説明

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

【課題】搬送部に粘着された布帛へのインクジェット記録において、好適な記録品質を確保した記録物を製造可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【解決手段】インクジェット記録部130から布帛300の搬送方向下流側の位置であって、第1位置120Xと第2位置120Yとの間の位置である第3位置120Zにおける布帛300の状態を検出する第1センサ150を備えるインクジェット記録装置100とし、第3位置120Zで布帛300が、搬送部120の粘着部126から剥離した状態であると、第1センサ150で検出された場合、駆動中の剥離部140を停止することとしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛へのインクジェット記録(捺染)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、記録媒体へ記録する装置として、インクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを吐出して、記録を行うもので、高精度な画像を高速で記録することが容易に行えるという利点を有している。インクジェット記録装置に関し、各種技術が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
例えば、特許文献1には、導入部、搬送部、プリント部、予備乾燥部、乾燥部及び振り落とし部、データ作成・編集部、色調整部、画像データ格納部及び定着部を備えているプリント装置が開示されている。このプリント装置において、搬送部は、導入部に隣接配置され、ロール間に掛け渡した搬送ベルト、複数段の接着剤塗布ロール及び複数のブラシロール(ベルト面洗浄)を有し、導入部から導入された布帛を搬送ベルトによってプリント部側へと搬送する部分である。搬送部は、複数段の塗布ロールによって接着剤を搬送ベルトに塗布し、導入部から導入された布帛を押圧ロールで搬送ベルトに押圧して張り付け、この状態で搬送する。接着剤は、水性や油性のものが用いられる。プリント部は、連続吐出帯電制御型インクジェット方式によって布帛に絵柄や文字等を描画する部分で、布帛の搬送方向に直交させて搬送ベルトの全幅に亘って対向配置され、使用するインクの色数に対応した8列のラインヘッドを有している。予備乾燥部は、プリント処理が施された布帛からインク中の蒸発成分をヒータ等によって、少なくとも20%以上乾燥させる部分である。プリント部でプリント処理された布帛は、プリント部の下流でテンションロールから付与される張力によって搬送ベルトから剥がされる。このとき、プリント処理された布帛は、インク滴中の蒸発成分が所定量乾燥する前に周囲の部材、例えば、テンションロール等に触れるとインクがかすれたり、混色したりして好ましくないので、このようなかすれ等を防止する目的で乾燥処理を施す。乾燥部は、予備乾燥部で乾燥された布帛からインク中の蒸発成分を更に、例えば85%以上乾燥させる部分である。
【0004】
また、特許文献2には、複数の回転体に亘って張架され、布帛を支持し搬送するエンドレスベルトと、エンドレスベルト上に布帛を送り込む送り込み手段と、エンドレスベルト上の布帛に対してインクを吐出して記録を行う記録手段と、エンドレスベルト上から記録済みの布帛を剥離する剥離手段とを備えたインクジェット記録装置であって、剥離手段は、布帛の伸張度に応じて、エンドレスベルト上からの剥離位置が変更可能であることを特徴とするインクジェット記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−239968号公報
【特許文献2】特開2007−196625号公報
【特許文献3】特開平6−270401号公報
【特許文献4】特開2001−98474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、布帛へのインクジェット記録について、好適な記録品質を確保する必要がある。布帛へのインクジェット記録は、布帛を搬送部に粘着(特許文献1に基づけば、搬送ベルトに接着)して行われる。そのため、インクジェット記録後の所定のタイミングで、適切に搬送部から布帛を、剥離する必要がある。
【0007】
本発明は、搬送部に粘着された布帛へのインクジェット記録において、好適な記録品質を確保した記録物を製造可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑みなされた本発明は、インクを吐出し、外部装置から入力される画像データによって示される画像を、搬送部の設置面に設けられた粘着部に粘着された布帛に記録するインクジェット記録について、画像が記録された布帛の粘着部からの剥離(剥離動作)を、インクジェット記録部から布帛の搬送方向下流側の一定の位置を限度として実行することとした、換言すれば、この下流側の位置を越えてインクジェット記録部の側まで、剥離が行われることがないようにしたものである。
【0009】
本発明を反映した第1の課題解決手段は、インクを吐出し、外部装置から入力される画像データによって示される画像を記録するインクジェット記録装置であって、布帛を供給する供給部と、前記供給部から供給された前記布帛を粘着する粘着部を、前記布帛を設置する設置面に設け、前記粘着された状態の前記布帛を、前記設置面内の第1位置から、前記設置面内の第2位置の方向に搬送する搬送部と、前記第1位置と前記第2位置との間で、かつ前記設置面の上方の位置に配置され、前記粘着された状態で搬送される前記布帛に対し、前記画像を記録するインクジェット記録部と、前記画像が記録され、前記粘着部に粘着された状態の前記布帛を、前記第2位置から前記第1位置の方向に、剥離する剥離部と、前記インクジェット記録部から前記布帛の搬送方向下流側の前記設置面内の位置であって、前記第1位置と前記第2位置との間の位置である第3位置における前記布帛の状態を検出する第1センサと、前記第3位置で前記布帛が剥離した状態であると、前記第1センサで検出された場合、駆動中の前記剥離部を停止する剥離制御部とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0010】
これによれば、布帛の粘着部からの剥離位置を一定の位置を限度とすることが可能で、インクジェット記録部で画像の記録が行われている範囲の布帛を、粘着部に粘着された状態とすることができる。換言すれば、インクジェット記録部で画像の記録が行われている範囲の布帛が、搬送部の設置面から浮き上がることがなく、粘着部に適切に粘着された状態で、インクジェット記録部による画像の記録を行うことができる。
【0011】
第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段のインクジェット記録装置であって、前記第2位置で、前記粘着された状態の前記布帛を検出する第2センサを備え、前記剥離制御部は、前記粘着された状態の前記布帛が、前記第2センサで検出された場合、剥離動作を停止している前記剥離部を駆動することを特徴とする。これによれば、布帛の搬送状態(搬送位置)に応じて、剥離部による剥離を開始することができる。
【0012】
第3の課題解決手段は、第1または第2の課題解決手段のインクジェット記録装置であって、前記第3位置と前記インクジェット記録部との間で、かつ前記設置面の上方の位置に配置され、前記画像が記録された前記布帛を乾燥する乾燥部を備えることを特徴とする。これによれば、記録された画像に関する品質問題を解消することができる。
【0013】
第4の課題解決手段は、インクを吐出し、外部装置から入力される画像データによって示される画像を記録するインクジェット記録方法であって、布帛を供給する供給工程と、前記布帛を搬送する搬送部の設置面に設けられた粘着部に、前記供給された前記布帛を粘着する粘着工程と、前記粘着された状態の前記布帛を、前記設置面内の第1位置から、前記設置面内の第2位置の方向に搬送する搬送工程と、前記第1位置と前記第2位置との間で、かつ前記設置面の上方の位置に配置されたインクジェット記録部によって、前記粘着された状態で搬送される前記布帛に対し、前記画像を記録するインクジェット記録工程と、前記画像が記録され、前記粘着された状態の前記布帛を、前記第2位置から前記第1位置の方向に、剥離する剥離工程とを含み、前記剥離工程は、前記インクジェット記録部から前記布帛の搬送方向下流側の前記設置面内の位置であって、前記第1位置と前記第2位置との間の位置である第3位置における前記布帛の状態を検出する第1センサで、前記布帛が剥離した状態であると検出された場合、停止されることを特徴とするインクジェット記録方法である。これによれば、上述した第1の課題解決手段による機能(作用)と同様の機能を発揮することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、搬送部に粘着された布帛へのインクジェット記録において、好適な記録品質を確保した記録物を製造可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】インクジェット記録装置を示す図である。
【図2】仮乾燥部を示す図である。
【図3】記録処理のフローチャートを示す図である。
【図4】画像が記録された布帛について、仮乾燥の有無に基づく記録品質を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を反映した上記課題解決手段を実施するための実施形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。上記課題解決手段は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に説明する各構成において、所定の構成を省略することもできる。
【0017】
(インクジェット記録装置)
インクジェット記録装置100について、図1を参照して説明する。インクジェット記録装置100は、外部装置(パーソナルコンピュータなど)から入力された、換言すれば、外部装置から取得した画像データにしたがい、インクを吐出し、記録媒体としての布帛300に、この画像データによって示される画像を記録(捺染)する装置である。インクジェット記録装置100は、供給部110と搬送部120とインクジェット記録部130と剥離部140と第1センサ150と第2センサ160と仮乾燥部170(第3の課題解決手段の「乾燥部」に相当)とを備え(図1に示す第3センサ220については、後述する変形例(2)参照)る。また、インクジェット記録装置100は、導入ローラ180とニップル190と本乾燥部200と巻取部210とを備える。
【0018】
供給部110は、搬送部120に布帛300を供給するための機構である。供給部110には、ロール状に巻かれた布帛300がセットされる。搬送部120は、導入ローラ180を介して、供給部110から供給(搬入)された布帛300を、インクジェット記録部130に搬送し、インクジェット記録部130で画像が記録された布帛300を、さらに、所定の位置へ搬送するための機構である。
【0019】
インクジェット記録装置100で用いられる布帛300について説明する。布帛300としては、織物、編物、不織布を問わずあらゆるものが用いられる。布帛300の素材としては、綿、麻、羊毛などの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタンなどの合成繊維が用いられる。布帛300は、これら単独の素材で形成され、また、2以上を混紡、交織など複合して形成される。布帛300の厚みは、0.5〜2mmが好ましく、目付(単位面積あたりの質量)は500g/m程度以下が好ましい。
【0020】
搬送部120は、無端ベルト122と、一対のベルトローラ124A,124Bとを含む。無端ベルト122の外周面は、供給部110から供給された布帛300を設置する設置面となる。無端ベルト122の外周面には、設置面に設置される布帛を粘着する粘着部126が設けられている(固定されている)。粘着部126は、設置面に貼られた粘着テープによって形成される。ニップル190は、搬送部120の第1位置120Xに、無端ベルト122の設置面(粘着部126)と略接触した状態で配置されている。ニップル190は、第1位置120Xで、布帛300を搬送部120の方向に押圧する。押圧された布帛300は、粘着部126に粘着する。なお、第1位置120Xは、搬送部120の一端側(ベルトローラ124A側)の所定の位置である。
【0021】
ここで、ニップル190による押圧力は、500hPa程度以下の範囲に設定される。また、粘着部126を形成する粘着テープは、5〜20N程度の接着力(粘着力)を有するテープが用いられる。なお、接着力は、縦200mm×横200mmの前処理済ポリエステル布帛を、前述のニップル190による押圧力で接着テープに押圧した際、粘着テープから前処理済ポリエステル布帛を剥離するために必要とする力として定義される。
【0022】
ベルトローラ124A,124Bは、所定の第1駆動機構(モータなど/図1で図示を省略)によって回転する。例えば、ベルトローラ124A,124Bが、時計回りに回転(図1の矢印「1」参照)した場合、無端ベルト122が同一方向に移動する。無端ベルト122の回転によって、布帛300は、粘着部126に粘着された状態で、第2位置120Yの方向、換言すれば、インクジェット記録部130の方向に搬送される(図1の矢印「2」参照)。なお、第2位置120Yは、搬送部120の他端側(ベルトローラ124B側)の所定の位置である。また、搬送部120で布帛300が搬送される矢印「2」の方向を、「搬送方向」ともいう。
【0023】
インクジェット記録部130は、搬送部120の設置面に対向した位置に配置される記録ヘッド(図1で図示を省略)を備え、外部装置からの画像データにしたがい、記録ヘッドそれぞれに形成されたノズルからインクを吐出する。吐出されるインクは、インクジェット記録装置100が備えるインクタンク(図1で図示を省略)から供給される。インクジェット記録部130は、複数の記録ヘッドを備え、各記録ヘッドから異なる色のインクが吐出される。例えば、シアン(Cyan)、マゼンダ(Magenta)、イエロー(Yellow)、ブラック(blacK)のインクがそれぞれの記録ヘッドに供給され、各記録ヘッドから、各色のインクが吐出される。なお、インクジェット記録部130は、走査型またはライン型のいずれの形式とすることもできる。
【0024】
インクジェット記録部130での画像の記録に用いられるインクについて説明する。記録に用いるインクは、着色料および添加剤を含有し、水を媒体とする水系インクが用いられる。水系インクの粘度が1〜10cps程度である。インクに用いる着色料としては、反応染料、酸性染料、直接染料、分散染料などの染料を用いることが可能である一方、顔料を用いることもできる。また、インクには必要に応じて分散剤、消泡剤、浸透剤、濃染剤、pH調整剤等を添加することができる。
【0025】
剥離部140は、所定の第2駆動機構(モータなど/図1で図示を省略)によって、反時計回り方向に間欠的に回転する(図1の矢印「3」参照)。回転速度は、毎秒0.01〜0.1mに設定される。すなわち、剥離部140が反時計方向に毎秒0.01〜0.1mの速度で回転することにより、画像が記録され、搬送部120で搬送されている布帛300が、剥離部140側に引っ張られる。これにより、布帛300は、粘着部126から毎秒0.01〜0.1mの速度で、第2位置120Yから第1位置120X(インクジェット記録部130)の方向に剥離される。剥離部140は、インクジェット記録部130で画像が記録された布帛300の進行方向が、無端ベルト122の設置面(粘着部126)に対して、30〜90度(図1の「θ」参照)となる位置に配置される。剥離部140の外周面(布帛300に接する面)は、布帛300との間で所定の摩擦力が発生するような状態をなしている。なお、剥離部140は、第2駆動機構を一体として含む構成とすることもできるが、例えば、剥離部140(詳細には、剥離部140の本体部分)とは別体で構成し、第2駆動機構による駆動が、例えばタイミングベルトまたはギアを介して、剥離部140の本体部分に伝達される構成とすることもできる。
【0026】
第1センサ150は、透過型センサである。第1センサ150は、第3位置120Zで、搬送部120の設置面に対向して配置され、第3位置120Zにおける布帛300の状態を検出する。詳細には、第1センサ150は、第3位置120Zで布帛300が粘着部126から剥離した状態であるか否かを検出する。ここで、第3位置120Zは、インクジェット記録部130から布帛300の搬送方向下流側の設置面内の位置であって、第1位置120Xと第2位置120Yとの間の位置である。換言すれば、インクジェット記録部130と第2位置120Yとの間の設置面内の位置である。
【0027】
第2センサ160は、透過型センサである。第2センサ160は、第2位置120Yで、搬送部120の設置面に対向して配置され、粘着部126に粘着された布帛300を検出する。詳細には、第2センサ160は、第2位置120Yで、インクジェット記録部130で画像が記録され、粘着部126に粘着された状態の布帛300を検出する。
【0028】
仮乾燥部170は、インクジェット記録部130で画像が記録された布帛300を、仮乾燥するための機構である。仮乾燥部170は、エアカーテン172と、風量発生ブロア174と、これらを接続し、風量発生ブロア174からの風の流路となるチューブ176とを含む(図2参照)。エアカーテン172は、塩ビパイプからなり、長さが1〜2m程度である。エアカーテン172には、幅1〜2mm程度のスリット178が、例えば1cm間隔で形成されている。風量発生ブロア174は、チューブ176を介して、エアカーテン172にエアを供給し、供給されたエアは、スリット178から噴射される。
【0029】
仮乾燥部170は、第3位置120Zとインクジェット記録部130との間で、かつ搬送部120の設置面の上方の位置に配置されている。詳細には、エアカーテン172が、インクジェット記録部130から布帛300の搬送方向下流側に0.3〜0.6mの位置、換言すれば、第3位置120Zから搬送方向上流側に0.1〜0.3mの位置で、かつ搬送部120の設置面から40mm程度上方となる位置に配置される。なお、エアカーテン172は、スリット178が設置面に対向した向きに取り付けられる。スリット178からは、常時、風量発生ブロア174からの風が噴射される。
【0030】
ここで、噴射されるエアの温度は、常温(25〜50℃)であることが好ましい。25℃未満であると乾燥しにくくなり、50℃を超えると、熱により前処理剤に含まれる助剤などが活性化されてしまう。また、インクに用いる着色料が染料である場合、染料の色安定性が悪化して発色の際の品質が安定しなくなり、耐熱性のない布帛300に対して悪影響が生じるおそれがある。
【0031】
噴射される風速は1〜2m/sで、風量は9.6〜19.2m/minの範囲であることが好ましい。風速および風量がこの範囲以下であると、十分な乾燥能力が得られない。また、インクの着色料が染料である場合、この範囲以上となると、染料が動き易くなり、染色安定性がとれない。さらに、布帛300の表面に対して風の当たり方が不均一になり易くなり、そのため布帛300が波打つといった副作用が生じ易くなる。
【0032】
仮乾燥部170によって仮乾燥された布帛300のインク塗布率A(以下、「仮乾燥直後のインク塗布率A」ともいう。)(%)は、80%程度以下(具体的には54〜74%程度)とするとよい。乾燥後の染料の動きを抑制し、品質不良を防止することができる。なお、仮乾燥直後のインク塗布率A(%)は、画像記録直後のインク塗布量をB(g)とし、仮乾燥直後のインク塗布量をC(g)とした場合、A(%)=C/B×100、として定義される。画像記録直後のインク塗布量B(g)は、縦150mm×横150mmの前処理済布帛(記録前布帛)の質量を測定し、この前処理済布帛に縦100mm×横100mmのベタ柄を記録し、記録直後の前処理済布帛(記録後布帛)の質量を測定し、記録後布帛の質量から記録前布帛の質量を差し引いて算出された値(質量差)である。また、仮乾燥直後のインク塗布量C(g)は、記録後布帛を仮乾燥し、仮乾燥直後の記録後布帛の質量を測定し、仮乾燥直後の記録後布帛の質量から記録前布帛の質量を差し引いて算出された値(質量差)である。
【0033】
本乾燥部200は、インクジェット記録部130で画像が記録され、仮乾燥部170で仮乾燥され、剥離部140によって粘着部126から剥離された布帛300を、本乾燥するための機構である。本乾燥部200の内部(本乾燥ゾーン)は、常温(25〜50℃)で、かつ低湿度(20%以下)の状態に保持される。布帛300は、このような状態に保持された本乾燥部200の内部で、風量発生器など(図1で図示を省略)を用いて本乾燥される。
【0034】
本乾燥直後のインク塗布率A’(%)は、記録後布帛を本乾燥し、本乾燥直後の布帛の質量を測定し、仮乾燥直後の布帛の質量から記録前布帛の質量を差し引いて算出された値(質量差)である本乾燥直後のインク塗布量C’(g)を用いて、上記仮乾燥直後のインク塗布率A(%)と同様に算出(A’=C’/B×100)される。本乾燥直後のインク塗布率A’(%)は、30%程度以下(具体的には16〜28%程度)となる。仮乾燥直後のインク塗布率と比較し、50%程度(具体的には38〜58%程度)低下する。
【0035】
本乾燥部200で本乾燥された布帛300は、巻取部210により順次巻き取られ、次工程に供給される。具体的に、発色工程、SOP工程および仕上げ工程などの各工程に順次供給される。なお、発色工程は、インクを布帛300に固着させる工程である。SOP工程は、未固着染料や不要な助剤などを洗い流す工程である。仕上げ工程は、しわのばしや、特殊加工(防炎、撥水等)を行う工程である。
【0036】
この他、インクジェット記録装置100は、例えば、自装置を制御する制御部と、外部装置との接続に用いる接続インターフェースとを備える。制御部は、各種演算処理を実行するCPUと、後述する処理を実行するためのプログラムその他プログラムを記憶するROMと、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行する際の作業領域としてのRAMとによって構成される。例えば、CPUは、インクジェット記録装置100において実行される記録処理のためのプログラム(剥離動作に関する剥離制御処理(後述する図3のS104〜S110参照)のためのプログラムモジュールを含む)をROMから読み出し、これを実行する。この際、RAMには、接続インターフェースを介して接続された外部装置から入力された画像データ、第1センサ150および第2センサ160からの検出信号その他各種データが記憶(保持)される。記録処理(剥離制御処理)の詳細については、後述する。なお、制御部によって、各種の機能手段が実現される。
【0037】
(記録処理)
インクジェット記録装置の制御部によって実現される記録処理について、図3を参照して説明する。この処理は、インクジェット記録装置100が接続インターフェースを介して接続された外部装置から、画像データが入力された場合に開始される。この処理を開始した制御部は、先ず、記録メイン処理を開始する(S100)。S100で制御部は、入力された画像データをRAM上に記憶し、記憶された画像データに対して、例えばレンダリング処理を行う。また、制御部は、供給部110を制御し、布帛300の供給を開始する。具体的には、制御部は、供給部110を制御することで、ロール状の布帛300を回転させ、所定量の布帛300を繰り出す(供給工程)。供給部110から供給された布帛300は、導入ローラ180を介して、搬送部120側に送られ、ニップル190によって、搬送部120の設置面上の粘着部126に押圧され、粘着される(粘着工程)。制御部は、搬送部120を制御、具体的には、ベルトローラ124A,124Bの第1駆動機構を制御し、布帛300をインクジェット記録部130側(第1位置120Xから第2位置120Yの方向)に搬送する(搬送工程)。そして、制御部は、所定の処理が行われた画像データにしたがい、インクジェット記録部130を制御し、搬送された布帛300に画像を記録する(インクジェット記録工程)。
【0038】
制御部は、S100で開始した記録メイン処理を、S102以降の処理と並行して実行する。すなわち、制御部は、供給部110から布帛300を順次(間欠的に)供給するとともに、インクジェット記録部130による画像の記録を連続的に実行する。なお、上述したとおり、インクジェット記録部130で画像が記録された布帛300は、仮乾燥部170で仮乾燥される。仮乾燥部170について、仮乾燥部170のスリット178を開閉自在な構成とし、制御部は、所定のタイミングで閉状態のスリットを開状態となるよう制御し、エアの噴射が開始されるような構成とすることもできる。
【0039】
S100で記録メイン処理を開始した制御部は、記録メイン処理の終了を示す指令を取得したか否かを判断する。この終了を示す指令は、例えば、インクジェット記録装置100が備える操作部(図1で図示を省略)によって入力される。判断の結果、終了を示す指令を取得した場合(S102:Yes)、制御部は、この記録処理を終了する。これに対し、終了を示す指令を取得していない場合(S102:No)、制御部は、処理をS104に移行する。
【0040】
S104で制御部は、粘着部126に粘着された状態の布帛300が、第2位置120Yに搬送されているか否かを、第2センサ160からの検出信号によって判断する。判断の結果、制御部は、第2センサ160で布帛300が検出されていない場合(S104:No)、処理をS102に戻す一方、第2センサ160で布帛300が検出されている場合(S104:Yes)、処理をS106に移行する。
【0041】
S106で制御部は、剥離部140を駆動する。具体的に、制御部は、第2駆動機構を制御し、剥離部140を反時計回りの方向に回転させる(図1の矢印「3」参照)。これによって、画像が記録され、粘着部126に粘着された状態で、第2位置120Yまで搬送された布帛300は、第2位置120Yから第1位置120Xの方向に、剥離される(剥離工程の一側面)。
【0042】
S106を実行した後、制御部は、第1位置120Xと第2位置120Yとの間の位置である第3位置120Zにおける布帛300の状態を検出する(S108)。具体的に、制御部は、第3位置120Zに搬送されている布帛300が、粘着部126に粘着された状態であるか、粘着部126から剥離された状態であるかを、第1センサ150からの検出信号によって判断する。なお、例えば剥離された状態であることは、第1センサ150で布帛300が検出されたことをもって、判断することができる。すなわち、粘着部126から剥離し、設置面から浮き上がった状態の布帛300によって、第1センサ150の発光素子からの光が遮られ、受光素子で光が検出されない状態となる。判断の結果、第1センサ150の検出信号が、布帛300が粘着部126に粘着された状態であることを示す場合、換言すれば、第1センサ150で布帛300の剥離が検出されていない場合(S108:No)、制御部は、処理をS106に戻す。これに対し、第1センサ150の検出信号が、布帛300が粘着部126から剥離された状態であることを示す場合、換言すれば、第1センサ150で布帛300の剥離が検出されている場合(S108:Yes)、制御部は、駆動中の剥離部140(剥離動作を実行している剥離部140)を停止する(S110/剥離工程の他の一側面)。具体的に、制御部は、第2駆動機構を制御し、剥離部140の回転を停止する。
【0043】
なお、剥離された布帛300は、巻取部210側に移動され、本乾燥部200で本乾燥され、その後、巻取部210に巻き取られる。制御部は、本乾燥部200と巻取部210とを制御する。例えば、制御部は、本乾燥部200の内部の状態が上記状態になるよう監視し、この状態が保持されるように制御する。また、制御部は、巻取部210を制御し、布帛300の巻き取りを制御する。巻取部210への巻き取りは、間欠的に実行される。
【0044】
(本実施形態の構成に基づく有利な効果)
本実施形態の構成によれば、次に記載の有利な効果を得ることができる。
【0045】
(1)インクジェット記録装置100では、第2センサ160で布帛300が検出された場合(図3のS104:Yes参照)、剥離部140を駆動し(図3のS106参照)、第1センサ150で布帛300の剥離が検出されている場合(図3のS108:Yes参照)、制御部は、駆動中の剥離部140を停止する(図3のS110参照)、すなわち、剥離部140による布帛300の粘着部126からの剥離を、第3位置120Zを限度として、間欠的に実行する構成とした。
【0046】
これによれば、第2位置120Yに布帛300が搬送された場合に開始される、第2位置120Yから第1位置120Xの方向への布帛300の剥離が、第3位置120Zを越えてインクジェット記録部130側まで行われることがない。したがって、インクジェット記録部130で画像の記録が行われている範囲の布帛300が、搬送部120の設置面から浮き上がることがなく、粘着部126に適切に粘着された状態で、インクジェット記録部130による画像の記録を行うことが可能で、好適な記録品質を確保した記録物を製造することができる。
【0047】
なお、インクジェット記録装置100では、画像が記録された布帛300が第2位置120Yに搬送されたタイミングで、剥離部140を駆動し、剥離が行われる。したがって、布帛300が、粘着部126に粘着された状態で、第1位置120Xの方向に逆搬送されることを防止することができる。
【0048】
(2)インクジェット記録装置100では、第3位置120Zとインクジェット記録部130との間で、かつ搬送部120の設置面の上方の位置に仮乾燥部170を備えた構成を採用した(図1,2参照)。これによれば、画像記録後であって剥離前に布帛300に吐出されたインクを仮乾燥することができる。
【0049】
ここで、仮乾燥部170による仮乾燥の有無に基づく記録品質について、図4を参照して説明する。図4の左列には、布帛300の表面(画像記録面)における筋状の色むら320の発生状態を、仮乾燥あり(左列中段参照)、なし(左列下段参照)に分けて示す。図4の右列には、布帛300の裏面への点状の模様(以下、「メッチャ」ともいう。)の発生状態を、仮乾燥あり(右列中段参照)、なし(右列下段参照)に分けて示す。なお、図4の上段は、筋状の色むら320とメッチャとを説明するための図であり、上段の左側は、筋状の色むら320が発生した状態の概要を示し、同右側は、メッチャが発生した状態の概要を示している。
【0050】
ここで、筋状の色むら320の発生メカニズムについて、その概略を考察すると、画像が記録された直後の布帛300では、インクジェット記録部130から吐出されたインクが未乾燥の状態であり、布帛300内をインクが移動し易い。このような状態において、布帛300が粘着部126から剥離すると、剥離の際の衝撃で、インクが移動し、これによって、筋状の色むら(濃線)、すなわち、筋状の色むら320が発生する。筋状の色むら320は、剥離方向(第2位置120Yから第1位置120Xの方向)に略垂直な方向に発生する。特に、インクの塗布量が多い場合に発生し易くなる。なお、例えば、画像が記録された布帛300が引っ張られ、伸びた場合に、布帛300内にインク(染料)が浸透しておらず、布帛300自体の色が視認されるような状態を防止する場合、インクの塗布量を多くする。また、メッチャは、未乾燥の状態のインクが布帛300の裏面にまで移動し(裏抜けし)、発生すると考えられる。
【0051】
次に、仮乾燥の有無に基づく記録品質について、説明する。仮乾燥を行った場合(図4の中段参照)、布帛300の表面には、筋状の色むら320の発生は認められず、また、裏面にも、メッチャの発生は認められない。これは、インクジェット記録部130での画像の記録が終了した後、剥離部140による剥離前に、仮乾燥部170による仮乾燥によって、インクが布帛300に仮固定されたことに基づく結果であると考察される。これに対し、仮乾燥を行っていない場合(図4の下段参照)、布帛300の表面に、筋状の色むら320の発生が認められる。なお、図中に示す矢印は、筋状の色むら320の発生している位置を示すものである。また、布帛300の裏面に、メッチャの発生が認められる。これら結果より、筋状の色むら320とメッチャの発生に関し、画像の記録直後で剥離前に行われる仮乾燥の有効性を確認することができる。
【0052】
なお、仮乾燥部170による仮乾燥の有効性について、水系インクの粘度が1〜10cps程度であると、布帛300の厚み方向にインクが移動し易くなるが、剥離時のインクの移動を抑えることができる。特に、反応染料、直接染料のような加熱により反応を起こし易い染料を含むインクでは、効果が大きくなる。浸透剤のように乾燥し難い薬剤を含むインクにおいても、仮乾燥部170による仮乾燥を採用することで、品質に悪影響を及ぼさずに剥離することができる。複数の異なる色を重ねて中間色を表出させる場合にも、各色のインクの移動特性が異なるため、移動し易いインクにより色ぶれを生じ易くなる。例えば、アゾ系染料を含むインクに比べてキノン系染料を含むインクは移動し易いため、色ぶれの原因になる可能性があるが、画像記録後、布帛300の表面全体をほぼ均一に仮乾燥させれば、色安定性が高くなり、特に効果的である。
【0053】
また、布帛300の素材に関し、編密度が低いといわれる素材、具体的には、編密度の範囲が、横編み密度(コース)20〜50本/inch,経編み密度(ウェ−ル)20〜40本/inchであるポリエステル編物、ナイロン編物などのインクが繊維を介して動き易いもの、または、インク塗布量が多く必要とされる、ポリウレタン繊維とカチオン可染ポリエステル繊維とからなる編物、ポリウレタン繊維とナイロン繊維とからなる編物などの布帛乾燥性が悪い(なかなか乾燥しない)もので、特に、仮乾燥による効果を得ることができる。
【0054】
(変形例)
本実施形態の構成は、次のようにすることもできる。
【0055】
(1)上記では、インクジェット記録装置100が、第1センサ150と第2センサ160とを備え、第1センサ150と第2センサ160とからの検出信号それぞれにしたがった制御を、インクジェット記録装置100の制御部が実行する構成とした(図3のS104〜S110参照)。しかし、これ以外の構成とすることもできる。
【0056】
例えば、第2センサ160を省略した構成とすることもできる。この場合、剥離部140が停止した後の搬送部120の搬送量が所定量になったことを条件として、剥離部140を駆動させるような構成とする。搬送部120の搬送量は、例えば、ベルトローラ124A,124Bの第1駆動機構を構成するモータの回転量などによって取得される。また、剥離部140が停止した後、所定時間が経過したことを条件として、剥離部140を駆動させる構成とすることもできる。
【0057】
また、第1センサ150および第2センサ160を省略した構成とすることもできる。かかるインクジェット記録装置は、具体的に、次のような構成となる。すなわち、インクを吐出し、外部装置から入力される画像データによって示される画像を記録するインクジェット記録装置(インクジェット記録装置100に相当)であって、布帛(布帛300に相当)を供給する供給部(供給部110に相当)と、前記供給部から供給された前記布帛を粘着する粘着部(粘着部126に相当)を、前記布帛を設置する設置面に設け、前記粘着された状態の前記布帛を、前記設置面内の第1位置(第1位置120Xに相当)から、前記設置面内の第2位置(第2位置120Yに相当)の方向に搬送する搬送部(搬送部120に相当)と、前記第1位置と前記第2位置との間で、かつ前記設置面の上方の位置に配置され、前記粘着された状態で搬送される前記布帛に対し、前記画像を記録するインクジェット記録部(インクジェット記録部130に相当)と、前記画像が記録され、前記粘着部に粘着された状態の前記布帛を、前記第2位置から前記第1位置の方向に、剥離する剥離部(剥離部140に相当)と、前記第2位置と前記インクジェット記録部との間で、かつ前記設置面の上方の位置に配置され、前記画像が記録され、前記粘着部に粘着されている前記布帛を乾燥する乾燥部(仮乾燥部170に相当)とを備えるインクジェット記録装置とすることもできる。この場合についても、乾燥部による乾燥(仮乾燥)は、布帛が粘着部に粘着された状態で行われるため、上述した仮乾燥による有利な効果を得ることができる。
【0058】
(2)上記(1)とは異なり、第2位置120Yを通過した所定の位置に、さらに、第3センサ220(図1参照)を備える構成とすることもできる。すなわち、例えば第2センサ160の故障が原因で、第2位置120Yに布帛300が搬送されているにも関わらず、剥離部140が駆動せず(図3のS104:Yes,S106参照)、第3センサ220で布帛300が検出された場合、制御部が、インクジェット記録装置100の動作自体を停止するような構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0059】
100 インクジェット記録装置
110 供給部
120 搬送部
122 無端ベルト
124A,124B ベルトローラ
126 粘着部
120X 第1位置
120Y 第2位置
120Z 第3位置
130 インクジェット記録部
140 剥離部
150 第1センサ
160 第2センサ
300 布帛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出し、外部装置から入力される画像データによって示される画像を記録するインクジェット記録装置であって、
布帛を供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記布帛を粘着する粘着部を、前記布帛を設置する設置面に設け、前記粘着された状態の前記布帛を、前記設置面内の第1位置から、前記設置面内の第2位置の方向に搬送する搬送部と、
前記第1位置と前記第2位置との間で、かつ前記設置面の上方の位置に配置され、前記粘着された状態で搬送される前記布帛に対し、前記画像を記録するインクジェット記録部と、
前記画像が記録され、前記粘着部に粘着された状態の前記布帛を、前記第2位置から前記第1位置の方向に、剥離する剥離部と、
前記インクジェット記録部から前記布帛の搬送方向下流側の前記設置面内の位置であって、前記第1位置と前記第2位置との間の位置である第3位置における前記布帛の状態を検出する第1センサと、
前記第3位置で前記布帛が剥離した状態であると、前記第1センサで検出された場合、駆動中の前記剥離部を停止する剥離制御部とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記第2位置で、前記粘着された状態の前記布帛を検出する第2センサを備え、
前記剥離制御部は、前記粘着された状態の前記布帛が、前記第2センサで検出された場合、剥離動作を停止している前記剥離部を駆動することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記第3位置と前記インクジェット記録部との間で、かつ前記設置面の上方の位置に配置され、前記画像が記録された前記布帛を乾燥する乾燥部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
インクを吐出し、外部装置から入力される画像データによって示される画像を記録するインクジェット記録方法であって、
布帛を供給する供給工程と、
前記布帛を搬送する搬送部の設置面に設けられた粘着部に、前記供給された前記布帛を粘着する粘着工程と、
前記粘着された状態の前記布帛を、前記設置面内の第1位置から、前記設置面内の第2位置の方向に搬送する搬送工程と、
前記第1位置と前記第2位置との間で、かつ前記設置面の上方の位置に配置されたインクジェット記録部によって、前記粘着された状態で搬送される前記布帛に対し、前記画像を記録するインクジェット記録工程と、
前記画像が記録され、前記粘着された状態の前記布帛を、前記第2位置から前記第1位置の方向に、剥離する剥離工程とを含み、
前記剥離工程は、前記インクジェット記録部から前記布帛の搬送方向下流側の前記設置面内の位置であって、前記第1位置と前記第2位置との間の位置である第3位置における前記布帛の状態を検出する第1センサで、前記布帛が剥離した状態であると検出された場合、停止されることを特徴とするインクジェット記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−31418(P2011−31418A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177595(P2009−177595)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000107907)セーレン株式会社 (462)
【Fターム(参考)】