インクジェット記録装置
【課題】インクミストが排気経路内に堆積、および、機外への排出を低減することが可能となるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インク容器18と、インクの濃度を調整する為にインク容器に溶剤を供給するための溶剤を収容する溶剤容器20と、インクをインク粒子として吐出して被印字物に印字を行うノズル8と、印字に使用しないインク粒子を回収するためのガター14と、インク粒子をインク容器に回収するためのインク回収流路と、回収された気体を溶剤容器より本体外へ排出する第二排気流路と、を備えるインクジェット記録装置において、インク容器と溶剤容器は第一排気流路で連結されており、インク容器の排気及びインクミストは第一排気流路を通じて溶剤容器に供給されるようになっており、溶剤容器には第一排気流路により供給されたインクミストを除去するインクミスト除去手段が備えられている。
【解決手段】インク容器18と、インクの濃度を調整する為にインク容器に溶剤を供給するための溶剤を収容する溶剤容器20と、インクをインク粒子として吐出して被印字物に印字を行うノズル8と、印字に使用しないインク粒子を回収するためのガター14と、インク粒子をインク容器に回収するためのインク回収流路と、回収された気体を溶剤容器より本体外へ排出する第二排気流路と、を備えるインクジェット記録装置において、インク容器と溶剤容器は第一排気流路で連結されており、インク容器の排気及びインクミストは第一排気流路を通じて溶剤容器に供給されるようになっており、溶剤容器には第一排気流路により供給されたインクミストを除去するインクミスト除去手段が備えられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルよりインクを噴出することで印字を行うインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるコンティニュアス方式のインクジェット記録装置においては、ノズルよりインクを噴出させ、印字に用いるインク粒子にのみ帯電電極で帯電させ、帯電されたインク粒子を偏向電極で飛翔方向を偏向させて印字を行い、印字に用いないインク粒子はガターに吸引されて回収され、再度印字に用いるものである。ガターにおいては、インク粒子を吸引して回収する際に周囲の空気も同時に吸引する。吸引された空気は、インク容器内に送られ続けるため、インク容器内から機外へ排出する構成をとっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−172932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、ガターからインクと空気を吸引してインク容器内に回収するための回収経路内で、インクミストが発生し、インクミストは回収経路からインク容器内の空気中に漂うこととなる。インク容器内の空気はインクジェット記録装置本体に備えられた排気口からインクジェット記録装置本体外へ排出される構成をとっており、インク容器内のインクミストがインクジェット記録装置外へ排気される経路内で集結してインク液となり、排気口からインクがこぼれ出て、周囲を汚す可能性があった。
【0005】
また、ガターにおいては、回収経路に設置されたポンプを用いて、インクと共に空気が吸引されインク容器内部へ圧送されている。その後、インクはインク容器下部へ貯留されて、空気はインク容器上部へ漂うことになる。しかし、インク容器上部の空気は、継続的に新たな空気がガターからインク容器に送られ続けるために、インク容器に設置された排気経路を通り機外へ排気される構成をとっている。
【0006】
ここで、前記空気の流量は80〜200[ml/min]程度が必要である。ガターから吸い込む空気の流量が少なくなると、ガター内のインク流れが悪くなり、ガター先端からインクがあふれ出す可能性がある。(逆に、ガターから吸い込む空気の流量が多くなると、回収経路内でインク中の溶剤成分がより多く揮発してしまい、揮発した分の溶剤が排気されるためにランニングコストを悪化させる要因となっている。)
つまり、特許文献1の排気経路中にインクミストが昼決してインクとなって堆積して排気経路を狭くすることで、排気経路から排出できる空気の流量を低下させることに繋がり、そのことが原因で、ガターから新たなインクおよび空気を吸い込み難くなるために(ガターから吸い込む空気の流量が低下するために)、ガターからインクが溢れ出し周囲を汚す恐れがあった。
【0007】
本発明の目的は、回収経路内で発生したインクミストの機外排出、および、経路内に堆積することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、例えば、本体に収納されているインクを貯留するためのインク容器と、前記インク容器内のインクの濃度を調整する為に前記インク容器に溶剤を供給するための溶剤を収容する溶剤容器と、インク供給流路を介して前記インク容器から供給されるインクをインク粒子として吐出して被印字物に印字を行うノズルと、前記ノズルより吐出したインク粒子のうち、印字に使用しないインク粒子を回収するためのガターと、前記ガターで回収したインク粒子を前記インク容器に回収するためのインク回収流路と、前記インク回収流路を介して前記インク粒子とともに回収された気体を前記溶剤容器より前記本体外へ排出する第二排気流路と、を備えるインクジェット記録装置において、前記インク容器と前記インク容器は第一排気流路で連結されており、前記インク容器の排気及びインクミストは第一排気流路を通じて前記溶剤容器に供給されるようになっており、前記溶剤容器には前記第一排気流路により供給されたインクミストを除去するインクミスト除去手段が備えるという構成をとる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、排気経路を気体と共に流れるインクミストが、排気経路内に堆積することを低減できる。
【0010】
また、本発明によれば、インクミストが機外へ排出することによるインクジェット記録装置周辺のインクによる汚染を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】インクジェット記録装置の本体および印字ヘッドの斜視図である。
【図2】インクジェット記録装置の基本動作を示す斜視図である。
【図3】インクジェット記録装置の使用状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例1のインクジェット記録装置の経路構成図である。
【図5】インク回収経路の拡大図である。
【図6】排気経路(ミスト除去前)の拡大図である。
【図7】排気経路(ミスト除去後)の拡大図である。
【図8】本発明の一実施例を示すミスト除去機能を有する溶剤容器の縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例を示すミスト除去機能を有する溶剤容器の横断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示すミスト除去機能を有する溶剤容器の液面が下がった状態を示す縦断面図である。
【図11】本発明の一実施例を示すインクジェット記録装置における溶剤容器内の排気ガス吐き出し口の断面図である。
【図12】本発明の一実施例を示す溶剤容器内の溶剤量、および、インク濃度変変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本実施例につき図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0013】
(装置外観の構成)
図1はインクジェット記録装置100を示す斜視図である。インクジェット記録装置100には、外部には操作表示部3が備えられた本体1と印字ヘッド2が備えられており、本体1と印字ヘッド2は導管4で接続されている。
(装置の動作原理)
ここでインクジェット記録装置100の動作原理について説明する。図2に示すように、インク容器18内のインク7Aはポンプ25に吸引、加圧されてインク柱7Bとなってノズル8から吐出される。ノズル8には、電歪素子9が備えられており、インクに所定の周波数で振動を加えてノズル8から吐出されるインク柱7Bを粒子化するようになっている。これにより生成されるインク粒子7Cの数は,電歪素子9に印加する励振電圧の周波数により決定され、その周波数と同数となる。インク粒子7Cは、印字情報に対応した大きさの電圧を帯電電極11にて印加することで電荷を与えられるようになっている。帯電電極11で帯電させられたインク粒子7Cは、偏向電極12間の電界中を飛翔している間、帯電量に比例した力を受けて偏向し、印字対象物13へ向かって飛翔して着弾する。その際、インク粒子7Cは帯電量に応じて偏向方向の着弾位置は変化し、さらに偏向方向と直行する方向に生産ラインが印字対象物13を移動させることで、偏向方向と直行した方向にも粒子を着弾させることが可能となり、複数の着弾粒子によって文字を構成し印字を行う。
【0014】
印字に使用されなかったインク粒子7Cは偏向電極12間を直線的に飛翔して、ガター14により捕捉された後に経路を経由して、主インク容器18に回収される。
【0015】
(装置の使用形態)
次に、インクジェット記録装置100の実際の使用状態の一例を図3に示す。インクジェット記録装置100は、例えば、食品や飲料などが生産される工場内の生産ラインに据え付けられ、本体1は使用者が操作できる位置に設置され、印字ヘッド2はベルトコンベア15などの生産ライン上を給送される印字対象物13に近接できる位置に設置される。
【0016】
ベルトコンベア15などの生産ライン上には給送速度に係わらず同じ幅で印字するために、給送速度に応じた信号をインクジェット記録装置100に出力するエンコーダ16や、印字対象物13を検出してインクジェット記録装置100に印字を指示する信号を出力する印字センサ17が設置されていて、それぞれは本体1内の図示しない制御部に接続されている。エンコーダ16や印字センサ17からの信号に応じて制御部がノズル8から吐出されるインク粒子7Cへの帯電量や帯電タイミングを制御し、印字対象物13が印字ヘッド2近傍を通過する間に帯電、偏向されたインク粒子7Cを印字対象物13へ付着させて印字を行うようになっている。
【0017】
(実施例の経路構成)
図4は、インクジェット記録装置100の全体的な経路構成を示す説明図である。本体1には、循環するインクを保持する主インク容器18が備えられており、主インク容器18には、主インク容器18内の液体が内部に保持されるのに適正な量である基準液面レベルに達しているか否かを検知する後述する液面センサ52が備えられている(不図示)。主インク容器18には、インクを循環させるための経路101を介してインクの粘度を計測するための落下式粘度計である粘度計測器21に接続されている。
【0018】
粘度計測器21は経路102を介して経路の開閉を行う電磁弁22に接続されており、電磁弁22は経路103を介してインクや溶剤の吸引、圧送に供されるポンプ25に接続されている。そして、ポンプ25は経路104を介してインク中に混入している異物を除去するフィルタ28に接続されている。
【0019】
フィルタ28は、経路105を介してポンプ25から圧送されたインクを印字するために適正な圧力に調整する減圧弁30に接続されており、減圧弁30は、経路106を介してインクの圧力を検出するための圧力センサ31に接続されている。
【0020】
圧力センサ31は、導管4内をとおる経路107を介して印字ヘッド2内に備えられたインクを吐出する吐出口を供えたノズル8に接続されている。
【0021】
ノズル8のインク吐出方向には、ノズル8から吐出されたインク粒子10に印字する文字情報に応じた電荷量を粒子に帯電させる帯電電極11が配置されている。帯電電極11により帯電させられたインク粒子7Cの飛翔方向には、帯電されたインク粒子10を偏向させる電界を発生させる偏向電極12が配置されている。
【0022】
偏向電極12のインク飛翔方向側には、印字に使用されないために帯電、偏向されずに直線的に飛翔するインク粒子7Cを捕捉するガター14が配置されている。ガター14は、導管4内をとおる経路108を介して本体1内に配置されているインク中に混入している異物を除去するフィルタ29と接続されており、フィルタ29は、経路109を介してガター14により補足されたインク粒子7Cを吸引するポンプ26と接続されている。そして、ポンプ26は、経路110を介して吸引したインク粒子7Cを主インク容器18に回収する。
【0023】
また、本体1には、ノズル8で生じるインクによる汚染の解消及びインクの濃度を調整するための溶剤53を収容する溶剤容器20が備えられており、溶剤容器20は、経路111を介して溶剤の吸引、圧送を行うポンプ27に接続されている。また、ポンプ27は、経路112を介して経路の開閉を行う電磁弁24に接続されており、電磁弁24は、経路113を介して主インク容器18に接続されている。
【0024】
さらに、本体1には、補充用のインクを保持する補助インク容器19が備えられており、補助インク容器19は、経路120を介して経路の開閉を行う電磁弁23に接続されている。そして、電磁弁23は経路121を介して経路103に接続されている。
【0025】
(排気経路)
図4に示すように、ガター14は、インク粒子7Cを吸引して回収する際に周囲の空気も同時に吸引しており、吸引された空気は、主インク容器18内に送られ、主インク容器18内から経路40を介して本体1外へ排出される。
【0026】
本体1には、排気口32が設けられており、排気口32は経路45を介して溶剤容器20の気体部44と接続されており、インク中の揮発した溶剤成分が経路45を介して、本体1の外部に排気される。主インク容器18の気体部80cは、経路41を介して溶剤容器20のガス吐出口60と接続されており、ガス吐出口60は溶剤53液中に配置されている。
【0027】
(本発明の溶剤容器の説明)
図8は本発明の一実施例における溶剤容器20の縦断面図を示し、図9の図8におけるA−A断面図を示す。
【0028】
本実施例に係る溶剤容器20は、溶剤53を保持する液蓄積部50と、液蓄積部50の上側に設けた上蓋51とを備えている。ここで、液蓄積部50と上蓋51とは、例えば熱板溶着、またはネジにより固定されている。
【0029】
上蓋51は、溶剤53の液面53aが一定量以下に下がった場合に検知する液面センサ52と、経路111と接続されたパイプ(溶剤供給用)111aと、経路41に接続されたパイプ(排気IN用)41aと、経路46に接続されたパイプ(排気OUT用)45aとを備えている。パイプ(溶剤供給用)111aは、先端が溶剤53内に浸かるように構成されている。パイプ(排気OUT用)45aについては、先端が液面53aの上部にあり、排気81cと接触するように備えられている。
【0030】
パイプ(排気IN用)41aは、先端にガス吐出口60に接続されている。ガス吐出口60は、溶剤53に浸かるように備えられており、溶剤53中へ排気(気泡)81dを排出するようになっている。
【0031】
液蓄積部50には、仕切り壁50aが備えられている。仕切り壁50aを設けることで排気(気泡)81dが、液面センサ52の液面53a検出へ影響を及ぼすことを防止することができる。ここで、図9に示すように仕切り壁50aは、液蓄積部50を構成する壁面のうちの一面との間に隙間50bが形成されており、隙間50bを溶剤53が流れるようになっている。
【0032】
図10は溶剤容器20内の液面53aが下がった状態を示しており、液面センサ52により液面53aが下がったことを検出し、溶剤53補給を指示するために警報を出す。この状態でもガス吐出口60は液面53aの下部にあり、溶剤53に浸かった状態となる。上蓋51は、溶剤53を補充するための注ぎ口56と、ごみが溶剤容器20内に混入することを防止するために注ぎ口56に配置されたフィルタ55と、溶剤53を補充する際に開閉可能なキャップ54とを備えている。
【0033】
(ガス吐出口60の説明)
ガス吐出口60の構成について図11を用いて説明する。ガス吐出口60においては、パイプ(排気IN用)41aと接続されたボディ62と、ボディ62の下部に設けられたベース61と、ボディ62の上部に備え付けられた多孔質部品63と、多孔質部品63を固定するために設けられたリング64及びナット65と、を備えて構成されている。
【0034】
図11中の矢印は、排気81aの流れを示している。排気81aは、インクミスト82aと共に流れており、多孔質部品63を通過する時に、少なくともインクミスト82aの一部が溶剤53中に溶け込むようになっている。また、排気81aについては、多孔質部品63を通過する時に、排気(気泡)81dとなる。排気(気泡)81dは、溶剤53内を上昇し、排気(溶剤容器上部)81cと合流する。
(溶剤のインク濃度)
溶剤容器20の溶剤53は、インクミスト82aが溶け込むことによりインク濃度が上昇する。図12は本発明の一実施例を示す溶剤容器内の溶剤量、および、インク濃度変化を示す図である。
【0035】
図に示す記号はそれぞれ、「T0=運転0時間」、「T1〜T3=溶剤補充時間」、「C0=インク濃度0%」、「C1=補充直前の溶剤53のインク濃度」、「C2=補充直後の溶剤53のインク濃度」、「V0=溶剤53の量0ml」、「V1=補充直前の溶剤53の量」、「C2=補充直後の溶剤53の量」となっている。ここで、溶剤53のインク濃度は一定以上濃くならないことが確認できる。例えば、インク噴出時での溶剤53の減少量(揮散量)が5ml、V1=1000mlだとすると、最大のインク濃度C1=0.01%程度となる。この溶剤53のインク濃度は、装置に影響しないレベルである。
(排気経路でのインクミスト、及び発明の効果)
図5はインク回収経路の断面図を示している。経路108〜110では、インク7dとエア80bが共に流れることでインクミスト82aが発生している。次に、図6は経路(排気用)41の断面図を示している。経路41では、排気81と共にインクミスト82aが流れている。最後に、図7は経路(排気用)45の断面図を示している。経路45は、経路41と比べてインクミスト81c量が減少している。
【0036】
本発明によれば、装置外にインクミスト81cを排出することを低減できるため、装置周辺を清潔に保つことが可能となる、インクジェット記録装置を使用することが出来る。
【符号の説明】
【0037】
1…本体、2…印字ヘッド部、3…操作表示部、4…導管、7A…インク(主インク容器18内)、7B…インク柱、7C…インク粒子、7D…インク(回収経路108〜110内)、8…ノズル、9…電歪素子、11…帯電電極、12…偏向電極、13…印字対象物、14…ガター、15…ベルトコンベア、16…エンコーダ、17…印字センサ、18…主インク容器、19…補助インク容器、20…溶剤容器、21…粘度測定器、22…電磁弁、23…電磁弁、24…電磁弁、25…ポンプ(インク供給用)、26…ポンプ(インク回収用)、27…ポンプ(溶剤補充用)、28…フィルタ(供給用)、29…フィルタ(回収用)、30…減圧弁、31…圧力計、32…排気口、40〜45…経路(排気用)、41a…パイプ(排気IN用)、45a…パイプ(排気OUT用)、50…液蓄積部、50a…仕切り壁、50b…隙間、51…上蓋、52…液面センサ、53…溶剤、54…キャップ、55…フィルタ、56…注ぎ口、60…ガス吐出口、61…ベース、62…ボディ、63…多孔質部品、64…リング、65…ナット、80a…エア(ガターから吸引)、80b…エア(回収経路内)、80c…気体部(メイン容器内上部)、81a…排気(経路41内)、81b…排気(経路45内)、81c…排気(溶剤容器内上部)、81d…排気(気泡)、82a…インクミスト、82b…インクミスト(溶剤中)、100…インクジェット記録装置、101〜107…経路(インク供給用)、108〜110…経路(インク回収用)、111〜113…経路(溶剤補給用)、111a…パイプ(溶剤供給用)、120、121…経路(インク補給用)、
130…経路(排気用)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルよりインクを噴出することで印字を行うインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるコンティニュアス方式のインクジェット記録装置においては、ノズルよりインクを噴出させ、印字に用いるインク粒子にのみ帯電電極で帯電させ、帯電されたインク粒子を偏向電極で飛翔方向を偏向させて印字を行い、印字に用いないインク粒子はガターに吸引されて回収され、再度印字に用いるものである。ガターにおいては、インク粒子を吸引して回収する際に周囲の空気も同時に吸引する。吸引された空気は、インク容器内に送られ続けるため、インク容器内から機外へ排出する構成をとっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−172932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、ガターからインクと空気を吸引してインク容器内に回収するための回収経路内で、インクミストが発生し、インクミストは回収経路からインク容器内の空気中に漂うこととなる。インク容器内の空気はインクジェット記録装置本体に備えられた排気口からインクジェット記録装置本体外へ排出される構成をとっており、インク容器内のインクミストがインクジェット記録装置外へ排気される経路内で集結してインク液となり、排気口からインクがこぼれ出て、周囲を汚す可能性があった。
【0005】
また、ガターにおいては、回収経路に設置されたポンプを用いて、インクと共に空気が吸引されインク容器内部へ圧送されている。その後、インクはインク容器下部へ貯留されて、空気はインク容器上部へ漂うことになる。しかし、インク容器上部の空気は、継続的に新たな空気がガターからインク容器に送られ続けるために、インク容器に設置された排気経路を通り機外へ排気される構成をとっている。
【0006】
ここで、前記空気の流量は80〜200[ml/min]程度が必要である。ガターから吸い込む空気の流量が少なくなると、ガター内のインク流れが悪くなり、ガター先端からインクがあふれ出す可能性がある。(逆に、ガターから吸い込む空気の流量が多くなると、回収経路内でインク中の溶剤成分がより多く揮発してしまい、揮発した分の溶剤が排気されるためにランニングコストを悪化させる要因となっている。)
つまり、特許文献1の排気経路中にインクミストが昼決してインクとなって堆積して排気経路を狭くすることで、排気経路から排出できる空気の流量を低下させることに繋がり、そのことが原因で、ガターから新たなインクおよび空気を吸い込み難くなるために(ガターから吸い込む空気の流量が低下するために)、ガターからインクが溢れ出し周囲を汚す恐れがあった。
【0007】
本発明の目的は、回収経路内で発生したインクミストの機外排出、および、経路内に堆積することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、例えば、本体に収納されているインクを貯留するためのインク容器と、前記インク容器内のインクの濃度を調整する為に前記インク容器に溶剤を供給するための溶剤を収容する溶剤容器と、インク供給流路を介して前記インク容器から供給されるインクをインク粒子として吐出して被印字物に印字を行うノズルと、前記ノズルより吐出したインク粒子のうち、印字に使用しないインク粒子を回収するためのガターと、前記ガターで回収したインク粒子を前記インク容器に回収するためのインク回収流路と、前記インク回収流路を介して前記インク粒子とともに回収された気体を前記溶剤容器より前記本体外へ排出する第二排気流路と、を備えるインクジェット記録装置において、前記インク容器と前記インク容器は第一排気流路で連結されており、前記インク容器の排気及びインクミストは第一排気流路を通じて前記溶剤容器に供給されるようになっており、前記溶剤容器には前記第一排気流路により供給されたインクミストを除去するインクミスト除去手段が備えるという構成をとる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、排気経路を気体と共に流れるインクミストが、排気経路内に堆積することを低減できる。
【0010】
また、本発明によれば、インクミストが機外へ排出することによるインクジェット記録装置周辺のインクによる汚染を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】インクジェット記録装置の本体および印字ヘッドの斜視図である。
【図2】インクジェット記録装置の基本動作を示す斜視図である。
【図3】インクジェット記録装置の使用状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例1のインクジェット記録装置の経路構成図である。
【図5】インク回収経路の拡大図である。
【図6】排気経路(ミスト除去前)の拡大図である。
【図7】排気経路(ミスト除去後)の拡大図である。
【図8】本発明の一実施例を示すミスト除去機能を有する溶剤容器の縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例を示すミスト除去機能を有する溶剤容器の横断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示すミスト除去機能を有する溶剤容器の液面が下がった状態を示す縦断面図である。
【図11】本発明の一実施例を示すインクジェット記録装置における溶剤容器内の排気ガス吐き出し口の断面図である。
【図12】本発明の一実施例を示す溶剤容器内の溶剤量、および、インク濃度変変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本実施例につき図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0013】
(装置外観の構成)
図1はインクジェット記録装置100を示す斜視図である。インクジェット記録装置100には、外部には操作表示部3が備えられた本体1と印字ヘッド2が備えられており、本体1と印字ヘッド2は導管4で接続されている。
(装置の動作原理)
ここでインクジェット記録装置100の動作原理について説明する。図2に示すように、インク容器18内のインク7Aはポンプ25に吸引、加圧されてインク柱7Bとなってノズル8から吐出される。ノズル8には、電歪素子9が備えられており、インクに所定の周波数で振動を加えてノズル8から吐出されるインク柱7Bを粒子化するようになっている。これにより生成されるインク粒子7Cの数は,電歪素子9に印加する励振電圧の周波数により決定され、その周波数と同数となる。インク粒子7Cは、印字情報に対応した大きさの電圧を帯電電極11にて印加することで電荷を与えられるようになっている。帯電電極11で帯電させられたインク粒子7Cは、偏向電極12間の電界中を飛翔している間、帯電量に比例した力を受けて偏向し、印字対象物13へ向かって飛翔して着弾する。その際、インク粒子7Cは帯電量に応じて偏向方向の着弾位置は変化し、さらに偏向方向と直行する方向に生産ラインが印字対象物13を移動させることで、偏向方向と直行した方向にも粒子を着弾させることが可能となり、複数の着弾粒子によって文字を構成し印字を行う。
【0014】
印字に使用されなかったインク粒子7Cは偏向電極12間を直線的に飛翔して、ガター14により捕捉された後に経路を経由して、主インク容器18に回収される。
【0015】
(装置の使用形態)
次に、インクジェット記録装置100の実際の使用状態の一例を図3に示す。インクジェット記録装置100は、例えば、食品や飲料などが生産される工場内の生産ラインに据え付けられ、本体1は使用者が操作できる位置に設置され、印字ヘッド2はベルトコンベア15などの生産ライン上を給送される印字対象物13に近接できる位置に設置される。
【0016】
ベルトコンベア15などの生産ライン上には給送速度に係わらず同じ幅で印字するために、給送速度に応じた信号をインクジェット記録装置100に出力するエンコーダ16や、印字対象物13を検出してインクジェット記録装置100に印字を指示する信号を出力する印字センサ17が設置されていて、それぞれは本体1内の図示しない制御部に接続されている。エンコーダ16や印字センサ17からの信号に応じて制御部がノズル8から吐出されるインク粒子7Cへの帯電量や帯電タイミングを制御し、印字対象物13が印字ヘッド2近傍を通過する間に帯電、偏向されたインク粒子7Cを印字対象物13へ付着させて印字を行うようになっている。
【0017】
(実施例の経路構成)
図4は、インクジェット記録装置100の全体的な経路構成を示す説明図である。本体1には、循環するインクを保持する主インク容器18が備えられており、主インク容器18には、主インク容器18内の液体が内部に保持されるのに適正な量である基準液面レベルに達しているか否かを検知する後述する液面センサ52が備えられている(不図示)。主インク容器18には、インクを循環させるための経路101を介してインクの粘度を計測するための落下式粘度計である粘度計測器21に接続されている。
【0018】
粘度計測器21は経路102を介して経路の開閉を行う電磁弁22に接続されており、電磁弁22は経路103を介してインクや溶剤の吸引、圧送に供されるポンプ25に接続されている。そして、ポンプ25は経路104を介してインク中に混入している異物を除去するフィルタ28に接続されている。
【0019】
フィルタ28は、経路105を介してポンプ25から圧送されたインクを印字するために適正な圧力に調整する減圧弁30に接続されており、減圧弁30は、経路106を介してインクの圧力を検出するための圧力センサ31に接続されている。
【0020】
圧力センサ31は、導管4内をとおる経路107を介して印字ヘッド2内に備えられたインクを吐出する吐出口を供えたノズル8に接続されている。
【0021】
ノズル8のインク吐出方向には、ノズル8から吐出されたインク粒子10に印字する文字情報に応じた電荷量を粒子に帯電させる帯電電極11が配置されている。帯電電極11により帯電させられたインク粒子7Cの飛翔方向には、帯電されたインク粒子10を偏向させる電界を発生させる偏向電極12が配置されている。
【0022】
偏向電極12のインク飛翔方向側には、印字に使用されないために帯電、偏向されずに直線的に飛翔するインク粒子7Cを捕捉するガター14が配置されている。ガター14は、導管4内をとおる経路108を介して本体1内に配置されているインク中に混入している異物を除去するフィルタ29と接続されており、フィルタ29は、経路109を介してガター14により補足されたインク粒子7Cを吸引するポンプ26と接続されている。そして、ポンプ26は、経路110を介して吸引したインク粒子7Cを主インク容器18に回収する。
【0023】
また、本体1には、ノズル8で生じるインクによる汚染の解消及びインクの濃度を調整するための溶剤53を収容する溶剤容器20が備えられており、溶剤容器20は、経路111を介して溶剤の吸引、圧送を行うポンプ27に接続されている。また、ポンプ27は、経路112を介して経路の開閉を行う電磁弁24に接続されており、電磁弁24は、経路113を介して主インク容器18に接続されている。
【0024】
さらに、本体1には、補充用のインクを保持する補助インク容器19が備えられており、補助インク容器19は、経路120を介して経路の開閉を行う電磁弁23に接続されている。そして、電磁弁23は経路121を介して経路103に接続されている。
【0025】
(排気経路)
図4に示すように、ガター14は、インク粒子7Cを吸引して回収する際に周囲の空気も同時に吸引しており、吸引された空気は、主インク容器18内に送られ、主インク容器18内から経路40を介して本体1外へ排出される。
【0026】
本体1には、排気口32が設けられており、排気口32は経路45を介して溶剤容器20の気体部44と接続されており、インク中の揮発した溶剤成分が経路45を介して、本体1の外部に排気される。主インク容器18の気体部80cは、経路41を介して溶剤容器20のガス吐出口60と接続されており、ガス吐出口60は溶剤53液中に配置されている。
【0027】
(本発明の溶剤容器の説明)
図8は本発明の一実施例における溶剤容器20の縦断面図を示し、図9の図8におけるA−A断面図を示す。
【0028】
本実施例に係る溶剤容器20は、溶剤53を保持する液蓄積部50と、液蓄積部50の上側に設けた上蓋51とを備えている。ここで、液蓄積部50と上蓋51とは、例えば熱板溶着、またはネジにより固定されている。
【0029】
上蓋51は、溶剤53の液面53aが一定量以下に下がった場合に検知する液面センサ52と、経路111と接続されたパイプ(溶剤供給用)111aと、経路41に接続されたパイプ(排気IN用)41aと、経路46に接続されたパイプ(排気OUT用)45aとを備えている。パイプ(溶剤供給用)111aは、先端が溶剤53内に浸かるように構成されている。パイプ(排気OUT用)45aについては、先端が液面53aの上部にあり、排気81cと接触するように備えられている。
【0030】
パイプ(排気IN用)41aは、先端にガス吐出口60に接続されている。ガス吐出口60は、溶剤53に浸かるように備えられており、溶剤53中へ排気(気泡)81dを排出するようになっている。
【0031】
液蓄積部50には、仕切り壁50aが備えられている。仕切り壁50aを設けることで排気(気泡)81dが、液面センサ52の液面53a検出へ影響を及ぼすことを防止することができる。ここで、図9に示すように仕切り壁50aは、液蓄積部50を構成する壁面のうちの一面との間に隙間50bが形成されており、隙間50bを溶剤53が流れるようになっている。
【0032】
図10は溶剤容器20内の液面53aが下がった状態を示しており、液面センサ52により液面53aが下がったことを検出し、溶剤53補給を指示するために警報を出す。この状態でもガス吐出口60は液面53aの下部にあり、溶剤53に浸かった状態となる。上蓋51は、溶剤53を補充するための注ぎ口56と、ごみが溶剤容器20内に混入することを防止するために注ぎ口56に配置されたフィルタ55と、溶剤53を補充する際に開閉可能なキャップ54とを備えている。
【0033】
(ガス吐出口60の説明)
ガス吐出口60の構成について図11を用いて説明する。ガス吐出口60においては、パイプ(排気IN用)41aと接続されたボディ62と、ボディ62の下部に設けられたベース61と、ボディ62の上部に備え付けられた多孔質部品63と、多孔質部品63を固定するために設けられたリング64及びナット65と、を備えて構成されている。
【0034】
図11中の矢印は、排気81aの流れを示している。排気81aは、インクミスト82aと共に流れており、多孔質部品63を通過する時に、少なくともインクミスト82aの一部が溶剤53中に溶け込むようになっている。また、排気81aについては、多孔質部品63を通過する時に、排気(気泡)81dとなる。排気(気泡)81dは、溶剤53内を上昇し、排気(溶剤容器上部)81cと合流する。
(溶剤のインク濃度)
溶剤容器20の溶剤53は、インクミスト82aが溶け込むことによりインク濃度が上昇する。図12は本発明の一実施例を示す溶剤容器内の溶剤量、および、インク濃度変化を示す図である。
【0035】
図に示す記号はそれぞれ、「T0=運転0時間」、「T1〜T3=溶剤補充時間」、「C0=インク濃度0%」、「C1=補充直前の溶剤53のインク濃度」、「C2=補充直後の溶剤53のインク濃度」、「V0=溶剤53の量0ml」、「V1=補充直前の溶剤53の量」、「C2=補充直後の溶剤53の量」となっている。ここで、溶剤53のインク濃度は一定以上濃くならないことが確認できる。例えば、インク噴出時での溶剤53の減少量(揮散量)が5ml、V1=1000mlだとすると、最大のインク濃度C1=0.01%程度となる。この溶剤53のインク濃度は、装置に影響しないレベルである。
(排気経路でのインクミスト、及び発明の効果)
図5はインク回収経路の断面図を示している。経路108〜110では、インク7dとエア80bが共に流れることでインクミスト82aが発生している。次に、図6は経路(排気用)41の断面図を示している。経路41では、排気81と共にインクミスト82aが流れている。最後に、図7は経路(排気用)45の断面図を示している。経路45は、経路41と比べてインクミスト81c量が減少している。
【0036】
本発明によれば、装置外にインクミスト81cを排出することを低減できるため、装置周辺を清潔に保つことが可能となる、インクジェット記録装置を使用することが出来る。
【符号の説明】
【0037】
1…本体、2…印字ヘッド部、3…操作表示部、4…導管、7A…インク(主インク容器18内)、7B…インク柱、7C…インク粒子、7D…インク(回収経路108〜110内)、8…ノズル、9…電歪素子、11…帯電電極、12…偏向電極、13…印字対象物、14…ガター、15…ベルトコンベア、16…エンコーダ、17…印字センサ、18…主インク容器、19…補助インク容器、20…溶剤容器、21…粘度測定器、22…電磁弁、23…電磁弁、24…電磁弁、25…ポンプ(インク供給用)、26…ポンプ(インク回収用)、27…ポンプ(溶剤補充用)、28…フィルタ(供給用)、29…フィルタ(回収用)、30…減圧弁、31…圧力計、32…排気口、40〜45…経路(排気用)、41a…パイプ(排気IN用)、45a…パイプ(排気OUT用)、50…液蓄積部、50a…仕切り壁、50b…隙間、51…上蓋、52…液面センサ、53…溶剤、54…キャップ、55…フィルタ、56…注ぎ口、60…ガス吐出口、61…ベース、62…ボディ、63…多孔質部品、64…リング、65…ナット、80a…エア(ガターから吸引)、80b…エア(回収経路内)、80c…気体部(メイン容器内上部)、81a…排気(経路41内)、81b…排気(経路45内)、81c…排気(溶剤容器内上部)、81d…排気(気泡)、82a…インクミスト、82b…インクミスト(溶剤中)、100…インクジェット記録装置、101〜107…経路(インク供給用)、108〜110…経路(インク回収用)、111〜113…経路(溶剤補給用)、111a…パイプ(溶剤供給用)、120、121…経路(インク補給用)、
130…経路(排気用)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に収納されているインクを貯留するためのインク容器と、
前記インク容器内のインクの濃度を調整する為に前記インク容器に溶剤を供給するための溶剤を収容する溶剤容器と、
インク供給流路を介して前記インク容器から供給されるインクをインク粒子として吐出して被印字物に印字を行うノズルと、
前記ノズルより吐出したインク粒子のうち、印字に使用しないインク粒子を回収するためのガターと、
前記ガターで回収したインク粒子を前記インク容器に回収するためのインク回収流路と、
前記インク回収流路を介して前記インク粒子とともに回収された気体を前記溶剤容器より前記本体外へ排出する第二排気流路と、を備えるインクジェット記録装置において、
前記インク容器と前記溶剤容器は第一排気流路で連結されており、前記インク容器の排気及びインクミストは第一排気流路を通じて前記溶剤容器に供給されるようになっており、前記溶剤容器には前記第一排気流路により供給されたインクミストを除去するインクミスト除去手段が備えられていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記インクミスト除去手段は前記第一排気流路の一端に備えられており、溶剤中を通過させることによりインクミストを除去することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記第一排気流路の一端は前記溶剤容器に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記インクミスト除去手段に用いる前記液は、メチルエチルケトン系の溶剤であることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項1】
本体に収納されているインクを貯留するためのインク容器と、
前記インク容器内のインクの濃度を調整する為に前記インク容器に溶剤を供給するための溶剤を収容する溶剤容器と、
インク供給流路を介して前記インク容器から供給されるインクをインク粒子として吐出して被印字物に印字を行うノズルと、
前記ノズルより吐出したインク粒子のうち、印字に使用しないインク粒子を回収するためのガターと、
前記ガターで回収したインク粒子を前記インク容器に回収するためのインク回収流路と、
前記インク回収流路を介して前記インク粒子とともに回収された気体を前記溶剤容器より前記本体外へ排出する第二排気流路と、を備えるインクジェット記録装置において、
前記インク容器と前記溶剤容器は第一排気流路で連結されており、前記インク容器の排気及びインクミストは第一排気流路を通じて前記溶剤容器に供給されるようになっており、前記溶剤容器には前記第一排気流路により供給されたインクミストを除去するインクミスト除去手段が備えられていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記インクミスト除去手段は前記第一排気流路の一端に備えられており、溶剤中を通過させることによりインクミストを除去することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記第一排気流路の一端は前記溶剤容器に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記インクミスト除去手段に用いる前記液は、メチルエチルケトン系の溶剤であることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−75399(P2013−75399A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216007(P2011−216007)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】
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