説明

インシュリンを含有する液体エアロゾル配合物及びエアロゾル生成装置及びエアロゾル化インシュリンを生成するための方法

エアロゾル化されたインシュリンを生成するための液体エアロゾル配合物はインシュリン、及びキャリアの気化時に熱劣化からインシュリンを保護する少なくとも一つの高揮発性キャリアを含む。キャリアはエタノールと水の混合物であることができ、液体エアロゾル配合物は噴射薬を含まない。エアロゾル生成装置は加熱された流路に液体エアロゾル配合物を通過して液体をインシュリンを連行する蒸気に変換し、それを空気と混合してエアロゾルを形成することによってエアロゾル化されたインシュリンを生成する。インシュリン粒子はハンドヘルドの吸入器によって生成される乾燥したインシュリン粒子であることができる。配合物におけるインシュリンの濃度、流路のサイズ及び/又は流路を加熱する熱量を制御することによって、エアロゾルは吸入器を使用して肺の目標部分に送出されるように1〜3μm又は1μm未満の選択された質量メジアン空気力学的粒径を与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
糖尿病は世界の人口のかなりの部分を冒す。糖尿病の徴候は高血糖及びインシュリンの低減した生成又は放出を伴う。I型糖尿病は膵臓がインシュリンの生成を停止した状態であり、その状態は幼少時代に始まることが多い。II型糖尿病は糖尿病性組織によるインシュリンに対する遅い応答及び減少したインシュリン分泌を特徴とする最も一般的な型の糖尿病である。I型糖尿病は幼少発生糖尿病として知られ、II型糖尿病は成人発生糖尿病として知られている。
【背景技術】
【0002】
インシュリンに対する低下した応答又は低レベルのインシュリンの結果として、血中グルコースレベルは慢性的に高くなり、正常な身体の化学が変わり、それは多くの器官において微小血管系の破壊に導きうる。糖尿病は失明、切断及び腎臓破壊を起こしうる。さらに、糖尿病の副作用の医療的治療は職場における生産性を低下することに導く。
【0003】
エアロゾルは微細な固体又は液体粒子のガス状懸濁物である。薬物を添加したエアロゾルは呼吸器又は全身性の病気の治療に有用であり、そこではエアロゾルはエアロゾル生成器によって生成され、局所性又は全身性の吸収のために患者の肺中に吸入される。
【発明の開示】
【0004】
所望の粒径を有するエアロゾル化されたインシュリンを製造するためのインシュリンを含む液体エアロゾル配合物が提供される。さらに、エアロゾル生成装置及びエアロゾル化されたインシュリンを生成するための方法が提供される。
【0005】
気化によってエアロゾルを生成するための液体エアロゾル配合物の一実施態様は噴射薬を含まない熱保護剤液体キャリア及びインシュリンを含む。好ましい実施態様では、熱保護剤液体キャリアは少なくとも一つの高揮発性液体であり、それは加熱すると蒸気を形成することができ、それは蒸気がより冷たい空気と混合されるときに認識しうる凝縮エアロゾルを形成しない。即ち、蒸気は冷たい空気と混合されるとき実質的に蒸気の形態のままである。
【0006】
エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置の一実施態様は液体源、及び液体源と流体連通する流路を含む。液体源は熱保護剤キャリア及びインシュリンを含む、噴射薬を含まない液体エアロゾル配合物を含む。好ましい実施態様では、キャリアはキャリアの気化中にインシュリンを熱劣化から保護する少なくとも一つの高揮発性液体を含む。流路中の液体を加熱して蒸気を生成するために加熱器が配置される。蒸気は流路の出口端を出て、空気と混合されてエアロゾルを生成する。好ましい実施態様では、エアロゾルはエアロゾル化されたインシュリン粒子を含む。
【0007】
エアロゾルを生成する方法の一実施態様は、熱保護剤キャリア及びインシュリンを含む液体を流路に供給し、流路中の液体を加熱して蒸気を生成し、それを流路から出すことを含む。蒸気は空気と混合され、所望の粒径を有するエアロゾル化されたインシュリンを生成する。
【0008】
図面の簡単な記述
図1は加熱された毛管路を有するエアロゾル生成器を示す。
【0009】
図2はキャップを除去したエアロゾル生成装置の一実施態様の透視図である。
【0010】
図3はキャップを装着した図2のエアロゾル生成装置を示す。
【0011】
図4はエアロゾル生成装置の一実施態様を示す。
【0012】
図5はエアロゾル生成装置の流体送出集成体の一実施態様を示す。
【0013】
図6は二つの電極を含む毛管路の一実施態様を示す。
【0014】
図7は毛管を加熱するために使用された様々なエネルギーレベルでプロットされた、スロート及びフィルターを有する単一工程エアロゾル捕獲装置における全インシュリン回収率のグラフである。
【0015】
図8は加熱器の様々な目標抵抗でプロットされた、スロート及びフィルターを有する単一工程エアロゾル捕獲装置における全インシュリン回収率のグラフである。
【0016】
図9は毛管を加熱するために使用される様々なエネルギーレベルでプロットされた単一工程エアロゾル捕獲装置のフィルターでのインシュリン回収率のグラフである。
【0017】
図10は加熱器の様々なターゲット抵抗でプロットされた単一工程エアロゾル捕獲装置のスロートでのインシュリン回収率のグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
噴射薬を含まない液体エアロゾル配合物、エアロゾル生成装置及びエアロゾル化されたインシュリンを生成するための方法が提供される。
【0019】
液体エアロゾル配合物は制御された粒径を有するエアロゾル化されたインシュリン粒子を生成することができる。例えば、液体エアロゾルインシュリン含有配合物は目標とした送出のために望ましい質量メジアン空気力学的粒径(MMAD)を有するエアロゾルを製造するために使用されることができる。肺送出のためには、より小さい粒径の粒子が気管支送出または口腔咽頭部もしくは口への送出のためより望ましい。好ましい実施態様では、液体エアロゾル配合物はインシュリンの肺送出を達成するために効果的である制御された粒径を有するエアロゾル化されたインシュリンを製造するために使用されることができる。
【0020】
液体エアロゾル配合物は少なくとも一つの熱保護剤高揮発性キャリア及びインシュリンを含む。好ましい実施態様では、キャリアは少なくとも一つの熱保護剤液体であり、インシュリンはキャリア中に溶解される。しかしながら、液体エアロゾル配合物は代替的に、熱保護剤高揮発性キャリアにおけるインシュリンの懸濁物であることができる。他の実施態様では、液体エアロゾル配合物は乳剤であることができる。インシュリンの如き蛋白質は熱に敏感であることが十分に理解されているが、インシュリン及び少なくとも一つの熱保護剤キャリアを含有する液体配合物はインシュリンの熱劣化なしで気化によってエアロゾル化されることができる。
【0021】
好ましい実施態様では、液体エアロゾル配合物は噴射薬を含有せず、液体エアロゾル配合物は加熱することによって気化され、生じた蒸気を空気と接触することによってエアロゾル化される。好ましい実施態様では、空気は周囲空気である。
【0022】
ここで使用される用語「高揮発性キャリア」は、加熱することによって気化され、生じた蒸気が周囲空気と混合されるとき、実質的に蒸気状態のままであり、かつ25℃より高い沸点を有する液体を意味する。液体エアロゾル配合物中のインシュリンは、液体エアロゾル配合物が気化されかつ周囲空気と混合されるとき、エアロゾルを形成する。少なくとも一つの高揮発性キャリア及びインシュリンを組み合わせることによって、好ましい実施態様では、エアロゾル配合物は実質的にインシュリンだけからなる液体及び/又は固体エアロゾル粒子、即ち高揮発性キャリアを実質的に含有しないエアロゾル粒子、を含有するエアロゾルを製造するために使用されることができる。
【0023】
高揮発性キャリアは低い沸点を有する。好ましい実施態様では、高揮発性キャリアは100℃以下の沸点を有し、100℃は雰囲気圧での水の沸点である。好ましい高揮発性キャリアはエチルアルコール(エタノール)であり、それは1雰囲気圧で約78℃の沸点を有する。エタノールは他の液体と組み合わせて使用されることができる。例えば90容量%までの水を含有するエタノール/水溶液を使用できる。他の好ましい実施態様では、液体エアロゾル配合物はキャリアとして約10〜90容量%の水及び90〜10容量%のエタノールを含有することができる。エタノールは吸入によって投与される薬品においてFederal Drug Administration(FDA)が認めた賦形剤である。
【0024】
エタノール及び他の好適な高揮発性キャリアは、加熱されて蒸気状態になるとエアロゾルを形成するインシュリンを含有する液体エアロゾル配合物のための溶媒及び熱保護剤として使用されることができ、蒸気は空気と混合され、そこではキャリアは実質的に蒸気状態でのみ存在する。即ち、キャリアのエアロゾルは実質的に形成されない。従って、かかるエアロゾル中のエアロゾル粒子は実質的にインシュリンの粒子のみである。液体エアロゾル配合物が溶液であり、インシュリンがそれに溶解されるとき(例えば、もし望むなら、pH調節剤を添加して溶液中のインシュリンの溶解性を変えることができる)、好ましい実施態様では、エアロゾル粒子は実質的にインシュリンのみである。エタノール及び水は液体エアロゾル配合物を十分に高い温度に加熱することによって液体から蒸気へ変換される。好ましい実施態様では、液体エアロゾル配合物から生成されたエアロゾルにおけるエタノール及び水の濃度は、エタノール蒸気及び水蒸気がエアロゾルに実質的に変換しないようにエタノール及び水が混合される空気におけるエタノール及び水の飽和限界以下である。結果として、エタノールは吸入による送出のためにエアロゾルを形成するために使用されるときに実質的に蒸気相のままである。
【0025】
ここで使用される用語「インシュリン」はウシ、ブタ又はヒトのインシュリンの如き哺乳類のインシュリンに関し、それらの配列及び構造は公知である。ウシ、ブタ又はヒトのインシュリンは好ましい哺乳類のインシュリンであるが、ヒトのインシュリンがより好ましい。用語「インシュリン」はインシュリン類似体、天然に抽出されるヒトのインシュリン、組換え製造されたヒトのインシュリン、ウシ及び/又はブタ起源から抽出されるインシュリン、組換え製造されたウシ及びブタのインシュリン及びこれらのインシュリン製品のいずれかの混合物を包含するように解釈される。用語「インシュリン」は実質的に精製された形で糖尿病の治療に通常使用されるポリペプチドを包含することを意図されるが、追加の賦形剤を含む、その商業的に入手可能な医薬の形の用語の使用を包含する。インシュリンは好ましくは組換え製造され、脱水(完全に乾燥)されるか又は溶液であってもよい。「インシュリン類似体」として知られるインシュリンの形は特に限定されないが、上で規定したように用語「インシュリン」によって包含される「モノマーインシュリン」、「スーパーインシュリン類似体」、「肝選択性インシュリン類似体」などを含み、そこではポリペプチド鎖内の一以上のアミノ酸が代替アミノ酸で置換されるか及び/又は一以上のアミノ酸が欠失されるか又は一以上の追加のアミノ酸がポリペプチド鎖又はアミノ酸配列に付加され、それらは血中グルコースレベルを低下する際にインシュリンとして作用する。
【0026】
好ましい実施態様では、0.1%〜10%、0.1〜5%、0.2〜3%、0.3〜2%又は0.4〜1%のインシュリンをw/v%で含有する液体インシュリン配合物は吸入によるインシュリンの治療的に有効な用量を送出するためのエアロゾルを生成するために使用されることができる。配合物におけるインシュリンの濃度はかかるエアロゾルにおけるインシュリンの量を制御するために変更されることができる。液体配合物は所望により賦形剤、例えば保護剤、可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、懸濁剤、pH調整剤、緊張剤、亜鉛の如き金属イオンなどを含有することができる。
【0027】
好ましい液体インシュリン配合物はインシュリン溶液を含み、そこではインシュリンはエタノール及び水の混合物の如き高揮発性キャリアに溶解される。
【0028】
上述のように、少なくとも一つの高揮発性キャリア及びインシュリンは液体中の固体粒子、即ち高揮発性液体キャリアにおけるインシュリンの固体粒子、を含む懸濁物で代替的に与えられることができる。上記溶液でのように、かかる懸濁物は実質的にインシュリン成分だけからなるインシュリンの液体及び/又は固体エアロゾル粒子を含有するエアロゾルを形成するために加熱されることができる。
【0029】
好ましい実施態様では、液体エアロゾル配合物は毛管サイズの流路を通って流れ、そこで液体は十分に高い温度に加熱されて液体を気化する。蒸気は流路から出て、ガス、典型的には周囲空気と混合し、エアロゾルを生成する。エアロゾルは好ましくは実質的にインシュリン成分のエアロゾル粒子であり、それは使用者によって吸入される。かくして製造されたエアロゾル化インシュリン粒子のサイズは肺への送出のために制御されることができる。
【0030】
高揮発性液体エアロゾル配合物は連続的なエアロゾル又は間欠的なエアロゾルを生成する固定又は携帯のエアロゾル生成装置を使用してエアロゾル化されることができる。図1は固定及びハンドヘルドのエアロゾル生成装置の概略を示し、そこではエアロゾル生成装置21は入口31及び出口25を有する流路23、流路23を加熱する加熱器27、電力を加熱器27に供給する電力源29、インシュリン配合物を含む液体源33、配合物を流路の入口31に供給するための弁又はポンプ35、患者がマウスピースで吸入するときに圧力低下を検出する任意のセンサ37を有する任意のマウスピース39を含む。制御エレクトロニクス(図示せず)は配合物の気化を実施するために加熱器及び弁/ポンプを操作するように使用されることができる。
【0031】
携帯可能なハンドヘルドのエアロゾル生成装置が図2〜4に示され、それらの図は吸入による送出のために液体エアロゾル配合物のエアロゾルを生成するために使用されることができる別のエアロゾル生成装置100の具体的実施態様を示す。エアロゾル生成装置100はハウジング102;マスターオン/オフスイッチ(図示せず)を活性化する除去可能な保護キャップ104;液体源106及び加熱装置130を含む流体送出集成体110;ディスプレイ114;バッテリー装置116;充電ジャック118;制御エレクトロニクス120;圧力センサ122;空気入口124;エアロゾル生成装置100から流体送出集成体110を脱着するためのレリース126;手動作動されるマスター活性化スイッチ128;空気路132及び除去可能なマウスピース134を含む。図2はエアロゾル生成装置100から除去されたキャップ104を示し、図3は装着されたキャップを示す。
【0032】
好ましい実施態様では、流体送出集成体110はいかなる好適な取り付け構造によってもエアロゾル生成装置100の一部に除去可能に取り付けることができる。例えば、流体送出集成体110がエアロゾル生成装置に取り付けられるとき、加熱装置130との電気的接点を作るためにエアロゾル生成装置に導電性接点(図示せず)を設けることができる。かかる実施態様では、エアロゾル生成装置の湿潤成分を含む流体送出集成体110は完全な装置として蒸気生成装置において置換されることができる。以下に記載のように、流体送出集成体110は制御された粒径を有するエアロゾルを与えることができる。様々な組成物及び/又は粒径を有するエアロゾルを与えることができる様々な流体送出集成体110はエアロゾル生成装置において交換されることができる。もし望むなら、エアロゾル生成装置はエアロゾル生成装置から脱着する交換可能な流体源を含むことができる。
【0033】
流体送出集成体110は液体源106に含まれる液体が消費された後に交換されることができる。同じ又は異なる配合物を含有する液体源を含み、かつ同じ又は異なるエアロゾル粒径を生成する流体送出集成体110はそのときエアロゾル生成装置に設置されることができる。
【0034】
図5は液体源106及び加熱装置130を含む流体送出集成体110の一部を示す。液体は流路150を通って液体源106から加熱装置130へ供給される。
【0035】
液体源106はある容量の液体153を含有するための液溜め152を含む。一実施態様では、液体源106は選択された回数の選択された容積の用量を送出するための液体容量を有する。例えば、用量は5μlであることができ、液溜め152は多数回の用量を含むように寸法決めされることができる。好ましくは、液体源は約10用量〜約500用量、例えば50〜250用量を含むことができる。しかしながら、液体源は各用量が別個の液溜めに包装される多数回用量構成要素の如き他の配置構成を含むことができる。液体源に含まれる液体はインシュリンが溶解又は懸濁される液体であることができ、それは上記のように所望のエアロゾルを生成するためにエアロゾル生成装置において気化及びエアロゾル化されることができる。
【0036】
液体源106は上流流路154を含み、それは液溜め152から流路150への流体連通を与える。エアロゾル生成装置100は液体源106から加熱装置130中への液体の流れを制御するように配置された少なくとも一つの弁を含む。例えば、エアロゾル生成装置は流路における液体の流れを制御するための単一の弁(図示せず)、又は複数の弁を含んでもよい。好ましい実施態様では、エアロゾル生成装置は入口弁156及び出口弁158を含む。入口弁156は流路150の入口を開閉するように操作可能であり、それは液体源106から流路150中への液体の供給を制御する。出口弁158は流路150の出口端を開閉するように操作可能であり、それは流路150から加熱された流路160中への液体の供給を制御する。
【0037】
エアロゾル生成装置100は入口弁156と出口弁158の間の流路150に位置される計量チャンバー162を含むことが好ましい。計量チャンバー162はエアロゾル化された薬剤の一回用量に相当する量の液体の如き予め決められた量の液体を含有するように寸法決めされることが好ましい。以下により詳細に記載されるように、液体充填サイクル時に計量チャンバー162を開放し、液体送出サイクル時に計量チャンバーを空にするために放出部材(図示せず)を使用することができる。
【0038】
流体送出集成体110の加熱装置130は加熱された流路160を含む。加熱された流路160は毛管サイズの流路(以下、「毛管路」として言及される)であることが好ましい。毛管路160は開放入口端166、及び反対の開放出口端168を含む。エアロゾル生成装置100の操作中、液体は流路150から入口端166の毛管路160中に供給される。
【0039】
毛管路160は円、楕円、多角形などの均一又は不均一な横断面形状を有することができる。もし望むなら、毛管路の異なる部分は異なる断面形状を有することができる。以下に記載されるように、毛管路160のサイズはその横断面積によって規定されることができる。例えば、毛管路は0.01〜10mm、好ましくは0.05〜1mm、より好ましくは0.1〜0.5mmの最大横方向寸法を有することができる。あるいは、毛管路はその横断面積によって規定されることができ、その横断面積は8×10−5〜80mm、好ましくは2×10−3〜8×10−1mm、より好ましくは8×10−3〜2×10−1mmであることができる。
【0040】
同じ出願人の米国仮特許出願NO.60/408295(2002年9月6日出願、その内容を参照としてここに組み入れる)に記載されるように、毛管路160の実施態様は出口区域を含むことができ、それはエアロゾル生成装置100によって生成されるエアロゾルの粒径を制御するように、毛管路の出口端168を出る蒸気の速度、即ち蒸気の出口速度を制御する。
【0041】
毛管路を形成する材料は金属、プラスチック、ポリマー、セラミックス、ガラス、又はこれらの材料の組み合わせを含むいかなる好適な材料であることもできる。好ましくは、材料は毛管路に生成される温度及び圧力に耐え、またエアロゾルの多数回用量を生成するために利用される繰り返し加熱サイクルに耐えることができる耐熱性材料である。加えて、毛管路を形成する材料はエアロゾル化された液体と反応しないことが好ましい。
【0042】
別の代替実施態様では、毛管路はポリマー、ガラス、金属及び/又はセラミック一体式又は多層(積層)構造(図示せず)で形成されることができる。毛管路を形成するための好適なセラミック材料は特に限定されないが、アルミナ、ジルコニア、シリカ、アルミニウムシリケート、チタニア、イットリア安定化ジルコニア、又はそれらの混合物を含む。毛管路は例えば機械加工、成形、押出などを含む好適な技術によって一体式又は多層体で形成されることができる。
【0043】
一実施態様では、毛管路は0.5〜10cm、好ましくは1〜4cmの長さを有することができる。
【0044】
液体源106から供給された流体は毛管路において加熱されてエアロゾル生成装置100の操作時に蒸気を形成する。図6に示された好ましい実施態様では、毛管路160は第一電極138及び第二電極140を介して毛管の長さに沿って電流を流すことによって加熱された金属管を含む。しかしながら、上記のように、毛管路は一体式又は多層構成の如き他の代替構造を有することができ、それは毛管路における流体を加熱するように位置された耐熱性材料の如き加熱器を含む。例えば、耐熱性材料は毛管路の内側又は外側に配置されることができる。
【0045】
毛管路160は下流電極である電極138及び上流電極である電極140を与えられた電気伝導性管を含んでもよい。電極140は銅又は銅ベースの材料から作られることが好ましく、一方電極138はステンレス鋼の如き高い抵抗材料から作られることが好ましい。この実施態様では、毛管160は係属中の同じ出願人の米国出願シリアルNo.09/957026(2001年9月21日出願、その内容を参照としてここに組み入れる)に開示されるように、制御された温度プロファイル構造である。制御された温度プロファイル毛管では、電極138はエアロゾル生成装置の操作時に加熱させるのに十分な電気抵抗を有し、それによって毛管路の出口端での熱損失を最小にする。
【0046】
毛管路を形成する管はステンレス鋼又は他の好適な電気伝導性材料から全体的に作られることができる。あるいは、管はプラチナの如き電気伝導性材料から作られた加熱器を含む非伝導性又は半伝導性材料から作られることができる。管又は加熱器の長さに沿って離間された位置で接続された電極は電極間の加熱された領域を規定する。二つの電極間に適用された電圧は管又は加熱器を作り上げる材料の抵抗、及び加熱された区域の長さ及び断面積の如き他のパラメータに基づいて毛管路の加熱された区域において熱を発生する。あるいは、加熱、放射加熱などを含む他の加熱配置構成を使用することができる。流体は毛管路を通って第一と第二電極の間の加熱された領域中に流れるので、流体は加熱されて蒸気に変換される。蒸気は毛管路の加熱された領域から移動して出口端から出る。好ましい実施態様では、揮発された流体は揮発された流体が出口から出るとき周囲空気に連行され、揮発された流体に0.1〜10μmのMMADを有するエアロゾル化されたインシュリンを形成させる。例えばインシュリン濃度、液体キャリア、毛管路サイズ、流路における液体配合物の流速及び/又は加熱器に適用されるエネルギーによって、0.1〜1μm、1〜3μm又は他の所望の範囲のMMADを有するインシュリンエアロゾルを生成することができる。
【0047】
毛管路における液体の温度は加熱要素の測定された又は計算された抵抗に基づいて計算されることができる。例えば、加熱要素は金属管の一部であることができ、又は抵抗加熱材料のストリップもしくはコイルであることができる。制御エレクトロニクスを使用して加熱器の抵抗を監視することによって毛管路の温度を調整することができる。
【0048】
抵抗制御は加熱器の抵抗がその温度増加とともに増加するという一般的な原理に基づくことができる。電力が加熱要素に適用されるとき、その温度は抵抗加熱のため増加し、加熱器の実際の抵抗もまた増加する。電力が切られるとき、加熱器の温度は低下し、対応してその抵抗は減少する。従って、加熱器のパラメータ(例えば加熱器を横切る電圧、既知の電流を使用して抵抗を計算する)を監視し、電力の適用を制御することによって、制御エレクトロニクスは特定の抵抗目標に対応する温度で加熱器を維持することができる。一以上の抵抗要素を使用して抵抗加熱器が毛管路における液体を加熱するために使用されない場合に加熱された液体の温度を監視することもできる。
【0049】
抵抗目標は液体が揮発されて毛管路の開放端を出て膨張するように液体への熱移行を生じさせるのに十分な温度に対応するように選択される。制御エレクトロニクスは例えばある時間、パルス化されたエネルギーを加熱器に適用することによって加熱を活性化し、かかる時間後及び/又は中に、測定装置からの入力を使用して加熱器のリアルタイムな抵抗を決定する。加熱器の温度は加熱器の測定された抵抗に対応するように設計されたソフトウェアプログラムを使用して計算されることができる。この実施態様では、加熱器の抵抗は加熱器と直列の分流抵抗(図示せず)を横切る電圧を測定し(それによって加熱器に流れる電流を決定し)、加熱器を横切る電圧低下を測定し(それによって分流抵抗を通って流れる測定された電圧及び電流に基づいて抵抗を決定する)ことによって計算される。連続的な測定値を得るために、抵抗計算をする目的のために分流抵抗及び加熱器に少量の電流を連続的に通過させ、より高い電流のパルスを使用して所望の温度への加熱器の加熱を実施することができる。
【0050】
もし望むなら、加熱器抵抗は加熱器を通過する電流の測定値から、又はその情報を得るために使用される他の技術によって導くことができる。制御エレクトロニクスは加熱器のための所望の抵抗目標と制御エレクトロニクスによって決定される実際の抵抗の間の差に基づいて追加時間のエネルギーを送るかどうかを決定する。
【0051】
開発モデルでは、加熱器に供給された電力の時間は1ミリ秒に設定された。もし加熱器の監視された抵抗マイナス調整値が抵抗目標より小さいなら、別の時間のエネルギーが加熱器に供給される。調整値は例えば活性化されないときの加熱器の熱損失、測定装置のエラー、及び制御装置及び切り替え装置のサイクル期間の如き要因を考慮する。要するに、加熱器の抵抗はその温度の関数として変化するので、抵抗制御を使用して温度制御を達成するために使用されることができる。
【0052】
一実施態様では、毛管路160は32ゲージの304ステンレス鋼管の二つ以上の部品から構成されることができる。この実施態様では、下流電極は3.5mm長さの29ゲージ管であることができ、下流電極は金(Au)めっき銅(Cu)ピンの如き電極の抵抗を最小にするいかなる幾何学的形状を持ってもよい。
【0053】
制御エレクトロニクス120は毛管路160を加熱するために使用される加熱器の抵抗を監視することによって毛管路160の温度を制御することができる。一実施態様では、制御エレクトロニクス120は毛管路160の長さを横切る抵抗を計算するために電圧及び電流を測定する。もし制御エレクトロニクスが生じた抵抗が目標値より低いことを決定するなら、制御エレクトロニクスは選択された時間、電力をオンにする。制御エレクトロニクスは毛管路160のための目標抵抗が達成されるまでこの工程を繰り返し続ける。同様に、もし制御エレクトロニクスが抵抗が毛管路160の温度に対して要求されるより高いことを決定するなら、制御エレクトロニクスは選択された時間、電力をオフにする。
【0054】
この実施態様では、制御エレクトロニクス120はアセンブリ言語でプログラムされているChandlerにあるMicrochip Technology Inc.から入手可能なマイクロチップPIC16F877の如き、電極138及び140を介する毛管路160の抵抗を制御できるいかなるプロセッサを含んでもよい。
【0055】
図4及び5に示されるように、圧力センサ122は空気路132を介してマウスピース134と流体連通している。空気路132は空気入口124を含み、それを通ってハウジング内の周囲空気はマウスピース134で吸引する使用者によって空気路132中に吸引される。好ましい実施態様では、エアロゾル生成装置100はマウスピース134の出口144で吸入する使用者によって活性化される。この吸入は空気路132において差圧を起こし、それは圧力センサ122によって感知される。圧力センサ122は極めて敏感にすることができる。例えば、圧力センサは空気路132を通る空気流の選択されたしきい値、例えば約3リットル/分の低さで反応しうる。この値は典型的な人の吸入流速の約1/10未満に等しい。従って、使用者は認識しうる肺容積をむだにせずに圧力センサを作動させることができる。
【0056】
あるいは、流体送出集成体110は使用者がスイッチ128を手で押し下げることによって活性化されることができる。
【0057】
圧力センサ122又はスイッチ128は流体送出集成体110を活性化して液体153(例えば高揮発性キャリア及びインシュリンを含む液体エアロゾル配合物)を液体源106から加熱装置160の毛管路160へ流れさせる。流体は液体を気化するのに十分に高い温度まで加熱器によって毛管路160において加熱される。周囲空気は空気路132を通って毛管路の出口端の近くの領域146に送出され、そこで蒸気は周囲空気と混合されてエアロゾルを生成する。
【0058】
代替実施態様では、加圧空気源をエアロゾル生成装置とともに使用して希釈空気を与えてエアロゾルと混合することができる。例えば、加圧空気源はエアロゾル生成装置(図示せず)内に位置される圧縮空気源、空気をマウスピース中に流すためのファン/ブロワー、又は他の好適な装置であることができる。もし望むなら、マウスピースに入る全ての空気は空気入口124によって供給されることができる。空気入口124はマウスピースでの初期吸入で弁(図示せず)によって閉じられ、後でセンサ122がエアロゾル送出サイクルに対応する信号を出力した後に開かれることができる。しかしながら、空気入口124は省略されることができ、代わりに空気はマウスピースの内部と流体連通する一つ以上の空気路の如き他の配置構成を通してマウスピースの内部に供給されることができる。
【0059】
制御エレクトロニクス120はエアロゾル生成装置100において様々な選択された機能を実行することができる。例えば、制御エレクトロニクス120はエアロゾル生成装置100のエアロゾル送出サイクル時に毛管路160の温度プロファイルを制御することができる。制御エレクトロニクス120はディスプレイ114の出力を制御することもできる。ディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)であることが好ましい。ディスプレイはエアロゾル生成装置100の状態又は操作に関連する選択された情報を描くことができる。制御エレクトロニクスはまた、エアロゾル生成装置100の操作時に入口弁156、放出部材164及び出口弁158の如き様々な構成要素の操作を制御し、吸入によって起こされかつ圧力センサ122によって感知される初期圧力低下を監視し、エアロゾル生成装置の構成要素に電力を供給する電池装置116の状態を監視することができる。
【0060】
図4に示された実施態様では、電池装置116は例えば充電可能な電池であることができる。電池装置は充電ジャック118を使用して充電可能であることが好ましい。電池装置は電力をエアロゾル生成装置の構成要素(例えば制御エレクトロニクス120、圧力センサ122など)及びマスターオン/オフスイッチに与える。
【0061】
マスターオン/オフスイッチは操作時のエアロゾル生成装置100のパワーアップ及びパワーダウンを制御する。マスターオン/オフスイッチはまた、ディスプレイ114を活性化する。一実施態様では、ディスプレイは例えば液体源106内に残る用量の数、加熱装置130の欠陥、及び電池装置116の検出された低電圧状態を含む情報を与える。制御エレクトロニクス120はまた、残っている用量の数、患者遵守の情報、ロックアウト時間及び/又は子供安全ロックを表示するためにプロセッサによる機能性を含むことができる。
【0062】
エアロゾル生成装置100の操作時に、使用者はキャップ104を除去してエアロゾル生成装置の構成要素を活性化しマウスピース134を露出する。使用者はスイッチ128を活性化するか、又はマウスピースで吸入してマウスピースの内部の圧力低下を作る。この圧力低下は圧力センサ122によって検出され、それは次いで流体送出集成体110を操作する制御エレクトロニクス120に含まれる制御装置に信号を送る。
【0063】
一実施態様では、計量チャンバー162は充填され、計量チャンバー162の弾性壁に対して作用するピストン(図示せず)の如き放出部材の作動によって空にされる。入口弁156を閉じ出口弁158を開く放出部材の操作は計量チャンバー162における液体を除去し、それは液体を毛管路160に押しやる。計量チャンバー162はエアロゾルの形の所望の量の液体がエアロゾル生成装置100によって使用者へ送出されることを確実にする。計量チャンバーは例えば5μlの選択された用量を有することができる。しかしながら、計量チャンバーはエアロゾル生成装置100の適用によっていかなる所望の容積を持つこともできる。所望の容積の液体の毛管路160への送出後、出口弁158が閉じられ、計量チャンバー162は液体源106から液体を再充填される。
【0064】
エアロゾル生成装置100の充填サイクル中、計量チャンバー162は液体源106から液体を充填される。充填サイクル中、入口弁156は開放され、出口弁158は閉鎖されるが、放出部材は液体を計量チャンバー162に充填させるために引っ込められる。
【0065】
毛管路160への液体の送出中、入口弁156は閉じられる。入口弁156が閉じると出口弁158が開放され、一方放出部材は計量チャンバー162を空にし、液体を流路150から加熱された毛管路160中へ押しやるように進められる。
【0066】
液体は加熱された毛管路160を通って流れ、蒸気として出る。毛管路160の出口では、空気路132又は他の空気供給配置構成を介して与えられた周囲空気は領域146において蒸気と混合し、エアロゾル化されたインシュリンを形成する。
【0067】
エアロゾル化されたインシュリン粒子は0.1〜10μmのMMADで生成されることができる。例えば約0.1〜1μm又は約1〜3μmのMMADを有するインシュリン粒子を製造することができる。上記のように、エアロゾル生成装置は肺へのインシュリンの目標送出のために寸法決めされたエアロゾルを含む、制御された粒径を有するエアロゾルを与えることができる。これらのエアロゾルは深い肺への薬剤の送出のために多数の利点を提供する。例えば、特に臭止めと組み合わせるとき、口及びのどの付着を最小にし、一方深い肺における付着を最大にする。
【0068】
エアロゾル化された薬剤を送出するための好ましいエアロゾル生成装置の操作は次の通りである。まず、少なくとも一つの高揮発性液体キャリア及びインシュリンを含有する液体エアロゾル配合物は加熱された毛管路に送出される。液体は毛管路で蒸発し、毛管路の開放端から蒸気噴射として出る。蒸気噴射は周囲空気を伴ってそれと混合し、高度に濃縮された微細にエアロゾル化されたインシュリン粒子を形成する。上記のように、液体を蒸発するための熱の適用は電流を加熱器に通すことから抵抗加熱によって達成されることが好ましい。適用された電力は蒸気への流体の変換を最大にするように調整される。
【0069】
エアロゾル生成装置は毛管路のサイズ、インシュリン配合物の流速、キャリアの選択、インシュリン配合物を気化するために加熱された毛管に適用される電力及び/又はインシュリン配合物におけるインシュリンの濃度によって、制御されたMMADを有するエアロゾルを生成することができる。
【0070】
認識されるように、エアロゾル生成装置はインシュリン配合物の気化及びエアロゾル形成を制御することができる。エアロゾル生成装置は患者へのエアロゾル化されたインシュリンのすぐの送出を与えることができ、それによって肺容量(それは患者の健康によって制限されうる)を浪費しない。また、エアロゾル生成装置は患者への制御された量の薬剤配合物の絶えまない送出を与えることができる。加えて、好ましい実施態様では、毛管路を含むエアロゾル生成装置によって生成されるエアロゾルは相対湿度及び温度によってわずかに影響されるにすぎない。
【0071】
好ましい実施態様では、放出される用量(即ち、エアロゾル化された用量)はエアロゾルを生成するために使用される液体の計量された用量の少なくとも約70%、好ましくは約75%〜95%であることができる。放出される用量の呼吸できる部分は放出される用量の少なくとも70%、好ましくは約75%〜95%であることができ、放出される用量における好ましい変動は約5%未満であることができる。インシュリン粒径は0.1〜10μm、例えば好ましくは3μm以下のMMADを有することができる。好ましい実施態様では、インシュリン回収率は75%より多く、インシュリン粒子のMMADは0.1〜1μm、より好ましくは0.3〜0.9μmであり、そこでは25%以上のインシュリン粒子が0.172μmより小さい。
【0072】
配合物3(「溶液3」)はエタノール/水(50/50%v/v)溶液に0.78%w/vヒトインシュリンを含有し、HCl(0.1N)を添加して溶液のpHを変更した。配合物3(溶液3)は約50%の水及び50%のエタノールの混合物におけるヒトインシュリンから作られていた。国際単位(IU)の用語では、1mgのインシュリンは約27IUに相当する。インシュリン添加は232.5IU/mlの呼称濃度を与えるために2ml Humulin R(500IU/ml)+2.3ml酸性化エタノールを含んでいた(8.46mg/mlは約0.8%w/vに相当する)。
【0073】
エアロゾルは毛管路及び加熱器を有する固定エアロゾル生成装置を通して5μl/秒で流れる各配合物の制御された加熱によって生成された。エアロゾルは35mm長の加熱区域を有する32ゲージの毛管で10秒間生成された。エアロゾル化条件は加熱器に送出されたエネルギーを変更することによって最適化された。インシュリンエアロゾル化は30L/分の流速で米国薬局方(USP)誘導口を通過した後にフィルター上でエアロゾルを捕獲することによって評価された。USPスロートでのこの単一工程フィルター捕獲を使用して目標抵抗の関数としてエアロゾル性能を評価した。インシュリン回収率はエネルギーの適用のない模擬実験から送出された平均インシュリンの百分率として評価された。USP誘導口及びフィルターで回収されたインシュリンの定量化は紫外(UV)検出(214nm)で安定性表示高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用して実施された。単一四極液体クロマトグラフィ質量分析装置(LC−MS)を飛行時間(TOF)型LC−MSとともに使用してエアロゾル化前後のインシュリン蛋白質の一次構造を特性づけた。
【0074】
単一フィルター及び90°の曲り管(スロート)を有する単一工程エアロゾル捕獲装置におけるエアロゾル回収率は加熱器のための提示された目標抵抗以下で報告される。インシュリンの模擬回収率は参照(n=5)に対する電力の適用なしでインシュリン溶液を毛管に通過させた後に回収されるインシュリンの用量として定量化された。以下の表1〜3は全てのエアロゾル実験をまとめたものであり、表1はスロート及びフィルターでのエアロゾル回収率を示し、表2は配合物3をエアロゾル化するための最適な状態(表1からの実験13〜17)を示し、表3は10工程MOUDIで測定されたエアロゾル粒径を示す。
【0075】
加熱器への異なる電力レベルでの実験は、配合物3に対して、78.6(±5.6)Jの平均(SD)エネルギーを使用するとき、インシュリンの平均(SD)回収率は95.8(±7.8)%であることを示した。この適用されたエネルギーにおいて、用量の約50%がフィルターで回収され、50%がUSP誘導口(即ち、エアロゾル捕獲装置のスロート)で回収された。



【0076】
配合物3の非公式な安定性評価は室温で30日間貯蔵されてもインシュリン濃度に変化が全くないことを示した。
【0077】
実験2〜11はインシュリンの溶解のためにフィルター及びスロートの洗浄のために最適でない溶媒(即ち、水)を使用して実施された。改良された溶解は酸性化された水(100ml水+1mlHCl(0.1N))で達成された。この溶媒は全ての続く実験に対して使用された。
【0078】
表1〜3及び図7及び8はエネルギー及び目標抵抗の関数としてインシュリンの全回収率を示す。1.67オームの目標抵抗において、インシュリンの最適な回収率が得られた。インシュリンスロート付着は送出された用量の約50%であり、使用した目標抵抗から相対的に独立したままであった(図9)。フィルター回収率(エアロゾル化されたインシュリンを示す)は目標抵抗の増加とともに増加したが、しきい値目標抵抗より上ではフィルター付着が減少した(>1.7オーム)(図10)。
【0079】
この配合物の粒径分析は1.68オームの目標抵抗を使用してMOUDIに送出された五つの連続的な10秒用量を使用して行なわれた。MMADは約1.5μmであり、1535μgの回収量(模擬用量=1945μg)であった。スロート付着は482μgであった。
【0080】
配合物5はエタノール/水(85/15%v/v)溶液において0.77%w/vヒトインシュリンを含有し、HCl(0.1N)を溶液のpHを変更するために添加した。配合物5〜8及び14は0.3mlHCl(0.1N)において様々な量のインシュリン(Sigma、ヒト組み換えインシュリン)を溶解することによって調製された。インシュリンの溶解後、1.7mlのエタノールを添加した。調製された各配合物の全容量は2mlであり、5℃で貯蔵された。表4は使用した配合物及び模擬回収率(溶液は賦形剤、保存剤又は安定剤を全く含有しなかった)の詳細を示す。

【0081】
エアロゾルは毛管路及び加熱器を有する固定エアロゾル生成装置を通して5μl/秒で流れる各配合物の制御された加熱によって生成された。エアロゾルは35mm長の加熱区域を有する32ゲージの毛管で10秒間生成された。エアロゾル化条件は加熱器に送出されたエネルギーを変更することによって最適化された。インシュリンエアロゾル化は30L/分の流速で米国薬局方(USP)誘導口を通過した後にフィルター上でエアロゾルを捕獲することによって評価された。USPスロートでのこの単一工程フィルター捕獲を使用して目標抵抗の関数としてエアロゾル性能を評価した。インシュリン回収率はエネルギーの適用のない模擬実験から送出された平均インシュリンの百分率として評価された。USP誘導口及びフィルターで回収されたインシュリンの定量化は紫外(UV)検出(214nm)で安定性表示高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用して実施された。単一四極液体クロマトグラフィ質量分析装置(LC−MS)を飛行時間(TOF)型LC−MSとともに使用してエアロゾル化前後のインシュリン蛋白質の一次構造を特性づけた。
【0082】
単一フィルター及び90°の曲り管(スロート)を有する単一工程エアロゾル捕獲装置におけるエアロゾル回収率は加熱器のための提示された目標抵抗以下で報告される。インシュリンの模擬回収率は参照(n=5)に対する電力の適用なしでインシュリンを毛管に通過させた後に回収されるインシュリンの用量として定量化された。表5〜7は結果をまとめたものであり、表5は溶液5〜8についてのスロート及びフィルターでのインシュリン回収率を示し、表6及び7は8工程MOUDI及び溶液14を使用するエアロゾル粒子データを示す。



【0083】
溶液5は高インシュリン濃度溶液(3.7%)であった。表5で報告された全ての三つの実験では、インシュリンの目に見える付着が毛管の先端のまわりに観察された。相対的に大きな目標抵抗が使用され、インシュリンのフィルター付着は少なかった(表5)。スロート付着は多く、おそらく配合物の不完全なエアロゾル化を示す。かかる先端付着は「過剰電力」状況で起こり、そこでは毛管の望ましい温度より高い温度のため、賦形剤が気化され、毛管先端から出現するエアロゾル化されない固形物が残る。これらの状況下での長い使用は突極的には毛管の詰りに導く。
【0084】
より低い濃度溶液(配合物6.7及び8)の非公式な安定性評価は5℃での貯蔵後、あるケースにおいて4〜6日後に目に見える凝集が観察されたことを示した。これはHPLC分析によって測定されたインシュリン含有量の減少に対応した。
【0085】
36.7(±2.2)Jの平均(SD)エネルギーを使用する配合物6のエアロゾル化はエアロゾルフィルター及びUSP誘導口のそれぞれで81.1(±9.00)%及び11.5(±4.7)%の平均(SD)%インシュリン回収率を生成した。これは1.62オームの目標抵抗での配合物6の最適なエアロゾル化に対応した。スロート及びフィルターでのインシュリンの平均(SD)回収率はそれぞれ44(±18)μg及び310(±34)μgであり、それは模擬用量(n=4)と比較すると92.6(±7.4)%の平均(SD)回収率に対応した。これらのインシュリンエアロゾルのクロマトグラフィ及び質量分析プロファイルは出発配合物と比較すると変化を全く表わさず、配合物の気化中の熱によるインシュリン劣化は全く観察されなかったことを示す。
【0086】
配合物7は配合物6を複製するように配合されたが、インシュリンの実際の濃度はわずかに高かった。単一工程フィルター捕獲を使用して評価されたエアロゾル性能は配合物6と同様の性能を示したが、おそらく使用されたインシュリンの増大した質量(それは観察された高いスロート付着を生じうる)のためわずかに高い目標抵抗が要求された。スロート及びフィルターでのインシュリンの平均(SD)回収率はそれぞれ80(±21)μg及び304(±16)μgであり、それは模擬用量(n=4)と比較すると86.3(±4.6)%の平均(SD)回収率に対応した。
【0087】
配合物8での実験は毛管先端上に位置された熱電対で行なわれた。実験41は毛管封鎖のためさらなる分析から除外された。残りの実験から、スロート及びフィルターでのインシュリンの平均(SD)回収率はそれぞれ177(±7)μg及び276(±11)μgであり、それは模擬用量(n=3)と比較すると92(±3.6%)の平均(SD)回収率に対応した。配合物8について、より高い目標抵抗が使用され、配合物6及び7と比較するとより高いスロート付着が観察された。配合物8における50μlあたりのインシュリンの質量は494μgであり、それは配合物6及び7のそれぞれの383μg及び446μgより高かった。加えて、これらのエアロゾル化効率実験についてLC−MSはスロート及びフィルターでの捕獲後の分析とともにエアロゾル化前に配合物で実施された。これらの三つの試料のいずれの間にも質量分析プロファイルにおいて差異は全く観察されなかった。
【0088】
粒径分析はおそらくエアロゾル粒子の大きなサブミクロン画分による高い衝撃壁損失を示した。壁損失にかかわらず、エアロゾル微粒子画分及びインシュリン回収率は呼吸できるインシュリンエアロゾルがインシュリンの熱劣化の証拠なしで生成されたことを示した。表6及び7は配合物14のMOUDI決定粒径分布を示した。
【0089】
本発明を実施する上記例示は限定されることを意図されない。それに対する変更は特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲を逸脱することなく行なうことができることは当業者に明らかであろう。例えば、加熱された毛管が毛管路の好ましい構成として記載されたが、毛管路は通路に沿って配置された加熱器を有する積層体における一以上の通路、多数の毛管配置構成、通路の内側に設けられた加熱器を有する通路、流体流のための環状通路を含む共軸配置構成等を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】加熱された毛管路を有するエアロゾル生成器を示す。
【図2】キャップを除去したエアロゾル生成装置の一実施態様の透視図である。
【図3】キャップを装着した図2のエアロゾル生成装置を示す。
【図4】エアロゾル生成装置の一実施態様を示す。
【図5】エアロゾル生成装置の流体送出集成体の一実施態様を示す。
【図6】二つの電極を含む毛管路の一実施態様を示す。
【図7】毛管を加熱するために使用された様々なエネルギーレベルでプロットされた、スロート及びフィルターを有する単一工程エアロゾル捕獲装置における全インシュリン回収率のグラフである。
【図8】加熱器の様々な目標抵抗でプロットされた、スロート及びフィルターを有する単一工程エアロゾル捕獲装置における全インシュリン回収率のグラフである。
【図9】毛管を加熱するために使用される様々なエネルギーレベルでプロットされた単一工程エアロゾル捕獲装置のフィルターでのインシュリン回収率のグラフである。
【図10】加熱器の様々なターゲット抵抗でプロットされた単一工程エアロゾル捕獲装置のスロートでのインシュリン回収率のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インシュリン、及びキャリアの気化時に熱劣化からインシュリンを保護する少なくとも一つの高揮発性キャリアを含み、かつ噴射薬を含まない、エアロゾル化されたインシュリンからなる気化エアロゾルを形成するために適応された液体エアロゾル配合物。
【請求項2】
キャリアがエタノールであり、液体配合物が少なくとも50℃の温度である請求項1に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項3】
第二成分がヒトインシュリンである請求項1に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項4】
5重量%以下のヒトインシュリンを含む請求項3に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項5】
キャリアが10〜90容量%のエタノール及び90〜10容量%の水を含む請求項1に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項6】
インシュリンがキャリアに溶解される請求項1に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項7】
キャリアがエタノールであり、インシュリンがヒトインシュリンである請求項1に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項8】
加熱時に蒸気を形成し、蒸気が周囲空気と混合される時に本質的にインシュリンからなるエアロゾル粒子からなるエアロゾルを生成するように配合された請求項1に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項9】
エアロゾル粒子が実質的に乾燥した固体粒子である請求項8に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項10】
本質的にキャリア及びインシュリンからなる請求項1に記載の液体エアロゾル配合物。
【請求項11】
蒸気に連行されるエアロゾル粒子を含有する噴射薬不含エアロゾルであって、エアロゾル粒子の実質的に全てが本質的にインシュリンからなり、蒸気が本質的に気化された液体キャリアからなる噴射薬不含エアロゾル。
【請求項12】
エアロゾルが0.01〜1μm又は1〜3μmの質量メジアン空気力学的粒径を有する請求項11に記載のエアロゾル。
【請求項13】
キャリアがエタノールと水の混合物である請求項11に記載のエアロゾル。
【請求項14】
蒸気に連行されるインシュリンのエアロゾル粒子を含有するエアロゾルであって、エアロゾル粒子が本質的にインシュリンからなり、蒸気が噴射薬を含まず、エアロゾルが0.01〜1μm又は1〜3μmの質量メジアン空気力学的粒径を有するエアロゾル。
【請求項15】
下記のものを含むエアロゾル生成装置:
高揮発性キャリア及びインシュリンを含む液体エアロゾル配合物の液体源;
液体源と流体連通する流路;及び
流路の加熱部分において液体エアロゾル配合物を加熱して蒸気を生成し、それを空気と混合してエアロゾルを生成するように配置された加熱器。
【請求項16】
キャリアがエタノールである請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項17】
インシュリンがヒトインシュリンである請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項18】
キャリアがエタノールと水の混合物である請求項17に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項19】
少なくとも20容量%の水を含む請求項17に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項20】
インシュリンがキャリアに溶解される請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項21】
液体エアロゾル配合物が噴射薬を含まない請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項22】
エアロゾルが本質的にインシュリンからなるエアロゾル粒子を含む請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項23】
加熱器が液体エアロゾル配合物を約100〜150℃に加熱するように操作可能である請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項24】
エアロゾル粒子が本質的に実質的に乾燥した固体粒子からなる請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項25】
下記のものをさらに含む請求項15に記載のエアロゾル生成装置:
電力源;及び
流路において液体エアロゾル配合物を気化するのに有効な温度範囲で加熱器を維持するように電力を電力源から加熱器へ送出するように操作可能な制御器。
【請求項26】
液体源と流路の間に配置された少なくとも一つの弁をさらに含む請求項25に記載のエアロゾル生成装置であって、制御器が弁を作動して流路を開閉し、液体源から流路への液体エアロゾル配合物の流れを制御するように操作可能であるエアロゾル生成装置。
【請求項27】
エアロゾルがエアロゾル生成装置の使用者によって吸入されるマウスピース;
圧力センサ;
空気がマウスピースに供給される空気路;及び
空気路を開閉する弁
をさらに含む請求項25に記載のエアロゾル生成装置であって、制御器が使用者がマウスピースで吸入して空気をマウスピース中に供給させるときに圧力センサがマウスピースにおける圧力低下を検出した後の予め決められた時間内に弁を作動するように操作可能であるエアロゾル生成装置。
【請求項28】
流路が予め決められた容積を有する計量チャンバーを含み、エアロゾル生成装置が流路の加熱部分中へ予め決められた容量に等しい液体エアロゾル配合物の量を送出するように操作可能な放出部材を含む請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項29】
ハンドヘルドの吸入器である請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項30】
液体源がエアロゾル生成装置に除去可能に取り付けられている請求項15に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項31】
下記のものを含むエアロゾル生成装置:
キャリア及びインシュリンを含む液体エアロゾル配合物の液体源;
液体源と流体連通する流路;及び
流路の加熱部分における液体エアロゾル配合物を加熱して蒸気を生成し、それを空気と混合してエアロゾルを生成するように配置された加熱器。
【請求項32】
下記工程を含むエアロゾルを生成する方法:
(a)高揮発性キャリア及びインシュリンを含む液体エアロゾル配合物を流路に供給する;
(b)流路の加熱部分における液体エアロゾル配合物を加熱して蒸気を生成する;及び
(c)蒸気を空気と混合してエアロゾル化されたインシュリン粒子を生成する。
【請求項33】
キャリアがエタノールを含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
キャリアが水をさらに含む請求項32に記載の方法。
【請求項35】
インシュリンがヒトインシュリンである請求項34に記載の方法。
【請求項36】
キャリアがエタノール及び少なくとも10容量%の水を含む請求項32に記載の方法。
【請求項37】
インシュリンがキャリアに溶解される請求項32に記載の方法。
【請求項38】
液体エアロゾル配合物が噴射薬を含まない請求項32に記載の方法。
【請求項39】
エアロゾルが本質的にインシュリンからなるエアロゾル粒子を含む請求項32に記載の方法。
【請求項40】
エアロゾル粒子が1μm未満の質量メジアン空気力学的粒径を有する請求項32に記載の方法。
【請求項41】
エアロゾル粒子が本質的に実質的に乾燥した固体粒子からなる請求項32に記載の方法。
【請求項42】
エアロゾルのエアロゾル粒子が3ミクロン未満の質量メジアン空気力学的粒径を有する請求項32に記載の方法。
【請求項43】
流路が毛管サイズの円形流路であり、エアロゾル粒子が毛管路の内径より少なくとも4倍小さい質量メジアン空気力学的粒径を有する請求項32に記載の方法。
【請求項44】
下記工程をさらに含む請求項32に記載の方法:
液体エアロゾル配合物の予め決められた容量を流路の加熱部分中に供給する;及び
液体エアロゾル配合物の予め決められた容量を加熱して蒸気を生成する。
【請求項45】
マウスピースを含むエアロゾル生成装置を使用して(a)〜(c)が実施される請求項32に記載の方法であって、下記工程をさらに含む方法:
マウスピースで吸入する使用者によって起こされるエアロゾル生成装置のマウスピースにおける圧力低下を検出する;
圧力低下を検出した後、液体エアロゾル配合物の予め決められた容量を流路の加熱部分中に供給する;及び
マウスピースを通してエアロゾルを使用者に送出する。
【請求項46】
エアロゾルを連続的に生成することを含む請求項32に記載の方法。
【請求項47】
下記工程をさらに含む請求項32に記載の方法:
エアロゾル生成装置に取り付けられた第一流体送出集成体を使用して(a)〜(c)を実施する;
エアロゾル生成装置から第一流体送出集成体を除去する;
第二流体送出集成体をエアロゾル生成装置に取り付ける;及び
第二流体送出集成体を使用して(a)〜(c)を繰り返す。
【請求項48】
第一流体送出集成体が第一液体エアロゾル配合物を供給し、第二流体送出集成体が第一液体エアロゾル配合物とは異なる第二液体エアロゾル配合物を供給する請求項47に記載の方法。
【請求項49】
第一質量メジアン空気力学的粒径を有するエアロゾル粒子を含む第一エアロゾルを第一流体送出集成体で生成し、第一質量メジアン空気力学的粒径とは異なる第二質量メジアン空気力学的粒径を有するエアロゾル粒子を含む第二エアロゾルを第二流体送出集成体で生成することを含む請求項47に記載の方法。
【請求項50】
下記工程を含むエアロゾルを生成する方法:
(a)インシュリンを含む液体エアロゾル配合物を流路に供給する;
(b)流路の加熱部分において液体エアロゾル配合物を加熱して蒸気を生成する;及び
(c)蒸気を空気と混合してエアロゾル化されたインシュリン粒子を生成する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−501271(P2007−501271A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532550(P2006−532550)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/013758
【国際公開番号】WO2004/100872
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(501154448)クリサリス テクノロジーズ インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】CHRYSALIS TECHNOLOGIES INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7801 Whitepine Road, Richmond, VA 23237 United States of America
【Fターム(参考)】