固着片
22 固着孔
3 アンテナ取付部
30 アンテナ当接面
31a 大径部
31b 小径部
31 固着孔
4 竪樋
5 アンテナ
50 ボックス
6 控え具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨樋の外面の周囲を保持する環状をした雨樋取付部と、前記雨樋取付部から連設されアンテナが取り付けられるアンテナ取付部と、を備え、前記雨樋取付部は、周方向の一部に不連続部を有する弾性材からなり、前記雨樋取付部の前記不連続部の両側の互いに対向する端部にそれぞれ固着孔を有する固着片が設けられ、前記アンテナ取付部は、その外面に前記アンテナが当接するアンテナ当接面が形成され、前記アンテナ取付部に、前記アンテナ当接面の一部を通って貫通する固着孔が設けられることを特徴とするアンテナ取り付け部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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