アンテナ用落下防止金具
【課題】
マンホールの蓋の下面にマグネットにより固定されたアンテナにおいて、マンホールを開けるため工具をマンホールの鍵穴に挿入しても落下することのない状態でアンテナ本体を保持するアンテナ用の落下防止金具を提供する。
【解決手段】
本発明は、地中に埋設されたマンホールの蓋の下面、即ちマンホール内の面に、蓋に設けられている開閉用の鍵穴にアンテナ本体を嵌挿した状態でマグネットにより吸着させる構成のアンテナにおいて、アンテナ本体を保持するアンテナ部と取付部を分離し、マンホール開閉用の工具の挿入に伴ってンテナ部の摺動板を取付部の摺動ガイド板に沿って摺動させ、アンテナ部をアンテナ本体と一体で取付部に対して下方向に移動可能な構成とする。
マンホールの蓋の下面にマグネットにより固定されたアンテナにおいて、マンホールを開けるため工具をマンホールの鍵穴に挿入しても落下することのない状態でアンテナ本体を保持するアンテナ用の落下防止金具を提供する。
【解決手段】
本発明は、地中に埋設されたマンホールの蓋の下面、即ちマンホール内の面に、蓋に設けられている開閉用の鍵穴にアンテナ本体を嵌挿した状態でマグネットにより吸着させる構成のアンテナにおいて、アンテナ本体を保持するアンテナ部と取付部を分離し、マンホール開閉用の工具の挿入に伴ってンテナ部の摺動板を取付部の摺動ガイド板に沿って摺動させ、アンテナ部をアンテナ本体と一体で取付部に対して下方向に移動可能な構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路等に埋設されたライフラインのメンテナンスを行うに適したマンホールやハンドホール等(以下「マンホール」と言う)の蓋に装着可能なアンテナの落下防止金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下に埋没されライフライン(上水道、下水道、電気、ガス、電話等)の保守点検のため多種多様のマンホールが設置されている。これらライフラインの状態を把握し、維持管理のための情報を収集する無線を利用した遠隔管理システムも導入されている。無線を利用したシステムが、特開2004−7210に提案されている。同公報で提案されている構成は、必要とする情報を収集し、収集された情報の送信を制御する制御部を地中に埋設されるマンホールの枠体の内部に設置し、制御部からの情報を送信するアンテナを枠体の上部を閉塞する蓋に形成されている鍵穴に装着するものでる。この構成により、マンホールの加工を必要としない。また、制御部及びアンテナの設置が容易であり、且つアンテナがマンホールから突出することのないアンテナが可能となっている。
【特許文献1】特開2004−7210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図13に従来の遠隔管理システムの概要が示されている。マンホールは地中にコンクリート製のホール枠が埋設され、このホール枠の上部に鋳物等のマンホールの蓋7が嵌着される構成となっている。マンホールの蓋7には、通常、図14に示されるような、中央部が円形とされた矩形の鍵穴8が形成されている。マンホールの蓋7を開ける際に、図11(a)に示されるような開蓋用の工具を鍵穴8に挿入し、工具の突起部に鍵穴8の周辺部を掛けて持ち上げ、マンホールの蓋7を開けることになる。
【0004】
マンホール内には無線機2と無線機2を駆動するバッテリー5等が内蔵されている。無線機2は、例えば上水道、下水道、電気、ガス、電話等の保守点検用の測定データを送信するものである。無線機2から導出された給電ケーブ3は、マンホールの蓋7の鍵穴8に着脱可能に装着されているスロットアンテナ1の本体に接続されている。これにより、無線機2から給電ケーブル3に送出された送信信号(RF)がスロットアンテナ1の本体から送信される。
【0005】
スロットアンテナ1とマンホールの蓋7の関係が図15および図16に示めされている。スロットアンテナ1の本体はマンホールの蓋7の鍵穴8内に嵌挿し得る外形形状とされている。図15はスロットアンテナ1の本体をマンホールの蓋7の鍵穴8に装着した平面図であり、図16は、図14のA−A線で示される位置で図13に示される構成を切断した断面図である。図16に示されるように、スロットアンテナ1には平板状の取付部6が形成されており、取付部6にはマグネット部5が設けられている。
【0006】
マグネット部5は、マグネットとマグネットを抱持する強磁性体の枠体からなり、マグネットの吸着力によりスロットアンテナ1はマンホールの蓋7の裏面に吸着される。スロットアンテナ1の本体部をマンホールの蓋7の鍵穴8内に嵌挿した状態で、取付部6のマグネット部5をマンホールの蓋7の裏面に吸着させることにより、スロットアンテナ1を確実にマンホールの蓋7に取り付けることが可能となる。スロットアンテナ1には給電ケーブル3により無線機2と結合されており無線機2のアンテナとして機能する。また、必要に応じて、アンテナ部からバッテリー5に充電電圧を供給することも可能とされている。
【0007】
上記構成により、地下に埋没されライフラインの情報を収集する無線を利用した遠隔管理システムの導入に際しては、制御部をマンホールの枠体の内部に設置し、アンテナ1をマンホールの蓋7に形成されている鍵穴8に嵌挿するのみで設置が可能となる。また、アンテナ等がマンホールから突出することがなく、設置のためにマンホールに加工を施す必要はない。
【0008】
上記構成は、スロットアンテナ1のアンテナ本体をマンホールの蓋7の鍵穴8に嵌挿させた状態で、アンテナ本体と一体的に構成された取付部6のマグネット5により、アンテナ部全体を一体的にマンホールの蓋7の裏面に吸着させるものである。マンホールの蓋7の鍵穴8はスロットアンテナ1のアンテナ本体により塞がれ、且つマグネット部5の磁気吸引力により蓋7に吸着されている。マンホール内で作業を行うため、蓋7を持ち上げて開けるためには、引き上げ用の工具を鍵穴8に挿入する必要がある。工具を鍵穴8に挿入するには、鍵穴8に嵌挿されているアンテナ本体の先端に工具を当て、マグネット5の磁気吸引力に抗して工具を押し下げることにより、アンテナ部全体をマンホール内に落下させ、工具を鍵穴8に挿入する必要がある。この作業は、工具をアンテナ本体の先端に正確に当てて強力に押し下げる必要がある。また、マンホール内での作業が終了し蓋7を再び閉める際、マンホール内に落下しているアンテナ部を取り出し、再度アンテナの本体が鍵穴8に嵌挿した状態に設定し直す必要がある。これらは、消火栓等マンホールを開く作業が緊急を要する場合、あるいは夜間の作業の場合には大きな問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、地中に埋設されたマンホールの蓋の下面、即ちマンホール内の面に、蓋に設けられている開閉用の鍵穴にアンテナ本体を嵌挿した状態でマグネットにより吸着させる構成のアンテナ用の落下防止金具に関するものであり、アンテナ本体を保持するアンテナ部と取付部を分離し、アンテナ部がアンテナ本体と一体で取付部に対し摺動し移動可能な構成とされている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成により、マンホールの蓋を開けるため開閉用の工具を鍵穴に挿入しアンテナ本体の頭部を押し下げることにより、アンテナ本体を保持するアンテナ部が下方に摺動移動する。従って、工具の挿入が容易であり、工具の挿入によりアンテナがマンホール内に落下することのないマンホールの蓋に装着可能なアンテナが得られる。また、開閉用の工具を鍵穴から抜き取った時、アンテナ部は取付部を上方に摺動し、アンテナ本体が自動的に開閉用の鍵穴に嵌挿され、再設定を人手により行う必要の無いアンテナとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係るアンテナ用落下防止金具は、開閉用の鍵穴に嵌挿されるアンテナ本体を保持するアンテナ部10と、マグネットが取り付けられそのマグネットの吸着力によりマンホールの蓋に吸着される取付部40とに分離されており、両者をバネにより結合する構成となっている。また、アンテナ部は取付部を上下方向、即ちマンホールの蓋に対して垂直方向に摺動し移動する構成となっている。マンホールの蓋を開けるため、マンホールの開閉用の鍵穴に嵌挿されているアンテナ本体の先端に作業工具を当て押し下げることにより、アンテナ部はアンテナ本体と一体で取付部を下方向に摺動し移動する。アンテナ部が下方に移動することにより、作業工具も開閉用の鍵穴に挿入され、工具の突起部に鍵穴の周辺部を掛けて持ち上げ蓋を開けることが可能になる。また、作業工具を開閉用の鍵穴から抜き取ると、アンテナ部はバネの収縮力により取付部を上方向、即ちマンホールの蓋方向に摺動移動し、アンテナ本体は開閉用の鍵穴に再度嵌挿される。
なお、以下の説明ではアンテナをスロットアンテナとして説明するが、アンテナはスロットアンテナに限るものではなく、例えば、誘電体等を使用して構成されるチップアンテナ、パッチアンテナ、線状アンテナ等の小型のアンテナにも適用可能である。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の第1の実施形態のアンテナ部10とアンテナ本体12を示す図である。また、図2は取付部40の図である。図1(a)にアンテナ部10を構成する要素とアンテナ本体12が示されている。アンテナ部10は、アンテナ本体12と一体に作成されているアンテナ基盤13を保持する第1摺動板21、第2摺動板22及びスペーサ30から構成されている。なお、アンテナ本体12のほぼ中央に誘電体が充填されているスロット部が裏面から表面にわたり形成されており、アンテナ基盤13にはマンホール内に設置される通信機等と接続するための、図示されていない給電用コートが接続される。アンテナ本体12はマンホールの鍵穴に嵌挿し得る形状であり、通信機からの信号を送出し、あるいは充電用の端子として機能する。
【0013】
第1図(b)にはアンテナ本体12とアンテナ部10の各要素を組合せた斜視図が示されている。第1摺動板21がアンテナ本体12と一体的に作成れているアンテナ基盤13に、アンテナ基盤13に対してほぼ直角となるようにねじ等により固定される。また、第2摺動板22と第1摺動板21がスペーサ30を介してねじ等により固定される。第1摺動板21と第2摺動板22はスペーサ30の厚みにより決められる間隙32を保って平行となるように固定される。この間隙32により後述する取付部40の摺動ガイド板43を摺動可能に挟むことになる。
【0014】
第1摺動板及び第2摺動板21、22の左右両方向と下方向に傾斜した突出部35が形成されている。第1摺動板と第2摺動板21、22がスペーサ30を挟んでアンテナ基盤13に固定されると、第1摺動板21と第2摺動板22の対向する突出部35の傾斜により前記間隙32が左右の両外方向、及び下方向に向かって開く形状を形成する。なお、上記突出部35は必須のものではなく、以下で説明する取付部40の摺動ガイド板43に設けられるガイド穴45との関係により、アンテナ部10がガイド穴45から離脱することがない場合は、省略が可能である。
【0015】
図2はマグネットによりマンホールの蓋に固定される取付部40が示されている。なお、図2(b)では取付部40に取り付けられるマグネットを透視して描かれている。図2(a)は取付部40の前面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。取付部40は概略T字の形状である。また、取付部40の上面の取付基板42には一つあるいは複数のマグネット41が取り付けられており、マンホールの蓋の下面、即ちマンホールの内側の面に、取付基板42が蓋の下面と平行となるようにマグネットの磁気吸引力により吸着固定される。取付基板42の中央部の下面に取付基板42とほぼ直角、即ちマンホールの蓋の下面から垂直下方向となるように摺動ガイド板43が取り付けられている。
【0016】
摺動ガイド板43の中央部には、ガイド穴45があけられている。ガイド穴45の上方はストレート部46であり下方は自由部47となっている。ストレート部46は一定の幅を有する溝状の穴であり、その幅はアンテナ部10のスペーサ30が抵抗無く上下に移動可能となるように、スペーサ30の横幅より若干広く設定されている。ストレート部46の下方は幅が漸次広くなる自由部47とされている。図2に示される第1の実施形態では自由部47は略二等辺三角形の形状となっている。取付基板42において、摺動ガイド板43が取り付けられている位置より後方部の中央は、取付部40にアンテナ部10を取り付けた時、アンテナ本体12とアンテナ基盤13が位置し、マンホールの蓋の鍵穴より工具が挿入された時工具が通過するアンテナ移動部44があけられている。取付基板42と摺動ガイド板43の間には補強材49が設けてある。
【0017】
図3に取付部40の斜視図がアンテナ本体12を保持するアンテナ部10の斜視図と共に示されている。また、図4(a)は取付部40にアンテナ部10を結合した本実施態様に係るアンテナ用落下防止金具の斜視図であり、同図(b)は取付基板42の一部を透視し、取付部40とアンテナ部10の結合部を透視する図である。
【0018】
アンテナ部10の取付部40への取り付は、アンテナ部10のスペーサ30を取付部40のガイド穴45に通し、第1摺動片21を摺動ガイド板43の後面、即ちアンテナ移動部44があけられている側の面から、また第2摺動片22を摺動ガイド板43の前面から、摺動ガイド板43とスペーサ30を挟む状態で、第2摺動片22、スペーサ部30、第1摺動片21、アンテナ本体12及びアンテナ基盤13を一体にネジ止めすることによりなされる。この構成により、第1摺動片21と第2摺動片22が摺動ガイド板43を挟んだ状態でスペーサ30がガイド穴45内を上下に移動し、アンテナ部10はアンテナ本体12と一体で取付部40を上下に移動可能となる。
【0019】
アンテナ部10を取付部40へ取り付つけた後、アンテナ部10の第1摺動片21と第2摺動片22の下端と取付部40の取付基板42との間に、複数のバネ48が張られる。バネ48の張力によりアンテナ部10のスペーサ30はガイド穴45の上部に位置づけられ、アンテナ本体12が取付部40のアンテナ移動部44から上方に突き出た状態となる。
【0020】
図5の(a)乃至(c)は、図4に示されるアンテナをマンホールの蓋90に装着した状態と、マンホールを開けるため、マンホールの鍵穴91に工具92を挿入した時のアンテナ部10の動きを示す図である。図5の(a)では、アンテナが蓋90の下面にマグネット41の磁気力により吸着されている。第1摺動板21及び第2摺動板22と取付部40の取付板42の間に張られたバネ48の張力により、アンテナ部10は上方、即ちマンホールの蓋方向に引き上げられる。従って、アンテナ部10のスペーサ30はガイド穴45上部のストレート部46に位置し、アンテナ本体12の先端部がマンホールの蓋90の鍵穴91に嵌挿された状態になっている。
【0021】
図5(b)は、マンホールの蓋を開けるため開閉用の工具92(例えば図11の(a))をマンホールの蓋90の鍵穴91に露出しているアンテナ本体12の頭部に押し当て押下した状態を示している。工具92がバネ48の力に抗して押し下げられると、アンテナ部10は降下する。この時スペーサ30はガイド穴45上部のストレート部46内を降下し、アンテナ部10はマンホールの蓋からほぼ垂直に降下する。降下が進むと、スペーサ30はストレート部46を通過し、幅が徐々に広くなる自由部47に入る。この時アンテナ部10の第1摺動板21と第2摺動板22の下端に形成されている突出部35の間隙は摺動ガイド板43の下部43−1を挟む位置に到達しており、アンテナ部10はアンテナ本体12と共に安定した降下が可能である。
【0022】
図5(c)はアンテナ部10の降下が進み、スペーサ30が完全に幅広の自由部47に到達した状態を示している。スペーサ30がストレート部46を通過し終わり自由部47に入ると、スペーサ30は自由部47内を左右に移動可能となる。バネの左右の張力が異なる等の理由により、アンテナ部10は工具92の下端をはずれ、自由部47内を右あるいは左に移動する、図5(c)では右に移動した状態が示されている。アンテナ部10が自由部47内を右あるいは左に移動する際、第1摺動板21と第2摺動板22の左右に設けられている傾斜した突出部(図5(c)では右側突出部)により、摺動ガイド板43は抵抗無く間隙32に入ることが可能となる。アンテナ部10が工具92から右あるいは左に移動することにより、工具が更に押し下げられても工具のみが降下する。従って、従来の構成で発生したように、工具がアンテナを押し下げることによりマグネットがマンホールの蓋から離脱し、アンテナがマンホール内に落下すると言う問題は発生しない。
【0023】
作業が終わり工具92が鍵穴91から引き上げられると、アンテナ部10のスペーサ30はバネ48の張力によりガイド穴の自由部47の上辺の傾斜に沿って上昇しストレート部46に入る。ストレート部46に入ったスペーサ30はストレート部46をほぼ垂直に上昇する。この上昇によりアンテナ本体12はマンホールの蓋90の鍵穴91に嵌挿され、鍵穴からアンテナ本体12の頭部が露出する位置に再度位置づけされる。
【0024】
本実施態様に係るアンテナは、通常時、アンテナ部10はマンホール鍵穴内にあり電波の送出あるいは充電用の端子として機能する。マンホール内での作業のため開閉の鍵穴に工具を挿入した時、アンテナ部10のみが取付部40に対して下方に移動し、工具の挿入を妨げることがない。また、工具を不必要に押し下げた場合であっても、工具に押された取付部40のマグネットがマンホールの蓋から離脱し、アンテナ全体がマンホール内に落下することの無いアンテナとすることが可能となる。さらに、工具を鍵穴から抜き取ると、アンテナ本体12の先端は自動的に鍵穴内に戻り、アンテナを人手により再設定する必要がない。
【実施例2】
【0025】
図6(a)は摺動ガイド板に設けられるガイド穴の第2の形態を示すものである。図6(b)はマンホールの蓋を開ける工具が挿入された時のアンテナ部12の状態であり、第1態様の図5(c)に相当する。ガイド穴145の上方はストレート部146であり下方は自由部147となっている。本形態ではストレート部146は一定の幅を有する溝状の穴であり、その幅はアンテナ部10のスペーサ30が抵抗無く上下に移動可能となるように、スペーサ30の横幅より若干広く設定されている。ストレート部146の下方は右あるいは左方向にスペーサ30を導く溝状の自由部147が形成されている。溝状の自由部147は上方から工具により押されたスペーサ30が抵抗無く方向を変え移動可能となる曲線とすることが好ましい。
【0026】
図6には自由部147の下辺を円弧状としたものが示されている。工具により押されたスペーサ30がストレート部146を通過し自由部147に到達すると、自由部147の溝状の穴の辺に沿って右方向に移動する。従って、工具が更に押し下げられても、工具がアンテナ部を押し下げることはなく、アンテナをマンホール内に落下させることはない。第2の形態では自由部を左あるいは右に傾斜した溝状としたため、スペーサ30が移動可能な範囲は大きく制限される。従って、アンテナ部が自由部147内で前後にずれ、第1及び第2の摺動板により形成される間隙32が摺動ガイド板を補足できず、アンテナ部が移動不可能となる可能性が小さくなる。そのため、第1の実施形態において第1及び第2の摺動板の左右方向あるいは下方向に設けられていた逸脱防止のための傾斜部を省略することが可能となり、更に第1及び第2の摺動板を小さくすることも可能となる。
【実施例3】
【0027】
図7(a)は摺動ガイド板に設けられるガイド穴の第3の形態を示すものである。図7(b)はマンホールの蓋を開ける工具が挿入された時のアンテナ部12の状態であり、第1態様の図5(c)に相当する。ガイド穴245の上方はストレート部246であり下方は自由部247となっている。第3の形態では、ストレート部246は一定の幅を有する溝状の穴であり、その幅はアンテナ部10のスペーサ30が抵抗無く上下に移動可能となるように、スペーサ30の横幅より若干広く設定されている。ストレート部246の下方は右及び左の両方向にスペーサ30を導く溝状の自由部247が形成されている。溝状の自由部247は上方から工具により押されたスペーサ30が抵抗無く方向を変え移動可能となる曲線とすることが好ましい。
【0028】
図7には自由部247を構成する左右の溝状の穴の下辺を円弧状としたものが示されている。工具により押されたアンテナ部のスペーサ30がストレート部246を通過し自由部247に到達すると、バネ48の張力の違い、あるいは工具により押し下げられる力の状態に応じて、スペーサ30は自由部247の右あるいは左の溝状の穴の辺に沿って下方向に移動する。図7(b)は左側に移動した例が示されている。アンテナ本体12が左方向に移動したため、工具はアンテナ部10を押し下げることなく降下し、アンテナをマンホール内に落下させることはない。
【実施例4】
【0029】
図8には本発明の第4の実施形態が示されている。第4の実施形態では図8(a)に示されるように、摺動ガイド板343に形成されるガイド穴345はストレートな形状となっている。ガイド穴をストレートな形状とすることにより、アンテナ部のスペーサ30の前後に取り付けられる第1及び第2摺動板321、322の大きさは、ペーサ30がガイド穴より抜け落ちない大きさであれば良く、ガイド幅よりわずかに大きいのみで足りる。第4の実施形態のアンテナ部と構成部品の斜視図が(b)と(c)に示されている。アンテナ本体12及びアンテナ基盤13に、スペーサ30と共に取り付けられる第1及び第2の摺動板321、322は、ガイド穴345を貫通するスペーサ30がガイド穴345から脱落することのない大きさである。
【0030】
図8(d)には同図(a)に示される取付部に同図(b)及び(c)に示されるアンテナ部を取付、更にバネ48を張った第4の実施形態を第1摺動板321の側から見た図である。(ア)は通常の状態を示すものであり、アンテナ部はバネの張力によりガイド穴345の上部に位置し、アンテナ本体の上部がマンホール80の鍵穴内に嵌挿されている。アンテナ本体の頂部を開閉用の工具で押下することにより、スペーサ30はガイド穴345を降下する。この降下に伴ってアンテナ部が摺動ガイド板343に沿って降下し(イ)の状態となり、工具により鍵穴の周辺部を掛けて引き上げ、蓋を開けることが可能となる。アンテナ部は(イ)の状態から更に降下することはできない。従って、誤って工具を押し下げ続けると、アンテナ部と共に取付部を押し下げることになり、ついにはマグネット41がマンホールの蓋から離脱し、アンテナがマンホール内に落下することになる。工具が必要以上に押下され、アンテナが脱落することを防止するため、図11(b)に示されるように、工具の中程に蓋の鍵穴を通過しない大きさのストッパーを設けことが考えられる。
【実施例5】
【0031】
図9には取付部の他の構成例が示されている。図1に示される取付部40は取付基板42の中央部にほぼ直角となるように摺動ガイド板43を設置する構成であったが、図9に示される取付部の構成は、第2取付基板642と第2ガイド穴645を有する第2ガイド部643を一体に構成し取付部の前部となる第2取付部641とし、また、第1取付基板542と第1ガイド穴545を有する第1ガイド部543を一体に構成し取付部の後部となる第1取付部541とするものである。第2取付部641の第2ガイド部645の背面と第1取付部541の第1ガイド部543の背面を密着させ両部をねじ等で固定する。
【0032】
両取付部を背中合わせに固定することにより、第2取付基板642と第1取付基板542により取付部上部の取付基板となり、マグネットが搭載される。また、第2ガイド部643と第1ガイド部543が密着固定されることにより一枚の板状の摺動ガイド板となり、第2ガイド穴645と第1ガイド穴545が一つのガイド穴となる。また必要に応じて図3の補強材49に相当する補強を行う。第1及び第2のガイド突起部546、646はガイド穴のストレート部を上方に延ばし、アンテナ部がアンテナ移動部500のより上方に位置するようにするものである。この突起部の長さは、アンテナ本体の頂部がマンホールの鍵穴と同じ平面となるように決定される。図9に示される構成の取付部とすることにより、簡便に且つ強度の高い取付部の作成が可能となる。
【実施例6】
【0033】
図10は本発明に係るアンテナの第5の実施形態を示すものである。第5の実施形態では、アンテナ本体740に一体に形成されているアンテナ基盤741の前端を第1スペーサ(突起部)704を有する第1摺動板702により保持し、アンテナ基盤741の後端を第2スペーサ(突起部)705を有する第2摺動板703により保持する構成となっている。また、取付部750の前端には第1ガイド穴708を有する第1摺動ガイド板706が、取付部750の後端には第2ガイド穴709を有する第2摺動ガイド板707が設けられている。また取付基板710の中央にはアンテナ部700が上下に移動する穴であるアンテナ移動部720があけられている。
【0034】
アンテナ部700の取付部750への取り付けは、アンテナ部700の第1の突起部704と第2の突起部705が取付部750の第1ガイド穴708と第2ガイド穴709の内側から外部に出るように、アンテナ部700の第1摺動板702と第2摺動板703を取付部750の第1摺動ガイド板706と第2摺動ガイド板707の内側に当接させて取付けることによりなされる。また、例えば図5に示される第1の実施態様と同様、アンテナ部700と取付部750の間にバネを張り、アンテナ部700の上部を取付部750のアンテナ移動部720に位置づける。取付基板710に取り付けられたマグネット730によりアンテナがマンホールの蓋の裏面に吸着されると、アンテナ本体740の先端がマンホールの蓋の鍵穴内に嵌挿される。
【0035】
アンテナがマンホールに取り付けられた状態で、マンホールの蓋を開ける工具によりアンテナ本体740の頭部が押し下げられると、アンテナ本体740を保持するアンテナ部700の第1及び第2突起704、705は取付部750の第1及び第2のガイド穴708、709を下方に移動する。図5に示されるガイド穴45に対するスペーサ30の動きと同様の動きを、突起704、705がガイド穴708、709に対して行ない、工具の降下によりアンテナが押し下げられマンホール内に落下することのない動きが可能となる。また、ガイド穴708、709の形態は図6乃至図9に示される形態が採用可能である。
【0036】
図12には、誘電体等を使用して構成されるチップアンテナ、パッチアンテナ、線状アンテナ等の小型のアンテナに本発明を適用したアンテナ本体の構成を示すものである。113は図1におれるアンテナ基盤13に相当する。112はチップアンテナ、パッチアンテナ、線状アンテナ等のアンテナ本体である。114はアンテナ本体をマンホールの鍵穴に嵌挿するためのアンテナ支持部であり、アンテナ基盤13の下面等に設けられる給電コードのコネクタとアンテナ本体を結合する機能を有している。アンテナ支持部は、アンテナ部がバネの張力により取付部の上部に位置づけされたとき、アンテナ本体がマンホールの鍵穴に嵌挿され、その頭部がマンホールの表面とほぼ平面となる長さに定められる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
道路等に埋設されたライフラインのメンテナンスを行うに適したマンホールやハンドホールの蓋にアンテナを装着するに際して、本発明に係る落下防止金具を用いることにより、マンホールの蓋を開けるため開閉用の工具を鍵穴に挿入する際、工具の挿入が容易であり、工具の挿入によりアンテナがマンホール内に落下することを防止し得る。また、開閉用の工具を鍵穴から抜き取った時、アンテナ部は取付部を上方に摺動し、アンテナ部が保持するアンテナ本体が自動的に開閉用の鍵穴に嵌挿され、アンテナの再設定を人手により行う必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1の実施態様におけるアンテナ部の図
【図2】第1の実施態様における取付部の図
【図3】第1の実施態様におけるアンテナ部と取付部の斜視図
【図4】第1の実施態様の斜視図と透視図
【図5】第1の実施態様における動作図
【図6】第2の実施態様における動作図
【図7】第3の実施態様における動作図
【図8】第4の実施態様における動作図
【図9】取付部の他の構成図
【図10】第5の実施態様の斜視図
【図11】マンホール開閉用の工具を示す図
【図12】アンテナ本体の他の実施の形態を示す図
【図13】従来のマンホールアンテナの概念図
【図14】マンホールの蓋の概念図
【図15】アンテナ本体と鍵穴の図
【図16】従来のマンホールアンテナの先端部の図
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路等に埋設されたライフラインのメンテナンスを行うに適したマンホールやハンドホール等(以下「マンホール」と言う)の蓋に装着可能なアンテナの落下防止金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下に埋没されライフライン(上水道、下水道、電気、ガス、電話等)の保守点検のため多種多様のマンホールが設置されている。これらライフラインの状態を把握し、維持管理のための情報を収集する無線を利用した遠隔管理システムも導入されている。無線を利用したシステムが、特開2004−7210に提案されている。同公報で提案されている構成は、必要とする情報を収集し、収集された情報の送信を制御する制御部を地中に埋設されるマンホールの枠体の内部に設置し、制御部からの情報を送信するアンテナを枠体の上部を閉塞する蓋に形成されている鍵穴に装着するものでる。この構成により、マンホールの加工を必要としない。また、制御部及びアンテナの設置が容易であり、且つアンテナがマンホールから突出することのないアンテナが可能となっている。
【特許文献1】特開2004−7210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図13に従来の遠隔管理システムの概要が示されている。マンホールは地中にコンクリート製のホール枠が埋設され、このホール枠の上部に鋳物等のマンホールの蓋7が嵌着される構成となっている。マンホールの蓋7には、通常、図14に示されるような、中央部が円形とされた矩形の鍵穴8が形成されている。マンホールの蓋7を開ける際に、図11(a)に示されるような開蓋用の工具を鍵穴8に挿入し、工具の突起部に鍵穴8の周辺部を掛けて持ち上げ、マンホールの蓋7を開けることになる。
【0004】
マンホール内には無線機2と無線機2を駆動するバッテリー5等が内蔵されている。無線機2は、例えば上水道、下水道、電気、ガス、電話等の保守点検用の測定データを送信するものである。無線機2から導出された給電ケーブ3は、マンホールの蓋7の鍵穴8に着脱可能に装着されているスロットアンテナ1の本体に接続されている。これにより、無線機2から給電ケーブル3に送出された送信信号(RF)がスロットアンテナ1の本体から送信される。
【0005】
スロットアンテナ1とマンホールの蓋7の関係が図15および図16に示めされている。スロットアンテナ1の本体はマンホールの蓋7の鍵穴8内に嵌挿し得る外形形状とされている。図15はスロットアンテナ1の本体をマンホールの蓋7の鍵穴8に装着した平面図であり、図16は、図14のA−A線で示される位置で図13に示される構成を切断した断面図である。図16に示されるように、スロットアンテナ1には平板状の取付部6が形成されており、取付部6にはマグネット部5が設けられている。
【0006】
マグネット部5は、マグネットとマグネットを抱持する強磁性体の枠体からなり、マグネットの吸着力によりスロットアンテナ1はマンホールの蓋7の裏面に吸着される。スロットアンテナ1の本体部をマンホールの蓋7の鍵穴8内に嵌挿した状態で、取付部6のマグネット部5をマンホールの蓋7の裏面に吸着させることにより、スロットアンテナ1を確実にマンホールの蓋7に取り付けることが可能となる。スロットアンテナ1には給電ケーブル3により無線機2と結合されており無線機2のアンテナとして機能する。また、必要に応じて、アンテナ部からバッテリー5に充電電圧を供給することも可能とされている。
【0007】
上記構成により、地下に埋没されライフラインの情報を収集する無線を利用した遠隔管理システムの導入に際しては、制御部をマンホールの枠体の内部に設置し、アンテナ1をマンホールの蓋7に形成されている鍵穴8に嵌挿するのみで設置が可能となる。また、アンテナ等がマンホールから突出することがなく、設置のためにマンホールに加工を施す必要はない。
【0008】
上記構成は、スロットアンテナ1のアンテナ本体をマンホールの蓋7の鍵穴8に嵌挿させた状態で、アンテナ本体と一体的に構成された取付部6のマグネット5により、アンテナ部全体を一体的にマンホールの蓋7の裏面に吸着させるものである。マンホールの蓋7の鍵穴8はスロットアンテナ1のアンテナ本体により塞がれ、且つマグネット部5の磁気吸引力により蓋7に吸着されている。マンホール内で作業を行うため、蓋7を持ち上げて開けるためには、引き上げ用の工具を鍵穴8に挿入する必要がある。工具を鍵穴8に挿入するには、鍵穴8に嵌挿されているアンテナ本体の先端に工具を当て、マグネット5の磁気吸引力に抗して工具を押し下げることにより、アンテナ部全体をマンホール内に落下させ、工具を鍵穴8に挿入する必要がある。この作業は、工具をアンテナ本体の先端に正確に当てて強力に押し下げる必要がある。また、マンホール内での作業が終了し蓋7を再び閉める際、マンホール内に落下しているアンテナ部を取り出し、再度アンテナの本体が鍵穴8に嵌挿した状態に設定し直す必要がある。これらは、消火栓等マンホールを開く作業が緊急を要する場合、あるいは夜間の作業の場合には大きな問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、地中に埋設されたマンホールの蓋の下面、即ちマンホール内の面に、蓋に設けられている開閉用の鍵穴にアンテナ本体を嵌挿した状態でマグネットにより吸着させる構成のアンテナ用の落下防止金具に関するものであり、アンテナ本体を保持するアンテナ部と取付部を分離し、アンテナ部がアンテナ本体と一体で取付部に対し摺動し移動可能な構成とされている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成により、マンホールの蓋を開けるため開閉用の工具を鍵穴に挿入しアンテナ本体の頭部を押し下げることにより、アンテナ本体を保持するアンテナ部が下方に摺動移動する。従って、工具の挿入が容易であり、工具の挿入によりアンテナがマンホール内に落下することのないマンホールの蓋に装着可能なアンテナが得られる。また、開閉用の工具を鍵穴から抜き取った時、アンテナ部は取付部を上方に摺動し、アンテナ本体が自動的に開閉用の鍵穴に嵌挿され、再設定を人手により行う必要の無いアンテナとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係るアンテナ用落下防止金具は、開閉用の鍵穴に嵌挿されるアンテナ本体を保持するアンテナ部10と、マグネットが取り付けられそのマグネットの吸着力によりマンホールの蓋に吸着される取付部40とに分離されており、両者をバネにより結合する構成となっている。また、アンテナ部は取付部を上下方向、即ちマンホールの蓋に対して垂直方向に摺動し移動する構成となっている。マンホールの蓋を開けるため、マンホールの開閉用の鍵穴に嵌挿されているアンテナ本体の先端に作業工具を当て押し下げることにより、アンテナ部はアンテナ本体と一体で取付部を下方向に摺動し移動する。アンテナ部が下方に移動することにより、作業工具も開閉用の鍵穴に挿入され、工具の突起部に鍵穴の周辺部を掛けて持ち上げ蓋を開けることが可能になる。また、作業工具を開閉用の鍵穴から抜き取ると、アンテナ部はバネの収縮力により取付部を上方向、即ちマンホールの蓋方向に摺動移動し、アンテナ本体は開閉用の鍵穴に再度嵌挿される。
なお、以下の説明ではアンテナをスロットアンテナとして説明するが、アンテナはスロットアンテナに限るものではなく、例えば、誘電体等を使用して構成されるチップアンテナ、パッチアンテナ、線状アンテナ等の小型のアンテナにも適用可能である。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の第1の実施形態のアンテナ部10とアンテナ本体12を示す図である。また、図2は取付部40の図である。図1(a)にアンテナ部10を構成する要素とアンテナ本体12が示されている。アンテナ部10は、アンテナ本体12と一体に作成されているアンテナ基盤13を保持する第1摺動板21、第2摺動板22及びスペーサ30から構成されている。なお、アンテナ本体12のほぼ中央に誘電体が充填されているスロット部が裏面から表面にわたり形成されており、アンテナ基盤13にはマンホール内に設置される通信機等と接続するための、図示されていない給電用コートが接続される。アンテナ本体12はマンホールの鍵穴に嵌挿し得る形状であり、通信機からの信号を送出し、あるいは充電用の端子として機能する。
【0013】
第1図(b)にはアンテナ本体12とアンテナ部10の各要素を組合せた斜視図が示されている。第1摺動板21がアンテナ本体12と一体的に作成れているアンテナ基盤13に、アンテナ基盤13に対してほぼ直角となるようにねじ等により固定される。また、第2摺動板22と第1摺動板21がスペーサ30を介してねじ等により固定される。第1摺動板21と第2摺動板22はスペーサ30の厚みにより決められる間隙32を保って平行となるように固定される。この間隙32により後述する取付部40の摺動ガイド板43を摺動可能に挟むことになる。
【0014】
第1摺動板及び第2摺動板21、22の左右両方向と下方向に傾斜した突出部35が形成されている。第1摺動板と第2摺動板21、22がスペーサ30を挟んでアンテナ基盤13に固定されると、第1摺動板21と第2摺動板22の対向する突出部35の傾斜により前記間隙32が左右の両外方向、及び下方向に向かって開く形状を形成する。なお、上記突出部35は必須のものではなく、以下で説明する取付部40の摺動ガイド板43に設けられるガイド穴45との関係により、アンテナ部10がガイド穴45から離脱することがない場合は、省略が可能である。
【0015】
図2はマグネットによりマンホールの蓋に固定される取付部40が示されている。なお、図2(b)では取付部40に取り付けられるマグネットを透視して描かれている。図2(a)は取付部40の前面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。取付部40は概略T字の形状である。また、取付部40の上面の取付基板42には一つあるいは複数のマグネット41が取り付けられており、マンホールの蓋の下面、即ちマンホールの内側の面に、取付基板42が蓋の下面と平行となるようにマグネットの磁気吸引力により吸着固定される。取付基板42の中央部の下面に取付基板42とほぼ直角、即ちマンホールの蓋の下面から垂直下方向となるように摺動ガイド板43が取り付けられている。
【0016】
摺動ガイド板43の中央部には、ガイド穴45があけられている。ガイド穴45の上方はストレート部46であり下方は自由部47となっている。ストレート部46は一定の幅を有する溝状の穴であり、その幅はアンテナ部10のスペーサ30が抵抗無く上下に移動可能となるように、スペーサ30の横幅より若干広く設定されている。ストレート部46の下方は幅が漸次広くなる自由部47とされている。図2に示される第1の実施形態では自由部47は略二等辺三角形の形状となっている。取付基板42において、摺動ガイド板43が取り付けられている位置より後方部の中央は、取付部40にアンテナ部10を取り付けた時、アンテナ本体12とアンテナ基盤13が位置し、マンホールの蓋の鍵穴より工具が挿入された時工具が通過するアンテナ移動部44があけられている。取付基板42と摺動ガイド板43の間には補強材49が設けてある。
【0017】
図3に取付部40の斜視図がアンテナ本体12を保持するアンテナ部10の斜視図と共に示されている。また、図4(a)は取付部40にアンテナ部10を結合した本実施態様に係るアンテナ用落下防止金具の斜視図であり、同図(b)は取付基板42の一部を透視し、取付部40とアンテナ部10の結合部を透視する図である。
【0018】
アンテナ部10の取付部40への取り付は、アンテナ部10のスペーサ30を取付部40のガイド穴45に通し、第1摺動片21を摺動ガイド板43の後面、即ちアンテナ移動部44があけられている側の面から、また第2摺動片22を摺動ガイド板43の前面から、摺動ガイド板43とスペーサ30を挟む状態で、第2摺動片22、スペーサ部30、第1摺動片21、アンテナ本体12及びアンテナ基盤13を一体にネジ止めすることによりなされる。この構成により、第1摺動片21と第2摺動片22が摺動ガイド板43を挟んだ状態でスペーサ30がガイド穴45内を上下に移動し、アンテナ部10はアンテナ本体12と一体で取付部40を上下に移動可能となる。
【0019】
アンテナ部10を取付部40へ取り付つけた後、アンテナ部10の第1摺動片21と第2摺動片22の下端と取付部40の取付基板42との間に、複数のバネ48が張られる。バネ48の張力によりアンテナ部10のスペーサ30はガイド穴45の上部に位置づけられ、アンテナ本体12が取付部40のアンテナ移動部44から上方に突き出た状態となる。
【0020】
図5の(a)乃至(c)は、図4に示されるアンテナをマンホールの蓋90に装着した状態と、マンホールを開けるため、マンホールの鍵穴91に工具92を挿入した時のアンテナ部10の動きを示す図である。図5の(a)では、アンテナが蓋90の下面にマグネット41の磁気力により吸着されている。第1摺動板21及び第2摺動板22と取付部40の取付板42の間に張られたバネ48の張力により、アンテナ部10は上方、即ちマンホールの蓋方向に引き上げられる。従って、アンテナ部10のスペーサ30はガイド穴45上部のストレート部46に位置し、アンテナ本体12の先端部がマンホールの蓋90の鍵穴91に嵌挿された状態になっている。
【0021】
図5(b)は、マンホールの蓋を開けるため開閉用の工具92(例えば図11の(a))をマンホールの蓋90の鍵穴91に露出しているアンテナ本体12の頭部に押し当て押下した状態を示している。工具92がバネ48の力に抗して押し下げられると、アンテナ部10は降下する。この時スペーサ30はガイド穴45上部のストレート部46内を降下し、アンテナ部10はマンホールの蓋からほぼ垂直に降下する。降下が進むと、スペーサ30はストレート部46を通過し、幅が徐々に広くなる自由部47に入る。この時アンテナ部10の第1摺動板21と第2摺動板22の下端に形成されている突出部35の間隙は摺動ガイド板43の下部43−1を挟む位置に到達しており、アンテナ部10はアンテナ本体12と共に安定した降下が可能である。
【0022】
図5(c)はアンテナ部10の降下が進み、スペーサ30が完全に幅広の自由部47に到達した状態を示している。スペーサ30がストレート部46を通過し終わり自由部47に入ると、スペーサ30は自由部47内を左右に移動可能となる。バネの左右の張力が異なる等の理由により、アンテナ部10は工具92の下端をはずれ、自由部47内を右あるいは左に移動する、図5(c)では右に移動した状態が示されている。アンテナ部10が自由部47内を右あるいは左に移動する際、第1摺動板21と第2摺動板22の左右に設けられている傾斜した突出部(図5(c)では右側突出部)により、摺動ガイド板43は抵抗無く間隙32に入ることが可能となる。アンテナ部10が工具92から右あるいは左に移動することにより、工具が更に押し下げられても工具のみが降下する。従って、従来の構成で発生したように、工具がアンテナを押し下げることによりマグネットがマンホールの蓋から離脱し、アンテナがマンホール内に落下すると言う問題は発生しない。
【0023】
作業が終わり工具92が鍵穴91から引き上げられると、アンテナ部10のスペーサ30はバネ48の張力によりガイド穴の自由部47の上辺の傾斜に沿って上昇しストレート部46に入る。ストレート部46に入ったスペーサ30はストレート部46をほぼ垂直に上昇する。この上昇によりアンテナ本体12はマンホールの蓋90の鍵穴91に嵌挿され、鍵穴からアンテナ本体12の頭部が露出する位置に再度位置づけされる。
【0024】
本実施態様に係るアンテナは、通常時、アンテナ部10はマンホール鍵穴内にあり電波の送出あるいは充電用の端子として機能する。マンホール内での作業のため開閉の鍵穴に工具を挿入した時、アンテナ部10のみが取付部40に対して下方に移動し、工具の挿入を妨げることがない。また、工具を不必要に押し下げた場合であっても、工具に押された取付部40のマグネットがマンホールの蓋から離脱し、アンテナ全体がマンホール内に落下することの無いアンテナとすることが可能となる。さらに、工具を鍵穴から抜き取ると、アンテナ本体12の先端は自動的に鍵穴内に戻り、アンテナを人手により再設定する必要がない。
【実施例2】
【0025】
図6(a)は摺動ガイド板に設けられるガイド穴の第2の形態を示すものである。図6(b)はマンホールの蓋を開ける工具が挿入された時のアンテナ部12の状態であり、第1態様の図5(c)に相当する。ガイド穴145の上方はストレート部146であり下方は自由部147となっている。本形態ではストレート部146は一定の幅を有する溝状の穴であり、その幅はアンテナ部10のスペーサ30が抵抗無く上下に移動可能となるように、スペーサ30の横幅より若干広く設定されている。ストレート部146の下方は右あるいは左方向にスペーサ30を導く溝状の自由部147が形成されている。溝状の自由部147は上方から工具により押されたスペーサ30が抵抗無く方向を変え移動可能となる曲線とすることが好ましい。
【0026】
図6には自由部147の下辺を円弧状としたものが示されている。工具により押されたスペーサ30がストレート部146を通過し自由部147に到達すると、自由部147の溝状の穴の辺に沿って右方向に移動する。従って、工具が更に押し下げられても、工具がアンテナ部を押し下げることはなく、アンテナをマンホール内に落下させることはない。第2の形態では自由部を左あるいは右に傾斜した溝状としたため、スペーサ30が移動可能な範囲は大きく制限される。従って、アンテナ部が自由部147内で前後にずれ、第1及び第2の摺動板により形成される間隙32が摺動ガイド板を補足できず、アンテナ部が移動不可能となる可能性が小さくなる。そのため、第1の実施形態において第1及び第2の摺動板の左右方向あるいは下方向に設けられていた逸脱防止のための傾斜部を省略することが可能となり、更に第1及び第2の摺動板を小さくすることも可能となる。
【実施例3】
【0027】
図7(a)は摺動ガイド板に設けられるガイド穴の第3の形態を示すものである。図7(b)はマンホールの蓋を開ける工具が挿入された時のアンテナ部12の状態であり、第1態様の図5(c)に相当する。ガイド穴245の上方はストレート部246であり下方は自由部247となっている。第3の形態では、ストレート部246は一定の幅を有する溝状の穴であり、その幅はアンテナ部10のスペーサ30が抵抗無く上下に移動可能となるように、スペーサ30の横幅より若干広く設定されている。ストレート部246の下方は右及び左の両方向にスペーサ30を導く溝状の自由部247が形成されている。溝状の自由部247は上方から工具により押されたスペーサ30が抵抗無く方向を変え移動可能となる曲線とすることが好ましい。
【0028】
図7には自由部247を構成する左右の溝状の穴の下辺を円弧状としたものが示されている。工具により押されたアンテナ部のスペーサ30がストレート部246を通過し自由部247に到達すると、バネ48の張力の違い、あるいは工具により押し下げられる力の状態に応じて、スペーサ30は自由部247の右あるいは左の溝状の穴の辺に沿って下方向に移動する。図7(b)は左側に移動した例が示されている。アンテナ本体12が左方向に移動したため、工具はアンテナ部10を押し下げることなく降下し、アンテナをマンホール内に落下させることはない。
【実施例4】
【0029】
図8には本発明の第4の実施形態が示されている。第4の実施形態では図8(a)に示されるように、摺動ガイド板343に形成されるガイド穴345はストレートな形状となっている。ガイド穴をストレートな形状とすることにより、アンテナ部のスペーサ30の前後に取り付けられる第1及び第2摺動板321、322の大きさは、ペーサ30がガイド穴より抜け落ちない大きさであれば良く、ガイド幅よりわずかに大きいのみで足りる。第4の実施形態のアンテナ部と構成部品の斜視図が(b)と(c)に示されている。アンテナ本体12及びアンテナ基盤13に、スペーサ30と共に取り付けられる第1及び第2の摺動板321、322は、ガイド穴345を貫通するスペーサ30がガイド穴345から脱落することのない大きさである。
【0030】
図8(d)には同図(a)に示される取付部に同図(b)及び(c)に示されるアンテナ部を取付、更にバネ48を張った第4の実施形態を第1摺動板321の側から見た図である。(ア)は通常の状態を示すものであり、アンテナ部はバネの張力によりガイド穴345の上部に位置し、アンテナ本体の上部がマンホール80の鍵穴内に嵌挿されている。アンテナ本体の頂部を開閉用の工具で押下することにより、スペーサ30はガイド穴345を降下する。この降下に伴ってアンテナ部が摺動ガイド板343に沿って降下し(イ)の状態となり、工具により鍵穴の周辺部を掛けて引き上げ、蓋を開けることが可能となる。アンテナ部は(イ)の状態から更に降下することはできない。従って、誤って工具を押し下げ続けると、アンテナ部と共に取付部を押し下げることになり、ついにはマグネット41がマンホールの蓋から離脱し、アンテナがマンホール内に落下することになる。工具が必要以上に押下され、アンテナが脱落することを防止するため、図11(b)に示されるように、工具の中程に蓋の鍵穴を通過しない大きさのストッパーを設けことが考えられる。
【実施例5】
【0031】
図9には取付部の他の構成例が示されている。図1に示される取付部40は取付基板42の中央部にほぼ直角となるように摺動ガイド板43を設置する構成であったが、図9に示される取付部の構成は、第2取付基板642と第2ガイド穴645を有する第2ガイド部643を一体に構成し取付部の前部となる第2取付部641とし、また、第1取付基板542と第1ガイド穴545を有する第1ガイド部543を一体に構成し取付部の後部となる第1取付部541とするものである。第2取付部641の第2ガイド部645の背面と第1取付部541の第1ガイド部543の背面を密着させ両部をねじ等で固定する。
【0032】
両取付部を背中合わせに固定することにより、第2取付基板642と第1取付基板542により取付部上部の取付基板となり、マグネットが搭載される。また、第2ガイド部643と第1ガイド部543が密着固定されることにより一枚の板状の摺動ガイド板となり、第2ガイド穴645と第1ガイド穴545が一つのガイド穴となる。また必要に応じて図3の補強材49に相当する補強を行う。第1及び第2のガイド突起部546、646はガイド穴のストレート部を上方に延ばし、アンテナ部がアンテナ移動部500のより上方に位置するようにするものである。この突起部の長さは、アンテナ本体の頂部がマンホールの鍵穴と同じ平面となるように決定される。図9に示される構成の取付部とすることにより、簡便に且つ強度の高い取付部の作成が可能となる。
【実施例6】
【0033】
図10は本発明に係るアンテナの第5の実施形態を示すものである。第5の実施形態では、アンテナ本体740に一体に形成されているアンテナ基盤741の前端を第1スペーサ(突起部)704を有する第1摺動板702により保持し、アンテナ基盤741の後端を第2スペーサ(突起部)705を有する第2摺動板703により保持する構成となっている。また、取付部750の前端には第1ガイド穴708を有する第1摺動ガイド板706が、取付部750の後端には第2ガイド穴709を有する第2摺動ガイド板707が設けられている。また取付基板710の中央にはアンテナ部700が上下に移動する穴であるアンテナ移動部720があけられている。
【0034】
アンテナ部700の取付部750への取り付けは、アンテナ部700の第1の突起部704と第2の突起部705が取付部750の第1ガイド穴708と第2ガイド穴709の内側から外部に出るように、アンテナ部700の第1摺動板702と第2摺動板703を取付部750の第1摺動ガイド板706と第2摺動ガイド板707の内側に当接させて取付けることによりなされる。また、例えば図5に示される第1の実施態様と同様、アンテナ部700と取付部750の間にバネを張り、アンテナ部700の上部を取付部750のアンテナ移動部720に位置づける。取付基板710に取り付けられたマグネット730によりアンテナがマンホールの蓋の裏面に吸着されると、アンテナ本体740の先端がマンホールの蓋の鍵穴内に嵌挿される。
【0035】
アンテナがマンホールに取り付けられた状態で、マンホールの蓋を開ける工具によりアンテナ本体740の頭部が押し下げられると、アンテナ本体740を保持するアンテナ部700の第1及び第2突起704、705は取付部750の第1及び第2のガイド穴708、709を下方に移動する。図5に示されるガイド穴45に対するスペーサ30の動きと同様の動きを、突起704、705がガイド穴708、709に対して行ない、工具の降下によりアンテナが押し下げられマンホール内に落下することのない動きが可能となる。また、ガイド穴708、709の形態は図6乃至図9に示される形態が採用可能である。
【0036】
図12には、誘電体等を使用して構成されるチップアンテナ、パッチアンテナ、線状アンテナ等の小型のアンテナに本発明を適用したアンテナ本体の構成を示すものである。113は図1におれるアンテナ基盤13に相当する。112はチップアンテナ、パッチアンテナ、線状アンテナ等のアンテナ本体である。114はアンテナ本体をマンホールの鍵穴に嵌挿するためのアンテナ支持部であり、アンテナ基盤13の下面等に設けられる給電コードのコネクタとアンテナ本体を結合する機能を有している。アンテナ支持部は、アンテナ部がバネの張力により取付部の上部に位置づけされたとき、アンテナ本体がマンホールの鍵穴に嵌挿され、その頭部がマンホールの表面とほぼ平面となる長さに定められる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
道路等に埋設されたライフラインのメンテナンスを行うに適したマンホールやハンドホールの蓋にアンテナを装着するに際して、本発明に係る落下防止金具を用いることにより、マンホールの蓋を開けるため開閉用の工具を鍵穴に挿入する際、工具の挿入が容易であり、工具の挿入によりアンテナがマンホール内に落下することを防止し得る。また、開閉用の工具を鍵穴から抜き取った時、アンテナ部は取付部を上方に摺動し、アンテナ部が保持するアンテナ本体が自動的に開閉用の鍵穴に嵌挿され、アンテナの再設定を人手により行う必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1の実施態様におけるアンテナ部の図
【図2】第1の実施態様における取付部の図
【図3】第1の実施態様におけるアンテナ部と取付部の斜視図
【図4】第1の実施態様の斜視図と透視図
【図5】第1の実施態様における動作図
【図6】第2の実施態様における動作図
【図7】第3の実施態様における動作図
【図8】第4の実施態様における動作図
【図9】取付部の他の構成図
【図10】第5の実施態様の斜視図
【図11】マンホール開閉用の工具を示す図
【図12】アンテナ本体の他の実施の形態を示す図
【図13】従来のマンホールアンテナの概念図
【図14】マンホールの蓋の概念図
【図15】アンテナ本体と鍵穴の図
【図16】従来のマンホールアンテナの先端部の図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設される枠体の上部を閉塞する導電性の蓋に形成されている鍵穴に装着されるアンテナ用の落下防止金具であって、
前記鍵穴内に嵌着可能な形状とされている導電性のアンテナ本体を保持するアンテナ部と、
前記アンテナ部が摺動可能に設置される取付部とからなり、
前記鍵穴内に嵌着されているアンテナ本体を押し下げることによりアンテナ部がアンテナ本体と一体で取付部を摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ用落下防止金具であって、
アンテナ部に摺動板が設けられ、取付部に摺動ガイド板が設けられており、
前記摺動板が前記摺動ガイド板に沿って摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項3】
請求項2記載のアンテナ用落下防止金具であって、
アンテナ部には二枚の摺動板が設けられ、取付部に摺動ガイド板が設けられており、
前記二枚の摺動板が前記摺動ガイド板を挟んで摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3記載のアンテナ用落下防止金具であって、
アンテナ部にスペーサが設けられ、取付部にガイド穴が設けられており、
前記スペーサが前記ガイド穴を移動することによりアンテナ部が取付部を摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項5】
請求項4記載のアンテナ用落下防止金具であって、
前記ガイド穴は直線状のストレート部と幅がストレート部より漸次幅広となる自由部からなることを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項6】
請求項4記載のアンテナ用落下防止金具であって、
前記ガイド穴は直線状のストレート部とストレート部より右あるいは左の一方向、あるいは右と左の両方向に屈曲した自由部からなることを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項7】
請求項4記載のアンテナ用落下防止金具であって、
前記ガイド穴は直線状であることを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項8】
請求項2ないし請求項7記載のアンテナ用落下防止金具であって、
前記摺動板の左右側部および/あるいは下部に突出部を有することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項9】
請求項2記載のアンテナ用落下防止金具であって、
アンテナ部の前端及び後端に摺動板が設けられ、取付部の前端及び後端に摺動ガイド板が設けられており、
前記摺動板が摺動ガイド板に沿って摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項1】
地中に埋設される枠体の上部を閉塞する導電性の蓋に形成されている鍵穴に装着されるアンテナ用の落下防止金具であって、
前記鍵穴内に嵌着可能な形状とされている導電性のアンテナ本体を保持するアンテナ部と、
前記アンテナ部が摺動可能に設置される取付部とからなり、
前記鍵穴内に嵌着されているアンテナ本体を押し下げることによりアンテナ部がアンテナ本体と一体で取付部を摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ用落下防止金具であって、
アンテナ部に摺動板が設けられ、取付部に摺動ガイド板が設けられており、
前記摺動板が前記摺動ガイド板に沿って摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項3】
請求項2記載のアンテナ用落下防止金具であって、
アンテナ部には二枚の摺動板が設けられ、取付部に摺動ガイド板が設けられており、
前記二枚の摺動板が前記摺動ガイド板を挟んで摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3記載のアンテナ用落下防止金具であって、
アンテナ部にスペーサが設けられ、取付部にガイド穴が設けられており、
前記スペーサが前記ガイド穴を移動することによりアンテナ部が取付部を摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項5】
請求項4記載のアンテナ用落下防止金具であって、
前記ガイド穴は直線状のストレート部と幅がストレート部より漸次幅広となる自由部からなることを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項6】
請求項4記載のアンテナ用落下防止金具であって、
前記ガイド穴は直線状のストレート部とストレート部より右あるいは左の一方向、あるいは右と左の両方向に屈曲した自由部からなることを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項7】
請求項4記載のアンテナ用落下防止金具であって、
前記ガイド穴は直線状であることを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項8】
請求項2ないし請求項7記載のアンテナ用落下防止金具であって、
前記摺動板の左右側部および/あるいは下部に突出部を有することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【請求項9】
請求項2記載のアンテナ用落下防止金具であって、
アンテナ部の前端及び後端に摺動板が設けられ、取付部の前端及び後端に摺動ガイド板が設けられており、
前記摺動板が摺動ガイド板に沿って摺動することを特徴とするアンテナ用落下防止金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−253773(P2006−253773A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63599(P2005−63599)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(593085668)株式会社カナデン (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(593085668)株式会社カナデン (2)
【Fターム(参考)】
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