説明

イオン発生装置及び放電装置

【課題】針状電極の清掃及び交換を行う必要がなく、長期に渡って安定したイオン発生性能を維持できるイオン発生装置の提供。
【解決手段】針状放電電極11,12,13及び誘電電極2間に電圧を印加し放電させることにより、イオンを発生させるイオン発生装置。針状放電電極11,12,13を複数備えており、複数の針状放電電極11,12,13の先端部分を個別に被覆する絶縁性の放電抑止部材51,52と、放電抑止部材51,52を針状放電電極12,13の先端部分から外すことにより、放電させる針状放電電極11,12,13を選択する放電電極選択手段6とを備える構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針状放電電極及び誘電電極間に電圧を印加し放電させることにより、イオンを発生させるイオン発生装置、並びにイオン発生装置及びラジカル発生装置等に使用され、針状放電電極及び誘電電極間に電圧を印加することにより放電する放電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、内蔵するイオン発生装置によりイオンを発生させて、空気の除菌、消臭又はリフレッシュ機能等を発揮する空気清浄機及び除湿器等の電気機器が普及しつつある。
イオンを発生させる方法としては、大気圧中で針電極に高電圧を印加し放電させることで電気的に発生させるコロナ放電、金属性のワイヤーに高電圧を印加し放電させる方式、電極間に誘電体を挟み込む構造で空気中にプラズマを生じさせる沿面放電方式等が知られている。
【0003】
具体的には、例えば特許文献1には、保持体に支持された少なくとも1本の針電極と、同じく保持体に支持されたアース電極とを有し、その針電極及びアース電極間に高電圧を印加して、針電極先端部においてコロナ放電を生起させ、このコロナ放電によりイオンを発生させるイオン発生装置が開示されている。
特許文献2には、対向電極が設けられた筒状部及びボス部を有する整流ダクトと、筒状部に着脱自在に装着される放電モジュールとを備え、整流ダクトには送風機のファンにより空気が供給される除電装置が開示されている。放電モジュールは、ボス部に嵌合されるホルダと、このホルダに取付けられ、対向電極に向けて径方向の外方に突出する複数の放電電極とを有している。放電電極の先端に異物等が付着した場合、又は放電電極が劣化した場合には、放電モジュールはボス部から取り外される。
【0004】
特許文献3には、誘電体と、誘電体に配設される放電電極と、誘電体の内部に配設されて放電電極の作用を受ける誘電電極とを有してなるイオン発生素子が開示されている。イオン発生素子に通電するソケット型電源部に脱着可能なプラグ部を有し、プラグ部には放電電極及び誘電電極の電極接点が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−18348号公報
【特許文献2】特開2006−196380号公報
【特許文献3】特開2006−228646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなコロナ放電を利用したイオン発生装置及び放電装置では、使用環境によって、放電電極の放電針(針状電極)の針先に帯電した塵埃等が付着することがある。放電針の針先に塵埃が付着して堆積した場合、コロナ放電が発生し難くなりイオン発生性能が低下する。この為、定期的に放電針の針先の清掃を行うことが望ましいとされている。
このような問題を解決する為に、イオン発生素子を例えばプラグ+ソケット状として脱着可能な構成とすることで、交換時や清掃時等の作業性を向上させる方法が提案されている。
【0007】
しかし、従来のイオン発生装置及び放電装置では、針状電極の清掃は使用者の自主的な作業に委ねられており、また、清掃時に針状電極を傷付けてしまうなどの問題があった。また、劣化に伴い、針状電極を交換するように工夫されているが、その為の部品を別途準備しておかなければ、交換が迅速に行なえないという問題があった。
【0008】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、針状電極の清掃及び交換を行う必要がなく、長期に渡って安定したイオン発生性能を維持できるイオン発生装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、針状電極の清掃及び交換を行う必要がなく、長期に渡って安定した放電性能を維持できる放電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るイオン発生装置は、針状放電電極及び誘電電極間に電圧を印加し放電させることにより、イオンを発生させるイオン発生装置において、前記針状放電電極を複数備えており、該複数の針状放電電極の先端部分を個別に被覆する絶縁性の放電抑止部材と、該放電抑止部材を針状放電電極の先端部分から外すことにより、放電させる針状放電電極を選択する放電電極選択手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
このイオン発生装置では、針状放電電極及び誘電電極間に電圧を印加し放電させることにより、イオンを発生させる。針状放電電極を複数備えており、絶縁性の放電抑止部材が、複数の針状放電電極の先端部分を個別に被覆する。放電電極選択手段は、放電抑止部材を針状放電電極の先端部分から外すことにより、放電させる針状放電電極を選択する。
【0011】
本発明に係るイオン発生装置は、前記放電抑止部材は、前記針状放電電極の先端部分を被覆するキャップであることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るイオン発生装置は、前記複数の針状放電電極の各先端部分は、前記誘電電極との距離が等しいことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るイオン発生装置は、その作動時間を累計するタイマを更に備え、該タイマが所定の時間を計時する都度、前記放電電極選択手段が放電抑止部材の1つを針状放電電極の先端部分から外すように構成してあることを特徴とする。
【0014】
このイオン発生装置では、タイマが、その作動時間を累計し、タイマが所定の時間を計時する都度、放電電極選択手段が放電抑止部材の1つを針状放電電極の先端部分から外す。
【0015】
本発明に係るイオン発生装置は、発生したイオン量を検出する検出器と、該検出器が検出したイオン量が所定量より小さいか否かを判定する手段とを更に備え、該手段が所定量より小さいと判定したときに、前記放電電極選択手段が放電抑止部材の1つを針状放電電極の先端部分から外すように構成してあることを特徴とする。
【0016】
このイオン発生装置では、検出器が、発生したイオン量を検出し、判定する手段が、検出器が検出したイオン量が所定量より小さいか否かを判定する。判定する手段が、所定量より小さいと判定したときに、放電電極選択手段が放電抑止部材の1つを針状放電電極の先端部分から外す。
【0017】
本発明に係るイオン発生装置は、前記放電電極選択手段は、放電抑止部材の1つを針状放電電極の先端部分から外す際は、選択していた他の針状放電電極の先端部分に放電抑止部材を被覆するように構成してあることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る放電装置は、筐体の内部で針状放電電極及び誘電電極間に電圧を印加することにより放電する放電装置において、前記針状放電電極を複数備えており、該針状放電電極の先端部分を被覆する被覆部、及び針状放電電極の先端部分を前記筐体から覗かせる開口部を有する可動板を備え、該可動板を移動させることにより、前記針状放電電極の先端部分を前記被覆部で被覆し又は前記開口部から覗かせ、放電させる針状放電電極を選択するように構成してあることを特徴とする。
【0019】
この放電装置では、筐体の内部で針状放電電極及び誘電電極間に電圧を印加することにより放電する。針状放電電極を複数備えており、可動板が、針状放電電極の先端部分を被覆する被覆部、及び針状放電電極の先端部分を筐体から覗かせる開口部を有している。可動板を移動させることにより、針状放電電極の先端部分を被覆部で被覆し又は開口部から覗かせ、放電させる針状放電電極を選択する。
【0020】
本発明に係る放電装置は、前記被覆部は、絶縁体で構成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る放電装置は、前記電圧は、平均値が0でない交流又は直流であり、前記被覆部に先端部分が被覆された針状放電電極は、該被覆部の該先端部分側の面が前記電圧により帯電することにより、放電が抑制されるように構成してあることを特徴とする。
【0022】
この放電装置では、針状放電電極及び誘電電極間に印加する電圧は、平均値が0でない交流又は直流であり、被覆部に先端部分が被覆された針状放電電極は、被覆部の先端部分側の面がこの電圧により帯電することにより、放電が抑制される。
【0023】
本発明に係る放電装置は、前記可動板は、板面方向へ摺動自在に前記筐体に嵌挿してあることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る放電装置は、前記可動板は、板面方向へ回動自在に前記筐体に軸着してあることを特徴とする。
【0025】
本発明に係る放電装置は、前記被覆部は、前記可動板が板面方向へ摺動又は回動することにより、針状放電電極の先端部分に接触するように構成してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るイオン発生装置によれば、針状電極の清掃及び交換を行う必要がなく、長期に渡って安定したイオン発生性能を維持できるイオン発生装置を実現することができる。
【0027】
本発明に係る放電装置によれば、針状電極の清掃及び交換を行う必要がなく、長期に渡って安定した放電性能を維持できる放電装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るイオン発生装置の実施の形態の構成を概略的に示す模式図である。
【図2】本発明に係るイオン発生装置の実施の形態の構成を概略的に示す模式図である。
【図3】本発明に係るイオン発生装置の実施の形態の構成を概略的に示す模式図である。
【図4】本発明に係るイオン発生装置の実施の形態の構成を概略的に示す模式図である。
【図5】本発明に係る放電装置の実施の形態の要部構成を模式的に示す断面図である。
【図6】図5に示す放電装置を透視図的に示す斜視図である。
【図7】可動板の構成例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る放電装置の実施の形態の要部構成を透視図的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るイオン発生装置の実施の形態1の要部構成を示す模式図である。
このイオン発生装置は、放電電極として複数の針状電極(針状放電電極)11,12,13が、イオン発生装置の図示しない筐体に支持され、横一列に並設されている。本実施の形態1では針状電極が3本で構成される場合について説明する。針状電極12,13の各先端部は、キャップ(放電抑止部材)51,52でそれぞれ被覆されている。針状電極11はキャップで被覆されていない。
【0030】
キャップ51,52は、例えば、高耐圧の絶縁性ゴムでできており、これで各先端部が被覆されることにより、針状電極12,13は放電しない。尚、キャップ51,52に代えて、2つの例えば筒形状の放電抑止部材により、針状電極12,13の各先端部を被覆しても良い。
針状電極11,12,13との間でコロナ放電を生じさせる為の誘導電極2は、図示しない筐体に支持された例えば金属板で構成されており、針状電極11,12,13がそれぞれ貫通する為の円形の貫通孔を有している。
【0031】
針状電極11,12,13は、それぞれの先端部が誘導電極2の円形の各貫通孔の中心に位置し、誘電電極2との距離が等しくなるように配置されている。針状電極12,13は、それぞれの先端部にキャップ51,52が被せられた状態で、誘導電極2の円形の各貫通孔の中心に位置している。
筐体にそれぞれ支持された針状電極11,12,13及び誘電電極2の何れかは、筐体と電気的に絶縁されている。
【0032】
針状電極11,12,13及び誘導電極2は、高電圧発生回路3に接続されており、高電圧発生回路3は、針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧を印加する。針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧が印加されると、誘導電極2の貫通孔の周縁から針状電極11の針先への電界の集中により、コロナ放電が発生し、イオンが発生する。発生したイオンは、ファン4により効果的に筐体の外部へ放出される。
尚、針状電極12,13では、各先端部がキャップ51,52でそれぞれ被覆されているので、コロナ放電は発生せず、針状電極11の針先でのみコロナ放電が発生する。
【0033】
針状電極12,13の各先端部を被覆するキャップ51,52は、放電電極選択手段6により、1つずつ針状電極12,13から外される構成となっている。放電電極選択手段6は、例えば、キャップ51,52の各頭部をそれぞれ支持する2本の棒状部材と、これらの棒状部材にそれぞれ連結する2つのソレノイドとを備えている。放電電極選択手段6は、キャップ51,52を針状電極12,13から外すときは、当該ソレノイドに電流を流すことにより、キャップ51,52を針状電極12,13から外す方向へ引張する。
放電電極選択手段6には、このイオン発生装置の使用開始からの累計使用時間を計時するタイマ7が接続されている。
【0034】
このような構成のイオン発生装置では、図示しない電源スイッチがオンにされると、高電圧発生回路3が、針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧を印加し、ファン4が作動し、タイマ7が、電源スイッチがオンにされている時間(放電時間)を累計する。
針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧が印加されると、針状電極11及び誘導電極2間にコロナ放電が発生し、イオンが発生する。発生したイオンは、ファン4により筐体の外部へ放出される。この場合、針状電極12,13及び誘導電極2間では、コロナ放電は発生しない。
【0035】
タイマ7が累計した放電時間(作動時間)が、所定の時間(例えば1年)に達したときは、放電電極選択手段6が、針状電極12を被覆するキャップ51を外す。これにより、針状電極12が放電を開始し、放電する電極に針状電極12が追加される。
その後、タイマ7が累計した放電時間が、さらに所定の時間(例えば1年)に達したときは、放電電極選択手段6が、針状電極13を被覆するキャップ52を外す。これにより、針状電極13が放電を開始し、放電する電極に針状電極13が追加される。
【0036】
放電性能が劣化した針状電極11では、新しく稼動した針状電極12,13よりも先端部が損耗している為、イオン発生量は劣るが、イオンを継続して発生させることは可能である。その為、放電電極選択手段6が、針状電極12,13を被覆するキャップ51,52を外す都度、針状電極11,12,13全体ではイオン発生量が増加する。
放電電極を追加する為の所定の時間は、デバイスの設計によっても異なる為、モデル毎に予め所定量のイオン発生量が確保できる期間を測定しておき、これに基づき決定される。
【0037】
(実施の形態2)
図2は、本発明に係るイオン発生装置の実施の形態2の要部構成を示す模式図である。
このイオン発生装置は、針状電極11,12,13の各先端部が、キャップ(放電抑止部材)53,51,52でそれぞれ被覆され、この状態で、誘導電極2の円形の各貫通孔の中心に位置している。
【0038】
針状電極11,12,13の各先端部を被覆するキャップ53,51,52は、放電電極選択手段6aにより、1つだけ針状電極11,12,13の何れかから外される構成となっている。放電電極選択手段6aは、例えば、キャップ53,51,52の各頭部をそれぞれ支持する3本の棒状部材と、これらの棒状部材にそれぞれ連結する3つのソレノイドとを備えている。
【0039】
放電電極選択手段6aは、キャップ53,51,52を針状電極11,12,13から外すときは、当該ソレノイドに電流を流すことにより、キャップ53,51,52を針状電極11,12,13から外す方向へ引張する。また、放電電極選択手段6aは、キャップ53,51,52を針状電極11,12,13に被覆するときは、当該ソレノイドに電流を流すことにより、キャップ53,51,52を針状電極11,12,13に被覆する方向へ押動する。
放電電極選択手段6aには、このイオン発生装置の使用開始からの累計使用時間を計時するタイマ7が接続されている。その他の構成は、上述した実施の形態1の構成(図1)と同様であるので、同一箇所には同一符号を付して、説明を省略する。
【0040】
このような構成のイオン発生装置では、図示しない電源スイッチがオンにされると、高電圧発生回路3が、針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧を印加し、ファン4が作動し、タイマ7が、電源スイッチがオンにされている時間(放電時間)を累計する。また、初めて使用されるときは、放電電極選択手段6aが、キャップ53を針状電極11から外し、キャップ51,52を針状電極12,13に被覆している。
【0041】
針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧が印加されると、針状電極11及び誘導電極2間にコロナ放電が発生し、イオンが発生する。発生したイオンは、ファン4により筐体の外部へ放出される。この場合、針状電極12,13及び誘導電極2間では、コロナ放電は発生しない。
この状態で、電源スイッチがオフにされた後、再度、電源スイッチがオンにされた場合も、タイマ7及び放電電極選択手段6aは、上記と同様に作動する。
【0042】
タイマ7が累計した放電時間(作動時間)が、所定の時間(例えば1年)に達したときは、放電電極選択手段6aが、キャップ53を針状電極11に被覆し、キャップ51を針状電極12から外す。これにより、針状電極12が放電を開始し、放電する電極として針状電極12が選択される。また、イオン発生量が初期状態に復帰する。
【0043】
この状態で、電源スイッチがオフにされた後、再度、電源スイッチがオンにされた場合も、タイマ7及び放電電極選択手段6aは、上記と同様に作動する。
その後、タイマ7が累計した放電時間が、更に所定の時間(例えば1年)に達したときは、放電電極選択手段6aが、キャップ51を針状電極12に被覆し、キャップ52を針状電極13から外す。これにより、針状電極13が放電を開始し、放電する電極として針状電極13が選択される。また、イオン発生量が初期状態に復帰する。
【0044】
このイオン発生装置では、所定の時間毎に、放電性能が劣化した針状電極は放電を停止し、新しい針状電極が放電を開始するので、イオン発生量の変動幅が小さく、イオン発生量が安定する。
放電電極を切り替える為の所定の時間は、デバイスの設計によっても異なる為、モデル毎に予め所定量のイオン発生量が確保できる期間を測定しておき、これに基づき決定される。
【0045】
(実施の形態3)
図3は、本発明に係るイオン発生装置の実施の形態3の要部構成を示す模式図である。
このイオン発生装置は、針状電極12,13の各先端部を被覆するキャップ51,52が、放電電極選択手段6bにより、1つずつ針状電極12,13から外される構成となっている。放電電極選択手段6bは、例えば、キャップ51,52の各頭部をそれぞれ支持する2本の棒状部材と、これらの棒状部材にそれぞれ連結する2つのソレノイドとを備えている。
【0046】
放電電極選択手段6bは、キャップ51,52を針状電極12,13から外すときは、当該ソレノイドに電流を流すことにより、キャップ51,52を針状電極12,13から外す方向へ引張する。
放電電極選択手段6bには、このイオン発生装置が発生させたイオン量(例えば[個/cm3 ])を検出するイオンセンサ8が、タイマ7に代えて接続されている。その他の構成は、上述した実施の形態1の構成(図1)と同様であるので、同一箇所には同一符号を付して、説明を省略する。
【0047】
このような構成のイオン発生装置では、図示しない電源スイッチがオンにされると、高電圧発生回路3が、針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧を印加し、ファン4及びイオンセンサ8が作動する。
針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧が印加されると、針状電極11及び誘導電極2間にコロナ放電が発生し、イオンが発生する。発生したイオンは、ファン4により筐体の外部へ放出される。この場合、針状電極12,13及び誘導電極2間では、コロナ放電は発生しない。イオンセンサ8は、発生したイオン量を検出する。
【0048】
放電電極選択手段6bは、イオンセンサ8が検出したイオン量を周期的に読み込み、例えば、読み込んだイオン量の所定回数の移動平均を算出し、算出した移動平均が所定量より小さいか否かを判定する。放電電極選択手段6bは、算出した移動平均が所定量より小さいときは、針状電極12を被覆するキャップ51を外す。これにより、針状電極12が放電を開始し、放電する電極に針状電極12が追加され、減少していたイオン発生量が復帰する。
【0049】
その後、放電電極選択手段6bは、イオン量の移動平均が低下して行き、再度、算出した移動平均が所定量より小さいと判定したときは、針状電極13を被覆するキャップ52を外す。これにより、針状電極13が放電を開始し、放電する電極に針状電極13が追加され、減少していたイオン発生量が復帰する。その他の動作は、上述した実施の形態1の動作と同様であるので、説明を省略する。
尚、本実施の形態3では、針状電極が3本で構成される場合を示しているが、針状電極は何本で構成されても良く、本数を増やすほど長期に渡って安定したイオン発生性能を維持できるようになる。
【0050】
(実施の形態4)
図4は、本発明に係るイオン発生装置の実施の形態4の要部構成を示す模式図である。
このイオン発生装置は、針状電極11,12,13の各先端部が、キャップ(放電抑止部材)53,51,52でそれぞれ被覆されている。
針状電極11,12,13の各先端部を被覆するキャップ53,51,52は、放電電極選択手段6cにより、1つだけ針状電極11,12,13の何れかから外される構成となっている。放電電極選択手段6cは、例えば、キャップ53,51,52の各頭部をそれぞれ支持する3本の棒状部材と、これらの棒状部材にそれぞれ連結する3つのソレノイドとを備えている。
【0051】
放電電極選択手段6cは、キャップ53,51,52を針状電極11,12,13から外すときは、当該ソレノイドに電流を流すことにより、キャップ53,51,52を針状電極11,12,13から外す方向へ引張する。また、放電電極選択手段6cは、キャップ53,51,52を針状電極11,12,13に被覆するときは、当該ソレノイドに電流を流すことにより、キャップ53,51,52を針状電極11,12,13に被覆する方向へ押動する。
放電電極選択手段6cには、このイオン発生装置が発生させたイオン量(例えば[個/cm3 ])を検出するイオンセンサ8が、タイマ7に代えて接続されている。その他の構成は、上述した実施の形態2の構成(図2)と同様であるので、同一箇所には同一符号を付して、説明を省略する。
【0052】
このような構成のイオン発生装置では、図示しない電源スイッチがオンにされると、高電圧発生回路3が、針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧を印加し、ファン4及びイオンセンサ8が作動する。また、初めて使用されるときは、放電電極選択手段6cが、キャップ53を針状電極11から外し、キャップ51,52を針状電極12,13に被覆している。
【0053】
針状電極11,12,13及び誘導電極2間に高電圧が印加されると、針状電極11及び誘導電極2間にコロナ放電が発生し、イオンが発生する。発生したイオンは、ファン4により筐体の外部へ放出される。この場合、針状電極12,13及び誘導電極2間では、コロナ放電は発生しない。イオンセンサ8は、発生したイオン量を検出する。
【0054】
放電電極選択手段6cは、イオンセンサ8が検出したイオン量を周期的に読み込み、例えば、読み込んだイオン量の所定回数の移動平均を算出し、算出した移動平均が所定量より小さいか否かを判定する。放電電極選択手段6cは、算出した移動平均が所定量より小さいときは、キャップ53を針状電極11に被覆し、キャップ51を針状電極12から外す。これにより、針状電極12が放電を開始し、放電する電極として針状電極12が選択される。また、イオン発生量が初期状態に復帰する。
【0055】
その後、放電電極選択手段6cは、イオン量の移動平均が低下して行き、再度、算出した移動平均が所定量より小さいと判定したときは、キャップ51を針状電極12に被覆し、キャップ52を針状電極13から外す。これにより、針状電極13が放電を開始し、放電する電極として針状電極13が選択される。また、イオン発生量が初期状態に復帰する。その他の動作は、上述した実施の形態2の動作と同様であるので、説明を省略する。
尚、本実施の形態4では、針状電極が3本で構成される場合を示しているが、針状電極は何本で構成されても良く、本数を増やすほど長期に渡って安定したイオン発生性能を維持できるようになる。
【0056】
(実施の形態5)
図5は、本発明に係る放電装置の実施の形態5の要部構成を模式的に示す断面図であり、図6は、図5に示す放電装置を透視図的に示す斜視図である。
この放電装置は、直方体形状の筐体101内に高電圧発生回路102、針状電極(針状放電電極)103、可動板104、電線105,106、電極固定台107、対向電極(誘電電極)108、電極カバー(被覆部)109及びイオン放出用開口部110がそれぞれ配置されている。
【0057】
電極固定台107は、筐体101側に固定されており、電極固定台107には3個の針状電極103が一方向向きに等間隔に並べて取り付けられている。針状電極103は、電線105により高電圧発生回路102に接続されている。
可動板104は、筐体101の針状電極103が対向する面の中央部に設けられた窓112を内側から塞ぐように、また、針状電極103の並列方向へ摺動自在に、窓112付近の図示しない懸架機構に嵌挿されている。可動板104は、手動又は図示しないモータ等の駆動手段により摺動可能となっている。可動板104の窓112側の面には、可動板104を手動で摺動させる為の取手111が取り付けられている。
【0058】
可動板104には、2個の電極カバー109、1個のイオン放出用開口部110及び2個の電極カバー109が、この記載順に摺動方向に並設されている。電極カバー109は、可動板104の内面に突設されている。針状電極103の内の何れか1個は、イオン放出用開口部110に対向し、針状電極103の残りの2個は、電極カバー109の何れか2個にそれぞれ被覆されるように構成されている。
【0059】
可動板104の内側には、可動板104とは独立して、対向電極108が、3個の針状電極103の各先端部分を囲むようにコの字形状に設けられている。対向電極108は、電線106により高電圧発生回路102に接続されている。
電極カバー109は、針状電極103の先端部分を被覆するようになっている。この場合、針状電極103の先端部分から放出された電荷が、電極カバー109の内面に付着し、針状電極103先端部分及び電極カバー109間の電位差が小さくなるように、電極カバー109は、絶縁体又は誘電体により構成されている。
【0060】
図7は、可動板104の構成例を示す斜視図であり、便宜的に図6とは逆向きに示してある。
電極カバー109は、それぞれ可動板104の一方の面(筐体101の内面側)に突設されており、可動板104の摺動方向に、針状電極103が挿通する為の溝がそれぞれ設けられている。
電極カバー109は、上述したように絶縁体又は誘電体で構成されており、これらの溝の中に針状電極103の先端部分が存在する状態で、針状電極103に高電圧が印加され、わずかに放電が生じた場合、電極カバー109の溝の内面が帯電する。
【0061】
電極カバー109に被覆されない針状電極103は、イオン放出用開口部110に対向する。この針状電極103は、電極カバー109で被覆されていないので、対向電極108との間で発生した電界により放電する。この放電により発生したイオン、ラジカル等が、イオン放出用開口部110から外部空間へ効率的に放出される。
イオン放出用開口部110は、図示したように必ずしも円形の形状でなくとも良く、四角形又は三角形等、どのような形状でも良い。
【0062】
尚、電極カバー109の絶縁体又は誘電体の材料としては、プラスチック、ゴム、セラミックス等の材料が望ましい。また、針状電極103の先端部分に接触しても、先端部分を破壊しないように、弾力性を有する材料としても良い。また、針状電極103の先端部分に付着した塵芥を除去できるように、弾力性を有する材料が針状電極103の先端部分付近に接触する構成としても良い。この場合、可動板104を摺動させることにより、針状電極103の先端部分を清掃することが可能になる。
【0063】
このような構成の放電装置では、図示しない電源スイッチをオンにし、高電圧発生回路102により針状電極103及び対向電極108間に高電圧を印加して、最初に使用するときは、可動板104を、例えば図5において、摺動方向の最も右寄りに寄せておく。これにより、図5に示すように、右側の針状電極103が、イオン放出用開口部110に対向し、対向電極108との間で発生した電界により放電する。この放電により発生したイオン、ラジカル等が、イオン放出用開口部110から外部空間へ効率的に放出される。
【0064】
一方、図5において、真中及び左側の針状電極103の先端部分は、それぞれ電極カバー109の溝の中に存在し、針状電極103に高電圧が印加され、わずかに放電が生じたときに、電極カバー109の溝の内面が帯電し、針状電極103先端部分及び電極カバー109間の電圧が低下する。この為、針状電極103からの放電が抑制され、針状電極103の劣化が抑制される。
上述した状態で、定期的に、例えば数週間毎に、可動板104を手動又は図示しないモータ等の駆動手段により左右方向に複数回摺動させると、針状電極103の各先端部分を清掃することができる。
【0065】
上述した状態で、この放電装置を、例えば半年間又は1年間使用した後は、可動板104を手動又は図示しないモータ等の駆動手段により、図5において、針状電極103間の間隔分、左へ寄せておく。これにより、真中の針状電極103が、イオン放出用開口部110に対向し、対向電極108との間で発生した電界により放電する。この放電により発生したイオン、ラジカル等が、イオン放出用開口部110から外部空間へ効率的に放出される。
【0066】
一方、図5において、左側及び右側の針状電極103の先端部分は、それぞれ電極カバー109の溝の中に存在し、針状電極103に高電圧が印加され、わずかに放電が生じたときに、電極カバー109の溝の内面が帯電し、針状電極103先端部分及び電極カバー109間の電圧が低下する。この為、針状電極103からの放電が抑制され、針状電極103の劣化が抑制される。
この状態で、定期的に、例えば数週間毎に、可動板104を手動又は図示しないモータ等の駆動手段により左右方向に複数回摺動させると、針状電極103の各先端部分を清掃することができる。
【0067】
上述した状態で、この放電装置を、例えば更に半年間又は1年間使用した後は、可動板104を手動又は図示しないモータ等の駆動手段により、図5において、針状電極103間の間隔分、左へ寄せておく。これにより、左側の針状電極103が、イオン放出用開口部110に対向し、対向電極108との間で発生した電界により放電する。この放電により発生したイオン、ラジカル等が、イオン放出用開口部110から外部空間へ効率的に放出される。
【0068】
一方、図5において、真中及び右側の針状電極103の先端部分は、それぞれ電極カバー109の溝の中に存在し、針状電極103に高電圧が印加され、わずかに放電が生じたときに、電極カバー109の溝の内面が帯電し、針状電極103先端部分及び電極カバー109間の電圧が低下する。この為、針状電極103からの放電が抑制され、針状電極103の劣化が抑制される。
この状態で、定期的に、例えば数週間毎に、可動板104を手動又は図示しないモータ等の駆動手段により左右方向に複数回摺動させると、針状電極103の各先端部分を清掃することができる。
【0069】
(実施の形態6)
図8は、本発明に係る放電装置の実施の形態6の要部構成を透視図的に示す斜視図である。
この放電装置は、直方体形状の筐体101a内に、針状電極(針状放電電極)103a,103b、可動板104a、対向電極(誘電電極)108a、電極カバー(被覆部)109、イオン放出用開口部110a,110b及び図示しない高電圧発生回路がそれぞれ配置されている。
【0070】
針状電極103a,103bは、筐体101a側に固定されており、それぞれ2個ずつ同じ間隔で平行に並べて一方向向きに取り付けられている。針状電極103a,103bは、図示しない高電圧発生回路に接続され、それぞれ逆極性の高電圧が印加される。
可動板104aは、筐体101aの針状電極103a,103bが対向する面に設けられた窓112aを内側から塞ぐように、また、針状電極103a,103bの各並列方向へ摺動自在に、筐体101aの対向する側壁にそれぞれ設けられた2つの貫通穴113に嵌挿されている。可動板104aは、手動又は図示しないモータ等の駆動手段により摺動可能となっており、手動の場合は、筐体101aからはみ出すように形成してある可動板104aの端部を押圧又は引張して摺動させる。
【0071】
可動板104aには、摺動方向に並設された電極カバー109、イオン放出用開口部110a及び電極カバー109からなる列と、電極カバー109、イオン放出用開口部110b及び電極カバー109からなる列とが、平行に設けられている。電極カバー109は、可動板104aの内面に突設されている。針状電極103a,103bの内の何れか各1個は、イオン放出用開口部110a,110bにそれぞれ対向し、針状電極103a,103bの残りの各1個は、電極カバー109の何れか各1個にそれぞれ被覆されるように構成されている。
【0072】
可動板104aの内側には、可動板104aとは独立して、対向電極108aが、2列の針状電極103a,103bの各先端部分を囲むようにEの字形状に設けられている。対向電極108aは、図示しない高電圧発生回路の接地端子に接続されている。
電極カバー109は、針状電極103a,103bの先端部分を被覆するようになっている。この場合、針状電極103a,103bの先端部分から放出された電荷が、電極カバー109の内面に付着し、針状電極103a,103bの先端部分及び電極カバー109間の各電位差が小さくなるように、電極カバー109は、絶縁体又は誘電体により構成されている。
【0073】
電極カバー109は、図7に示すのと同様に、それぞれ可動板104aの一方の面(筐体101aの内面側)に突設されており、可動板104aの摺動方向に、針状電極103a,103bが挿通する為の溝がそれぞれ設けられている。
電極カバー109は、上述したように絶縁体又は誘電体で構成されており、これらの溝の中に針状電極103a,103bの先端部分がそれぞれ存在する状態で、針状電極103a,103bに正極性及び負極性の高電圧がそれぞれ印加され、わずかに放電が生じた場合、各電極カバー109の溝の内面がそれぞれ帯電する。
【0074】
電極カバー109に被覆されない針状電極103a,103bは、イオン放出用開口部110a,110bにそれぞれ対向する。これらの針状電極103a,103bは、電極カバー109で被覆されていないので、対向電極108aとの間で発生した各電界によりそれぞれ放電する。これらの放電により発生した正負イオン、ラジカル等が、イオン放出用開口部110a,110bから外部空間へ効率的に放出される。
イオン放出用開口部110a,110bは、図示したように必ずしも円形の形状でなくとも良く、四角形又は三角形等、どのような形状でも良い。
【0075】
尚、電極カバー109の絶縁体又は誘電体の材料としては、プラスチック、ゴム、セラミックス等の材料が望ましい。また、針状電極103a,103bの先端部分に接触しても、先端部分を破壊しないように、弾力性を有する材料としても良い。また、針状電極103a,103bの先端部分に付着した塵芥を除去できるように、弾力性を有する材料が針状電極103a,103bの先端部分付近に接触する構成としても良い。この場合、可動板104aを摺動させることにより、針状電極103a,103bの先端部分を清掃することが可能になる。
【0076】
このような構成の放電装置では、図示しない電源スイッチをオンにし、高電圧発生回路により針状電極103a,103b及び対向電極108a間に正負の高電圧をそれぞれ印加する。最初に使用するときは、可動板104aを、一方の針状電極103a,103bが、イオン放出用開口部110a,110bにそれぞれ対向するように設定する。これにより、一方の針状電極103a,103bは、対向電極108との間で発生した各電界によりそれぞれ放電する。これらの放電により発生した正負イオン、ラジカル等が、イオン放出用開口部110a,110bから外部空間へ効率的に放出される。
【0077】
一方、他方の針状電極103a,103bの各先端部分は、それぞれ電極カバー109の溝の中に存在し、針状電極103a,103bに正極性及び負極性の高電圧が印加され、わずかに放電が生じたときに、電極カバー109の溝の内面が帯電し、針状電極103a,103bの先端部分及び電極カバー109間の電圧が低下する。この為、他方の針状電極103a,103bの各放電が抑制され、針状電極103a,103bの劣化がそれぞれ抑制される。
上述した状態で、定期的に、例えば数週間毎に、可動板104aを手動又は図示しないモータ等の駆動手段により複数回往復摺動させると、針状電極103a,103bの各先端部分を清掃することができ、針状電極103a,103bの劣化を抑制できる。
【0078】
上述した状態で、この放電装置を、例えば半年間又は1年間使用した後は、可動板104aを、手動又は図示しないモータ等の駆動手段により、他方の針状電極103a,103bが、イオン放出用開口部110a,110bにそれぞれ対向するように設定する。これにより、劣化していない他方の針状電極103a,103bが、対向電極108との間で発生した各電界によりそれぞれ放電し始め、放電効率が使用開始時の値に復帰する。これらの放電により発生した正負イオン、ラジカル等が、イオン放出用開口部110a,110bから外部空間へ効率的に放出される。
【0079】
一方、一方の針状電極103a,103bの各先端部分は、それぞれ電極カバー109の溝の中に存在し、針状電極103a,103bに正極性及び負極性の高電圧が印加され、わずかに放電が生じたときに、電極カバー109の溝の内面が帯電し、針状電極103a,103bの先端部分及び電極カバー109間の電圧が低下する。この為、一方の針状電極103a,103bの各放電が抑制され、針状電極103a,103bの劣化がそれぞれ抑制される。
上述した状態で、定期的に、例えば数週間毎に、可動板104aを手動又は図示しないモータ等の駆動手段により複数回往復摺動させると、針状電極103a,103bの各先端部分を清掃することができ、針状電極103a,103bの劣化を抑制できる。
【0080】
尚、上述した実施の形態5,6では、可動板を摺動させているが、可動板を筐体側に固定された軸回りに回動自在に設けておいても良い。この場合、電極カバー及びイオン放出用開口部は、可動板の同じ回動円周上に設け、針状電極もそれらに対応するように、同じ円周上に並べて筐体側に固定しておく。これにより、可動板を回動させることにより、放電させる針状電極を選択することができる。
【符号の説明】
【0081】
2 誘導電極
3 高電圧発生回路
6,6a,6b,6c 放電電極選択手段
7 タイマ
8 イオンセンサ(検出器)
11,12,13 針状電極(針状放電電極)
51,52,53 キャップ(放電抑止部材)
101,101a 筐体
102 高電圧発生回路
103,103a,103b 針状電極(針状放電電極)
104,104a 可動板
107 電極固定台
108,108a 対向電極(誘電電極)
109 電極カバー(被覆部)
110,110a,110b イオン放出用開口部
111 取手
112,112a 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
針状放電電極及び誘電電極間に電圧を印加し放電させることにより、イオンを発生させるイオン発生装置において、
前記針状放電電極を複数備えており、該複数の針状放電電極の先端部分を個別に被覆する絶縁性の放電抑止部材と、該放電抑止部材を針状放電電極の先端部分から外すことにより、放電させる針状放電電極を選択する放電電極選択手段とを備えることを特徴とするイオン発生装置。
【請求項2】
前記放電抑止部材は、前記針状放電電極の先端部分を被覆するキャップである請求項1記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記複数の針状放電電極の各先端部分は、前記誘電電極との距離が等しい請求項1又は2記載のイオン発生装置。
【請求項4】
その作動時間を累計するタイマを更に備え、該タイマが所定の時間を計時する都度、前記放電電極選択手段が放電抑止部材の1つを針状放電電極の先端部分から外すように構成してある請求項1から3の何れか1つに記載のイオン発生装置。
【請求項5】
発生したイオン量を検出する検出器と、該検出器が検出したイオン量が所定量より小さいか否かを判定する手段とを更に備え、該手段が所定量より小さいと判定したときに、前記放電電極選択手段が放電抑止部材の1つを針状放電電極の先端部分から外すように構成してある請求項1から3の何れか1つに記載のイオン発生装置。
【請求項6】
前記放電電極選択手段は、放電抑止部材の1つを針状放電電極の先端部分から外す際は、選択していた他の針状放電電極の先端部分に放電抑止部材を被覆するように構成してある請求項4又は5記載のイオン発生装置。
【請求項7】
筐体の内部で針状放電電極及び誘電電極間に電圧を印加することにより放電する放電装置において、
前記針状放電電極を複数備えており、該針状放電電極の先端部分を被覆する被覆部、及び針状放電電極の先端部分を前記筐体から覗かせる開口部を有する可動板を備え、該可動板を移動させることにより、前記針状放電電極の先端部分を前記被覆部で被覆し又は前記開口部から覗かせ、放電させる針状放電電極を選択するように構成してあることを特徴とする放電装置。
【請求項8】
前記被覆部は、絶縁体で構成されている請求項7記載の放電装置。
【請求項9】
前記電圧は、平均値が0でない交流又は直流であり、前記被覆部に先端部分が被覆された針状放電電極は、該被覆部の該先端部分側の面が前記電圧により帯電することにより、放電が抑制されるように構成してある請求項7又は8記載の放電装置。
【請求項10】
前記可動板は、板面方向へ摺動自在に前記筐体に嵌挿してある請求項7から9の何れか1つに記載の放電装置。
【請求項11】
前記可動板は、板面方向へ回動自在に前記筐体に軸着してある請求項7から9の何れか1つに記載の放電装置。
【請求項12】
前記被覆部は、前記可動板が板面方向へ摺動又は回動することにより、針状放電電極の先端部分に接触するように構成してある請求項10又は11記載の放電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−244839(P2010−244839A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92121(P2009−92121)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】