説明

インバート部材の製造方法、及び、マンホール

【課題】複数のインバート成形体を円滑に接続できるインバート部材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るインバート部材の製造方法は、未加工の第1及び第2のインバート成形体10、20を重ね合わせて交点P3を求め、第1のインバート成形体10において、交点P3と、中央点P13とを結ぶ線分の中心点P41を足とする垂線v10上に基準点P51を求め、交点P3と、基準点P51と、中央点P13とを結ぶ切断理想曲線103を基準として第1のインバート成形体10を切断し、第2のインバート成形体20において、基準点P51と同じ位置に基準点P52を有し、切断理想曲線103と一致する切断理想曲線104を基準として第2のインバート成形体20を切断し、切断面15、25に沿って第1及び第2のインバート成形体10、20を結合する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも相互に連なる2つの流路を有するインバート部材の製造方法、及び、本方法によって製造されたインバート部材を含むマンホールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンホールのインバート(流路)は、複数の流路を一体的に成型したインバート部材を、桝基体の内部底面に載置することにより形成されている。このように、インバート部材が一体成型物である場合、施工に係る具体的な流路態様に応じて極めて多種の成型用型を用意しなければならず、莫大な型代が必要になるとともに、膨大な数に達する型の管理が必要になり、更に、その中から必要な型を取り出さなければならないという困難を伴う。
【0003】
上述した問題の解決を狙った先行技術として、例えば、特許文献1に開示されているインバート部材では、直路状のインバート成形体と、曲路状のインバート成形体とが互いに結合されて、相互に連なる流路を構成している。両成形体の結合ステップにおいては、まず、連続する流路を構成する位置で、両成形体をそれぞれ切断し、次に、切断して得られた両成形体のそれぞれを、互いの切断面を密着させて結合する。
【0004】
しかし、特許文献1では、直路状のインバート成形体と、曲路状のインバート成形体とのそれぞれにおいて、複雑な計算式に従って個別に切断線を算出しなければならない。この計算には手間がかかるから、製造コスト(切断加工コスト)の面で改善の余地が認められる。特に、計算式に従って切断線を算出する作業は、予め工場等で行っておく必要があり、施工現場では行うことができないから、作業効率の面で改善の余地が認められる。
【0005】
しかも、特許文献1では、個別に算出した切断線に沿ってインバート成形体のそれぞれを切断するから、実際に両成形体を結合する段階で会合面部分に不整合が生じることが多かった。
【特許文献1】特開2003−184116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、複数のインバート成形体を円滑に接続することができるインバート部材の製造方法、及び、マンホールを提供することである。
【0007】
本発明のもう1つの課題は、作業効率を向上することができるインバート部材の製造方法、及び、マンホールを提供することである。
【0008】
本発明の更にもう1つの課題は、型代の節減、型管理の容易化に資するインバート部材の製造方法、及び、マンホールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明に係るインバート部材の製造方法は、以下の(a)〜(g)に説明する工程を含んでいる。
(a)未加工の第1のインバート成形体と、未加工の第2のインバート成形体との少なくとも2つを準備する。第1及び第2のインバート成形体の少なくとも一方は、流入端から流出端に向かって曲路状に伸びる流路を有している。
(b)第1のインバート成形体と、第2のインバート成形体とを、それぞれの流出端が一致する位置で重ね合わせ、第1のインバート成形体の側縁と、第2のインバート成形体の側縁とが交差する交点を求める。
(c)第1のインバート成形体において、交点と、流出端における流路幅の中央点とを結ぶ線分の中心点を足とする垂線上であって、第2のインバート成形体と組み合わされる側縁から離れる方向に第1の基準点を求める。
(d)交点と、第1の基準点と、流出端の中央点とを結ぶ切断理想曲線を求め、この切断理想曲線を基準として第1のインバート成形体を切断する。
(e)第2のインバート成形体において、交点と、流出端における流路幅の中央点とを結ぶ線分の中心点を足とする垂線上であって、第1の基準点と同じ位置に第2の基準点を付す。
(f)交点と、第2の基準点と、流出端の中央点とを結ぶ切断理想曲線を求め、この切断理想曲線を基準として第2のインバート成形体を切断する。
(g)切断加工済みの第1のインバート成形体と、第2のインバート成形体とを、互いの切断面に沿って結合する。
【0010】
本発明に係るインバート部材の製造方法は、上述した(a)〜(g)の工程を含むから、第1のインバート成形体と、第2のインバート成形体とを円滑に接続することができる。
【0011】
より詳細に説明すると、本発明に係るインバート部材の製造方法では、実際の施工に係る未加工の第1及び第2のインバート成形体を重ね合わせることにより、施工現場で切断理想曲線の一端を構成する交点を求めることができる。しかも、切断理想曲線の他端を構成する流出端の流路幅の中央点は、インバート成形体の内部構成である。従って、第1及び第2のインバート成形体に対し、施工現場において、交点を一端とし、中央点を他端とする切断理想曲線を求めることができる。
【0012】
しかも、第1のインバート成形体において、上述した切断理想曲線を求める工程では、交点と流出端の中央点とを結ぶ線分の中心点を足とする垂線上であって、第2のインバート成形体と組み合わされる側縁から離れる方向に第1の基準点を求め、この第1の基準点を通るような切断理想曲線を求める。即ち、切断理想曲線は、交点と流出端の中央点との間に、中継点となる第1の基準点を有するから、交点から流出端の中央点までなだらかに湾曲し続ける切断理想曲線を求めることができる。
【0013】
また、交点と、第1の基準点と、流出端の中央点との3点を通るような切断理想曲線を求めることにより、施工従事者の作業熟練度に関わらず一定の正確性を有する切断理想曲線を求めることができる。さらに、正確に描かれた切断理想曲線を基準として第1のインバート成形体を切断するから、切断作業の正確性を向上することができる。
【0014】
一方、第2のインバート成形体において切断理想曲線を求める工程では、第1のインバート成形体の場合と同様に、まず、第2のインバート成形体に対して、交点と、流出端における流路幅の中央点とを結ぶ線分の中心点を足とする垂線上であって、第1の基準点と同じ位置に第2の基準点を求める。そして、交点と、第2の基準点と、流出端の中央点とを結ぶ切断理想曲線を求め、切断理想曲線を基準として第2のインバート成形体を切断する。
【0015】
上述したように、第2のインバート成形体において切断理想曲線を求める工程でも、交点と流出端の中央点とを結ぶ線分(基準線)の中心点を足とする垂線上に、第2の基準点を求め、この第2の基準点を中継点となるような切断理想曲線を求めるから、交点から流出端の中央点までなだらかに湾曲し続ける切断理想曲線を容易に描くことができる。
【0016】
しかも、第2の基準点は、第1の基準点と同じ位置に付されている。この構成によると、第1及び第2のインバート成形体のそれぞれにおいて、交点、流出端の中央点、及び、基準点(第1、第2の基準点)という同一位置に付された3点を通過することにより、切断基準曲線を一致させることができるから、切断後に第1及び第2のインバート成形体を結合する工程で、切断面の会合面部分に不整合が生じる危険が回避される。従って、複数のインバート成形体を円滑に接続することができる。
【0017】
本発明に係るインバート部材の製造方法では、切断理想曲線の基礎となる交点、流出端の中央点、及び、基準点(第1及び第2の基準点)の3点を施工現場で求め、この3点を通過する切断理想曲線を施工現場で求めることができる。即ち、複雑な計算式によらずして切断理想曲線を求めることができるから、製造コスト(切断加工コスト)を低減することができる。
【0018】
しかも、切断理想曲線の基礎となる3点を求める作業工程、及び、この3点を通過する切断理想曲線を求める作業工程は、施工現場で適時に行うことができるから、施工効率が向上し、製造コストが低減される。
【0019】
本発明に係るインバート部材の製造方法では、未加工の第1及び第2のインバート成形体を切断するものであるから、基本的には、第1及び第2のインバート成形体のための2種類の型を準備するだけでよい。このため、型代の節減、型管理の容易化に資することができる。なお、要求される流路の多様性に対しては、第1及び第2のインバート成形体の具体的な流路角度、及び、使用数を選定することによって、容易、かつ、確実に対応できる。
【0020】
2.マンホールについて
本発明に係るマンホールは、桝基体と、インバート部材とを含む。桝基体は、底部を有しており、インバート部材は桝基体の底部に載置されている。
【0021】
インバート部材は、本発明に係るインバート部材の製造方法によって製造されたものでなる。従って、本発明に係るインバート部材の製造方法の有する利点を全て有するマンホールを提供することができる。
【0022】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【発明の効果】
【0023】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)複数のインバート成形体を円滑に接続することができるインバート部材の製造方法、及び、マンホールを提供することができる。
(2)作業効率を向上することができるインバート部材の製造方法、及び、マンホールを提供することができる。
(3)型代の節減、型管理の容易化に資するインバート部材の製造方法、及び、マンホールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係るマンホールの一部を破断して示す斜視図である。図1は、この種のマンホールの一般的な構成を示すものであって、インバート部材100と、桝基体30と、充填剤40とを含む。
【0025】
桝基体30は、所謂マンホールの底塊部であって、その側壁において、後述するインバート部材100の流入端に対応する箇所に第1の流入管取り付け孔32、及び、第2の流入管取り付け孔(図示しない)を有し、同じくインバート部材100の流出端に対応する箇所に流出管取り付け孔(図示しない)を有している。さらに、桝基体30は、内部底面31を有している。
【0026】
インバート部材100は、少なくとも相互に連なる2つの流路11−21を有し、桝基体30の内部底面31に載置されている。図1に示すインバート部材100は、流路11−21の一方を構成している第1のインバート成形体10と、流路11−21の他方を構成している第2のインバート成形体20とを含む。
【0027】
第1のインバート成形体10は、流入端12から流出端13に向かって直路状に伸びる流路11と、切断面15を有している。第2のインバート成形体20は、流入端22から流出端23に向かって曲路状に伸びる流路21と、切断面25を有している。
【0028】
第1及び第2のインバート成形体10、20は、向かい合う切断面15、25の結合部分(会合面部分)が互いに同じ高さで結合されており、それぞれの流路11、21が、一体的に連なる流路11−21を構成している。切断面15、25の会合面部分はモルタル等の充填剤40によって結合されており、この充填剤40が流路11−21の内面において峰状に成形され、等高分水嶺101を構成している。等高分水嶺101は、交点(会合点)P3の付近で最も高く、流出端13、23に向かうに従って徐々に低くなり、さらに流出端13、23の付近で峰状の高低差が無くなり平坦面となる形状を有している。
【0029】
インバート部材100を、桝基体30に設置するにあたっては、第1のインバート成形体10の流入端12を流入管取り付け孔32に一致させるとともに、流出端13を流出管取り付け孔(図示しない)に一致させる。また、第2のインバート成形体20の流入端22を、流入管取り付け孔(図示しない)に一致させるとともに、流出端23を流出管取り付け孔(図示しない)に一致させる。そして、インバート部材100の外面と、桝基体30の内面との間に生じる隙間を、モルタル等の充填剤40によって埋め、インバート部材100を桝基体30の内部底面31に固定する。
【0030】
汚水等は、第1及び第2の流入管取り付け孔に取り付けられた流入管(図示しない)から、それぞれインバート部材100の流路11、21に流れ込む。流路11、21内に流れ込んだ汚水等は、等高分水嶺101によって円滑に合流し、さらに流出管取り付け孔から流出管(図示しない)へと流下される。
【0031】
本発明は、図1に示したような、相互に連なる一体的な流路11−21を有するインバート部材100の製造方法に関し、特に、第1及び第2のインバート成形体10、20の切断加工方法に工夫を加えた点に特徴がある。以下、本発明に係るインバート部材の製造方法について、図2乃至図20を参照して説明する。なお、図2乃至図20において、図1に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0032】
図2及び図3に示す工程では、実際の施工に係るインバート部材に必要とされる流路角度に応じて、まず、未加工(切断加工前)の第1のインバート成形体10と、同じく未加工の第2のインバート成形体20との、少なくとも2つのインバート成形体を準備する。
【0033】
図2に示す工程で予め準備される第1のインバート成形体10は、図1に示した第1のインバート成形体10の切断加工前の状態を示している。図2に示した第1のインバート成形体10は、半割り管体状であって、好ましくはコンクリート材料、または、合成樹脂材料の何れかを主成分として構成されている。コンクリート材料としては、所謂レジンコンクリート等の複合コンクリート材料を用いることもできる。
【0034】
一方、第1のインバート成形体10に用いられる合成樹脂材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が好ましく、さらに、繊維強化プラスチック(FRP=Fiber Reinforced Plastics)や、不飽和ポリエステル樹脂等の合成樹脂材料に、炭酸カルシウムなどの充填材を混練し、ガラス繊維等に含浸させたシート状の複合樹脂材料(SMC=Sheet Molding compound)や、同じく合成樹脂材料に充填材を混練し、塊状にした複合樹脂材料(BMC=Bulk Molding Compound)等を用いることもできる。
【0035】
第1のインバート成形体10の各構成について、具体的に説明すると、第1のインバート成形体10は、流路11と、流入端12と、流出端13と、側縁14とを有している。流路11は、断面円弧形状であって、流入端12から流出端13に向かって直路状に伸びるとともに、流路11の最底面部分に、第1のインバート成形体10の長手方向(流路方向)に沿って伸びる軸線a10を有する。側縁14は、軸線a10に直交する幅方向の両側に備えられている。
【0036】
一方、図3に示す工程で予め準備される第2のインバート成形体20は、図1に示した第2のインバート成形体20の切断加工前の状態を示している。図3に示した第2のインバート成形体20は、第1のインバート成形体10と基本的に同一の構成を有する。以下、簡単に説明すると、第2のインバート成形体20は、半割り管体状であって、好ましくはコンクリート材料、または、合成樹脂材料の何れかを主成分として構成されており、曲路状の流路21と、流入端22と、流出端23と、側縁24とを有している。
【0037】
流路21は、断面円弧形状であって、流路11とほぼ同一の内径寸法を有している。流路21は、流入端22から流出端23に向かって曲路状(流路角度=90度)に伸びるとともに、流路21の最底面部分に、第2のインバート成形体20の長手方向に沿って伸びる軸線a20を有する。側縁24は、軸線a20に直交する幅方向の両側に備えられている。
【0038】
図4及び図5に示す工程は、図2及び図3に示した工程のあとの工程であって、未加工(切断加工前)の第1及び第2のインバート成形体10、20を重ね合わせる。この重ね合わせ方法について図4を参照すると、第1及び第2のインバート成形体10、20を、それぞれの流路11、12の開放面が同一方向を向くように配置する。このとき第1のインバート成形体10の底面と、これに相対面する第2のインバート成形体20の開放面との間には、架台80を設けることが好ましい。架台80を設けることにより、第2のインバート成形体20に対して第1のインバート成形体10を安定して載置することができる。
【0039】
さらに、図5を参照すると、第1及び第2のインバート成形体10、20は、一般的なマンホールの内径寸法(例えば900mm程度)に適合する領域内Cで、流出端13における流路幅の中央点P13と、流出端23における流路幅の中央点P23とが、それぞれ一致するように位置決めして、第1のインバート成形体10を、第2のインバート成形体20の上に重ね合わされる。
【0040】
第2のインバート成形体20は、ある流路角度θをもって、第1のインバート成形体10に結合されるものであり、予め、第1のインバート成形体10に結合された後の状態を想定して位置決めされることが好ましい。第2のインバート成形体20自体の流路角度は、流入端22の中央点P22と、マンホールの内径領域内Cの中心点O10とを結ぶ線分がy軸となす角度で表されている。図5に示す第2のインバート成形体20は、右曲がりの曲路状であって、流路角度が90度となるように位置決めされている。
【0041】
一方、第1のインバート成形体10自体の流路角度も、流入端13の中央点P13と、マンホールの内径領域内Cの中心点O10とを結ぶ線分がy軸となす角度で表されている。図5に示す第1のインバート成形体10は、中央点P13がy軸上に位置する直路である。従って、第2のインバート成形体20は、y軸と一致する流路11を有する第1のインバート成形体10に対して、流路角度θが90度となるように位置決めされることとなる。
【0042】
図4及び図5を参照して説明した工程により、相互に位置決めして重ね合わされた状態の第1及び第2のインバート成形体10、20を平面視することにより、第1のインバート成形体10の側縁14と、第2のインバート成形体20の側縁24とが交差する箇所に交点(会合点)P3を求める。交点P3は、必ずしも実際に描かなくともよい。また、実際に描く場合にも、水性マジックや、チョーク及びクレヨンなどの書き直し可能な筆記具を用いて描くことが、施工効率上、好ましい。
【0043】
図6に示す工程は、図4及び図5に示した工程のあとの工程であって、第1のインバート成形体10において、交点P3と、流出端13における流路幅の中央点P13とを最短距離(直線)で結ぶ第1の基準線b10を求める。第1の基準線b10は、必ずしも実際に描かなくともよい。また、実際に描く場合にも、水性マジックや、チョーク及びクレヨンなどの書き直し可能な筆記具を用いて描くことが、施工効率上、好ましい。
【0044】
図7に示す工程は、図6に示した工程のあとの工程であって、第1の基準線b10において、交点P3と、中央点P13とを結ぶ線分の中心点P41を割り出し、この中心点P41を足とする垂線v10の線上であって、第2のインバート成形体20と組み合わされる側縁14から離れる方向に、第1の基準点P51を求める。
【0045】
第1の基準点P51は、必ずしも実際に描かなくともよい。また、実際に描く場合にも、水性マジックや、チョーク及びクレヨンなどの書き直し可能な筆記具を用いて描くことが、施工効率上、好ましい。
【0046】
第1の基準点P51の位置は、第1のインバート成形体10の長さ寸法により変動するものであるが、第1のインバート成形体10が、900mm程度の内径寸法を有する一般的なマンホールに合わせて形成されている場合、第1の基準点P51を、垂線v10上において中心点P41から30〜40mm離れた位置に付すことにより、略円弧状の曲線となる切断理想曲線(103)を求めることができる。図7に示す第1の基準点P51は、中心点P41から32.15mm離れた位置に付されている。
【0047】
図8に示す工程は、図7に示した工程のあとの工程であって、交点P3と、第1の基準点P51と、流出端13の中央点P13とを結ぶ切断理想曲線103を求める。例えば、切断理想曲線103は、第1の基準線b10の線分を弦とし、交点P3と、第1の基準点P51と、流出端13の中央点P13との3点を通過する略円弧状のなだらかな曲線として求められる。但し、切断理想曲線103は必ずしも、正確に真円の円弧である必要は無い。また、切断理想曲線103は、必ずしも実際に描かなくともよい。また、実際に描く場合にも、水性マジックや、チョーク及びクレヨンなどの書き直し可能な筆記具を用いて描くことが、施工効率上、好ましい。
【0048】
図9に示す工程は、図8に示した工程のあとの工程であって、切断理想曲線103を基準として、第1のインバート成形体10に第1の切断加工曲線L10を描く。図9に示す第1の切断加工曲線L10は、切断理想曲線103を拡大(拡径)したものであって、流出端13において、中央点P13から5mm程度、第2のインバート成形体20と組み合わされる側縁14から離れる方向の点を通過して、切断理想曲線103の外径側を平行するように描かれる。第1の切断加工曲線L10を描く場合には、水性マジックや、チョーク及びクレヨンなどの書き直し可能な筆記具を用いることが、施工効率上、好ましい。
【0049】
図10に示す工程は、図9に示した工程のあとの工程であって、周知の切断工具を用いて第1の切断加工曲線L10に沿って第1のインバート成形体10を切断し、斜線部分s10を切り離す。
【0050】
図11に示す工程は、図10に示した切断工程のあとの工程であって、切断面15を有する第1のインバート成形体10が得られる。切断面15は、流出端13の側であって、流路11の側壁部分に備えられており、流路11の一部に開口している。
【0051】
図6乃至図11を参照して説明した一連の切断工程は、第2のインバート成形体20に対しても同様に行われる。以下、簡単に説明すると、図12に示す工程は、図4及び図5に示した工程のあとの工程であって、第2のインバート成形体20において、交点P3と、流出端23における流路幅の中央点P23とを最短距離(直線)で結ぶ第2の基準線b20を求める。第1及び第2のインバート成形体10、20は、同じ交点P3を有し、流出端13の中央点P13と、流出端23の中央点P23とも一致するように位置あわせされているから(図5参照)、第2の基準線b20と、第1の基準線b10(図6乃至図10参照)とは、一致する。
【0052】
図13に示す工程は、図12に示した工程のあとの工程であって、第2の基準線b20において、交点P3と、中央点P23とを結ぶ線分の中心点P42を割り出し、この中心点P42を足とする垂線v20の線上であって、第1の基準点P51と同じ位置に第2の基準点P52を求める。第2の基準点P52は、第2の基準線b20の線分の中心点P42から30〜40mm離れた位置であって、第1のインバート成形体10と組み合わされる側縁24の側に求められる。図13に示す第2の基準点P52は、中心点P42から32.15mm離れた位置に付されている。
【0053】
図14に示す工程は、図13に示した工程のあとの工程であって、交点P3と、第2の基準点P52と、流出端23の中央点P23とを結ぶ切断理想曲線104を求める。例えば、切断理想曲線104は、第2の基準点P52の線分を弦とし、交点P3と、第2の基準点P52と、流出端23の中央点P23との3点を通過する略円弧状のなだらかな曲線として求められる。ここで、第1及び第2のインバート成形体10、20において、交点P3は共通であり、第2の基準点P52は第1の基準点P51と共通であり、中央点P23は中央点P13と共通であるから、以上の3点を通過する図14に示す切断理想曲線104は、図8に示す切断理想曲線103と一致する。
【0054】
図15に示す工程は、図14に示した工程のあとの工程であって、切断理想曲線104を基準として、第2の切断加工曲線L20を描く。図15に示す第2の切断加工曲線L20は、切断理想曲線104を縮小(縮径)したものであって、流出端23において、中央点P23から5mm程度、第2のインバート成形体20と組み合わされる側縁14から離れる方向の点を通過して、切断理想曲線104の内径側を平行するように描かれる。
【0055】
図16に示す工程は、図15に示した工程のあとの工程であって、周知の切断工具を用いて第2の切断加工曲線L20に沿って第2のインバート成形体20を切断し、斜線部分s20を切り離す。
【0056】
図17に示す工程は、図16に示した切断工程のあとの工程であって、切断面25を有する第2のインバート成形体20が得られる。切断面25は、流出端23の側であって、流路21の側壁部分に備えられており、流路21の一部に開口している。
【0057】
図18に示す工程は、図11及び図17に示した工程のあとの工程であって、切断加工済みの第1及び第2のインバート成形体10、20を、桝基体30の内部底面31に配置する。桝基体30の側部には、第1の流入管取り付け孔32と、第2の流入管取り付け孔33と、流出管取り付け孔34とが設けられている。第1のインバート成形体10は、流入端12を第1の流入管取り付け孔32に一致させるとともに、流出端13を流出管取り付け孔34に一致させる。また、第2のインバート成形体20は、流入端22を第2の流入管取り付け孔33に一致させるとともに、流出端23を流出管取り付け孔34に一致させる。
【0058】
さらに、第1及び第2のインバート成形体10、20は、それぞれの切断理想曲線103、104が一致するように位置決めされており、切断面15、25の会合面部分に約10mm程度の隙間(ギャップ)gが形成される。即ち、第1及び第2のインバート成形体10、20を、内部底面31に配置する工程において、図18に示すように、切断面15、25の相互間(会合面部分)は、必ずしも密着させる必要はない。むしろ切断面15、25の会合面部分に隙間(ギャップ)gを確保することにより、切断面15、25の位置決め作業が容易になり、さらに切断面15、25の会合面部分をモルタル等の充填剤40で埋めることにより、送水性に優れた円滑な流路11−21を得ることができる。
【0059】
上述した観点から、図11及び図17に示した切断工程では、予め、切断面15、25をつき合わせたときに、その会合面部分に隙間gが生じるように切断されている。即ち、第1及び第2のインバート成形体10、20は、共通の切断理想曲線103、104に対して、第1の切断加工曲線L10が切断理想曲線103から外径側に約5mm程度はなれた位置に平行して描かれており、第2の切断加工曲線L20が切断理想曲線104から内径側に約5mm程度はなれた位置に平行して描かれている(図9、図15参照)。従って、第1及び第2のインバート成形体10、20の両者を切断理想曲線103、104が一致するように位置決めした場合に、切断面15、25の会合面部分には約10mm程度の隙間(ギャップ)gを形成することができる。
【0060】
一方、図18とは異なり、切断面15、25の会合面部分を、密着して結合してもよい。切断面15、25を密着させる構成は、切断理想曲線103、104に沿って第1及び第2のインバート成形体10、20を切断することによって、容易に実現しうることは自明である。
【0061】
図19及び図20に示す工程は、図18に示した工程のあとの工程であって、切断面15、25の会合面部分(間隔g)、さらには第1及び第2のインバート成形体10、20の周囲にモルタル等の充填剤40を充填し、所定の養生期間を経る。第1及び第2のインバート成形体10、20は、充填剤40により、切断面15、25の会合面部分が結合され、相互に連なる体的な流路11−21が構成される。さらに、インバート部材100は、充填剤40により、桝基体30の内部底面31に一体的に固定される。
【0062】
さらに切断面15、25の会合面部分に充填された充填剤40は、一致する切断理想曲線103、104に沿って峰状の等高分水嶺101に形成される。
【0063】
図2乃至図20を参照して説明したインバート部材の製造方法によると、第1及び第2のインバート成形体10、20という複数のインバート成形体を円滑に接続することができる。
【0064】
より詳細に説明すると、図2乃至図20を参照して説明したインバート部材の製造方法では、実際の施工に係る未加工の第1及び第2のインバート成形体10、20を重ね合わせることにより、施工現場で切断理想曲線103、104の一端を構成する交点P3を求めることができる。しかも、切断理想曲線103、104の他端を構成する流出端13、23の流路幅の中央点P13、23は、未加工の第1及び第2のインバート成形体10、20の内部構成である。従って、第1及び第2のインバート成形体10、20に対し、施工現場において、交点P3を一端とし、中央点P13、P23を他端とする切断理想曲線103、104を求めることができる。
【0065】
具体的に、第1のインバート成形体10において、切断加工の基準(第1の切断加工曲線L10の基準)となる切断理想曲線103を求める工程では、交点P3と中央点P13とを結ぶ第1の基準線b10の線分の中心点P41を足とする垂線v10上であって、第2のインバート成形体20と組み合わされる側縁14から離れる方向に第1の基準点51を求め、この第1の基準点51を通るような切断理想曲線103を求める。即ち、切断理想曲線103は、交点P3と流出端13の中央点P13との間に、中継点となる第1の基準点P51を有するから、交点P3から中央点P13までなだらかに湾曲し続ける切断理想曲線103を求めることができる。
【0066】
また、交点P3と、第1の基準点P51と、流出端13の中央点P13との3点を通るような切断理想曲線103を求めることにより、施工従事者の作業熟練度に関わらず一定の正確性を有する切断理想曲線103を求めることができる。
【0067】
さらに、正確に描かれた切断理想曲線103を基準として、その外径側を平行する第1の切断加工曲線L10を描くから、第1の切断加工曲線L10も正確に描くことができる。従って、第1のインバート成形体10を第1の切断加工曲線L10に沿って切断した場合に、切断作業の正確性、及び、切断して得られた製品の信頼性が向上する。
【0068】
一方、第2のインバート成形体20において、切断加工の基準(第2の切断加工曲線L20の基準)となる切断理想曲線104を求める工程では、第1のインバート成形体10の場合と同様に、まず、第2のインバート成形体20に対して、交点P3と、流出端23における流路幅の中央点P23とを結ぶ第2の基準線b20の線分の中心点P42を足とする垂線v20上であって、第1の基準点51と同じ位置に第2の基準点52を付す。そして、交点P3と、第2の基準点52と、流出端23の中央点P23とを結ぶ切断理想曲線104を求め、切断理想曲線104を基準として第2のインバート成形体20を切断する。
【0069】
上述したように、第2のインバート成形体20において切断理想曲線104を求める工程でも、交点P3と流出端23の中央点P23とを結ぶ線分の中心点P42を足とする垂線v20上に、中継点となる第2の基準点52を求め、この第2の基準点52を通るように切断理想曲線104が描かれるから、交点P3から中央点P23までなだらかに湾曲し続ける切断理想曲線104を描くことができる。
【0070】
また、交点P3と、第2の基準点52と、流出端23の中央点P23との3点を通るような切断理想曲線104を求めることにより、施工従事者の作業熟練度に関わらず一定の正確性を有する切断理想曲線104を求めることができる。
【0071】
さらに、正確に描かれた切断理想曲線104を基準として、その外径側を平行する第2の切断加工曲線L20を描くから、第2の切断加工曲線L20も正確に描くことができる。従って、第2のインバート成形体20を第2の切断加工曲線L20に沿って切断した場合に、切断作業の正確性、及び、切断して得られた製品の信頼性が向上する。
【0072】
ところで、第2のインバート成形体20において、第2の基準点52は、第1の基準点51と同じ位置に付されている。この構成によると、第1及び第2のインバート成形体10、20のそれぞれにおいて、交点P3、中央点P23、及び、基準点(第1、第2の基準点51、52)という同一位置に付された3点を通過することにより、切断基準曲線103、104が、第1及び第2のインバート成形体10、20で一致することとなる。従って、実質的に同一の切断理想曲線(103、104)を基準とする第1及び第2の切断加工曲線L10、L20に沿って切断した第1及び第2のインバート成形体10、20は、実際に両成形体10、20の切断面15、25を結合する段階で会合面部分に不整合(高さ位置ズレ)が生じる危険が回避される。従って、第1及び第2のインバート成形体10、20を円滑に接続することができる。
【0073】
本発明に係るインバート部材の製造方法では、切断理想曲線103、104の基礎となる交点P3、中央点P13、P23、及び、基準点(P51、P52)の3点を施工現場で求めることができる。さらに、前記3点を通過する切断理想曲線103、104、及び、切断理想曲線103、104を基準とする第1及び第2の切断加工曲線L10、L20を施工現場で描くことができる。即ち、複雑な計算式によらずして切断理想曲線103、104、及び、第1及び第2の切断加工曲線L10、L20を求めることができるから、製造コスト(切断加工コスト)を低減することができる。
【0074】
しかも、切断理想曲線103、104の基礎となる3点を求める作業工程、この3点を通過する切断理想曲線103、104、及び、この切断理想曲線103、104を基準とする第1及び第2の切断加工曲線L10、L20を描く作業工程は、施工現場で適時に行うことができるから、施工効率が向上し、製造コストが低減される。
【0075】
本発明に係るインバート部材の製造方法では、未加工の第1及び第2のインバート成形体10、20を切断するものであるから、基本的には、第1及び第2のインバート成形体10、20のための2種類の成型用型を準備するだけでよい。このため、型代の節減、型管理の容易化に資することができる。なお、要求される流路の多様性に対しては、第1及び第2のインバート成形体10、20の具体的な流路角度、及び、使用数を選定することによって、容易、かつ、確実に対応できる。
【0076】
上述したように、図2乃至図20を参照して説明したインバート部材の製造方法の特徴の一つは、交点P3、流出端13、23の中央点P13、P23、及び、基準点(第1、第2の基準点P51、P52)の3点を通過する切断理想曲線103、104を求める点にある。即ち、この構成によると、実質的に同一の切断理想曲線103、104を基準とすることができるから、切断面15、25の会合部分に高低差が生じることは無い。従って、第1及び第2のインバート成形体10、20を第1の切断加工曲線L10で切断し、第2のインバート成形体20を第2の切断加工曲線L20で切断する構成は、切断面15、25のすり合わせ作業の容易性、及び、流路面の曲面仕上げの容易性を考慮したものであって、必ずしもこれに限定されない。例えば、第1及び第2のインバート成形体10、20の両者を切断理想曲線103、104で直接切断することもできる。この場合でも、切断面15、25の会合部分に高低差が生じることは無く、円滑に連続する流路を形成することができる。
【0077】
図21乃至図26に示したインバート部材の製造方法は、図2乃至図20を参照して説明したインバート部材の製造方法の更にもう一つの実施態様を示している。以下、図2乃至図20に示したインバート部材の製造方法との相違点を中心に説明する。なお、図21乃至図26において、図1乃至図20に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0078】
図21乃至図26に示したインバート部材の製造方法と、図2乃至図20に示したインバート部材の製造方法とを比較した場合、図21乃至図26に示したインバート部材の製造方法の特徴の1つは、図21及び図22に示す工程において、第1及び第2のインバート成形体10、20が、それぞれの流路11、12の開放面を互いに向かい合わせた状態で積み重ねられている点にある。
【0079】
図21及び図22に示す工程によると、第1及び第2のインバート成形体10、20のそれぞれは、幅方向に向かい合う側縁12、24によって形成されている開放面が、支持面となることにより、第1のインバート成形体10を、第2のインバート成形体20に安定的に載置することができるから、図4及び図5に示す工程で用いた架台80が不要となる。従って、施工現場での作業効率が向上するとともに、製造コスト(切断加工コスト)が低減する。
【0080】
一方、図21に示す工程において、第1のインバート成形体10は、流路11が流路12を被覆する状態で、第2のインバート成形体20に載置されているから、図22に示す工程において、第1のインバート成形体10の側縁14と、第2のインバート成形体20の側縁24とが交差する箇所に交点P3を付した場合、第1のインバート成形体10に描かれる交点P30は、切断理想曲線103の基準点となるべき正位置(P3、図6参照)とは、左右対称の位置(軸線a10に対して対称となる位置)に付されることとなる。
【0081】
そこで、図23の工程で示すように、図21及び図22に示した工程で付された交点P30を基準として、向かい合う一方側縁14に、交点P30と左右対称となる交点P3を付す。図23に示した工程を経ることにより、流路11に、交点P3と、流出端13における流路幅の中央点P13とを結ぶ切断理想曲線103が描かれた第1のインバート成形体10を得ることができる。
【0082】
図24に示す工程は、図23に示した工程のあとの工程であって、図7乃至図11を参照して説明したように切断理想曲線103、及び、この切断理想曲線103の外径側を平行する第1の切断加工曲線L10を求め、周知の切断工具を用いて第1の切断加工曲線L10に沿って斜線部分s10を切り離すことにより、図26に示したような切断面15を有する第1のインバート成形体10が得られる。
【0083】
図25に示す工程は、図21及び図22に示した工程のあとの工程であって、第2のインバート成形体20に対して、図12乃至図16を参照して説明したように、切断理想曲線104、及び、この切断理想曲線104の内径側を平行する第2の切断加工曲線L20を求め、周知の切断工具を用いて第2の切断加工曲線L20に沿って斜線部分s20を切り離す。なお、図25に示す交点P30は、図12に示す交点P3と一致する。
【0084】
図26に示す工程は、図24及び図25に示した工程のあとの工程であって、図18を参照して説明したように、第1及び第2のインバート成形体10、20を、それぞれの切断理想曲線103、104が一致するように位置決めする。図面では省略しているが、この後、桝基体の内部底面において、切断面15、25の会合面部分をモルタル等の充填剤40で埋めることにより、送水性に優れた円滑な流路11−21を得ることができる。
【0085】
図21乃至図26に示したインバート部材の製造方法によると、図2乃至図20に示したインバート部材の製造方法の利点を全て有するとともに、作業効率を向上させ、製造コスト(切断加工コスト)を低減することができる。
【0086】
ところで、この種のマンホールのインバート部に要求される流路の多様性に対しては、第1及び第2のインバート成形体10、20の相対的な流路角度θを選定することによって、容易、かつ、確実に対応できる。以下、図27乃至図34を参照して説明する。図27乃至図34は、本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す図である。なお、図27乃至図34において、図1乃至図26に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0087】
図27に示す工程では、第1及び第2のインバート成形体10、20の相対的なの流路角度θが45度で設定されており、第1及び第2のインバート成形体10、20の側縁14、24の交点P3がY軸側に移動している点に、図2乃至図28に示したインバート部材100との相違点が見られる。
【0088】
図2乃至図26を参照して説明したように、本発明に係るインバート部材の製造方法の特徴の一つは、実際の施工に係る未加工の第1及び第2のインバート成形体10、20を重ね合わせることにより、施工現場で切断理想曲線103、104の一端を構成する交点P3を求める点、及び、交点P3と中央点P13、P23との間に、中継点となる第1及び第2の基準点P51、P52を求め、交点P3から中央点P13、P23までなだらかに湾曲し続ける切断理想曲線103、104を求める点にある。従って、本発明に係るインバート部材の製造方法は、第1及び第2のインバート成形体10、20の相対的な流路角度θの組合せ態様において、交点P3の具体的な位置に関わらず、現に交点P3を求めることができる態様であれば、全ての第1及び第2のインバート成形体10、20の流路角度の組合せにおいて実施することができる。
【0089】
具体的な工程について、以下、簡単に説明すると、図28に示す工程は、図27に示した工程のあとの工程であって、第2のインバート成形体20において、交点P3と、流出端23の中央点P23とを最短距離(直線)で結ぶ第2の基準線b20を求める。
【0090】
第2の基準線b20において、交点P3と、中央点P23とを結ぶ線分の中心点P42を割り出し、この中心点P42を足とする垂線v20の線上であって、第1のインバート成形体10と組み合わされる側縁24の側に第2の基準点P52を求める。
【0091】
第2の基準点P52の位置について、中心点P42から第2の基準点P52までの距離は、流路角度θが小さくなればなるほど、狭くなる。図28に示す第2の基準点P52は、図14に示した実施例(流路角度θが90度)における中心点P42から第2の基準点P52までの距離(約32.15mm)よりも狭くなっている。そして、この第2の基準点P52を中継点として、交点P3と、中央点P23とを結ぶ切断理想曲線104を求める。
【0092】
図29に示す工程は、図28に示した工程のあとの工程であって、切断理想曲線104を基準として、切断理想曲線104の内径側を平行するように第2の切断加工曲線L20を描く。
【0093】
図30に示す工程は、図29に示した工程のあとの工程であって、周知の切断工具を用いて第2の切断加工曲線L20に沿って第2のインバート成形体20を切断することにより、切断面25を有する第2のインバート成形体20が得られる。
【0094】
図31に示す工程は、図27に示した工程のあとの工程であって、第1のインバート成形体10において、交点P3と、流出端13の中央点P13とを最短距離(直線)で結ぶ第1の基準線b10を求める。
【0095】
この第1の基準線b10において、交点P3と、中央点P13との線分の中心点P41を割り出し、この中心点P41とする垂線v10の線上であって、第2の基準点P52と同じ位置に基準点P51を求める。
【0096】
この第1の基準点P51を中継点として、交点P3と、中央点P13とを結ぶ切断理想曲線103を求め、さらに切断理想曲線103を基準として、切断理想曲線103の外径側を平行するように第1の切断加工曲線L10を描く。
【0097】
図32に示す工程は、図31に示した工程のあとの工程であって、周知の切断工具を用いて第1の切断加工曲線L10に沿って第1のインバート成形体10を切断し、切断面15を有する第1のインバート成形体10が得られる。
【0098】
図33に示す工程は、図30及び図32に示した工程のあとの工程であって、切断加工済みの第1及び第2のインバート成形体10、20を、桝基体30の内部底面31に配置する。第1及び第2のインバート成形体10、20は、それぞれの切断理想曲線103、104が一致するように位置決めされており、切断面15、25の会合面部分に約10mm程度の隙間(g)が形成される。
【0099】
図34に示す工程は、図33に示した工程のあとの工程であって、切断面15、25の会合面部分、さらには第1及び第2のインバート成形体10、20の周囲にモルタル等の充填剤40を充填し、所定の養生期間を経る。第1及び第2のインバート成形体10、20は、充填剤40により、切断面15、25の会合面部分が結合され、相互に連なる体的な流路11−21が構成される。さらに、インバート部材100は、充填剤40により、桝基体30の内部底面31に一体的に固定される。
【0100】
切断面15、25の会合面部分に充填された充填剤40は、一致する切断理想曲線103、104に沿って峰状の等高分水嶺101に形成される。
【0101】
図2乃至26を参照して説明した製造方法と、図27乃至図34を参照して説明した製造方法とに示されたように、流路角度θの異なるインバート部材100を作る場合、従来は、第1及び第2のインバート成形体10、20のそれぞれについて、新たな計算式に従って個別に切断線を算出しなければならない。この計算には手間がかかるから、製造コスト(切断加工コスト)を低減することができなかった。しかも、個別に算出した切断線に沿って第1及び第2のインバート成形体10、20のそれぞれを切断するから、実際に両者を結合する段階で両切断面間に不整合が生じることが多かった。
【0102】
これに対し、図27乃至図34に示したインバート部材の製造方法では、流路角度θの異なるインバート部材100を作る場合、流路角度θに応じて具体的に変化するのは主として交点P3であり、この交点P3も施工現場で第1及び第2のインバート成形体10、20を実際に重ね合わせることにより容易に求めることができる。従って、多様な流路形状を効率的に、且、安価で製造することができる。
【0103】
図2乃至図34に示したインバート部材の製造方法は、直路状の第1のインバート成形体10と、曲路状の第2のインバート成形体20とを組み合わせた実施例であった。本発明に係るインバート部の製造方法では、重ね合わせたときに端縁14、24に交点P3が出る程度に異なる流路角度θを有する第1及び第2のインバート成形体10、20の組合せに全て対応し、もって流路の多様性を確保することができる。以下、図35乃至図42を参照して説明する。
【0104】
図35乃至図42は、本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す図である。なお、図35乃至図42において、図1乃至図34に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0105】
図35に示す工程では、y軸に対する第1のインバート成形体10自体の流路角度が右曲がりに45度、y軸に対する第2のインバート成形体20自体の流路角度が右曲がりに90度であって、第1及び第2のインバート成形体10、20が共に曲路状の組合せとなっている。さらに、第1及び第2のインバート成形体10、20の相対的な流路角度θが45度で設定されている。
【0106】
図35に示すように、共に曲路状の第1及び第2のインバート成形体10、20において、第1のインバート成形体10の流入端12の中央点P12がy軸から離れることにより、第1及び第2のインバート成形体10、20の側縁14、24の交点P3がX軸側に移動している点に、図2乃至図28に示したインバート部材100との相違点が見られる。
【0107】
一方、図2乃至図34を参照して説明したように、本発明に係るインバート部材の製造方法の特徴の一つは、実際の施工に係る未加工の第1及び第2のインバート成形体10、20を重ね合わせることにより、施工現場で交点P3を求める点、及び、交点P3と中央点P13、P23との間に、中継点となる基準点P51、P52を求め、交点P3から中央点P13までなだらかに湾曲し続ける切断理想曲線103、104を求める点にある。
【0108】
従って、図35乃至図42に示したインバート部材の製造方法において、共に曲路状の第1及び第2のインバート成形体10、20を組合せて用いる場合でも、現に交点P3を求めることができれば、基本的に図2乃至図28に示した方法により実行することができることは自明である。
【0109】
具体的な工程について、以下、簡単に説明すると、図36に示す工程は、図35に示した工程のあとの工程であって、第1のインバート成形体10において、交点P3と、流出端13の中央点P13とを最短距離(直線)で結ぶ第1の基準線b10を求める。
【0110】
第1の基準線b10において、交点P3と、中央点P13とを結ぶ線分の中心点P41を割り出し、この中心点P41を足とする垂線v10の線上に第1の基準点P51を求める。
【0111】
第1の基準点P51の位置について、中心点P41から第1の基準点P51までの距離は、流入端12の中央点P12がy軸から離れれば離れるほど、広くなる。図36に示す第1の基準点P51は、中央点P12がy軸上に位置する実施例(図8参照)の距離(約32.15mm)よりも広くなっている。そして、この第1の基準点P51を中継点として、交点P3と、中央点P13とを結ぶ切断理想曲線103を求める。
【0112】
図37に示す工程は、図36に示した工程のあとの工程であって、切断理想曲線103を基準として、切断理想曲線103の外径側を平行するように第1の切断加工曲線L10を描く。
【0113】
図38に示す工程は、図37に示した工程のあとの工程であって、周知の切断工具を用いて第1の切断加工曲線L10に沿って第1のインバート成形体10を切断することにより、切断面15を有する第1のインバート成形体10が得られる。
【0114】
図39に示す工程は、図35に示した工程のあとの工程であって、第2のインバート成形体20において、交点P3と、流出端23の中央点P23とを最短距離(直線)で結ぶ第2の基準線b20を求める。
【0115】
この第2の基準線b20において、交点P3と、中央点P23との線分の中心点P42を割り出し、この中心点P42とする垂線v20の線上であって、第1の基準点P51と同じ位置に第2の基準点P52を求める。この第2の基準点P51を中継点として、交点P3と、中央点P23とを結ぶ切断理想曲線104を求める。
【0116】
図40に示す工程は、図39に示した工程のあとの工程であって、切断理想曲線104を基準として、切断理想曲線104の内径側を平行するように第2の切断加工曲線L20を描く。
【0117】
図41に示す工程は、図40に示した工程のあとの工程であって、周知の切断工具を用いて第2の切断加工曲線L20に沿って第2のインバート成形体20を切断し、切断面15を有する第2のインバート成形体20が得られる。
【0118】
図42に示す工程は、図38及び図41に示した工程のあとの工程であって、切断加工済みの第1及び第2のインバート成形体10、20を、桝基体30の内部底面31に配置する。第1及び第2のインバート成形体10、20は、それぞれの切断理想曲線103、104が一致するように位置決めされており、切断面15、25の会合面部分に約10mm程度の隙間(g)が形成される。
【0119】
図示は省略するが、図42に示す工程あと、桝基体の内部底部において、切断面15、25の会合面部分、さらには第1及び第2のインバート成形体10、20の周囲にモルタル等の充填剤を充填し、所定の養生期間を経る。
【0120】
図2乃至図34を参照して説明した製造方法と比較して明らかなように、図35乃至図42を参照して説明した製造方法は、第1及び第2のインバート成形体10、20が共に曲路の組合せで、インバート部材100が構成されている。このように組合せに係るインバート部材100を製造する場合、従来は、第1及び第2のインバート成形体10、20の具体的形状に合わせて、新たな計算式に従って個別に切断線を算出しなければならない。この計算には手間がかかるから、製造コスト(切断加工コスト)を低減することができなかった。しかも、個別に算出した切断線に沿って第1及び第2のインバート成形体10、20のそれぞれを切断するから、実際に両者を結合する段階で両切断面間に不整合が生じることが多かった。
【0121】
これに対し、図35乃至図42に示したインバート部材の製造方法では、第1及び第2のインバート成形体10、20の具体的形状が変化しても、施工現場で第1及び第2のインバート成形体10、20を実際に重ね合わせることにより、現に得られた交点P3に基づいて切断し、結合することができる。従って、多様な流路形状を効率的に、且、安価で製造することができる。
【0122】
図43乃至図50は、本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す図である。なお、図43乃至図50において、図1乃至図42に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0123】
図43に示す工程では、y軸に対する第1のインバート成形体10自体の流路角度が左曲がりに45度、y軸に対する第2のインバート成形体20自体の流路角度が右曲がりに90度であって、第1及び第2のインバート成形体10、20が共に曲路状の組合せとなっている。さらに、第1及び第2のインバート成形体10、20の相対的なの流路角度θが135度で設定されている。
【0124】
図43に示すように、共に曲路状の第1及び第2のインバート成形体10、20において、第1のインバート成形体10の流入端12の中央点P12がy軸に近づくことにより、第1及び第2のインバート成形体10、20の側縁14、24の交点P3がy軸側に移動する。
【0125】
一方、図35乃至図42を参照して説明したように、本発明に係るインバート部材の製造方法は、共に曲路状の第1及び第2のインバート成形体10、20を組合せて用いる場合でも、現に交点P3を求めることができれば、実施可能である。
【0126】
流路の多様性に関する技術的課題については、第1及び第2のインバート成形体10、20の使用数を選定することによっても、容易、かつ、確実に対応できる。以下に、図51及び図52を参照して説明する。図51及び図52は、本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す平面図である。なお、図51及び図52において、図1乃至図50に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
【0127】
図51のインバート部材を参照すると、第2のインバート成形体20は複数であって、第1のインバート成形体10の左右に結合されて、相互に連なる3つの流路12−11−12が構成されている。
【0128】
従来、このように第2のインバート成形体20の使用数(流路数)が増加し、第1及び第2のインバート成形体10、20の接続関係が変化したインバート部材100を作る場合、第1及び第2のインバート成形体10、20とのそれぞれについて、新たな計算式に従って個別に切断線を算出しなければならなかった。
【0129】
これに対し、図51に示したインバート部材の製造方法では、増加した第2のインバート成形体20に対して、第1のインバート成形体10との交点(P3)を求めることにより、新たな切断理想曲線を描くことができる。
【0130】
なお、図51に示す2つの第2のインバート成形体20、20は、それぞれ流路角度θ=90度をもって、第1のインバート成形体10に左右対称に結合されている。このように、第2のインバート成形体20、20が、左右対称である場合、第2のインバート成形体20を左右反転して用いることにより、製造コスト(切断加工コスト)の低減を図ることができる。
【0131】
一方、図52に示す2つの第2のインバート成形体20、20は、一方が流路角度θ=45度をもって、第1のインバート成形体10の左側に結合され、他方が流路角度θ=90度をもって、第1のインバート成形体10の右側に結合されている。このように、第2のインバート成形体20、20が、左右で異なる流路角度θである場合、第2のインバート成形体20を順次結合することにより、容易に接続することができる。
【0132】
図53は本発明に係るインバート部材の製造方法に用いることができる流路角度定規の平面図、図54は図53に示した流路角度定規の使用状態を示す平面図である。
【0133】
図53に示す流路角度定規は、図2乃至図52を参照して説明したインバート部材100の製造方法において、第1及び第2のインバート成形体10、20の位置決め作業、及び、その検証作業を正確に行うために用いることができる。
【0134】
即ち、図53を参照すると、流路角度定規は、円板状体であって、本発明の一実施形態に係るインバート部材が備えられる一般的なマンホールの内径寸法(例えば900mm程度)に適合する直径寸法の領域Cを有している。
【0135】
流路角度定規の各構成について、具体的に説明すると、流路角度定規は、好ましくは使い捨て可能な紙製品であって、一面状に直路指示線71と、曲路指示線72とが描かれている。直路指示線71は、直路状の流路を有するインバート成形体(10)の位置決めに用いられ、流路(11)の径寸法に応じた第1の指示線711と、第2の指示線712とを有する。第1の指示線711は、例えば、径寸法が200mmのインバート成形体に対する位置決めに用い、第2の指示線712は径寸法が150mmのインバート成形体に対する位置決めに用いることができる。第1及び第2の指示線712は、同一の軸線a10を有している。
【0136】
曲路指示線72は、中心点O10から放射状に配列された複数の流路角度目安線を有する。図53に示す曲路指示線72は10度刻みで、左右9本づつ描かれている。
【0137】
図53に示した流路角度定規の使用方法について、図54を参照して説明すると、
まず、第1のインバート成形体10を、直路指示線71に沿って流路角度定規70に載置する。第1のインバート成形体10は、流入端12の流路幅の中央点P12と、流出端13の流路幅の中央点P13とが、流路角度定規70の面内において、軸線a10上で一致する位置で、流路角度定規70に重ねられる。
【0138】
次に、第2のインバート成形体20を、第1のインバート成形体10の上に、載置する。第1のインバート成形体10と、第2のインバート成形体20とは、流出端13に相当する第1のインバート成形体10の端部の中央点P13と、流出端23に相当する第2のインバート成形体20の端部の中心点P23とが、互いに一致する位置で、第1のインバート成形体10を第2のインバート成形体20の上に重ね合わせる。さらに、第2のインバート成形体20は、90度の流路角度θをもっているから、流入端22に相当する第2のインバート成形体20の端部の中心点P22が、90度を示す曲路指示線72に一致するように、第1のインバート成形体10に結合される。
【0139】
まず、第2のインバート成形体20を、流路角度定規70に載置する。第2のインバート成形体20は、流路角度定規70の面内において、流入端22の流路幅の中央点P22が90度を示す曲路指示線72に一致するように位置決めされ、且、流出端23の流路幅の中央点P23が、軸線a10上で一致するように位置決めされた状態で、流路角度定規70に重ねられる。
【0140】
次に、第1のインバート成形体10を、第2のインバート成形体20の上に、載置する。第1のインバート成形体10と、第2のインバート成形体20とは、流出端13の中央点P13と、流出端23の中心点P23とが、互いに一致する位置で重ね合わされる。
【0141】
図53及び図54を参照して説明した流路角度定規70を用いることにより、第1及び第2のインバート成形体10、20の位置決めを正確に行うことができるから、交点P3を適切な位置に求めることができる。従って、交点P3を一端とする切断理想曲線、及び、この切断理想曲線を基準とする切断加工曲線の描出も正確に行うことができる。
【0142】
また、図2乃至図52を参照して説明したように、実際の施工現場には、多種多様な流路角度を有するインバート成形体が大量に搬入され、保管されている。そこで、図53及び図54を参照して説明した流路角度定規70を用いることにより、施工条件に適合する流路角度を有するインバート成形体を、容易に探し出すことができる。
【0143】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の一実施形態に係るマンホールの一部を破断して示す斜視図である。
【図2】本発明に係るインバート部材の製造方法に用いられる第1のインバート成形体を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るインバート部材の製造方法に用いられる第2のインバート成形体を示す斜視図である。
【図4】図2及び図3に示した工程のあとの工程を示す正面図である。
【図5】図4に示した工程の平面図である。
【図6】図4及び図5に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図7】図6に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図8】図7に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図9】図8に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図10】図9に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図11】図10に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図12】図4及び図5に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図13】図12に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図14】図13に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図15】図14に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図16】図15に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図17】図16に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図18】図11及び図17に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図19】図18に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図20】図19の20−20線に沿った断面図である。
【図21】本発明のもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す正面図である。
【図22】図21に示した工程の平面図である。
【図23】図21及び図22に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図24】図23に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図25】図21及び図22に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図26】図24及び図25に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図27】本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す平面図である。
【図28】図27に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図29】図28に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図30】図29に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図31】図27に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図32】図31に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図33】図30及び図32に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図34】図33に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図35】本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す平面図である。
【図36】図35に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図37】図36に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図38】図37に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図39】図35に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図40】図39に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図41】図40に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図42】図38及び図41に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図43】本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す平面図である。
【図44】図43に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図45】図44に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図46】図45に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図47】図43に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図48】図47に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図49】図48に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図50】図46及び図49に示した工程のあとの工程を示す図である。
【図51】本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す平面図である。
【図52】本発明の更にもう一つの実施形態に係るインバート部材の製造方法を示す平面図である。
【図53】本発明に係るインバート部材の製造方法に用いることができる流路角度定規の平面図である。
【図54】図53に示した流路角度定規の使用状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0145】
100 インバート部材
10、20 第1及び第2のインバート成形体
11、21 流路
12、22 流入端
13、23 流出端
14、24 側縁
15、25 切断面
P3(P30) 交点
P13、P23 流出端の中央点
P41、42 中心点
v10、v20 垂線
P51、P52 基準点
103、104 切断理想曲線
30 桝基体
31 内部底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの流路を有するインバート部材の製造方法であって、
未加工の第1のインバート成形体と、未加工の第2のインバート成形体との少なくとも2つを準備し、前記第1及び第2のインバート成形体の少なくとも一方は、流入端から流出端に向かって曲路状に伸びる流路を有しており、
前記第1のインバート成形体と、前記第2のインバート成形体とを、それぞれの前記流出端が一致する位置で重ね合わせて、前記第1のインバート成形体の側縁と、前記第2のインバート成形体の側縁とが交差する交点を求め、
前記第1のインバート成形体において、前記交点と、前記流出端における流路幅の中央点とを結ぶ線分の中心点を足とする垂線上であって、前記第2のインバート成形体と組み合わされる側縁から離れる方向に第1の基準点を求め、
前記交点と、前記第1の基準点と、前記流出端の前記中央点とを結ぶ切断理想曲線を求め、前記切断理想曲線を基準として第1のインバート成形体を切断し、
前記第2のインバート成形体において、前記交点と、前記流出端における流路幅の中央点とを結ぶ線分の中心点を足とする垂線上であって、前記第1の基準点と同じ位置に第2の基準点を求め、
前記交点と、前記第2の基準点と、前記流出端の前記中央点とを結ぶ切断理想曲線を求め、前記切断理想曲線を基準として第2のインバート成形体を切断し、
切断加工済みの前記第1のインバート成形体と、前記第2のインバート成形体とを、互いの切断面に沿って結合する、
工程を含むインバート部材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたインバート部材の製造方法であって、
前記第1の基準点は、前記垂線上において、前記中心点から30〜40mm離れた位置に付される。
【請求項3】
桝基体と、インバート部材とを含むマンホールであって、
前記桝基体は、内部底面を有しており、
前記インバート部材は、請求項1又は2に記載された方法で製造されたものでなり、前記桝基体の前記内部底面に載置されている、マンホール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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