説明

インストール通知装置及びインストール通知方法

【課題】新たなプログラムが複合機の記録媒体にインストールされる際にその旨を所定のユーザに通知することが可能なインストール通知部を提供する。
【解決手段】新プログラムのインストールの開始を検知するインストール検知手段508と、前記インストールの開始が検知されると、旧プログラムに予め設定されたユーザの送信先を取得する送信先取得手段509と、前記新プログラムのインストールの進捗状況に対応して、インストール情報を取得するインストール情報取得手段510と、取得されたインストール情報に基づいて新プログラムのインストールの進捗状況を、取得されたユーザの送信先の端末装置120Cに通知するインストール情報通知手段512とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストール通知装置及びインストール通知方法に関し、詳しくは、新たなプログラムが電子機器の記録媒体にインストールされる際にその旨を所定のユーザに通知することが可能なインストール通知装置及びインストール通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アプリケーションプログラム等のソフトウェアをインストールして利用するコンピュータシステムにおいて、そのソフトウェアの不正コピーを防止する不正コピー防止方法として、以下に述べるような代表的手法が取られている。
【0003】
即ち、マスターディスクを特殊なファイル形式でフォーマットし、複製品を作成出来ないようにする手法、ソフトウェアのインストール時にマスターディスクの内容を書き替え、指定回数以上のコピーが出来ないようにする手法、ソフトウェアのインストール時に、正規ユーザのみに公開した暗証番号を入力し、暗証番号が一致しない場合はソフトウェアが動作しない、又はインストールの続行が出来ないようにする手法等である。
【0004】
しかしながら、このような従来のソフトウェアのコピー防止方法にあっては、マスターディスク又は暗証番号が、エンドユーザの管理下にあったため、ユーザのモラル次第で容易に複製品が作成できてしまうという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、例えば、特開平10−187433号公報(特許文献1)には、アプリケーションプログラムをインストールして利用する電子機器が開示されている。前記アプリケーションプログラムは、固有の暗証情報を設定し、当該電子機器は、このアプリケーションプログラムに設定される固有の暗証情報を予め格納した暗証情報記憶手段と、前記アプリケーションプログラムを実行する際に、当該アプリケーションプログラムに設定された固有の暗証情報と、前記暗証情報記憶手段に格納された固有の暗証情報とを照合することにより、当該アプリケーションプログラムが正規のものか否かを判別する判別手段と、この判別の結果、前記アプリケーションプログラムが正規のものでないと判別された場合は、当該アプリケーションプログラムの実行を禁止する制御手段とを備える。これにより、暗証番号の設定権限をシステム側に持たせてユーザには暗証番号の内容を非公開とすることができ、他のコンピュータシステムでのアプリケーションプログラムの利用を防止することができ、ユーザによるソフトウェアの不正コピーを防止することができるとしている。
【0006】
又、特開2005−293109号公報(特許文献2)には、電子機器上で稼動するソフトウェアをインストールし、該インストールされたソフトウェアを実行制御するソフトウェア実行管理装置が開示されている。当該ソフトウェア実行管理装置は、前記インストールされたソフトウェア中から該ソフトウェアの正当性を確認するための正当性確認モジュールを抽出するモジュール抽出手段と、前記モジュール抽出手段によって抽出された前記正当性確認モジュールを実行して、その実行結果が正しいものであるかを判定する正当性確認手段と、前記正当性確認手段が前記インストールされているソフトウェアの正当性を確認したときにのみ該ソフトウェアの起動を行うソフトウェア起動手段とを備える。これにより、ソフトウェアを電子機器にインストールするに際し、インストールするソフトウェアが電子機器に対して正常に作成されたものであることを電子機器の製造元が認証することになり、電子機器にインストールされるソフトウェアの信頼性を簡便且つ柔軟に保証することが可能になるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−187433号公報
【特許文献2】特開2005−293109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、システム側に設定された暗証番号や正当性確認モジュールが、何らかの手段により解析され、外部に漏れてしまった場合、容易にソフトウェアをインストールすることが出来るという問題がある。
【0009】
特に、ソフトウェアがインストールされる場合は、通常、当該インストールを実行する実行者しか認知することが出来ない。そのため、仮に、インストールされたソフトウェアが、悪意者により改ざんされたソフトウェアである場合、改ざんされたソフトウェアがインストールされたことを、電子機器を管理する管理者などは全く認知することが出来ず、長期間、改ざんされたソフトウェアがインストールされたままとなるという問題がある。そして、このような改ざんされたソフトウェアが、ネットワークを介して個人情報を外部に流出するソフトウェアであった場合、セキュリティ上、重大な問題となる。
【0010】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、新たなプログラムが電子機器の記録媒体にインストールされる際にその旨を所定のユーザに通知することが可能なインストール通知装置及びインストール通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子機器のインストール通知装置は、ネットワークを介して端末装置に接続された電子機器のインストール通知装置である。
【0012】
当該電子機器のインストール通知装置において、前記電子機器の記録媒体に予め記憶された旧プログラムに新プログラムがインストールされる際に、当該新プログラムのインストールの開始を検知するインストール検知手段と、前記インストールの開始が検知されると、前記旧プログラムに予め設定されたユーザの送信先を取得する送信先取得手段と、前記新プログラムのインストールの進捗状況に対応して、当該進捗状況に関連するインストール情報を取得するインストール情報取得手段と、取得されたインストール情報に基づいて新プログラムのインストールの進捗状況を、取得されたユーザの送信先の端末装置に通知するインストール情報通知手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、新プログラムがインストールされる際に、旧プログラムに設定された所定のユーザ、例えば、電子機器の管理者は、当該インストールの進捗状況を容易に認知することが可能となる。そのため、仮に、改ざんされた新プログラムが悪意者によりインストールされた場合、前記電子機器の管理者は即時に不審なプログラムのインストールに気が付き、例えば、当該電子機器に近寄って悪意者によるインストールを中断させることが可能となる。一方、インストールされた新プログラムが正式にインストールを許諾された新プログラムである場合、前記電子機器の管理者は、当該インストールの進捗状況を随時把握することが出来るため、例えば、当該電子機器まで行ってインストールの進捗状況を確認する等の手間を省くことが可能となる。
【0014】
又、前記インストール情報取得手段は、少なくとも新プログラムのインストールが開始した時点と、新プログラムのインストールが完了した時点とで、前記インストール情報を取得するよう構成することが出来る。
【0015】
又、前記インストール通知装置は、画像形成装置に適用することが出来る。
【0016】
当該構成により、画像形成装置を管理する管理者は、前記インストール通知装置により、新プログラムのインストールの進捗状況を容易に知ることが可能となり、例えば、当該画像形成装置に、改ざんされたプログラムがインストールされることを防止することが可能となる。特に、近年の画像形成装置には、ユーザの氏名、電話番号、ファクシミリ番号等の個人情報が蓄積される場合があり、上述した改ざんプログラムにより当該個人情報が外部に流出する事態も想定される。上述した構成とすると、このような個人情報の流出を確実に防止することが可能となる。
【0017】
尚、本発明は、ネットワークを介して端末装置に接続された電子機器のインストール通知方法として提供することが出来る。即ち、前記電子機器の記録媒体に予め記憶された旧プログラムに新プログラムがインストールされる際に、当該新プログラムのインストールの開始を検知するインストール検知ステップと、前記インストールの開始が検知されると、前記旧プログラムに予め設定されたユーザの送信先を取得する送信先取得ステップと、前記新プログラムのインストールの進捗状況に対応して、当該進捗状況に関連するインストール情報を取得するインストール情報取得ステップと、取得されたインストール情報に基づいて新プログラムのインストールの進捗状況を、取得されたユーザの送信先の端末装置に通知するインストール情報通知ステップとを含むことを特徴とする電子機器のインストール通知方法を提供出来る。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0018】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のインストール通知装置及びインストール通知方法によれば、新たなプログラムが電子機器の記録媒体にインストールされる際にその旨を所定のユーザに通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る画像読取部の拡大図である。
【図3】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図4】本発明に係る複合機及びインストール通知部の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図5】本発明の複合機及びインストール通知部の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態においてタッチパネル上に表示されたインストール画面の一例を示す図(図7(A))と、本発明の実施形態において新プログラムの構成と旧プログラムの構成の一例を示す図(図7(B))である。
【図8】本発明の実施形態において端末装置に表示される電子メールの一例を示す図(図8(A))と、本発明の実施形態においてタッチパネル上に表示されたインストール完了画面の一例を示す図(図8(B))である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、添付図面を参照して、本発明のインストール通知装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0022】
<画像形成装置及びインストール通知装置>
以下に、本発明に係るインストール通知装置(例えば、インストール通知部)を備えた画像形成装置(例えば、複合機)について説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0024】
本発明の複合機100は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当する。尚、一例として複合機を利用して原稿のコピー機能を提供する際の複合機100の動作を簡単に説明する。
【0025】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿Pを印刷する場合、原稿Pを図1に示す原稿台101、或いは載置台102に配置し、原稿台101近傍に供えられた操作部103に対して印刷の指示を行う。ユーザは前記操作部103を介して、例えば、コピー設定条件(枚数、サイズ等)を複合機100に入力する。前記操作部103を介してコピー設定条件とコピーの指示とが入力されることによって、以下に示す各部(駆動部)が動作し、コピー機能が実行される。
【0026】
即ち、図1に示すように、本実施形態の複合機100は、本体104と、本体104の上方に取り付けられたプラテンカバー105を備える。本体104の上面は原稿台101が設けられており、原稿台101は、プラテンカバー105によって開閉されるようになっている。プラテンカバー105は、自動原稿給紙装置106と載置台102と排紙台107が設けられている。
【0027】
自動原稿給紙装置106は、プラテンカバー105の内部に形成された原稿搬送路108と、プラテンカバー105の内部に備えられたピックアップローラ109や搬送ローラ110A、110B等で構成される。原稿搬送路108は、載置台102から、本体104に設けられた画像読取部111にて読み取りが行なわれる読取位置Xを経由して、排紙台107に通じる原稿の搬送路である。
【0028】
自動原稿給紙装置106は、載置台102に載置された複数の原稿から1枚ずつ原稿をピックアップローラ109で搬送路内108に引き出し、搬送ローラ等によって引き出した原稿を、読取位置Xを通過させて、搬送ローラ110Bにより排紙台107に排紙する。読取位置Xを通過する時に原稿は画像読取部111にて読み取られる。
【0029】
前記画像読取部111は、原稿台101の下方に設けられており、図2にその詳細が示されている。画像読取部111は、原稿台101を照射する主走査方向に長い光源112と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット113と、原稿台からの光を導くミラー114とを備える第一の移動キャリッジ115や、第一の移動キャリッジ115からの反射光を再度反射するミラー116A、116Bを備える第二の移動キャリッジ117、更にミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群118、当該レンズ群118より補正された光を受光する撮像素子119、撮像素子119にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正処理・画質処理・圧縮処理などを行う画像データ生成部120とで構成されている。
【0030】
自動原稿給紙装置106上の原稿を読み取る場合には、光源112は、読取位置Xを照射できる位置に移動して発光する。光源112からの光は、原稿台101を透過して読取位置Xを通過する原稿にて反射し、スリット113、ミラー114、116A、116B、レンズ群118によって撮像素子119に導かれる。撮像素子119は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部120に送信する。画像データ生成部120には、前記撮像素子119にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部120では、順次変換されたデジタル信号を単位データ(濃度値)とし、これら単位データを補正処理、画質処理、圧縮処理等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【0031】
又、画像読取部111は、自動原稿給紙装置106で搬送される原稿だけでなく、原稿台101に載置された原稿も読み取ることが可能となっている。原稿台101に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ114は、光源112を発光しながら副走査方向に移動し、光源112から撮像素子119までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ117は第一の移動キャリッジ115の1/2の速度で撮像素子119方向に移動する。
【0032】
撮像素子119は、自動原稿給紙装置106に搬送された原稿のときと同様に、ミラー114、116A、116Bに導かれた光に基づいて原稿台101に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部120が画像データ(文書データ)を生成し、記憶部120Bに記憶する。
【0033】
又、本発明に係る複合機100は、コピー機能の処理を実行する画像形成部121を更に備えている。前記画像形成部121は、本体104の画像読取部111の下方に設けられており、記憶部120Bに記憶された画像データを印刷(出力)する。画像形成部121が印刷できる画像データ(ジョブデータ)は、前記のように画像データ生成部120にて生成されたものや、その他の複合機100やとネットワーク120Fに接続された端末装置120C等から、ネットワーク120Fを介して受信したものである。
【0034】
画像形成部121が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム122を帯電器123で一様に帯電させ、その後レーザ124で感光ドラム122を照射して感光ドラム122に潜像を形成し、現像器125で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を転写媒体に転写する方式である。
【0035】
尚、フルカラー画像に対応した画像形成装置では、前記現像器(ロータリー現像器)125が、図1の紙面に対して垂直方向に構成される回転軸を中心として周方向に回転させられ、対応する色のトナーが格納された現像ユニットが感光ドラム122の対向位置に配置される。この状態で、感光ドラム122上の潜像が、現像器125が格納するトナーにより現像され、中間転写ベルト126Aに転写される。尚、現像器125は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各トナーをそれぞれ格納する4つの現像ユニット125(Y)、(C)、(M)、(K)を有している。前記中間転写ベルト126Aへの転写を前記各色毎に繰り返すことにより、当該中間転写ベルト126A上にフルカラー画像が形成される。可視像が印刷される転写媒体、即ち用紙は、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
【0036】
画像形成部121が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから転写媒体1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した転写媒体を搬送ローラ136やレジストローラ137で中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bの間に送り込む。画像形成部121は、中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bの間に送り込んだ転写媒体に、前記中間転写ベルト126A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト127で定着部128(定着装置)に転写媒体を送る。定着部128は、ヒータが内蔵された加熱ローラ129と、所定の圧力で加熱ローラ129に押し当てられた加圧ローラ130とで構成されている。加熱ローラ129と加圧ローラ130の間を転写媒体が通過すると、熱と転写媒体への押圧力によって可視像が転写媒体に定着する。定着が行われた転写媒体は排紙トレイ131に排紙される。
【0037】
このような手順にて、複合機100のコピー機能の処理がなされる。
【0038】
ところで、本体104の記憶部120Bの下方には、パーソナルコンピュータ(PC)等の端末装置120Cに通信可能な通信部120Dが設けられている。当該通信部120Dでは、所定の送信先(例えば、メールアドレス等)に対応する端末装置120Cを特定し、通信インターフェイス120Eを介して、ネットワーク120Fに接続された当該端末装置120Cと通信する。
【0039】
又、前記端末装置120Cには、画面を表示するディスプレイと、キー等を入力するキーボードと、当該ディスプレイと当該キーボードとを制御する制御部とを含む構成であり、例えば、ユーザが、キーボード、ディスプレイ等を用いて前記通信部120Dから受信した電子メールを閲覧出来る。
【0040】
更に、本体104の記憶部120Bの下方には、所定の記憶媒体138(例えば、USBメモリ)と接続可能な接続部139と、当該接続部139に接続された記録媒体のプログラム(新プログラム)を、予め備えられたプログラム記憶部140にインストールするインストール部141とが設けられている。当該インストール部141は、前記接続部139を介して、プログラム記憶部140に記憶されたプログラム(旧プログラム)を、記録媒体に記憶されたプログラム(新プログラム)に書き換えする(インストールする)。
【0041】
そして、前記インストール部141の近傍には、インストール通知部142が設けられ、新プログラムのインストールを検知し、当該インストールの進捗状況を、前記通信部120Dを介して所定の端末装置120Cに通知する(後述する)。
【0042】
図3は、本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【0043】
ユーザは、前記操作部103を用いて、上述のような画像形成についての設定条件等を入力したり、入力された設定条件等を確認したりする。前記設定条件等が入力される場合、前記操作部103に備えられたタッチパネル301(操作パネル)、タッチペン302、操作キー303が用いられる。
【0044】
前記タッチパネル301には、アナログ抵抗膜方式が採用され、透光性を有する上部フィルムと下部ガラス基板とがスペーサを介して重ね合わされた構成となっており、上部フィルムと下部ガラス基板との各々の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極層が設けられている。更に、上部フィルムがユーザにより押下されると、当該押下位置に対応する上部フィルム側の透明電極層と下部ガラス基板側の透明電極層とが接触するよう構成されている。上部フィルム又は下部ガラス基板に電圧を印加し、下部ガラス基板又は上部フィルムから押下位置に対応する電圧値を取り出すことにより、当該電圧値に対応する座標値(押下位置)を検出する。検出された押下位置が、タッチパネル上に表示された画面内の設定条件キー等の表示領域内に含まれると、当該設定条件等が入力される。
【0045】
又、下部ガラス基板の下方には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部が設けられており、当該表示部が、例えば、初期画面、インストール画面、インストール完了画面等の画面を表示することにより、タッチパネル上に特定の画面が表示される。これにより、タッチパネル301には、設定条件等を入力する機能と前記画面を表示する機能が兼ね備えられる。
【0046】
又、タッチパネル301の近傍には、タッチペン302が備えられており、ユーザがそのタッチペン302の先をタッチパネル301に接触させると、当該接触位置(押下位置)に対応する座標値が、上記と同様に出力され、ユーザはタッチペン302により、表示されたキー等を押下・選択することが可能となる。
【0047】
更に、タッチパネル301近傍には、所定数の操作キー303が設けられ、例えば、テンキー304、スタートキー305、クリアキー306、ストップキー307、リセットキー308、電源キー309が備えられている。
【0048】
次に、図4を用いて、複合機100及びインストール通知部142の制御系ハードウェアの構成を説明する。図4は、本発明に係る複合機及びインストール通知部の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0049】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disk Drive)404、各駆動部に対応するドライバ405を内部バス406によって接続している。前記CPU401は、例えば、RAM403を作業領域として利用し、前記ROM402、HDD404等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ405、図示しない操作部103、インストール通知部142からのデータや指示を授受し、上記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図5に示す)についても、前記CPU401がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
【0050】
又、制御回路の内部バス406には、通信インターフェイス120Eも接続されており、当該通信インターフェイス120Eは、ネットワーク120Fを介して、端末装置120C等と接続している。前記CPU401は、前記通信インターフェイス120Eを介して前記端末装置120Cに、後述するインストール通知部142からの電子メール等を送信し、当該端末装置120Cのディスプレイ上に当該電子メール等を表示させたりする。
【0051】
又、制御回路の内部バス406には、接続部139も接続されており、当該接続部139に記録媒体138が接続(装着)されると、前記CPU401は、当該記録媒体138に搭載されたROM138aから所定のデータ(例えば、新プログラム)を読み取る。
【0052】
又、制御回路の内部バス406には、内部インターフェイス407も接続されており、当該内部インターフェイス407は、インストール通知部142の制御回路と複合機100の制御回路とを接続する。CPU401は、内部インターフェイス407を介してインストール通知部142の制御回路からの命令信号を受信したり、インストール通知部142の制御回路へ命令信号、データ等を送信したりする。
【0053】
又、インストール通知部142の制御回路には、内部バス412に、CPU409、ROM410、RAM411、内部インターフェイス413を備える。インストール通知部142のCPU409、ROM410、RAM411の機能も上記と同様であり、後述する各手段(図5に示す)についても、前記CPU409がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。又、前記CPU409が、前記通信インターフェイス120Eを介して、前記端末装置120Cに電子メール等を送信したりする。前記ROM410、RAM411には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0054】
<本発明の実施形態>
次に、図5、図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図5は、本発明の複合機100及びインストール通知部142の機能ブロック図である。図6は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0055】
まず、ユーザが複合機100の電源を投入すると、複合機100の制御手段501が起動し、画像形成手段502を画像形成可能な状態に移行させ、所定のメモリに予め記憶された初期画面(例えば、コピー機能画面)を表示受付手段503に表示させる。
【0056】
ここで、ユーザが、複合機100に関連した新たなプログラム(新プログラム)を記憶している記憶媒体138(例えば、USBメモリ)を、当該記憶媒体138を接続するための接続部139(例えば、USB接続部)に接続すると、接続手段504が、当該接続を検知して、その旨を制御手段501に通知する。
【0057】
当該通知を受けた制御手段501が、前記接続手段504を介して、前記記憶媒体138に搭載された新プログラム記憶手段505を参照し、インストール用のプログラムが記憶されていることを検知すると、その旨をインストール手段506に通知する(図6:S101)。当該通知を受けたインストール手段506は、前記接続手段504を介して、前記新プログラム記憶手段505を参照し、新プログラムを特定する。次に、インストール手段506は、画像形成に関するプログラムが記憶されたプログラム記憶手段507を参照して、前記新プログラムにより書き換えられるプログラム(旧プログラム)を特定する。前記新プログラムと前記旧プログラムとを特定すると、インストール手段506は、前記表示受付手段503を介してインストール画面を表示する(図6:S102)。
【0058】
インストール画面700には、図7(A)に示すように、インストールを開始させる旨のメッセージ701と、旧プログラムの名称702(例えば、「ABC」)と、旧プログラムのバージョン情報703(例えば、「1.0」)と、新プログラムの名称704(例えば、「ABD」)と、新プログラムのバージョン情報705(例えば、「2.0」)と、インストールを開始させるためのスタートキー706と、キャンセルキー707とが表示される。
【0059】
ここで、ユーザが、前記インストール画面700を見ながら、前記スタートキー706を選択すると、前記表示受付手段503が当該スタートキー706の選択を受け付け(図6:S103YES)、その旨をインストール手段506に通知する。当該通知を受けたインストール手段506は、新プログラムのインストールを開始する(図6:S104)。
【0060】
ここで、旧プログラム708は、図7(B)に示すように、インストールされるインストールデータ709(インストールされるプログラムや所定のパラメータ等)と、プログラムのインストール処理を実行するインストールプログラム710と、自身のプログラム708(旧プログラム)を復号化する復号鍵711とから構成される。又、新プログラム712は、旧プログラム708と同様に、インストールデータ713と、インストールプログラム714と、復号鍵715とから構成される。上述した旧プログラム708、新プログラム712は、通常、暗号化されており、自身の復号鍵711、715により復号化されてから実行される。
【0061】
例えば、前記インストール手段506が新プログラム712をインストールする場合、先ず、旧プログラム708の復号鍵で、旧プログラム708のインストールプログラム710を復号化し、復号化したインストールプログラム710を実行する。当該旧プログラム708のインストールプログラム710が実行されると、最初に、プログラム記憶手段507における旧プログラム708のインストールデータ709が、新プログラム記憶手段505から読み取られた新プログラム712のインストールデータ713に書き換えられ、次に、旧プログラム708のインストールプログラム710が新プログラム712のインストールプログラム714に書き換えられる。そして、最後に、プログラム記憶手段507における旧プログラム708の復号鍵711が、新プログラム記憶手段505から読み取られた新プログラム712の復号鍵715に書き換えられることになる。
【0062】
尚、旧プログラム708に予め設定される所定のユーザの送信先710a(例えば、複合機100の管理者のメールアドレス)などは、例えば、インストールプログラム710に組み込まれている。このような構成である場合、新プログラム712のインストールが開始されると、前記送信先710aが、即時に、他の情報に書き換えられるということはなく、好ましい。
【0063】
さて、インストール手段506が、新プログラム712のインストールを開始すると、インストール通知部142のインストール検知手段508が、当該新プログラム712のインストールの開始を検知して、その旨を送信先取得手段509に通知する(図6:S105)。当該通知を受けた送信先取得手段509は、前記旧プログラム708に予め設定されたユーザの送信先710aを取得する(図6:S106)。
【0064】
例えば、前記送信先取得手段509が、プログラム記憶手段507に記憶された旧プログラム708を参照して、当該旧プログラム708のインストールプログラム710から前記送信先710aを取得する。
【0065】
前記送信先取得手段509がユーザの送信先710aを取得すると、その旨をインストール情報取得手段510に通知する。当該通知を受けたインストール情報取得手段510は、前記新プログラム712のインストールの進捗状況に対応して、当該進捗状況に関連するインストール情報を取得する(図6:S107)。
【0066】
前記インストール情報は、前記新プログラム712の進捗状況に関連する情報であれば、どのような情報でも構わない。例えば、新プログラム712のインストールが開始されると、前記インストール情報取得手段510は、前記インストール手段506から、新プログラム712のインストールの進捗状況、具体的には、新プログラム712が開始された旨を示す情報(例えば、「プログラムのインストールが開始されました。」)と、旧プログラム708の識別情報(例えば、プログラムの名称「ABC」)と、バージョン情報(例えば、「1.0」)と、新プログラム712の識別情報(例えば、「ABD」)と、バージョン情報(例えば、「2.0」)とを取得する。次に、前記インストール情報取得手段510は、予め備えられた現在の日時(日付と時刻)を計時する時計手段511から、前記インストールが開始された日時(例えば、「A年B月C日 D時E分」)を取得する。前記インストール情報取得手段510は、これら取得した情報をインストール情報とする。
【0067】
前記インストール情報取得手段510が前記インストール情報を取得すると、その旨をインストール情報通知手段512に通知する。当該通知を受けたインストール情報通知手段512は、前記インストール情報に基づいて新プログラム712のインストールの進捗状況を前記ユーザの送信先710aに通知する(図6:S108)。
【0068】
例えば、前記インストール情報通知手段512が、前記インストール情報取得手段510から上述したインストール情報を取得して、当該インストール情報に基づいた電子メールを作成する。作成された電子メールの内容は、前記インストール情報を含むものである。次に、前記インストール情報通知手段512が、前記送信先取得手段509からユーザの送信先710aを取得し、複合機100の通信手段513を介して、前記送信先710aに対応する所定の端末装置120Cを特定し、当該端末装置120Cに前記電子メールを送信する。
【0069】
これに対して、前記端末装置120Cが、前記電子メールを受信すると、当該電子メールをディスクトップに表示させる。
【0070】
前記電子メール800には、図8(A)に示すように、所定のプログラムのインストールが複合機に開始された旨のメッセージ801(「プログラムのインストールが開始されました。」)と、旧プログラム708の識別情報802(名称「ABC」)、旧プログラム708のバージョン情報803(「1.0」)、新プログラム712の識別情報804(名称「ABD」)、新プログラム712のバージョン情報805(「2.0」)、新プログラム712のインストールが開始された日時806(「A年B月C日 D時E分」)とが表示される。これにより、送信先710aのユーザは、前記電子メール800を視認することで、新プログラム712のインストールが開始されたことと、新プログラム712に関する情報、旧プログラム708に関する情報、インストールの進捗状況などを容易に確認することが可能となる。
【0071】
ここで、前記送信先710aのユーザが、インストールが開始された新プログラム712を全く知らない場合、旧プログラム708が、悪意者(不審者)により改ざんされた新プログラム712に書き換えられようとしていることを認識することになる。この場合、前記送信先710aのユーザが、例えば、複合機100に出向いて、前記悪意者による新プログラム712のインストールを中断することが出来る。
【0072】
一方、前記送信先710aのユーザが、インストールが開始された新プログラム712を知っている場合、当該新プログラム712のインストールが適切に開始されていることを確認することになる。この場合、前記送信先710aのユーザがわざわざ複合機100に行って当該インストールの進捗状況を確認する必要が無くなり、安心して他の業務を遂行することが出来る。
【0073】
ところで、前記インストール情報取得手段510は、前記インストール情報を取得し終えると、前記インストール手段506が新プログラム712のインストールを完了したか否かを判定する(図6:S109)。
【0074】
前記インストール手段506による新プログラム712のインストールが完了しない場合(図6:S109NO)、前記インストール情報取得手段510は、当該インストール手段506を監視し(図6:S110)、前記インストール手段506が新プログラム712のインストールを開始してから完了するまで、予め設定された所定のタイミングで、継続してインストール情報を取得する(図6:S107)。
【0075】
前記タイミングは、どのようなタイミングであっても構わないが、例えば、前記インストール手段506が、新プログラム712の全データ量の半分をインストールした場合、前記インストール情報取得手段510が、前記インストール手段506から、新プログラム712のインストールの進捗状況として、新プログラム712の全データ量の半分がインストールされた旨を示す情報(例えば、「インストール50%完了しました。」)等を取得するとともに、新プログラム712の全データ量の半分がインストールされた時点の日時を前記時計手段511から取得し、その旨を前記インストール情報通知手段512に通知する(図6:S107)。当該通知を受けたインストール情報通知手段512は、上述と同様に、新プログラム712の全データ量の半分がインストールされた旨の電子メールを前記送信先710aに通知する(図6:S108)。これにより、前記ユーザは、新プログラム712のインストールの進捗状況を、随時知ることが可能となる。
【0076】
尚、前記インストール情報通知手段512は、新プログラム712のインストールが開始した時点で、既に送信先取得手段509から前記送信先710aの通知を受けており、前記インストール情報通知手段512は、当該送信先710aに基づいて電子メールを送信している。そのため、新プログラム712のインストールが進行するに従い、例えば、旧プログラム708のインストールプログラム710に設定されたユーザの送信先710aが、異なる情報に書き換えられたとしても、前記インストール情報通知手段512は、問題なく、前記送信先710aに、上述したインストールの進捗状況を示す電子メールを送信し続けることが可能となる。
【0077】
さて、前記インストール手段506が新プログラム712のインストールを継続した結果、当該新プログラム712のインストールが完了すると、前記インストール手段506を監視していた前記インストール情報取得手段510は、当該インストール手段506から新プログラム712のインストールが完了した旨を示す情報(例えば、「インストールを完了しました。」)等を取得するとともに、前記時計手段511から当該新プログラム712のインストールが完了した時点の完了日時を取得する(図6:S110→S107)。次に、前記インストール情報通知手段512は、インストール情報取得手段510からのインストール情報を受けて、インストールが完了した旨の完了電子メールを前記送信先710aに通知する(図6:S108)。これにより、前記送信先710aのユーザは、インストールの開始から完了までの進捗状況を把握することが可能となる。
【0078】
ここで、前記新プログラム712のインストールが完了した場合(図6:S109YES)、前記インストール情報取得手段510は、前記インストール手段506の監視を完了する(図6:S111)。
【0079】
一方、前記インストール手段506は、前記表示受付手段503を介してインストール完了画面を表示する(図6:S112)。
【0080】
インストール完了画面807には、図8(B)に示すように、新プログラム712のインストールが完了した旨のメッセージ808と、旧プログラム708の識別情報809(名称「ABC」)、旧プログラム708のバージョン情報810(「1.0」)、新プログラム712の識別情報811(名称「ABD」)と、新プログラム712のバージョン情報812(「2.0」)と、OKキー813とが表示される。これにより、新プログラム712のインストールを実行したユーザは、新プログラム712のインストールの完了を認知する。
【0081】
例えば、新プログラム712のインストールを実行したユーザが、OKキー813を選択すると、前記表示受付手段503が当該OKキー813の選択を受け付けて、初期画面であるコピー機能画面をタッチパネル301上に表示し、ユーザからコピー機能に関連する設定入力を受け付けることになる。
【0082】
ところで、S103において、新プログラム712のインストールを実行しようとするユーザが、前記インストール画面700を見ながら、前記キャンセルキー707を選択すると、前記表示受付手段503が当該キャンセルキー707の選択を受け付けて、前記コピー機能画面をタッチパネル301上に表示することになる。
【0083】
このように、複合機100のプログラム記憶手段507に予め記憶された旧プログラム708に新プログラム712がインストールされる際に、当該新プログラム712のインストールの開始を検知するインストール検知手段508と、前記インストールの開始が検知されると、前記旧プログラム708に予め設定されたユーザの送信先710aを取得する送信先取得手段509と、前記新プログラム712のインストールの進捗状況に対応して、当該進捗状況に関連するインストール情報を取得するインストール情報取得手段510と、取得されたインストール情報に基づいて新プログラム712のインストールの進捗状況を、取得されたユーザの送信先710aの端末装置120Cに通知するインストール情報通知手段512とを備える。
【0084】
これにより、新プログラム712がインストールされる際に、旧プログラム708に設定された所定のユーザ、例えば、複合機100の管理者は、当該インストールの進捗状況を容易に認知することが可能となる。そのため、仮に、改ざんされた新プログラム712が悪意者によりインストールされた場合、前記複合機100の管理者は即時に不審なプログラムのインストールに気が付き、例えば、当該複合機100に近寄って悪意者によるインストールを中断させることが可能となる。一方、インストールされた新プログラム712が正式にインストールを許諾された新プログラム712である場合、前記複合機100の管理者は、当該インストールの進捗状況を随時把握することが出来るため、例えば、当該複合機100まで行ってインストールの進捗状況を確認する等の手間を省くことが可能となる。
【0085】
又、正式にインストールを許諾された新プログラムである場合、当該新プログラムのインストールに気が付いた管理者は、自己のグループに属する所員や複合機100を使用する所員に、当該新プログラムのインストールをアナウンスしたり、当該新プログラムの使用方法を告知したりすることが可能となる。
【0086】
尚、本発明の実施形態では、新プログラムを記憶している記憶媒体138を、接続部139に接続することにより、前記インストール手段506が新プログラムを複合機100にインストールする構成としたが、他の構成でも構わない。例えば、ネットワーク120Fを介して複合機100に接続された所定の端末装置から、新プログラムを複合機100に送信し、送信された新プログラムに基づいて前記インストール手段506がインストールするよう構成しても構わない。
【0087】
又、本発明の実施形態では、インストール情報取得手段510が、新プログラムのインストールが開始された時点と、新プログラムの全データ量の半分がインストールされた時点と、新プログラムのインストールが完了した時点とで、それぞれに対応するインストール情報を取得するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、旧プログラムのインストールデータが新プログラムのインストールデータに書き換えられた時点、旧プログラムのインストールプログラムが新プログラムのインストールプログラムに書き換えられた時点、旧プログラムの復号鍵が新プログラムの復号鍵に書き換えられた時点などで、インストール情報を取得するよう構成してもよい。
【0088】
又、本発明の実施形態では、予め設定されたユーザの送信先の端末装置にインストール情報を確実に通知するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、新プログラムをインストールする実行者が、予め設定されたユーザである場合、上述した通知が煩わしくなる可能性がある。そのような場合、例えば、前記表示受付手段503が、前記インストール画面700を介して、ユーザの送信先を受け付け、受け付けたユーザの送信先をインストール情報通知手段512に通知する。当該通知を受けたインストール情報通知手段512は、インストール情報を通知する際に、前記表示受付手段503から受け付けた送信先と、前記送信先取得手段509から受け付けた送信先とが一致する場合、当該インストール情報を通知しない構成としても構わない。
【0089】
又、本発明の実施形態では、更に、送信先の端末装置からインストールを中止する旨の通知を受けると、当該新プログラムのインストールを中止する中止手段を設けても構わない。当該構成とすると、仮に、改ざんされた新プログラムが悪意者によりインストールされた場合、送信先のユーザに対応する管理者は、当該インストールを中止する旨の通知をインストール通知部142の前記中止手段に送信すれば、改ざんされた新プログラムのインストールを中止することが可能となる。
【0090】
又、本発明の実施形態では、インストール情報取得手段510が取得するインストール情報は、新プログラムのインストールの進捗状況を示す情報と、旧プログラムの識別情報と、バージョン情報と、新プログラムの識別情報と、バージョン情報と、日時とであったが、他の情報を含んでも構わない。
【0091】
又、本発明の実施形態では、インストール情報通知手段512が、電子メールを用いて新プログラムのインストールの進捗状況を通知する構成を採用したが、他の構成でも構わない。例えば、送信先が、ファクシミリ送信番号である場合は、ファクシミリを用いて前記通知をする構成としても構わない。
【0092】
又、本発明の実施形態では、インストール通知部142を複合機100に適用した場合について説明したが、インストール通知部142を備えた各種画像形成装置、各種電子装置、各種測定装置等に適用しても、同一の作用効果を奏する。
【0093】
又、本発明の実施形態では、インストール通知部142が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムをインストール通知部142又は複合機100に読み出させ、そのインストール通知部142又は複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上のように、本発明に係るインストール通知装置及びインストール通知方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、新たなプログラムが電子機器の記録媒体にインストールされる際にその旨を所定のユーザに通知することが可能なインストール通知装置及びインストール通知方法として有効である。
【符号の説明】
【0095】
100 複合機
142 インストール通知部
501 制御手段
502 画像形成手段
503 表示受付手段
504 接続手段
505 新プログラム記憶手段
506 インストール手段
507 プログラム記憶手段
508 インストール検知手段
509 送信先取得手段
510 インストール情報取得手段
511 時計手段
512 インストール情報通知手段
513 通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して端末装置に接続された電子機器のインストール通知装置において、
前記電子機器の記録媒体に予め記憶された旧プログラムに新プログラムがインストールされる際に、当該新プログラムのインストールの開始を検知するインストール検知手段と、
前記インストールの開始が検知されると、前記旧プログラムに予め設定されたユーザの送信先を取得する送信先取得手段と、
前記新プログラムのインストールの進捗状況に対応して、当該進捗状況に関連するインストール情報を取得するインストール情報取得手段と、
取得されたインストール情報に基づいて新プログラムのインストールの進捗状況を、取得されたユーザの送信先の端末装置に通知するインストール情報通知手段と
を備えることを特徴とする電子機器のインストール通知装置。
【請求項2】
前記インストール情報取得手段は、少なくとも新プログラムのインストールが開始した時点と、新プログラムのインストールが完了した時点とで、前記インストール情報を取得する
請求項1に記載の電子機器のインストール通知装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のインストール通知装置を備えた画像形成装置。
【請求項4】
ネットワークを介して端末装置に接続された電子機器のインストール通知方法において、
前記電子機器の記録媒体に予め記憶された旧プログラムに新プログラムがインストールされる際に、当該新プログラムのインストールの開始を検知するインストール検知ステップと、
前記インストールの開始が検知されると、前記旧プログラムに予め設定されたユーザの送信先を取得する送信先取得ステップと、
前記新プログラムのインストールの進捗状況に対応して、当該進捗状況に関連するインストール情報を取得するインストール情報取得ステップと、
取得されたインストール情報に基づいて新プログラムのインストールの進捗状況を、取得されたユーザの送信先の端末装置に通知するインストール情報通知ステップと
を含むことを特徴とする電子機器のインストール通知方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器のインストール通知方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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