説明

インドロカルバゾール重合物を含有する電子デバイス用導電性材料

【課題】高い溶解性と導電性を有する有機エレクトロニクスの分野において使用される電子デバイス用有機導電性材料を提供する。
【解決手段】6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合により得られる重合物、又はこの重合物にハロゲン、プロトン酸、高分子プロトン酸、ルイス酸、遷移金属塩、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル、酸素等の電子受容性物質をドーピングして得られるドープされた有機導電性重合物を含む電子デバイス用有機導電性材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い導電性と溶剤溶解性を有する電子デバイス用有機導電性材料に関する。詳しくは、ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合により得られる重合物及びそれから得られる電子デバイス用有機導電性材料に関する。この高い導電性と溶剤溶解性を有する電子デバイス用有機導電性材料は、有機半導体レーザー、有機トランジスタ、有機発光ダイオード、エレクトロルミネッセンス、有機太陽電池、光ディスクメモリ、帯電防止剤、電磁波吸収シールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、導電性接着剤、透明導電膜、配線等の用途に適する。
【背景技術】
【0002】
高い導電性を有する電子デバイス用有機導電性材料としては、主としてポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン等のπ共役系を有する導電性高分子材料が知られている。これら導電性材料の開発は、これらの材料が有する導電性の向上を開発の主眼としており、その結果、それぞれが有する導電性等の特性に応じて帯電防止、電解コンデンサ等が開発されてきた。一方、有機導電性材料が潜在的に有している半導体的特性、非線形光学効果、光電変換特性、熱電変換特性等を利用することによりさらに多くの用途への応用が期待されているが、これらの分野に関しては、いまだ多くの課題を有している。
【0003】
有機導電性材料を使用した電子デバイスを製造する方法として、電解重合法、蒸着法、塗布法の3種が知られている。電解重合法とは、アニリンやピロールの如き導電性高分子モノマーを電極上で重合することにより素子を得る方法であり、電解コンデンサ等の製造に用いられている。一方、トランジスタ、レーザー、太陽電池等の素子を得るためには、蒸着法または塗布法が用いられている。蒸着法は、導電性材料を真空下で蒸着する方法であり、主として低分子系材料の開発段階で用いられている。この方法を商業生産ベースで実施しようとするとコスト、機器管理等での真空蒸着装置の導入可否が問題となる。一方、低分子系材料よりもさらにπ共役系が広がった分子構造を有する高分子系材料のほうが高導電性を示すことが予想されるが、高分子系材料では、蒸着法を実施することは困難なため、溶剤溶解性を有する導電性高分子による塗布法が提案されている。塗布法は、有機導電性材料を溶媒に溶解させた溶液を調製し、得られた溶液を種々の方法により塗布した後、乾燥して素子を得る方法だが、溶剤溶解性を有する導電性材料は通常その導電性が低いことが問題であり、導電性に関して高特性を維持しながら、塗布法に対応できる新規な化学構造を有する材料の開発が望まれている。
【0004】
このような状況の中で、塗布法に対応するために導電性高分子の可溶化に関する開発がなされている。例えば、導電性高分子であるポリアニリンでは、溶剤溶解性を有するが絶縁性という特徴を有するポリアニリンエメラルジン塩基を用いて溶液を調製した後、この溶液を用いて成型を行い、その後、ドーピングを行うことにより導電性のエメラルジン塩に変換することが提案されている(特許文献1)。また、可溶化の方法として、ポリアニリンやポリチオフェン等にアルキルスルホン酸基を導入することにより水系溶媒に対する可溶性を付与できることが知られている(特許文献2)。また、アルキルチオフェンの位置規則的重合を行うことによる方法(非特許文献1)が知られている。
【0005】
一方、有機導電性材料の中でも、その半導体特性に着眼した有機半導体材料では、導電性高分子と同様に可溶化を狙う開発が進められている。低分子系材料としてはチオフェンオリゴマーやインドロカルバゾール等へのアルキル基導入により溶剤溶解性を有する有機半導体材料が得られることが報告されているが、その溶解度は実用上十分なものとはいえない上、導電特性が優れるという知見はない(特許文献3、4)。高分子半導体材料としては、アルキル基を導入したチオフェンオリゴマーやインドロカルバゾール重合物が溶剤溶解性を有する半導体材料となることが知られているが、その溶解度は実用上十分なものとはいえない上、導電特性が優れるという知見はない(特許文献5、6、非特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特開平03−28229号公報
【特許文献2】特開平7−330901号公報
【特許文献3】特開2007−19294号公報
【特許文献4】米国公開特許2006−125009号公報
【特許文献5】特開2006−183048号公報
【特許文献6】特開2006−193729号公報
【非特許文献1】最新導電性材料技術大全集,技術情報協会、2007年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような状況の中で、高い溶剤溶解性を有する有機導電性材料の開発が切望されていた。本発明の目的は、有機エレクトロニクス分野において使用される高い導電性と溶剤溶解性を有する有機導電性材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、従来技術が抱えている上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合により得られる重合物を含有する材料が高い導電性と溶剤可溶性を有していることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合により得られる重合物であることを特徴とする電子デバイス用有機導電性重合物である。
【0010】
上記6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体としては、下記一般式(1)で示され誘導体が、そして上記重合物としては下記一般式(2)で示される重合物が好ましく例示される。
【化1】

【化2】

(一般式(1)及び(2)において、6,12−位のArは、それぞれ独立に、置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。R1は、それぞれ独立に、水素、アルキル基、アルケニル基、アシル基、スルホニル基又は置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。R2は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、置換若しくは無置換のアミノ基又は置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。)
【0011】
上記一般式(1)及び(2)において、R1としては、水素、アルキル又は置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基が好ましく挙げられる。
【0012】
また、本発明は、上記の電子デバイス用有機導電性重合物に電子受容性物質をドーピングしたことを特徴とする電子デバイス用の有機導電性重合物である。ここで、上記電子受容性物質としては、ハロゲン、プロトン酸、高分子プロトン酸、ルイス酸、遷移金属塩、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル又は酸素から選ばれる少なくとも1種が好ましく挙げられる。
【0013】
更に、本発明は、上記の電子デバイス用有機導電性重合物を含むことを特徴とする電子デバイス用有機導電性材料である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高い導電性と溶剤可溶性を有する電子デバイス用有機導電性材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の電子デバイス用有機導電性重合物は、6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合により得られる重合物である。また、本発明の電子デバイス用有機導電性重合物は、上記の重合物に電子受容性物質をドーピングして得られる重合物であり、ドーピングされていない重合物又は電子デバイス用有機導電性重合物と区別するときは、ドープされた重合物又は電子デバイス用のドープされた有機導電性重合物という。そして、本発明の電子デバイス用有機導電性材料は、上記の電子デバイス用有機導電性重合物又は電子デバイス用のドープされた有機導電性重合物を含む。以下、電子デバイス用有機導電性重合物を導電性重合物又は重合物と、そして電子デバイス用有機導電性材料を導電性材料と略称することがある。
【0016】
本発明の導電性重合物は、6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体を酸化重合して得られる。6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体としては、上記一般式(1)で示される化合物が適する。一般式(1)で示される化合物を酸化重合して得られる導電性重合物は、上記一般式(2)で示される。一般式(1)及び一般式(2)において、同じ記号は同じ意味を有すると理解されるので、一般式(1)で代表して両式を説明する。
【0017】
一般式(1)において、6,12−位のArは、それぞれ独立に、置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。なお、本明細書において、アリール基はヘテロアリール基を含む意味で使用される。
【0018】
上記Ar又はアリール基としては、炭素数6〜20、好ましくは6〜12の炭素環式芳香族基又は炭素数3〜20、好ましくは4〜12の複素環式芳香族基がある。そして、これら炭素環式芳香族基又は複素環式芳香族基は置換基を有しても良く、炭素数の計算には置換基を含める。複素環式芳香族基の場合、環を構成するヘテロ原子として窒素、硫黄、酸素等がある。
【0019】
炭素環式芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントラニル基、ターフェニリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基等が例示できる。
【0020】
複素環式芳香族基としては、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、チエノチエニル基、キノリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、プリル基、イソキノリル基、ナフチリジル基、キノキサリル基、キナゾリル基、プテリジル基、カルバゾリル基、フェナンスリジル基、アクリジル基、ペリミジル基、フェナンスロリル基、フェナジニル基、インドリル基、ピロリル基等が例示できる。
【0021】
これらのアリール基が有することができる置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシアルキル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアミノ基を例示できる。置換基を有するアミノ基としてはアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、芳香族置換アミノ基が挙げられる。例えば、C1〜C20のアルキル基を有するアルキルアミノ基、C1〜C20のジアルキルアミノ基が例示できる。芳香族置換アミノ基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、トリフェニレリル基、ペリレニル基、コロネニル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、チエノチエニル基、キノリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、プリル基、イソキノリル基、ナフチリジル基、キノキサリル基、キナゾリル基、プテリジル基、カルバゾリル基、フェナンスリジル基、アクリジル基、ペリミジル基、フェナンスロリル基、フェナジニル基、インドリル基、ピロリル基等を置換基とする芳香族置換アミノ基を例示できる。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基又はジアルキルアミノ基において、アルキル又はアルコキシの好ましい炭素数は1〜6である。
【0022】
Arの好ましい例を挙げると、フェニル基又は置換フェニル基があり、置換フェニル基の場合、置換基の好ましい例としてはアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アミノ基又はアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基がある。ここで、置換基の炭素数は1〜4であることが好ましい(非置換アミノ基を除く)。
【0023】
上記一般式(1)中の5,11-位のR1は、それぞれ独立に、水素、アルキル基、アルケニル基、アシル基、スルホニル基又は置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。
【0024】
アルキル基としては炭素数1〜20、好ましくは1〜14のアルキル基が挙げられ、アルケニル基としては炭素数1〜20、好ましくは1〜4のアルケニル基が挙げられる。アシル基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアシル基が挙げられ、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、イソブチリル基、sec-ブチリル基、ベンゾイル基、ナフチロイル基、キノリルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等が挙げられる。スルホニル基としては炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルスルホニル基やベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル等の芳香族スルホニル基を用いることができる。
【0025】
置換基を有しても良いアリール基としては、上記Arで説明したと同様なアリール基がある。すなわち、置換基を有しても良い炭素数6〜20の炭素環式芳香族基、又は炭素と窒素及び硫黄及び酸素等のヘテロ原子から構成される置換基を有しても良い炭素数3〜20の複素環式芳香族基がある。炭素環式芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、トリフェニレリル基、ペリレニル基、コロネニル基等が例示できる。また、複素環式芳香族基としては、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、チエノチエニル基、キノリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、プリル基、イソキノリル基、ナフチリジル基、キノキサリル基、キナゾリル基、プテリジル基、カルバゾリル基、フェナンスリジル基、アクリジル基、ペリミジル基、フェナンスロリル基、フェナジニル基、インドリル基、ピロリル基、トリアジニル基等が例示できる。置換基を有しても良いアリール基が有することができる置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシアルキル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアミノ基を例示できる。置換基を有するアミノ基としてはアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、芳香族置換アミノ基があげられる。例えば、C1〜C20のアルキル基を有するアルキルアミノ基、C1〜C20のジアルキルアミノ基が例示できる。芳香族置換アミノ基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、トリフェニレリル基、ペリレニル基、コロネニル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、チエノチエニル基、キノリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、プリル基、イソキノリル基、ナフチリジル基、キノキサリル基、キナゾリル基、プテリジル基、カルバゾリル基、フェナンスリジル基、アクリジル基、ペリミジル基、フェナンスロリル基、フェナジニル基、インドリル基、ピロリル基等を置換基とする芳香族置換アミノ基を例示できる。
【0026】
上記一般式(1)中のR2は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。
【0027】
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が挙げられる。アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アシル基、スルホニル基としては、上記R1で説明したと同様なアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アシル基、スルホニル基が挙げられる。アミド基としては、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、ジフェニルアミノカルボニル等が挙げられる。置換基を有しても良いアリール基としては、上記Ar又はR1で説明したと同様な置換基を有しても良いアリール基が挙げられる。
【0028】
一般式(1)で示される6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の好ましい具体例を表1に示す。表1中、Ar、R1、R2は一般式(1)のAr、R1、R2を意味する。
【0029】
【表1】

【0030】
上記一般式(1)で表される6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体は、例えば、EP908787号公報、Tetrahedron, vol51, No43, pp11801-11808(1995)又はTetrahedron, vol55, No43, pp12577-12594(1999)に記載されている方法を利用して合成することができる。
【0031】
具体的には、下式に示される方法で合成することができる。
【化3】

【0032】
すなわち、置換又は無置換のインドールを適当な溶媒に溶解し、適当な酸を添加してアルデヒド(Ar-CHO)と適当な反応温度で一定時間縮合並びに脱水素反応を行うことにより5、11位に置換基を有しない6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体を得ることができる。その後、必要に応じて5、11位に対する官能基修飾を行う事により所望の化合物を得ることができる。また、N置換インドールとアルデヒド(Ar−CHO)の縮合反応を行うことにより、一段で目的物を得ることも可能である。
【0033】
このような方法により得られた一般式(1)で示される6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合反応により、一般式(2)で示される重合物を得ることができる。上記したように、一般式(2)中の記号(Ar、R1及びR2)は、一般式(1)で説明したAr、R1及びR2と同じ意味を有する。なお、nは繰り返し数を示し、平均値として10〜1000、好ましくは50〜500の範囲であることがよい。また、重合物の数平均分子量Mwとしては5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000の範囲であることがよい。分子量が5,000未満の場合、導電率が低下する。
【0034】
酸化重合反応は、種々の反応を用いることができるが、例えば、塩化鉄等の酸化触媒による酸化的カップリング反応による方法が例示できる。
【0035】
酸化触媒による酸化的カップリング反応の場合、6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体を、酸化剤を使用して、酸化触媒の存在下で反応を行うことにより重合物を得ることができる。
【0036】
重合に用いる酸化剤は、特に限定されないが、例えば、塩化鉄(III)無水、塩化鉄(III)六水和物、硫酸鉄(III)n水和物、硝酸鉄(III)9水和物、硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物、過塩素酸鉄(III)n水和物、塩化銅(II)無水、硫酸銅(II)、硝酸銅(II)、テトラフルオロホウ酸銅(II)、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどを挙げることができる。その中でも塩化鉄(III)無水、塩化鉄(III)六水和物が好ましい。
【0037】
重合反応で用いる6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体(a)と酸化剤(b)とのモル比は、(a):(b)=1:1〜10、好ましくは1:1〜1:5の範囲である。ここで、酸化剤の割合が低いと反応率が低下して原料が残存する。
【0038】
重合反応温度は、−20℃から200℃の範囲が好ましい。より好ましくは0℃から160℃の範囲である。反応溶媒は反応温度において、原料として用いる6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体が一定の溶解度を示し、反応に対して影響を与えないものであれば限定されないが、たとえば、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒、イソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒を使用できる。
【0039】
6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の重合物は、種々の溶媒に対して溶解性を示す。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系非プロトン性溶媒、酢酸エチル、安息香酸メチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、ブチロニトトリル、アジポニトリル等のニトリル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒、水等の溶媒に溶解性を示す。かかる溶媒を用いることにより上記重合物の溶液を得ることができる。
【0040】
また、6、12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合によって得られる重合物は、導電性を有しているが、電子受容性物質をドーピングすることにより、その導電性が向上する。なお、電子受容性物質を電子受容性化合物又は電子受容体ともいう。
【0041】
電子受容性物質としては、臭素、ヨウ素等のハロゲン類、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BCl3、SO3、GaCl3、NbF5、TaF5、MoF5、WF5,RuF5,BiF5,TiCl4,ZrCl4,HfCl4,NbCl5,TaCl5,MoCl5,FeCl3,MoCl3、WCl5、SnCl4、TeCl4、SeCl4、FeBr3、TaBr3、TeI4、TaI5、SnI5、AuCl3等のルイス酸、AgClO4、AgBF4、H2IrCl6、Ce(NO33、Dy(NO33、La(NO33、Pr(NO33、Sm(NO33、Yb(NO33等の遷移金属塩、塩化水素、硫酸、硝酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のプロトン酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル、酸素、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリブタジエンスルホン酸、ポリヒドロキシエーテルスルホン酸等の高分子系プロトン酸等が例示できる。
【0042】
これらの中でも、ハロゲン、プロトン酸、高分子プロトン酸、ルイス酸、遷移金属塩、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル又は酸素から選ばれる少なくとも1種が好ましい電子受容性物質として例示できる。
【0043】
重合物へ電子受容性物質をドーピングする方法は、気相及び液相で行うことができる。例えば、気相で実施する場合、重合物を所望の電子受容性化合物のガス中に曝すことによって実施できる。液相で実施する場合、所望の電子受容性化合物を適当な溶媒で溶解することにより電子受容性化合物溶液を調製し、この溶液に重合物を溶解又は浸漬することにより実施することができる。
【0044】
重合物に対する電子受容体のドープ率を高くすることにより、高い導電率を有する有機導電性材料を得ることができる。そのドープ率は、ドープする電子受容体の種類によっても異なるが、重合物に対して1wt%〜500wt%であり、好ましくは、10wt%〜300wt%である。
【0045】
6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合により得られる重合物又はこの重合物に電子受容性物質をドーピングして得られるドープされた重合物は本発明の導電性材料として使用することができる。
【0046】
導電性材料として使用するために、必要に応じて所望の形態、例えば、錠剤、フィルム、薄膜等に成型を行うことができる。例えば、錠剤を得ようとする場合、上記重合物又はドープされた重合物の粉末を金型に充填した後、加圧成型することによって成形物を得ることができる。フィルムや薄膜を得ようとする場合、上記重合物又はドープされた重合物を溶媒に溶解した後、この溶液をガラス板等にキャストやスピンコートした後、乾燥により溶媒を除去することにより得ることができる。
【0047】
本発明の導電性材料には、上記重合物又はドープされた重合物の他に、必要により着色剤、接着剤、充填剤、他のポリマー等を配合することもできる。
【0048】
本発明の電子デバイス用有機導電性材料は、有機半導体レーザー、有機トランジスタ、有機発光ダイオード、エレクトロルミネッセンス、有機太陽電池、光ディスクメモリ、帯電防止剤、電磁波吸収シールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、導電性接着剤、透明導電膜、配線等に使用することができる。本発明の電子デバイス用有機導電性材料を、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂に混合した後、所望の形態に成型したものとすることにより、導電性を生かした用途、例えば、導電性樹脂シート、帯電防止剤、電磁波シールド等に使用することが可能となる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート等の透明フィルムに本発明の導電性材料の溶液をキャストすることにより、透明フィルムの表面に導電性を付与した透明導電膜を得ることができる。
【実施例】
【0049】
次に、実施例によって更に詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例の記載に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0050】
合成した化合物の分析データについては特にことわらない限り、次による。1H−NMRは日本電子(株)製JNM−LA400(400MHz)を使用した。マススペクトルは日本電子(株)製JMS−AX505HAを使用した。導電率測定は、三菱化学製ロレスタ
ー計 MCP−T610(4端子法:電極間距離1.5mm)で測定した。
【0051】
重合物(21)は、下記式(21)で表わされるポリ(6,12−ジフェニル−インドロ[3,2−b]カルバゾール−2,8−ジイル)であり、重合物(22)は、下記式(22)で表わされるポリ(6,12−ジフェニル−5,11-オクチルインドロ[3,2−b])カルバゾール−2,8−ジイル)である。
【0052】
【化4】

【0053】
実施例1
500mlの3つ口フラスコに、インドール11.7g(0.1mol)とベンズアルデヒド10.6g(0.1mol)、メタノール200gを室温で装入した後、撹拌しながら硫酸15.0g(0.15mol)を15分かけて滴下した。3時間加熱還流した。室温まで冷却し、生成した沈殿をろ別、50℃で減圧乾燥した。この沈殿を酢酸エチル100gで洗浄し、残渣を50℃で減圧乾燥することにより6,12−ジフェニル−5,6,11,12−4H−インドロ[3,2−b]カルバゾール7.4g得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):10.69(2H、brs)、7.33(4H,d、J=7Hz)、7.27(4H,t,J=7Hz)、7.23(2H,d,J=7Hz)、7.18(2H,t,J=7Hz)、7.07(2H,d,J=8)、6.94(2H,dt,J=1,8Hz)、6.78(2H,dt,J=1,8Hz)、5.69(2H,s)
FD−MS(M/z):410(M+)
【0054】
得られた6,12−ジフェニル−5,6,11,12−4H−インドロ[3,2−b]カルバゾール3.3g(8.0mmol)、クロラニル2.07g(8.43mmol)をキシレン66gにけん濁し、5時間加熱還流し、脱水素した。室温まで冷却後、反応混液をろ過し、得られた沈殿をメタノール50gで洗浄した。得られた残渣を50℃で減圧乾燥し、6,12−ジフェニル―インドロ[3,2-b]カルバゾール2.73gを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):10.61(2H,brs)、7.43(4H,d,J=7Hz)、7.15−7.34(8H,m)、7.05(2H,d,J=8Hz)、7.05(2H,d,J=8Hz)、6.93(2H,t,J=8Hz)、6.80(2H,t,J=8Hz)
FD−MS(M/z):408(M+)
【0055】
得られた6,12−ジフェニル−インドロ[3,2-b]カルバゾールをシャーレに入れ、ヨウ素の入ったデシケータ内で一日静置した。ヨウ素処理(ドーピング)したものを、錠剤成型器で加圧成型させて直径13mmの円形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、2.3×10-2S/cmであった。
【0056】
300mlの3つ口フラスコに、6,12−ジフェニル−インドロ[3,2−b]カルバゾール3.01g(7.33mmol)、ジメトキシエタン160g、塩化鉄(III) 6.43g(39.6mmol)を室温、窒素雰囲気下で加えた。室温で5時間、次いで還流下3時間反応した。反応後、室温まで冷却して吸引ろ過をした。ろ過で得られたろ紙上の固体を、6N−塩酸130mlで洗浄し、次いで蒸留水150gで2回洗浄し、最後にメタノール20gで洗浄した。得られた残渣を60℃で減圧乾燥させ、重合物(21)1.53gを得た。この物の室温でのクロロホルムに対する溶解度は、0.8wt%であった。この沈殿のGPC測定を行った結果、分子量は35,000であった。
【0057】
得られた重合物(21)を錠剤成型器で加圧成型し、直径13mmの円形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、2.7×10-2S/cmであった。
一方、重合物(21)の粉末1.5gをシャーレに入れ、ヨウ素の入ったデシケータ内で静置することによりヨウ素ドーピングを行った。一日後、粉末の重量は2.7gであったことからドープ量1.2g、ドープ率が重合物(21)に対して80wt%であることがわかった。ヨウ素ドーピングを行った粉末を錠剤成型器で加圧成型することにより錠剤を作成し直流四端子法にて導電率を測定したところ、6.0S/cmであった。錠剤を乳鉢で粉砕して得られる粉末のクロロホルムに対する溶解度は、1.2wt%であった。
モノマーのヨウ素ドープ体の伝導度2.3×10-2S/cmに対して、モノマーの重合物のヨウ素ドープ体伝導度が6.0S/cmと大幅に向上しており、導電性に対する重合の効果が明らかとなった。
【0058】
実施例2
100mlの3つ口フラスコに、水素化ナトリウム0.68g(17.7mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド10mlを室温で装入し、窒素雰囲気下10分撹拌した。得られた懸濁液に6,12−ジフェニル−インドロ[3,2-b]カルバゾール3.02g(7.35mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド40ml溶液を3分間かけて滴下した。滴下終了後、室温で30分撹拌し、得られた溶液にn−オクチルブロミド3.41g(17.7mmol)を装入した。50℃で62時間反応した。反応後、室温まで冷却し、水35mlを加えて30分攪拌した。反応液をろ別し、ろ紙上の固体を水90gで洗浄し、次いでヘキサン15gで洗浄した。洗浄後の固体を60℃で減圧乾燥させ6,12−ジフェニル−5,11-オクチル−インドロ[3,2−b]カルバゾール1.59gを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):7.70−7.65(10H,m)、7.40(2H,d,J=8Hz)、7.29(2H,t,J=8Hz)、6.75(2H,t,J=8Hz)、6.34(2H,d,J=8Hz)、3.78(4H,t,J=8Hz)、1.40−0.83(30H,m)
FD−MS(M/z):633(M+)
【0059】
得られた6,12−ジフェニル−5,11-オクチル−インドロ[3,2−b]カルバゾールをシャーレに入れ、ヨウ素の入ったデシケータ内で一日静置した。ヨウ素処理したものを、錠剤成型器で加圧成型させて直径13mmの円形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、7.1×10-2S/cmであった。
【0060】
200mlの3つ口フラスコに、塩化鉄(III) 1.33g(8.19mmol)とモノクロロベンゼン44gを室温、窒素雰囲気下で加えた。反応器を氷浴に浸して撹拌し、2℃に冷却した。そこへ6,12−ジフェニル―5,11-オクチル−インドロ[3,2−b]カルバゾール1.27g(2.00mmol)のモノクロロベンゼン22gの溶液を10分かけて滴下した。滴下後、氷浴をはずし、室温で22時間、次いで110℃で72時間反応した。反応後、室温まで冷却して吸引ろ過をした。ろ過で得られたろ紙上の固体を、6N−塩酸35mlで洗浄し、次いで蒸留水60gで2回洗浄し、最後にメタノール20gで洗浄した。得られた残渣を60℃で減圧乾燥させ、重合物(22)0.87gを得た。この物の室温でのクロロホルムに対する溶解度は、1.3wt%であった。この沈殿のGPC測定を行った結果、分子量は33,000であった。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):7.66−7.63(12H,m)、7.27(2H,dd,J=8,2Hz)、7.14(2H,d,J=8Hz)、6.35(2H,d,J=2Hz)、3.75(4H,t,J=8Hz)、1.5
0−0.84(30H,m)
【0061】
得られた重合物(22)を錠剤成型器で加圧成型し、直径13mmの円形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、5.4×10-3S/cmであった。
ここで得た重合物(22)の粉末0.5gをシャーレに入れ、ヨウ素の入ったデシケータ内で静置することによりヨウ素ドーピングを行った。一日後、粉末の重量は0.85gであったことからドープ量0.35g、ドープ率が重合物(22)に対して70wt%であることがわかった。ヨウ素ドーピングを行った粉末を錠剤成型器で加圧成型することにより錠剤を作成し直流四端子法にて導電率を測定したところ、3.0S/cmであった。錠剤を乳鉢で粉砕して得られる粉末のクロロホルムに対する溶解度は2.2wt%であった。
【0062】
比較例1
特開2006−193729記載の方法にてポリ(5,11-オクチルインドロ[3,2−b]カルバゾール−2,8−ジイル)を合成した。この重合物は、室温でクロロホルムに対する溶解性を示さなかった。これを、錠剤成型器で加圧成型させて直径13mmの円形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したが導電性を確認できなかった。
ここで得た重合物の粉末1.0gをシャーレに入れ、ヨウ素の入ったデシケータ内で静置することによりヨウ素ドーピングを行った。一日後、粉末の重量は1.5gであったことからドープ量0.5g、ドープ率が重合物に対して50wt%であることがわかった。ヨウ素ドーピングを行った粉末を錠剤成型器で加圧成型することにより錠剤を作成し直流四端子法にて導電率を測定したところ、4.6×10-5S/cmを示したが、重合物のヨウ素ドープ体は、室温でクロロホルムに対して溶解度を示さなかった。
【0063】
実施例及び比較例の結果を表2に示す。
【表2】

【0064】
実施例及び比較例に示すように。6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の重合物及び電子受容性物質をドープした重合物が高い導電性と溶剤溶解性を有することが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例2で得た重合物のNMRチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体の酸化重合により得られる重合物であることを特徴とする電子デバイス用有機導電性重合物。
【請求項2】
6,12−ジアリールインドロ[3,2−b]カルバゾール誘導体が下記一般式(1)で示され、その酸化重合により得られる重合物が下記一般式(2)で示される重合物である請求項1記載の電子デバイス用有機導電性重合物。
【化1】

【化2】

(一般式(1)及び(2)において、6,12−位のArは、それぞれ独立に、置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。R1は、それぞれ独立に、水素、アルキル基、アルケニル基、アシル基、スルホニル基又は置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。R2は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、置換若しくは無置換のアミノ基又は置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基を示す。)
【請求項3】
一般式(1)において、R1が水素、アルキル又は置換基を有しても良い炭素数3〜20のアリール基である請求項2記載の電子デバイス用有機導電性重合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の電子デバイス用有機導電性重合物に電子受容性物質をドーピングしたことを特徴とする電子デバイス用有機導電性重合物。
【請求項5】
電子受容性物質が、ハロゲン、プロトン酸、高分子プロトン酸、ルイス酸、遷移金属塩、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル又は酸素から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の電子デバイス用有機導電性重合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の電子デバイス用有機導電性重合物を含むことを特徴とする電子デバイス用有機導電性材料。

【図1】
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【公開番号】特開2009−224216(P2009−224216A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68063(P2008−68063)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000006644)新日鐵化学株式会社 (747)
【Fターム(参考)】