説明

イオン交換体及びその製造方法

【課題】電気特性に優れており、低電気抵抗であり、しかも機械的強度に優れていると同時に、耐汚染性にも優れたイオン交換体を提供する。
【解決手段】イオン交換樹脂粒子と融点が170℃以下の低融点ポリオレフィン樹脂とを含む樹脂組成物の溶融押出成形体よりなり、前記溶融押出成形体は、(a)前記イオン交換樹脂粒子を30重量%以上50重量%未満の割合で含有し、且つ、前記低融点樹脂を該イオン交換樹脂粒子100重量部当り100重量部より多く、150重量部以下の量で含有していること、(b)190℃で測定されるメルトインデックスが1〜5g/10分の範囲にあること、(c)30%以上の含水率を有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン交換体及びその製造方法に関するものであり、特に押出成形により得られ、電着塗装に好適に適用されるイオン交換体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン交換体は、膜の形態(即ち、イオン交換膜)で各種の用途、例えば、海水濃縮、塩水の脱塩、イオン性物質と非イオン性物質との分離などに使用される電気透析用膜、アルカリ金属塩水溶液や有機物溶液等の電解用隔膜として広く使用されている。
【0003】
ところで、上記のようなイオン交換体は、一般に平膜の形態で使用されていたが、最近では、管状の形態で使用される場合も多い。平膜の形態でイオン交換体を使用する場合には、電解槽(例えば、電気メッキ浴槽や電着塗装浴槽など)に占めるイオン交換体の設置面積が大きくなってしまうなどの不都合を生じるが、管状の形態で使用する場合には、電解槽内でイオン交換体が占める部分がコンパクトとなる。また、平膜の形態では、膜の変形を防止するために、平膜を支持するためのリブが必要となったり、或いは隣り合う膜の間にガスケットやスペーサなどが必要となり、このため、イオン交換に寄与する有効膜面積が小さくなったり、或いはリブ、ガスケット、スペーサなどの部分に処理液中の異物などが付着し、目詰まりが生じ易くなるばかりか、その洗浄や解体作業などが容易でないという問題があるが、管状のイオン交換体では、イオン交換体の支持や変形防止のために格別の部材を必要としないため、十分な大きさの有効イオン交換面積を確保でき、また、目詰まり等を生じ難く、且つ洗浄や解体作業も容易であるという利点もある。
【0004】
しかしながら、管状のイオン交換体には、機械的強度と電気的特性とを両立させることが難しいという問題がある。即ち、このような形態のイオン交換体は、通常、イオン交換樹脂粒子とバインダーとなる熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物を原料として使用し、この樹脂組成物を溶融押出することにより形成される。このため、イオン交換樹脂粒子の表面がイオン交換性を有していない熱可塑性樹脂によって覆われてしまい、そのイオン交換能等の電気特性が低下してしまう(即ち、膜の高抵抗化を生じる)。このような不都合を回避するためには、イオン交換樹脂粒子の使用量を多くし、バインダーである熱可塑性樹脂の量を少なくすればよいのであるが、この場合には、機械的強度が低下してしまい、例えば、液圧などによって変形を生じ易くなり、この結果、使用時に透水などの不都合が生じ易くなるという問題を生じてしまう。
【0005】
一方、機械的強度と電気的特性を両立させた管状のイオン交換体も提案されており、例えば特許文献1には、メルトインデックスが2g/10分以下のポリエチレン系樹脂とイオン交換樹脂粒子とを3:7〜5:5の重量比で混合し、管状に押出成形することにより得られた管状イオン交換体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2557525号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で提案されている管状イオン交換体は、バインダー樹脂としてメルトインデックス(MI)が小さいポリエチレン系樹脂を使用し、且つイオン交換樹脂粒子とバインダー樹脂(低MIポリオエチレン系樹脂)の量比を一定の割合に設定することにより、押出成形時のイオン交換基の熱分解を抑制し、且つイオン交換樹脂粒子のバインダー樹脂による表面被覆によってイオン交換能が失われるイオン交換基の量を低減させることができ、この結果として、良好な電気特性(膜の低抵抗化)と機械的強度との両立を実現させたものである。
【0008】
しかしながら、特許文献1の管状イオン交換体は、電気特性と機械的強度とが優れているという点では満足し得るものの、耐汚染性の低下という新たな問題が発生している。即ち、特許文献1では、電気特性と機械的強度との両立のために、イオン交換樹脂粒子の量を多くし、且つバインダー樹脂として低メルトインデックスのポリエチレン系樹脂を使用しているため、その押出成形体の表面が粗くなってしまい、この結果、その表面に異物が付着し、汚染を生じ易くなってしまっているのである。このような問題は、電着塗装にイオン交換体を使用したときに大きな欠点となって現れる。即ち、電着塗装では、処理液中に塗料の微細な塊を含んでおり、イオン交換体表面に付着した塗料中の微細な塊が個体間の凝集によって成長し、ブツと呼ばれる塗料固形物がイオン交換体表面より脱離して、被塗物に付着するといった不具合が生じてしまうからである。ブツの発生を抑止する為にイオン交換体表面を洗浄する方法が有効であるが、これは生産性の大幅な低下が生じてしまう。
【0009】
従って、本発明の目的は、電気特性に優れており、機械的強度に優れていると同時に、耐汚染性にも優れたイオン交換体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、特に押出成形により製造され、特に管状形状を有しているイオン交換体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、イオン交換樹脂粒子と融点が170℃以下の低融点ポリオレフィン樹脂とを含む樹脂組成物の溶融押出成形体よりなり、前記溶融押出成形体は、下記条件;
(a)前記イオン交換樹脂粒子を30重量%以上50重量%未満の割合で含有し、且
つ、前記低融点ポリオレフィン樹脂を該イオン交換樹脂粒子100重量部当り10
0重量部より多く、150重量部以下の量で含有していること、
(b)190℃で測定されるメルトインデックスが1〜5g/10分の範囲にあるこ
と、
(c)30%以上の含水率を有していること、
を満足していることを特徴とするイオン交換体が提供される。
【0011】
本発明のイオン交換体においては、
(1)管状を成していること、
(2)前記イオン交換樹脂粒子の含水率が50%より大きいこと、
(3)前記低融点ポリオレフィン樹脂がポリエチレンであること、
が好適である。
【0012】
本発明によれば、また、
イオン交換樹脂粒子と融点が170℃以下の低融点ポリオレフィン樹脂とを含み、該イオン交換樹脂粒子を30重量%以上50重量%未満の割合で含有し、該低融点ポリオレフィン樹脂を該イオン交換樹脂粒子100重量部当り100重量部より多く150重量部以下の量で含有しており、190℃で測定されるメルトインデックスが1〜5g/10分の範囲で且つ含水率が30%以上に調整された樹脂組成物を用意し、
前記樹脂組成物を溶融押出し、
得られた押出成形体を膨潤処理して含水率を30%以上に調整すること、
を特徴とするイオン交換体の製造方法が提供される。
【0013】
尚、本発明において、イオン交換体の含水率とは、このイオン交換体が吸水し得る飽和の水分量であり、具体的には、このイオン交換体を60℃の塩水に24時間以上浸漬したときの水分割合を示すものであり、下記式により算出される。また、イオン交換樹脂の含水率とは、同様にイオン交換樹脂が吸水し得る飽和の水分量であり、具体的には、該イオン交換樹脂を25℃の塩水に3時間以上浸漬したときの水分割合を示すものであり、イオン交換体の含水率と同様、下記式により算出される。
含水率(%)=[(A−B)/B]×100
式中、Aは、塩水に浸漬し、イオン交換体へ飽和水分量を吸水させた後、外表面の
余剰な水分を除去した後のイオン交換体重量であり、
Bは、乾燥状態のイオン交換体の重量である。
このイオン交換体の含水率は、用いるイオン交換樹脂粒子のイオン交換容量と架橋度とにより調整することができる。例えば、イオン交換樹脂粒子に導入されているイオン交換基の量が多いほどイオン交換樹脂粒子の含水率は高く、この粒子を構成しているイオン交換樹脂の架橋度(樹脂の形成に用いているジビニルベンゼン等の架橋性モノマーの使用割合に相当)が高いほど、含水率は低くなる。従って、イオン交換樹脂粒子の含水率は、イオン交換基量を多くしてイオン交換容量を高めると同時に、架橋性モノマーの量を少なくして架橋度を低くし、イオン交換樹脂を比較的ルーズな構造とすることにより、含水率を高めることができ、イオン交換樹脂粒子の含水率に応じて該低融点ポリオレフィン樹脂粉末の配合量を調整することにより、イオン交換体の含水率を適宜の範囲に調整することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のイオン交換体は、溶融押出成形により製造されるものであるが、特にイオン交換樹脂粒子と併用されるバインダー樹脂として、融点が170℃以下の低融点ポリオレフィン樹脂を使用し、イオン交換樹脂粒子量を比較的少なくし(イオン交換樹脂粒子含量が30重量%以上50重量%未満)、該低融点ポリオレフィン樹脂をイオン交換樹脂粒子よりも多く使用し、且つイオン交換樹脂粒子とバインダー樹脂(低融点ポリオレフィン樹脂)とを含む溶融押出成形体のメルトインデックス(MI、190℃)を1〜5g/10分の範囲に設定している(前記条件(a)及び(b))。このため、このイオン交換体は、高い機械的強度を有していると同時に、イオン交換体表面の平滑性が高められており(例えばその表面粗さRaは50μm以下である)、この結果、その耐汚染性は極めて優れており、例えば電着塗装などを長期間にわたって連続して実行した場合においても、イオン交換体表面へのブツの付着などを有効に防止することができる。
【0015】
また、本発明のイオン交換体は、上記のように優れた機械的強度と耐汚染性とを有していながら、電気抵抗が低い特徴も併せ持っている。即ち、イオン交換体に占めるイオン交換樹脂粒子の含有量が50重量%未満であるにも関わらず、イオン交換体の含水率が30%以上に調整されていることは、該イオン交換樹脂粒子の含水率が高い、言い換えれば高い含水能力を有していることが大きく寄与している。従って、押出成形後のイオン交換体は乾燥状態にあり、水分を含有していないが、使用しているイオン交換樹脂の含水能力が高いため、各種の塩水溶液などにイオン交換体を浸漬して使用する際、このイオン交換体中のイオン交換樹脂粒子は大きく膨潤する。この結果、イオン交換樹脂粒子とバインダー樹脂(低MI樹脂)との間に微細な間隙が形成され、この間隙中に塩類を含む処理液が侵入することとなり、その電気抵抗値が低減するのである。
【0016】
このように、本発明のイオン交換体は、押出成形により形成されていながら、優れた電気特性と機械的強度を有しているばかりか、表面の平滑性が高く、従って、処理液中に含まれる塗料の微細な塊の付着なども有効に防止することができ、優れた耐汚染性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のイオン交換体は、イオン交換樹脂粒子と低融点ポリオレフィン樹脂とを所定の量比で含み、さらに適宜の添加剤が配合されたイオン交換性樹脂組成物を溶融押出成形することにより得られるものであり、その含水率は、30%以上、特に30乃至40%の範囲に調整されており、さらに、そのメルトインデックス(190℃)は、1乃至5g/10分、特に1乃至3g/10分の範囲にある。
【0018】
<イオン交換樹脂粒子>
溶融押出成形に供されるイオン交換性樹脂組成物中に配合されるイオン交換樹脂粒子は、本発明のイオン交換体にイオン交換性を持たせるために使用されるものであり、基本的には、それ自体公知のものが使用される。
【0019】
本発明において、このイオン交換樹脂粒子は、その含水率が50%より大きく、特に50より大きく60%以下の範囲であることが好ましい。このような範囲の含水率を有するイオン交換樹脂粒子を使用することにより、最終的に得られるイオン交換体の含水率を、イオン交換樹脂粒子と低融点樹脂との使用量を一定の範囲内としながら上記範囲内に調整することが可能となるからである。
【0020】
このようなイオン交換樹脂粒子は、イオン交換基の導入に適した重合性単量体と架橋性単量体(架橋剤)とを重合開始剤の存在下で重合し、次いでイオン交換基を導入し、最後に粉砕等により適度な粒度に調整することにより製造される。
【0021】
イオン交換基の導入に適した重合性単量体としては、イオン交換樹脂の形成に使用されている公知の単量体を何ら制限なく使用され、スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、α−メチルスチレン、アセナフチレン、ビニルナフタリン、α−ハロゲン化スチレン、α,β,β’−トリハロゲン化スチレン、クロルスチレン、クロロメチルスチレンなどが代表的である。特にカチオン交換樹脂粒子を形成する場合には、α−ハロゲン化ビニルスルホン酸、α,β,β’−ハロゲン化ビニルスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンホスホニル酸、無水マレイン酸、ビニルリン酸、及びこれらの塩類、エステル類などが好適であり、アニオン交換樹脂粒子を形成する場合には、ビニルピリジン、メチルビニルピリジン、エチルビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、アミノスチレン、アルキルアミノスチレン、ジアルキルアミノスチレン、トリアルキルアミノスチレン、メチルビニルケトン、クロルメチルスチレン、アクリル酸アミド、アクリルアミド、オキシウム、スチレン、ビニルトルエンなどが好適であり、これらの単量体は、1種単独で使用してもよいし、或いは互いに共重合可能である2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0022】
上記の重合性単量体と併用される架橋剤は、粒子強度を高め、且つ溶融押出成形に際して、イオン交換樹脂の粒子形状を安定に保持するために用いられるものであり、例えば、m−、p−或いはo−ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジビニルピリジンなどのジビニル系化合物が1種または2種以上の組み合わせで使用される。このような架橋剤は、一般に、前述した単量体100重量部当り5乃至150重量部の量で使用されるが、この架橋剤の量が多いほど、得られるイオン交換樹脂粒子中に浸透する水の量が少なくなり、イオン交換樹脂粒子の含水率(吸水し得る水分量)が低くなり、架橋剤が少ないほど、得られるイオン交換樹脂粒子中に浸透する水の量が多くなり、イオン交換樹脂粒子の含水率は増大する。従って、架橋剤の使用量は、イオン交換樹脂粒子の含水率が前述した範囲内(50%より大きく、特に50より大きく60%以下)となるように、上記範囲内から設定される。
【0023】
また、重合開始剤としては、それ自体公知のもの、例えばベンゾイルパーオキシド等の有機過酸化物が触媒量で使用される。
【0024】
イオン交換基の導入は、それ自体公知の手段により行われ、例えば、導入するイオン交換基(カチオン交換基或いはアニオン交換基)の種類に応じて、スルホン化、ハロアルキル化、アミノ化、ホスホニウム化、スルホニウム化、加水分解等のそれ自体公知の処理により行われる。イオン交換基の導入量は、一般に、乾燥基準でのイオン交換容量が0.1〜20meq/g、特に0.5〜3meq/g程度の範囲となるように設定されるが、このイオン交換容量が多いほど、得られるイオン交換樹脂粒子の含水率が多くなり、イオン交換容量が少ないほど、その含水率は低下する。従って、イオン交換基の導入量は、イオン交換樹脂粒子の含水率が所定の範囲内(50%より大きい、特に50より大きく60%以下)となるように、たとえば前述した架橋剤の使用量に応じて設定されることとなる。
【0025】
尚、上記のイオン交換基の導入は、前述した重合性単量体と架橋剤との重合後に行うのが一般的であるが、場合によっては、予め重合性単量体にイオン交換基を導入した後に、重合性単量体と架橋剤との重合を行うことも可能である。
【0026】
このようにして得られる含水率が50%より大きく、特に50より大きく60%以下の範囲にあるイオン交換樹脂は粉砕され、次いでメッシュ等により分級されて所定の粒度を有する粒状物とされる。かかるイオン交換樹脂粒子は、後述するバインダー樹脂(低融点樹脂)中に均一に分散させるために、例えばレーザ回折散乱法によって測定される体積換算での平均粒径(D50)が0.01〜100μm程度の範囲であることが好適である。即ち、この粒径が大きすぎると、イオン交換体中に存在するイオン交換樹脂粒子の分散状態が不均一となり、イオン交換体の特性にバラツキを生じ易くなり、また、この粒径が小さ過ぎると、混合等の作業性が低下するばかりか、粒子同士の凝集を生じ易くなり、やはり、均一分散が困難となり、やはりイオン交換体の特性にバラツキを生じ易くなるからである。
【0027】
<低融点樹脂>
上記のイオン交換樹脂粒子と併用される低融点ポリオレフィン樹脂は、バインダーとしての機能を有するものであり、得られるイオン交換体に所定の機械的強度を持たせるために使用される。
【0028】
本発明において、かかる低融点ポリオレフィン樹脂としては、融点が170℃以下のものを使用することが重要である。即ち、このようなバインダー樹脂として高融点樹脂を使用すると、溶融押出成形時で該樹脂の融点以上に加熱されるため、イオン交換樹脂粒子中のイオン交換基に熱分解が生じてしまい、この結果、得られるイオン交換体のイオン交換性能が損なわれてしまうからである。
【0029】
このような融点が170℃以下の低融点ポリオレフィン樹脂としては、イオン交換基と反応性を有する官能基を有していない熱可塑性樹脂、例えば、低、中、或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン系樹脂、及びα−オレフィンにアクリル酸、メタクリル酸などのビニル系モノマーがグラフトされた改質ポリオレフィン系樹脂が使用される。
【0030】
また、上記低融点ポリオレフィン樹脂は、そのメルトインデックス(MI,190℃)が、溶融押出に供されるイオン交換性樹脂組成物のMI(190℃)が所定の範囲内(1乃至5g/10分、特に1乃至3g/10分)に調整し得るような範囲でなければならず、従って、一般的には、3乃至7g/10分程度の範囲にあるものが使用される。イオン交換性樹脂組成物のMIが所定の範囲外となると、目的とする特性を有するイオン交換体を得ることができなくなってしまうからである。本発明においては、MIの調整という観点から、上述した低融点ポリオレフィン樹脂の中でも低、中、或いは高密度ポリエチレン、エチレン含量が50重量%以上のエチレン共重合体、或いはメタクリル酸などがグラフトとされて改質されたポリエチレンなどが好適である。
【0031】
<他の添加剤>
溶融押出成形に供されるイオン交換性樹脂組成物中には、本発明の目的を損なわない範囲でそれ自体公知の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば滑剤、安定剤及び酸化防止剤などが代表的である。
【0032】
滑剤としては、ポリエチレンワックスなどの炭化水素類、ステアリン酸アミドなどの脂肪族アミド類、ブチルステアレートなどの脂肪酸エステル類を例示することができる。また、安定剤或いは酸化防止剤としては、ニ塩基性ステアリン酸などの鉛系のもの、カルシウム系、カドミウム系、バリウム系、亜鉛系、錫系のものなどを挙げることができる。
【0033】
<イオン交換性樹脂組成物>
溶融押出に供するイオン交換性樹脂組成物は、上述した各成分を混合することにより調製されるが、かかる樹脂組成物においては、得られるイオン交換体に要求される条件、即ち、
(a)前記イオン交換樹脂粒子を30重量%以上50重量%未満の割合で含有し、且
つ、前記低融点樹脂を該イオン交換樹脂粒子100重量部当り100重量部より多
く、150重量部以下の量で含有していること、
(b)190℃で測定されるMIが1〜5g/10分、特に1乃至3g/10分の範
囲にあること、
(c)含水率が30%以上、特に30乃至40%の範囲にあること、
を満足していることが、電気抵抗値が小さく、電気特性に優れ、しかも機械的強度に優れていると同時に耐汚染性に優れたイオン交換体を得る上で必要である。
【0034】
上記の条件(a)に関して説明すると、樹脂組成物中のイオン交換樹脂粒子量が上記範囲よりも少ないと、得られるイオン交換体のイオン交換特性が損なわれてしまい、例えば得られるイオン交換体の電気抵抗値が高く、イオン交換による処理効率が大幅に低下してしまい、イオン交換体としての使用が困難となってしまう。また、上記範囲よりも多量にイオン交換樹脂粒子が樹脂組成物中に含まれている場合及び低融点ポリオレフィン樹脂の使用量が上記範囲よりも少ないと、イオン交換体の機械的強度が低下してしまい、さらには、イオン交換体表面の平滑性が損なわれてしまい、この結果、耐汚染性が低下してしまう。
【0035】
また、イオン交換性樹脂組成物のMIに関する上記の条件(b)は、特にイオン交換体に平滑な表面を形成しつつ良好な電気化学的特性を維持するために特に必要な条件であり、例えばMIが上記範囲よりも少ないと、溶融押出成形に際して樹脂組成物の流動性が低すぎるため、押出成形体であるイオン交換体の表面平滑性が損なわれ、MIが上記範囲よりも高い場合においては、樹脂組成物の流動性が高すぎる結果、イオン交換樹脂粒子の表面を、低融点ポリオレフィン樹脂が完全に被覆した状態となり、得られるイオン交換体の電気化学的特性が損なわれてしまう。
【0036】
さらに、含水率に関する上記の条件(c)は、特にイオン交換体の電気特性を確保するために必要な条件であり、含水率が上記範囲内にあるために、得られるイオン交換体は、吸水による膨潤により、イオン交換樹脂粒子と低融点ポリオレフィン樹脂との間に隙間が形成され、この空間に塩水溶液などの導電性の高い媒体が侵入し、この結果、イオン交換体の低電気抵抗化、即ち、低融点ポリオレフィン樹脂の使用による高電気抵抗化を有効に抑制することができる。例えば、この樹脂組成物の含水率が30%よりも低いと、吸水による膨潤の程度が少ないため、イオン交換樹脂粒子と低融点ポリオレフィン樹脂との間に導電性の媒体が侵入しえる空間が形成されず、低電気抵抗のイオン交換体を得ることができなくなってしまうわけである。
【0037】
尚、樹脂組成物の含水率が必要以上に大きいと、膨潤によりイオン交換樹脂粒子と低融点ポリオレフィン樹脂との間に形成される隙間が大きくなりすぎてしまい、液の漏洩等の不都合を生じるおそれがある。従って、この樹脂組成物の含水率は、上記の好適範囲(30乃至40%)にあるのがよい。
【0038】
上記の説明から理解されるように、上記の条件(a)〜(c)の全てを満足する樹脂組成物を調製するために、イオン交換樹脂粒子及び低融点樹脂の使用量が条件(a)を満足する範囲内で、条件(b)のMIや条件(c)の含水率を満足し得るように、例えば前述した範囲の含水率を有するイオン交換樹脂粒子を選択し、且つ適当な範囲のMIを有する低融点ポリオレフィン樹脂を選択することが必要となり、また、任意的に使用される各種の添加剤は、これらの条件を阻害しないような量で使用されることとなる。
【0039】
尚、各成分の混合は、例えば押出機等を用いての溶融混練により行われるが、この溶融混練の温度は150℃以下とすべきである。この温度が高いと、イオン交換樹脂粒子が有しているイオン交換基が熱分解して消失し、得られるイオン交換体の電気特性を損なうおそれがあるからである。
【0040】
<イオン交換体及びその製造>
本発明のイオン交換体は、上記のような条件を満足するイオン交換性樹脂組成物を溶融押出することにより得られる。この溶融押出は、例えば押出機を用いての溶融混練により得られたペレットを、成形するイオン交換体の形状に応じたダイスを有する押出機内に投入して行われる。この溶融押出においても、イオン交換基の熱分解を回避するために150℃以下の温度で行うことが必要であり、例えば、用いる低融点樹脂の種類や使用量によっても異なるが、一般的には、押出機のシリンダ部の温度を90〜140℃、ダイ部温度を100〜150℃の温度に設定して溶融押出が行われる。
【0041】
上記のような溶融押出によって得られる本発明のイオン交換体は、前述した条件(a)乃至(c)を満足しており、低融点ポリオレフィン樹脂を併用しての溶融押出成形により得られたものでありながら、優れた機械的強度及び電気特性を有しており、また、その表面平滑性も高く、従って耐汚染性にも優れている。
【0042】
尚、本発明のイオン交換体では、優れた電気特性を発現するために、溶融押出後に、膨潤処理が行われる。この膨潤処理によって、水分含有量が飽和状態にまで達し(具体的には、水分含有量が前述した含水率のレベルにまで上昇する)、イオン交換樹脂粒子表面と低融点ポリオレフィン樹脂との間に隙間が形成されることとなる。このような膨潤処理は、例えば熱水の吹き付けや熱水中での浸漬などにより行われ、その処理時間は数分程度である。また、このような膨潤処理は、このイオン交換体の使用時に、処理すべき各種の塩水溶液などに浸漬することによって行うことも可能である。
【0043】
本発明のイオン交換体は、平膜状、管状等、任意の形状を有していてよいが、例えば電解や透析等の処理槽をコンパクトにし得るという観点から管状形状を有していることが好適である。また、管状形態のイオン交換体においては、その自立性や形状保持性などの観点から、その厚みは1乃至5mm程度の範囲とすることが好適である。
【0044】
また、本発明のイオン交換体は、上記でも述べたように、表面平滑性に優れており、例えば、平均表面粗さRa(JIS−B−0601−1994)は、50μm以下とすることで、その表面へのブツの付着などを有効に防止することができる。例えば、後述する実施例に示されているように、実装評価試験で6ヶ月間連続使用しても、イオン交換体表面にブツの発生は見られない。従って、ブツの発生が問題となる電着塗装の分野に本発明のイオン交換体を特に好適に適用される。
【0045】
さらに、上記のような平滑度を有する表面は、押出成形後に表面研磨等により実現することができるが、本発明では、このような表面研磨等の処理を行わずに平滑度の高い表面を得ることができるため、生産性の観点からも極めて有利である。
【実施例】
【0046】
本発明の優れた効果を次の例で説明する。
尚、以下の例で、用いた材料の各種物性や作製したイオン交換体の各種特性の評価は、以下の方法で行った。
【0047】
メルトインデックス(MI);
イオン交換樹脂と低融点ポリオレフィン樹脂を用いて溶融押出成形したイオン交換体10gを、2mm以下のサイズに細かく切り出した。次いで、TECHNOL SEVEN社製小型メルトインデクサを用いて、JIS−K−6760に準拠して190℃(荷重:2.16kgf)で該イオン交換体のメルトフローインデックスを測定した。
【0048】
含水率;
(イオン交換樹脂の含水率)
イオン交換樹脂を1.0N 塩化ナトリウム水溶液中に1時間浸漬する操作を3回繰り返し、対イオンを完全にアニオン交換樹脂ではCl型、カチオン交換樹脂ではNa型とした。次いで該アニオン交換樹脂を、メスシリンダーを用いて正確に10ml秤量し、これを布で包み径15cm、回転数3000rpmの条件で5分間遠心分離を行い、付着水分を除いた後すばやく秤量ビンに移して密栓し、正確な湿潤重量を得た。その後、該樹脂を105℃±2℃の高温乾燥機中で4時間乾燥し、デシケーター中で30分放冷して乾燥重量を測定した。含水率は以下の(1)式より算出した。
(イオン交換体の含水率)
溶融押出成形により得た管状イオン交換体を、60℃、1.0N 塩化ナトリウム水溶液に8時間浸漬する操作を3回繰返し、該イオン交換体中の対イオンを完全にアニオン交換樹脂ではCl型、カチオン交換樹脂ではNa型とした。次いで、該イオン交換体を所定の大きさに切断し、表面の付着水分を布で十分に除去したあと、湿潤重量を測定した。その後、該イオン交換体を105℃±2℃の高温乾燥機中で4時間乾燥し、デシケーター中で30分放冷して乾燥重量を測定した。含水率は以下の(1)式より算出した。
含水率(%)
=(湿潤重量(g)−乾燥重量(g))×100/湿潤重量(g) …(1)
【0049】
表面粗さ(Ra);
溶融押出成形により得た管状イオン交換体を1cm角程のサイズに切り出し、キーエンス社製カラー3Dレーザ顕微鏡VK−8700を用いて、JIS−B−0601−1994にしたがい、非接触法で10点平均粗さを測定した。
【0050】
膜表面の耐汚染性;
得られた管状イオン交換体(外径6.3cm、長さ200cm)を6ヶ月間電着槽に浸漬して実装試験を行い、試験前後の膜表面へのブツ発生の有無を、目視により確認した。
【0051】
膜抵抗;
溶融押出成形により得た管状イオン交換体を、2cm角ほどのサイズに切り出し、0.5N 塩化ナトリウム水溶液に1時間浸漬する操作を3回繰返し、膜内対イオンを完全にアニオン交換体ではCl−型、カチオン交換体ではNa型とした後、交流法により、周波数1.0kHz、測定面積1cm、25℃の条件にて、0.5N 塩化ナトリウム水溶液中での膜抵抗を測定した。
【0052】
膜強度;
長さ10cmの管状イオン交換体の両端にそれぞれゴム栓を詰めた後、接着剤によって密封し、一方のゴム栓に設けた貫通パイプを使って管状イオン交換体の内部に水を満たし、さらに水圧をかけて管状イオン交換体が破裂したときの水圧値を破裂強度として測定した。
【0053】
<実施例1>
スチレン-ジビニルベンゼンの懸濁共重合体(ジビニルベンゼン含有6重量%)をクロルメチル化後、トリメチルアミンで第4級アンモニウム化して含水率55%のアニオン交換樹脂(イオン交換容量3.0meq/g)を作製した。このアニオン交換樹脂を60℃で16時間乾燥させた後、100メッシュフルイにて分級し、フルイの通過分をアニオン交換樹脂粉末として使用した。
下記処方;
アニオン交換樹脂粉末 100重量部
低密度ポリエチレン粉末 110重量部
ステアリン酸カルシウム 3重量部
ステアリン酸バリウム 1重量部
にしたがい、これらの成分を予め十分に混合した後、混練押出機によりホットカット法によりペレット化した。
得られたペレットをシリンダ部温度90〜140℃、ダイ部温度130〜150℃の押出機に入れ、サイジングプレート装置により内径30mm、外径35mm、厚み2.5mmの管状に押出成形した。
このようにして得られた管状イオン交換体を、60℃、0.2Nの塩化ナトリウム水溶液に24時間浸漬し膨潤処理を行った。その後、該イオン交換体の含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
押出成形体の成形に用いたイオン交換樹脂(IER)及び低融点樹脂(ポリエチレン)の種類、配合量及び物性(含水率、MI)等を表1に示し、各種の測定結果を表2に示す。
【0054】
<実施例2>
実施例1において、低密度ポリエチレンの代わりに高密度ポリエチレン粉末(HDPE)を使用したこと以外はすべて同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1及び表2に示した。
【0055】
<実施例3>
スチレン-ジビニルベンゼンの懸濁共重合体(ジビニルベンゼン含有8重量%)をクロルメチル化後、トリメチルアミンで第4級アンモニウム化して含水率52%のアニオン交換樹脂(イオン交換容量3.0meq/g)を作製した。このイオン交換樹脂を用いて、実施例1と同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1及び表2に示した。
【0056】
<実施例4>
実施例1において、低密度ポリエチレン粉末の添加量をイオン交換樹脂粉末100重量部に対して150重量部とした以外はすべて同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1及び表2に示した。
【0057】
<実施例5>
実施例1において、低密度ポリエチレン粉末種を変更し、混合物のMIを4.5g/10min.とした以外はすべて同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1及び表2に示した。
【0058】
<実施例6>
スチレン-ジビニルベンゼンの懸濁共重合体(ジビニルベンゼン含有6重量%)をスルホン化して含水率55%のカチオン交換樹脂(イオン交換容量3.0meq/g)を作製した。それ以外は実施例1と同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1に示した。
【0059】
<比較例1>
スチレン-ジビニルベンゼンの懸濁共重合体(ジビニルベンゼン含有12重量%)をクロルメチル化後、トリメチルアミンで第4級アンモニウム化して含水率40%のアニオン交換樹脂(イオン交換容量 meq/g)を作製した。それ以外は実施例1と同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1及び表2に示した。
【0060】
<比較例2>
実施例1において、低密度ポリエチレン粉末の添加量をイオン交換樹脂粉末100重量部に対して80重量部とした以外はすべて同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表及び表2に示した。
【0061】
<比較例3>
実施例1において、低密度ポリエチレン粉末の種類を変更し、混合物のMIを0.5とした以外は全て同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1及び表2に示した。
【0062】
<比較例4>
実施例1において、低密度ポリエチレン粉末の種類を変更し、混合物のMIを5.6とした以外は全て同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1及び表2に示した。
【0063】
<比較例5>
実施例6において、低密度ポリエチレン粉末の種類を変更し、混合物のMIを0.7とした以外は全て同様にして管状イオン交換体を調製し、含水率、表面粗さ、膜抵抗および破裂強度をそれぞれ測定した。
その結果を表1及び表2に示した。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換樹脂粒子と融点が170℃以下の低融点ポリオレフィン樹脂とを含む樹脂組成物の溶融押出成形体よりなり、前記溶融押出成形体は、下記条件;
(a)前記イオン交換樹脂粒子を30重量%以上50重量%未満の割合で含有し、且
つ、前記低融点ポリオレフィン樹脂を該イオン交換樹脂粒子100重量部当り10
0重量部より多く、150重量部以下の量で含有していること、
(b)190℃で測定されるメルトインデックスが1〜5g/10分の範囲にあるこ
と、
(c)30%以上の含水率を有すること、
を満足していることを特徴とするイオン交換体。
【請求項2】
管状を成す請求項1記載のイオン交換体。
【請求項3】
前記イオン交換樹脂粒子の含水率が50%を超える請求項1記載のイオン交換体。
【請求項4】
前記低融点ポリオレフィン樹脂がポリエチレンである請求項1記載のイオン交換体。
【請求項5】
イオン交換樹脂粒子と融点が170℃以下の低融点ポリオレフィン樹脂とを含み、該イオン交換樹脂粒子を30重量%以上50重量%未満の割合で含有し、該低融点ポリオレフィン樹脂を該イオン交換樹脂粒子100重量部当り100重量部より多く150重量部以下の量で含有しており、190℃で測定されるメルトインデックスが1〜5g/10分の範囲に調整された樹脂組成物を用意し、
前記樹脂組成物を溶融押出し、
得られた押出成形体を膨潤処理して含水率を30%以上に調整すること、
を特徴とするイオン交換体の製造方法。
【請求項6】
管状を成す請求項5に記載のイオン交換体の製造方法。
【請求項7】
前記イオン交換樹脂粒子として、含水率が50%を超えるものを使用する請求項5記載のイオン交換体の製造方法。
【請求項8】
前記低融点ポリオレフィン樹脂として、ポリエチレンを使用する請求項5記載のイオン交換体の製造方法。

【公開番号】特開2010−222533(P2010−222533A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74263(P2009−74263)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(503361709)株式会社アストム (46)
【Fターム(参考)】