説明

インターネットによる商品流通管理方法

【課題】インターネットによる商品流通管理方法を提供する。
【解決手段】システムが処理待ちの10進数13桁の第1組及び第2組のデータを取得する。第1組及び第2組のデータが規定原則に符合するか否かを判断する。商用暗号アルゴリズムによる暗号化演算により、規定原則に符合する第1組及び第2組のデータから第3組のデータを生成する。第1組、第2組及び第3組のデータを1つの商品に対応させる。第1組、第2組及び第3組のデータを3行に分割し、対応する商品上に印刷する。当該商品に対応する6桁の追跡コードを付与する。ウェブページに追跡コードを表示する。ウェブページに第1組のデータ、第2組のデータなどの情報を表示し、入力ウィンドウから第3組のデータを入力すると、システムが暗号化逆演算及びチェック演算を行い、認証コードが0又は1であると表示し、正確な情報であるか否かを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ及び商用暗号技術を商品の安全管理に応用する技術に関し、特に、コンピュータソフトウェア及びコンピュータハードウェアを介し、単一商品の識別、認証、追跡及び回収を行うことにより、商品の信頼性を保証するインターネットによる商品流通管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会が発展するに従い、特許文献1の偽造防止検索システム及び特許文献2の組合式偽造防止コード及びその方法など、多くの商品の偽造防止技術が開発され、応用されている。コンピュータ技術及び情報技術が発展するに従い、暗号技術の発展も急速に進み、応用範囲も拡大され続けている。また、社会化及び個性化の趨勢が世界中で進んでいる。例えば、暗号技術が付加価値税のインボイスに応用されることにより、偽造及び改ざんが防止され、付加価値税のインボイスを利用したドッジング、脱税、詐欺などの不正行為が根絶されたため、税務監査の際の利便性が高められた。
【0003】
1999年10月7日、中国国務院は、商用暗号管理条例を施行した。
【0004】
2006年1月、中国国家暗号管理局は、ハッシュアルゴリズム(SHA−256)及び乱数生成アルゴリズム(単独選択)を批准した。
【0005】
2009年6月1日、食品安全法を施行し、生産メーカに商品追跡回収システム及びインボイス記録制度を構築するよう要求した。
【0006】
OCR(Optical Character Recognition)技術は、入力速度が速く、信頼性が高く、収集データ量が多く、融通性が高く、実用性が高いため、すでに広く応用されている。
【0007】
コンピュータネットワーク技術は、益々成熟しており、生産メーカと消費者との距離が近くなり、直接販売方式が人気があるが、インターネット販売される商品が偽造品でないことを保証するのは難しい。
【0008】
EANコード(13桁)は、流通業界における商品識別コードの世界規格である。EANコード(13桁)と商品とは、1対複数の関係であるため、メーカが流通中の商品を管理することは困難であり、流通秩序の混乱を引き起こしている。また、EANコード(13桁)は、偽造しやすいため、消費者に多くの不便をもたらしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許出願第200410058004.1号
【特許文献2】中国特許出願第200410066857.X号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、コンピュータネットワーク技術及び暗号技術を利用することにより、メーカと消費者と管理機構との間における各商品の識別、認証、追跡及び回収に関わる技術的問題を解決することができ、流通秩序を標準化するものであり、消費者が商品を複数回検索し、商品の真偽を検証することができることにより、従来の偽造防止技術の問題を解決でき、消費者の権益を保護することができるインターネットによる商品流通管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明のインターネットによる商品流通管理方法は、以下(1)〜(8)のステップを含む。
【0012】
(1)コンピュータシステムが処理待ちの各10進数13桁の第1組のデータ及び第2組の2組のデータを取得するステップ。
【0013】
(2)コンピュータシステムが第1組のデータがEANコード(13桁)の符号化原則に符合するか否か、第2組のデータが商品フロー番号の符号化原則に符合するか否かを判断し、符合する場合、次のステップに進み、符合しない場合、エラー表示を行うステップ。
【0014】
(3)コンピュータシステムが商用暗号アルゴリズムによる暗号化演算により、上述のEANコード(13桁)の符号化原則に符合する第1組のデータと、商品フロー番号の符号化原則に符合する第2組のデータとから、1組の10進数13桁の検証コードデータ(第3組のデータ)を生成し、3組のデータをそれぞれ保存するステップ。
【0015】
(4)第1組のデータ、第2組のデータ及び第3組のデータを1つの商品に対応させるステップ。
【0016】
(5)コンピュータシステムが第1組のデータ、第2組のデータ及び第3組のデータを3行に分割し、機械での識別に用いるために、対応する商品上に印刷するステップ。
【0017】
(6)コンピュータシステムが商品の流通先に基づき、商品に対応する6桁の郵便番号を付与し、郵便番号(即ち、追跡コード)を記録し、商品の流通先を示すステップ。
【0018】
(7)コンピュータシステムがウェブページを介し、追跡コードを表示するステップ。
【0019】
(8)コンピュータシステムがウェブページを介し、第1組のデータ、第2組のデータ、追跡コード、認証コード、生産日、出荷日及び有効期限を表示すると共に、表示ウィンドウと、ユーザが入力を行う入力ウィンドウと、を設け、ユーザが入力ウィンドウから第3組のデータを入力すると、コンピュータシステムが入力されたデータと、コンピュータ中に保存された第1組のデータ及び第2組のデータと、の暗号化逆演算を行った後、チェック演算を行って認証コードを取得し、表示ウィンドウの認証コードが0と表示された場合、正確な情報であることを示し、そうでない場合、表示ウィンドウの認証コードを1と表示し、間違った情報であることを示すステップ。
【0020】
本発明のインターネットによる商品流通管理方法は、以下のステップをさらに含む。商品を販売する際、販売者が対応する各商品に10進数6桁の乱数(即ち、財産権コード)を付与し、コンピュータシステムが財産権コードをメモリ中に保存し、ユーザが当該商品を購入した際、財産権コードを取得し、ユーザが表示ウィンドウに当該財産権コードを入力した際、表示ウィンドウに財産権コードが正確であることが表示された場合、販売者が当該商品の販売権を有することを示し、表示ウィンドウに財産権コードが正確であることが表示された後、コンピュータシステムが当該財産権コードを修正するか否かを表示し、ユーザが表示ウィンドウに新しい財産権コードを入力した場合、コンピュータシステムがメモリ中に保存された財産権コードを更新するステップ。
【0021】
商品がインターネットで販売される場合、本発明のインターネットによる商品流通管理方法は、以下(1)及び(2)のステップをさらに含む。
【0022】
(1)コンピュータシステム中に商品に対応する第1組のデータ及び第2組のデータを保存し、ウェブページに第1組のデータ及び第2組のデータを表示し、ウェブページには、購入するか否かのマークが表示され、ユーザが商品を購入する場合、選定した商品に対応する第1組のデータ及び第2組のデータをクリックすることができ、クリックすると、支払いウィンドウがポップアップされ、支払い手続きが完了した後、コンピュータシステムが入金の完了を確認し、電子契約書の情報をポップアップし、ユーザが電子契約書への記入を完了すると、コンピュータシステムが電子売買契約書を自動的に生成し、電子契約書の内容情報(ユーザの住所、氏名、連絡方式及び郵便番号を含む)を記録すると同時に、当該購入商品を自動追跡し、商品に対応する10進数6桁の乱数(即ち、財産権コード)を生成するステップ。
【0023】
(2)コンピュータシステムが契約情報内容中の郵便番号(即ち、追跡コード)に基づき、商品の配送先を確認し、商品を物流システムに進入させ、購入者に届ける。
【発明の効果】
【0024】
本発明のインターネットによる商品流通管理方法は、明示された部分及び暗号化された部分を有し、生産者、販売者、消費者及び管理者それぞれに対し、商品の生産、販売、消費者による購入、管理部門による管理から、商品の回収までを一目瞭然に示すことができるため、偽造を困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】EANコード(13桁)(即ち、第1組のデータ)を示す。第1組のデータは、10進数13桁の数字からなり、EANコード(13桁)の符号化原則に符合する。
【図2】商品のフロー番号コード(即ち、第2組のデータ)を示す。第2組のデータは、10進数13桁の数字からなり、フロー番号の符号化原則に符合する。
【図3】商品の検証コード(即ち、第3組のデータ)を示す。第3組のデータは、10進数13桁の数字からなり、商用暗号アルゴリズムによる暗号化によって生成される。
【図4】商品の追跡コードである。追跡コードは、10進数6桁の数字からなり、郵便番号の符号化原則に符合する。
【図5】商品の財産権コードである。財産権コードは、10進数6桁の数字からなり、コンピュータシステムによってランダムに生成されるか、消費者によって入力される乱数である。
【図6】CN39コードとEANコード(13桁)のバーコードとの対照図である。
【図7】CN39コードの製造方法を示す流れ図である。
【図8】CN39コードの識別方法を示す流れ図である。
【図9】CN39コードの対比方法を示す流れ図である。
【図10】CN39コードのデータフローを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明のインターネットによる商品流通管理方法中、第1組のデータの符号化原則は、EANコード(13桁)の符号化原則である。第2組のデータの符号化原則(即ち、商品フロー番号の符号化原則)は、第1桁〜第4桁の4桁が年コードであり、第5桁〜第6桁の2桁が月コードであり、第7桁〜第8桁の2桁が日コードであり、第9桁〜第13桁の5桁が商品フロー番号コードである。
【0027】
第1組のデータ及び第2組のデータが商用暗号アルゴリズムによって暗号化演算されることにより、10進数13桁の第3組のデータ(即ち、検証コード)が取得される。
【0028】
本発明のインターネットによる商品流通管理方法中、検証コードが取得された後、商用暗号アルゴリズムによって暗号解読演算を行うことにより、10進数13桁の第1組及び第2組の2組のデータが取得される。その後、チェック演算により、認証コードデータが取得される。
【0029】
本発明のインターネットによる商品流通管理方法中、第1組、第2組及び第3組のデータは、それぞれ、下部、中部及び上部の3行に分割され、バーコード及び数字によって商品上に印刷される。この3行は、CN39コードと定義する。
【0030】
本発明は、EANコード(13桁)にフロー番号コード及び検証コードを加えたものである。EANコード(13桁)は、世界中において1つの商品の種類を識別する。フロー番号コードは、ある種の商品中の1つの商品を識別する。検証コードは、商用暗号アルゴリズムにより、EANコード(13桁)及びフロー番号コードを暗号化することによって生成される。検証コードが取得された後、商用暗号アルゴリズムによる暗号解読により、EANコード(13桁)及びフロー番号コードが取得され、検証が完了する。CN39コードは、世界中において1つの商品を識別し、1つの商品のCN39コードが予測される可能性は、10兆分の1であるため、CN39コードが商品を識別する誤差は、10兆分の1である。
【0031】
一.EANコード(13桁)
【0032】
中国は、現在、EAN(European Article Number)の会員である。EANは、商品番号センターによって管理されており、各メーカは、申請して使用することができる。EANコードは、13桁及び8桁に分けられ、13桁は、一般の商品上に使用され、8桁は、体積が特に小さい商品上に使用される。
【0033】
(一)EANコード(13桁)の暗号化原則:
第1桁〜第3桁は、国コードである。
第4桁〜第7桁は、メーカコードである。
第8桁〜第12桁は、商品コードである。
第13桁は、チェックデジットである。
【0034】
前3桁は、国際的に統一されて分配されており、中国は、690〜695である。
【0035】
690又は691から始まる場合、第4桁〜第7桁は、メーカコードであり、第8桁〜第12桁は、商品コードである。
【0036】
692〜695から始まる場合、第4桁〜第8桁は、メーカコードであり、第9桁〜第12桁は、商品コードである。
【0037】
最後の1桁は、チェックデジットである。
【0038】
(二)図書類のコード:
1.EANコード(13桁):
第1桁〜第3桁は、図書類コード978である。
第4桁〜第12桁は、ISBNコードの前9桁である。
第13桁は、チェックデジットである。
2.ISBNコード:
第1桁〜第3桁は、地区コードである。
第4桁〜第5桁は、出版機構のコードである。
第6桁〜第9桁は、出版品のコードである。
第10桁は、チェックデジットである。
3.ISBNコードとEANコード(13桁)との対応関係:
978+ISBNの前9桁+EANチェックデジット
【0039】
(三)定期刊行物類のコード:
1.EANコード(13桁):
第1桁〜第3桁は、定期刊行物類コード977である。
第4桁〜第10桁は、IASNコードの前7桁のコードである。
第11桁〜第12桁は、00である。
第13桁は、チェックデジットである。
2.ISSNコード:
第1桁〜第7桁は、定期刊行物の国際標準シリアル番号である。
第8桁は、チェックデジットである。
3.ISSNコードとEANコード(13桁)との対応関係:
977+ISSNの前7桁+00+EANチェックデジット
(International Standard Serial Number)
【0040】
(四)EANコード(8桁)とEANコード(13桁)との関係:
1.EANコード(8桁)の暗号化原則:
第1桁〜第3桁は、国コードである。
第4桁〜第7桁は、メーカコードである。
第8桁は、チェックデジットである。
2.EANコード(8桁)をEANコード(13桁)に変換:
留保:第1桁〜第3桁の国コード
第4桁〜第7桁のメーカコード
増加:第8桁〜第12桁に00000
第13桁は、EANコード(13桁)のチェックデジットである。
3.EANコード(8桁)とEANコード(13桁)との関係:
EANコード(8桁)の前7桁+00000+EANコード(13桁)のチェックデジット
【0041】
(五)EANコード(13桁)とUPCコードとの関係:
米国及びカナダに商品を導入する際、UPCコードを申請する必要があり、EANコード(13桁)とUPCコードとは、互換性がある。
【0042】
二.フロー番号コード
【0043】
1.当該商品の1日の生産量が10万件未満の場合:
第1桁〜第4桁の4桁は、年コードである(例えば、2009年)。
第5桁〜第6桁の2桁は、月コードである(例えば、06月)。
第7桁〜第8桁の2桁は、日コードである(例えば、01日)。
第9桁〜第13桁の5桁は、商品フロー番号コードである(例えば、00000−99999)。
【0044】
2.当該商品の1日の生産量が100万件未満の場合
第1桁〜第3桁の3桁は、年コードである(例えば、2009年は009と表示)。
第4桁〜第5桁の2桁は、月コードである(例えば、06月)。
第6桁〜第7桁の2桁は、日コードである(例えば、01日)。
第8桁〜第13桁の6桁は、商品フロー番号コードである(例えば、000000−999999)。
【0045】
3.当該商品の1日の生産量が1000万件未満の場合
第1桁〜第2桁の2桁は、年コードである(例えば、2009年は09と表示)。
第3桁〜第4桁の2桁は、月コードである(例えば、06月)。
第5桁〜第6桁の2桁は、日コードである(例えば、01日)。
第7桁〜第13桁の7桁は、商品フロー番号コードである(例えば、0000000−9999999)。
【0046】
4.当該商品の1日の生産量が10000万件未満の場合
第1桁〜第2桁の2桁は、年コードである(例えば、2009年は09と表示)。
第3桁〜第5桁の3桁は、日コードである(例えば、365日)。
第6桁〜第13桁の8桁は、商品フロー番号コードである(例えば、00000000−99999999)。
【0047】
三.検証コード
【0048】
検証コードは、商用暗号アルゴリズムにより、第1組のEANコード(13桁)及び第2組のフロー番号コードを暗号化して生成された10進数13桁の数字であり、唯一であり、ランダムである。
【0049】
上述の3組のデータがそれぞれ下部、中部及び上部に並べられることにより、CN39コードが取得される。CN39コードは、世界中において1つの商品を識別することができる。また、商用暗号アルゴリズムによる暗号化及び復号化により、真偽を検証することができ、商品識別及び商品鑑別を行うことができる。
【0050】
EANコード(13桁)は、CN39コードのデータキャリアとされる。CN39コードは、3行に分割されて商品上に印刷され、商品識別に用いられる。
【0051】
四.上述のステップによって製造されるCN39コードは、以下に示す長所を有する。
【0052】
CN39コードは、2組の平文及び1組の暗号文から構成され、CN39コードの安全信頼性は、暗号アルゴリズムの機密性及び暗号鍵を基に構築されるため、公開された暗号文は、暗号アルゴリズムの安全性に影響を与えない。即ち、暗号アルゴリズムが解読される可能性は、存在しないと見なされる。
【0053】
CN39コードは、10進数39桁の数字から構成されるため、変化量は、1039である。このため、全ての商品のCN39コードは、唯一であることが保証される。CN39コードは、3組の10進数13桁の数字から構成され、その中で、26桁が平文であり、13桁が検証コード(即ち、暗号文)である。従って、CN39コードが予測される確率は、10兆分の1であり、予測される確率が非常に低い。また、予測されたとしても、他のCN39コードの脅威とはならない。
【0054】
認証センターは、暗号アルゴリズム及び暗号鍵を有し、生産メーカは、CN39コードを有し、消費者は、商品を有し、3者の認証メカニズムが構築される。消費者は、商品上のCN39コードに基づき、生産メーカのウェブページから真偽を検索することができる。一致した場合、生産メーカから当該CN39コードの某時間及び某地点における状態が表示され、消費者は、表示内容に基づき真偽を判断することができる。問題がある場合、商品は、即座に回収される上、当該CN39コードは、廃止される。平文が一致しない場合、メーカによって商品が偽造品であると判断される。検証コードが一致しない場合、認証センターが真偽を判定し、認証コードが一致する一方が本物であり、一致しない他方が偽造品であると判断される。
【0055】
CN39コードは、体積が小さく(3cm×3cm)であり、データ量が多く(1039)、目視可能である。
【0056】
五.CN39コードの応用
【0057】
1.CN39コードは、商品の偽造防止に用いられる暗号技術である。また、メーカ及び消費者が研究開発に投資する必要がない上、特定の装置により、読み込み及び書き込みを行う必要がない。また、環境を汚染することがない上、経済的である。従来の偽造防止措置としては、偽造防止印刷用インク、偽造防止スタンプインク、偽造防止バーコード、偽造防止透かし、偽造防止構造、偽造防止ホログラム、原子核ダブルカード偽造防止などが存在する。これらの措置により、一定の偽造防止が実現されるが、偽造防止標識には、識別、検証などに所定の装置が必要であり、消費者自らが検証を行うことはできない。また、偽造防止標識の不法な使用は、社会に大きな損失を生み出すため、これらの偽造防止措置の有効性及び操作性は、好適に統一できない。
【0058】
2.CN39コードは、企業管理に応用され、メーカの各商品のデジタル管理に、国際標準に符合するデジタルプラットフォームを提供する。CN39コードと商品とは、1つ1つ対応する。生産メーカは、商品追跡システムを構築し、各商品に対して追跡ファイルを構築する。これにより、生産メーカは、各商品の生産及び流通から最終消費者までの全過程を把握し、商品回収に最も正確なデジタル情報を提供し、時間を節約することができる。また、消費者の合法的な権益が保障される。
【0059】
3.生産メーカが商品追跡システム(CN39コード)を構築することにより、税務監査の際の利便性を高めることができる。また、流通過程を減少させ、商品をメーカから消費者に直接届け、流通コストを大幅に低減することができる。
【0060】
4.追跡コードによって商品の流通先が記録されることにより、在庫転送が防止される。
【0061】
5.財産権所有コードによって商品の所有権(即ち、販売権)が記録される。
【0062】
六.商品情報の暗号化及び暗号解読演算システム、商品追跡回収システム、商品検索認証システム及びコンピュータデータ処理センターの構築
【0063】
コンピュータデータ処理センターは、暗号化、暗号解読、符号化、復号化、ネットワーク伝送、データ検索、データ対比などの機能を有する。また、EANコード(13桁)データベース、CN39コードデータベース、商用暗号データベースなどが構築される。商用暗号データベースは、暗号鍵及び商用暗号アルゴリズムの管理に用いられ、暗号鍵及びアルゴリズムの安全が確保される。
【0064】
データ処理センターは、商品のEANコード(13桁)データ及び商品のフロー番号コードデータを収集し、データベースを初期化する。また、商用暗号アルゴリズムによってデータベースのデータを暗号化し、10進数13桁の商品検証コードを生成し、CN39コードに対応するデータベースに保存する。EANバーコード(13桁)を用い、上述の3組のデータを下部、中部及び上部の順番で印刷することにより、CN39コードが取得される。各商品には、1つのCN39コードが用いられる。消費者がコード読み取り装置により、ある商品のCN39コードを読み取り、インターネットを通じてデータ処理センターに伝送すると、データ処理センターは、CN39コードを復号化し、10進数13桁の3組のデータに変換し、商用暗号アルゴリズムによって暗号解読し、当該CN39コードの有効性を検証する。有効の場合、EANコード(13桁)及びフロー番号コード(即ち、商品デジタル認証平文コード)を生成し、当該EANコード(13桁)及びフロー番号コードと、初期データベース中のEANコード(13桁)及びフロー番号コードと、を対比し、対比結果を検索者に提供する。無効の場合、偽造品である。有効の場合、当該商品の某時間及び某地点における状態が表示され、消費者が自身で真偽を判断する。問題がある場合、商品は、即座に回収される上、当該CN39コードが廃止される。
【0065】
商品追跡回収システム:生産メーカは、商品の生産及び流通から消費者までの追跡回収システムを構築し、各商品の追跡ファイルを構築する。
【0066】
商品検索認証システム:ウェブページ上に、商品情報ウィンドウ及び情報入力ウィンドウを表示することにより、消費者にセルフチェック機能及び監督機能を提供し、各種のクレームを受理する。検索認証システムは、固定電話、インターネット、POSシステム、移動電話などの複数の検索方式を提供する。検索認証システムは、操作が簡単であり、使用が便利であるため、迅速に検索を行うことができる。これにより、消費者は、自ら検証を行うことができる上、複数回検証を行うことができる。
【0067】
図面及び実施方法により、本発明の詳細な説明を行う。
【0068】
1.暗号アルゴリズムの申請:
中国の商用暗号管理条例の規定に基づき、例えば、ハッシュアルゴリズム、乱数生成アルゴリズムなどの必要な商用暗号アルゴリズムの審査及び承認が行われる。
【0069】
2.CN39コード及びEANバーコード(13桁)(図6参照):
CN39コードは、EANコード(13桁)、フロー番号コード及び検証コードから構成され、上部、中部及び下部の3組のデータから構成される。
【0070】
3.CN39コードの製造(図7参照):
(1)初期化:データ処理センターが商品のEANコード(13桁)、フロー番号コードを収集し、データベースを初期化する。
(2)暗号化:暗号アルゴリズムにより、当該データベースのデータを暗号化し、10進数13桁の商品検証コードを生成し、対応する暗号データベースに保存する。
(3)符号化:商品のEANコード(13桁)、フロー番号コード及び検証コードを3組の10進数13桁の数字に分割し、CN39コードデータベースに保存する。
(4)コードの印刷:EANバーコード(13桁)をCN39コードのデータキャリアとし、下部、中部及び上部の順にバーコード及びデータ(即ち、CN39コード)を印刷する。
【0071】
4.CN39コードの識別(図8参照)
(1)コードの読み取り:消費者がコード読み取り装置により、CN39コードを読み取り、インターネットを通じてデータ処理センターに伝送する。
(2)復号化:データ処理センターがCN39コードを復号化し、3組の10進数13桁の数字に変換し、検証コードを暗号データベースに保存する。
(3)暗号解読:データ処理センターが商用暗号アルゴリズムを用いて検証コードの暗号解読を行い、2組の10進数13桁の数字(即ち、デジタル認証平文コード)を生成する。
【0072】
5.CN39コードの対比(図9参照)
(1)データ処理センターが当該商品のデジタル認証平文コードと、初期データベース中の当該商品のEANコード(13桁)及びフロー番号コードと、を対比する。
(2)対比結果をフィードバックし、一致する場合、当該商品の某時間及び某地点における状態を表示し、一致しない場合、当該商品が偽造品であるなどのエラー情報を表示する。
【0073】
6.CN39コードのデータフロー図(図10参照):
(1)データ処理センターを構築する。データ処理センターは、暗号化、暗号解読、符号化、復号化、インターネット伝送、データ検索、データ対比などの機能を有する。
(2)データ処理センターが収集する商品のEANコード(13桁)及びフロー番号コードは、2組の10進数13桁のデータであり、暗号化により、1組の13桁のデータを生成する。3組のデータをCN39コードデータベースに保存し、コンピュータがCN39コードを商品に印刷する。CN39コードは、商品の通流と共に流通する。検索者がCN39コードの10進数の数字データを読み取るか、或いは、CN39コードのEANバーコードデータ(13桁)を読み取り、データをデータ処理センターに伝送すると、商品の検証コードの暗号解読が行われ、商品のEANコード(13桁)及びフロー番号コードの2組の10進数の数字データが生成され、デジタル認証平文コードデータベースに保存される。また、デジタル認証平文コードデータベースと初期化データベースとが対比され、対比結果が検索者にフィードバックされる。
(3)商品追跡回収システムが各商品の生産及び流通から消費者までの全過程を記録し、問題のある商品を即座に回収する上、当該CN39コードを廃止する。また、追跡コードによって商品の流通先が記録されることにより、在庫転送が防止される。
(4)商品検索認証システムがインターネット上にすべての商品の関連情報を公開し、消費者にセルフチェック機能及び監督機能を提供し、各種のクレームを受理する上、関連部門にクレーム情報をフィードバックする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムが処理待ちの各10進数13桁の第1組のデータ及び第2組のデータの2組のデータを取得するステップと、
前記コンピュータシステムが前記第1組のデータがEANコード(13桁)の符号化原則に符合するか否か、前記第2組のデータが商品フロー番号の符号化原則に符合するか否かを判断し、符合する場合、次のステップに進み、符合しない場合、エラー表示を行うステップと、
前記コンピュータシステムが商用暗号アルゴリズムによる暗号化演算により、前記EANコード(13桁)の符号化原則に符合する第1組のデータと、前記商品フロー番号の符号化原則に符合する第2組のデータとから、1組の10進数13桁の検証コードデータ(即ち、第3組のデータ)を生成し、前記3組のデータをそれぞれ保存するステップと、
前記第1組のデータ、前記第2組のデータ及び前記第3組のデータを1つの商品に対応させるステップと、
前記コンピュータシステムが前記第1組のデータ、前記第2組のデータ及び前記第3組のデータを3行に分割し、機械での識別に用いるために、対応する前記商品上に印刷するステップと、
前記コンピュータシステムが前記商品の流通先に基づき、前記商品に対応する6桁の郵便番号を付与し、前記郵便番号(即ち、追跡コード)を記録し、前記商品の流通先を示すステップと、
前記コンピュータシステムがウェブページを介し、前記追跡コードを表示するステップと、
前記コンピュータシステムがウェブページを介し、前記第1組のデータ、前記第2組のデータ、前記追跡コード、認証コード、生産日、出荷日及び有効期限を表示すると共に、表示ウィンドウと、ユーザが入力を行う入力ウィンドウと、を設け、ユーザが前記入力ウィンドウから前記第3組のデータを入力すると、前記コンピュータシステムが前記入力されたデータと、コンピュータ中に保存された前記第1組のデータ及び前記第2組のデータと、の暗号化逆演算を行った後、チェック演算を行って認証コードを取得し、前記表示ウィンドウの前記認証コードが0と表示された場合、正確な情報であることを示し、そうでない場合、前記表示ウィンドウの前記認証コードを1と表示し、間違った情報であることを示すステップと、を含むことを特徴とするインターネットによる商品流通管理方法。
【請求項2】
前記商品を販売する際、販売者が対応する各商品に10進数6桁の乱数(即ち、財産権コード)を付与し、前記コンピュータシステムが前記財産権コードをメモリ中に保存し、ユーザが前記商品を購入した際、前記財産権コードを取得し、前記ユーザが前記表示ウィンドウに前記財産権コードを入力した際、前記表示ウィンドウに前記財産権コードが正確であることが表示された場合、前記販売者が前記商品の販売権を有することを示し、前記表示ウィンドウに前記財産権コードが正確であることが表示された後、前記コンピュータシステムが前記財産権コードを修正するか否かを表示し、前記ユーザが表示ウィンドウに新しい財産権コードを入力した場合、前記コンピュータシステムが前記メモリ中に保存された財産権コードを更新するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインターネットによる商品流通管理方法。
【請求項3】
商品がインターネットで販売される場合、
前記コンピュータシステム中に前記商品に対応する前記第1組のデータ及び前記第2組のデータを保存し、前記ウェブページに前記第1組のデータ及び前記第2組のデータを表示し、前記ウェブページには、購入するか否かのマークが表示され、ユーザが前記商品を購入する場合、選定した前記商品に対応する前記第1組のデータ及び前記第2組のデータをクリックすることができ、クリックすると、支払いウィンドウがポップアップされ、支払い手続きが完了した後、前記コンピュータシステムが入金の完了を確認し、電子契約書の情報をポップアップし、ユーザが前記電子契約書への記入を完了すると、前記コンピュータシステムが電子売買契約書を自動的に生成し、前記電子契約書の内容情報(ユーザの住所、氏名、連絡方式及び郵便番号を含む)を記録すると同時に、前記購入商品を自動追跡し、前記商品に対応する10進数6桁の乱数(即ち、財産権コード)を生成するステップと、
前記コンピュータシステムが前記契約情報内容中の郵便番号(即ち、追跡コード)に基づき、前記商品の配送先を確認し、前記商品を物流システムに進入させ、購入者に届けるステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインターネットによる商品流通管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−533807(P2012−533807A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520892(P2012−520892)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/CN2010/071585
【国際公開番号】WO2011/026326
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(512016364)
【Fターム(参考)】