アーク溶接方法およびその装置
【課題】アークの先端側のみを進行方向前方へ曲げることで、ノズル先端部の消耗を低減しながらワークへの必要な入熱量を確保して、溶接速度を向上させることのできるアーク溶接方法およびアーク溶接装置を提供すること。
【解決手段】プラズマトーチ10を用いてワークWにアーク溶接を施すアーク溶接方法であって、プラズマトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場Bをワークの内部に生成し、プラズマトーチと前記ワークとの間に流れる電流Iと、磁場とに起因したローレンツ力Fにより、アークAの先端側をプラズマトーチの進行方向前方へ曲げて溶接する。この場合、ワークの接合線の両側に、磁力がアークに及ぼす影響に比べてワークの内部に及ぼす影響がより大きくなる位置に電磁石21を配置することによって、磁場を生成する。
【解決手段】プラズマトーチ10を用いてワークWにアーク溶接を施すアーク溶接方法であって、プラズマトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場Bをワークの内部に生成し、プラズマトーチと前記ワークとの間に流れる電流Iと、磁場とに起因したローレンツ力Fにより、アークAの先端側をプラズマトーチの進行方向前方へ曲げて溶接する。この場合、ワークの接合線の両側に、磁力がアークに及ぼす影響に比べてワークの内部に及ぼす影響がより大きくなる位置に電磁石21を配置することによって、磁場を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク溶接方法およびアーク溶接装置に関する。詳しくは、プラズマアーク溶接方法およびプラズマアーク溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アーク溶接が知られている。アーク溶接では、アークトーチの送り速度が速くなると、アークが進行方向後方へ流れてワークに熱が入らない現象が発生する。
この現象を解消するため、例えば、図11、図12に示すように、アークトーチ100のノズルの先端からワークWに延びるアークAに磁場(図12にBで示す)を作用させることにより、ローレンツ力F(図12にFで示す)を用いてアークAを前方へ振らせる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−206566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、図12に示すように、ローレンツ力FがアークAの上端から下端まで全域に作用するため、アークAが根元側から進行方向前方へ曲がる。
すると、この曲がったアークAがノズル自体を焼くことなり、ノズルの先端部が消耗していくため、先端部チップの交換頻度が上がる。
また、アークAが根元側から前方へ曲がることで、アークAがワークWから浮いてしまい、入熱領域が浅くなるため、最終的に入熱量が低下する。
【0005】
本発明は、アークの先端側のみを進行方向前方へ曲げることで、ノズル先端部の消耗を低減しながらワークへの必要な入熱量を確保して、溶接速度を向上させることのできるアーク溶接方法およびアーク溶接装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアーク溶接方法は、アークトーチ(例えば、後述のプラズマトーチ10)を用いてワーク(例えば、後述のワークW)にアーク溶接を施すアーク溶接方法であって、前記アークトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場(例えば、後述の磁場B)を前記ワークの内部に生成し、前記アークトーチと前記ワークとの間に流れる電流(例えば、後述の電流I)と、前記磁場とに起因したローレンツ力(例えば、後述のローレンツ力F)により、アーク(例えば、後述のアークA)の先端側を前記アークトーチの進行方向前方へ曲げて溶接する。
【0007】
この発明によれば、ワークの内部に磁場を生成することにより、磁場が最も強い箇所はワークの内部であり、ワークから離れるにしたがって磁場は弱くなる。したがって、アークを曲げるローレンツ力は、ワークに近いほど強く、アークトーチに近いほど弱くなる。そのため、アークの先端側のみをアークトーチの進行方向前方へ曲げることができ、ノズル先端部の消耗を低減しながらワークへの必要な入熱量を確保して、溶接速度を向上させることができる。
【0008】
この場合、前記ワークの接合線の両側に、磁力がアークに及ぼす影響に比べて前記ワークの内部に及ぼす影響がより大きくなる位置に磁石(例えば、後述の電磁石21)を配置することによって、前記磁場を生成することが好ましい。
【0009】
この発明によれば、磁場をワークの内部に効果的に生成することができる。
【0010】
本発明のアーク溶接装置は、ワーク(例えば、後述のワークW)にアーク溶接を施すアークトーチ(例えば、後述のプラズマトーチ10)と、前記アークトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場(例えば、後述の磁場B)であって、当該磁場と、前記アークトーチと前記ワークとの間に流れる電流(例えば、後述の電流I)とに起因したローレンツ力(例えば、後述のローレンツ力F)により、アーク(例えば、後述のアークA)の先端側を前記アークトーチの進行方向前方へ曲げる磁場を、前記ワークの内部に生成する磁場生成機構(例えば、後述の磁場生成部材20)と、を備える。
【0011】
この発明によれば、前記のアーク溶接方法の場合と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アークの先端側のみを進行方向前方へ曲げることで、ノズル先端部の消耗を低減しながらワークへの必要な入熱量を確保して、溶接速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプラズマアーク溶接装置の斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るプラズマアーク溶接装置を概略的に示す正面図である。
【図3】図2に示すプラズマアーク溶接装置の右側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置の斜視図である。
【図5】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置におけるプラズマトーチの断面図である。
【図6】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置におけるプラズマトーチの第1ノズルの斜視図である。
【図7】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置におけるプラズマトーチの動作を説明するための斜視図である。
【図8】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置におけるプラズマトーチの動作を説明するための平面図である。
【図9】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置を概略的に示す正面図である。
【図10】図9に示すプラズマアーク溶接装置の右側面図である。
【図11】従来のプラズマアーク溶接装置の概略的正面図である。
【図12】図11に示すプラズマアーク溶接装置の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接装置としてのプラズマアーク溶接装置1の斜視図である。
プラズマアーク溶接装置1は、アークトーチとしてのプラズマトーチ10と、磁場生成機構としての磁場生成部材20と、支持フレーム30と、を備える。
【0015】
図2に示すように、プラズマトーチ10は、棒状の電極11と、この電極11を囲んで設けられてプラズマガスを噴出する円筒形状の第1ノズル12と、この第1ノズル12を囲んで設けられてシールドガスを噴出する円筒形状の第2ノズル14と、を備える。
【0016】
第1ノズル12の先端には、円形状の第1噴出口13が形成されており、この第1噴出口13を通して、プラズマガスが噴出する。
第2ノズル14の先端には、円環形状の第2噴出口15が形成されており、この第2噴出口15を通して、シールドガスが噴出する。
第2ノズル14の噴出口15は、第1ノズル12の噴出口13よりも、電極10の軸方向の先端側に位置している。
【0017】
磁場生成部材20は、アークAの先端側をプラズマトーチ10の進行方向前方へ曲げる磁場を、ワークの内部に生成する。
磁場生成部材20がワークの内部に生成する磁場Bは、プラズマトーチ10の進行方向(接合方向)に対して直交する方向の磁場である。この磁場Bと、プラズマトーチ10とワークWとの間に流れる電流Iとに起因したローレンツ力Fにより、アークAの先端側はプラズマトーチ10の進行方向前方へ曲げられる。
【0018】
磁場生成部材20は、下端部に、磁石としての4つの電磁石21を備える。これらの電磁石21は、ワークW(1)とワークW(2)とを突き合わせ溶接する突き合わせ部の真上に位置するプラズマトーチ10を中心にして、プラズマトーチ10を囲むように、平面視で前後、左右に配置される。
すなわち、プラズマトーチ10の進行方向(接合方向)に向かって突き合わせ部の一側(例えば左側)には、N極の電磁石21(N)が、接合方向の前後に2つ配置される。
プラズマトーチ10の進行方向(接合方向)に向かって突き合わせ部の他側(例えば右側)には、S極の電磁石21(S)が、接合方向の前後に2つ配置される。
【0019】
接合方向前方の電磁石21(N)と電磁石21(S)は、突き合わせ部の延びる方向(接合線)と直交する平面内で互いに対向して配置される。そのため、接合方向前方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場の方向Bは、突き合わせ部の延びる方向(接合線)と直交する。
同様に、接合方向後方の電磁石21(N)と電磁石21(S)は、突き合わせ部の延びる方向(接合線)と直交する平面内で互いに対向して配置される。そのため、接合方向後方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場の方向Bは、突き合わせ部の延びる方向(接合線)と直交する。
【0020】
支持フレーム30は、ワークWの上面を保持するクランプ31を備える。支持フレーム30は、クランプ31との間で、磁場生成部材20の4つの電磁石21、およびそれらの中心に位置するプラズマトーチ10を支持する。
すなわち、支持フレーム30によって、4つの電磁石21は、その下端面が、クランプ31の上面との間に微小な間隙を隔てる高さに支持される。
支持フレーム30によって、プラズマトーチ10は、その下端から延びるアークAが、ワークWの突き合わせ部を溶接する所定の高さに支持される。
【0021】
各電磁石21とプラズマトーチ10との距離、および、各電磁石21とクランプ31との間隔は、各電磁石21から発生される磁力が、プラズマトーチ10のアークAに実質的に影響を及ぼすことなく、クランプ31を介してワークWを励磁するように設定される。
【0022】
次に、プラズマアーク溶接装置1を用いたプラズマアーク溶接について、図2および図3を参照しながら説明する。
具体的には、厚みが薄い板材であるワークW(1)と、ワークW(1)よりも厚みが厚い板材であるワークW(2)を突き合わせ溶接して、テーラードブランク材を形成する。
【0023】
まず、4つの電磁石21に通電して、接合方向前方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場を発生させるとともに、接合方向後方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場を発生させる。この磁場の方向B(図1参照)は、図2では紙面を左から右へ向かい、図3では紙面と直交して紙面の背後から手前へ向かう。
また、第1ノズル12の第1噴出口13からプラズマガスを噴出させつつ、電極11とワークW(1)、W(2)との間に電圧を印加してアークAを発生させる。また、第2ノズル14の第2噴出口15から、アークAの周囲を囲むようにシールドガスを噴出させる。
【0024】
すると、アークAを流れる電流の方向I(図1参照)と、ワークWの突き合わせ部から漏れる磁場の方向B(図1参照)とに起因したローレンツ力F(図1参照)により、アークAの先端側がプラズマトーチ10の進行方向前方へ曲げられる。
【0025】
この状態で、プラズマトーチ10すなわちアークAを接合方向に移動させると、十分な溶け込み深さを確保した溶融池Pが形成されながら、良好な溶接が行われる。
【0026】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)ワークWの内部に磁場Bを生成することにより、磁場Bが最も強い箇所はワークWの内部であり、ワークWから離れるにしたがって磁場Bは弱くなる。したがって、アークAを曲げるローレンツ力Fは、ワークWに近いほど強く、プラズマトーチ10に近いほど弱くなる。そのため、アークAの先端側のみを接合方向前方へ曲げることができる。
(2)アークAの先端側のみを接合方向前方へ曲げることができるため、例えばアークAが根元側から曲がる場合のように、アークAがワークWから浮いてしまうことがなく、深い入熱領域が得られる。そのため、十分な溶け込み深さを確保することができる。
(3)アークAの先端側のみを接合方向前方へ曲げて、しかも十分な溶け込み深さを確保することができるため、アークAの接合方向前方に十分な入熱量を確保することができる。そのため、溶接速度を向上させることができる。
(4)アークAの先端側のみを接合方向前方へ曲げることができるため、例えばアークAが根元側から曲がる場合のように、曲がったアークAがノズル自体を焼いてしまうことがなく、ノズルにダメージを及ぼさない。そのため、ノズル先端部の消耗を低減することができる。
【0027】
図4は、本発明の第2実施形態に係るアーク溶接装置としてのプラズマアーク溶接装置2の斜視図である。このプラズマアーク溶接装置2において、第1実施形態に係るプラズマアーク溶接装置1と同様の部分には、同一の符号を付けて示し、重複する説明は省略する。
プラズマアーク溶接装置2は、アークトーチとしてのプラズマトーチ40と、磁場生成機構としての磁場生成部材20と、支持フレーム30と、を備える。
【0028】
図5に示すように、プラズマトーチ40は、棒状の電極41と、この電極41を囲んで設けられてプラズマガスを噴出する円筒形状の第1ノズル42と、この第1ノズル42を囲んで設けられてシールドガスを噴出する円筒形状の第2ノズル47と、を備える。
【0029】
第1ノズル42の先端には、円形状の第1噴出口43が形成されており、この第1噴出口43を通して、プラズマガスが噴出する。
この第1ノズル42は、筒状の内筒部44と、この内筒部44を囲んで設けられた外筒部45と、を備える。
【0030】
図6は、第1ノズル42の外筒部45の斜視図である。
外筒部45の先端部分は、先端に向かうに従って細くなる略円錐形状であり、この外筒部45の先端部分の外周面には、電極41の軸方向に対して傾斜した複数の溝部46が形成される。この溝部46は、外筒部45の先端まで延びている。
【0031】
図5に戻って、第2ノズル47の先端には、円環形状の第2噴出口48が形成されており、この第2噴出口48を通して、シールドガスが噴出する。
第2ノズル47の噴出口48は、電極41から離れる方向に向いている。また、第2ノズル47の噴出口48は、第1ノズル42の噴出口43よりも、電極41の軸方向の基端側に位置している。
また、上述の第1ノズル42の溝部46は、第2ノズル47の噴出口48まで延びている。
【0032】
次に、プラズマアーク溶接装置2を用いたプラズマアーク溶接について、図7〜図10を参照しながら説明する。
具体的には、厚みが薄い板材であるワークW(1)と、ワークW(1)よりも厚みが厚い板材であるワークW(2)を突き合わせ溶接して、テーラードブランク材を形成する。
【0033】
まず、4つの電磁石21に通電して、接合方向前方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場を発生させるとともに、接合方向後方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場を発生させる。この磁場の方向B(図4参照)は、図9では紙面を左から右へ向かい、図10では紙面と直交して紙面の背後から手前へ向かう。
また、第1ノズル42の第1噴出口43からプラズマガスを噴出させつつ、電極41とワークW(1)、W(2)との間に電圧を印加してアークAを発生させる。また、第2ノズル47の第2噴出口48から、アークAの周囲を囲むようにシールドガスを噴出させる。
【0034】
すると、シールドガスは、複数の溝部46に沿って図7中白抜き矢印の方向に流れて、第2噴出口48から噴出する。この噴出したシールドガスは、アークAから離れる方向に拡がりながら、アークAの表面に沿って螺旋状に流れて、溶融池Pの表面に対して、アークAを回転中心として回転する方向すなわち図7中黒矢印方向に、吹き付けられる。
具体的には、図8に示すように、ワークW(1)、W(2)の8箇所にシールドガスが吹き付けられ、各箇所でのシールドガスの流れる方向は、図8中黒矢印で示すようになる。
【0035】
この状態で、プラズマトーチ10すなわちアークAを接合方向に移動させると、溶融池Pは、図8に示すように、平面視でアークAの前方および後方に向かって延びることになる。したがって、吹き付けるシールドガスにより、アークAの進行方向後側の図8中破線で囲まれた領域の溶融金属が、薄い方のワークW(1)に向かって押されて移動する。そして、この移動した溶融金属により薄い方のワークW(1)の母材の凹んだ部分が埋められる。
【0036】
本実施形態によれば、上記の効果に加えて、以下のような効果がある。
(5)厚みの異なるワークW(1)、W(2)を溶接する場合、螺旋状に流れるシールドガスを溶融池Pの表面に吹き付けて、アークAの進行方向後側の溶融金属を、薄い方のワークW(1)に向かって移動させることができる。これにより、この移動した溶融金属により薄い方のワークW(1)の母材の凹んだ部分を埋めることができる。その結果、薄い方のワークW(1)の板厚がアンダカットにより薄くなるのを抑制して、溶接後のワークWの強度を確保できる。
【0037】
(6)第2ノズル47の噴出口48を電極41から離れる方向に向けたので、この第2ノズル47からシールドガスを噴出させると、噴射されたシールドガスは、アークAから離れる方向に拡がっていく。よって、シールドガスがアークAに直接当たらないため、アークAが乱れるのを防止でき、溶接が安定する。
【0038】
(7)溝部46を第2ノズル47の第2噴出口48まで延ばした。これにより、シールドガスの流量を少なくしても、プラズマガスを安定させつつ、溶融金属を確実に移動させることができる。
【0039】
(8)第2ノズル47の第2噴出口48を、第1ノズル42の第1噴出口43よりも、電極41の軸方向の基端側に位置させたので、シールドガスが直接アークAに当たるのを防いで、アークAが乱れるのを防止できる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
1……プラズマアーク溶接装置(アーク溶接装置)
10…プラズマトーチ(アークトーチ)
20…磁場生成部材(磁場生成機構)
A…アーク
B…磁場
I…電流
F…ローレンツ力
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク溶接方法およびアーク溶接装置に関する。詳しくは、プラズマアーク溶接方法およびプラズマアーク溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アーク溶接が知られている。アーク溶接では、アークトーチの送り速度が速くなると、アークが進行方向後方へ流れてワークに熱が入らない現象が発生する。
この現象を解消するため、例えば、図11、図12に示すように、アークトーチ100のノズルの先端からワークWに延びるアークAに磁場(図12にBで示す)を作用させることにより、ローレンツ力F(図12にFで示す)を用いてアークAを前方へ振らせる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−206566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、図12に示すように、ローレンツ力FがアークAの上端から下端まで全域に作用するため、アークAが根元側から進行方向前方へ曲がる。
すると、この曲がったアークAがノズル自体を焼くことなり、ノズルの先端部が消耗していくため、先端部チップの交換頻度が上がる。
また、アークAが根元側から前方へ曲がることで、アークAがワークWから浮いてしまい、入熱領域が浅くなるため、最終的に入熱量が低下する。
【0005】
本発明は、アークの先端側のみを進行方向前方へ曲げることで、ノズル先端部の消耗を低減しながらワークへの必要な入熱量を確保して、溶接速度を向上させることのできるアーク溶接方法およびアーク溶接装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアーク溶接方法は、アークトーチ(例えば、後述のプラズマトーチ10)を用いてワーク(例えば、後述のワークW)にアーク溶接を施すアーク溶接方法であって、前記アークトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場(例えば、後述の磁場B)を前記ワークの内部に生成し、前記アークトーチと前記ワークとの間に流れる電流(例えば、後述の電流I)と、前記磁場とに起因したローレンツ力(例えば、後述のローレンツ力F)により、アーク(例えば、後述のアークA)の先端側を前記アークトーチの進行方向前方へ曲げて溶接する。
【0007】
この発明によれば、ワークの内部に磁場を生成することにより、磁場が最も強い箇所はワークの内部であり、ワークから離れるにしたがって磁場は弱くなる。したがって、アークを曲げるローレンツ力は、ワークに近いほど強く、アークトーチに近いほど弱くなる。そのため、アークの先端側のみをアークトーチの進行方向前方へ曲げることができ、ノズル先端部の消耗を低減しながらワークへの必要な入熱量を確保して、溶接速度を向上させることができる。
【0008】
この場合、前記ワークの接合線の両側に、磁力がアークに及ぼす影響に比べて前記ワークの内部に及ぼす影響がより大きくなる位置に磁石(例えば、後述の電磁石21)を配置することによって、前記磁場を生成することが好ましい。
【0009】
この発明によれば、磁場をワークの内部に効果的に生成することができる。
【0010】
本発明のアーク溶接装置は、ワーク(例えば、後述のワークW)にアーク溶接を施すアークトーチ(例えば、後述のプラズマトーチ10)と、前記アークトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場(例えば、後述の磁場B)であって、当該磁場と、前記アークトーチと前記ワークとの間に流れる電流(例えば、後述の電流I)とに起因したローレンツ力(例えば、後述のローレンツ力F)により、アーク(例えば、後述のアークA)の先端側を前記アークトーチの進行方向前方へ曲げる磁場を、前記ワークの内部に生成する磁場生成機構(例えば、後述の磁場生成部材20)と、を備える。
【0011】
この発明によれば、前記のアーク溶接方法の場合と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アークの先端側のみを進行方向前方へ曲げることで、ノズル先端部の消耗を低減しながらワークへの必要な入熱量を確保して、溶接速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプラズマアーク溶接装置の斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るプラズマアーク溶接装置を概略的に示す正面図である。
【図3】図2に示すプラズマアーク溶接装置の右側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置の斜視図である。
【図5】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置におけるプラズマトーチの断面図である。
【図6】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置におけるプラズマトーチの第1ノズルの斜視図である。
【図7】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置におけるプラズマトーチの動作を説明するための斜視図である。
【図8】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置におけるプラズマトーチの動作を説明するための平面図である。
【図9】第2実施形態に係るプラズマアーク溶接装置を概略的に示す正面図である。
【図10】図9に示すプラズマアーク溶接装置の右側面図である。
【図11】従来のプラズマアーク溶接装置の概略的正面図である。
【図12】図11に示すプラズマアーク溶接装置の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接装置としてのプラズマアーク溶接装置1の斜視図である。
プラズマアーク溶接装置1は、アークトーチとしてのプラズマトーチ10と、磁場生成機構としての磁場生成部材20と、支持フレーム30と、を備える。
【0015】
図2に示すように、プラズマトーチ10は、棒状の電極11と、この電極11を囲んで設けられてプラズマガスを噴出する円筒形状の第1ノズル12と、この第1ノズル12を囲んで設けられてシールドガスを噴出する円筒形状の第2ノズル14と、を備える。
【0016】
第1ノズル12の先端には、円形状の第1噴出口13が形成されており、この第1噴出口13を通して、プラズマガスが噴出する。
第2ノズル14の先端には、円環形状の第2噴出口15が形成されており、この第2噴出口15を通して、シールドガスが噴出する。
第2ノズル14の噴出口15は、第1ノズル12の噴出口13よりも、電極10の軸方向の先端側に位置している。
【0017】
磁場生成部材20は、アークAの先端側をプラズマトーチ10の進行方向前方へ曲げる磁場を、ワークの内部に生成する。
磁場生成部材20がワークの内部に生成する磁場Bは、プラズマトーチ10の進行方向(接合方向)に対して直交する方向の磁場である。この磁場Bと、プラズマトーチ10とワークWとの間に流れる電流Iとに起因したローレンツ力Fにより、アークAの先端側はプラズマトーチ10の進行方向前方へ曲げられる。
【0018】
磁場生成部材20は、下端部に、磁石としての4つの電磁石21を備える。これらの電磁石21は、ワークW(1)とワークW(2)とを突き合わせ溶接する突き合わせ部の真上に位置するプラズマトーチ10を中心にして、プラズマトーチ10を囲むように、平面視で前後、左右に配置される。
すなわち、プラズマトーチ10の進行方向(接合方向)に向かって突き合わせ部の一側(例えば左側)には、N極の電磁石21(N)が、接合方向の前後に2つ配置される。
プラズマトーチ10の進行方向(接合方向)に向かって突き合わせ部の他側(例えば右側)には、S極の電磁石21(S)が、接合方向の前後に2つ配置される。
【0019】
接合方向前方の電磁石21(N)と電磁石21(S)は、突き合わせ部の延びる方向(接合線)と直交する平面内で互いに対向して配置される。そのため、接合方向前方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場の方向Bは、突き合わせ部の延びる方向(接合線)と直交する。
同様に、接合方向後方の電磁石21(N)と電磁石21(S)は、突き合わせ部の延びる方向(接合線)と直交する平面内で互いに対向して配置される。そのため、接合方向後方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場の方向Bは、突き合わせ部の延びる方向(接合線)と直交する。
【0020】
支持フレーム30は、ワークWの上面を保持するクランプ31を備える。支持フレーム30は、クランプ31との間で、磁場生成部材20の4つの電磁石21、およびそれらの中心に位置するプラズマトーチ10を支持する。
すなわち、支持フレーム30によって、4つの電磁石21は、その下端面が、クランプ31の上面との間に微小な間隙を隔てる高さに支持される。
支持フレーム30によって、プラズマトーチ10は、その下端から延びるアークAが、ワークWの突き合わせ部を溶接する所定の高さに支持される。
【0021】
各電磁石21とプラズマトーチ10との距離、および、各電磁石21とクランプ31との間隔は、各電磁石21から発生される磁力が、プラズマトーチ10のアークAに実質的に影響を及ぼすことなく、クランプ31を介してワークWを励磁するように設定される。
【0022】
次に、プラズマアーク溶接装置1を用いたプラズマアーク溶接について、図2および図3を参照しながら説明する。
具体的には、厚みが薄い板材であるワークW(1)と、ワークW(1)よりも厚みが厚い板材であるワークW(2)を突き合わせ溶接して、テーラードブランク材を形成する。
【0023】
まず、4つの電磁石21に通電して、接合方向前方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場を発生させるとともに、接合方向後方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場を発生させる。この磁場の方向B(図1参照)は、図2では紙面を左から右へ向かい、図3では紙面と直交して紙面の背後から手前へ向かう。
また、第1ノズル12の第1噴出口13からプラズマガスを噴出させつつ、電極11とワークW(1)、W(2)との間に電圧を印加してアークAを発生させる。また、第2ノズル14の第2噴出口15から、アークAの周囲を囲むようにシールドガスを噴出させる。
【0024】
すると、アークAを流れる電流の方向I(図1参照)と、ワークWの突き合わせ部から漏れる磁場の方向B(図1参照)とに起因したローレンツ力F(図1参照)により、アークAの先端側がプラズマトーチ10の進行方向前方へ曲げられる。
【0025】
この状態で、プラズマトーチ10すなわちアークAを接合方向に移動させると、十分な溶け込み深さを確保した溶融池Pが形成されながら、良好な溶接が行われる。
【0026】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)ワークWの内部に磁場Bを生成することにより、磁場Bが最も強い箇所はワークWの内部であり、ワークWから離れるにしたがって磁場Bは弱くなる。したがって、アークAを曲げるローレンツ力Fは、ワークWに近いほど強く、プラズマトーチ10に近いほど弱くなる。そのため、アークAの先端側のみを接合方向前方へ曲げることができる。
(2)アークAの先端側のみを接合方向前方へ曲げることができるため、例えばアークAが根元側から曲がる場合のように、アークAがワークWから浮いてしまうことがなく、深い入熱領域が得られる。そのため、十分な溶け込み深さを確保することができる。
(3)アークAの先端側のみを接合方向前方へ曲げて、しかも十分な溶け込み深さを確保することができるため、アークAの接合方向前方に十分な入熱量を確保することができる。そのため、溶接速度を向上させることができる。
(4)アークAの先端側のみを接合方向前方へ曲げることができるため、例えばアークAが根元側から曲がる場合のように、曲がったアークAがノズル自体を焼いてしまうことがなく、ノズルにダメージを及ぼさない。そのため、ノズル先端部の消耗を低減することができる。
【0027】
図4は、本発明の第2実施形態に係るアーク溶接装置としてのプラズマアーク溶接装置2の斜視図である。このプラズマアーク溶接装置2において、第1実施形態に係るプラズマアーク溶接装置1と同様の部分には、同一の符号を付けて示し、重複する説明は省略する。
プラズマアーク溶接装置2は、アークトーチとしてのプラズマトーチ40と、磁場生成機構としての磁場生成部材20と、支持フレーム30と、を備える。
【0028】
図5に示すように、プラズマトーチ40は、棒状の電極41と、この電極41を囲んで設けられてプラズマガスを噴出する円筒形状の第1ノズル42と、この第1ノズル42を囲んで設けられてシールドガスを噴出する円筒形状の第2ノズル47と、を備える。
【0029】
第1ノズル42の先端には、円形状の第1噴出口43が形成されており、この第1噴出口43を通して、プラズマガスが噴出する。
この第1ノズル42は、筒状の内筒部44と、この内筒部44を囲んで設けられた外筒部45と、を備える。
【0030】
図6は、第1ノズル42の外筒部45の斜視図である。
外筒部45の先端部分は、先端に向かうに従って細くなる略円錐形状であり、この外筒部45の先端部分の外周面には、電極41の軸方向に対して傾斜した複数の溝部46が形成される。この溝部46は、外筒部45の先端まで延びている。
【0031】
図5に戻って、第2ノズル47の先端には、円環形状の第2噴出口48が形成されており、この第2噴出口48を通して、シールドガスが噴出する。
第2ノズル47の噴出口48は、電極41から離れる方向に向いている。また、第2ノズル47の噴出口48は、第1ノズル42の噴出口43よりも、電極41の軸方向の基端側に位置している。
また、上述の第1ノズル42の溝部46は、第2ノズル47の噴出口48まで延びている。
【0032】
次に、プラズマアーク溶接装置2を用いたプラズマアーク溶接について、図7〜図10を参照しながら説明する。
具体的には、厚みが薄い板材であるワークW(1)と、ワークW(1)よりも厚みが厚い板材であるワークW(2)を突き合わせ溶接して、テーラードブランク材を形成する。
【0033】
まず、4つの電磁石21に通電して、接合方向前方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場を発生させるとともに、接合方向後方の電磁石21(N)から電磁石21(S)へ向かう磁場を発生させる。この磁場の方向B(図4参照)は、図9では紙面を左から右へ向かい、図10では紙面と直交して紙面の背後から手前へ向かう。
また、第1ノズル42の第1噴出口43からプラズマガスを噴出させつつ、電極41とワークW(1)、W(2)との間に電圧を印加してアークAを発生させる。また、第2ノズル47の第2噴出口48から、アークAの周囲を囲むようにシールドガスを噴出させる。
【0034】
すると、シールドガスは、複数の溝部46に沿って図7中白抜き矢印の方向に流れて、第2噴出口48から噴出する。この噴出したシールドガスは、アークAから離れる方向に拡がりながら、アークAの表面に沿って螺旋状に流れて、溶融池Pの表面に対して、アークAを回転中心として回転する方向すなわち図7中黒矢印方向に、吹き付けられる。
具体的には、図8に示すように、ワークW(1)、W(2)の8箇所にシールドガスが吹き付けられ、各箇所でのシールドガスの流れる方向は、図8中黒矢印で示すようになる。
【0035】
この状態で、プラズマトーチ10すなわちアークAを接合方向に移動させると、溶融池Pは、図8に示すように、平面視でアークAの前方および後方に向かって延びることになる。したがって、吹き付けるシールドガスにより、アークAの進行方向後側の図8中破線で囲まれた領域の溶融金属が、薄い方のワークW(1)に向かって押されて移動する。そして、この移動した溶融金属により薄い方のワークW(1)の母材の凹んだ部分が埋められる。
【0036】
本実施形態によれば、上記の効果に加えて、以下のような効果がある。
(5)厚みの異なるワークW(1)、W(2)を溶接する場合、螺旋状に流れるシールドガスを溶融池Pの表面に吹き付けて、アークAの進行方向後側の溶融金属を、薄い方のワークW(1)に向かって移動させることができる。これにより、この移動した溶融金属により薄い方のワークW(1)の母材の凹んだ部分を埋めることができる。その結果、薄い方のワークW(1)の板厚がアンダカットにより薄くなるのを抑制して、溶接後のワークWの強度を確保できる。
【0037】
(6)第2ノズル47の噴出口48を電極41から離れる方向に向けたので、この第2ノズル47からシールドガスを噴出させると、噴射されたシールドガスは、アークAから離れる方向に拡がっていく。よって、シールドガスがアークAに直接当たらないため、アークAが乱れるのを防止でき、溶接が安定する。
【0038】
(7)溝部46を第2ノズル47の第2噴出口48まで延ばした。これにより、シールドガスの流量を少なくしても、プラズマガスを安定させつつ、溶融金属を確実に移動させることができる。
【0039】
(8)第2ノズル47の第2噴出口48を、第1ノズル42の第1噴出口43よりも、電極41の軸方向の基端側に位置させたので、シールドガスが直接アークAに当たるのを防いで、アークAが乱れるのを防止できる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
1……プラズマアーク溶接装置(アーク溶接装置)
10…プラズマトーチ(アークトーチ)
20…磁場生成部材(磁場生成機構)
A…アーク
B…磁場
I…電流
F…ローレンツ力
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アークトーチを用いてワークにアーク溶接を施すアーク溶接方法であって、
前記アークトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場を前記ワークの内部に生成し、
前記アークトーチと前記ワークとの間に流れる電流と、前記磁場とに起因したローレンツ力により、アークの先端側を前記アークトーチの進行方向前方へ曲げて溶接するアーク溶接方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアーク溶接方法において、
前記ワークの接合線の両側に、磁力がアークに及ぼす影響に比べて前記ワークの内部に及ぼす影響がより大きくなる位置に磁石を配置することによって、前記磁場を生成するアーク溶接方法。
【請求項3】
ワークにアーク溶接を施すアークトーチと、
前記アークトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場であって、当該磁場と、前記アークトーチと前記ワークとの間に流れる電流とに起因したローレンツ力により、アークの先端側を前記アークトーチの進行方向前方へ曲げる磁場を、前記ワークの内部に生成する磁場生成機構と、
を備えるアーク溶接装置。
【請求項1】
アークトーチを用いてワークにアーク溶接を施すアーク溶接方法であって、
前記アークトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場を前記ワークの内部に生成し、
前記アークトーチと前記ワークとの間に流れる電流と、前記磁場とに起因したローレンツ力により、アークの先端側を前記アークトーチの進行方向前方へ曲げて溶接するアーク溶接方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアーク溶接方法において、
前記ワークの接合線の両側に、磁力がアークに及ぼす影響に比べて前記ワークの内部に及ぼす影響がより大きくなる位置に磁石を配置することによって、前記磁場を生成するアーク溶接方法。
【請求項3】
ワークにアーク溶接を施すアークトーチと、
前記アークトーチが進行する接合方向に対して直交する方向の磁場であって、当該磁場と、前記アークトーチと前記ワークとの間に流れる電流とに起因したローレンツ力により、アークの先端側を前記アークトーチの進行方向前方へ曲げる磁場を、前記ワークの内部に生成する磁場生成機構と、
を備えるアーク溶接装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−251316(P2011−251316A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127185(P2010−127185)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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