説明

インソール

【課題】多数の突起を備え履物に敷くインソールであって、使用者の足裏に合った最適の刺激を与えるものを提供する。
【解決手段】第1発明のインソール21は、複数の突起32を備える特定の部位51、52、53、54を交換可能なブロック41、42、43、44に形成する。また、各ブロックの高さを変更可能とする。第2発明のインソール22は、特定の部位51、52、53、54にある突起34を交換可能に形成する。また、突起34の高さを調整可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は履物内に敷いて用いるインソールに関し、特に、上面に備える突起が足裏のツボを圧迫して血行を促進するインソールに関する。
【背景技術】
【0002】
使用者の足裏を押圧する突起を備える履物は、例えば特許文献1に記載されている。また、特許文献2には、図8に示すような履物110が記載されており、この履物110は、アウトソール111、アウトソール111の上面に設けられるインソール120、及びアウトソールの上方前方部に形成されるアッパーソール112で構成されている。
【0003】
インソール120は、合成樹脂で作られた基材131と、基材131の上面に一体に形成された多数の突起132とで構成されている。図9に示すように、それぞれの突起132は、中空部141を備えることによりエアクッションが形成されている。また、突起132の表面には複数の副突起142を備えることにより、足裏を細かく刺激するようになっている。
【0004】
また、基材131の下面には突出する複数の付着突起143が形成されると共に、アウトソール111の上面には収容孔144が形成され、付着突起143を収容孔144に挿入することにより、インソール120がアウトソール111に結合されるようになっている。
【0005】
このように突起を備える履物は、足裏の土踏まず等に対して刺激を加えることにより指圧効果を与え、血液の循環やリンパ液の流れを促進する作用があると言われている。そして、日常生活の中でこのような刺激を与えることができれば、内臓や全身の筋肉等に作用して疲労回復や健康増進に機能すると言われている。
【0006】
しかしながら、使用者の足裏の形状や大きさには個人によって大きな差があり、また、使用者が希望する足裏の部位や刺激の強さについても個人差が大きい。したがって、従来の履物又はインソールを使用する限り、一人一人に最適な状態で足裏の部位に刺激を与えることができない。
【特許文献1】特開2004−65818号公報
【特許文献2】特表2004−526527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、履物内に敷くインソールであって、上面に足裏を押圧する多数の突起を備えると共に、使用者自身が突起の高さや大きさを簡単に調節することができるインソールを提供することにある。そして、使用者自身が、自分の足裏の各部位に最適な刺激を会得することにより、疲労回復や健康増進の機能を最大に導き出すことが可能なインソールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係るインソールは、履物内に敷くインソールであって、上面に足裏を押圧する多数の突起を備えると共に、複数の突起を備える特定の部位が交換可能なブロックに形成されている手段を採用している。また、本発明の請求項2に係るインソールは、請求項1に記載のインソールであって、前記ブロックが、その高さを変更可能である手段を採用している。
【0009】
また、本発明の請求項3に係るインソールは、履物内に敷くインソールであって、上面に足裏を押圧する多数の突起を備えると共に、特定の部位にある複数の突起が交換可能に形成されている手段を採用している。また、本発明の請求項4に係るインソールは、請求項3に記載のインソールであって、前記特定の部位にある突起が、その高さを変更可能である手段を採用している。
【0010】
また、本発明の請求項5に係るインソールは、請求項1乃至4の何れかに記載のインソールにおいて、前記特定の部位が、土踏まずである手段を採用している。また、本発明の請求項6に係るインソールは、請求項1乃至5に記載のインソールにおいて、前記特定の部位が、複数設けられている手段を採用している。
【0011】
また、本発明の請求項7に係るインソールは、請求項1乃至6の何れかに記載のインソールにおいて、前記突起が、天然ゴムを素材とするものである手段を採用している。また、本発明の請求項8に係るインソールは、請求項1乃至7の何れかに記載のインソールにおいて、前記履物がサンダルである手段を採用している。
【発明の効果】
【0012】
本発明のインソールは、上記の手段を採用することにより、前述の課題を解決することができる。すなわち、第1の発明に係るインソールは、上面に足裏を押圧する多数の突起を備えると共に、特定の部位のブロックを交換することができる。そして、突起の高さや、形状、数量等が異なる複数のブロックを用意することができる。または、ブロックの高さを自由に変更することができる。したがって、使用者自身が、自分の足裏の形状に合わせて購入することができる。また、複数のブロックを購入して、その時々の希望に合わせて自分で交換して使用することができる。或いはブロックの高さを調整することができる。
【0013】
また、第2の発明に係るインソールは、上面に足裏を押圧する多数の突起を備えると共に、特定の部位にある複数の突起を交換することができる。そして、高さや形状が異なる複数の突起を用意することができる。または、特定部位にある突起の高さを変更することができる。したがって、使用者自身が、自分の足裏の形状に合わせて購入することができる。また、予備の突起を購入して、その時々の希望に合わせて自分で交換して使用することができる。或いは突起の高さを調整することができる。
【0014】
使用者は、インソールのブロックを交換したりブロックの高さを調整したりすることにより、或いは突起を交換して使用したり突起の高さを調整したりすることにより、自分の足裏の各部位に最適な刺激を得ることができる。そして、使用者自身が最適な機能を導き出すことにより、疲労回復や健康増進に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図1〜図7に示す実施例により説明するが、これらの図は本願発明を何ら限定するものではない。本発明のインソール21、22は、図1に示すように、サンダル等の履物10内に敷いて使用されるものである。履物10としては、サンダルの他、普通の靴やスリッパ等も含まれる。この履物10には、底部を形成するアウトソール11と、アウトソール11の内側に敷いて使用されるインソール21、22と、帯部となるアッパーソール12を備えている。
【0016】
履物10は、図2に示すように、インソール21、22の装着と脱着が容易であり、また、着用時のフィット感を調節できるものが好ましい。このため、アッパーソール12が2つの部材からなり、面テープ等によって分離と結合が自由にできるものが好ましい。このような形態とすることにより、使用者自身が、自由にインソール21、22の調整を行うことができる。
【0017】
本発明のインソール21、22は、図3に示すように基材31の表面に多数の突起32を備えたものを基本要件としている。基材31と突起32は、同一の材質で一体に形成することが経済的である。また、材質としては、軟質の合成樹脂又は合成樹脂が経済的であるが、マッサージ効果は天然ゴムが優れている。
【0018】
第1の発明に係るインソール21の実施形態を図4及び図5に示す。インソール21は、複数の突起32を備える特定の部位が、交換可能なブロックに形成されていることを特徴としている。インソール21では、特定の部位51、52、53、54に対応して、ブロック41、42、43、44を備えている。
【0019】
足裏には、体の各部に影響を及ぼすツボが集中しており、特定の部位は、その中でも特に重要なツボから選択されることが好ましい。部位51は、土踏まずと言われる足の内側の部位であり、すい臓、胃、十二指腸、膀胱等のツボとなっている。また、部位52は爪先の部位であり、頭部や脳下垂体等のツボとなっている。また、部位53は踵の部位であり、生殖腺のツボとなっている。また、部位54は足の外側の部位であり、心臓、肝臓、胆嚢、脾臓等のツボとなっている。
【0020】
図5に示すように、他の部位と同様に、各ブロック41〜44も基材31と突起32で構成されてはいるが、夫々インソール21からの取り外しが可能となっている。そして、一つの部位に対して、夫々突起32の高さや、形状、数量等が異なる複数のブロックが用意され、その中から適宜選択して使用することができるようになっている。
【0021】
また、各ブロック41〜44は、その底に布等を敷くことによりその高さを変更することができる。或いは、基材31の材質等で各ブロック41〜44と同断面の薄い敷物を作ることができる。すなわち、各ブロック41〜44を交換することなく、その高さを変更することができる。
【0022】
したがって、使用者は、インソール21を購入する際に、自分の足裏の形状に合わせて最適なブロック41〜44を選定して購入することができる。また、一つの部位に対して、複数のブロックを購入しておき、使用する時々の希望に合わせて自分で交換して使用することができる。或いは、ブロック41〜44の高さを調整することができる。
【0023】
次に、第2の発明に係るインソール22の実施形態を図6及び図7に示す。インソール22は、特定の部位にある複数の突起34が、交換可能に形成されていることを特徴としている。インソール22では、4つの部位51、52、53、54(突起34に斜線を付して示している)を備えている。
【0024】
足裏には、体の各部に影響を及ぼすツボが集中しており、特定の部位は、その中でも特に重要なツボから選択されることが好ましい。部位51は、土踏まずと言われる足の内側の部位であり、すい臓、胃、十二指腸、膀胱等のツボとなっている。また、部位52は爪先の部位であり、頭部や脳下垂体等のツボとなっている。また、部位53は踵の部位であり、生殖腺のツボとなっている。また、部位54は足の外側の部位であり、心臓、肝臓、胆嚢、脾臓等のツボとなっている。
【0025】
図7に示すように、特定の部位51〜54も基材31と突起34で構成されているが、各突起34が取付孔33に差し込まれており、交換可能な状態に形成されている。そして、一つの部位に対して、夫々の高さや形状等が異なる複数の突起34が用意されており、その中から適宜選択して使用することができるようになっている。
【0026】
また、各突起34は、その底に布等を敷くことによりその高さを変更することができる。或いは、基材31の材質等で各突起34と同断面の薄い敷物を用意することができる。すなわち、各突起34を交換することなく、その高さを変更することができる。
【0027】
したがって、使用者は、インソール22を購入する際に、自分の足裏の形状に合わせて最適な突起32、34の配列となるように、突起34を調整して購入することができる。また、種々の形状の突起34を購入しておき、使用する時々の希望に合わせて自分で交換して使用することができる。或いは、突起34の高さを調整することができる。
【0028】
使用者は、インソール21のブロック41〜44を交換して使用することにより、またはブロック41〜44の高さを調整することにより、或いはインソール22の突起34を交換して使用することにより、または突起34の高さを調整することにより、自分の足裏の各部位に最適な刺激を得ることができる。そして、使用者自身が最適な機能を導き出すことにより、疲労回復や健康増進に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のインソールを備える履物の概略斜視図である。
【図2】図1の履物においてインソールの着脱を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のインソールを示す概略平面図である。
【図4】第1の発明に係るインソールを示す概略平面図である。
【図5】図4に示すインソールの特定部位を示す概略断面図である。
【図6】第2の発明に係るインソールを示す概略平面図である。
【図7】図6に示すインソールの特定部位を示す概略断面図である。
【図8】突起を備える履物の従来の例を示す概略斜視図である。
【図9】図8に示す履物の突起を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0030】
10、110 履物
11、111 アウトソール
12、112 アッパーソール
21、22、120 インソール
31、131 基材
32、34、132 突起
33 取付孔
41、42、43、44 ブロック
51、52、53、54 部位
141 中空部
142 副突起
143 付着突起
144 収容孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物内に敷くインソールであって、
上面に足裏を押圧する多数の突起を備えると共に、複数の突起を備える特定の部位が交換可能なブロックに形成されていることを特徴とするインソール。
【請求項2】
前記ブロックが、その高さを変更可能である請求項1に記載のインソール。
【請求項3】
履物内に敷くインソールであって、
上面に足裏を押圧する多数の突起を備えると共に、特定の部位にある複数の突起が交換可能に形成されていることを特徴とするインソール。
【請求項4】
前記特定の部位にある突起が、その高さを変更可能である請求項3に記載のインソール。
【請求項5】
前記特定の部位が、土踏まずである請求項1乃至4の何れかに記載のインソール。
【請求項6】
前記特定の部位が、複数設けられている請求項1乃至5の何れかに記載のインソール。
【請求項7】
前記突起が、天然ゴムを素材とするものである請求項1乃至6の何れかに記載のインソール。
【請求項8】
前記履物が、サンダルである請求項1乃至7の何れかに記載のインソール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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