説明

イオン発生装置、及びこれを備えた電気機器

【課題】プラスイオンを長期的に安定して発生させることの容易なイオン発生装置、及びこれを備えた電気機器を提供する。
【解決手段】イオン発生装置は、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させる静電霧化部11と、プラスイオンを発生させるプラスイオン発生部21とを備えている。静電霧化部11は、霧化電極12に供給された液体に高電圧が印加されることにより、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生する。プラスイオン発生部21は、放電によりプラスイオンを発生する。イオン発生装置は、静電霧化部11の作動中にプラスイオン発生部21の作動を停止させる制御部31を備えている。電気機器は、イオン発生装置を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストとプラスイオンとを発生するイオン発生装置、及びこれを備えた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、霧化電極に供給された液体に高電圧を印加してマイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させる静電霧化装置が知られている(特許文献1等参照)。この帯電微粒子ミストに含まれるラジカルは、空気中の浮遊物質に作用することで、脱臭や除菌といった効果を奏する。一方、放電によりプラスイオンを発生するイオン発生装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−68711号公報
【特許文献2】特開2007−305417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放電により発生したプラスイオンは、例えば空気中を浮遊する物質に付着することで、その物質をプラスに帯電させたり、その物質の有するマイナスの電荷を打ち消したりする。このようにプラスイオンの付着した物質に対して、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストの電気的な反発力が生じ難くなる。このため、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを各種物質に効率的に付着させることができると考えられる。従って、所定の空間内に存在する物質に対して、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストの機能性を速やかに発揮させたい場合では、プラスイオンを共存させることが好適であると考えられる。この点、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させる静電霧化部と、放電によりプラスイオンを発生させるプラスイオン発生部とを備えるイオン発生装置が有効である。ところで、プラスイオン発生させるための放電電極は、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させる霧化電極よりも摩耗し易く、その摩耗が進行することでプラスイオンの発生が不安定になるおそれがある。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、プラスイオンを長期的に安定して発生させることの容易なイオン発生装置、及びこれを備えた電気機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のイオン発生装置は、霧化電極に供給された液体に高電圧を印加してマイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させる静電霧化部と、放電によりプラスイオンを発生させるプラスイオン発生部と、前記静電霧化部の作動中に前記プラスイオン発生部の作動を停止させる制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
このイオン発生装置においては、前記プラスイオン発生部の作動を開始させるか否かを選択する選択スイッチを備えることが好ましい。
このイオン発生装置においては、前記制御部は、前記静電霧化部の作動中に空気中の浮遊物質を検出する検出センサからの入力信号に基づいて前記プラスイオン発生部の作動を開始することが好ましい。
【0008】
このイオン発生装置においては、前記浮遊物質が、埃、アレルゲン、臭気物質、菌類、及びウイルスから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の電気機器は、上記イオン発生装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プラスイオンを長期的に安定して発生させることの容易なイオン発生装置、及びこれを備えた電気機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態におけるイオン発生装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1に従って説明する。
図1に示されるように、イオン発生装置は、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させる静電霧化部11と、プラスイオンを発生させるプラスイオン発生部21とを備えている。
【0012】
静電霧化部11は、霧化電極12と、霧化電極12を冷却するペルチェユニット13と、霧化電極12に高電圧を印加する第1高電圧印加部14とを備えている。霧化電極12の先端部には、空気中の水分(水蒸気)が冷却されることで凝縮した水が供給される。霧化電極12には、第1高電圧印加部14により高電圧が印加されることで、霧化電極12の水が静電霧化される。すなわち、霧化電極12の先端部に供給された水に、高電圧の印加により静電気力が与えられると、水は、テイラーコーンを形成してレイリー分裂を繰り返すようになる。こうして静電霧化部11は、水を静電霧化させることで、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生する。
【0013】
霧化電極12は、熱伝導性及び導電性を有する材料、例えば金属材料から構成され、霧化電極12の先端は、球状に形成されている。霧化電極12の周囲には、筒状をなすとともに絶縁材料からなる側壁部が立設されている。側壁部により囲まれるとともに霧化電極12の配置された空間は、水を静電霧化させる霧化空間となっている。側壁部は、空気を取り込む開口を有することで、霧化空間に空気が供給されるようになっている。側壁部の上部には、霧化電極12のグランド電極となる対向電極15が設置されている。この対向電極15は環状をなし、その内側は霧化空間から帯電微粒子ミストが放出される放出部として構成されている。なお、絶縁材料からなり、開口を有する上壁部を側壁部に設けるとともに、その上壁部に導電性膜を設けることでグランド電極を構成してもよい。
【0014】
霧化電極12及び対向電極15は、第1高電圧印加部14に接続されている。そして、第1高電圧印加部14により霧化電極12と対向電極15との間に高電圧が印加されることで、静電霧化部11は作動する。
【0015】
ペルチェユニット13は、厚さ方向に互いに対向して配置される一対の回路基板間に複数の熱電素子を配置して構成されている。こうした回路基板によって複数の熱電素子が電気的に接続されている。ペルチェユニット13は、通電により一方の回路基板から、他方の回路基板へ熱を移動する。ペルチェユニット13において、一方の回路基板は冷却部となり、他方の回路基板は放熱部となる。
【0016】
冷却部には、熱伝導性を有する絶縁板を介して霧化電極12が設けられている。放熱部には、放熱を促進する放熱部材16(放熱フィン)が設けられている。
プラスイオン発生部21は、放電電極22と、放電電極22に高電圧を印加する第2高電圧印加部23とを備えている。放電電極22には、第2高電圧印加部23により高電圧が印加されることで、例えばコロナ放電等の放電により、プラスイオンを発生する。
【0017】
放電電極22は、導電性を有する材料、例えば金属材料から構成され、放電電極22の先端は、針状に形成されている。放電電極22の周囲には、筒状をなすとともに絶縁材料からなる側壁部が立設されている。側壁部の上部には、放電電極22のグランド電極となる対向電極24が設置されている。この対向電極24は環状をなし、その内側はプラスイオンが放出される放出部として構成されている。なお、絶縁材料からなり、開口を有する上壁部を側壁部に設けるとともに、その上壁部に導電性膜を設けることでグランド電極を構成してもよい。
【0018】
放電電極22及び対向電極24は、第2高電圧印加部23に接続されている。そして、第2高電圧印加部23により放電電極22と対向電極24との間に高電圧が印加されることで、プラスイオン発生部21は作動する。
【0019】
イオン発生装置は、第1高電圧印加部14と第2高電圧印加部23とを制御する制御部31を備えている。制御部31は、静電霧化部11の作動中に、第2高電圧印加部23を制御することでプラスイオン発生部21の作動を停止する。
【0020】
制御部31は、プラスイオン発生部21の作動時間を計時するタイマを備えている。制御部31は、タイマの計時時間と予め設定された時間とに基づいてプラスイオン発生部21の作動を停止させる。なお、イオン発生装置には、プラスイオン発生部21を作動させる時間を入力する入力部が装備されていてもよい。また、イオン発生装置には、プラスイオン発生部21を作動させる時間を異なる時間に切り替える切替部が装備されていてもよい。すなわち、制御部31は、入力部又は切替部により設定された時間と、タイマの計時時間とに基づきプラスイオン発生部21の作動を停止するように構成されてもよい。
【0021】
上記のようにプラスイオン発生部21の作動が停止されたとき、静電霧化部11の作動は停止されずに、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストの発生は継続される。静電霧化部11の作動は、例えばメインスイッチ(図示省略)の操作により停止される。
【0022】
本実施形態のイオン発生装置は、静電霧化部11のみの作動を開始させる第1モードと、静電霧化部11及びプラスイオン発生部21のいずれの作動も開始させる第2モードとを選択可能な選択スイッチ32を備えている。この選択スイッチ32は、制御部31に接続され、選択スイッチ32の操作により、第1モード及び第2モード、すなわち、プラスイオン発生部21の作動を開始させるか否かについて選択される。そして、制御部31は、選択スイッチ32で選択されたモードに基づいて静電霧化部11及びプラスイオン発生部21を制御する。
【0023】
本実施形態のイオン発生装置は、空気中の浮遊物質を検出する検出センサ33を備えている。検出センサ33は、制御部31に接続されている。そして、制御部31は、静電霧化部の作動中に、検出センサ33からの入力信号に基づいてプラスイオン発生部21の作動を開始する。制御部31は、例えば、検出センサ33の検出値が所定値以上になった場合にプラスイオン発生部21の作動を開始するように構成される。
【0024】
検出センサ33により検出される浮遊物質としては、例えば、埃、アレルゲン、臭気物質、菌類、及びウイルスから選ばれる少なくとも一種が好ましい。すなわち、検出センサ33としては、埃センサ、アレルゲンセンサ、臭気センサ、及び、菌類又はウイルスを検出するバイオセンサが挙げられる。
【0025】
イオン発生装置には、単一の検出センサ33を装備させてもよいし、複数の検出センサ33を装備させてもよい。例えば、複数の検出センサ33により、異なる種類の浮遊物質を検出した結果に基づいてプラスイオン発生部21の作動を開始するように構成してもよい。
【0026】
上記のように構成されたイオン発生装置では、選択スイッチ32により、第1モードと第2モードとが選択される。第2モードでは、静電霧化部11及びプラスイオン発生部21のいずれの作動についても開始されるため、所定の空間には、マイナスに帯電した帯電微粒子ミスト、及びプラスイオンが放出される。このとき、プラスイオンは、所定の空間内に浮遊している物質やその空間に露出する面に存在する物質に付着する。これにより、空間に存在する物質は、プラスに帯電されたり、マイナスの電荷が弱められたりすることになる。このようにプラスイオンの付着した物質に対して、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストの電気的な反発力が生じ難くなる。このため、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを各種物質に効率的に付着させることができると考えられる。これにより、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストに含まれるラジカルが各種物質に効率的に作用するようになる。
【0027】
従って、例えば、所定の空間内に存在する物質に対して、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストの機能性を速やかに発揮させたい場合では、選択スイッチ32により第2モードが選択されることが好適である。
【0028】
なお、本実施形態では、第1モードが選択された場合では、静電霧化部11の作動中において、検出センサ33の検出信号に基づいてプラスイオン発生部21の作動が開始される。従って、例えば、所定の空間内に存在する浮遊物質の量が所定量を超えたときや、特定の浮遊物質が検出されたときに、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストの機能性は、プラスイオンの発生により速やかに発揮されるようになる。
【0029】
そして、制御部31は、静電霧化部11の作動中に、プラスイオン発生部21の作動を停止する。これにより、プラスイオン発生部21の作動している時間は、静電霧化部11の作動している時間よりも短縮される。このため、放電電極22の摩耗の進行を抑制することができる。
【0030】
プラスイオン発生部21の作動が停止された後、制御部31は、検出センサ33からの入力信号に基づいてプラスイオン発生部21の作動を開始する。そして、制御部31は、タイマの計時時間に基づいてプラスイオン発生部21の作動を再び停止する。
【0031】
上述したイオン発生装置は、電気機器に搭載させることができる。電気機器の具体例としては、空気調和機、空気清浄機、美容・理容器具、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、掃除機、扇風機、及び暖房器具が挙げられる。ここで、空気調和機、空気清浄機、冷蔵庫、扇風機、暖房器具、又は乾燥機においては、例えば、電気機器の使用の開始とともに、イオン発生装置が作動されるように構成すると、その作動は長時間継続されることになり得る。また、例えば、イオン発生装置の作動を開始及び停止する手動スイッチを電気機器に設けたとしても、その手動スイッチの操作は煩雑であり、イオン発生装置を一旦停止してしまうと、帯電微粒子ミストのみによる効果すら得られなくなる。この点、本実施形態のイオン発生装置は、プラスイオン発生部21の作動時間を短縮させることができるため、上記のような長時間継続して使用される電気機器に適用することが極めて有効である。
【0032】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)イオン発生装置は、静電霧化部11の作動中にプラスイオン発生部21の作動を停止させる制御部31を備えているため、プラスイオン発生部21の作動している時間は、静電霧化部11の作動している時間よりも短縮される。これにより、霧化電極12に対して放電電極22の摩耗の進行を抑制することができるようになる。従って、プラスイオンを長期的に安定して発生させることの容易なイオン発生装置を提供することができる。こうしたイオン発生装置では、例えば、霧化電極12の寿命と放電電極22の寿命とを近づけることができるため、その結果、長寿命化されたイオン発生装置が提供できるようなる。
【0033】
(2)イオン発生装置は、プラスイオン発生部21を作動させるか否かを選択する選択スイッチ32を備えている。これにより、例えば、臭気が強く感じられる場合には、静電霧化部11とともにプラスイオン発生部21を作動させることができる。一方、例えば、臭気があまり感じられない場合には、静電霧化部11のみを作動させることができる。このように選択スイッチ32は、イオン発生装置の作動開始時に、常にプラスイオン発生部21の作動が開始されることを回避することができる。従って、プラスイオンを長期的に安定して発生させることがさらに容易となる。
【0034】
(3)制御部31は、静電霧化部11の作動中に、検出センサ33からの入力信号に基づいてプラスイオン発生部21の作動を開始する。このように構成した場合、例えば、浮遊物質の検出量に応じて、マイナスに帯電した帯電微粒子ミスト、及びプラスイオンのいずれも発生されるようになる。従って、放電電極22の摩耗の進行を抑制しつつも、静電霧化部11及びプラスイオン発生部21を備えるイオン発生装置を有効に利用することができる。検出センサ33の検出する浮遊物質としては、埃、アレルゲン、臭気物質、菌類、及びウイルスから選ばれる少なくとも一種であることが好適である。
【0035】
(4)イオン発生装置が電気機器に搭載されることで、上記(1)の作用効果の得られる電気機器が提供される。電気機器として、例えば、空気調和機、空気清浄機、冷蔵庫、扇風機、暖房器具、又は乾燥機では、長時間継続して使用されることになり得るため、放電電極22の摩耗の進行を抑制することが特に重要となる。従って、このような電気機器において、上記イオン発生装置の搭載は極めて有効となる。
【0036】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・イオン発生装置には、選択スイッチ32及び検出センサ33が備えられているが、選択スイッチ32及び検出センサ33の少なくとも一方を省略してもよい。選択スイッチ32を省略したイオン発生装置では、静電霧化部11及びプラスイオン発生部21のいずれの作動も開始されるように構成される。また、検出センサ33を省略したイオン発生装置では、制御部31によりプラスイオン発生部21が停止された後、選択スイッチ32により第2モードが選択されるまで、プラスイオン発生部21の作動は停止される。このように構成した場合であっても、プラスイオン発生部21の継続した作動を抑制することができるため、上記(1)に記載の作用効果が得られる。
【0037】
・選択スイッチ32により選択される第1モードは、静電霧化部11の作動の開始時のみ、プラスイオン発生部21の作動が開始されずに、検出センサ33からの入力信号に基づきプラスイオン発生部21の作動が開始されるように構成されている。例えば、第1モードは、常にプラスイオン発生部21の作動が開始されない構成に変更されてもよい。また例えば、第1モードとして、次のような第1Aモードと第1Bモードとが選択可能な構成とされていてもよい。第1Aモードは、静電霧化部11の作動の開始時のみ、プラスイオン発生部21の作動が開始されない構成とされる。第1Bモードは、常にプラスイオン発生部21の作動が開始されない構成とされる。
【0038】
・前記制御部31は、検出センサ33からの入力信号に基づいてプラスイオン発生部21の作動を停止するように構成されてもよい。この場合、タイマの計時時間に基づいてプラスイオン発生部21の作動を停止する構成を省略しても、上記(1)に記載の作用効果が得られる。
【0039】
なお、制御部31が、検出センサ33及びタイマを有する場合には、タイマの計時時間、又は、検出センサ33からの入力信号のいずれかを優先させて、プラスイオン発生部21の作動を停止させる構成とすることができる。すなわち、制御部31は、タイマの計時時間が所定時間に達する前であっても、検出センサ33からの入力信号に基づきプラスイオン発生部21の作動を強制的に停止する制御を行うように構成されてもよい。また、制御部31は、検出センサ33からの入力信号が所定の値に達する前であっても、タイマの計時時間に基づきプラスイオン発生部21の作動を強制的に停止する制御を行うように構成されてもよい。
【0040】
・静電霧化部11では、霧化電極12をマイナス電圧として、対向電極15をグランドとした高電圧を印加することでマイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させることができる。例えば、霧化電極12をグランドとして、対向電極15をプラス電圧とした高電圧を印加することで、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させるようにしてもよい。また、プラスイオン発生部21では、放電電極22をプラス電圧として、対向電極15をグランドとした高電圧を印加してプラスイオンを発生させることができる。例えば、放電電極22をグランドとして、対向電極24をマイナス電圧とした高電圧を印加することで、プラスイオンを発生させるようにしてもよい。
【0041】
・対向電極15をプラス電極として構成することで、放電によって生じた帯電微粒子ミストを対向電極15によって一層引きつけることができるので、帯電微粒子ミストの推進力を増加させることができる。また、対向電極24をマイナス電極として構成することで、放電によって生じたプラスイオンを対向電極24によって一層引きつけることができるので、プラスイオンの推進力を増加させることができる。
【0042】
・対向電極15,24を設けずに、霧化電極12及び放電電極22に高電圧が印加される構成としてもよい。例えば、霧化電極12及び放電電極22の周囲に配置される構成部品、例えば帯電除去板、側壁、ハウジング等に対向電極15,24の働きをさせてもよい。
【0043】
・前記実施形態では、ペルチェユニット13の冷却部で霧化電極12を冷却することで放電部に水を供給しているが、例えば貯留タンクを設けることでその貯留タンクから水を供給するように変更してもよい。この場合、貯留タンクからポンプの圧力を用いて水を供給してもよいし、毛細管現象により霧化電極12の先端部位に水が供給されるように構成してもよい。
【0044】
・前記静電霧化部11では、水を静電霧化させることで、帯電微粒子ミストを発生させているが、水以外の液体(例えば、化粧水、薬液等)を霧化電極12の先端部位に供給してもよい。すなわち、静電霧化部11は、水以外の液体を静電霧化させることで、マイナスに帯電した帯電微粒子ミストを生成するように変更されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
11…静電霧化部、12…霧化電極、21…プラスイオン発生部、31…制御部、32…選択スイッチ、33…検出センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
霧化電極に供給された液体に高電圧を印加してマイナスに帯電した帯電微粒子ミストを発生させる静電霧化部と、放電によりプラスイオンを発生させるプラスイオン発生部と、前記静電霧化部の作動中に前記プラスイオン発生部の作動を停止させる制御部とを備えることを特徴とするイオン発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のイオン発生装置において、
前記プラスイオン発生部の作動を開始させるか否かを選択する選択スイッチを備えることを特徴とするイオン発生装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のイオン発生装置において、
前記制御部は、前記静電霧化部の作動中に空気中の浮遊物質を検出する検出センサからの入力信号に基づいて前記プラスイオン発生部の作動を開始することを特徴とするイオン発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載のイオン発生装置において、前記浮遊物質が、埃、アレルゲン、臭気物質、菌類、及びウイルスから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とするイオン発生装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする電気機器。

【図1】
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【公開番号】特開2012−75483(P2012−75483A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220729(P2010−220729)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】