説明

インキュベータ

【課題】チャンバー内に培養容器の顕微観察装置を配備したインキュベータにおいて、顕微観察装置を構成するカメラやレンズ等の光学系が湿気によってダメージを受けることのないインキュベータを提供する。
【解決手段】本発明に係るインキュベータは、このチャンバー内部に、複数の培養容器を収容する培養容器収容棚と、培養容器を搬送して、前記培養容器収容棚に収容されている任意の培養容器を出し入れすることが可能な培養容器搬送手段と、培養容器上の試料を顕微観察するための顕微観察装置を密封構造のシールドケースの内部に収容すると共に、このシールドケースには培養容器上の試料を前記顕微観察装置が顕微観察するための観察窓が設けられている顕微観察手段と、を備え、前記培養容器搬送手段は、前記培養容器収容棚に収容されている所望の培養容器を前記顕微観察手段の観察窓の対向位置に移動させ、この培養容器上の試料を顕微観察することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の環境条件に調整されたチャンバーの内部にてマイクロプレート等の培養容器の試料を培養するインキュベータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の微生物や細胞を培養するために、図29に示す如きインキュベータ(9)が用いられている。該インキュベータ(9)は、開閉扉(92)によって開口(90)を開閉することが可能なチャンバー(91)の内部に、複数段の棚(93)を設け、各棚(93)に複数のマイクロプレート(31)を収容することが可能となっている。チャンバー(91)には、チャンバー(91)内の温度、湿度、CO2濃度等の環境条件を調整するための環境調整装置(図示省略)が設けられており、適切な環境条件を設定することによって、マイクロプレート(31)上の試料の培養が行なわれる。
【0003】
この様なインキュベータ(9)においては、培養中の試料の状態を確認するために、チャンバー(91)からマイクロプレート(31)を取り出して、顕微鏡などによる試料の観察や分析が行なわれるが、その際にチャンバー(91)の開閉扉(92)を開く必要があるため、これによってチャンバー(11)内の環境条件が大きく変化する問題があった。
【0004】
そこで、チャンバーに開設したマイクロプレート挿入口とチャンバー内の各マイクロプレート収容部との間で、マイクロプレートの搬送を可能として、各マイクロプレート収容部に対するマイクロプレートの出し入れを自動化したインキュベータが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
該インキュベータによれば、チャンバーに小さなマイクロプレート挿入口を開設すればよいので、マイクロプレートの出し入れ時にチャンバー内の環境条件が大きく変化することはない。
【0006】
又、チャンバーの内部にカメラや光学系からなる顕微観察装置を配備し、該顕微観察装置によってチャンバー内でのマイクロプレートの観察を可能としたインキュベータが提案されている(特許文献2〜4参照)。
【0007】
該インキュベータによれば、チャンバーの開閉扉を開くことなくチャンバー内のマイクロプレートを観察することが出来るので、チャンバー内の環境条件が変化することはない。
【特許文献1】特開平11−89559号公報
【特許文献2】特表2002−538477号公報
【特許文献3】特開2003−93041号公報
【特許文献4】特開2003−21628号公報
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るインキュベータの外観を示す斜視図である。
【図2】チャンバーからスタッカーを引き出した状態を示す斜視図である。
【図3】チャンバーの斜視図である。
【図4】インキュベータユニットの斜視図である
【図5】高さの異なる2種類のマイクロプレートと段数の異なる2種類のスタッカーを表わす斜視図である。
【図6】マイクロプレート搬送装置の斜視図である。
【図7】マイクロプレート搬送装置の側面図である。
【図8】マイクロプレート搬送装置に配備される3つのモータの位置を示す平面図である。
【図9】X軸搬送部の側面図である。
【図10】X軸搬送部の動作を表わす斜視図である。
【図11】Y軸搬送部、Z軸搬送部及びX軸搬送部の動力伝達経路を表わす斜視図である。
【図12】マイクロプレート搬入機構の斜視図である。
【図13】マイクロプレート搬入機構の側面図である。
【図14】マイクロプレート搬入機構の動作を表わす斜視図である。
【図15】Y軸モータユニットの分解斜視図である。
【図16】チャンバーにカメラが配備されている構成を表わす図である。
【図17】本発明に係るインキュベータの制御ブロックを表わす図である。
【図18】本発明に係るインキュベータにおけるマイクロプレート搬送装置の動作方向を表わす正面図である。
【図19】同上の側面図である。
【図20】吹き出し口から吹き出されるガスの流れを説明する正面図である。
【図21】同上の側面図である。
【図22】本発明に係るインキュベータの試料分析手続きを表わすフローチャートである。
【図23】カメラ駆動機構によるカメラの駆動方向を説明する図である。
【図24】画像処理のプロセスを説明する図である。
【図25】インキュベータユニットに顕微観察ユニットを組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図26】顕微観察ユニットの構成を示す斜視図である。
【図27】顕微観察ユニットを分析装置に接続した状態を示す斜視図である。
【図28】他のインキュベータの構成例を示す斜視図である。
【図29】従来のインキュベータの斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
全体構成
図1及び図2に示す如く、本発明に係るインキュベータ(1)は、前面に開口(10)が形成されると共に該開口(10)を開閉扉(12)によって開閉することが可能なチャンバー(11)を具え、該チャンバー(11)の内部には、インキュベータユニット(2)が収容されると共に、該チャンバー(11)の側壁に開設したマイクロプレート挿入口(13)には、マイクロプレート搬入機構(4)が接続されている。
【0017】
チャンバー(11)には、図3に示す如く奥部に、チャンバー内の温度、湿度及びCO2濃度を調整するための環境調整装置(6)が配備されており、チャンバー(11)の奥方の壁面には、環境調整装置(6)から得られる環境調整のためのガスをチャンバー内の中央空間へ向けて吹き出すためのファンを具えた吹き出し口(62)が開設されている。
【0018】
チャンバー(11)の内壁には、環境調整装置(6)のセンサー部を構成する温度計(63)、CO2計(64)及び湿度計(65)が取り付けられている。又、チャンバー(11)の天井壁には、カメラ(7)が設置されている。
【0019】
チャンバー(11)の側壁には、マイクロプレート挿入口(13)を開閉するためのシャッター機構(14)が配備されると共に、マイクロプレート挿入口(13)に空気流のカーテンを形成するためのエアーカーテン機構(16)が配備されている。
【0020】
又、チャンバー(11)には、マイクロプレート挿入口(13)を通過するマイクロプレートに付けられているバーコードを読み取るためのバーコードセンサー(151)が、マイクロプレート挿入口(13)へ向けて取り付けられている。
【0021】
インキュベータユニット(2)は、図4に示す如く、ベース(21)上に、マイクロプレートの搬送テーブル(50)を具えたマイクロプレート搬送装置(5)を設置すると共に、該マイクロプレート搬送装置(5)の両側に左右一対のスタッカーホルダー(23)(23)を配備して構成されており、各スタッカーホルダー(23)には、マイクロプレートを収容するための複数のスタッカー(3)が、前後方向に配列されて保持されている。
【0022】
図2に示す如く開閉扉(12)を開いた状態で、引出し台(22)を開口(10)から引き出すことによって、該引出し台(22)上の複数のスタッカー(3)を開口(10)の外側へ脱出させることが可能であり、更に各スタッカー(3)をスタッカーホルダー(23)から引き抜くことが可能である。
【0023】
これによって、スタッカー(3)を容易に交換することが出来、使用後のスタッカー(3)を洗浄することが可能である。
【0024】
スタッカー(3)は、図5(a)(b)に示す如く複数の試料注入凹部(31a)が形成されたマイクロプレート(31)を複数段に収容するものであって、マイクロプレート(31)を水平姿勢で受け止めるための一対の受け止め片(32)(32)が、複数段に突設されている。
【0025】
尚、図示の如く高さの異なる複数種類のマイクロプレート(31)が存在するため、受け止め片(32)の配列ピッチが異なる複数種類のスタッカー(3)が用意されている。
【0026】
図1に示す如く、チャンバー(11)内にインキュベータユニット(2)が収容された状態で、マイクロプレート搬送装置(5)は、チャンバー(11)内の空間の中央部に位置し、その両側の空間にそれぞれ複数のスタッカー(3)が配列されることになる。
【0027】
尚、インキュベータユニット(2)の下方には、チャンバー(11)内の空気に湿気を与えるための貯水パン(60)が配置されている。
【0028】
本発明のインキュベータ(1)においては、図1に示す如く、チャンバー(11)内のマイクロプレート搬送装置(5)の両側に、それぞれ複数のスタッカー(3)が左右対称的に配備されているので、マイクロプレート搬送装置の片側にのみマイクロプレート収容棚が設置されていた従来のインキュベータに比べて、チャンバー(11)内には数多くのスタッカー(3)を設置することが出来、これによって収容可能なマイクロプレート(31)の枚数が増加する。
【0029】
マイクロプレート搬送装置(5)
マイクロプレート搬送装置(5)は、図6及び図7に示す如く、ベース(51)上に4本の支柱(52)〜(52)を介して上板(53)を支持してなる枠体を具え、該枠体には、搬送テーブル(50)を左右方向、即ちX軸方向に駆動するためのX軸搬送部(54)と、搬送テーブル(50)を前後方向、即ちY軸方向に駆動するためのY軸搬送部(55)と、搬送テーブル(50)を上下方向、即ちZ軸方向に駆動するためのZ軸搬送部(56)とが配備されている。
【0030】
ベース(51)には、図8に示す如く、前記X軸搬送部(54)を駆動するX軸モータユニット(57)と、前記Y軸搬送部(55)を駆動するY軸モータユニット(58)と、前記Z軸搬送部(56)を駆動するZ軸モータユニット(59)とが取り付けられている。X軸モータユニット(57)は、モータケース(572)内にX軸モータ(571)を収容して構成され、Y軸モータユニット(58)は、モータケース(582)内にY軸モータ(581)を収容して構成され、Z軸モータユニット(59)は、モータケース(592)内にZ軸モータ(591)を収容して構成されている。
【0031】
尚、X軸モータ(571)、Y軸モータ(581)及びZ軸モータ(591)はそれぞれ、ステッピングモータによって構成されている。
【0032】
Y軸搬送部(55)
図6に示す如く、ベース(51)上には、Y軸方向に伸びる2本の下ガイドレール(554)(554)が設置され、両下ガイドレール(554)(554)には、下スライド板(556)が摺動可能に係合している。又、上板(53)上には、Y軸方向に伸びる1本の上ガイドレール(555)が設置され、該上ガイドレール(555)には、上スライド板(557)が摺動可能に係合している。そして、下スライド板(556)と上スライド板(557)は垂直桿(558)によって互いに連結され、Y軸方向に往復移動可能な往復移動体を構成している。
【0033】
ベース(51)上には、下ガイドレール(554)に沿ってステンレス鋼製のY軸駆動ラダーチェーン(552)が張設されると共に、上板(53)上には、上ガイドレール(555)に沿ってステンレス鋼製のY軸駆動ラダーチェーン(553)が張設されている。そして、下方のY軸駆動ラダーチェーン(552)の一端には下スライド板(556)が連結され、上方のY軸駆動ラダーチェーン(553)の一端には上スライド板(557)が連結されている。
【0034】
又、ベース(51)と上板(53)には、Y軸モータユニット(58)によって駆動されるY軸駆動シャフト(551)が垂直に架設されており、該Y軸駆動シャフト(551)の回転によって、Y軸駆動ラダーチェーン(552)とY軸駆動ラダーチェーン(553)が駆動される。
【0035】
この結果、下スライド板(556)及び上スライド板(557)が下ガイドレール(554)(554)及び上ガイドレール(555)に沿ってY軸方向に往復移動し、これに伴って垂直桿(558)がY軸方向に往復移動することになる。
【0036】
図9に示す如く、垂直桿(558)には、Z軸方向に伸びるガイドレール(563)が取り付けられており、該ガイドレール(563)にZ軸スライダー(564)が摺動可能に係合している。そして、該Z軸スライダー(564)によって昇降板(542)が支持され、該昇降板(542)上に搬送テーブル(50)が設置されている。
【0037】
斯くして、搬送テーブル(50)をY軸方向に駆動するY軸搬送部(55)が構成される。図11(a)はY軸搬送部(55)の動力伝達経路を表わしたものであって、Y軸モータ(581)の回転がY軸駆動ラダーチェーン(552)(553)に伝えられて、下スライド板(556)及び上スライド板(557)がY軸方向に往復移動し、これに伴って昇降板(542)がY軸方向に往復移動する。この結果、搬送テーブル(50)がY軸方向に往復移動するのである。
【0038】
上記Y軸搬送部(55)においては、下スライド板(556)、上スライド板(557)及び垂直桿(558)からなる往復移動体が、下スライド板(556)及び上スライド板(557)を下ガイドレール(554)(554)及び上ガイドレール(555)によってガイドされているので、搬送テーブル(50)を安定した姿勢でY軸方向へ移動させることが出来る。
【0039】
Z軸搬送部(56)
図8に示す如く、ベース(51)には、Z軸モータユニット(59)によって駆動されるZ軸駆動シャフト(561)が、Y軸方向に設置されている。又、図6に示す如く、下スライド板(556)と上スライド板(557)の間にはステンレス鋼製のZ軸駆動ラダーチェーン(562)が張設されており、該Z軸駆動ラダーチェーン(562)の一端に、昇降板(542)が連結されている。該Z軸駆動ラダーチェーン(562)には、Z軸駆動シャフト(561)の回転が伝えられる。
【0040】
斯くして、搬送テーブル(50)をZ軸方向に駆動するZ軸搬送部(56)が構成される。図11(b)は、Z軸搬送部(56)の動力伝達経路を表わしたものであって、Z軸モータ(591)によってZ軸駆動シャフト(561)が駆動され、これによってZ軸駆動ラダーチェーン(562)が駆動されると、昇降板(542)がZ軸方向に往復移動する。この結果、搬送テーブル(50)がZ軸方向に往復移動するのである。
【0041】
X軸搬送部(54)
図9に示す如く、Z軸スライダー(564)に突設された昇降板(542)上には、下段スライダー(549a)が、X軸方向の往復移動が可能に設置され、該下段スライダー(549a)の上面に中間スライド板(543)が固定されている。該中間スライド板(543)上には、上段スライダー(549b)が、X軸方向の往復移動が可能に設置され、該上段スライダー(549b)の上面に搬送テーブル(50)が固定されている。
【0042】
図8に示す如く、ベース(51)には、Y軸方向に伸びる水平X軸駆動シャフト(541)が設置されており、該水平X軸駆動シャフト(541)の端部に、X軸モータユニット(57)の回転が伝えられる。
【0043】
又、図7に示す如く、下スライド板(556)と上スライド板(557)の間には、Z軸方向に伸びる垂直X軸駆動シャフト(540)が架設されており、該垂直X軸駆動シャフト(540)の下端部に、水平X軸駆動シャフト(541)の回転が伝えられる。
【0044】
図9に示す如く、垂直X軸駆動シャフト(540)には、第1のピニオン(544)が相対回転不能且つ軸方向の摺動が可能に係合する一方、中間スライド板(543)上には第1のラック(545)が配備され、第1のピニオン(544)と第1のラック(545)とが互いに噛合している。
【0045】
又、中間スライド板(543)上には第2のピニオン(546)が配備される一方、昇降板(542)上には第2のラック(547)が配備され、第2のピニオン(546)と第2のラック(547)とが互いに噛合している。
【0046】
斯くして、搬送テーブル(50)をX軸方向に駆動するX軸搬送部(54)が構成される。図11(c)は、X軸搬送部(54)の動力伝達経路を表わしたものであって、X軸モータ(571)の回転が、水平X軸駆動シャフト(541)及び垂直X軸駆動シャフト(540)を介して、ピニオン(544)に伝わり、該ピニオン(544)の回転によって搬送テーブル(50)がX軸方向に駆動される。
【0047】
上記X軸搬送部(54)においては、図10(a)(b)に示す如く、垂直X軸駆動シャフト(540)の正逆の回転によって、昇降板(542)上の搬送テーブル(50)が、昇降板(542)と重なる位置を基準位置として、図10(a)に示す如く左方の移動端まで移動して、左方のスタッカーの内部へ侵入し、或いは図10(a)(b)に示す如く右方の移動端まで移動して、右方のスタッカーの内部まで侵入することになる。
【0048】
マイクロプレート搬入機構(4)
図12〜図14に示す如く、マイクロプレート搬入機構(4)は、往復搬送部(41)と、該往復搬送部(41)を駆動するモータユニット(42)とから構成される。
【0049】
往復搬送部(41)においては、ベース(43)上に、X軸方向に伸びるガイドレール(44a)が形成されて、該ガイドレール(44a)に上段スライダー(40a)が摺動可能に係合し、該上段スライダー(40a)の上面に中間スライド板(48)が固定されている。該中間スライド板(48)上には、X軸方向に伸びるガイドレール(44b)が形成されて、該ガイドレール(44b)に下段スライダー(40b)が摺動可能に係合し、該下段スライダー(40b)の上面にマイクロプレート設置台(410)が固定されている。
【0050】
ベース(43)には、モータケース内にステッピングモータを内蔵してなる搬入用モータユニット(42)が取り付けられている。
【0051】
又、ベース(43)には、モータユニット(42)によって同時に駆動される第1及び第2のピニオン(45)(47)が取り付けられる一方、中間スライド板(48)には第1のラック(49)が取り付けられ、第1のピニオン(45)と第1のラック(49)とが互いに噛合可能に対向すると共に、第2のピニオン(47)と第1のラック(49)とが互いに噛合している。又、中間スライド板(48)には、第3のピニオン(412)が取り付けられる一方、ベース(43)には、第2のラック(411)が取り付けられ、第3のピニオン(412)と第2のラック(411)とが互いに噛合している。更に、中間スライド板(48)には第4のピニオン(413)が取り付けられる一方、マイクロプレート設置台(410)の裏面には第3のラック(414)が取り付けられ、第4のピニオン(413)と第3のラック(414)とが互いに噛合している。
【0052】
従って、図12に示す状態から、搬入用モータユニット(42)によって第1及び第2のピニオン(45)(47)が時計方向に回転駆動されると、中間スライド板(48)がX軸方向に駆動されると同時に、該中間スライド板(48)上のマイクロプレート設置台(410)がX軸方向に駆動されて、図14に示す如く、マイクロプレート設置台(410)はベース(43)から大きく突出することになる。
【0053】
又、図14に示す状態から、搬入用モータユニット(42)によって第1及び第2のピニオン(45)(47)が反時計方向に回転駆動されると、マイクロプレート設置台(410)は図12に示す如く元の位置に戻ることになる。
【0054】
本発明のインキュベータ(1)においては、上述の如くマイクロプレート搬入機構(4)及びマイクロプレート搬送装置(5)の動力伝達機構として、ステンレス鋼製のラダーチェーンを採用しているので、チャンバー(11)内の湿気によって動力伝達機構が酸化腐食することはない。
【0055】
モータユニット構造
上述の如く、X軸モータユニット(57)、Y軸モータユニット(58)、Z軸モータユニット(59)及び搬入用モータユニット(42)はそれぞれ、モータケース内にモータを内蔵して構成されており、更に具体的には、図15にY軸モータユニット(58)についての構造例を示す様に、モータの結露を防止するための構成が採用されている。
【0056】
即ち、Y軸モータユニット(58)においては、図15に示す如くケース本体(583)と蓋体(584)からモータケース(582)が構成されており、該モータケース(582)の内部が気密化されている。該モータケース(582)の内部にはY軸モータ(581)が収容され、該モータの出力軸(586)は、モータケース(582)に取り付けられた滑り軸受け(585)を気密状態で貫通し、モータケース(582)から出力軸(586)の先端部を突出させている。
【0057】
モータケース(582)の蓋体(584)には、モータケース(582)内に空気を導入するための空気導入ホース(588)と、モータケース(582)内の空気を排出するための空気排出ホース(589)とが接続され、これによってモータケース(582)内の空気を循環させている。又、モータケース(582)の蓋体(584)には、Y軸モータ(581)に電力と制御信号を供給するためのケーブル(587)が接続されている。
【0058】
上記モータユニット構造によれば、モータケース(582)内が気密化されると共に、モータケース(582)内の空気を循環させているので、モータユニット(58)の周囲の温度が低下したとしても、モータケース(582)内で結露が生じることはない。
【0059】
X軸モータユニット(57)、Z軸モータユニット(59)及び搬入用モータユニット(42)についても、Y軸モータユニット(58)と同じ構造が採用されて、結露が防止されている。
【0060】
顕微観察系
更に、本発明に係るインキュベータ(1)においては、図16に示す如くチャンバー(11)の天井壁にカメラ(7)が設置され、該カメラ(7)は、所定のスタッカー(3)の最上段に設けられた撮影用マイクロプレート収容部に向けられて、該撮影用マイクロプレート収容部に収容されたマイクロプレートの撮影が可能となっている。
【0061】
カメラ(7)は、カメラ駆動機構(71)によってX軸方向及びY軸方向の駆動が可能である。カメラ(7)及びカメラ駆動機構(71)は、分析装置(72)と接続されており、該分析装置(72)によってカメラ(7)の移動が制御されると共に、カメラ(7)から得られる画像データに対して、試料分析のための画像処理と演算処理が施される。
【0062】
カメラ(7)によるマイクロプレート(31)の撮影に際しては、マイクロプレート搬送装置(5)によって、撮影の対象となるマイクロプレート(31)を前記撮影用マイクロプレート収容部まで搬送する。
【0063】
そして、カメラ駆動機構(71)によってカメラ(7)をX軸方向及びY軸方向に駆動しつつ、マイクロプレート(31)上の試料を撮影し、その画像を分析装置(72)に供給する。
【0064】
制御系
図17は、上記本発明のインキュベータ(1)における制御系の構成を表わしている。
【0065】
マイクロプレート搬入機構(4)及びマイクロプレート搬送装置(5)は、モータ制御部(181)、搬送機構制御部(182)及びテーブル記憶部(183)からなる駆動制御装置(18)に接続されて、マイクロプレートの搬入出、並びにチャンバー内での搬送が制御されている。
【0066】
又、環境調整装置(6)は、センサー部となる温度計(63)、CO2計(64)及び湿度計(65)と、該センサー部による検出値に基づいて動作すべき温度調整部(66)及びCO2調整部(67)を具え、データ処理部(68)及び環境制御部(69)からなる環境調整回路(61)によって動作が制御されている。
【0067】
カメラ(7)及びカメラ駆動機構(71)は、カメラ駆動制御部(73)、画像処理部(74)及び細胞カウント部(75)から構成される分析装置(72)に接続され、カメラ駆動制御部(73)によってカメラ(7)の駆動が制御されると共に、画像処理部(74)によって、カメラ(7)から得られる画像データに必要な画像処理が施され、更に細胞カウント部(75)によって、マイクロプレート上の試料の細胞数がカウントされる。
【0068】
駆動制御装置(18)、環境調整回路(61)及びカメラ駆動制御部(73)には、表示部(171)及び操作部(172)からなる操作パネル(17)が接続されており、操作部(172)の操作によって各種の動作指令を与えることが出来ると共に、動作状態を表示部(171)によってモニターすることが出来る。
【0069】
更に、駆動制御装置(18)には、各マイクロプレート(31)に付けられたバーコードを読み取るための第1のバーコードリーダ(15)が接続されると共に、各スタッカーに付けられたバーコードを読み取るための第2のバーコードリーダ(19)が接続されている。第1のバーコードリーダ(15)は、前述の如くマイクロプレート挿入口(13)に取り付けられたバーコードセンサー(151)にバーコード処理部(152)を接続して構成される。又、第2のバーコードリーダ(19)は、バーコードセンサー(191)とバーコード処理部(192)をユニット化したものであって、手に保持してスタッカー(3)のバーコードを読み取ることが出来る。
【0070】
インキュベータ(1)の動作
上記本発明のインキュベータ(1)においては、図18及び図19に示す如く、チャンバー(11)内に複数のスタッカー(3)を設置した状態で、マイクロプレート搬送装置(5)の動作によって、搬送テーブル(50)をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させることにより、任意のスタッカー(3)の任意のマイクロプレート収容部に対して、マイクロプレートの出し入れが行なわれる。
【0071】
例えば、ある1つのマイクロプレート収容部にマイクロプレートを収容する場合、先ずマイクロプレート搬入機構(4)によってチャンバー(11)内に該マイクロプレートを搬入する。この際、図14に示す様に、マイクロプレート搬入機構(4)を動作させて、マイクロプレート設置台(410)をチャンバー(11)のマイクロプレート挿入口(13)から外側に突出せしめる(図1参照)。
【0072】
そして、該マイクロプレート設置台(410)上にマイクロプレート(31)を載置した後、図12に示す様に、マイクロプレート搬入機構(4)を動作させて、マイクロプレート設置台(410)をチャンバー(11)内に移動させる。
【0073】
又、マイクロプレート搬送装置(5)のY軸搬送部(55)及びZ軸搬送部(56)を動作させて、搬送テーブル(50)をマイクロプレート挿入口(13)との対向位置まで移動させ、更にX軸搬送部(54)をマイクロプレート挿入口(13)側へ動作させて、基準位置の搬送テーブル(50)を、マイクロプレート搬入機構(4)のマイクロプレート設置台(410)とマイクロプレート(31)の間へ移動させる。
【0074】
その後、Z軸搬送部(56)の動作によって搬送テーブル(50)を僅かに上昇させ、搬送テーブル(50)上にマイクロプレート(31)を搭載した後、X軸搬送部(54)の動作によって、搬送テーブル(50)を基準位置に復帰させる。
【0075】
続いて、マイクロプレート搬送装置(5)のY軸搬送部(55)及びZ軸搬送部(56)を動作させて、搬送テーブル(50)を所定のスタッカー(3)の所定のマイクロプレート収容部との対向位置まで移動させた後、X軸搬送部(54)を動作させて、搬送テーブル(50)を基準位置から該マイクロプレート収容部の内部まで移動させる。 その後、Z軸搬送部(56)の動作によって搬送テーブル(50)を僅かに降下させ、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)を該マイクロプレート収容部に引き渡した後、X軸搬送部(54)の動作によって、搬送テーブル(50)を基準位置まで復帰させる。
【0076】
チャンバー(11)内のある1つのスタッカー(3)の、ある1つのマイクロプレート収容部に収容されているマイクロプレート(31)を、チャンバー(11)の外側に排出する場合は、上記の搬入、搬送動作と逆の動作が実行される。
【0077】
即ち、マイクロプレート搬送装置(5)のY軸搬送部(55)及びZ軸搬送部(56)の動作によって、搬送テーブル(50)を所定のマイクロプレート収容部との対向位置まで移動させ、その後、所定のマイクロプレート収容部がその左側に位置するか、或いは右側に位置するかに応じて、X軸搬送部(54)を左方若しくは右方に動作させて、搬送テーブル(50)を該マイクロプレート収容部の内部へ移動させて、搬送テーブル(50)上にマイクロプレート(31)を搭載する。
【0078】
その後、マイクロプレート搬送装置(5)の動作によって、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)をチャンバー(11)のマイクロプレート挿入口(13)まで搬送した後、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)をマイクロプレート搬入機構(4)のマイクロプレート設置台(410)に引き渡し、該マイクロプレート搬入機構(4)の動作によって、マイクロプレート設置台(410)上のマイクロプレート(31)をチャンバー(11)から排出するのである。
【0079】
上記本発明のインキュベータ(1)においては、図20及び図21に示す如くチャンバー(11)の背部の壁面に、環境調整装置(6)からのガスの吹き出し口(62)が設けられて、マイクロプレート搬送装置(5)の設置空間へ向けられており、該吹き出し口(62)を中心として、左右にスタッカー(3)(3)が配備されているので、吹き出し口(62)から吹き出されたガスは、図中に矢印で示す様に、チャンバー(11)内の中央部から周囲に向けて均一に分散し、チャンバー(11)内を大きな偏りなく流れる。
【0080】
この結果、チャンバー(11)内は、位置によって大きな差違のない均等な環境条件に保たれ、スタッカー(3)に収容されている各マイクロプレート(31)上の試料は所定の環境条件で培養されることになる。
【0081】
又、チャンバー(11)のマイクロプレート挿入口(13)は、シャッター機構(14)によってマイクロプレート(31)の搬入出時にのみ開かれると共に、該マイクロプレート挿入口(13)には、エアーカーテン機構(16)から吹き出される空気流によってエアーカーテンが形成されるので、チャンバー(11)内の環境条件は一定に保たれる。
【0082】
マイクロプレート上の試料の観察及び分析
図16に示すカメラ(7)によってマイクロプレート(31)上の試料を観察し、その育成状態を分析する場合には、分析装置(72)によって図22に示す手続きが実行される。
【0083】
先ずステップS1にて、撮影すべきマイクロプレート(31)が指示されると共に、ステップS2にて、マイクロプレート(31)上の撮影すべき試料が指示されると、ステップS3では、マイクロプレート搬送装置(5)が該マイクロプレート(31)を撮影用マイクロプレート収容部へ搬送する。
【0084】
続いてステップS4では、図23の如くカメラ駆動機構(71)の駆動によってカメラ(7)をX軸方向及びY軸方向に移動させて、カメラ(7)の光学軸をマイクロプレート(31)上の所定の試料注入凹部(31a)に合致せしめる。
【0085】
その後、図22のステップS5では、カメラ(7)によってマイクロプレート(31)上の試料を撮影し、ステップS6にて、撮影により得られた画像データを分析装置(72)へ転送する。
【0086】
続いて、ステップS7では、分析装置(72)が前記画像データに対して所定の画像処理を実行し、ステップS8では、試料の細胞の数をカウントする。そしてステップS9にて、培養前の細胞個数と比較して培養率を算出し、ステップS10にて、算出された培養率を表示部に表示し、メモリに保存する。
【0087】
図24は、カメラ(7)から得られる画像データに対する画像処理の一連のプロセスを表わしている。先ず、プロセスP1にて各細胞の輪郭を抽出し、プロセスP2では、前記輪郭に基づいて各細胞を分別し、プロセスP3では、前記分別結果に基づいて細胞の数をカウントする。最後に、細胞のカウント値を培養開始前のカウント値で除算することにより、培養率を算出する。
【0088】
顕微観察系の他の構成例
本発明に係るインキュベータ(1)においては、図25に示す如く、インキュベータユニット(2)を構成する2つのスタッカー(3)(3)に代えて、顕微観察ユニット(8)をスタッカーホルダー(23)に着脱可能に取り付けることが可能である。
【0089】
該顕微観察ユニット(8)は、図26に示す如く、ステンレス鋼製のシールドケース(80)内に顕微観察装置(8a)と駆動装置(8b)を配備すると共に、シールドケース(80)の上壁にはガラス板からなる観察窓(88)が設けられている。又、シールドケース(80)の上方位置には、観察窓(88)と対向させてマイクロプレート(31)を収容するためのマイクロプレート収容部(89)が設けられている。
【0090】
顕微観察装置(8a)はカメラ(81)と光学系(82)から構成され、光学系(82)は長焦点型のレンズ等から構成されている。
【0091】
駆動装置(8b)は、Y軸モータ(851)を具えたY軸駆動機構(85)と、X軸モータ(861)を具えたX軸駆動機構(86)と、Z軸モータ(871)を具えたZ軸駆動機構(87)とから構成され、顕微観察装置(8a)をXYZの3軸方向に移動させるものである。
【0092】
顕微観察装置(8a)及び駆動装置(8b)から伸びる電力線や信号線からなる信号ケーブル(83)は、シールドケース(80)に取り付けられた防水コネクター(84)に接続され、該防水コネクター(84)を経て、図27に示す如く分析装置(72)に繋がっている。
【0093】
該インキュベータ(1)においては、図27に示す如くスタッカー(3)に収容されているマイクロプレート(31)の顕微観察を行なう場合、マイクロプレート搬送装置(5)によって該マイクロプレート(31)をスタッカー(3)から取り出し、顕微観察ユニット(8)のマイクロプレート収容部(89)まで搬送して、所定位置に設置する。この状態で、駆動装置(8b)をZ軸方向に動作させて、焦点合わせを行なう。その後、駆動装置(8b)をX軸方向及びY軸方向に動作させて、マイクロプレート(31)の顕微観察を行なう。
【0094】
カメラ(81)によって撮影された画像は分析装置(72)へ送信され、該分析装置(72)によって各種分析が行なわれる。
【0095】
本発明に係るインキュベータ(1)によれば、上述の如くマイクロプレート(31)の搬送を自動的に行なうことが出来ると共に、チャンバー(11)内に多数のマイクロプレート(31)を収容することが可能であり、然もチャンバー(11)内を均一な環境条件に保つことが出来る。
【0096】
又、本発明に係るインキュベータ(1)においては、チャンバー(11)内にインキュベータユニット(2)の駆動機構を構成する全てのモータ(571)(581)(591)(421)が収容されているので、これらのモータをチャンバー(11)の外部に配備した構成と比べて、チャンバー(11)の構成を簡易化すると共に、チャンバー(11)の気密性を高く保つことが出来る。然も、チャンバー(11)とインキュベータユニット(2)とが独立に構成されているので、例えばメンテナンスのためにマイクロプレート搬送装置(5)を分解することなくチャンバー(11)から容易に取り出すことが出来、これによって作業の効率化が図られると共に、インキュベータユニット(2)の構成に高い汎用性が得られる。
【0097】
更に、本発明に係るインキュベータ(1)においては、チャンバー(11)内に、マイクロプレート(31)上の試料を撮影するためのカメラ(7)が設置されているので、マイクロプレート(31)をチャンバー(11)の外側に取り出すことなく、試料の観察及び分析が可能である。
【0098】
従って、チャンバー(11)内の環境条件を一定に保つことが出来ると同時に、分析作業の効率化を図ることが出来る。
【0099】
更に又、図25〜図27に示すインキュベータ(1)によれば、顕微観察装置(8a)がシールドケース(80)内に設置されており、該シールドケース(80)の内部は、マイクロプレート(31)が収容されている空間の高湿度の環境とは遮断されているので、顕微観察装置(8a)を構成するレンズなどが湿気によるダメージを受けることはない。
【0100】
然も、駆動装置(8b)がシールドケース(80)内に収容されているので、該駆動装置(8b)から発せられる微細な塵がマイクロプレート(31)に悪影響を及ぼすことはない。
【0101】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、図28に示す如くチャンバー(11)内に棚板(94)が設置されているに過ぎず、マイクロプレート搬送装置を具えていないインキュベータ(1′)においても、上述の顕微観察ユニット(8)を棚板(94)上に設置することによって、マイクロプレート(31)の顕微観察を可能とすると共に、顕微観察ユニット(8)を構成する顕微観察装置(8a)を湿気から保護することが出来る。又、培養容器としては、マイクロプレートに限らず、シャーレ等の容器であってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の環境条件に調整されたチャンバー内部にて、培養容器上の試料を培養するインキュベータにおいて、
このチャンバー内部には、
複数の培養容器を収容する培養容器収容棚と、
培養容器を搬送して、前記培養容器収容棚に収容されている任意の培養容器を出し入れすることが可能な培養容器搬送手段と、
培養容器上の試料を顕微観察するための顕微観察装置を密封構造のシールドケースの内部に収容すると共に、このシールドケースには培養容器上の試料を前記顕微観察装置が顕微観察するための観察窓が設けられている顕微観察手段と、を備え、
前記培養容器搬送手段は、前記培養容器収容棚に収容されている所望の培養容器を前記顕微観察手段の観察窓の対向位置に移動させ、この培養容器上の試料を顕微観察するようにしたことを特徴とするインキュベータ。
【請求項2】
前記培養容器収容棚は複数個あり、これらの培養容器収容棚を水平に配列して保持する収容棚ホルダーを備え、
前記顕微観察手段は、1或いは複数の培養容器収容棚に代えて前記収容棚ホルダーに設置可能な外形を有していることを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
【請求項3】
前記チャンバー内部へ培養容器を挿入するための培養容器挿入口を備え、
この培養容器挿入口と前記培養容器収容棚との間を、前記培養容器搬送手段が培養容器を搬送するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインキュベータ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−118862(P2009−118862A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58429(P2009−58429)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【分割の表示】特願2003−338899(P2003−338899)の分割
【原出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】