説明

アンテナ装置、放送受信装置および複合無線装置

【課題】バリキャップダイオードのような容量値のばらつきの影響が少なく、かつ、インダクタによる損失も低減できる周波数可変アンテナを実現する。
【解決手段】アンテナに接続される第1のインダクタ3と、第1のインダクタ3に直列に接続される第2のインダクタ4と、第1のインダクタ3に並列に接続され、選択的にON/OFFされる第1のスイッチング素子(PINダイオード)5aと、第2のインダクタ4に並列に接続され、選択的にON/OFFされる第2のスイッチング素子(PINダイオード)5bとを備え、外部からの信号により第1および第2のスイッチング素子5a,5bをそれぞれ独立に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信周波数可変のアンテナ装置ならびにこれを用いた放送受信装置および複合無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波デジタル放送、地上デジタルラジオ放送(3セグ)、MediaFLOなどの無線システムは800MHz以下の比較的低い周波数を利用している。これらの無線システムに対応した受信装置のアンテナには、良好な受信特性を得るためにホイップアンテナが用いられる。
【0003】
しかし、デザインの多様性やコストの観点から、ホイップアンテナのような外部アンテナではなくアンテナを内蔵化することも求められている。その場合、アンテナの小形化に伴い周波数特性は狭帯域となり、一定水準において所望の周波数帯域の受信特性の条件を満足することが困難となっている。
【0004】
この問題の解決手段として、FM、VHF、UHF、地上波デジタル放送などの放送帯で使用される小型で広帯域のアンテナに関し、同調周波数をバリキャップダイオードで切替えることにより所望の周波数帯域を満足する手法が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、受信周波数を可変する技術として、PINダイオードとそれと並列に接続されたインダクタとを組み合わせた技術が提案されている(特許文献2参照)。この周波数の可変制御は、アンテナ切換ダイバーシチを搭載した無線機において、複数のアンテナにおける受信電力の強度によってアンテナ切換回路を制御してアンテナを選択する際に、非選択アンテナのアンテナ整合回路の共振周波数を受信周波数からずらすためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−113233号公報
【特許文献2】特開2001−057529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載のようなバリキャップダイオードによる周波数の切替え手法では、アンテナ直下に100nH(直流抵抗3Ω)程度のインダクタを設け周波数を低くし、バリキャップダイオードの容量値制御で周波数を高域へ調整する。そのため、原理上、特に高い周波数において狭帯域になり、インダクタによる損失も大きい。また、狭帯域なため、ほぼ1チャンネルごとの周波数切替えが必要となる。このとき、バリキャップダイオード素子ごとの容量値のばらつきが問題となる。チャンネルごとの切替のため、少し容量が変わっただけでも最適制御設定からずれてしまい、そのときの損失は大きくなってしまう。同様に、狭帯域特性によりアンテナ近傍の伝搬環境の変化(人体の影響等)に対する劣化が大きくなる。
【0008】
上記特許文献2に記載の技術を利用すれば、PINダイオードのON/OFFで高周波信号の経路を変化させ、アンテナの受信周波数を変化させることができる。すなわち、PINダイオードがONのとき高い周波数設定となり、このとき、インダクタは介さないので損失は小さく抑えられる。しかし、ダイオード1つの構成では前述のような低い周波数システムの所望帯域全てを満足することが出来ない。
【0009】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、バリキャップダイオードのような容量値のばらつきの影響が少なく、かつ、インダクタによる損失も低減できる周波数可変アンテナを実現するアンテナ装置、これを用いた受信装置および複合無線装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるアンテナ装置は、アンテナに接続される第1のインダクタと、第1のインダクタに直列に接続される第2のインダクタと、前記第1のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第1のスイッチング素子と、前記第2のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第2のスイッチング素子と、外部からの信号により前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ独立に制御するバイアス手段とを備えたものである。
【0011】
前記第1および第2のスイッチング素子の導通制御により、前記第1および第2のインダクタのインダクタンスの組み合わせが4通り得られ、それにより、広範囲にわたるアンテナ装置の周波数帯域の切替えが行える。
【0012】
前記アンテナは、例えば、放送信号の受信用アンテナである。
【0013】
一実施の態様として、前記スイッチング素子はダイオードにより構成され、前記バイアス手段は、前記ダイオードのアノード側に常時電圧Vaを印加するとともに、前記ダイオードのカソード側に選択的に電圧Vbまたは接地電位を印加し、Vb>Vaとする。
【0014】
本発明による放送受信装置は、放送電波を受信するアンテナと、このアンテナに接続されたアンテナ回路と、このアンテナ回路の出力を受信する受信部とを備え、前記アンテナ回路は、アンテナに接続される第1のインダクタと、第1のインダクタに直列に接続される第2のインダクタと、前記第1のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第1のスイッチング素子と、前記第2のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第2のスイッチング素子と、前記受信部からの信号により前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ独立にON/OFFするバイアス手段とを有する。
【0015】
本発明による複合無線装置は、放送電波を受信するアンテナと、このアンテナに接続されたアンテナ回路と、このアンテナ回路の出力を受信する受信部と、通信用の電波を送受信するアンテナと、通信用の送受信を行う通信部とを備える。前記アンテナ回路は、アンテナに接続される第1のインダクタと、第1のインダクタに直列に接続される第2のインダクタと、前記第1のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第1のスイッチング素子と、前記第2のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第2のスイッチング素子と、前記受信部からの信号により前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ独立にON/OFFするバイアス手段とを有し、前記スイッチング素子はダイオードにより構成される。前記バイアス手段は、前記ダイオードのアノード側に常時電圧Vaを印加するとともに、前記ダイオードのカソード側に選択的に電圧Vbまたは接地電位を印加し、Vb>Vaとする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、バリキャップダイオードのような容量値のばらつきの影響が少なく、インダクタによる損失も低減できる周波数可変アンテナを提供することができる。
【0017】
また、第1および第2のインダクタを直列に接続するとともに、各インダクタの両端にスイッチング素子を接続してその導通状態を独立に制御することにより、少なくとも4つの状態を切り替えて、広い周波数範囲にわたる周波数の切替えが可能になる。その1状態でカバーできる周波数範囲が広いので、アンテナ近傍の伝搬環境の変化(人体の影響等)に対する劣化を比較的小さく出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の受信装置の帯域切替え回路の簡略図(高周波部分)である。
【図2】図1に示した受信装置の帯域切替え回路のより具体的な回路構成を示した回路図である。
【図3】図2の受信装置のアンテナ性能指標であるVSWR特性を表した模式図である。
【図4】図1,図2の受信装置の動作の説明図である。
【図5】図1のアンテナ回路を用いた受信装置を備えた携帯端末装置の概略構成である。
【図6】本発明の複合無線装置としての通信端末の概略ハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1に、本実施の形態に係る携帯端末装置の受信装置の帯域切替え回路の簡略図(高周波部分)を示す。この受信装置は、携帯端末用地上波デジタル放送(いわゆるワンセグ)の受信装置を一例として説明する。
【0021】
本発明のアンテナ装置としてのアンテナ回路20は、放送電波を受信する受信用アンテナ1に接続される第1のインダクタであるインダクタ3と、このインダクタ3に直列に接続される第2のインダクタであるインダクタ4と、インダクタ3に並列に接続され、選択的にON/OFF(導通または遮断)される第1のスイッチング素子であるPINダイオード5aと、第2のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第2のスイッチング素子であるPINダイオード5bとを有する。図示の例では、インダクタ3とアンテナ1の間に他のインダクタ2を介挿している。アンテナ回路20は、さらに、インダクタ6およびコンデンサ7を有する。
【0022】
受信用アンテナ1は、これに対して順次直列に接続されたインダクタ2、インダクタ3およびインダクタ4を介して、受信部8に接続される。インダクタ3には、PINダイオード5aがそのアノードをアンテナ側に向けて、並列接続される。インダクタ4には、PINダイオード5bがそのアノードをアンテナ側に向けて、並列接続される。インダクタ4と受信部8との中間点と接地14cとの間にはインダクタ6が接続される。同じく、同中間点と接地14dとの間にはコンデンサ7が接続される。PINダイオード5a、5bは、スイッチング素子として機能し、後述するように、そのON/OFFがそれぞれ独立に制御される。インダクタ6は、アンテナ装置と受信部8との間のインピーダンスを制御するためのものである。コンデンサ7は、高い周波数(後述するGPIO:LL)におけるVSWR特性を広帯域にし、さらなるアンテナ特性向上を図るために設けられた素子であるが、本発明において必須の要素ではない。
【0023】
PINダイオード5a、5bに対して、後述するように、外部からの信号によりそれらをそれぞれ独立に制御するバイアス手段が設けられる。
【0024】
図2に、図1に示した受信装置の帯域切替え回路のより具体的な回路構成を示す。図1に示した要素と同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明は省略する。
【0025】
帯域切替え回路は、高周波信号部分と制御信号部分に分けられる。
【0026】
高周波信号部分は、PINダイオード5a,5b、直流成分を除去するコンデンサ9a,9b,9c,9d,9e、インピーダンスを可変させるインダクタ2,3,4,6と、コンデンサ7で構成される。
【0027】
アンテナ1から入った高周波信号は、インダクタ2およびコンデンサ9aを介して、インダクタ3またはPINダイオード5aを通り、さらにインダクタ4またはPINダイオード5bを通る経路を通り、コンデンサ9eを介して受信部8に入力される。
【0028】
制御信号部分は、高周波信号を除去するチョークコイル10a,10b,10c,10d、電流を制限する抵抗11a,11b,12a,12b、および、制御電圧部13a,13bで構成される。
【0029】
帯域切替えは、2つのダイオードの状態(ON/OFF)の切替えによって実現する。
【0030】
PINダイオード5aのON/OFFは、制御電圧部13aと13bによる電圧値に基づく当該ダイオードに対するバイアスを、受信部8のGPIO(General Purpose Input/Output)信号15のH/L制御で変化させることによって切替えられる。バイアス手段は、制御電圧部13a,13bおよびGPIO信号14,15を含む。
【0031】
そのために、PINダイオード5aのアノード側(アンテナ1側)には、GPIO信号15のH/Lに関わらず、制御電圧部13aにより常に正の電圧Vaが印加されている。ここで、GPIO信号15がLの時は、制御電圧部13bの電圧VbはPINダイオード5aに印加されず、PINダイオード5aのカソード側(受信部8側)の電圧は接地電位(0V)になる。このとき、PINダイオード5aには順方向電圧が印加され、PINダイオード5aの状態はONとなる。PINダイオード5aは、自身がONのときは低インピーダンスとなるため、高周波信号はインダクタ3側ではなくPINダイオード5aの方に流れる。すなわち、高周波信号はインダクタ3を通らないので、PINダイオード5aがOFFのときに比べ、アンテナ装置は高い周波数で動作する。
【0032】
また、GPIO信号15がH(Highインピーダンス)の時は、PINダイオード5aのカソード側(受信部8側)に、制御電圧部13bにより正の電圧Vbが印加される。これによりPINダイオード5aの状態はOFFとなる。その結果、PINダイオード5aは高インピーダンスとなるため、高周波信号はインダクタ3の方に流れる。このように高周波信号をインダクタ3に通すことによって、インピーダンスが可変でき、帯域切替え回路は、アンテナ装置を周波数を低い状態に変化させることができる。なお、このとき、後述するように好ましくは歪対策のため、PINダイオード5aには逆方向電圧が印加されるようにする。
【0033】
PINダイオード5bのON/OFFも、制御電圧部13aと13bによる電圧値Va,Vbに基づくバイアスを、受信部8のGPIO信号14のH/L制御で変化させることによって、同様に切替えられる。
【0034】
図3に、図2の受信装置のアンテナ性能指標であるVSWR特性を表した模式図を示す。この図の縦軸は電圧定在波比(VSWR)、横軸は周波数を表している。また、各波形の下部に示したHとLを組み合わせた記号は、その波形をもたらすGPIO信号14,15の出力の組み合わせを示している。この図から分かるように、PINダイオード5aによる周波数の2状態切替えと、PINダイオード5bによる周波数の2状態切替えを組み合わせることにより、周波数の4状態の切替えを実現し、ワンセグメント放送すべての周波数帯域を満たす仕組みとなっている。
【0035】
具体的な動作としては、図4に示すように、GPIO信号15(ダイオード5a)およびGPIO信号14(ダイオード5b)によるGPIO制御により、両信号がH(OFF)/H(OFF)のとき一番低い周波数帯域設定となり、続いてH(OFF)/L(ON)、L(ON)/H(OFF)と順に高い周波数帯域設定となり、L(ON)/L(ON)のとき一番高い周波数帯域設定となる。また、それぞれの状態でのインダクタンスは、順次、L1+L2+L3、L1+L2、L1+L3、L1となる。(インダクタ2,3,4のインダクタンスをそれぞれL1,L2,L3とし、L2とL3は異ならせる。この例ではL2>L3。)なお、図示したCH設定は、一例を示したものであり、実際のアンテナ構成や携帯端末構成に応じて調整されるものである。
【0036】
図5に、図1のアンテナ回路20を用いた受信装置を備えた携帯端末装置の概略構成を示す。
【0037】
受信部8は、チューナ部81、その出力信号を復調する復調部(Demodulator)83、信号処理部84、画像処理部85、音声処理部86を備えている。チューナ部81はアンテナ1で受信した高周波信号を受け、所望のチャンネルの周波数帯域の信号を抽出する。復調部83は、チューナ部81の出力信号を増幅する。復調部(Demodulator)83は、チューナ部81の出力信号を復調する。信号処理部84は、復調部83の出力から画像データおよび音声データを分離し、復号等の必要な処理を行う。画像処理部85は、画像データに基づいて画像処理を行いディスプレイ22へ出力する。音声処理部86は、音声データに基づいて音声処理を行い、スピーカ23へ出力する。チャンネル選択部25はユーザの操作に応じてチャンネルの切替え制御信号を受けて、GPIO信号をアンテナ回路20へ出力する。
【0038】
図6は、本発明の複合無線装置としての通信端末100の概略ハードウェア構成を示すブロック図である。通信端末100としてここでは携帯電話端末を例として示している。
【0039】
制御部101は、中央処理装置(CPU)などを含み、バス120を介して各部を制御する。通信回路(通信部)102は、携帯電話の基地局に対して送受信を行うアンテナ103を介して電波による音声やデータの送受信を行う部位である。表示部104は、LCDや有機ELディスプレイ等の表示デバイス(図5のディスプレイ22に相当)により構成され、ユーザに対して表示画面上で視覚的な情報を提示する部位である。操作部105は、テンキーや各種制御キー等を含み、制御部101に対してユーザの指示やデータを入力するための部位である。図5のチャンネル選択部25は操作部105に相当する。記憶部106は、制御部101が実行するオペレーティングシステムや各種アプリケーションプログラム等のプログラムやデータを格納する不揮発性記憶領域(ROM、フラッシュメモリ等)、データの一時保存領域や作業領域を提供する揮発性記憶領域(RAM)、等を含む。音声処理部107は、受話音声、動画ファイルの音声、音楽データの音声を出力するスピーカ(イヤレシーバを含む)108、および送話音声等を集音するマイクロホン109が接続される。スピーカ108は図5のスピーカ23に想到する。TV放送受信部110は、アンテナ111(図1,図5のアンテナ1に相当)を介して電波によるテレビ放送(データ放送を含む)を受信し、再生する部位であり、図5に示した受信装置に相当する。本実施の形態では放送として地上波デジタル放送を想定している。
【0040】
通信回路102とTV放送受信部110の同時使用時に、通信回路102からのセルラー送信信号がTV放送受信部110のアンテナ111に回り込んでPINダイオードで検波されることがないようにすることが好ましい。そこで、図2の回路において、制御電圧部13aの電圧Vaと、制御電圧部13bの電圧Vbの関係をVa<Vbとする。本例のVa、Vbの値は例えばVa=1.5V、Vb=2.6Vである。Vb=VaとしてもPINダイオードをOFFすることができるが、この例では、より大きな逆バイアスとしている。これにより、各PINダイオードのOFF時に、通信回路102からのセルラー送信信号がPINダイオードに導通することにより当該PINダイオードを完全なOFF状態に維持できなくなる、という不具合が回避される。
【0041】
本実施の形態は、上述のようにバリキャップダイオードではなく複数のPINダイオード(またはMEMSスイッチ等)とPINダイオードと並列に接続されたインダクタを用いた手法である。
【0042】
この構成によれば、バリキャップダイオードを用いないので容量値のばらつきの影響がなく、インダクタによる損失も低減できる。
【0043】
周波数の切替え制御はPINダイオードのON/OFFのみの制御なので、素子ばらつきによるアンテナ性能への影響は小さくできる。
【0044】
PINダイオードがONのとき一番高い周波数設定となるが、このとき、インダクタは介さないので損失は小さく抑えられる。
【0045】
バリキャップダイオードを用いた手法に比べ切替えの1状態でカバーできる周波数範囲が広いため、アンテナ近傍の伝搬環境の変化(人体の影響等)に対する劣化を比較的小さく出来る。
【0046】
周波数調整のためアンテナ直下にインダクタL1を入れる場合も大きな値のものは必要ない。状態にあわせたインダクタの切替を行うことにより損失を抑えられ、比較的広帯域になる。
【0047】
本発明は、携帯端末に搭載される比較的低周波の無線アプリケーション(地上波デジタル放送の周波数およびそれ以下の周波数)での利用に適用して好適である。
【0048】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0049】
例えば、アンテナ1のみでインダクタンス値が稼げる場合、整合が取れる場合はインダクタ2または6が存在しない構成、あるいはインダクタ2,6の両方が存在しない構成であってもよい。
【0050】
また、上記では一例として4値切替えの回路構成を挙げたが、4値を越える切替えとなる回路構成としてもよい。
【0051】
切替え素子をPINダイオードとしたが、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等のスイッチング機能を持つ素子などを用いる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…受信用アンテナ、2,3,4,6…インダクタ、5a,5b…ダイオード、7…コンデンサ、8…受信部、9a,9b,9c,9d,9e…コンデンサ、10a,10b,10c,10d…チョークコイル、11a,11b,12a,12b…抵抗、13a,13b…制御電圧部、14c,14d…接地、20…アンテナ回路、22…ディスプレイ、23…スピーカ、25…チャンネル選択部、81…チューナ部、83…復調部、84…信号処理部、85…画像処理部、86…音声処理部、100…通信端末、101…制御部、102…通信回路、103…アンテナ、104…表示部、105…操作部、106…記憶部、107…音声処理部、108…スピーカ、109…マイクロホン、110…放送受信部、111…アンテナ、120…バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナに接続される第1のインダクタと、
第1のインダクタに直列に接続される第2のインダクタと、
前記第1のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第1のスイッチング素子と、
前記第2のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第2のスイッチング素子と、
外部からの信号により前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ独立に制御するバイアス手段と
を備えたアンテナ装置。
【請求項2】
前記アンテナは、放送信号の受信用アンテナである請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子はダイオードにより構成され、
前記バイアス手段は、前記ダイオードのアノード側に常時電圧Vaを印加するとともに、前記ダイオードのカソード側に選択的に電圧Vbまたは接地電位を印加し、Vb>Vaとした請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記第1のインダクタと前記アンテナとの間に第3のインダクタを接続した請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項5】
放送電波を受信するアンテナと、
このアンテナに接続されたアンテナ回路と、
このアンテナ回路の出力を受信する受信部とを備え、
前記アンテナ回路は、
アンテナに接続される第1のインダクタと、
第1のインダクタに直列に接続される第2のインダクタと、
前記第1のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第1のスイッチング素子と、
前記第2のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第2のスイッチング素子と、
前記受信部からの信号により前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ独立にON/OFFするバイアス手段とを有する放送受信装置。
【請求項6】
前記アンテナは、放送信号の受信用アンテナである請求項5に記載の放送受信装置。
【請求項7】
前記スイッチング素子はダイオードにより構成され、
前記バイアス手段は、前記ダイオードのアノード側に常時電圧Vaを印加するとともに、前記ダイオードのカソード側に選択的に電圧Vbまたは接地電位を印加し、Vb>Vaとした請求項5に記載の放送受信装置。
【請求項8】
前記第1のインダクタと前記アンテナとの間に第3のインダクタを接続した請求項5、6または7に記載の放送受信装置。
【請求項9】
放送電波を受信するアンテナと、
このアンテナに接続されたアンテナ回路と、
このアンテナ回路の出力を受信する受信部と、
通信用の電波を送受信するアンテナと、
通信用の送受信を行う通信部とを備え、
前記アンテナ回路は、
アンテナに接続される第1のインダクタと、
第1のインダクタに直列に接続される第2のインダクタと、
前記第1のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第1のスイッチング素子と、
前記第2のインダクタに並列に接続され、選択的にON/OFFされる第2のスイッチング素子と、
前記受信部からの信号により前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ独立にON/OFFするバイアス手段とを有し、
前記スイッチング素子はダイオードにより構成され、
前記バイアス手段は、前記ダイオードのアノード側に常時電圧Vaを印加するとともに、前記ダイオードのカソード側に選択的に電圧Vbまたは接地電位を印加し、Vb>Vaとした複合無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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