説明

インテリジェントダッシュボード

【課題】ユーザが選択された患者に関する情報を表示するために使用するのに適切なダッシュボードを選択するのを補助するシステムを提供すること。
【解決手段】本発明の、いくつかの実施形態は、患者データを表示するためのインテリジェント方法を提供する。この方法は、病状または病状以外の条件を特定する。次いでこの方法は、特定された条件にもとづいて、ユーザに患者データを表示するためのユーザインターフェースを特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者データを閲覧するためのインテリジェントダッシュボードを提供する臨床情報システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
近年、病院では、デジタル形式で各患者について作成する情報量が、その情報の全てを処理しようとする人間を圧倒する程度にまで増加してきている。例えば、患者の心拍数または血圧が、1分当たり複数回生成される新たな値に関して継続的にモニタされることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願整理番号第12/036,281号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、そのようなデータを表示するためのシステムが開発されている。これらのシステムのいくつかは、患者についての特定の情報を表示するためのコンピュータまたは他の電子ディスプレイ用のダッシュボードの形態をとる。残念なことには、多くの場合、圧倒的な量の未加工データは、どのダッシュボードがいつでも患者についての最も有効な情報を提供するかに関する圧倒的な数の多様なオプションに置換されている。したがって、ユーザが選択された患者に関する情報を表示するために使用するのに適切なダッシュボードを選択するのを補助するシステムが必要となっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態は、患者データを表示するためのインテリジェント方法を提供する。この方法は、患者またはシステムのユーザに関連する状況的条件を特定する。次いでこの方法は、特定された条件にもとづいて、ユーザに患者データを表示するためのユーザインターフェースを特定する。いくつかの実施形態においては、条件は、バイタル統計データのセットによって、あるいは任意の他の情報、または患者もしくはダッシュボード閲覧者に関連する情報の集合体によって決定される条件であることが可能である。この条件は、患者データを閲覧するユーザが医師もしくは看護師であるか否か、あるいは、どの種類の医師か(例えば神経科医であるかもしくは整骨医であるか)、患者がどの部門にいるか(例えばICU、心臓病等など)または、患者、ユーザ、位置もしくは、適切なダッシュボードの選択に関連すると見なされる任意の他のものに関する任意の他の事実、あるいは、それらの変数の任意の組合せであることが可能である。
【0006】
いくつかの実施形態においては、この方法は、条件の特定と同時にユーザにユーザインターフェースを自動的に表示する。他の実施形態においては、この方法は、推奨されたユーザインターフェースのリスト中の特定されたユーザインターフェースを表示する。これらの実施形態においては、次いでユーザは、特定されたユーザインターフェースを閲覧するために推奨されたリストから特定されたユーザインターフェースを選択することが可能となる。次いで、いくつかの実施形態の方法は、推奨されたリストからユーザインターフェースのユーザ選択を受信する。次いで、この方法は、選択されたユーザインターフェースのパラメータに応じて、選択されたユーザインターフェースと、選択されたユーザインターフェース中の患者情報とを表示する。他の実施形態においては、この方法は、推奨されたユーザインターフェースを提示する代わりに、特定された条件にもとづいてユーザインターフェースを自動的に選択する。
【0007】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載される。しかし、説明のために、本発明の複数の実施形態が、以下の図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】いくつかの実施形態のシステムを示す図である。
【図2】4つのそれぞれ異なるダッシュボードを示す図である。
【図3a】いくつかの実施形態の臨床情報システム(CIS)アプリケーションユーザインターフェースを示す図である。
【図3b】いくつかの実施形態の臨床情報システム(CIS)アプリケーションユーザインターフェースを示す図である。
【図4】インテリジェントダッシュボードプロセスを示す図である。
【図5】いくつかの実施形態におけるシステムのいくつかの構成要素を示す図である。
【図6】推奨を提示するためのグラフィカルユーザインターフェースを示す図である。
【図7】いくつかの実施形態のソフトウェアのブロック図である。
【図8】ルール編集プロセスを示す図である。
【図9】いくつかの実施形態のルールエディタを示す図である。
【図10】ダッシュボードの編集およびセーブのプロセスを示す図である。
【図11】ダッシュボードの一連の変更形態を示す図である。
【図12】図3bのダッシュボードの変更形態を示す図である。
【図13】いくつかの実施形態の許諾一覧表を示す図である。
【図14】公開ダッシュボードおよび帰属を有する推奨リストの一例を示す図である。
【図15】代替の実施形態におけるシステムのいくつかの構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の記載において、説明のために多数の詳細が示される。しかし、本発明は、これらの特定の詳細を使用することなく実施し得ることが、当業者には理解されよう。例えば、以下に記載される技術は、ある特定の順序において記載されるが、他の実施形態が、処理順序を変更しつつ、依然として本発明を具現化することができる。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態が、患者データを表示するためのインテリジェント方法を提供する。この方法は、患者の条件を特定する(一次診療医の部門または患者に関する情報を見ているユーザの位置などの、病状以外の条件を含む)。次いで、この方法は、特定された条件にもとづき、ユーザに患者データを表示するためのユーザインターフェースを特定する。
【0011】
以下で説明されるように、ダッシュボードという用語は、患者データを表示するために使用されるユーザインターフェース(UI)を指すために用いられる。以下の例においては、ダッシュボードは、ウィンドウペインの集合体であり、各ウィンドウペインが、患者データ(例えば患者臨床データなど)のセットの1つまたは複数のビューを提示する。ダッシュボードの複数の例が、セクションIIにおいて提示される。これらの例を提示する前に、セクションIにおいて、本発明のいくつかの実施形態のインテリジェントUI選択方法体系を実施するための1つの環境が説明される。
【0012】
セクションIIにおいて複数のダッシュボードの例を提示した後に、セクションIIIにおいて、いくつかの実施形態のインテリジェントダッシュボード選択方法体系がさらに詳細に説明される。いくつかの実施形態においては、この方法体系は、知識ベースと、ユーザのフィードバックにもとづいて経時的に補強されるダッシュボードのライブラリとを有する。次いで、セクションIVにおいては、知識ベース、ダッシュボードのライブラリ、およびユーザのフィードバックにもとづくそれらの向上が説明される。
【0013】
I.概要
図1は、本発明のいくつかの実施形態が中に実装される臨床データマネジャ100を図示する。臨床データマネジャ100は、様々なソースから患者データを収集する。いくつかの実施形態においては、これらの患者は、1つの病院の1ユニット内、1つの病院内、または複数の病院内にいてよい。図1に図示されるように、収集されるデータは、センサ105、ラボ検査110、スキャン115、医療関係者120により測定された記録、患者が入院したときに収集されインターフェース125に入力された情報、あるいは患者に関するまたは患者の医療データに関する情報の他のソースを含む、様々なソースから取得することが可能である。
【0014】
臨床データマネジャ100は、患者データを受信し、正規化し、分析し、保存しおよび/または集約する。臨床データマネジャ100は、個々の患者に関するデータを患者のデータのスナップショットとして、または経時的なデータの記録として収集するために、これらの機能を果たす。また、これらの処理によって、システムは、例えば医療資源を効率的に配分するためになど、様々な理由により、患者間の統計データ(いくつかの場合においては、各患者の統計データにおける変化を含む)を比較することが可能となる。
【0015】
様々なインターフェース125を介して、臨床データマネジャ100は、データをレポートし、データを発信し、および/またはこのデータにもとづいてユーザにアラートを発する。いくつかの実施形態においては、これらのインターフェースは、医療システム内におけるユーザの職務(例えば、医師であるかまたは看護師であるか、どのような種類の医師であるか、など)、インターフェースが表示される特定の位置(例えば、心臓ICUであるかまたは昏睡病棟であるか、など)、ならびに個々のユーザおよび/または患者の切迫した需要に応じて相互に異なる。図1の例示の実施形態においては、インターフェース125は、患者が入院するときに患者データを入力するために使用することが可能であり、他の実施形態においては、様々なシステムが、患者入院データの入力のために、および患者データの閲覧のために使用される。
【0016】
上述のように、いくつかの実施形態により、様々な条件にもとづいて複数のインターフェース(またはダッシュボード)の中から1つのインターフェースを自動的に選択するための方法体系が提供される。以下においてさらに記載されるように、選択されるインターフェースは、患者(医療データおよび非医療データを含む)、患者データを閲覧しているユーザの身元および、ユーザが患者のデータの閲覧を希望するときにユーザが存在している病院の病棟に関するデータにもとづくこと、ならびに個々の患者には直接的には関係しないが、患者に関するデータにアクセスしようと試みている人に関係する他のファクタ、またはデータへのアクセスを試みる他の周囲環境(例えば時間など)にもとづくこともまた可能である。いくつかの実施形態においては、医療関係者120により収集される情報は、インターフェース125に入力することが可能である。
【0017】
いくつかの実施形態においては、ダッシュボードは、条件の重篤度、条件の傾向(改善しているか、または悪化しているか)、条件の原因および/または条件の副次的結果(例えば他の臓器系に関する)を評価するために必要なデータを含む情報を表示する。さらに、ダッシュボードは、適切な対処を決定するために必要なデータを提供する。適切な対処は、追加のラボ検査または他の診断検査の指示、薬物治療の指示または変更、あるいは侵襲処置または侵襲手術のスケジューリングを含んでよい。
【0018】
いくつかの実施形態においては、ダッシュボードは、確立された治療、指針または診療記録を含む情報を表示する。これらの情報は、公開リファレンスソースからまたはカスタマイズされた施設内部方針から取得することができる。例えば、条件が高血糖であり、特定の病院が高血糖をどのように治療するかに関する方針を有する場合には、ユーザはダッシュボードのウィンドウ中に方針を表示させるようにダッシュボードを設定することが可能である。いくつかの実施形態においては、ダッシュボードに表示される方針は方針のリポジトリにリンクされ、そのため方針がリポジトリにおいて変更された場合には、ダッシュボードが開かれたときに表示される方針もまた変わる。
【0019】
いくつかの実施形態においては、インテリジェントダッシュボードにより提供される情報と、インテリジェントダッシュボードにおける情報の特定の表示モードとが、「この条件を前提とした場合に、保健医療提供者(例えば看護師または医師)は、この条件を十分に評価し適切に対処するために他に何を調べる必要があるか」という質問に回答するように設定される。
【0020】
したがって、いくつかの実施形態においては、ダッシュボードは、情報およびこの情報を表示するモードが、熟練の専門臨床医が従うであろう典型的な一連の思考および一連の評価に従う目的で、あるいは確立された最善の診療に従う目的で具体的に設計され設定された情報を表示する。
【0021】
先行技術のダッシュボードがオプションのメニューを提示する場合には、それがどのようなものであっても同一である(例えば情報の一般カテゴリなど)。いくつかの実施形態のインテリジェントダッシュボードは、どれが最も関連するデータであるかと、どのようにそれらを表示するかとを決定する。システムが条件を特定すると、システムは、迅速におよび容易にその条件に関係する情報を提出する(例えば、関連データを引き上げるために、複数の異なるウィンドウ内ごとに複数回クリックする必要性を伴わずに)。ユーザが無数のメニュー、サブメニューおよびサブサブメニューから引き上げることが可能なデータの膨大な配列の中から、インテリジェントダッシュボードシステムは、ユーザに最も関連のある様式で、適切なデータを前面に提示する。
【0022】
例えば、ある特定の医師があるタイプの情報を参照することを希望する場合には、この医師はいつでもICU内でログインする。この情報は、インテリジェントダッシュボードの種々のウィンドウペイン中に自動的に表示される。「放射線科」と表示され、スキャンの全リストを有するウィンドウから開始するのではなく、このダッシュボードは、この医師が本日のおよび昨日の胸部X線写真を参照することを希望していることを認識している。したがって、医師が患者を選択すると、この医師が求める全ての情報がダッシュボードの前面に提示される。
【0023】
II.ダッシュボード
A.ダッシュボードの概要
いくつかの実施形態によって推奨される可能性のあるユーザインターフェース(またはダッシュボード)の様々な例が、図2に図示される。図2は、4つのそれぞれ異なるダッシュボード210〜240を示す。様々な実施形態のシステムが、例えばコンピュータディスプレイ、PDA、携帯電話など、様々な実施形態における様々なインターフェースデバイス上にダッシュボードを表示する。ダッシュボード210および220はそれぞれ、高血糖である患者に関するデータを表示するためのダッシュボードである。ダッシュボード230および240はそれぞれ、低酸素血症の患者に関するデータを表示するためのダッシュボードである。
【0024】
各ダッシュボード210、220、230および240は、ウィンドウペイン222、232、242、244、246および248などの複数のウィンドウペインを含む。ダッシュボードの種々のウィンドウペインは、選択された患者に関する情報を含む。例えば、ウィンドウペイン222は、患者に投与された薬物のリストを示し(例えば薬物、投薬量および時間など)、ウィンドウペイン232は、測定値一覧表中に血液中の酸素飽和のパーセンテージ(SpO2)を示し、ウィンドウペイン244は、患者の最も直近の胸部X線写真の画像を示し、ウィンドウペイン246は、経時的な患者の呼吸数のグラフを示し、ウィンドウペイン248は、経時的な患者のSpO2レベルのグラフを示す。
【0025】
いくつかの実施形態においては、各ダッシュボードが、ダッシュボード240の患者リストウィンドウ242などの、患者リストウィンドウを含む。患者リストウィンドウ242は、患者のリスト、各患者に関する記録された臨床データ、患者臨床データから生成されたコンピュータ演算されたスコア、ならびにこの記録されたデータおよび生成されたスコアに関連付けされる傾向を提示する。いくつかの実施形態においては、患者リスト242は、編集可能であり、選択可能であり、またはクリック可能である。他の実施形態においては、患者名のリストは、ダッシュボードの一部と見なされない。いくつかの実施形態においては、個々のダッシュボードが、以下のセクションIIIにおいて記載されるインテリジェントダッシュボードシステムにもとづいてユーザに推奨される。いくつかのインテリジェントダッシュボードシステムは、以下のサブセクションII.B.において記載されるものなどのユーザインターフェースを使用する。
【0026】
B.臨床情報システムアプリケーションユーザインターフェース
図3a〜図3bは、いくつかの実施形態の臨床情報システム(CIS)アプリケーションユーザインターフェースを図示する。図3aにおいては、ユーザインターフェースが、マスターウィンドウメニューバー320、マスターウィンドウツールバー330、マスターウィンドウツールバーアイコン340、マスターウィンドウビューイングエリア358および患者リスト365を含む、マスターウィンドウ310を提示する。
【0027】
マスターウィンドウ310は、マスターウィンドウメニューバー320、マスターウィンドウツールバー330およびマスターウィンドウビューイングエリア358を含む。マスターウィンドウメニューバー320は、CISアプリケーションユーザインターフェースの最上部に位置する。マスターウィンドウメニューバー320は、CISダッシュボードについての利用可能なメニューオプションをリスト表示する。メニューバーオプションが選択されると(マウスクリックまたは適切なキーボードシーケンスにより)、メニューが「プルダウン」され、メニューアイテムまたはオプションのリストを表示する。これらのオプションによって、ユーザは、CISダッシュボードの内部で様々なアクションを実施することが可能となる。オフラインで処理する場合には、いくつかのメニューオプションは、利用不可能であり、グレー表示される。
【0028】
マスターウィンドウツールバー330は、マスターウィンドウツールバーアイコン340を含む。マスターウィンドウツールバー330は、CISアプリケーションの最下部に示され、CISダッシュボード機能にアクセスするためのツールバーアイコン340を含む。マスターウィンドウツールバーアイコン340の1つが選択されると、対応する機能がマスターウィンドウビューイングエリア358中に表示される。
【0029】
マスターウィンドウツールバー330中の利用可能なマスターウィンドウツールバーアイコン340は、ノートアイコン341、バイタルサインアイコン342、臨床ラボアイコン343、スキャンアイコン344、レポートアイコン345、ビリングアイコン346、ダッシュボード表示アイコン347、リフレッシュアイコン348、アプリケーションアイコン(図示せず)、ゴーオフラインアイコン349、スナップショットアイコン350、ファインドアイコン351、フレーズブックアイコン352、オートスケジュールアイコン353およびヘルプアイコン354を含む。
【0030】
ノートアイコン341は、ユーザがデータ入力フォームまたはノートに臨床情報を入力することが可能な新しいウィンドウペインを開く。ユーザは、保健医療専門家により設計されるノートの既存リストから選択することが可能である。CISダッシュボード内のノートの例には、看護ノートおよび神経外科のエンカウンターノートが含まれる。このボタンのデフォルトは、デフォルトノートと呼ばれ、メニューアイテムを介して設定される。
【0031】
バイタルサイン342アイコンは、患者モニタによってモニタされ通信される患者のほぼリアルタイムのバイタルサインデータを表示する新しいウィンドウペインを開く。利用可能なデータディスプレイには、(a)バイタルサイン波形データ(すなわちマルチリードECG、侵襲血圧ART、PAP、CVPなど、呼吸、EtCO2、SpO2、CO)、(b)傾向データ(すなわち線形トレンド、表傾向データ)および(C)数秒ごとに更新される現時点バイタルパラメータが含まれるが、それらに限定されない。
【0032】
臨床ラボアイコン343は、病院ラボ情報システムにより提供される患者の臨床ラボデータ結果を表示する新しいウィンドウペインを開く。データビューには、(a)本日のラボ結果および(b)遡及的な日ごとの結果が含まれるが、それらに限定されない。ラボ結果は、グループごとにカラーコード化される。異常に高い値は、紫色で強調され、低い値は青色で強調され、正常な値は強調されない。ダッシュボードは、表形式および線形トレンドにおいてラボ結果を表示することが可能である。
【0033】
スキャンアイコン344は、PACSにより提供される患者の放射線画像を表示する新しいウィンドウペインを開く。放射線データタイプには、(a)X線画像、(b)MRIスキャン、(c)CTスキャン、(d)PETスキャン、(e)動的画像(シネモード)および(f)エコー心臓超音波が含まれるが、それらに限定されない。CIS医療用画像アプリケーションプログラムは、画像を操作(すなわちズーム、回転、パン、対比、反転)することが可能な標準PAC画像ビューアを提供する。
【0034】
レポートアイコン345は、患者の特定のレポートのリストを表示する新しいウィンドウペインを開く。これには、PDF形式のスキャンされたテキスト記録、指示、およびレポートが含まれるがそれらに限定されない。ビリングアイコン346は、ユーザ規定フォーム(例えば神経外科のエンカウンターフォーム)を表示する新しいウィンドウペインを開く。このボタンのデフォルトは、チャージキャプチャフォームと呼ばれ、メニューアイテムを介して設定される。ダッシュボード表示アイコン347は、ビューイングエリア中に、ダッシュボードウィンドウのデフォルト設定をリロードする。プルダウン矢印が、選択用の利用可能なダッシュボード設定のリストを表示する。
【0035】
リフレッシュアイコン348によって、ユーザは、CISダッシュボード内に存在する患者データをマニュアル方式でリロードするまたは更新することが可能となる。アプリケーションアイコン(図示せず)は、ユーザがCISダッシュボードに対して外部アプリケーション(例えば薬物リファレンスデータベース)を開くことを可能にする新しいウィンドウペインを開く。外部アプリケーションは、ユーザのコンピュータ上の別個のウィンドウ内で作動する。
【0036】
同様に、ウェブアイコン(図示せず)は、ユーザがそのペイン中でウェブをブラウジングすることを可能にする新しいウィンドウペインを開く。ユーザは、特定のURLにウィンドウペインを設定し、ダッシュボードのそれ以外のものと共にこの設定をセーブすることが可能である。例えば、ダッシュボードは、イントラネットまたはインターネットのいずれかに存在するダッシュボードがロードされるとウェブペイン中のURLを引き上げることが可能であり、心筋梗塞の治療に有効な情報を表示する(例えばそのような治療のための診療記録を提示する)。これにより、ダッシュボードは、条件付の特定のリファレンス材料(例えばデジタルライブラリからの)を提供することが可能となる。
【0037】
ゴーオフラインアイコン349は、ユーザが、ログインおよびログオフすることを伴わずに、オンライン状態からオフライン状態へアプリケーションの状態をトグルする、およびトグルして戻ることを可能にする。スナップショットアイコン350によって、ユーザは、スクリーン上の情報をキャプチャしセーブすることが可能となる。ユーザは、フルスクリーンまたはアクティブウィンドウのみをキャプチャすることを選択することが可能である。
【0038】
ファインドアイコン351によって、ユーザは、ユーザ指定基準にもとづいて1人または複数の患者を検索し検出することが可能となる。次いで、選択された患者は、クイックリファレンスリストに追加することが可能である。フレーズブック352アイコンによって、ユーザはノート中に患者データを入力する際に一般的に使用されるフレーズを入力することが可能となる。フレーズは、ユーザによって作成され、セーブされ、編集を伴う全てのテキスト形式で利用可能である。
【0039】
オートスケジュール353アイコンによって、ユーザは、ユーザ規定スケジュールで作動されるコンピュータまたは手持ち式デバイスへの患者データ自動ダウンロードを設定することが可能となる。ヘルプアイコン354は、オンラインヘルプを表示し、これは、アプリケーションの利用における支援を提供する。
【0040】
ツールバーボタン340は、種々の実施形態においてそれぞれ異なる。CISの設定に応じて、いくつかのアプリケーションボタンが、インターフェース上にロードされない場合がある。いくつかの実施形態においては、いくつかのメニューオプションは、ユーザがオフラインでインターフェースを使用している場合には利用不可能であり、グレー表示される。
【0041】
マスターウィンドウビューイングエリア358は、様々な他の病院のシステムからの患者情報を含む患者リスト365を表示するCISダッシュボードのメインエリアである。いくつかの実施形態においては、マスターウィンドウビューイングエリア358は、ウィンドウペインと呼ばれるさらに小さなウィンドウを含む。例えば、図3bにおいては、複数のウィンドウペイン360が、ビューイングエリア358内に表示されている。ウィンドウペイン360はそれぞれ、ユーザが配置し、サイズの再設定を行い、または管理することが可能である。いくつかの実施形態においては、ユーザは、データを修正し、データをソートし、データをコピー、ペースト、ドラッグおよびドロップするために、ペイン内をクリックすることが可能である。ウィンドウペイン360のセットが、例示の実施形態のCISダッシュボードを集合的に構成する。
【0042】
ウィンドウペイン360は、CISダッシュボードのマスターウィンドウビューイングエリア中に表示され、様々な臨床システムから収集され統合された患者情報を提示する。ウィンドウペイン360はそれぞれ、選択可能タブのセット370、追加ウィンドウペインツールバー、およびコントロール380を含む。
【0043】
ウィンドウペインの臨床データ内容は、ウィンドウペイン「ビュー」と呼ぶことが可能である。いくつかのウィンドウペインは、2つ以上の異なるビューを表示することが可能である。いくつかの実施形態においては、選択可能タブ370が、ウィンドウペインがどのビューを表示するかに反映される。例えば、ウィンドウペインの最上部の選択可能タブ370のセットによって、ユーザは、様々な臨床データを表示する様々なビューを選択することが可能となる。単一のビューが、追加のウィンドウペインツールバーおよび、表示された臨床データをソートしナビゲートするためのコントロール380を有することが可能である。いくつかの実施形態においては、このようなCISシステムが、ユーザに対してダッシュボードの示唆を提示するためのインテリジェントダッシュボードシステムを含む。
【0044】
III.インテリジェントダッシュボードシステム
A.インテリジェントダッシュボードシステムの概要
図4は、条件を特定し、患者の統計データを表示するためのダッシュボードをこの条件にもとづいて推奨するためのインテリジェントダッシュボードプロセス400を示す。図4の処理は、図5と組み合わせて説明され、図5は、いくつかの実施形態におけるシステムのいくつかのコンポーネントを図示する。他の実施形態が、本発明の特許請求の範囲内に依然として留まりつつ、図5に図示されるものとは異なる構成要素を使用し得ることが、当業者には理解されよう。
【0045】
処理410においては、プロセス400が、患者データを受信する。図5が示すように、処理410が、患者データベース505にデータを供給する複数の異なるソース510〜518(以下でサブセクションIII.B.においてさらに説明される)からデータを受信することが可能である。このプロセスは、420で、ユーザ560によりディスプレイユニット550から患者の選択を受信する。
【0046】
処理430が、患者データ、ルールデータベース520およびダッシュボードデータベース530へのアクセスを有する臨床データマネジャ540にこの選択を送信する。処理440が、臨床データマネジャ540を使用して、患者データを分析し、ルールデータベース520中の様々な条件(例えば病状など)を特定する統計データと患者に関する様々な統計データとを比較する。いくつかの実施形態においては、処理440が、病状以外のものを特定することが可能である。例えば、処理440は、患者の一次診療医が神経科医であるという条件を特定することが可能である。
【0047】
患者データが、ルールデータベース520中で特定されるいずれの条件とも合致しない場合には、次いで処理440が、特定される条件に関連付けされているダッシュボードを推奨せず、デフォルトダッシュボードが処理445によって表示され、プロセス400が終了する。いくつかの実施形態においては、条件が1つも特定されない場合には、プロセス400がデフォルトダッシュボードを推奨し、ユーザはその中の1つを選択し、プロセス445はデフォルトダッシュボードを自動的に表示しない。
【0048】
処理440が、少なくとも1つの条件を特定する場合には、次いで処理450が、ダッシュボードデータベース530中の特定された条件(または複数の条件)に関連付けされているダッシュボードを検索し、オプションとしてそれをユーザ560に提示する。処理450を実施するためのいくつかの実施形態のグラフィカルユーザインターフェースが、図6に図示される。患者名がリスト610より選択され、分析サーバ620に送られた後に、分析サーバ620は、患者の条件を特定し(処理420〜440において既に説明したように)、推奨されるダッシュボードのリスト630が、表示される。
【0049】
いくつかの実施形態のリスト630は、患者についてシステムが特定した条件の名称を含む。これらの条件名のそれぞれについて、リストは、システムにその条件を特定させた変数または複数の変数を、患者により示されるそれらの変数の値と共に示す。例えば、高血糖がブドウ糖値によって特定され、患者のブドウ糖値が135mg/dLである。また、リスト630は、一般的なダッシュボード名を示し、ダッシュボードの利用可能なバージョン640をリスト表示する。このリストは、バージョンのそれぞれについての帰属を示す。リスト630においては、これらの帰属は全て、推奨されたダッシュボードがインテリジェントダッシュボードアプリケーションを作成した会社により供給されるダッシュボードであることを示す「供給」となっている。他の帰属の例が、以下でサブセクションのIV.C.において説明される。いくつかの実施形態においては、ダッシュボードの各バージョンが、それぞれ異なる名称を有し、システムは、図6に図示される一般的な名称およびバージョン以外の全ての利用可能な名称を特定する。
【0050】
上述の特定の特徴の多くは、本発明の特許請求の範囲内に留まりつつ、様々な様式において提供することが可能であることが当業者には理解されよう。例えば、いくつかの実施形態においては、2つ以上の説明されたデータベースを、1つのデータベースに組み合わせてよい(例えば組み合わされたルールおよびダッシュボードまたは、ルール、患者データおよびダッシュボードデータベースなど)。いくつかの実施形態においては、特に1つの条件のみが特定され、1つのダッシュボードのみがこの条件に対して存在する場合には、ユーザにオプションを提示する代わりに、所与の条件に対する適切なダッシュボードの選択が、あるユーザまたは全てのユーザに対して自動的になされ得る。
【0051】
いくつかの実施形態においては、推奨リストがポップアップされて、ダッシュボード上に重畳される。他の実施形態においては、推奨リストは、ダッシュボード中の通常のペインである。いくつかの実施形態においては、特定された条件のリストが提示され、ユーザが条件を選択し、そうすることによってようやく選択された条件についての利用可能なダッシュボードが供給される。いくつかの実施形態においては、システムがユーザによるリストからのダッシュボードの選択を待っている間に、デフォルトダッシュボードが供給される。いくつかの実施形態においては、ユーザがあるプリセット時間量内に選択を行わない場合には、デフォルトダッシュボードが選択される。
【0052】
いくつかの実施形態においては、推奨リストが、例えば条件がどれほど異常であるかなど、条件の重篤度によって条件をランク付けする。すなわち、差異となるものは、その条件を引き起こした値と、条件しきい値の上方レベルまたは下方レベルとの間のパーセンテージにある。例えば、グルコースが正常値を300%上回り、低酸素パーセンテージが20%のみ外れている場合には、推奨リストはその順序でそれらをリスト表示することができる。いくつかの実施形態においては、推奨リストは、重篤度が上昇してゆく割合で条件をランク付けする。重篤度の決定の他の例は、以下でサブセクションIV.B.において見ることが可能である。
【0053】
B.患者データソース
上述のように、図5に図示されるいくつかの実施形態においては、患者データベース505が、多様なソースからデータを受信する。例えば心拍数モニタ、心電計、頭蓋内圧モニタなどのダイレクトモニタリングソース510が、患者に関するいくつかの情報を継続的に追跡し続ける。例えばアナログ式圧力カフを用いて求められた血圧、体重、または「蕁麻疹」「黄疸」などの直接観察されたものなど、いくつかのソース512が、測定され、コンピュータに手入力される。ラボ結果514(例えば「鎌状赤血球傾向」など)は、手入力することが可能であるか、またはいくつかの場合では、関連する数量(例えば血糖値130mg/dLなど)を測定する機器がシステムに直接供給することが可能である。データベース中のいくつかのデータは、患者が入院する際に入力することができ、そのようなソースからのいくつかの情報は、患者名、患者のID番号、患者の医師名または保険会社、バーコード腕輪などの病院内において患者を追跡するためのシステムに使用される番号などの、非医療的なものであってよい。また、医療スキャナ518からの画像などのデータを患者データベースに入力することが可能である。例えば、X線、CTスキャンまたはMRIのデジタル画像などである。
【0054】
C.ソフトウェアアーキテクチャ
図7は、プロセス400を実施するためのいくつかの実施形態のソフトウェアのブロック図を図示する。ユーザインターフェース705が、患者名および/または患者特定番号のリストを入手するために患者データベース710にアクセスする。ユーザインターフェース705は、患者のリストから患者を選択するために使用される。ユーザインターフェース705は、患者データベース710およびルールデータベース730からのデータにアクセスする比較モジュール720(しばしば「ルールエンジン」と呼ばれる)をアクティブにする。比較モジュール720は、患者がルールデータベース730において特定される任意の条件を有するか否かを決定するために、ルールデータベース730中のルールに対して、患者データベース710からのデータを比較する。いくつかの実施形態においては、ユーザ情報(例えばID、位置、職務など)が、条件の決定において使用するためにユーザインターフェース705によって提示される。他の実施形態においては、ユーザ情報が、患者データベース710中に保存される。他の実施形態においては、いくつかの他のソースが、条件の決定に関連するユーザ情報を提供する。
【0055】
患者がルールデータベース730において特定される任意の条件を有する場合には、比較モジュールが推奨モジュール740をアクティブにする。推奨モジュール740は、条件(または複数の条件)に関連するダッシュボードのリストと共に、患者の条件(または複数の条件)のリストを生成し、インターフェースモジュール705にこのリストを送信する。いくつかの実施形態においては、推奨モジュール740が、比較モジュール720から患者の条件(または複数の条件)を受信し、ルールデータベース730から各条件に関連付けされているダッシュボードのリストを取り出す。他の実施形態においては、推奨モジュール740は、比較モジュール720から条件のリストおよび関連付けされているダッシュボードのリストを受信する。さらに他の実施形態においては、推奨モジュール740は、ダッシュボードデータベース750から各条件に関連付けされているダッシュボードのリストを取り出す。
【0056】
ルールおよび条件のデータベースから条件を特定し、ダッシュボードのデータベースからダッシュボードを推奨することに加えて、いくつかの実施形態は、ユーザが、それぞれのデータベース中のルールおよび条件および/またはダッシュボードを編集することを可能にする。したがって、いくつかの実施形態は、ルールデータベース730中のルールおよび条件を編集するためにユーザインターフェース705がアクセスすることが可能な編集モジュール770を含み、そのような実施形態の例は、以下でサブセクションIV.A.において説明される。また、いくつかの実施形態が、ユーザによるダッシュボードの編集を可能にするための編集モジュール780を含み、そのような実施形態の例が、以下でサブセクションIV.C.において説明される。
【0057】
IV.知識ベースの編集
A.ルールを編集するためのプロセス
上述のように、いくつかの実施形態のシステムは、条件を特定するルールデータベースを有する。そのようなルールデータベースは、「もしブドウ糖>130mg/dLである場合には、患者は高血糖である」などの、任意の数のセーブされたルール/条件を含むことが可能である。このルール(例えば「もしブドウ糖>130mg/dLである場合には」など)は、データベース中の特定された条件(例えばブドウ糖など)に、患者の特徴を記述する変数の特定の値を結びつける。いくつかの実施形態においては、ユーザまたは組織が、初めからルールデータベースを開発する、既存のデータベースに新しい条件を追加する、または必要に応じて既存の条件を特定するルールを修正することが可能である。
【0058】
いくつかの実施形態においては、ユーザは、比較モジュール(またはルールエンジン)が認識する条件を編集することが可能である。ルール編集モジュール770は、ルールエンジンに特定の条件を示唆するデータのいくつかの組合せを認識するように教示するために、図8に図示されるプロセスなどのルール編集プロセスを使用する。プロセス800は、以下でサブセクションIV.B.において説明されるものなどのルールエディタを使用してよい。
【0059】
処理810が、編集のために既存の条件を開く、または編集のために新しい(例えば空白の)条件を生成することによって編集を開始する。いくつかの実施形態においては、プロセスは、処理830において変数を編集するためのオプション820を含む。変数の編集は、新しい変数の追加(例えば、血中のかつて知られていなかったまたは測定されていなかった物質についての検査が開発される場合など)、および既存の変数の値をシステムが受け入れるソースの変更(例えば、病院が、手入力されるアナログ式圧力測定の使用から、自動的に更新されるデジタル式圧力測定へと変える場合など)を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、ユーザは、初めに編集のために条件を開くことを伴わずに、変数を編集することが可能である。
【0060】
変数の編集(もしそれがある場合に)が終了されると、このプロセスは、条件を編集するためのオプション830を有する。ユーザが条件の編集を希望しない場合には、プロセス800が終了する。ユーザが条件の編集を希望する場合には、処理840が、条件を特定する変数、期間、量および/または関係性に対する変更を受信するが、そのような変更は、以下でサブセクションIV.B.においてさらに説明される。
【0061】
条件が編集された後には、プロセス800は、855で既存の条件に上書きしてセーブする(例えばしきい値を130mg/dLから120mg/dLへと変更することによって高血糖の定義を置換するなど)、または860で新しい条件をセーブする(例えばデータベース中に以前より存在する条件に、マルチ自動重篤度スコアリング(Multi Automated Severity Scoring)などの新規に開発された集約診断スコアを追加するなど)ことによる、既存の条件の置換のためのオプション850を有する。
【0062】
上述の記述は、離散的な条件編集を説明するが、いくつかの実施形態は、ユーザに条件およびそれらを特定するルールの全リストを提供することができ、リストの再セーブの前に、リスト内の任意の条件に対する変更を行うことを可能にすることが、当業者には理解されよう。
【0063】
B.ルールエディタ
図9は、いくつかの実施形態のルールエディタ900を図示する。エディタは、編集される条件910と、この条件を定義する複数の可能なルール920とをリスト表示するルールエリアを含む。エディタは、ルールの生成に使用するために利用可能な変数をリスト表示する変数リスト930を含む。エディタ900は、この条件についての関連するダッシュボードをリスト表示するエリア940を含む。エディタは、ルール920中の表現を編集するためのボタンのセット950を含む。
【0064】
いくつかの実施形態においては、ルールの複数のセットが、単一の条件を示唆することができるが、複数の図示されるルール920が、可能なルールの複数の例として提供される。ルール920は、「温度が39度以上」など、関係条件(例えば、上回る、未満、以上など)を含むことが可能である。また、ルール920は、「温度が39度以上 AND ナトリウムが140mmol/L以上」など、複数の条件を含むことが可能である。また、このルールは、「(温度が38度以上 AND ナトリウムが140mmol/L以上) OR 温度が39度以上」などの、複雑なブール代数条件を含むことが可能である。このルールは、「30分を超える間温度が39度以上」など、他の変数に関連付けされる期間を含むことが可能である。さらに、このルールは、「心拍数-呼吸数+ナトリウム≧150」など、数式を含むことが可能である。また、このルールは、「診断(入院)=心筋梗塞」のように単純なものとすることが可能である。
【0065】
変数リスト930は、条件の決定に必要であるまたは関連すると見なされる任意の変数を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、この変数は、病状のみに関連するが、他の実施形態においては、この変数は、患者名、患者の医師、医師のタイプ(例えば神経科医など)、患者の保険会社、患者のID番号、患者が手術または退院をスケジューリングされているか否か、またはリストについての編集特権を有するユーザなら誰でもリストに入力する任意の他の変数などの情報を含むことが可能である。
【0066】
例えば、個々の医師は、彼らの患者の中の1人を検査する場合にはいつでも優先的に使用するダッシュボードを有することができる。例示の実施形態においては、医師の名前は、システム中にプリセットされる(変数の隣の「+」記号によって示される)。したがって、この変数が選択されると、ユーザは、利用可能リストから医師を選択することが可能となる(またはリストに新しい医師を追加することが可能となる)。他の実施形態においては、医師の名前は、リストからではなく、手入力することができる。同様に、ある特定の患者が、複数の患者に適用可能な汎用ダッシュボードではなく、カスタム設計されたダッシュボードによってより良好にモニタされる条件のいくつかのセットを有することができる。したがって、いくつかの実施形態においては、「これは患者Fred Smith氏である」(または同一の名前の患者の混合を回避するための固有の患者ID番号)という条件を、「もし患者=Fred Smithである場合には、ダッシュボード「FRED-SMITH-DASHBOARD」に関連付けされる」というルールによって定義することができる。
【0067】
また、この変数は、患者に直接関係しない変数を含むことが可能である。例えば、この変数は、ダッシュボードを用いて表示されるユーザに関するファクタに左右される患者条件を作成するために使用することが可能である。例えば、「ユーザ位置」変数が、「看護師」または「医師」などの値についてチェックすることが可能である。また、そのような変数は、「心胸郭外科医」または「足療医」などのより特定的な値についてチェックすることが可能である。そのような変数を、様々な人々に対してそれぞれ異なるダッシュボードを提供するためのルールにおいて使用することが可能である。いくつかの実施形態においては、ユーザの位置についての変数を、条件を特定するために使用することが可能である。例えば、ユーザが手術室内にいる場合、ICU内にいる場合、オフィス内にいる場合などである。
【0068】
様々な変数を結合するルールを作成することによって、ユーザは、非常に特定的な患者条件を定義することが可能である。例えば、ユーザは、患者が135を上回るブドウ糖を有し、患者が心臓ユニット内におり、患者の一次診療医が免疫医であり、患者に関するデータを閲覧しようと試みているユーザが内科医であり、患者が入院時に鉄中毒を有すると診断されており、患者が48時間超72時間未満内に手術をスケジューリングされている場合にのみ発生する患者条件を定義することが可能である。
【0069】
エリア940内のダッシュボードのリストは、いずれのダッシュボードが編集される特定の条件に関連付けされているか、したがっていずれのダッシュボードが、患者がその条件についてのルールに合致する変数値によって特定される場合に示唆されるダッシュボードとして提供されるかを示す。いくつかの実施形態においては、ダッシュボードは、いずれのクラスのユーザまたはいずれの個人ユーザがそれらを使用する権限を受けているかを示すある特定フィーチャを有してよい。いくつかの実施形態においては、ルールエディタ900は、リスト表示されるダッシュボードに対する許諾を設定することが可能である。許諾に関するさらなる情報は、以下でサブセクションIV.C.において見ることが可能である。
【0070】
ボタンのセット950は、「以上」などの関係性を入力するためのボタン952を含む。ボタン954によって、ユーザは、ブール代数条件(例えば「AND」または「OR」)を入力することが可能になる。ボタン956によって、ユーザは、条件についての期間が秒、分または時間で測定されるべきか否かを設定することが可能となる。ボタン958によって、ユーザは、上述のサブセクションIV.Aにおいて説明されるように、編集される条件を既存のダッシュボードに関連付けする、条件を関連付けするために新しいダッシュボードを作成する、条件が検出された場合にポップアップするためのアラートを作成する、既存の条件をブラウジングする、新しい条件を作成する、あるいは新しい変数を作成することが可能となる。
【0071】
上述のルールエディタは単なる一例であり、より多数の、より少数のまたは異なるフィーチャを有するルールエディタを、本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく使用することが可能であることが、当業者には理解されよう。例えば、関連するボタンの任意のものを、同一の機能をアクティブにするためのホットキーと置換する、またはホットキーの代替として使用することが可能である。
【0072】
いくつかの代替的な実施形態においては、条件は、条件のルール内に、条件の重篤度の評価基準を含んでよい。これによって、このシステムをプログラムする専門家は、いかなる条件が最も重篤度が高いかを決定することが可能になる。これは、正常範囲からの小さな偏差が他の条件における大きな偏差よりもさらに重大となる条件を対比する場合に、有効である。例えば、正常な摂氏37度を上回る体温における10%の上昇(すなわち、摂氏40.7度すなわち華氏105.3度)は、コレステロールレベルにおける50%の上昇よりもはるかにより重篤度の高い条件となる。ユーザは、切迫した心筋梗塞を特定する条件に対しては高重篤度など、いくつかの条件にベースライン重篤度を割り当てることが可能である。また、ユーザは、病状以外の条件に「重篤度」を割り当てることが可能である。例えば、ある特定の医師が、極めて重篤度の高い病状が特定されない限りはこの医師にとってデフォルトである、優先的に選択されるダッシュボードを有することができる。
【0073】
C.ダッシュボードの編集のためのプロセス
上述のように、いくつかの実施形態のシステムは、患者データを表示するためのダッシュボードを提供するダッシュボードデータベースを有する。このようなダッシュボードデータベースは、任意の数の多様な条件に関連付けされている任意の数のダッシュボードを保存することが可能である。各ダッシュボードは、ダッシュボードが関連付けされている特定の条件に関連するように設計される様式で、患者データベースからの情報を表示する。
【0074】
いくつかの実施形態においては、ユーザは、ダッシュボードに関連付けされている条件が別の患者において特定される場合に、推奨リストが前バージョンの代替として、または前バージョンと共にセーブされた修正を有するダッシュボードを含むように、ダッシュボードを修正し、それらの修正をセーブすることが可能である。図10は、ダッシュボードを編集しセーブするためのいくつかの実施形態のプロセス1000を図示する。プロセス1000は、プロセス1000が既存のダッシュボードを開くまたは新しいダッシュボードを生成する処理1010から開始する。
【0075】
いくつかの実施形態においては、編集のためにダッシュボードを開くことは、使用のためにダッシュボードを開くことと同一である。これは、システムがユーザにダッシュボードを編集するか否かの選択肢を提供する処理1020において反映される。いくつかの実施形態においては、これは、直接対面選択肢としては提供されないが、代わりに、ダッシュボードが開いている限り、編集がオプションとなる。これは、(間に介在する多数のオプションおよび/または処理の後の)編集オプション1020とダッシュボード閉じオプション1030とのループにおいて反映される。
【0076】
プロセスが、ダッシュボードを編集するためにユーザからコマンドを受信すると、次いで処理1040は、ユーザのコマンドに応じてダッシュボードを編集する。ダッシュボードのいくつかの修正形態が、図11の一連のダッシュボードにおいて図示される。
【0077】
ダッシュボード1110a〜1110dが、ウィンドウペインの削除、追加および修正の編集オプションを例示するダッシュボード編集の種々の段階を示し、ダッシュボード1110eが、後に説明される様々なセービングオプションを示す。ダッシュボード1110aは、血液ガス測定値のリストを表示するウィンドウペイン1120を含むデフォルトダッシュボードを示す。ダッシュボード1110bにおいては、プロセス1040が、ユーザのコマンドでウィンドウペイン1120を削除している。ダッシュボード1110cにおいては、処理1040が、時間対温度のグラフを表示する新しいウィンドウペイン1130を追加している。ダッシュボード1110dにおいては、処理1040が、ペイン1130を修正しており、これが、グラフではなく表として時間対温度を示す。ダッシュボード1110dは、ダッシュボード1110cにおける対応するウィンドウペイン1145のように時間対ブドウ糖ではなく時間対O2を示すウィンドウペイン1140を含む。最後に、ダッシュボード1110dにおいては、プロセス1040が、ウィンドウペイン1150のサイズを拡大している。
【0078】
図12は、例示のアプリケーションによる修正されたダッシュボードの一例を図示する。上述の図3bのウィンドウペイン360のダッシュボードは、デフォルトダッシュボードである。ユーザは、グラフの代替として他のバイタル統計データを有する一覧表1210においてSpO2を表示するようにダッシュボードを修正している。
【0079】
プロセス1000が処理1040においてダッシュボードを編集すると、プロセス1000は、編集されたダッシュボードをセーブするためのオプションをユーザに提示する。ユーザがセーブすることを選択しない場合には、次いでプロセス1000は、1020から1030へのループを再開する。これによって、ユーザは、ユーザが使用することを希望するがセーブすることは希望しないダッシュボードをセーブすることなく、ダッシュボードを一次的に変更することが可能となる。ユーザがセーブすることを選択する場合には、プロセス1000は、既存のダッシュボードを置換するまたはしないためのオプション1060を提供する。ユーザが既存のダッシュボードを置換することを選択する場合には、次いで処理1065が既存のダッシュボードに上書きして編集されたダッシュボードをセーブする。
【0080】
また、プロセス1000は、セーブすると同時に異なる条件にこのダッシュボードを関連付けするためのオプション1070を提供する。ユーザがオプション1070を選択すると、次いで処理1075が、この新しい条件に対するその新たな名前の下にこのダッシュボードをセーブする。これは、図11では、ダッシュボードが高血糖ではなく低血糖に関連付けされているダッシュボード1110fにて示される。このオプションは、類似のダッシュボードを要求する複数の類似のまたは関連する条件が存在する場合には、有効である。
【0081】
プロセス1000がセーブし、既存のダッシュボードを置換せず、消去プロセスによって新しい条件にこのダッシュボードを関連付けしない場合には、残されたオプションのみが、既存の条件についてダッシュボードを新たな名前の下にセーブする。上述の全てのセーブオプションの後に、プロセス1000は、ダッシュボード閉じオプション1030に進み、このダッシュボードを閉じ、またはオプションループへと戻り、編集ダッシュボードオプション1120を開始する。
【0082】
示されるデータ編集の実施形態は、ダッシュボード編集の1つの可能な実施形態にすぎないことが、当業者には理解されよう。他の実施形態が、この出願と同時に出願された米国特許出願整理番号第12/036,281号において説明される。前記出願は、参照により本明細書に組み込まれる。さらにこの出願を越えて、他の実施形態が、本発明の特許請求の範囲内に含まれることが可能である。
【0083】
D.セキュリティおよび許諾
セクションIVの前部分は、条件およびダッシュボードの編集のプロセスを説明する。可能な限り説明を簡明に保つために、このセクションは、これらのアイテムを編集する「ユーザ」を参照とする。しかし、いくつかの実施形態においては、全てのユーザが、ダッシュボードおよび条件を修正するための同等の許諾を有するわけではない。いくつかの例においては、個々人が、他者にはアクセスが許可されないプライベートダッシュボードを有してよい。他の例においては、デフォルトバージョンを喪失せずに、ユーザがそのコピーを修正することを確実にするために、ダッシュボードのデフォルトバージョンは、全ての人にアクセス可能であり得るが、システム管理者によってのみ上書きすることが可能である。
【0084】
図13は、様々なダッシュボードファイルについてのいくつかの実施形態の許諾の一覧表を示す。この一覧表は、4つのクラス、すなわちスタッフメンバー1310、医師1312および1314、スーパーユーザ1316、およびシステム管理者1318において、5人のユーザを特定する。これらのユーザはそれぞれ、それぞれ異なるファイルについてそれぞれ異なる許諾を有する。ある特定のユーザに関して、ある特定のファイルについて「W」列中に「x」がある場合には、このユーザはこのファイルへの書き込み(例えば上書きまたは置換)の許諾を有する。ある特定のユーザに関して、ある特定のファイルについて「R」列中に「x」がある場合には、このユーザはこのファイルの読み取り(例えばコピー)の許諾を有する。ファイルの読み取りは、ユーザがファイルへの書き込みの許諾を有さない場合にも、有効である可能性がある。例えば、ファイルの読み取り後に、ユーザは、それを編集することが可能であり、場合によっては、仮に彼らが任意のアクセス可能なファイルロケーションにおける書き込み許諾を有する場合には別の名前の下にそれをセーブすることが可能である。最後に、アクセスの最終レベルが、ある特定のユーザに関してある特定のファイルについて「U」列中の「x」によって示される。これは、ユーザがファイルをセーブすることが不可能である場合にも、ユーザがダッシュボードとしてファイルを使用する許諾を有することを示す。いくつかの実施形態においては、システムによって、ユーザが修正されたダッシュボードの1度の使用についてダッシュボードを編集することが可能となるが、修正されたダッシュボードをセーブすることは不可能であることを、使用許諾が示唆する。以下の説明は、連続的により高くなるアクセスレベルで利用可能な典型的な許諾を説明することによって、示される実施形態における様々なレベルの許諾を説明する。
【0085】
示される実施形態においては、スタッフメンバー1310は、非常に低いアクセス権限を有する。全ての人にとって完全にアクセス可能である完全公開ファイルの他には、このスタッフメンバー1310は、いかなるファイルを読み取るまたはそれに書き込むことも、システムによって許諾されない。スタッフメンバー1310は、公開使用のために設計されたダッシュボードのみを使用することが可能である。この制限されたアクセスは、患者をモニタすることが必要な職務を有するが、自身のダッシュボードを作成する必要はないスタッフメンバーに対して有効である。
【0086】
医師1312および1314は、プライベートダッシュボードまたは公開ダッシュボードを有することが可能である。この医師たちの公開ダッシュボードは、誰にでも使用が可能であり、他の医師による読み取りが可能であり、彼ら自身による、およびスーパーユーザ1316およびシステム管理者1318による書き込みが可能である。公開バージョンを利用可能とすることによって、医師は、自身のダッシュボードを作成し、その作成したものから他者が恩恵を受けられるようにするが、自身の作成物を他者によって故意にまたは不慮でみだりに変更される心配をする必要がないことが可能となる。図14は、ある医師の公開ダッシュボードが、使用可能であり、White医師に帰属する、ダッシュボード推奨リスト1430の一例を示す。
【0087】
医師のプライベートダッシュボードは、自身、スーパーユーザおよびシステム管理者にのみ利用可能である。これは、医師が他と混同するようなダッシュボードを個人的に使用し得るため、有効である。また、これによって、医師は、他のユーザにより未完成のダッシュボードが選択されるリスクを伴うことなく、新しいダッシュボードを試すことが可能となる。医師は、デフォルトダッシュボードを読み取ることは可能であるが、それに書き込むことは不可能である。これによって、デフォルトダッシュボードが、デフォルトファイル中に何があるべきかについて異なる意見を有する医師により反復的に変更されることが防がれる。
【0088】
スーパーユーザ1316は、通常よりも高い許諾を有するユーザであり、例えば部門長は、自身の部門内のどの医師によるダッシュボードにもアクセスする必要がある場合がある。この実施形態においては、通常よりも高い許諾は、医師の公開ダッシュボードおよびプライベートダッシュボードへの完全なアクセスを含むが、デフォルトダッシュボードに上書きする許諾を含まない。
【0089】
この実施形態のシステム管理者1318は、全てのダッシュボードへの完全なアクセスを有する。これは、システムの少なくとも1人のユーザが、全てにアクセス可能となり、生じ得るエラーを修正可能になるため、有効である。例えば、システム管理者1318は、データベース、新しい技術または他の理由に対して変更を反映させるために更新することが必要なデフォルトダッシュボードを編集することが可能である。
【0090】
適切なエンティティが、これらの許諾を設定することが可能である。例えば、システム管理者1318またはスーパーユーザ1316は、全使用許諾を解除することによって、特定のダッシュボードを使用されないようにすることが可能である。いくつかの実施形態においては、医師が、自身のバージョンを使用可能な人を決定し、他の実施形態においては、スーパーユーザのみが、ある人が他の誰かのダッシュボードを使用するのを許可することが可能である。これは、スタッフが47人のそれぞれ異なる医師による47の推奨バージョンを受けないようにする氾濫防止手段として有効である可能性がある。いくつかの実施形態においては、ダッシュボードの作成者のみが、それに対する許諾を設定することが可能であり、さらにはスーパーユーザまたはシステム管理者は、許諾なしにそれを変更することができない。いくつかの実施形態においては、ダッシュボードの作成者が、それにアクセス可能な唯一の者であり、システムの通常機能の範囲内において、それに対するアクセスは他のいかなるユーザにも決して与えられない。
【0091】
いくつかの実施形態においては、許諾に関する同様の制限が、条件の編集にも適用される。実際に、ダッシュボードを編集する許諾よりも、条件を編集するための許諾をより厳しく制限することには十分な道理がある。いくつかの実施形態のルールデータベースは、患者条件の特定およびダッシュボードの推奨を可能にする。ダッシュボードが、特定された条件に合致する情報を含まない場合には、熟練した医師は、これを認識し、ダッシュボードを編集することによって、または代替のダッシュボードに切り替えることによってそれに応じて対処する場合がある。しかし、条件が不正確である場合には、容易に治療可能な医療上の問題点が、手遅れになるまで気付かれないままとなる場合がある。したがって、事故のリスクを低減させるために、いくつかの実施形態のルールエンジンは、スーパーユーザによってのみ編集可能である、さらにはシステム管理者のみによって編集可能である。
【0092】
V.代替の実施形態
図15に図示されるものなどのいくつかの実施形態においては、患者データは、放射線データ(例えばスキャナ画像など)を保存し、それらを、DICOMリスナ1520を介して患者データベース1515に送信する放射線データベース1510、またはモニタ取得サブシステム1540および医療サーバ1550を介して患者データベース1515にデータを送信するベッドサイドモニタ1530などの、他のサーバ、データベースあるいはサブシステムを介して患者データベースに送信される。また、図15は、システムが、システム外部から(例えばインターネットを介して)ファイアウォール1560を通りワークステーションおよび/またはポケットPC1570にデータを送受信することが可能であることを示す。
【0093】
いくつかの実施形態が、コンピュータ可読媒体に保存されたコンピュータプログラムとして存在することが、当業者には理解されよう。このようなコンピュータプログラムは、本明細書において説明された方法を実施しインターフェースを提供することをプログラムに許可する命令のセットを含む。図15において説明された、および上述の図において説明された機器の1つまたは複数が、そのようなコンピュータ可読媒体(例えばメモリ、ドライブなど)を含み、本明細書において説明されたプロセスの処理の1つまたは複数を実施するための命令を有するプログラムを保存してよい。したがって、そのようなプログラムを含むコンピュータ可読媒体は、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【0094】
この出願において説明された、いくつかの特徴は、先行技術の中に存在するが(例えば様々なユーザに対するそれぞれ異なる許諾レベルなど)、本明細書において説明された他の特徴との組合せにおいてそれらは使用されていなかったことが、当業者には理解されよう。さらに、本発明は、多数の特定の詳細を参照として説明されたが、本発明は、本発明の精神から逸脱することなく他の特定の形式において具現化することが可能であることが当業者には理解されよう。例えば、代替の実施形態は、より多数のタイプのまたはより少数のタイプの変数が、推奨に反映されることを可能にし得る。本発明は、前述の例示の詳細によっては限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義されることが、当業者には理解されよう。
【符号の説明】
【0095】
100 臨床データマネジャ
105 センサ
110 ラボ検査
115 スキャン
120 医療関係者
125 インターフェース
210 ダッシュボード
220 ダッシュボード
222 ウィンドウペイン
230 ダッシュボード
232 ウィンドウペイン
240 ダッシュボード
242 ウィンドウペイン
244 ウィンドウペイン
246 ウィンドウペイン
248 ウィンドウペイン
310 マスターウィンドウ
320 マスターウィンドウメニューバー
330 マスターツールバー
340 マスターツールバーアイコン
341 ノートアイコン
342 バイタルサインアイコン
343 臨床ラボアイコン
344 スキャンアイコン
345 レポートアイコン
346 ビリングアイコン
347 ダッシュボード表示アイコン
348 リフレッシュアイコン
349 ゴーオフラインアイコン
350 スナップショットアイコン
351 ファインドアイコン
352 フレーズブックアイコン
353 オートスケジュールアイコン
354 ヘルプアイコン
358 マスタービューイングエリア
360 ウィンドウペイン
365 患者リスト
370 選択可能タグ
380 コントロール
505 患者データベース
510 ダイレクトモニタリングソース
512 ソース
514 ラボ結果
518 医療スキャナ
520 ルールデータベース
530 ダッシュボードデータベース
540 臨床データマネジャ
550 ディスプレイユニット
560 ユーザ
610 リスト
620 分析サーバ
630 推奨されるダッシュボードのリスト
640 ダッシュボードの利用可能なバージョン
705 ユーザインターフェース
710 患者データベース
720 比較モジュール(ルールエンジン)
730 ルールデータベース
740 推奨モジュール
750 ダッシュボードデータベース
770 編集モジュール
780 ダッシュボード編集モジュール
900 ルールエディタ
920 条件を定義する複数の可能なルール
930 変数リスト
940 条件について関連付けされているダッシュボードをリスト表示するエリア
950 ボタンのセット
952 ボタン
954 ボタン
956 ボタン
958 ボタン
1110a ダッシュボード
1110b ダッシュボード
1110c ダッシュボード
1110d ダッシュボード
1110e ダッシュボード
1110f ダッシュボード
1120 ウィンドウペイン
1130 ウィンドウペイン
1140 ウィンドウペイン
1145 ウィンドウペイン
1150 ウィンドウペイン
1210 一覧表
1310 スタッフメンバー
1312 医師
1314 医師
1316 スーパーユーザ
1318 システム管理者
1430 ダッシュボード推奨リスト
1510 放射線データベース
1515 患者データベース
1520 DICOMリスナ
1530 ベッドサイドモニタ
1540 モニタ取得サブシステム
1550 医療サーバ
1560 ファイアウォール
1570 ワークステーションおよび/またはポケットPC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス上にグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を実装するための命令のセットを含むコンピュータプログラムを保存するコンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記GUIは、
a)患者選択リストと、
b)複数のダッシュボードと、
c)選択された患者の検出された条件を表示するための推奨される少なくとも1つのダッシュボードのリストと
を含む、コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項2】
前記複数のダッシュボードの第1のダッシュボードが、前記条件に関連する患者情報を表示するための少なくとも1つのウィンドウペインを含む、請求項1に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項3】
前記GUIは、前記第1のダッシュボード中にまだ表示されていない患者情報を表示するために、前記第1のダッシュボードにウィンドウペインを追加するためのコントロールをさらに含む、請求項2に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項4】
前記GUIは、前記第1のダッシュボードの前記ウィンドウペインおよび前記追加されたウィンドウペインを含む第2のダッシュボードをセーブするためのコントロールをさらに含む、請求項3に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項5】
前記GUIは、前記第1のダッシュボードを修正し、前記修正されたダッシュボードをセーブするためのコントロールをさらに含む、請求項2に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項6】
前記修正をセーブすることは、前記第1のダッシュボードを前記修正されたダッシュボードに置換することを含む、請求項5に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項7】
前記第1のダッシュボードを置換することは、前記第1のダッシュボードを置換するための権限を必要とする、請求項5に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項8】
前記第1のダッシュボードは、少なくとも2つの変数をグラフとして表示するためのウィンドウペインを含む、請求項2に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項9】
前記2つの変数は、時間およびバイタル統計データを含む、請求項8に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項10】
前記第1のダッシュボードは、一覧表を表示するためのウィンドウペインを含む、請求項2に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項11】
少なくとも1つの推奨されるダッシュボードの前記リストは、それぞれ異なる病院部門にもとづく複数のダッシュボードを含む、請求項1に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項12】
前記GUIは、ユーザアクセスを制限するためのセキュリティコントロールのセットをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項13】
前記セキュリティコントロールは、ユーザのサブセットを、修正をセーブすることを伴わずに前記複数のダッシュボードを使用し修正することに制限する、請求項12に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項14】
前記セキュリティコントロールは、ユーザのサブセットを、前記複数のダッシュボードの修正を伴わずにそれらを使用することに制限する、請求項12に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項15】
前記GUIは、ユーザ定義条件が発生する場合のアラートをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項16】
前記GUIは、新しい条件をデータベースに追加し、前記新しい条件をその新しい条件について推奨されるダッシュボードに連結させるためのコントロールのセットをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項17】
a)ルールエンジンにもとづいて患者条件を特定するステップと、
b)ユーザに患者情報を表示するためのダッシュボードを特定するステップと
を含む、患者データを表示する方法。
【請求項18】
前記患者条件の特定と同時に、前記ユーザに前記ダッシュボードを自動的に表示するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
推奨されるダッシュボードのリスト中に前記ダッシュボードをリスト表示するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
推奨されるダッシュボードの前記リストからのダッシュボードのユーザ選択を受信するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記選択されたダッシュボードのパラメータに応じて、前記選択されたダッシュボードと、前記選択されたダッシュボード中の患者情報とを表示するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ユーザから前記ユーザ選択されたダッシュボードの修正を受信するステップと、それに応じて前記ダッシュボードを修正するステップとをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記修正されたダッシュボードをセーブするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1人の他のユーザが前記修正されたダッシュボードを使用することを許可しないフラグを有する前記修正されたダッシュボードをセーブするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1人の他のユーザが前記修正されたダッシュボードにさらに修正を行うことは許可しないが、前記他のユーザが前記修正されたダッシュボードを使用することは許可するフラグを有する前記修正されたダッシュボードをセーブするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1人の他のユーザが前記修正されたダッシュボードのさらなる修正をセーブすることは許可しないが、前記他のユーザが前記修正されたダッシュボードを使用し修正することは許可するフラグを有する前記修正されたダッシュボードをセーブするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記ルールエンジンは外部ルールエンジンである、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記ルールエンジンは、条件を特定するためのルールを追加する権限を与えられたユーザから受信したルールを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記ルールエンジン中のルールを修正するためのコマンドを受信するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記修正されたルールをセーブするステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
1つまたは複数のプロセッサ上で実行するためのコンピュータプログラムを保存するコンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記コンピュータプログラムが、
a)患者の選択を受信し、
b)前記患者に関連付けされる医療データおよびデータベース中の条件のセットにもとづいて、前記患者の条件を特定し、
c)前記医療データを前記データベース中の条件に合致させると同時に前記患者に関連付けされる医療データを表示するために、前記条件と前記条件に関連するダッシュボードの推奨とを表示する
ための命令のセットを含む、コンピュータ可読ストレージ媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−199598(P2009−199598A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−39607(P2009−39607)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(506006094)カール・ストーツ・エンドスコピー−アメリカ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】