説明

イオン源の配置及び調節のための方法並びに装置

【課題】放射線医薬品製剤用のサイクロトロン設計において、イオン発生管の正確な配置及び調節のための効率的な解決法を提供する。
【解決手段】イオン源の配置及び調節のための装置は、底部プレート11、中間プレート12及び上部プレート13を含んでおり、上部プレート13は、上部プレート13を第一の方向に移動させて中間プレート12に対して所定の位置に配置する少なくとも1個の調節部材18、19によって中間プレート12に結合され、中間プレート12は、中間プレート12を底部プレート11に対して第二の方向に移動させるウォーム・ギア・アセンブリ304によって底部プレート11に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、放射性医薬品製剤用のサイクロトロン設計の分野に関し、さらに具体的には、イオン源の配置及び調節のための方法並びに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院及び他の医療提供者は、診断目的で陽電子放出断層写真法(PET)に大きく頼っている。PETスキャナは、様々な生物学的過程及び機能を示す画像を形成することができる。PETスキャンでは、患者は最初にPET同位元素として知られる放射性物質(すなわち放射性医薬品)を注射される。PET同位元素としては、例えば糖の一種で放射性フッ素を含んだ18F−フルオロ−2−デオキシグルコース(FDG)がある。PET同位元素は何らかの身体過程及び機能に関与し、その放射性によって、PETスキャナがこれらの機能及び過程を解明する画像を形成することを可能にする。例えば、FDGを注射するとガン細胞によって代謝される場合があり、PETスキャナはガン性領域を解明する画像を形成することができる。
【0003】
PET同位元素は主に、円形の粒子加速器の一形式であるサイクロトロンで生成される。図1は同位元素生成のための公知のサイクロトロンの動作を示す。サイクロトロンは、磁場B内に配置された2個の中空のD字形金属電極102及び104を含んでいる。これら2個の電極102及び104は小間隙103で離隔されており、この間隙を横断して交流電場Eが印加される。サイクロトロンは通常、高真空(例えば10−7Torr)で動作する。動作時には、サイクロトロンの中心に近いイオン源106から負イオン108が先ず抽出される。磁場に閉じ込められたイオン108は、円形経路を描いて運動を開始する。無線周波数(RF)高電圧電源が電場Eの極性を高速で交番させるため、イオン108は間隙103を横断する度毎に加速される。イオン108はより大きい運動エネルギを得ると共に螺旋状進路110を辿り、最終的には標的物質に衝突して所望のPET同位元素を生成する。
【0004】
図2は、同位元素生成のためのサイクロトロンで用いられる公知のプラズマ式イオン源200の動作を示す。図示のように、イオン源200は、2個のカソード202の間に配置されたイオン発生管204を含んでいる。イオン発生管204は接地され、2個のカソード202には電源212によって負の高電位のバイアスを加えることができる。イオン発生管204は空洞部208を有し、ここに1種以上のガス成分を注入することができる。例えば、何らかの圧力の水素(H)ガスが空洞部208に注入され得る。カソード202とイオン発生管204との間の電圧差によって、水素ガスにプラズマ放電210が起こり、正の水素イオン(プロトン)及び負の水素イオン(H)を発生することができる。これらの水素イオンは、イオン発生管204の長手方向に沿って印加される磁場220によって閉じ込めることができる。次いで、電源214によって交流電位のバイアスを加えられた引込器216が、イオン発生管204のスリット開口206を通して負の水素イオンを抽出することができる。抽出された負の水素イオン218は、サイクロトロン(図示されていない)でさらに加速してから同位元素生成に用いることができる。
【特許文献1】米国特許第5763986号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、スリット開口の配置及び調節の後に配置が許容可能であるか否かを判定する唯一の方法は、イオン源出力を測定することである。イオン源出力を測定するためには、サイクロトロン室を許容可能な真空レベルまでポンプ排気しなければならない。一つのサイクロトロンでは例えば、かかる真空レベルに達するまでに約1時間を要する。イオン源出力の測定によってスリット開口が正確に配置されていないことが明らかとなった場合は、再調節が可能になるようにサイクロトロン室を再び開かなければならない。残念ながら、単にイオン源出力を読み取るだけでは、イオン発生管をどの方向へ又はどの程度調節すべきかという明確な指標は得られない。サービス技術者は通常、所望のイオン源出力が測定されるまで、位置を小さい増分で調節し、ポンプ排気及び測定の工程を何回も繰り返さなければならない。1回の繰り返しに2〜3時間を要し得る。熟練していないサービス技術者の場合には、イオン源出力の許容レベルを達成するのに何回も繰り返しを要する可能性がある。従って、イオン源の配置及び調節のための従来のアプローチは極めて時間浪費的であり得る。イオン源出力の許容レベルが達成されたとしても、イオン発生管の最適位置に達したか否かが明確になることは稀である。
【0006】
残念ながら、イオン源は典型的には耐用年数が限定されており定期的な交換を必要とするため、イオン源の調節は避け難い。定期サービス中には、イオン源への接触を可能にするためにサイクロトロンを開ける必要がある。しかしながら、サイクロトロンは通常、同位元素生成中には放射性になっているので、サービスを開始する前に放射線が減衰して安全なレベルになるまで待機する必要がある。放射線減衰の待機時間は例えば10時間にわたる場合もある。放射線の安全なレベルは通常、サービス技術者がどれほど長時間被曝するかによって決まる。すなわち、短時間で済む作業は長時間を要する作業の場合よりも高い放射線レベルで(すなわち短い減衰時間後に)開始することができる。従って、新品のイオン源を配置して調節するのに要する時間が短いほど、定期サービスを速く完了することができる。
【0007】
以上を考慮して、イオン発生管の正確な配置及び調節のためのさらに効率的な解決法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、公知のシステム及び方法の欠点を克服するイオン源の配置及び調節のための方法並びに装置に関する。
【0009】
一実施形態によれば、本発明はイオン源の配置及び調節のための装置に関する。この装置は底部プレート、中間プレート及び上部プレートを含んでおり、上部プレートは、該上部プレートを第一の方向に移動させて中間プレートに対して所定の位置に配置する少なくとも1個の調節部材によって中間プレートに結合されており、中間プレートは、該中間プレートを底部プレートに対して第二の方向に移動させるウォーム・ギア・アセンブリによって底部プレートに結合されている。
【0010】
もう一つの実施形態によれば、本発明はイオン源の配置及び調節のための方法に関する。この方法は、調節ツールの上部プレートにイオン発生管を結合するステップであって、上部プレートは、該上部プレートを第一の方向に移動させる少なくとも1個の調節部材によって中間プレートに結合されている、結合するステップと、調節ツールの底部プレートをサイクロトロン室に取り付けることにより調節ツールを設置するステップと、上部プレートが中間プレートに対して所定の位置に位置するまで少なくとも1個の調節部材を調節するステップと、中間プレートを底部プレートに対して第二の方向に移動させるウォーム・ギアを、イオン発生管の所望の出力が測定されるまで駆動するステップとを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のより十分な理解を促すために、以下では添付図面を参照する。これらの図面は本発明を限定していると解釈されるべきでなく、例示のみを目的とするものとする。
【0012】
以下、本発明の例示的実施形態について詳細に参照し、添付図面に実例を示す。
【0013】
図2に示されているものと類似したイオン源では、スリット開口の引込器に対する相対的配置が、イオン抽出に影響する重要な要因となる。イオン発生管の位置は通常、1ミリメートル未満の単位で正確でなければならない。イオン発生管の正確な配置は通常、引込器までの距離(又は「縦方向位置」)、引込器に対するスリット開口の横方向位置、及びイオン源本体に対するスリット開口の角度という三つのパラメータに依存する。これら三つのパラメータのうち、スリット開口の横方向位置が通常最も重要である。引込器までの距離及び横方向位置は、以下に説明する方法及び装置に基づいて正確且つ効率的に調節することができる。スリット開口の角度は、イオン発生管の設置中に特殊な角度ツールによって容易に固定することができる。
【0014】
図3及び図4は、本発明の実施形態による例示的なイオン源調節ツールを示す。図3は例示的なイオン源調節ツールの正面を示し、図4は裏面を示す。
【0015】
例示的なイオン源調節ツールは、上部プレート13、中間プレート12、及び底部プレート11の3枚のプレートを含んでいてよい。上部プレート13はローレットねじ19で中間プレートに結合することができる。ローレットねじ19は、回転させると上部プレート13が中間プレート12に対し前後に摺動し得るように、上部プレート13を貫通して中間プレート12に進入していてよい。上部プレート13の移動は±X方向に沿った直線運動であってよい。ローレットねじ19の隣に位置する止めねじ18は、中間プレート12に対する上部プレート13の相対位置を制御することができる。この相対位置は異なるサイクロトロン間で様々であってよい。止めねじ18は上部プレート13を貫通し、中間プレート12の後部に接触したときに止め具として作用することができる。止めねじ18が何処まで延在していると中間プレート12に接触するかを制御するように止めねじ18を調節することができる。ローレットねじ及び止めねじの組み合わせの他に、当業界で公知の他の機構を用いて中間プレート12に対する上部プレート13の相対位置を制御してもよい。例えば、ローレットねじを単独で、上部プレート13及び/又は中間プレート12の縁部に沿った印と共に用いて相対位置を調節してもよい。
【0016】
中間プレート12はウォーム・ギア・アセンブリ304によって底部プレート11に結合することができる。ウォーム・ギア・アセンブリ304は、中間プレート12を、ピボット302を中心として僅かに回転させることができる。回転は典型的には極めて小さいので、中間プレート12の先端が±Y方向に沿って動いているように見える。ウォーム・ギア・アセンブリ304の詳細及びその動作は、図6及び図7に関連して後述する。
【0017】
図5は、本発明の実施形態による例示的なイオン源調節ツールがサイクロトロンに設置されている様子を示す。図5はサイクロトロン室の一部を示している。例示的なイオン源調節ツールは例えば磁極バレー(valley)402に設置することができる。設置は、底部プレート11を磁極面に取り付けることにより行なうことができる。上部プレート13はイオン源アセンブリ408、具体的にはイオン発生管(図示されていない)に結合され得る。パイプ404は、水冷パイプ、及び水素等のプラズマ生成ガスを供給するガス線を含んでいてよい。銅管406内部に隠されている可撓性シャフトが、一端でカップリング23を介してウォーム・ギア・アセンブリに結合され、他端でサイクロトロン室の外部で駆動ユニットに結合され得る。駆動ユニットは、可撓性シャフトを両方向に回転させるモータを含んでいてよく、これによりウォーム・ギア・アセンブリが中間プレート12を横方向(すなわち±Y方向)へ前後に移動させる。ウォーム・ギア・アセンブリによる移動範囲は数ミリメートルに過ぎず、一方、イオン発生管はピボット302から約50mm離隔しているため、イオン発生管の移動は事実上直線運動である。
【0018】
イオン源を交換するためには、古いイオン発生管が取り付けられた状態の上部プレート13をサイクロトロン室から取り外すことができる。次いで、古いイオン発生管を新品に交換することができる。新品のイオン発生管のスリット開口を適当な角度に設けるために角度ツールを用いることができる。次に、新品のイオン発生管を取り付けた上部プレート13を磁極バレー402に改めて設置することができる。止めねじ18は上部プレート13と中間プレート12との間の相対位置を「記憶している」ので、止めねじ18が中間プレート12に接触するまでローレットねじ19を締めることにより、かかる位置を容易に復元することができる。引込器とイオン発生管との間の元の距離(例えば約1.5mm)が復元されていることを速やかに確認するために隙間ゲージ(図示されていない)を用いてもよい。一旦、サイクロトロン室を閉じて許容可能な真空レベルまでポンプ排気したら、例えばイオン・プローブを用いて新品のイオン源の出力を測定することができる。測定した出力(すなわちイオン・プローブ電流)に基づいてウォーム・ギア・アセンブリをサイクロトロン室の外部から連続的に調節して、所望のイオン源出力が測定されるまで中間プレート12(従ってここに取り付けられている上部プレート13及びイオン発生管)を±Y方向に移動させることができる。例えば、イオン発生管を先ず一方向(例えば+Y方向)に移動させることができる。イオン・プローブ電流が増加したら、イオン発生管を同じ方向へ移動させ続けてよい。イオン・プローブ電流が低下し始めたら、すなわち最高値を過ぎたら、イオン発生管は最適位置を通り越した可能性がある。イオン源調節ツールは、イオン・プローブ電流で最高値が測定されるまで、イオン発生管を反対方向へ移動させるように制御することができる。新品のイオン源設置時の調節以外に、サイクロトロンの動作中に最適化を行なってもよい。
【0019】
イオン発生管の縦方向位置は設置時に復元されており、横方向位置はサイクロトロン室が高真空にある間も遠隔から継続的に調節可能であるため、イオン源に要するサービス時間を従来のアプローチの場合よりも大幅に短縮することができる。結果として、サービス技術者の放射線被曝量を大幅に減少させることができる。設置が迅速且つ容易に行なわれるため、高度に熟練したサービス技術者でなくとも一貫した結果が得られる。
【0020】
図6には、例示的なイオン源調節ツールの様々な部品を示す機械図を示す。上部プレート13、中間プレート12及び底部プレート11に加えて、例示的なイオン源調節ツールは、例えばサイクロトロン室の内部の磁極面に底部プレート11を固定するためのねじ14を含んでいてよい。ねじ17が、中間プレート12を底部プレート11に固定するように、つば16を貫通してナット15にねじ式で挿入され得る。つば16を保持する孔28及び孔29は寸法が僅かに異なっていることに留意されたい。孔28は孔29より僅かに大きく、これにより孔29を中心とした中間プレートの限定的な回転を許している。孔29は図3〜図5に示すピボット302に対応している。ウォーム・ギア・アセンブリ304は、底部プレート11に取り付けられている基部20を含んでいてよい。基部20はシャフトを含んでおり、シャフトの周りでギア21が回転することができる。ウォーム22(駆動側ギア)はギア21(被動側ギア)に結合されてギア21の回転を生ずることができる。ウォーム22とギア21との間のギア比は大きくしてよい。すなわち、ウォーム22の数回転がギア21の1回転を生ずるようにしてよい。このように、ウォーム22を介してギア21の微調節を行なうことができる。シャフト要素がギア21に取り付けられてギア21と共に回転することができる。シャフト要素は、ギア21の回転中心に整列していないシャフト24を含んでいてよい。すなわち、シャフト24は意図的に偏心されている。シャフト24は、2個のねじ26で中間プレート12に取り付けられているプレート25内の軌道30を通過し得る。このため、ウォーム22を(例えばδ方向へ)回転させると、ギア21が駆動されて、シャフト24を(例えばθ方向へ)回転させる。シャフト24は回転するにつれて軌道30内を摺動し、中間プレート12を孔29(又はピボット302)を中心に回転させる。上部プレート13はローレットねじ19及び2個のボルト27によって中間プレートに結合されているので、中間プレート12の僅かな回転が、上部プレート13及び上部プレート13に取り付けられているイオン発生管を共に横方向すなわち±Y方向へ移動させることができる。動作時には、ウォーム22は典型的には、カップリング23を介して可撓性シャフト(図示されていない)に結合されている。
【0021】
可撓性シャフトはサイクロトロン室の外部に位置する駆動ユニットに結合することができる。図7は本発明の実施形態による例示的なイオン源調節ツールと共に用いられる例示的な駆動ユニット700を示す。図8は例示的な駆動ユニット700の様々な部品を示す。例示的な駆動ユニット700はモータ・アセンブリ810を含んでいてよい。可撓性シャフト804が銅管802によって防護されると共に誘導されており、カップリング806及びつば要素808を介してモータ・アセンブリ810に結合されていてよい。モータ・アセンブリ810は、手元制御ユニットへの接続に対応するためのインタフェイス・コネクタ812をさらに含んでいてよい。
【0022】
図9は、本発明の実施形態による例示的な駆動ユニット700と共に用いられる例示的な手元制御ユニット900を示す。例示的な手元制御ユニット900はインタフェイス・コネクタ904を含んでいてよい。適合するケーブル(例えばD−subケーブル)を用いて、インタフェイス・コネクタ904をインタフェイス・コネクタ812に接続し、これにより駆動ユニット700を手元制御ユニット900の制御の範囲内に置くことができる。手元制御ユニット900は、駆動モータの回転方向を変えるための第一のスイッチ902と、駆動モータを回転させるための第二のスイッチ906とを含んでいてよい。動作時には、新品のイオン発生管を調節ツールで配置した後に、サイクロトロン室を閉じてポンプ排気することができる。次いで、イオン源を作動させて出力を測定することができる。ここで、手元制御ユニット900を用いて駆動ユニット700を制御すると、駆動ユニット700がウォーム・ギア・アセンブリを駆動する。手元制御ユニット900を用いると、イオン発生管の横方向位置をいずれの方向へも連続的に変えることができる。これにより、イオン源からの所望の出力に相当する最適な横方向位置を見出すことが可能となる。
【0023】
以上の説明には多くの詳細及び特定性が含まれているが、これらは説明を目的としてのみ含まれているのであって、本発明の限定と解釈されるべきではないことを理解されたい。当業者には、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく上述の実施形態に他の改変を施し得ることが明らかであろう。従って、かかる改変は、特許請求の範囲及びその法的同等物に包含されているものとして本発明の範囲内にあると看做される。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】同位元素生成のための公知のサイクロトロンの動作を示す図である。
【図2】同位元素生成のためのサイクロトロンに用いられる公知のプラズマ式イオン源の動作を示す図である。
【図3】本発明の実施形態による例示的なイオン源調節ツールを示す図である。
【図4】本発明の実施形態による例示的なイオン源調節ツールを示す図である。
【図5】本発明の実施形態によるサイクロトロンに設置された例示的なイオン源調節ツールを示す図である。
【図6】例示的なイオン源調節ツールの様々な部品を示す機械図である。
【図7】本発明の実施形態による例示的なイオン源調節ツールと共に用いられる例示的な駆動ユニットを示す図である。
【図8】例示的な駆動ユニットの様々な部品を示す図である。
【図9】本発明の実施形態による例示的な駆動ユニットと共に用いられる例示的な手元制御ユニットを示す図である。
【符号の説明】
【0025】
11 底部プレート
12 中間プレート
13 上部プレート
14、17 ねじ
15 ナット
16 つば
18 止めねじ
19 ローレットねじ
20 基部
21 ギア
22 ウォーム
23 カップリング
24 シャフト
25 プレート
26 ねじ
27 ボルト
28、29 孔
30 軌道
102、104 D字形金属電極
103 間隙
106 イオン源
108 負イオン
110 螺旋状進路
200 イオン源
202 カソード
204 イオン発生管
206 スリット開口
208 空洞部
210 プラズマ放電
212、214 電源
216 引込器
218 負の水素イオン
220 磁場
302 ピボット
304 ウォーム・ギア・アセンブリ
402 磁極バレー
404 パイプ
406 銅管
408 イオン源アセンブリ
700 駆動ユニット
802 銅管
804 可撓性シャフト
806 カップリング
808 つば要素
810 モータ・アセンブリ
812 インタフェイス・コネクタ
900 手元制御ユニット
902 第一のスイッチ
904 インタフェイス・コネクタ
906 第二のスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部プレート(11)、中間プレート(12)及び上部プレート(13)を備えたイオン源の配置及び調節のための装置であって、
前記上部プレート(13)は、当該上部プレート(13)を第一の方向に移動させて前記中間プレート(12)に対して所定の位置に配置する少なくとも1個の調節部材(18、19)により前記中間プレート(12)に結合されており、
前記中間プレート(12)は、当該中間プレート(12)を前記底部プレート(11)に対して第二の方向に移動させるウォーム・ギア・アセンブリ(304)により前記底部プレート(11)に結合されている、
装置。
【請求項2】
前記少なくとも1個の調節部材(18、19)はローレットねじ(19)及び止めねじ(18)を含んでおり、前記ローレットねじ(19)は前記上部プレート(13)を前記第一の方向に移動させ、前記止めねじ(18)は前記上部プレート(13)を前記中間プレート(12)に対して所定の位置に停止させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ウォーム・ギア・アセンブリ(304)は、偏心したシャフト(24)を前記中間プレート(12)の一部に通すシャフト要素を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記上部プレート(13)はイオン発生管(408)に結合されており、
前記少なくとも1個の調節部材(18、19)は前記イオン発生管(408)を前記第一の方向に移動させ、
前記ウォーム・ギア・アセンブリ(304)は前記イオン発生管(408)を前記第二の方向に移動させる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記底部プレート(11)はサイクロトロンの一部に取り付けられる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ウォーム・ギア・アセンブリ(304)は可撓性シャフト(804)により駆動される、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記上部プレート(13)の前記第一の方向への前記移動は直線運動であり、
前記中間プレート(12)の前記第二の方向への前記移動は回転運動である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
調節ツールの上部プレート(13)にイオン発生管を結合するステップであって、前記上部プレート(13)は、当該上部プレート(13)を第一の方向に移動させる少なくとも1個の調節部材(18、19)により中間プレート(12)に結合されている、結合するステップと、
前記調節ツールの底部プレート(11)をサイクロトロン室(402)に取り付けることにより前記調節ツールを設置するステップと、
前記上部プレート(13)が前記中間プレート(12)に対して所定の位置に位置するまで前記少なくとも1個の調節部材(19)を調節するステップと、
前記中間プレート(12)を前記底部プレート(11)に対して第二の方向に移動させるウォーム・ギア(304)を、前記イオン発生管(408)の所望の出力が測定されるまで駆動するステップと、
を備えたイオン源の配置及び調節のための方法。
【請求項9】
前記上部プレート(13)はイオン発生管(408)に結合されており、
前記少なくとも1個の調節部材(18、19)は前記イオン発生管(408)を前記第一の方向に移動させ、
前記ウォーム・ギア・アセンブリ(304)は前記イオン発生管(408)を前記第二の方向に移動させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ウォーム・ギア・アセンブリ(304)は可撓性シャフト(804)により駆動される、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−4941(P2006−4941A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176120(P2005−176120)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】