インプリント・リソグラフィのための溶媒支援層の形成
流体組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加すること、及び組成物の離散部分を基板の表面上に同時に拡散させて実質的な連続層を形成することにより固体層を形成する。組成物は、溶媒と固体、又は溶媒と重合可能材料を含む。組成物は溶液又は分散液であってもよい。溶媒の少なくとも一部が組成物から蒸発し、基板上に固体層が形成される(例えば、重合又は乾燥される)。固体層は格子間空隙を実質的に含まない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
本発明は、インプリント・リソグラフィにおける溶媒支援層の形成に関する。
[関連出願との相互参照]
本出願は、合衆国法典第35編119条(e)(1)項に基づいて、2007年6月18日に出願された米国仮出願第60/944,586号の利益を主張するものであり、該特許はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
[特許に係る政府の権利についての陳述]
この研究は、米国連邦標準技術局先進技術プログラム賞第70NANB4H3012号により支持され、従って米国政府は本発明に一定の権利を有することができる。
【背景技術】
【0002】
ナノファブリケーションとは、およそナノメータ又はそれ以下の特徴部などを有する非常に小さな構造の製作を意味する。ナノファブリケーションがかなり大きな影響を与えてきた1つの分野に集積回路の加工がある。半導体加工業界は、基板上に形成される単位面積当たりの回路を増やす一方で、さらに大きな生産収率を得ようと努力し続けているため、ナノファブリケーションはますます重要になっている。ナノファブリケーションは、より大きなプロセス制御を提供しながら、形成される構造の特徴部の最小寸法のさらなる縮小を可能にする。ナノファブリケーションを採用するその他の開発の分野として、生物工学、光技術、機械系などが挙げられる。
【0003】
1つの例示的なナノファブリケーション技術は、一般にインプリント・リソグラフィと呼ばれる。例示的なインプリント・リソグラフィ・プロセスが、「基板上に特徴部を配置して最小寸法の変動性を有する特徴部を再現するための方法」という名称の米国特許出願公開第2004/0065976号、「基板上に層を形成して測定標準の製作を容易にする方法」という名称の米国特許出願公開第2004/0065252号、及び「インプリント・リソグラフィ・プロセスのための機能的パターン形成材料」という名称の米国特許第6,936,194号などの数多くの公報に詳細に記載されており、これらの特許のすべてが引用により本明細書に組み入れられる。
【0004】
前述の公報及び特許に開示されるインプリント・リソグラフィ技術には、重合可能層にレリーフ・パターンを形成するステップと、このレリーフ・パターンに対応するパターンを下部にある基板内へ転写するステップとが含まれる。所望の位置を得るために、基板をモーションステージ上に配置して基板上へのパターン形成を容易にすることができる。この目的のために、テンプレートと基板との間に存在する成形可能な流体組成物により基板から離間されたテンプレートを使用する。この流体組成物は重合して、流体組成物と接するテンプレートの表面形状に一致するパターンを内部に記録する固化層を形成する。その後、テンプレートを固化層から切り離し、テンプレートと基板とが離間するようにする。その後、基板及び固化層に、固化層内のパターンに対応するレリーフ像を基板に転写する処理を行う。
【0005】
スピン・コーティング技術を使用して、インプリント前に基板上に重合可能材料の層を形成することがある。しかしながら、スピン・コーティングにより得られる層は、インプリント後、例えばテンプレート特徴部の密度が不均一な場合に不均一な残留層を生じる可能性がある。さらにスピン・コーティング技術は、両面インプリンティングが必要な場合、(ウェハなどの)基板の少なくとも片側の粒子汚染をもたらす可能性がある。
【0006】
ドロップオンデマンド分注法を使用して、インプリント後に、より均一に近い残留層を生じる液体層を基板上に形成することができる。しかしながら、基板上の重合可能液体の液滴間の格子間領域に捕獲されたガスが、基板上における液滴の拡散及び合体を妨げる場合がある。重合可能材料がインプリント前に基板上に不連続層を形成する場合、格子間空隙などの欠陥が重合層を生じる場合がある。格子間領域からガスを排出するのに要する時間により、インプリント・リソグラフィ・プロセスの処理能力が低下する可能性がある。
【0007】
スピン・コーティング及びドロップオンデマンド法は、重合可能材料に界面活性剤を添加してテンプレートからの放出性能を高めるステップを含むことができる。また、流体拡散前方において、界面活性剤が基板と相互作用する可能性がある。場合によっては、界面活性剤の存在により、例えばピン留め効果を通じて材料の拡散を制限することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0065976号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0065252号
【特許文献3】米国特許第6,936,194号
【特許文献4】米国特許第6,873,087号
【特許文献5】米国特許第6,932,934号
【特許文献6】米国特許第7,077,992号
【特許文献7】米国特許第7,179,396号
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0211754号
【特許文献9】米国特許第6,135,357号
【特許文献10】米国特許第7,259,102号
【特許文献11】米国特許第7,307,118号
【特許文献12】米国特許出願第2006/0081557号
【発明の概要】
【0009】
1つの態様では、インプリント・リソグラフィ法が、流体組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加するステップと、組成物の離散部分を基板の表面上で同時に拡散させて、実質的な連続層を形成するステップとを含む。組成物は、溶媒と重合可能材料、又は溶媒と固体を含むことができる。溶媒の少なくとも一部が流体組成物から蒸発して、実質的に格子間空隙のない固体層が基板上に形成される。固体層を形成するステップは、重合可能材料を重合するステップを含むことができる。溶媒はRf−X−Rを含むことができ、この場合Rfはフッ素及び炭素を含み、Rはアルキル基を含み、Xは二価原子である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ナノインプリント・リソグラフィシステムを示す図である。
【図2】基板上に形成されたパターン化層を示す図である。
【図3A−3D】基板上の流体組成物の離散部分の多様性を示す図である。
【図4】基板上の流体組成物の離散部分の不均一な分布を示す図である。
【図5】実質的な連続層を形成するための基板上の流体組成物の離散部分の拡散を示す図である。
【図6】より粘性の高い流体の離散部分で取り囲んだ流体組成物の離散部分を示す図である。
【図7】流体組成物の離散部分の多様性の基板への連続付加を示す図である。
【図8】パターン化基板上の流体組成物の拡散を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、基板12上にレリーフ・パターンを形成するシステム10を示している。基板12は、例えば、溶融シリカ、石英、シリコン、有機ポリマ、シロキサンポリマ、ホウケイ酸ガラス、フッ化炭素ポリマ、金属、プラスチック、ガリウムヒ素、テルル化水銀、硬化サファイア、及びこれらのあらゆる複合物などの材料を含むことができる。また、基板12は、誘電体層、金属層、半導体層、及び平面化層などの1又はそれ以上の層を含むことができる。基板12は基板チャック14に結合することができる。図示のように、基板チャック14は真空チャックであるが、「インプリント・リソグラフィ・プロセスのための高精度配向アラインメント及びギャップ制御段階」という名称の米国特許第6,873,087号に記載されるように、基板チャック14は、以下に限定されるわけではないが、真空、ピンタイプ、溝タイプ、又は電磁気を含むいずれのチャックであってもよく、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。基板12及び基板チャック14をステージ16上に支持することができる。さらに、ステージ16、基板12、及び基板チャック14をベース上に配置することができる。ステージ16はX軸及びY軸に関する動きを提供することができる。
【0012】
基板12から離間されてパターン形成装置17が存在する。パターン形成装置17はテンプレート18を含み、そこからパターン形成面22を上部に有するメサ20が基板12の方へ延びる。さらに、メサ20をモールド20と呼ぶことができる。メサ20をナノインプリントモールド20と呼ぶこともできる。さらなる実施形態では、実質的にテンプレート18にモールド20が存在しなくてもよい。テンプレート18及びモールド20は、以下に限定されるわけではないが、石英ガラス、石英、シリコン、有機ポリマ、シロキサンポリマ、ホウケイ酸ガラス、フッ化炭素ポリマ、金属、プラスチック、ガリウムヒ素、テルル化水銀、硬化サファイア、及びこれらのあらゆる複合物を含む材料から形成することができる。また、モールド20は、インジウムスズ酸化物、ダイヤモンド状炭素、MoSi、ゾルゲルなどのいくつかの材料から形成することもできる。図示のように、パターン形成面22は、複数の離間した凹部24及び突起部26により定められる特徴部を含む。しかしながら、さらなる実施形態では、パターン形成面22は実質的に平坦及び/又は平面であってもよい。パターン形成面22は、基板12上に形成されるパターンの基礎を形成する原パターンを定めることができる。米国特許第6,873,087号に記載されるように、以下に限定されるわけではないが、真空、ピンタイプ、溝タイプ、又は電磁気を含むいずれのチャックであってもよいテンプレート・チャック28にテンプレート18を結合することができる。さらに、テンプレート・チャック28は、インプリント・ヘッド30に結合してテンプレート18、従ってモールド20の動きを容易にすることができる。
【0013】
システム10は、流体分注システム32をさらに含む。流体分注システム32は、基板12と流体連通して基板12に重合可能材料34を付加することができる。システム10は、あらゆる数の流体ディスペンサを含むことができ、流体分注システム32は、内部に複数の分注ユニットを含むことができる。液滴分注、スプレイ・コーティング、スピン・コーティング、浸漬被覆、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、薄膜蒸着、厚膜蒸着などのあらゆる公知の技術を使用して重合可能材料34を基板12に付加することができる。通常、重合可能材料34は、モールド20と基板12との間に所望の容積が定められる前に基板12上に処置される。しかしながら、所望の容積が得られた後に重合可能材料34が容積を満たすこともできる。
【0014】
図1及び図2を参照すると、システム10は、エネルギー40を経路42に沿って導くように結合されたエネルギー40の光源38をさらに含む。インプリント・ヘッド30及びステージ16は、モールド20と基板12とをそれぞれ重ね合わせて経路42に配置するように構成される。インプリント・ヘッド30、ステージ16のいずれか又は両方は、モールド20と基板12との間の距離を変化させて、これらの間の重合可能材料34により満たされる所望の容積を定める。重合可能材料34で所望の容積が満たされた後、光源38が、重合可能材料34を固化及び/又は架橋させる広帯域紫外線放射などのエネルギー40を生成し、基板12の表面44の形状及びパターン形成面22に一致させて、基板12上にパターン化層46を定める。パターン化層46は、残留層48と、突起部50及び凹部52として示す複数の特徴部とを含むことができる。場合によっては、残留層48の厚みは約0nmから約100nmである。横方向(又は限界)寸法(又は突起部50の幅)は約5nmから約500μmで、突起部間の間隔(又は凹部52の幅)も約5nmから約500μmであってよい。突起部50の高さは約0から500nmである。ステージ16、インプリント・ヘッド30、流体分注システム32、及び光源38とデータ通信する、メモリ56に記憶されたコンピュータ可読プログラムに基づいて動作するプロセッサ54によりシステム10を制御することができる。
【0015】
上述の内容は、「インプリント・リソグラフィ・プロセス中における不連続フィルムの形成」という名称の米国特許第6,932,934号、「ステップアンドリピート・インプリント・リソグラフィ・プロセス」という名称の米国特許第7,077,992号、「ポジ型2層インプリント・リソグラフィ法」という名称の米国特許第7,179,396号、及び「インプリント・リソグラフィを用いた階段構造を形成する方法」という名称の米国特許出願公開第2004/0211754号において参照されるインプリント・リソグラフィ・プロセス及びシステムでさらに使用することができ、これらの特許はすべて引用により本明細書に組み入れられる。さらなる実施形態では、フォトリソグラフィ(Gライン、Iライン、248nm、193nm、157nm、及び13.2〜13.4nmを含む様々な波長)、コンタクト・リソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、X線リソグラフィ、イオンビーム・リソグラフィ、及び原子線リソグラフィなどのあらゆる公知の技術において上述の内容を使用することができる。
【0016】
流体組成物の離散部分をインプリント・リソグラフィ基板に付加して、基板の表面上に離散部分の多様性を形成することができる。この多様性は、離散部分のパターン分布又はランダム分布であってもよい。組成物は、溶媒と固体、溶媒と重合可能材料、或いはこれらのあらゆる組み合わせの(溶液又は分散液などの)混合物であってもよい。重合可能材料は固体状態であっても、又は液体状態であってもよい。場合によっては、溶媒が高蒸発率、低表面張力、又はこれらの両方を有することが望ましい。
【0017】
基板への付加後に、離散部分が基板の表面上で拡散(例えば、同時拡散又は融合)し、離散部分間の格子間領域内のガスを排出して、基板上に流体組成物の実質的な連続層を形成する。組成物内の溶媒の少なくとも一部は蒸発により除去される。溶媒及び重合可能材料を含む組成物の場合、重合可能材料が重合されて、基板の表面上に重合材料の層を形成する。溶媒、及び溶解した或いは分散した固体を含む組成物の場合、溶媒が蒸発するにつれて基板上に固体層が形成される。実質的な連続液体層が、実質的に格子間空隙のない固体層を生じる。
【0018】
インクジェット分注及びスプレイ・コーティングを含む様々な方法で、流体組成物の離散部分の多様性を基板に付加することができる。付加の方法に部分的に基づいて組成物の粘度を選択することができる。インクジェット分注の場合、例えば、付加する液体の粘度は最大約200cPまでの範囲に及ぶことができる。例えば噴霧処理では、スプレイ・コーティングを使用して、最大約2000cPの粘度の流体組成物を付加することができる。噴霧は、(方向を定めた流れのためのガスノズルを有する液体噴霧器などの)超音波スプレイ・ヘッドの使用を含むことができる。「高粘度流体を噴霧するための装置」という名称の米国特許第6,135,357号に記載されるように、超音波スプレイ・ヘッドは耐閉塞性を有することが有利であり、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。
【0019】
離散部分の多様性は、離散部分の均一な又は不均一な、規則的な又は不規則的な、或いはランダムな分布であってもよい。いくつかの実施形態では、離散部分は、円形、矩形、又は正方形などのパターンを形成する。別の実施形態では、離散部分を不均一に又はランダムに配置することができる。離散部分の一部又は全ての容積は予め設定することができる。離散部分の所望の容積の設定に使用する係数は、(モールドの特徴部の密度などの)最終的なインプリント特徴部の密度、残留層の厚み、及び組成物内の溶媒量を含む。離散部分の容積は、例えば、約1pLから約100μLの間、約2pLから約10μLの間、約3pLから約1μLの間、約4pLから約100nLの間、約5pLから約10nLの間、又は約6pLから約1nLの間であってもよい。場合によっては、離散部分のほとんど又は全ての容積が実質的に同じになることが好都合なこともある。場合によっては、離散部分の一部の容積が異なることが好都合なこともある。離散部分は、基板上で互いに実質的に等距離で離間していてもよく、或いは1又はそれ以上の予め設定した距離で離間してもよい。図3A〜図3Dは、基板12上の流体組成物304の離散部分302のいくつかの例示的な多様性300を示す図である。
【0020】
離散部分の間隔及び容積は、これらの部分が拡散して基板上に実質的な連続層を形成した後に所望の被覆を行うように選択することができる。所望の被覆は、様々な幾何学形状及びサイズ、例えば、約26x32mmの矩形領域、或いは約65mm又は約90mmの直径を有する円形領域のものであってもよい。いくつかの実施形態では、実質的な連続層の深さは約5nmから約1μmである。場合によっては、基板の表面上の流体組成物の深さは実質的に均一であることが望ましい。ある場合には、基板の1つの領域の組成物の深さが、基板の別の領域の組成物の深さを上回ることが望ましい。例えば、図4に示すように、モールド20が不均一な特徴部の密度を有する場合、基板12に付加する流体組成物304の離散部分302の密度を、インプリント後に実質的に均一な残留層48を生じる不均一な深さを生じるように選択することができる。
【0021】
図5は、基板12の表面上の流体組成物304の離散部分302の拡散を示す図である。最初に、離散部分302が基板12上で拡散し始める。最初のいくつかの拡散後、離散部分302により格子間領域500が定められる。最終的に、離散部分302が融合して、基板12上に流体組成物304の実質的な連続層506を形成する。
【0022】
場合によっては、流体組成物の離散部分の多様性の周辺部の周囲により粘性の高い流体組成物を付加することにより、流体組成物の拡散を制限することができる。例えば、図6に示すように、基板12上の流体組成物304の離散部分302を、別のより粘性の高い流体組成物604の離散部分602で取り囲み、或いは部分的に取り囲むことができる。より粘性の高い流体組成物604の離散部分602は、流体組成物304に対する障壁として働き、より粘性の高い組成物により形成された縁部又は周辺部を越えて組成物が拡散するのを妨げることができる。いくつかの実施形態では、より粘性の高い流体組成物604は、低い重量パーセントの溶媒を含む重合可能材料(又は固体)であり、流体組成物304は、例えば同じ重合可能材料(又は固体)と高い重量パーセントの溶媒とを含む混合物である。より粘性の高い流体組成物604は、より粘性の高い流体組成物により形成された縁部又は周辺部を越えてより粘性の低い流体組成物304が拡散するのを妨げる。溶媒の蒸発後、基本的に重合可能材料(又は固体)から実質的な連続層が構成され、基板上に形成される固体層の組成物は実質的に均質となる。
【0023】
基板の表面上で離散部分が拡散した後、溶媒の一部又は実質的に全てが流体組成物から蒸発できるようになる。場合によっては、基板上の離散部分における流体組成物からの溶媒の蒸発を考慮に入れた時間は、約1〜200秒、又は約2〜60秒に及ぶ。溶媒は、溶媒の蒸発中に基板の撥水を低下又は最小化するように選択されることが有利である。
【0024】
基板に流体組成物を付加してから(重合の開始などの)基板上に層が固化するまでの時間により、流体組成物内の溶媒の一部又は実質的に全ての蒸発が可能になる。インプリント・リソグラフィ・プロセスにおける処理能力効率を高めるために、第1の多様性が固化される前に、流体組成物の離散部分の第1の多様性及び1又はそれ以上の追加の多様性を基板に付加することができる。離散部分の多様性を連続して付加することにより、プロセス全体の処理能力を制限することなく流体組成物が拡散し、所望量の溶媒が蒸発するための時間が可能になる。
【0025】
例えば、図7に示すように、多様性302A〜302Pが連続して基板に付加される。望むように流体組成物が拡散し溶媒が蒸発するのを考慮に入れた時間は、多様性302Aを基板に付加し、多様性302Bを基板に付加し、多様性302Cを基板に付加する間に多様性302Aが固化するようなものである。プロセスは、多様性302Dを付加する間に多様性302Bが固化し、多様性302Eを付加する間に多様性302Cが固化するように継続する。溶媒の蒸発率に部分的に基づいて、付加と固化との間の順序及び時間遅延が選択される。場合によっては、第1の多様性が固化する前に、2、3、又はそれ以上の多様性が予め基板上に分注される。
【0026】
いくつかの実施形態では、基板上に形成された固体層を使用して像の転写を容易にし、固化後の処理中に固体層の一部又は全てを意図的に基板から除去する。本明細書で使用する場合、「抵抗材料」とは、重合可能材料、又は重合可能材料から形成された固体層のことを意味し、これらの少なくとも一部が意図的に基板から除去される。インプリント・リソグラフィ基板上に抵抗材料を形成するステップは、溶媒と重合可能材料とを含む流体組成物を基板の表面上に付加するステップと、組成物が同時に拡散して基板上に実質的な連続層を形成できるようにするステップと、組成物の少なくとも一部を蒸発させるステップと、組成物をテンプレート(又はモールド)と接触させるステップと、テンプレートと基板との間で重合可能材料を重合するステップとを含む。重合可能材料を重合するステップは、例えば紫外線放射などの熱又は電磁放射への材料の露出を含むことができる。重合後にテンプレートを重合材料から除去し、重合(又は抵抗)材料を基板に固定したままにする。「多層構造を平面化するエッチング技術」という名称の米国特許第7,259,102号に記載されるように、基板の表面上で得られる抵抗材料を像転写用のマスクとして使用することができ、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。
【0027】
「一致する領域とモールドとの間の接着力を低減させるための組成物」という名称の米国特許第7,307,118号にいくつかの例示的な抵抗材料が記載されており、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。抵抗材料は、架橋剤、(熱開始剤、光開始剤などの)開始剤、及び界面活性剤などの任意の添加剤と共に、(トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリ(4−ビニルオキシブチル_トリメリテート)、ビス(4−ビニルオキシブチル)アジピン酸ビニルエーテル、ビニルエーテル末端ポリエステルポリマなどの)ビニルエーテル、有機修飾ケイ酸塩(イソボルニルアクリレート、n−ヘキシルアクリレートなどの)アクリレート、(エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの)ジアクリレート、メタクリレート、エポキシ、(1,2−ビス(2−メルカプトエトキシ)エタンなどの)チオレン、イソシアヌレート、又はこれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0028】
1つの例では、重合可能材料が、約20〜80重量%のイソボルニルアクリレート(IBOA)、約0〜50%のn−ヘキシルアクリレート(n−HA)、約10〜15%のエチレングリコールジアクリレート(EGDA)、及び約1〜5%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを含む。IBOAは、米国ペンシルベニア州エクストンのSartomer Company社から入手可能であり、SR506という製品名で市販されている。n−HAは、重合材料に可撓性を提供し、液相のバルク材料の粘度を約2〜9cPの範囲に低下させる。n−HAは、米国ウイスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Company社から入手可能である。EGDAは、弾性及び剛性の強化に寄与すると同時に、バルク材料の重合中にn−HA及びIBOAの架橋結合を容易にする架橋成分である。2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンは、DAROCUR(登録商標)1173という商品名で米国ニューヨーク州タリタウンのCiba Specialty Chemicals社から市販されている光開始剤である。開始剤は、中圧水銀ランプにより発生する紫外線放射の広帯域に反応する。このようにして、開始剤は、バルク材料の成分の架橋及び重合を容易にする。この重合可能材料の1つの実施形態は、約55重量%のIBOA、約27重量%のn−HA、約15重量%のEGDA、及び約3重量%の開始剤を含む。この重合可能材料の別の実施形態は、約47重量%のIBOA、約25重量%のn−HA、約25重量%のEGDA、及び約3重量%の開始剤を含む。これらの実施形態は約4cPの粘度を有する。
【0029】
別の実施形態では、重合可能材料が、約0〜50重量%のGENOMER(登録商標)1122、約20〜80重量%のIBOA、約10〜50重量%の1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及び約1〜5重量%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを含む。GENOMER(登録商標)1122は、米国イリノイ州オーロラのRahn USA Corporation社から入手可能な脂肪族ウレタンアクリレートである。1,6−ヘキサンジオールジアクリレートは、米国ジョージア州スミルナのUCB Chemicals社から入手可能である。この材料の改善された湿潤特性を提供するために、1H,1H−ペルフルオロ−n−デシルアクリレートなどの追加のフッ素化アクリレートを含めて材料の接触角を下げることができる。このフッ素化アクリレートは、C10ACRYという商品名で米国テキサス州ラウンドロックのExfluor Research Corporation社から市販されている。この重合可能材料の粘度は約11cPである。この重合可能材料の1つの実施形態は、約21重量%のGENOMER(登録商標)1122、約56重量%のIBOA、約20重量%の1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及び約3重量%の開始剤を含む。
【0030】
別の例では、約21cPの粘度を有する重合可能材料が、約50重量%のIBOA、約10重量%のGENOMER(登録商標)1122、約3重量%のDAROCUR(登録商標)1173、約25重量%のSR833S、及び約12重量%のPHOTOMER(登録商標)8127を含む。SR833S(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)は、Sartomer社から入手可能な遊離基により重合された低粘性二官能性アクリレートモノマである。PHOTOMER(登録商標)8127は、Cognis GmbH社から市販されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、基板上に形成された固体層が像転写以外の目的で使用される。すなわち、基板上に形成された固体層を基板に固定されたままにすることが意図される。本明細書で使用する場合、「機能材料」とは、固体又は重合可能材料、或いは像転写以外の目的で固体又は重合可能材料から基板上に形成された固体層のことを意味する。機能材料を基板に付加して、基板の少なくとも一部の上に導電率などの所望の特性を有する層を設けることができる。いくつかの実施形態では、機能材料が、誘電体材料、金属、及び半導体を含む。
【0032】
機能材料が重合可能材料から形成される場合、(分散液又は溶液などの)重合可能材料と溶媒との混合物を基板に付加することにより、基板上での重合可能材料の拡散が容易になる。溶媒の少なくとも一部が蒸発した後、基本的に重合可能材料で構成することができる残りの流体組成物をテンプレートに接触させ、テンプレートとまだ接触しているうちに例えば熱焼き付け又は紫外線放射により固化することができる。場合によっては、重合前に実質的に全ての溶媒を除去することがある。場合によっては、重合前に溶媒の一部のみを除去して、重合中に混合物が所望量の溶媒を保持して多孔質材料を生み出すようにする。最終的な溶媒の喪失時に、溶媒が占める領域が機能材料内の細孔となる場合がある。これらの細孔は、低Κ型誘電材料の作製において材料の誘電率を低下させる上で役立つことができる。いくつかの実施形態では、重合後に機能材料内に溶媒の残留量が残る場合がある。他の実施形態では、固化した機能材料が実質的に溶媒を含まない場合もある。
【0033】
「低Κ型誘電機能性インプリンティング材料」という名称の米国特許出願第2006/0081557号に、ポリマ又はオリゴマの形にすることができる様々なシリコン含有材料を含むいくつかの重合可能機能材料についての記載があり、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。好適な有機ポリシリカとして、(i)シルセスキオキサン、(ii)(約500から20,000の数平均分子量を有する制御加水分解テトラエトキシシランにより部分的に凝縮されたような)部分凝縮アルコキシシラン、(iii)Rを有機置換基として、組成物RSiO3及びR2SiO2を有する有機修飾ケイ酸塩、及び(iv)組成物SiOR4を有する部分凝縮オルトケイ酸塩が挙げられる。シルセスキオキサンは、Rを有機置換基とするタイプRSiO1.5の高分子ケイ酸塩材料である。シリコン含有材料は、重合可能流体組成物の約10重量%よりも多くの、或いは約20重量%よりも多くの量の元素シリコンを含むことができる。
【0034】
重合可能機能材料はまた、エポキシ基、ケトン基、アセチル基、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、及びこれらの組み合わせなどの1又はそれ以上のペンダント官能基を含むこともできる。有機ポリシリカのいくつかの形態は比較的低分子量のものであり、分子当たり2又は反応基を含むことができる。このような有機修飾ケイ酸塩は「ORMOCER」という商品名で市販されており、Micro Resist Technology GmbH社(ドイツ国ベルリン)から入手可能である。制御加水分解及びアルキルトリアルコキシシランなどの有機修飾シランの凝縮を通じてこれらの材料を形成することができる。
【0035】
1つの例では、ナノインプリンティング・プロセスを使用して、重合可能機能材料から有機太陽光電池を作製することができる。インプリンティングプロセスでは、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、及びポリ−(チオフェン−ピロール−チオフェン−ベンゾチアジアゾール)誘導体などのいくつかの種類の電子供与性共役ポリマからP材料を選択することができる。これらのポリマの主鎖共役骨格は不変であることができる。側鎖誘導体は変化して、アクリレート、メタクリレート、チオール、ビニル、エポキシ、及びこれらの組み合わせを含む反応基を組み入れることができ、これらはUV露出又は熱により架橋することができる。いくつかの実施形態では、炭素ナノチューブを含むフラーレン誘導体からN材料が選択される。フラーレンを有機修飾して、電気重合のためのチオフェンなどの反応基と、UV露出又は熱により架橋するアクリレート、メタクリレート、チオール、ビニル、エポキシ、及びこれらの組み合わせなどの反応基とを付着させることができる。少量の架橋性結合材料を加えることにより、フラーレン誘導体をインプリントすることもできる。
【0036】
特定の溶媒中の抵抗材料又は機能材料の溶液又は分散液は、溶液又は分散液の急速な拡散を可能にして基板の表面上に実質的な連続液体層を形成するとともに、モールド又はテンプレートにおける特徴部の急速かつ実質的に完全な充填を可能にする。必要に応じて溶媒希釈材料の離散部分を基板上に配置し、モールド又はテンプレートが不均一な特徴部密度を有している場合でも実質的に均一な残留層を生じることができる。特定の溶媒はまた、より粘性の高い流体組成物によるいくつかのドロップオンデマンドプロセスで発生する可能性のある格子間ガス捕獲を低減し、最小化し、或いは阻止することにより、処理能力を高めて欠陥を減少させる。従って、選択した固体又は重合可能材料を可溶化又は分散させるための蒸発率、表面張力、及び能力などの特性の望ましい組み合わせを有する溶媒の選択により、一部の又は全ての関連する不都合を伴わずに、スピン・コーティング法並びにドロップオンデマンドコーティング法の利点の意外かつ予期せぬ組み合わせが生じる。
【0037】
インプリント・リソグラフィのための固体又は重合可能材料の可溶化又は分散に使用する溶媒は、純度が高く、実質的に金属イオンを含まず、蒸発後に残留物又は再沈殿物を残さないものが有利である。安全、不燃性であり、及び/又は環境に優しい溶媒は特に有利である。溶媒の望ましい特性は重合可能材料の特性に基づくことができる。例えば、溶媒が重合可能材料よりも揮発性となるように溶媒の沸点を選択することができる。場合によっては、溶媒の沸点は約150℃未満又は約100℃未満であってもよい。場合によっては、比較的沸点の低い溶媒は比較的高い蒸気圧も有する。インプリント・リソグラフィ・プロセスでは、比較的低い沸点、比較的高い蒸気圧、又はこれらの組み合わせが周囲温度での溶媒蒸発を可能にする。
【0038】
抵抗材料に特に適した部類の溶媒の1つの例として、化学式Rf−X−Rのフッ素化エーテルが挙げられ、この場合Rfは炭素及びフッ素を含み、Xは酸素などの二価原子であり、Rはアルキル基である。Rfは、フッ素化炭素又はペルフルオロ炭素を含むことができる。フッ素化エーテルの例としては、以下に示す(A)メチルノナフルオロブチルエーテル、(B)エチルノナフルオロブチルエーテル、及び(C)2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサンが挙げられる。
【0039】
F3C(F2C)3−O−CH3
A: メチルノナフルオロブチルエーテル
【0040】
F3C(F2C)3−O−CH2CH3
B: エチルノナフルオロブチルエーテル
【0041】
【化1】
C: 2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサン
【0042】
クロロホルム、キシレン、及びクロロベンゼンなどの溶媒は、機能材料の分散液及び溶液の形成に特に有用である。ゾルゲル形態の機能材料の場合、好適な溶媒として、プロパノールなどの1又はそれ以上のアルコールの水性混合物が挙げられる。
【0043】
いくつかの実施形態では、流体組成物が約0〜99.8重量%の溶媒、又は約5〜50重量%の溶媒を含む。溶媒の表面張力、粘度、及び蒸発率、並びに固体重合可能材料の粘度又は溶解性、及び拡散する流体前方の粘度を含む混合物の所望の粘度及び拡散速度に基づいて、固体又は重合可能材料に対する溶媒の比率を選択することができる。表面張力の低い溶媒中に溶解又は分散した材料は、表面張力の高い溶媒中に溶解又は分散した同じ材料よりもさらに拡散する傾向にある。2つの溶媒が同様の表面張力及び粘度を有する場合、より低速で蒸発する溶媒の方が、溶解又は分散した材料のより大きな拡散を可能にする。1つの例では、50重量%の溶媒B(エチルノナフルオロブチルエーテル)を含む混合物の方が、50重量%の溶媒A(メチルノナフルオロブチルエーテル)で希釈した同じ材料よりも表面積を約25パーセント多く覆うように拡散する。
【0044】
溶媒の選択及び量に影響を及ぼすその他の係数として、付加の方法、流体組成物の離散部分がアプリケータと基板との間を移動する距離、離散部分を付加する環境条件(温度、湿度、その他)、離散部分を基板に付加した後の溶媒の蒸発を考慮に入れた時間、及び所望の固化層の厚さが挙げられる。
【0045】
固体及び溶媒を含む(分散液などの)流体組成物を形成することにより、不溶性固体である機能材料の加工性を高めることができる。不溶性機能材料の例として、無機基板、TiO2などの金属含有粒子、及び炭素ナノチューブを含む炭素のフラーレン及びその他の形態が挙げられる。組成物が基板の表面に付加される。基板の表面は平面又は非平面であってもよい。例えば、図8に示すように、基板12は、ナノインプリント・リソグラフィにより形成されたパターン化層であってもよい。流体組成物804の離散部分302を基板12の表面に付加することができる。離散部分が拡散して、基板の表面上に実質的な連続層806を形成する。溶媒の蒸発により、基板の表面上に機能材料の実質的な連続固体層が残る。固体層は実質的に平面であってもよく、又は基板の表面の形状に適合してもよい。
【0046】
溶媒中に溶解する機能材料及び溶媒中に溶解しない機能材料を含む例示的なプロセスでは、有機太陽電池の作製においてナノインプリンティングを使用して基板上でN型材料をパターン化する。N型材料は、例えば、水及び2−プロパノールで形成されたゾルゲル中のTiO2などの不溶性機能材料であってもよい。基板とモールドとの間のTiO2ゾルゲルを固化することにより、パターン化層を形成することができる。パターン化したTiO2層上に別の機能材料の層を形成することができる。クロロホルム、キシレン、又はクロロベンゼンなどの溶媒中にポリ(3−ヘキシルチオフェン)などの固体前駆体を溶解させることができる。溶液の離散部分をTiO2層の表面に付加することができる。離散部分が融合又は拡散して実質的な連続層を形成し、溶媒が蒸発した後、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)の固体層がTiO2層上に残存し、P型材料として機能する。
【0047】
本発明の数多くの実施形態について説明した。にもかかわらず、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解されよう。従って、その他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に入る。
【符号の説明】
【0048】
12 基板
302 離散部分
804 流体組成物
806 実質的な連続層
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
本発明は、インプリント・リソグラフィにおける溶媒支援層の形成に関する。
[関連出願との相互参照]
本出願は、合衆国法典第35編119条(e)(1)項に基づいて、2007年6月18日に出願された米国仮出願第60/944,586号の利益を主張するものであり、該特許はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
[特許に係る政府の権利についての陳述]
この研究は、米国連邦標準技術局先進技術プログラム賞第70NANB4H3012号により支持され、従って米国政府は本発明に一定の権利を有することができる。
【背景技術】
【0002】
ナノファブリケーションとは、およそナノメータ又はそれ以下の特徴部などを有する非常に小さな構造の製作を意味する。ナノファブリケーションがかなり大きな影響を与えてきた1つの分野に集積回路の加工がある。半導体加工業界は、基板上に形成される単位面積当たりの回路を増やす一方で、さらに大きな生産収率を得ようと努力し続けているため、ナノファブリケーションはますます重要になっている。ナノファブリケーションは、より大きなプロセス制御を提供しながら、形成される構造の特徴部の最小寸法のさらなる縮小を可能にする。ナノファブリケーションを採用するその他の開発の分野として、生物工学、光技術、機械系などが挙げられる。
【0003】
1つの例示的なナノファブリケーション技術は、一般にインプリント・リソグラフィと呼ばれる。例示的なインプリント・リソグラフィ・プロセスが、「基板上に特徴部を配置して最小寸法の変動性を有する特徴部を再現するための方法」という名称の米国特許出願公開第2004/0065976号、「基板上に層を形成して測定標準の製作を容易にする方法」という名称の米国特許出願公開第2004/0065252号、及び「インプリント・リソグラフィ・プロセスのための機能的パターン形成材料」という名称の米国特許第6,936,194号などの数多くの公報に詳細に記載されており、これらの特許のすべてが引用により本明細書に組み入れられる。
【0004】
前述の公報及び特許に開示されるインプリント・リソグラフィ技術には、重合可能層にレリーフ・パターンを形成するステップと、このレリーフ・パターンに対応するパターンを下部にある基板内へ転写するステップとが含まれる。所望の位置を得るために、基板をモーションステージ上に配置して基板上へのパターン形成を容易にすることができる。この目的のために、テンプレートと基板との間に存在する成形可能な流体組成物により基板から離間されたテンプレートを使用する。この流体組成物は重合して、流体組成物と接するテンプレートの表面形状に一致するパターンを内部に記録する固化層を形成する。その後、テンプレートを固化層から切り離し、テンプレートと基板とが離間するようにする。その後、基板及び固化層に、固化層内のパターンに対応するレリーフ像を基板に転写する処理を行う。
【0005】
スピン・コーティング技術を使用して、インプリント前に基板上に重合可能材料の層を形成することがある。しかしながら、スピン・コーティングにより得られる層は、インプリント後、例えばテンプレート特徴部の密度が不均一な場合に不均一な残留層を生じる可能性がある。さらにスピン・コーティング技術は、両面インプリンティングが必要な場合、(ウェハなどの)基板の少なくとも片側の粒子汚染をもたらす可能性がある。
【0006】
ドロップオンデマンド分注法を使用して、インプリント後に、より均一に近い残留層を生じる液体層を基板上に形成することができる。しかしながら、基板上の重合可能液体の液滴間の格子間領域に捕獲されたガスが、基板上における液滴の拡散及び合体を妨げる場合がある。重合可能材料がインプリント前に基板上に不連続層を形成する場合、格子間空隙などの欠陥が重合層を生じる場合がある。格子間領域からガスを排出するのに要する時間により、インプリント・リソグラフィ・プロセスの処理能力が低下する可能性がある。
【0007】
スピン・コーティング及びドロップオンデマンド法は、重合可能材料に界面活性剤を添加してテンプレートからの放出性能を高めるステップを含むことができる。また、流体拡散前方において、界面活性剤が基板と相互作用する可能性がある。場合によっては、界面活性剤の存在により、例えばピン留め効果を通じて材料の拡散を制限することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0065976号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0065252号
【特許文献3】米国特許第6,936,194号
【特許文献4】米国特許第6,873,087号
【特許文献5】米国特許第6,932,934号
【特許文献6】米国特許第7,077,992号
【特許文献7】米国特許第7,179,396号
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0211754号
【特許文献9】米国特許第6,135,357号
【特許文献10】米国特許第7,259,102号
【特許文献11】米国特許第7,307,118号
【特許文献12】米国特許出願第2006/0081557号
【発明の概要】
【0009】
1つの態様では、インプリント・リソグラフィ法が、流体組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加するステップと、組成物の離散部分を基板の表面上で同時に拡散させて、実質的な連続層を形成するステップとを含む。組成物は、溶媒と重合可能材料、又は溶媒と固体を含むことができる。溶媒の少なくとも一部が流体組成物から蒸発して、実質的に格子間空隙のない固体層が基板上に形成される。固体層を形成するステップは、重合可能材料を重合するステップを含むことができる。溶媒はRf−X−Rを含むことができ、この場合Rfはフッ素及び炭素を含み、Rはアルキル基を含み、Xは二価原子である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ナノインプリント・リソグラフィシステムを示す図である。
【図2】基板上に形成されたパターン化層を示す図である。
【図3A−3D】基板上の流体組成物の離散部分の多様性を示す図である。
【図4】基板上の流体組成物の離散部分の不均一な分布を示す図である。
【図5】実質的な連続層を形成するための基板上の流体組成物の離散部分の拡散を示す図である。
【図6】より粘性の高い流体の離散部分で取り囲んだ流体組成物の離散部分を示す図である。
【図7】流体組成物の離散部分の多様性の基板への連続付加を示す図である。
【図8】パターン化基板上の流体組成物の拡散を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、基板12上にレリーフ・パターンを形成するシステム10を示している。基板12は、例えば、溶融シリカ、石英、シリコン、有機ポリマ、シロキサンポリマ、ホウケイ酸ガラス、フッ化炭素ポリマ、金属、プラスチック、ガリウムヒ素、テルル化水銀、硬化サファイア、及びこれらのあらゆる複合物などの材料を含むことができる。また、基板12は、誘電体層、金属層、半導体層、及び平面化層などの1又はそれ以上の層を含むことができる。基板12は基板チャック14に結合することができる。図示のように、基板チャック14は真空チャックであるが、「インプリント・リソグラフィ・プロセスのための高精度配向アラインメント及びギャップ制御段階」という名称の米国特許第6,873,087号に記載されるように、基板チャック14は、以下に限定されるわけではないが、真空、ピンタイプ、溝タイプ、又は電磁気を含むいずれのチャックであってもよく、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。基板12及び基板チャック14をステージ16上に支持することができる。さらに、ステージ16、基板12、及び基板チャック14をベース上に配置することができる。ステージ16はX軸及びY軸に関する動きを提供することができる。
【0012】
基板12から離間されてパターン形成装置17が存在する。パターン形成装置17はテンプレート18を含み、そこからパターン形成面22を上部に有するメサ20が基板12の方へ延びる。さらに、メサ20をモールド20と呼ぶことができる。メサ20をナノインプリントモールド20と呼ぶこともできる。さらなる実施形態では、実質的にテンプレート18にモールド20が存在しなくてもよい。テンプレート18及びモールド20は、以下に限定されるわけではないが、石英ガラス、石英、シリコン、有機ポリマ、シロキサンポリマ、ホウケイ酸ガラス、フッ化炭素ポリマ、金属、プラスチック、ガリウムヒ素、テルル化水銀、硬化サファイア、及びこれらのあらゆる複合物を含む材料から形成することができる。また、モールド20は、インジウムスズ酸化物、ダイヤモンド状炭素、MoSi、ゾルゲルなどのいくつかの材料から形成することもできる。図示のように、パターン形成面22は、複数の離間した凹部24及び突起部26により定められる特徴部を含む。しかしながら、さらなる実施形態では、パターン形成面22は実質的に平坦及び/又は平面であってもよい。パターン形成面22は、基板12上に形成されるパターンの基礎を形成する原パターンを定めることができる。米国特許第6,873,087号に記載されるように、以下に限定されるわけではないが、真空、ピンタイプ、溝タイプ、又は電磁気を含むいずれのチャックであってもよいテンプレート・チャック28にテンプレート18を結合することができる。さらに、テンプレート・チャック28は、インプリント・ヘッド30に結合してテンプレート18、従ってモールド20の動きを容易にすることができる。
【0013】
システム10は、流体分注システム32をさらに含む。流体分注システム32は、基板12と流体連通して基板12に重合可能材料34を付加することができる。システム10は、あらゆる数の流体ディスペンサを含むことができ、流体分注システム32は、内部に複数の分注ユニットを含むことができる。液滴分注、スプレイ・コーティング、スピン・コーティング、浸漬被覆、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、薄膜蒸着、厚膜蒸着などのあらゆる公知の技術を使用して重合可能材料34を基板12に付加することができる。通常、重合可能材料34は、モールド20と基板12との間に所望の容積が定められる前に基板12上に処置される。しかしながら、所望の容積が得られた後に重合可能材料34が容積を満たすこともできる。
【0014】
図1及び図2を参照すると、システム10は、エネルギー40を経路42に沿って導くように結合されたエネルギー40の光源38をさらに含む。インプリント・ヘッド30及びステージ16は、モールド20と基板12とをそれぞれ重ね合わせて経路42に配置するように構成される。インプリント・ヘッド30、ステージ16のいずれか又は両方は、モールド20と基板12との間の距離を変化させて、これらの間の重合可能材料34により満たされる所望の容積を定める。重合可能材料34で所望の容積が満たされた後、光源38が、重合可能材料34を固化及び/又は架橋させる広帯域紫外線放射などのエネルギー40を生成し、基板12の表面44の形状及びパターン形成面22に一致させて、基板12上にパターン化層46を定める。パターン化層46は、残留層48と、突起部50及び凹部52として示す複数の特徴部とを含むことができる。場合によっては、残留層48の厚みは約0nmから約100nmである。横方向(又は限界)寸法(又は突起部50の幅)は約5nmから約500μmで、突起部間の間隔(又は凹部52の幅)も約5nmから約500μmであってよい。突起部50の高さは約0から500nmである。ステージ16、インプリント・ヘッド30、流体分注システム32、及び光源38とデータ通信する、メモリ56に記憶されたコンピュータ可読プログラムに基づいて動作するプロセッサ54によりシステム10を制御することができる。
【0015】
上述の内容は、「インプリント・リソグラフィ・プロセス中における不連続フィルムの形成」という名称の米国特許第6,932,934号、「ステップアンドリピート・インプリント・リソグラフィ・プロセス」という名称の米国特許第7,077,992号、「ポジ型2層インプリント・リソグラフィ法」という名称の米国特許第7,179,396号、及び「インプリント・リソグラフィを用いた階段構造を形成する方法」という名称の米国特許出願公開第2004/0211754号において参照されるインプリント・リソグラフィ・プロセス及びシステムでさらに使用することができ、これらの特許はすべて引用により本明細書に組み入れられる。さらなる実施形態では、フォトリソグラフィ(Gライン、Iライン、248nm、193nm、157nm、及び13.2〜13.4nmを含む様々な波長)、コンタクト・リソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、X線リソグラフィ、イオンビーム・リソグラフィ、及び原子線リソグラフィなどのあらゆる公知の技術において上述の内容を使用することができる。
【0016】
流体組成物の離散部分をインプリント・リソグラフィ基板に付加して、基板の表面上に離散部分の多様性を形成することができる。この多様性は、離散部分のパターン分布又はランダム分布であってもよい。組成物は、溶媒と固体、溶媒と重合可能材料、或いはこれらのあらゆる組み合わせの(溶液又は分散液などの)混合物であってもよい。重合可能材料は固体状態であっても、又は液体状態であってもよい。場合によっては、溶媒が高蒸発率、低表面張力、又はこれらの両方を有することが望ましい。
【0017】
基板への付加後に、離散部分が基板の表面上で拡散(例えば、同時拡散又は融合)し、離散部分間の格子間領域内のガスを排出して、基板上に流体組成物の実質的な連続層を形成する。組成物内の溶媒の少なくとも一部は蒸発により除去される。溶媒及び重合可能材料を含む組成物の場合、重合可能材料が重合されて、基板の表面上に重合材料の層を形成する。溶媒、及び溶解した或いは分散した固体を含む組成物の場合、溶媒が蒸発するにつれて基板上に固体層が形成される。実質的な連続液体層が、実質的に格子間空隙のない固体層を生じる。
【0018】
インクジェット分注及びスプレイ・コーティングを含む様々な方法で、流体組成物の離散部分の多様性を基板に付加することができる。付加の方法に部分的に基づいて組成物の粘度を選択することができる。インクジェット分注の場合、例えば、付加する液体の粘度は最大約200cPまでの範囲に及ぶことができる。例えば噴霧処理では、スプレイ・コーティングを使用して、最大約2000cPの粘度の流体組成物を付加することができる。噴霧は、(方向を定めた流れのためのガスノズルを有する液体噴霧器などの)超音波スプレイ・ヘッドの使用を含むことができる。「高粘度流体を噴霧するための装置」という名称の米国特許第6,135,357号に記載されるように、超音波スプレイ・ヘッドは耐閉塞性を有することが有利であり、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。
【0019】
離散部分の多様性は、離散部分の均一な又は不均一な、規則的な又は不規則的な、或いはランダムな分布であってもよい。いくつかの実施形態では、離散部分は、円形、矩形、又は正方形などのパターンを形成する。別の実施形態では、離散部分を不均一に又はランダムに配置することができる。離散部分の一部又は全ての容積は予め設定することができる。離散部分の所望の容積の設定に使用する係数は、(モールドの特徴部の密度などの)最終的なインプリント特徴部の密度、残留層の厚み、及び組成物内の溶媒量を含む。離散部分の容積は、例えば、約1pLから約100μLの間、約2pLから約10μLの間、約3pLから約1μLの間、約4pLから約100nLの間、約5pLから約10nLの間、又は約6pLから約1nLの間であってもよい。場合によっては、離散部分のほとんど又は全ての容積が実質的に同じになることが好都合なこともある。場合によっては、離散部分の一部の容積が異なることが好都合なこともある。離散部分は、基板上で互いに実質的に等距離で離間していてもよく、或いは1又はそれ以上の予め設定した距離で離間してもよい。図3A〜図3Dは、基板12上の流体組成物304の離散部分302のいくつかの例示的な多様性300を示す図である。
【0020】
離散部分の間隔及び容積は、これらの部分が拡散して基板上に実質的な連続層を形成した後に所望の被覆を行うように選択することができる。所望の被覆は、様々な幾何学形状及びサイズ、例えば、約26x32mmの矩形領域、或いは約65mm又は約90mmの直径を有する円形領域のものであってもよい。いくつかの実施形態では、実質的な連続層の深さは約5nmから約1μmである。場合によっては、基板の表面上の流体組成物の深さは実質的に均一であることが望ましい。ある場合には、基板の1つの領域の組成物の深さが、基板の別の領域の組成物の深さを上回ることが望ましい。例えば、図4に示すように、モールド20が不均一な特徴部の密度を有する場合、基板12に付加する流体組成物304の離散部分302の密度を、インプリント後に実質的に均一な残留層48を生じる不均一な深さを生じるように選択することができる。
【0021】
図5は、基板12の表面上の流体組成物304の離散部分302の拡散を示す図である。最初に、離散部分302が基板12上で拡散し始める。最初のいくつかの拡散後、離散部分302により格子間領域500が定められる。最終的に、離散部分302が融合して、基板12上に流体組成物304の実質的な連続層506を形成する。
【0022】
場合によっては、流体組成物の離散部分の多様性の周辺部の周囲により粘性の高い流体組成物を付加することにより、流体組成物の拡散を制限することができる。例えば、図6に示すように、基板12上の流体組成物304の離散部分302を、別のより粘性の高い流体組成物604の離散部分602で取り囲み、或いは部分的に取り囲むことができる。より粘性の高い流体組成物604の離散部分602は、流体組成物304に対する障壁として働き、より粘性の高い組成物により形成された縁部又は周辺部を越えて組成物が拡散するのを妨げることができる。いくつかの実施形態では、より粘性の高い流体組成物604は、低い重量パーセントの溶媒を含む重合可能材料(又は固体)であり、流体組成物304は、例えば同じ重合可能材料(又は固体)と高い重量パーセントの溶媒とを含む混合物である。より粘性の高い流体組成物604は、より粘性の高い流体組成物により形成された縁部又は周辺部を越えてより粘性の低い流体組成物304が拡散するのを妨げる。溶媒の蒸発後、基本的に重合可能材料(又は固体)から実質的な連続層が構成され、基板上に形成される固体層の組成物は実質的に均質となる。
【0023】
基板の表面上で離散部分が拡散した後、溶媒の一部又は実質的に全てが流体組成物から蒸発できるようになる。場合によっては、基板上の離散部分における流体組成物からの溶媒の蒸発を考慮に入れた時間は、約1〜200秒、又は約2〜60秒に及ぶ。溶媒は、溶媒の蒸発中に基板の撥水を低下又は最小化するように選択されることが有利である。
【0024】
基板に流体組成物を付加してから(重合の開始などの)基板上に層が固化するまでの時間により、流体組成物内の溶媒の一部又は実質的に全ての蒸発が可能になる。インプリント・リソグラフィ・プロセスにおける処理能力効率を高めるために、第1の多様性が固化される前に、流体組成物の離散部分の第1の多様性及び1又はそれ以上の追加の多様性を基板に付加することができる。離散部分の多様性を連続して付加することにより、プロセス全体の処理能力を制限することなく流体組成物が拡散し、所望量の溶媒が蒸発するための時間が可能になる。
【0025】
例えば、図7に示すように、多様性302A〜302Pが連続して基板に付加される。望むように流体組成物が拡散し溶媒が蒸発するのを考慮に入れた時間は、多様性302Aを基板に付加し、多様性302Bを基板に付加し、多様性302Cを基板に付加する間に多様性302Aが固化するようなものである。プロセスは、多様性302Dを付加する間に多様性302Bが固化し、多様性302Eを付加する間に多様性302Cが固化するように継続する。溶媒の蒸発率に部分的に基づいて、付加と固化との間の順序及び時間遅延が選択される。場合によっては、第1の多様性が固化する前に、2、3、又はそれ以上の多様性が予め基板上に分注される。
【0026】
いくつかの実施形態では、基板上に形成された固体層を使用して像の転写を容易にし、固化後の処理中に固体層の一部又は全てを意図的に基板から除去する。本明細書で使用する場合、「抵抗材料」とは、重合可能材料、又は重合可能材料から形成された固体層のことを意味し、これらの少なくとも一部が意図的に基板から除去される。インプリント・リソグラフィ基板上に抵抗材料を形成するステップは、溶媒と重合可能材料とを含む流体組成物を基板の表面上に付加するステップと、組成物が同時に拡散して基板上に実質的な連続層を形成できるようにするステップと、組成物の少なくとも一部を蒸発させるステップと、組成物をテンプレート(又はモールド)と接触させるステップと、テンプレートと基板との間で重合可能材料を重合するステップとを含む。重合可能材料を重合するステップは、例えば紫外線放射などの熱又は電磁放射への材料の露出を含むことができる。重合後にテンプレートを重合材料から除去し、重合(又は抵抗)材料を基板に固定したままにする。「多層構造を平面化するエッチング技術」という名称の米国特許第7,259,102号に記載されるように、基板の表面上で得られる抵抗材料を像転写用のマスクとして使用することができ、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。
【0027】
「一致する領域とモールドとの間の接着力を低減させるための組成物」という名称の米国特許第7,307,118号にいくつかの例示的な抵抗材料が記載されており、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。抵抗材料は、架橋剤、(熱開始剤、光開始剤などの)開始剤、及び界面活性剤などの任意の添加剤と共に、(トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリ(4−ビニルオキシブチル_トリメリテート)、ビス(4−ビニルオキシブチル)アジピン酸ビニルエーテル、ビニルエーテル末端ポリエステルポリマなどの)ビニルエーテル、有機修飾ケイ酸塩(イソボルニルアクリレート、n−ヘキシルアクリレートなどの)アクリレート、(エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの)ジアクリレート、メタクリレート、エポキシ、(1,2−ビス(2−メルカプトエトキシ)エタンなどの)チオレン、イソシアヌレート、又はこれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0028】
1つの例では、重合可能材料が、約20〜80重量%のイソボルニルアクリレート(IBOA)、約0〜50%のn−ヘキシルアクリレート(n−HA)、約10〜15%のエチレングリコールジアクリレート(EGDA)、及び約1〜5%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを含む。IBOAは、米国ペンシルベニア州エクストンのSartomer Company社から入手可能であり、SR506という製品名で市販されている。n−HAは、重合材料に可撓性を提供し、液相のバルク材料の粘度を約2〜9cPの範囲に低下させる。n−HAは、米国ウイスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Company社から入手可能である。EGDAは、弾性及び剛性の強化に寄与すると同時に、バルク材料の重合中にn−HA及びIBOAの架橋結合を容易にする架橋成分である。2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンは、DAROCUR(登録商標)1173という商品名で米国ニューヨーク州タリタウンのCiba Specialty Chemicals社から市販されている光開始剤である。開始剤は、中圧水銀ランプにより発生する紫外線放射の広帯域に反応する。このようにして、開始剤は、バルク材料の成分の架橋及び重合を容易にする。この重合可能材料の1つの実施形態は、約55重量%のIBOA、約27重量%のn−HA、約15重量%のEGDA、及び約3重量%の開始剤を含む。この重合可能材料の別の実施形態は、約47重量%のIBOA、約25重量%のn−HA、約25重量%のEGDA、及び約3重量%の開始剤を含む。これらの実施形態は約4cPの粘度を有する。
【0029】
別の実施形態では、重合可能材料が、約0〜50重量%のGENOMER(登録商標)1122、約20〜80重量%のIBOA、約10〜50重量%の1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及び約1〜5重量%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンを含む。GENOMER(登録商標)1122は、米国イリノイ州オーロラのRahn USA Corporation社から入手可能な脂肪族ウレタンアクリレートである。1,6−ヘキサンジオールジアクリレートは、米国ジョージア州スミルナのUCB Chemicals社から入手可能である。この材料の改善された湿潤特性を提供するために、1H,1H−ペルフルオロ−n−デシルアクリレートなどの追加のフッ素化アクリレートを含めて材料の接触角を下げることができる。このフッ素化アクリレートは、C10ACRYという商品名で米国テキサス州ラウンドロックのExfluor Research Corporation社から市販されている。この重合可能材料の粘度は約11cPである。この重合可能材料の1つの実施形態は、約21重量%のGENOMER(登録商標)1122、約56重量%のIBOA、約20重量%の1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及び約3重量%の開始剤を含む。
【0030】
別の例では、約21cPの粘度を有する重合可能材料が、約50重量%のIBOA、約10重量%のGENOMER(登録商標)1122、約3重量%のDAROCUR(登録商標)1173、約25重量%のSR833S、及び約12重量%のPHOTOMER(登録商標)8127を含む。SR833S(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)は、Sartomer社から入手可能な遊離基により重合された低粘性二官能性アクリレートモノマである。PHOTOMER(登録商標)8127は、Cognis GmbH社から市販されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、基板上に形成された固体層が像転写以外の目的で使用される。すなわち、基板上に形成された固体層を基板に固定されたままにすることが意図される。本明細書で使用する場合、「機能材料」とは、固体又は重合可能材料、或いは像転写以外の目的で固体又は重合可能材料から基板上に形成された固体層のことを意味する。機能材料を基板に付加して、基板の少なくとも一部の上に導電率などの所望の特性を有する層を設けることができる。いくつかの実施形態では、機能材料が、誘電体材料、金属、及び半導体を含む。
【0032】
機能材料が重合可能材料から形成される場合、(分散液又は溶液などの)重合可能材料と溶媒との混合物を基板に付加することにより、基板上での重合可能材料の拡散が容易になる。溶媒の少なくとも一部が蒸発した後、基本的に重合可能材料で構成することができる残りの流体組成物をテンプレートに接触させ、テンプレートとまだ接触しているうちに例えば熱焼き付け又は紫外線放射により固化することができる。場合によっては、重合前に実質的に全ての溶媒を除去することがある。場合によっては、重合前に溶媒の一部のみを除去して、重合中に混合物が所望量の溶媒を保持して多孔質材料を生み出すようにする。最終的な溶媒の喪失時に、溶媒が占める領域が機能材料内の細孔となる場合がある。これらの細孔は、低Κ型誘電材料の作製において材料の誘電率を低下させる上で役立つことができる。いくつかの実施形態では、重合後に機能材料内に溶媒の残留量が残る場合がある。他の実施形態では、固化した機能材料が実質的に溶媒を含まない場合もある。
【0033】
「低Κ型誘電機能性インプリンティング材料」という名称の米国特許出願第2006/0081557号に、ポリマ又はオリゴマの形にすることができる様々なシリコン含有材料を含むいくつかの重合可能機能材料についての記載があり、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。好適な有機ポリシリカとして、(i)シルセスキオキサン、(ii)(約500から20,000の数平均分子量を有する制御加水分解テトラエトキシシランにより部分的に凝縮されたような)部分凝縮アルコキシシラン、(iii)Rを有機置換基として、組成物RSiO3及びR2SiO2を有する有機修飾ケイ酸塩、及び(iv)組成物SiOR4を有する部分凝縮オルトケイ酸塩が挙げられる。シルセスキオキサンは、Rを有機置換基とするタイプRSiO1.5の高分子ケイ酸塩材料である。シリコン含有材料は、重合可能流体組成物の約10重量%よりも多くの、或いは約20重量%よりも多くの量の元素シリコンを含むことができる。
【0034】
重合可能機能材料はまた、エポキシ基、ケトン基、アセチル基、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、及びこれらの組み合わせなどの1又はそれ以上のペンダント官能基を含むこともできる。有機ポリシリカのいくつかの形態は比較的低分子量のものであり、分子当たり2又は反応基を含むことができる。このような有機修飾ケイ酸塩は「ORMOCER」という商品名で市販されており、Micro Resist Technology GmbH社(ドイツ国ベルリン)から入手可能である。制御加水分解及びアルキルトリアルコキシシランなどの有機修飾シランの凝縮を通じてこれらの材料を形成することができる。
【0035】
1つの例では、ナノインプリンティング・プロセスを使用して、重合可能機能材料から有機太陽光電池を作製することができる。インプリンティングプロセスでは、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、及びポリ−(チオフェン−ピロール−チオフェン−ベンゾチアジアゾール)誘導体などのいくつかの種類の電子供与性共役ポリマからP材料を選択することができる。これらのポリマの主鎖共役骨格は不変であることができる。側鎖誘導体は変化して、アクリレート、メタクリレート、チオール、ビニル、エポキシ、及びこれらの組み合わせを含む反応基を組み入れることができ、これらはUV露出又は熱により架橋することができる。いくつかの実施形態では、炭素ナノチューブを含むフラーレン誘導体からN材料が選択される。フラーレンを有機修飾して、電気重合のためのチオフェンなどの反応基と、UV露出又は熱により架橋するアクリレート、メタクリレート、チオール、ビニル、エポキシ、及びこれらの組み合わせなどの反応基とを付着させることができる。少量の架橋性結合材料を加えることにより、フラーレン誘導体をインプリントすることもできる。
【0036】
特定の溶媒中の抵抗材料又は機能材料の溶液又は分散液は、溶液又は分散液の急速な拡散を可能にして基板の表面上に実質的な連続液体層を形成するとともに、モールド又はテンプレートにおける特徴部の急速かつ実質的に完全な充填を可能にする。必要に応じて溶媒希釈材料の離散部分を基板上に配置し、モールド又はテンプレートが不均一な特徴部密度を有している場合でも実質的に均一な残留層を生じることができる。特定の溶媒はまた、より粘性の高い流体組成物によるいくつかのドロップオンデマンドプロセスで発生する可能性のある格子間ガス捕獲を低減し、最小化し、或いは阻止することにより、処理能力を高めて欠陥を減少させる。従って、選択した固体又は重合可能材料を可溶化又は分散させるための蒸発率、表面張力、及び能力などの特性の望ましい組み合わせを有する溶媒の選択により、一部の又は全ての関連する不都合を伴わずに、スピン・コーティング法並びにドロップオンデマンドコーティング法の利点の意外かつ予期せぬ組み合わせが生じる。
【0037】
インプリント・リソグラフィのための固体又は重合可能材料の可溶化又は分散に使用する溶媒は、純度が高く、実質的に金属イオンを含まず、蒸発後に残留物又は再沈殿物を残さないものが有利である。安全、不燃性であり、及び/又は環境に優しい溶媒は特に有利である。溶媒の望ましい特性は重合可能材料の特性に基づくことができる。例えば、溶媒が重合可能材料よりも揮発性となるように溶媒の沸点を選択することができる。場合によっては、溶媒の沸点は約150℃未満又は約100℃未満であってもよい。場合によっては、比較的沸点の低い溶媒は比較的高い蒸気圧も有する。インプリント・リソグラフィ・プロセスでは、比較的低い沸点、比較的高い蒸気圧、又はこれらの組み合わせが周囲温度での溶媒蒸発を可能にする。
【0038】
抵抗材料に特に適した部類の溶媒の1つの例として、化学式Rf−X−Rのフッ素化エーテルが挙げられ、この場合Rfは炭素及びフッ素を含み、Xは酸素などの二価原子であり、Rはアルキル基である。Rfは、フッ素化炭素又はペルフルオロ炭素を含むことができる。フッ素化エーテルの例としては、以下に示す(A)メチルノナフルオロブチルエーテル、(B)エチルノナフルオロブチルエーテル、及び(C)2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサンが挙げられる。
【0039】
F3C(F2C)3−O−CH3
A: メチルノナフルオロブチルエーテル
【0040】
F3C(F2C)3−O−CH2CH3
B: エチルノナフルオロブチルエーテル
【0041】
【化1】
C: 2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサン
【0042】
クロロホルム、キシレン、及びクロロベンゼンなどの溶媒は、機能材料の分散液及び溶液の形成に特に有用である。ゾルゲル形態の機能材料の場合、好適な溶媒として、プロパノールなどの1又はそれ以上のアルコールの水性混合物が挙げられる。
【0043】
いくつかの実施形態では、流体組成物が約0〜99.8重量%の溶媒、又は約5〜50重量%の溶媒を含む。溶媒の表面張力、粘度、及び蒸発率、並びに固体重合可能材料の粘度又は溶解性、及び拡散する流体前方の粘度を含む混合物の所望の粘度及び拡散速度に基づいて、固体又は重合可能材料に対する溶媒の比率を選択することができる。表面張力の低い溶媒中に溶解又は分散した材料は、表面張力の高い溶媒中に溶解又は分散した同じ材料よりもさらに拡散する傾向にある。2つの溶媒が同様の表面張力及び粘度を有する場合、より低速で蒸発する溶媒の方が、溶解又は分散した材料のより大きな拡散を可能にする。1つの例では、50重量%の溶媒B(エチルノナフルオロブチルエーテル)を含む混合物の方が、50重量%の溶媒A(メチルノナフルオロブチルエーテル)で希釈した同じ材料よりも表面積を約25パーセント多く覆うように拡散する。
【0044】
溶媒の選択及び量に影響を及ぼすその他の係数として、付加の方法、流体組成物の離散部分がアプリケータと基板との間を移動する距離、離散部分を付加する環境条件(温度、湿度、その他)、離散部分を基板に付加した後の溶媒の蒸発を考慮に入れた時間、及び所望の固化層の厚さが挙げられる。
【0045】
固体及び溶媒を含む(分散液などの)流体組成物を形成することにより、不溶性固体である機能材料の加工性を高めることができる。不溶性機能材料の例として、無機基板、TiO2などの金属含有粒子、及び炭素ナノチューブを含む炭素のフラーレン及びその他の形態が挙げられる。組成物が基板の表面に付加される。基板の表面は平面又は非平面であってもよい。例えば、図8に示すように、基板12は、ナノインプリント・リソグラフィにより形成されたパターン化層であってもよい。流体組成物804の離散部分302を基板12の表面に付加することができる。離散部分が拡散して、基板の表面上に実質的な連続層806を形成する。溶媒の蒸発により、基板の表面上に機能材料の実質的な連続固体層が残る。固体層は実質的に平面であってもよく、又は基板の表面の形状に適合してもよい。
【0046】
溶媒中に溶解する機能材料及び溶媒中に溶解しない機能材料を含む例示的なプロセスでは、有機太陽電池の作製においてナノインプリンティングを使用して基板上でN型材料をパターン化する。N型材料は、例えば、水及び2−プロパノールで形成されたゾルゲル中のTiO2などの不溶性機能材料であってもよい。基板とモールドとの間のTiO2ゾルゲルを固化することにより、パターン化層を形成することができる。パターン化したTiO2層上に別の機能材料の層を形成することができる。クロロホルム、キシレン、又はクロロベンゼンなどの溶媒中にポリ(3−ヘキシルチオフェン)などの固体前駆体を溶解させることができる。溶液の離散部分をTiO2層の表面に付加することができる。離散部分が融合又は拡散して実質的な連続層を形成し、溶媒が蒸発した後、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)の固体層がTiO2層上に残存し、P型材料として機能する。
【0047】
本発明の数多くの実施形態について説明した。にもかかわらず、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解されよう。従って、その他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に入る。
【符号の説明】
【0048】
12 基板
302 離散部分
804 流体組成物
806 実質的な連続層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプリント・リソグラフィ法であって、
溶媒と重合可能材料とを含む流体組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加するステップと、
前記組成物の前記離散部分を前記基板の前記表面上で同時に拡散して実質的な連続層を形成できるようにするステップと、
前記溶媒の少なくとも一部を前記組成物から蒸発させるステップと、
前記重合可能材料を重合して、前記基板上に重合材料の実質的に格子間空隙のない固体層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
付加ステップが、インクジェットで分注するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
付加ステップが、噴霧ヘッドで噴霧するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
付加ステップが、超音波噴霧ヘッドで噴霧するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記離散部分が各々所定の容積を有し、該所定の容積が前記離散部分の少なくとも2つと異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多様性がパターンを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記離散部分の多様性の周辺部の周囲に前記重合可能材料の離散部分を付加して、前記基板上の前記流体組成物の拡散を制限するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒の少なくとも一部が蒸発した前記流体組成物をインプリント・リソグラフィテンプレートと接触させるステップと、前記テンプレートと前記基板との間で前記重合可能材料を重合するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記実質的な連続層が実質的に均一な厚みである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板の前記表面が非平面である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記溶媒の少なくとも一部を蒸発させるステップが、前記溶媒の実質的に全てを蒸発させるステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記溶媒の少なくとも一部を蒸発させるステップが、前記溶媒を所定の時間の間蒸発できるようにするステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記所定の時間が、約1秒よりも長く約200秒よりも短い、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板の前記表面上に前記流体組成物の1又はそれ以上の追加の多様性を付加するステップをさらに含み、個々の多様性が別の多様性から空間的に分離される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記1又はそれ以上の追加の多様性が、前記重合可能材料を重合する前に付加される、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記重合可能材料が、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、イソシアヌレート、及びチオレンからなる群から選択された成分を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記固体層が抵抗層である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記固体層が機能層である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
インプリント・リソグラフィ法であって、
溶媒と固体とを含む流体組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加するステップと、
前記組成物の前記離散部分を前記基板の前記表面上で同時に拡散して実質的な連続層を形成できるようにするステップと、
前記溶媒の少なくとも一部を前記組成物から蒸発させて、前記基板上に実質的に格子間空隙のない固体層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記基板がパターン化層である、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記層が機能材料を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が溶液である、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が分散液である、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記固体が高分子材料を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記固体がフラーレン又は炭素ナノチューブを含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記固体が金属含有粒子を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項27】
インプリント・リソグラフィ基板上に重合層を形成する方法であって、
重合可能材料と、
Rfがフッ素及び炭素を含み、Rがアルキル基を含み、Xを二価原子とするRf−X−Rから成る構造を有する溶媒と、
を含む流体組成物を選択するステップと、
前記組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加するステップと、
前記組成物の前記離散部分を前記基板の前記表面上で同時に拡散して実質的な連続層を形成できるようにするステップと、
前記溶媒の少なくとも一部を前記組成物から蒸発させるステップと、
前記重合可能材料を重合して、前記基板上に重合材料の実質的に格子間空隙のない固体層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
前記重合可能材料が、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、イソシアヌレート、及びチオレンからなる群から選択された成分を含む、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記重合可能材料の沸点が約250℃よりも高い、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記溶媒の前記沸点が約150℃未満である、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記溶媒の前記沸点が約100℃未満である、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記溶媒がフッ素化エーテルである、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項33】
Rfがフッ素化アルキル基である、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項34】
Rfがペルフルオロアルキル基である、
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
Rがアルキル基である、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項36】
Xが酸素である、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項37】
インプリント・リソグラフィのための組成物であって、
重合可能材料と、
Rfがフッ素及び炭素を含み、Rがアルキル基を含み、Xを二価原子とするRf−X−Rから成る構造を有する溶媒と、
を含むことを特徴とする組成物。
【請求項1】
インプリント・リソグラフィ法であって、
溶媒と重合可能材料とを含む流体組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加するステップと、
前記組成物の前記離散部分を前記基板の前記表面上で同時に拡散して実質的な連続層を形成できるようにするステップと、
前記溶媒の少なくとも一部を前記組成物から蒸発させるステップと、
前記重合可能材料を重合して、前記基板上に重合材料の実質的に格子間空隙のない固体層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
付加ステップが、インクジェットで分注するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
付加ステップが、噴霧ヘッドで噴霧するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
付加ステップが、超音波噴霧ヘッドで噴霧するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記離散部分が各々所定の容積を有し、該所定の容積が前記離散部分の少なくとも2つと異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多様性がパターンを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記離散部分の多様性の周辺部の周囲に前記重合可能材料の離散部分を付加して、前記基板上の前記流体組成物の拡散を制限するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒の少なくとも一部が蒸発した前記流体組成物をインプリント・リソグラフィテンプレートと接触させるステップと、前記テンプレートと前記基板との間で前記重合可能材料を重合するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記実質的な連続層が実質的に均一な厚みである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板の前記表面が非平面である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記溶媒の少なくとも一部を蒸発させるステップが、前記溶媒の実質的に全てを蒸発させるステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記溶媒の少なくとも一部を蒸発させるステップが、前記溶媒を所定の時間の間蒸発できるようにするステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記所定の時間が、約1秒よりも長く約200秒よりも短い、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板の前記表面上に前記流体組成物の1又はそれ以上の追加の多様性を付加するステップをさらに含み、個々の多様性が別の多様性から空間的に分離される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記1又はそれ以上の追加の多様性が、前記重合可能材料を重合する前に付加される、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記重合可能材料が、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、イソシアヌレート、及びチオレンからなる群から選択された成分を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記固体層が抵抗層である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記固体層が機能層である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
インプリント・リソグラフィ法であって、
溶媒と固体とを含む流体組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加するステップと、
前記組成物の前記離散部分を前記基板の前記表面上で同時に拡散して実質的な連続層を形成できるようにするステップと、
前記溶媒の少なくとも一部を前記組成物から蒸発させて、前記基板上に実質的に格子間空隙のない固体層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記基板がパターン化層である、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記層が機能材料を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が溶液である、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が分散液である、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記固体が高分子材料を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記固体がフラーレン又は炭素ナノチューブを含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記固体が金属含有粒子を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項27】
インプリント・リソグラフィ基板上に重合層を形成する方法であって、
重合可能材料と、
Rfがフッ素及び炭素を含み、Rがアルキル基を含み、Xを二価原子とするRf−X−Rから成る構造を有する溶媒と、
を含む流体組成物を選択するステップと、
前記組成物の離散部分の多様性をインプリント・リソグラフィ基板の表面上に付加するステップと、
前記組成物の前記離散部分を前記基板の前記表面上で同時に拡散して実質的な連続層を形成できるようにするステップと、
前記溶媒の少なくとも一部を前記組成物から蒸発させるステップと、
前記重合可能材料を重合して、前記基板上に重合材料の実質的に格子間空隙のない固体層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
前記重合可能材料が、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、イソシアヌレート、及びチオレンからなる群から選択された成分を含む、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記重合可能材料の沸点が約250℃よりも高い、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記溶媒の前記沸点が約150℃未満である、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記溶媒の前記沸点が約100℃未満である、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記溶媒がフッ素化エーテルである、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項33】
Rfがフッ素化アルキル基である、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項34】
Rfがペルフルオロアルキル基である、
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
Rがアルキル基である、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項36】
Xが酸素である、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項37】
インプリント・リソグラフィのための組成物であって、
重合可能材料と、
Rfがフッ素及び炭素を含み、Rがアルキル基を含み、Xを二価原子とするRf−X−Rから成る構造を有する溶媒と、
を含むことを特徴とする組成物。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2010−530641(P2010−530641A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513223(P2010−513223)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/007525
【国際公開番号】WO2008/156750
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/007525
【国際公開番号】WO2008/156750
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】
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