説明

イベント情報報知システム

【課題】タイムリーに報知してプレイヤに気付かせ易くすることが可能なイベント情報報知システムを提供する。
【解決手段】ホストコンピュータ1と、ホストコンピュータ1に対して通信ネットワーク2を介して接続され、同一の店舗9内に配置された種類の異なる複数のゲーム機3とを備えるイベント情報報知システム100において、ホストコンピュータ1は、運営者Mが店舗9に関するイベント情報を入力することで、複数のゲーム機3に対して同じ前記イベント情報を同時に配信する同報配信部12を備え、複数のゲーム機3の各々は、プレイ画像40を表示する表示部4と、ホストコンピュータ1から配信されたイベント情報を受信する受信部21と、受信部21により受信したイベント情報を、プレイ進行中の表示部4に出力するイベント情報出力部24と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内のゲーム機にイベント情報を報知させるイベント情報報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームセンタ等の店舗では、集客数の向上のために様々なイベントを店舗ごとに企画し運営することが行われている。店舗で企画したイベントに関する告知は、例えば、店舗内にポスター等を貼ったり、店内アナウンス等を行ったりすることでなされている。
また、プレイヤに時間を気にせず楽しんでもらうという運営者側の配慮等により、店舗には、時計が設置されていないことが多い。よって、プレイヤは、プレイに熱中して、時間を忘れてプレイをしてしまうことで、閉店時間か否か分からないことがある。そこで、ゲーム装置に時刻を計時するタイマ回路を有し、設定された警告時刻になった際に警告を行うゲーム装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−213736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載のゲーム装置では、設定された警告時刻に警告を行うというものであり、予定されている報知しか行うことができなかった。また、店内は、ゲーム機から発生するゲーム音等で騒がしい。そして、また、ポスターも、プレイヤが通りすがりに見る程度であることが多かった。そのため、イベントの告知をしても、プレイヤにイベントの存在を気づかせることが難しかった。
【0004】
そこで、本発明は、タイムリーに報知してプレイヤに気付かせ易くすることが可能なイベント情報報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
請求項1の発明は、ホストコンピュータ(1)と、前記ホストコンピュータに対して通信ネットワーク(2)を介して接続され、同一の店舗(9)内に配置された種類の異なる複数のゲーム機(3)とを備えるイベント情報報知システム(100)において、前記ホストコンピュータは、運営者(M)が店舗に関するイベント情報を入力することで、前記複数のゲーム機に対して同じ前記イベント情報を同時に配信する同報配信部(12)を備え、前記複数のゲーム機の各々は、プレイ画像(40,50)を表示する表示部(4)と、前記ホストコンピュータから配信された前記イベント情報を受信する受信部(21)と、前記受信部により受信した前記イベント情報を、プレイ進行中の前記表示部に出力するイベント情報出力部(24)と、を備えること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のイベント情報報知システム(100)において、前記複数のゲーム機(3)の各々が備える前記イベント情報出力部(24)は、前記表示部(4)に、前記ゲーム機の種類ごとに異なる位置に有する表示領域(51)から前記イベント情報を出力すること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のイベント情報報知システム(100)において、前記複数のゲーム機(3)の各々は、前記受信部(21)により前記イベント情報を受信したことに応じて、進行中のプレイを中断するプレイ制御部(22)を備え、前記イベント情報出力部(24)は、前記プレイ制御部によりプレイが中断されたことに応じて、前記表示部(4)に前記イベント情報を出力すること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
請求項4の発明は、請求項3に記載のイベント情報報知システム(100)において、前記複数のゲーム機(3)の各々が備える前記プレイ制御部(22)は、前記プレイを中断可能なプレイ位置に前記プレイが達したことに応じて、前記プレイを中断すること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載のイベント情報報知システム(100)において、前記複数のゲーム機(3)の各々が備える前記イベント情報出力部(24)は、前記表示部(4)に、前記イベント情報の画像データ(41,45)を前記プレイ画像(40)の上に重ねて出力すること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のイベント情報報知システム(100)において、前記ホストコンピュータ(1)は、現在日時を取得するタイマ部(11)と、前記運営者(M)により入力されたイベント情報を、前記運営者が入力した配信日時情報と共に記憶するイベント情報記憶部(15)と、を備え、前記同報配信部(12)は、前記タイマ部により取得された現在日時が、前記イベント情報記憶部に記憶された配信日時情報に適合したことに応じて、前記配信日時情報に対応するイベント情報を前記複数のゲーム機(3)に配信すること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のイベント情報報知システム(100)において、前記ホストコンピュータ(1)が備える前記同報配信部(12)は、前記イベント情報を、個人の属性に関する条件情報と共に前記複数のゲーム機(3)に配信し、前記複数のゲーム機の各々は、前記ゲーム機を操作するプレイヤ(P)に関する個人情報を入力する個人情報入力部(29)と、前記条件情報と前記個人情報とが適合するか否かを判定する適合判定部(23)と、を備え、前記受信部(21)は、前記イベント情報を、前記条件情報と共に前記ホストコンピュータから受信し、前記イベント情報出力部(24)は、前記適合判定部によって適合すると判定された場合に、前記表示部(4)に前記イベント情報を出力すること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
請求項8の発明は、請求項7に記載のイベント情報報知システム(100)において、前記複数のゲーム機(3)の各々が備える前記個人情報入力部(29)により入力される前記個人情報は、前記プレイヤ(P)の年齢を把握可能な情報であること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のイベント情報報知システム(100)において、前記イベント情報は、音声データを含み、前記複数のゲーム機(3)の各々は、音声を出力する音声出力部(5)を備え、前記イベント情報出力部(24)は、前記イベント情報に含む前記音声データを前記音声出力部に出力すること、を特徴とするイベント情報報知システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、運営者により入力された店舗に関するイベント情報を、ホストコンピュータから複数のゲーム機に同時に配信して、プレイ進行中のゲーム機の表示部に出力するので、ゲーム機でプレイ中のプレイヤに、例えば、時間により何かしらのサービスを提供するイベント情報を、運営者が望むタイミングで伝達できる。よって、プレイヤにイベント情報をより気付かせ易くすることができる。また、例えば、運営者による1回の入力で、同時に複数のゲーム機にイベント情報を配信することで、店舗及び運営者の煩わしさを省くことができる。さらに、プレイ中のプレイヤにイベント情報を報知するので、ゲーム機の稼働率の向上を図ることができ、ゲーム機を、幅広い情報伝達手段として使用できる。
【0008】
(2)本発明は、ゲーム機の表示部に、ゲーム機の種類ごとに異なる位置に有する表示領域にイベント情報を出力するので、ゲーム機の種類を考慮して、プレイの妨げにならない位置にイベント情報を出力することができる。
【0009】
(3)本発明は、ゲーム機が、イベント情報を受信したことに応じて、進行中のプレイを中断させて表示部にイベント情報を表示させるので、プレイヤに、必然的にイベント情報を見させることができる。よって、プレイヤにイベント情報を確実に伝達できる。
(4)本発明は、ゲーム機が、プレイを中断可能な時点においてプレイを中断させるので、プレイヤがプレイに対する集中力をなくすことを極力抑えて、イベント情報を出力することができる。
【0010】
(5)本発明は、ゲーム機が、イベント情報の画像データをプレイ画像の上に重ねて表示部に出力する。よって、イベント情報を大きく表示することができる。また、プレイヤに、イベント情報の注目度をより高めさせることができる。
【0011】
(6)本発明は、ホストコンピュータが、イベント情報を記憶しており、イベント情報に日時指定が可能であるので、イベント情報を予め設定することができ、設定したイベント情報をゲーム機に対してタイムリーに出力することができる。
【0012】
(7)本発明は、ホストコンピュータが、イベント情報を個人の属性に関する条件情報と共にゲーム機に配信して、ゲーム機が受信した条件情報と個人の属性とが一致することで、イベント情報を出力する。よって、個人の属性に合致したイベント情報を出力することで、プレイヤに適切なイベント情報を出力することができる。例えば、時刻により店舗への入店を制限するプレイヤの年齢等を考慮した店舗の運営に、イベント情報を利用することができる。
【0013】
(8)本発明は、音声データのイベント情報を、ゲーム機の音声出力部に出力するので、騒々しい店舗内の状況であっても、プレイヤの位置から近い音声出力部からの出力によって、プレイヤに、イベント情報を確実に聞かせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、タイムリーに報知してプレイヤに気付かせ易くすることが可能なイベント情報報知システムを提供するという目的を、ホストコンピュータと、ホストコンピュータに対して通信ネットワークを介して接続され、同一の店舗内に配置された種類の異なる複数のゲーム機とを備えるイベント情報報知システムにおいて、ホストコンピュータは、運営者が店舗に関するイベント情報を入力することで、複数のゲーム機に対して同じイベント情報を同時に配信する同報配信部を備え、複数のゲーム機の各々は、プレイ画像を表示する表示部と、ホストコンピュータから配信されたイベント情報を受信する受信部と、受信部により受信したイベント情報を、プレイ進行中の表示部に出力するイベント情報出力部と、を備えることによって実現した。
【0015】
(実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、本実施形態に係るイベント情報報知システム100の全体構成を示す図である。
図2は、本実施形態に係るホストコンピュータ1及びゲーム機3の機能構成を示す図である。
図1に示すように、イベント情報報知システム100は、ホストコンピュータ1と、ホストコンピュータ1に対して通信ネットワーク2を介して接続されている複数のゲーム機3とから構成されている。それらの装置は、ゲームセンタ等の店舗9に設置されている。
【0016】
ホストコンピュータ1は、店舗9に関する独自のイベント情報を、運営者Mによって入力可能なサーバである。
通信ネットワーク2は、ホストコンピュータ1及びゲーム機3の間の通信を行うための、例えば、インターネット等の通信網である。有線による通信でもよいし、無線による通信でもよい。
ゲーム機3は、プレイヤPにより、各々異なる種類のプレイができるゲーム機である。ゲーム機3は、いずれも表示部4及び音声出力部5を有する。
表示部4は、ディスプレイ等に代表され、プレイ画像を表示する画面である。表示部4には、プレイ開始前は、例えば、ゲーム機3のゲーム内容等を示すデモンストレーション画面が表示され、プレイ中は、プレイに応じた内容の画像が表示される。
音声出力部5は、スピーカに代表され、効果音等を出力する装置である。
【0017】
図2に示すように、ホストコンピュータ1は、制御部10及び記憶部14を備える。
制御部10は、タイマ部11及び同報配信部12を有する。
タイマ部11は、現在日時を取得する制御部である。ホストコンピュータ1の内部に時計を有してもよいし、電波時計のように外部から日時の情報を取得してもよい。
同報配信部12は、店舗9に関するイベント情報を、ゲーム機3に同じ情報を同時に配信する制御部である。
制御部10は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ホストコンピュータ1の全体を制御するものである。制御部10は、記憶部14に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ホストコンピュータ1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0018】
記憶部14は、イベント情報記憶部15(後述する図4参照)を有する。また、記憶部14は、制御部10と組み合わせてプログラムの実行に使用するメモリを含んでよい。記憶部14を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ホストコンピュータ1は、記憶部14、制御部10等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0019】
また、ゲーム機3は、上述した表示部4、音声出力部5の他に、制御部20、記憶部26及び入力部28を備え、その各々がゲーム機3内でアドレス信号やデータを伝送するラインであるバスラインを介して接続されている。
制御部20は、受信部21と、プレイ制御部22と、適合判定部23と、イベント情報出力部24とを有する。
受信部21は、ホストコンピュータ1から送信されたイベント情報の受信を行う制御部である。
プレイ制御部22は、進行中のプレイを制御し、例えば、プレイの中断等をする制御部である。
適合判定部23は、プレイヤPの個人情報と、イベント情報の表示条件とが適合するか否かを判定するための制御部である。
イベント情報出力部24は、イベント情報の出力を行う制御部である。
制御部20は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ゲーム機3の全体を制御するものである。制御部20は、記憶部26に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ゲーム機3のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0020】
記憶部26は、ゲームプログラム27を有する。また、記憶部26は、制御部20と組み合わせてプログラムの実行に使用するメモリを含んでよい。記憶部26を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、RAM、ROM等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機3は、記憶部26、制御部20等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
入力部28は、プレイヤPによる操作を受け付ける装置である。入力部28は、個人情報入力部29を有する。個人情報入力部29は、プレイヤPの個人情報の入力を受け付ける装置である。個人情報入力部29は、例えば、プレイヤPの個人情報が入ったIDカードのリーダライタや、プレイヤPが個人情報を逐次入力するためのタッチパネル等である。
【0021】
次に、ホストコンピュータ1及びゲーム機3での処理について説明する。本発明を用いて、ホストコンピュータ1は、複数(2つ以上)のゲーム機3に対する処理を行うことができるが、ここでは、便宜上1つのゲーム機3に対する処理について説明する。ゲーム機3が複数ある場合は、これから説明するゲーム機3と同様の処理を行うことができる。
図3は、本実施形態に係るホストコンピュータ1及びゲーム機3でのメイン処理のフローチャートである。
図4は、本実施形態に係るイベント情報記憶部15の例を示す図である。
【0022】
先ず、図3のステップS11において、ホストコンピュータ1の制御部10は、運営者Mからイベント情報に関する入力を受け付けたか否かを判断する。ホストコンピュータ1への運営者Mによるイベント情報の入力は、ホストコンピュータ1が有する図示しない入力部から入力してもよいし、パーソナルコンピュータ等の図示しない他の装置から入力したイベント情報を、通信ネットワーク2を介して送信することで入力してもよい。入力を受け付けた場合(ステップS11:YES)には、制御部10は、処理をステップS12に移す。他方、入力を受け付けていない場合(ステップS11:NO)には、制御部10は、処理をステップS14に移す。
ステップS12では、制御部10は、入力を受け付けたイベント情報を、図4に例を示すイベント情報記憶部15に記憶する。
【0023】
ここで、図4を用いて、イベント情報記憶部15について説明する。
図4のイベント情報記憶部15は、予め運営者Mにより入力され、又は運営者Mにより都度入力されたイベント情報を記憶しており、イベントID15A、イベント情報15B、配信日時15C、配信条件15Dの各項目を有する。イベントID15Aには、イベント情報を一意に識別する記号を付して格納する。イベント情報15Bには、文字データ、画像データ、音声データの少なくとも1つを格納する。配信日時15Cには、イベント情報を配信する指定の日時の情報を格納する。なお、配信日時15Cは、即時に配信するイベント情報のものには、何も格納せず、ブランクである(#1)。配信条件15Dには、プレイヤPの個人情報を用いた配信に関する条件を格納する。配信条件15Dは、制約がない場合には、何も格納せず、ブランクである(#2)。
【0024】
図3に戻って、ステップS13では、制御部10は、ステップS12でイベント情報記憶部15に記憶したイベント情報に配信日時が入っていたか否かを判断する。配信日時が入っていた場合(ステップS13:YES)には、制御部10は、処理をステップS14に移す。他方、配信日時が入っていなかった場合(ステップS13:NO)には、制御部10は、処理をステップS15に移す。
ステップS14では、制御部10は、イベント情報記憶部15に記憶されたイベント情報のうち、配信日時15Cと現在の日時とが一致するものが存在するか否かを判断する。現在の日時は、タイマ部11により取得する。一致するものが存在する場合(ステップS14:YES)には、制御部10は、処理をステップS15に移す。他方、一致するものが存在しない場合(ステップS14:NO)には、制御部10は、処理をステップS11に戻す。
【0025】
ステップS15では、制御部10(同報配信部12)は、現在の日時に一致した配信日時15Cに対応するイベント情報15B及び配信条件15Dのデータであるイベント情報及び条件情報を、ゲーム機3に配信する。その後、制御部10は、処理をステップS11に移す。
そして、ホストコンピュータ1の制御部10は、ホストコンピュータ1の電源が切断されるまで、本処理を繰り返す。
【0026】
このように、ホストコンピュータ1は、イベント情報をイベント情報記憶部15に記憶しており、イベント情報15Bに対応する配信日時15Cを有するので、日時指定が可能であり、イベント情報を予め設定することができる。そして、ホストコンピュータ1は、設定したイベント情報を、ゲーム機3に対してタイムリーに配信することができる。
また、ホストコンピュータ1は、運営者Mが入力したイベント情報を、例えば、配信日時を指定しないことで、リアルタイムにゲーム機3に対して配信することができる。
【0027】
他方、ゲーム機3では、ステップS31において、制御部20(受信部21)は、上述のステップS15においてホストコンピュータ1から配信されたイベント情報及び条件情報を受信する。
ステップS32では、制御部20は、プレイ中であるか否かを判断する。プレイ中である場合とは、制御部20が、プレイ開始処理を行って、プレイヤPが実際にプレイを行っている場合をいう。プレイ開始処理として、制御部20は、ゲーム機3がプレイ料金を受け付けたことにより、例えば、プレイヤPの年齢や生年月日、性別等の個人情報の入力を受け付ける個人情報の受付処理を行う。また、プレイ開始処理として、制御部20は、ゲームプログラム27を実行するように制御する。プレイ中である場合(ステップS32:YES)には、制御部20は、処理をステップS33に移す。他方、プレイ中ではない場合(ステップS32:NO)には、制御部20は、本処理を終了する。
【0028】
ステップS33では、制御部20(適合判定部23)は、受信した条件情報と、プレイヤPの個人情報とが適合するか否かの適合チェック処理を行う。
ステップS34では、制御部20(適合判定部23)は、ステップS33での適合チェック処理の結果、条件情報と、プレイヤPの個人情報とが適合するか否かを判断する。適合する場合(ステップS34:YES)には、制御部20は、処理をステップS35に移す。他方、適合しない場合(ステップS34:NO)には、制御部20は、本処理を終了する。
例えば、図4のイベント情報記憶部15のイベントID15Aが「999−001」のイベント情報であった場合、条件情報として、配信条件15Dの内容の「プレイヤの年齢が16歳未満」を、ステップS31で入力されたプレイヤPの年齢が満たすか否かを判断する。このように、ゲーム機3は、プレイヤPの年齢が配信条件15Dを満たすか否かにより、該当のプレイヤPに、店舗9への入店を制限するようなイベント情報を出力することができる。なお、受信した条件情報がブランクである場合(図4の(#2)の場合)には、一律適合すると判断する。
【0029】
ステップS35では、制御部20(イベント情報出力部24)は、音声出力処理を行う。ホストコンピュータ1から受信したイベント情報に音声データを含む場合に、制御部20(イベント情報出力部24)は、音声データを音声出力部5に出力する。音声出力部5は、音声データを例えば2回出力する。
このように、実際にプレイをしているゲーム機3は、プレイヤPの位置から近い音声出力部5からイベント情報を出力することで、プレイヤPは、店舗9内が騒々しい状況であっても、イベント情報を確実に聞くことができる。
ステップS36では、制御部20は、表示処理を行う。その後、制御部20は、本処理を終了する。
【0030】
ここで、表示処理について説明する。なお、ここで説明する表示処理は、プレイを中断してイベント情報を表示部4に出力する例である。
図5は、本実施形態に係るゲーム機3での第1の表示処理のフローチャートである。
図6は、本実施形態に係るゲーム機3での画面表示例を示す図である。
まず、図5のステップS51では、制御部20(プレイ制御部22)は、プレイ状態が中断可能か否かを判断する。プレイ状態が中断可能とは、例えば、シューティングゲームにおいて、武器を選択するために一時プレイが中断した状態や、ステージとステージとの間の状態をいう。これは、制御部20(プレイ制御部22)がプレイ状態を監視することで実現できる。プレイ状態が中断可能な場合(ステップS51:YES)には、制御部20は、処理をステップS52に移す。他方、プレイ状態が中断可能ではない場合(ステップS51:NO)には、制御部20は、プレイ状態が中断可能になるまで、ステップS51の処理を繰り返す。
ステップS52では、制御部20(プレイ制御部22)は、プレイを中断する。
ステップS53では、制御部20(イベント情報出力部24)は、イベント情報の画像データを、プレイ画像上に重ねて出力する。
【0031】
図6(a)は、プレイ画像40の上に画像データであるイベント情報画像41を重ねて表示する様子を模式的に示す図である。スロットゲームのプレイ画像40の上に、例えば、透過性がある画像で、黒っぽい色が付いているためにプレイ画像40を見えにくくしたイベント情報画像41を重ねる。イベント情報画像41は、イベント情報として文字42を有する。このイベント情報画像41は、上述の図4のイベント情報記憶部15に記憶されたイベント情報15Bの画像データである。
また、図6(b)は、表示部4に画像データであるイベント情報画像45が出力された状態を示す。図6(a)に示すように、文字42のみのイベント情報画像41であってもよいし、図6(b)に示すように、キャラクタ43と共に文字44を有するイベント情報画像45をプレイ画像40の上に重ねて表示してもよい。また、画像データは、静止画のみならず、動画のデータであってもよい。
【0032】
図5に戻って、ステップS54では、制御部20は、所定の時間(例えば、10秒程度)が経過したか否かを判断する。所定の時間が経過した場合(ステップS54:YES)には、制御部20は、処理をステップS55に移す。他方、所定の時間が経過していない場合(ステップS54:NO)には、制御部20は、所定の時間が経過するまでステップS54の処理を繰り返す。
ステップS55では、制御部20は、画像データを表示部4から削除する。つまり、プレイ画面を覆っていた画像データを削除して、プレイ画面がプレイヤPから見えるようにする。
ステップS56では、制御部20は、中断していたプレイを再開する処理を行うことで、プレイを進行する。その後、制御部20は、本処理を終了する。
【0033】
このように、イベント情報報知システム100は、運営者Mにより入力された店舗9に関するイベント情報を、ホストコンピュータ1から複数のゲーム機3に同時に配信して、プレイ進行中のゲーム機3の表示部4に出力するので、ゲーム機3でプレイ中のプレイヤPに、イベント情報を運営者Mが望むタイミングで伝達できる。よって、プレイヤPに、即時にイベント情報を知らせる、いわゆるゲリラ告知をすることができ、プレイヤPに、イベント情報をより気付かせ易くすることができる。また、同時に複数のゲーム機3にイベント情報を配信することで、店舗9の運営者Mの煩わしさを省くことができる。さらに、プレイ中のプレイヤPにイベント情報を報知するので、プレイをしていない来場者等にプレイを促して、ゲーム機3の稼働率の向上を図ることができる。
【0034】
また、ゲーム機3は、イベント情報を受信したことに応じて、進行中のプレイを中断させて表示部4にイベント情報を表示させるので、プレイヤPに、必然的にイベント情報を見させることができる。そして、ゲーム機3は、プレイの中断を、プレイを中断可能な時点において行うので、プレイに対する集中力を殺ぐことを極力抑えて、イベント情報を出力することができる。さらに、ゲーム機3は、プレイ以外の情報であるイベント情報の画像データをプレイ画像40の上に重ねて表示部4に出力するので、イベント情報を大きく表示することで、プレイヤPに、イベント情報の注目度をより高めさせることができる。
【0035】
なお、ゲーム機3の設定により、イベント情報を、プレイを中断せずに出力するようにしてもよい。
図7は、本実施形態に係るゲーム機3での第2の表示処理のフローチャートである。
図8は、本実施形態に係るゲーム機3での画面表示例を示す図である。
上述で説明した第1の表示処理と同様、図7のステップS71は、図3のステップS36から遷移する。ステップS71では、制御部20(イベント情報出力部24)は、イベント情報の文字データを、表示領域51に出力する。表示領域51は、プレイに支障のない空き領域であり、ゲーム機3のゲームの種類ごとに位置が異なる。
【0036】
図8(a)は、プレイ画像50と、表示領域51に文字52が表示された状態とを表す。表示領域51に出力される文字52は、上述の図4のイベント情報記憶部15に記憶されたイベント情報15Bの文字データである。表示方法として、図8(b)に示すように、文字52を所定の短い間隔で出力と消去とを繰り返すことで、点滅した表示をさせてもよい。また、図8(c)に示すように、文字52を画面右方向から左方向にスクロールさせて表示してもよい。
【0037】
図7に戻って、ステップS72では、制御部20は、所定の時間(例えば、10秒程度)が経過したか否かを判断する。所定の時間が経過した場合(ステップS72:YES)には、制御部20は、処理をステップS73に移す。他方、所定の時間が経過していない場合(ステップS72:NO)には、制御部20は、所定の時間が経過するまでステップS72の処理を繰り返す。
ステップS73では、制御部20は、文字データを表示部4から削除する。つまり、プレイ画面から文字を削除して、表示部4には、プレイ画面のみが表示されるようにする。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0038】
このように、ゲーム機3は、表示部4に、ゲーム機3の種類ごとに異なる位置に有する表示領域51からイベント情報を出力するので、ゲーム機3の種類を考慮して、プレイの妨げにならない位置にイベント情報を出力することができる。よって、プレイヤPは、プレイをしつつ、イベント情報を知ることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0040】
(1)本実施形態において、ゲーム機にイベント情報を出力する例を示したが、これに限定されない。例えば、閉店10分前等の閉店情報を表示してもよい。
(2)本実施形態において、プレイ中のゲーム機に対してイベント情報を出力する例を示したが、これに限定されない。例えば、プレイ中ではないゲーム機に対して、デモンストレーション画面の画像上に重ねてイベント情報を出力してもよいし、例えば、デモンストレーション画面が複数ある場合に、その画面の間にイベント情報の画像を出力してもよい。
【0041】
(3)本実施形態において、プレイを中断してイベント情報を表示する場合に、所定の時間だけイベント情報を表示する例を示したが、これに限定されない。例えば、プレイ中にゲーム機から離れてイベントに参加する場合を考慮し、ゲーム機に対する操作を受け付けるまでの間は、イベント情報を表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施形態に係るイベント情報報知システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るホストコンピュータ及びゲーム機の機能構成を示す図である。
【図3】本実施形態に係るホストコンピュータ及びゲーム機でのメイン処理のフローチャートである。
【図4】本実施形態に係るイベント情報記憶部の例を示す図である。
【図5】本実施形態に係るゲーム機での第1の表示処理のフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るゲーム機での画面表示例を示す図である。
【図7】本実施形態に係るゲーム機での第2の表示処理のフローチャートを示す図である。
【図8】本実施形態に係るゲーム機での画面表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ホストコンピュータ
2 通信ネットワーク
3 ゲーム機
4 表示部
5 音声出力部
9 店舗
10,20 制御部
11 タイマ部
12 同報配信部
14,26 記憶部
15 イベント情報記憶部
21 受信部
22 プレイ制御部
23 適合判定部
24 イベント情報出力部
29 個人情報入力部
40,50 プレイ画像
41,45 イベント情報画像
100 イベント情報報知システム
M 運営者
P プレイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピュータと、前記ホストコンピュータに対して通信ネットワークを介して接続され、同一の店舗内に配置された種類の異なる複数のゲーム機とを備えるイベント情報報知システムにおいて、
前記ホストコンピュータは、
運営者が店舗に関するイベント情報を入力することで、前記複数のゲーム機に対して同じ前記イベント情報を同時に配信する同報配信部を備え、
前記複数のゲーム機の各々は、
プレイ画像を表示する表示部と、
前記ホストコンピュータから配信された前記イベント情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信した前記イベント情報を、プレイ進行中の前記表示部に出力するイベント情報出力部と、
を備えること、
を特徴とするイベント情報報知システム。
【請求項2】
請求項1に記載のイベント情報報知システムにおいて、
前記複数のゲーム機の各々が備える前記イベント情報出力部は、前記表示部に、前記ゲーム機の種類ごとに異なる位置に有する表示領域から前記イベント情報を出力すること、
を特徴とするイベント情報報知システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のイベント情報報知システムにおいて、
前記複数のゲーム機の各々は、
前記受信部により前記イベント情報を受信したことに応じて、進行中のプレイを中断するプレイ制御部を備え、
前記イベント情報出力部は、前記プレイ制御部によりプレイが中断されたことに応じて、前記表示部に前記イベント情報を出力すること、
を特徴とするイベント情報報知システム。
【請求項4】
請求項3に記載のイベント情報報知システムにおいて、
前記複数のゲーム機の各々が備える前記プレイ制御部は、前記プレイを中断可能なプレイ位置に前記プレイが達したことに応じて、前記プレイを中断すること、
を特徴とするイベント情報報知システム。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のイベント情報報知システムにおいて、
前記複数のゲーム機の各々が備える前記イベント情報出力部は、前記表示部に、前記イベント情報の画像データを前記プレイ画像の上に重ねて出力すること、
を特徴とするイベント情報報知システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のイベント情報報知システムにおいて、
前記ホストコンピュータは、
現在日時を取得するタイマ部と、
前記運営者により入力されたイベント情報を、前記運営者が入力した配信日時情報と共に記憶するイベント情報記憶部と、
を備え、
前記同報配信部は、前記タイマ部により取得された現在日時が、前記イベント情報記憶部に記憶された配信日時情報に適合したことに応じて、前記配信日時情報に対応するイベント情報を前記複数のゲーム機に配信すること、
を特徴とするイベント情報報知システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のイベント情報報知システムにおいて、
前記ホストコンピュータが備える前記同報配信部は、前記イベント情報を、個人の属性に関する条件情報と共に前記複数のゲーム機に配信し、
前記複数のゲーム機の各々は、
前記ゲーム機を操作するプレイヤに関する個人情報を入力する個人情報入力部と、
前記条件情報と前記個人情報とが適合するか否かを判定する適合判定部と、
を備え、
前記受信部は、前記イベント情報を、前記条件情報と共に前記ホストコンピュータから受信し、
前記イベント情報出力部は、前記適合判定部によって適合すると判定された場合に、前記表示部に前記イベント情報を出力すること、
を特徴とするイベント情報報知システム。
【請求項8】
請求項7に記載のイベント情報報知システムにおいて、
前記複数のゲーム機の各々が備える前記個人情報入力部により入力される前記個人情報は、前記プレイヤの年齢を把握可能な情報であること、
を特徴とするイベント情報報知システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のイベント情報報知システムにおいて、
前記イベント情報は、音声データを含み、
前記複数のゲーム機の各々は、
音声を出力する音声出力部を備え、
前記イベント情報出力部は、前記イベント情報に含む前記音声データを前記音声出力部に出力すること、
を特徴とするイベント情報報知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−88526(P2010−88526A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259082(P2008−259082)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】