インライン型の血管密閉分割装置
【課題】小さいカニューレを用いて使用され得る、小さく、単純で費用効果の高い双極および単極の組み合わせ機器を開発する。容易に操作可能なハンドルと、ユーザの疲労を軽減する機械的に有利な作動力を作動し解放するアセンブリを含む機器本体とを含む機器を提供する。
【解決手段】シャフト12を取り付けられている筐体20を有する内視鏡型の鉗子10に関し、シャフト12は遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。鉗子10はまた、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように構成されている、筐体20内に配置されている駆動アセンブリを含む。
【解決手段】シャフト12を取り付けられている筐体20を有する内視鏡型の鉗子10に関し、シャフト12は遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。鉗子10はまた、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように構成されている、筐体20内に配置されている駆動アセンブリを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、Dumbauldらによる「IN−LINE VESSEL SEALER
AND DIVIDER」と題される2006年9月29日出願の米国特許出願第11/540,335号の部分継続出願であり、該米国特許出願第11/540,335号は、Patrick L.Dumbauldによる「IN−LINE VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される2005年9月30日出願の米国特許仮出願第60/722,177号に対する優先権の利益を主張し、該米国特許出願第11/540,335号および該米国特許仮出願第60/722,177号の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は電気外科用鉗子に関し、さらに詳細には、本開示は、組織を密閉および/または切断するための細長い内視鏡型の双極および単極の組み合わせの電気外科的鉗子に関する。
【背景技術】
【0003】
電気外科用鉗子は、機械的な関連動作および電気エネルギーの両方を利用し、組織および血管を加熱し、組織を凝固、焼灼、および/または密閉することによって止血に作用する。切開による外科的処置での使用のための切開用鉗子の代替品として、現代の様々な外科医は、小さい穿刺孔状の切り口を介して臓器に遠隔的にアクセスするために、内視鏡および内視鏡型の機器を使用する。その直接的な結果として、患者は、傷がより少なく、治療にかかる時間が減少するという利益を受ける。
【0004】
内視鏡型の機器は、トロカールで作成されるカニューレまたはポートを介して患者に挿入される。カニューレの一般的なサイズは、3ミリメートルから12ミリメートルに範囲する。より小さいカニューレが通常好まれるが、理解され得るように、このことは、より小さいカニューレを通り抜ける内視鏡型の機器を作り出す方法を見つけ出さなければならない機器の製造者に設計上の問題を最終的に呈する。
【0005】
多くの内視鏡型の外科的処置は血管または脈管組織を切断または結紮することを必要とする。外科的穴に関する本質的な空間的問題により、外科医は、多くの場合に、血管を縫合すること、または出血を制御する他の従来的な方法、例えば、切開された血管をクランピングおよび/または結紮を実行することが困難となる。内視鏡型の電気外科用鉗子を利用することによって、顎部材を介して組織に印加された電気外科的エネルギーの強度、周波数、および持続期間を制御することによって、外科医は、出血を焼灼し、凝固/乾燥し、および/または単に減少または減速させるかのいずれかを行い得る。多くの小さな血管、すなわち、直径が2ミリメートル未満の範囲にある血管は、多くの場合に、通常の電気外科的な機器または技術を使用して閉じられ得る。しかしながら、より大きい血管が結紮される場合には、外科医が内視鏡型の処置を切開による外科的処置に切り替えることを必要とすることがあり得、その結果、内視鏡型の手術の利益を捨てることとなる。代替的に、外科医はより大きな血管または組織を密閉し得る。
【0006】
血管を凝固させるプロセスは、電気外科的に血管を密閉することとは本質的に異なると考えられている。本明細書における目的のために、「凝固」は、組織細胞が断裂され、乾かされるという組織を乾燥させるプロセスとして定義される。「血管の密閉」または「組織の密閉」は、組織中のコラーゲンを液化することにより、組織が融解物(fused mass)に改質するプロセスとして定義される。小さい血管の凝固は血管を永続的に閉じるには充分であるが、より大きい血管は永続的な閉鎖を確かなものにするために密閉される必要がある。
【0007】
より大きな血管(または組織)を効果的に密閉するために、2つの主要な機械的パラメータ−血管(または組織)に加えられる圧力および電極または組織密閉面の間のギャップ距離−が正確に制御されなければならず、その両方が密閉される組織の厚さによって影響される。さらに詳細には、血管壁に対抗するためと、組織全体への充分な電気外科的エネルギーを可能にする充分に低い値に組織のインピーダンスを下げるためと、組織を加熱する間の膨張力を克服するためと、終端組織の厚さ(良好な密閉の目安となる)をもたらすためとに、圧力を正確に加えることは重要である。血管壁を融解するための一般的な顎のギャップは、0.001インチ〜0.006インチの間で最適となるということが確定されている。この範囲を下回ると、密閉は切り裂きや引き裂きを受けることがあり、この範囲を上回ると、管腔は適切にまたは効果的に密閉されないことがあり得る。
【0008】
より小さい血管に関しては、組織に加えられる圧力はあまり関係がない傾向にあるが、導電性面間のギャップ距離は効果的な密閉にとってより重要となる。言い換えると、2つの導電性面が作動の間に触れる機会は、血管が小さくなるにつれ増加する。
【0009】
様々な公知の機器がブレード部材または剪断部材を含み、該ブレード部材または剪断部材は機械的および/または電気機械的な方法で組織を単に切断するが、血管の密閉目的には比較的に効果がない。他の機器は適切な密閉厚を獲得するためにクランピング圧のみに頼っており、ギャップ許容差および/または平行度および平坦度要求を考慮に入れるように設計されておらず、該ギャップ許容差および/または平行度および平坦度要求は、適切に制御された場合には、一貫しかつ効果的な組織の密閉を確かなものにし得る。例えば、クランピング圧のみを制御することによって、結果として生じる密閉された組織の厚さを適切に制御することは、次の2つの理由のいずれかのために困難であるということが知られている:1)あまりに大きい力が加えられると、2つの電極が触れ、エネルギーが組織を通って伝えられず、効果的な密閉をもたらさない可能性がある、または2)あまりにも小さい力が加えられると、作動および密閉の前に、組織は時期尚早に動き得、および/またはより厚いあまり信頼できない密閉が作り出され得る。
【0010】
上で述べられたように、より大きい血管または組織を適切かつ効果的に密閉するために、対向する顎部材間のより大きい閉鎖力が必要とされる。顎間の大きい閉鎖力は、一般的には、各顎に対してピボットの周りで大きいモーメントを作り出すために必要である、大きい作動力を必要とするということが知られている。これは、ユーザが組織を効果的に密閉するために大きな閉鎖力を与えることを必要とし得る設計の不利な点に対して、非常に単純化された製造設計の利点に重点を置かなければならない機器の製造者に、設計上の問題を呈する。結果として、金属ピンを有する機器を設計すること、および/または少なくとも部分的にはこれらの閉鎖力を取り除き機械的な破壊を減少させ、エンドユーザ(すなわち、外科医)の疲労を軽減させる機器を設計することのいずれかによって、設計者はこれらの大きい閉鎖力を補わなければならない。
【0011】
電極間の閉鎖力を増加させることは、他の望まれない影響を有し得、例えば、対向する電極を互いに密接に接触させ得、そのことが短絡をもたらし得、そして、小さい閉鎖力は、圧縮の間および作動の前に、組織の時期尚早な動きをもたらし得る。結果として、好適な圧力範囲内で対向する電極間に適切な閉鎖力を一貫して提供する機器を提供することは、成功裏に密閉する機会を高める。理解され得るように、外科医が一貫して適切な範囲内で適切な閉鎖力を手動で提供することに頼ることは困難であり、結果としての密閉の有効性および質は変化し得る。さらに、効果的な組織の密閉を作り出す全体的な成功は、均一で一貫しかつ効果的に血管を密閉する適切な閉鎖力を判断することに関しては、ユーザの専門的知識、視力、器用さ、および経験に大きく依存している。言い換えると、密閉の成功は、機器の有効性よりも最終的には外科医の技術に大きく依存する。
【0012】
一貫した効果的な密閉を確かなものにするための圧力範囲は、約3kg/cm2〜約16kg/cm2であり、好適には、7kg/cm2〜13kg/cm2の作用範囲内であるということが分かっている。この作用範囲内の閉鎖力を提供することが可能である機器を製造することは、動脈、組織および他の脈管束を密閉するために有効であることが示されている。
【0013】
様々な作動力を作動し解放するアセンブリが、血管の密閉をもたらす適切な閉鎖力を提供するために、これまでに開発されている。例えば、1つのこのような作動アセンブリが、商標LIGASURE ATRAS(登録商標)の下で市販されているValleylabの血管密閉および分割機器での使用のために、Tyco Healthcare LPの一部門であるValleylab,Inc. of Boulder、Coloradoによって開発されている。このアセンブリは、4本の棒の機械的連動装置と、バネおよび駆動アセンブリとを含み、これらは上記の動作範囲内での組織圧を一貫して提供および維持するために協働する。「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される同時係属の米国特許出願第10/179,863号(現在、特許文献1)、「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される米国特許出願第10/116,944号(現在、特許文献2)、および「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される米国特許出願第10/472,295号(現在、特許文献3)、ならびに「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される国際出願第PCT/US01/01890号、および「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される国際出願第PCT/US01/11340号は、すべて、LIGASURE ATRAS(登録商標)の様々な動作特徴、およびそれに関する様々な方法を詳細に記述している。これらの出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0014】
他の作動力を作動し解放するメカニズムまたは作動力を作動し解放するアセンブリが、「VESSEL SEALER AND DIVIDER FOR USE WITH SMALL TROCARS AND CANNULAS」と題される共有に係る米国特許出願第10/460,926号と、「VESSEL SEALER AND DIVIDER HAVING ELONGATED KNIFE STROKE AND SAFETY FOR CUTTING MECHANISM」と題される米国特許出願第10/953,757号に記述されており、該両出願の全内容は本明細書において参考として援用される。該両出願において記述されているように、より単純かつ機械的に有利な作動および駆動アセンブリが記述されており、該作動および駆動アセンブリは、血管および組織を掴み処置することを容易にし、ユーザの疲労を軽減する。
【0015】
特定の外科手術において、双極鉗子が単極鉗子または単極凝固装置(coagulator)と組み合わせて使用され、組織を処置し、手術中の出血を制御する。従って、特定の手術過程の間に、外科医は単極の機器を双極の機器に取替えることが必要とされ得、このことは、一般的には、トロカールまたはカニューレを通した取替えを含む。理解され得るように、これは、手術過程にわたり2回以上生じ得、このことは時間を非常に浪費し得るものであり、かつ、機器を殺菌されていない環境に不必要にさらす危険性があり得る。
【0016】
小さいカニューレを用いて使用され得る、小さく、単純で費用効果の高い双極および単極の組み合わせ機器を開発することが望ましい。さらに、容易に操作可能なハンドルと、ユーザの疲労を軽減する機械的に有利な作動力を作動し解放するアセンブリを含む機器本体とを含む機器を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第7,101,371号明細書
【特許文献2】米国特許第7,083,618号明細書
【特許文献3】米国特許第7,101,372号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
(項目1)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、そのシャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
その顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、その顎部材が互いに近づく第2の位置に、その顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
その駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、その一対のハンドルは、その駆動アセンブリを作動し、その顎部材を動かすために、その筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
その顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
その筐体に動作するように関連付けられたナイフアセンブリであって、その顎部材がその第2の位置に配置されたときに、そのナイフアセンブリはその顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進めるように選択的に作動可能であり、そのナイフアセンブリは少なくとも1つの安全メカニズムを含み、選択的な作動時のそのナイフの損傷を防止する、ナイフアセンブリと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0019】
(項目2)
上記安全メカニズムは機械的ヒューズを含み、その機械的ヒューズは上記ナイフアセンブリを作動させる過度な力の行使の際に壊れる、項目1に記載の内視鏡型の鉗子。
【0020】
(項目3)
上記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、そのギアティースとトラックとは上記ナイフを遠位方向に上記顎部材を通って進めるように協働し、上記機械的ヒューズは、そのピニオンギア、そのギアティース、およびそのトラックのうちの少なくとも1つに動作するように関連付けられている、項目2に記載の内視鏡型の鉗子。
【0021】
(項目4)
上記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、そのギアティースとトラックとは上記ナイフを遠位方向に上記顎部材を通って進めるように協働し、そのピニオンギアは軸を含み、その軸はそのナイフアセンブリを作動させる過度な力の行使の際に壊れる、項目1、項目2、または項目3に記載の内視鏡型の鉗子。
【0022】
(項目5)
上記過度な力は少なくとも約9lbfである、項目2、項目3、または項目4に記載の内視鏡型の鉗子。
【0023】
(項目6)
上記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、そのギアティースとトラックとは上記ナイフを遠位方向に顎部材を通って進めるように協働し、そのギアティースはバネによって付勢され、そのナイフアセンブリを不作動位置に戻す、項目1、項目2、項目3、項目4、または項目5に記載の内視鏡型の鉗子。
【0024】
(項目7)
上記過度な力の行使の際に、上記機械的ヒューズは壊れ、上記バネは上記ナイフアセンブリを不作動位置に自動的に戻し、このことが、次に、ユーザが互いに対して上記ハンドルを動かし組織を解放することを可能にする、項目6に記載の内視鏡型の鉗子。
【0025】
(項目8)
上記筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第1のスイッチと、
その筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第2のスイッチと
をさらに備えている、項目1、項目2、項目3、項目4、項目5、項目6、または項目7に記載の内視鏡型の鉗子。
【0026】
(項目9)
ハンドルのうちの少なくとも1つはナイフロックアウトを含み、上記顎部材が上記第2の位置に配置されたときに、そのナイフロックアウトは上記ナイフアセンブリが作動されるのを防止する、項目1、項目2、項目3、項目4、項目5、項目6、項目7、または項目8に記載の内視鏡型の鉗子。
【0027】
(項目10)
上記ロックアウトメカニズムは、上記ハンドルのうちの少なくとも1つから伸びている機械的インターフェースを含み、そのハンドルが上記筐体に対して第1の開いた位置に配置されたときに、その機械的インターフェースは上記ナイフアセンブリの動きを妨げるように大きさを決められており、そのハンドルがその筐体に対して第2の位置に配置されたときに、その機械的インターフェースはそのナイフアセンブリの作動を可能にするように大きさを決められている、項目9に記載の内視鏡型の鉗子。
【0028】
(項目11)
上記鉗子は単極のロックアウトを含み、上記顎部材が上記第1の位置に配置されたときに、その単極のロックアウトは第1のスイッチの作動を防止する、項目8に記載の内視鏡型の鉗子。
【0029】
(項目12)
上記単極のロックアウトは上記ハンドルのうちの少なくとも1つに配置されている機械的インターフェースを含み、その機械的インターフェースは、そのハンドルが上記筐体に対して第1の位置に配置されるときに、第1のスイッチの作動を防止し、そのハンドルがその筐体に対して第2の位置に配置されるときに、その第1のスイッチの作動を可能にする、項目11に記載の内視鏡型の鉗子。
【0030】
(項目13)
上記単極のロックアウトは上記筐体内に配置されている圧力作動の安全スイッチを含み、その筐体に対する第1の位置からその筐体に対する第2の位置への上記ハンドルの動きは、その圧力作動の安全スイッチを閉じ、上記第1のスイッチの作動を可能にする、項目11に記載の内視鏡型の鉗子。
【0031】
(項目14)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、そのシャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
その顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、その顎部材が互いに近づく第2の位置に、その顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
その駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、その一対のハンドルは、その駆動アセンブリを作動し、その顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
その顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
その筐体に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能であるスイッチと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0032】
(項目15)
上記スイッチは、上記筐体内に配置されている強度制御メカニズムに動作するように結合されており、その強度制御メカニズムは、少なくとも1つの顎部材に対する電気外科的エネルギーのレベルを調整するために選択的に調節可能である、項目14に記載の内視鏡型の鉗子。
【0033】
(項目16)
上記強度制御メカニズムは個々別々の増分で選択的に調節可能である、項目15に記載の内視鏡型の鉗子。
【0034】
(項目17)
上記強度制御メカニズムは上記筐体内に規定されている一連の対応する機械的インターフェースに係合するように構成されている第1の機械的インターフェースを含み、個々別々の増分で上記電気外科的エネルギーのレベルを調整する、項目15または項目16に記載の内視鏡型の鉗子。
【0035】
(項目18)
上記第1の機械的インターフェースはデテントを含み、上記筐体の中に規定されている上記対応する機械的インターフェースは、くぼみを含む、項目17に記載の内視鏡型の鉗子。
【0036】
(項目19)
上記強度制御メカニズムは第2の機械的インターフェースを含み、対応する一連のくぼみのうちの1つに上記デテントが係合するときに、その第2の機械的インターフェースは上記デテントと協働し、上記筐体の中に配置されている回路基板に個々別々の位置で機械的に係合する、項目18に記載の内視鏡型の鉗子。
【0037】
(項目20)
上記デテントは上記強度制御メカニズムの上にカンチレバー状の様式で配置されている、項目18または19に記載の内視鏡型の鉗子。
【0038】
(項目21)
上記強度制御メカニズムは上記筐体の中に規定される軌道の上に配置されている、項目15、項目16、項目17、項目18、項目19、または項目20に記載の内視鏡型の鉗子。
【0039】
(項目22)
上記駆動アセンブリに上記一対のハンドルのそれぞれのハンドルを動作するように接続する第1および第2のトグルリンクであって、そのトグルリンクのそれぞれは第1の固定要素と第2の固定要素とを含み、その第1の固定要素はそのハンドルに動作するように係合し、その第2の固定要素はその駆動アセンブリに動作するように係合する、第1および第2のトグルリンクをさらに備えている、項目14、項目15、項目16、項目17、項目18、項目19、項目20、または項目21に記載の内視鏡型の鉗子。
【0040】
(項目23)
上記第1および第2の固定要素はそれぞれ一対のダブルタングを含み、その一対のダブルタングは上記ハンドルおよび上記駆動アセンブリにそれぞれ、スナップフィットで係合する、項目22に記載の内視鏡型の鉗子。
【0041】
(項目24)
上記各一対のダブルタングはテーパーを付けられている、項目23に記載の内視鏡型の鉗子。
【0042】
(項目25)
上記各一対のダブルタングは、上記ハンドルおよび上記駆動アセンブリの中に規定されるそれぞれの開口の中にその各一対のダブルタングを据えるために、その近位端にステップを含む、項目23または項目24に記載の内視鏡型の鉗子。
【0043】
(項目26)
上記各一対のダブルタングはその間に規定されたスロットを含み、そのダブルタングの最大断面積が、上記鉗子に加えられた荷重を負担するように、そのスロットは向けられている、項目23、項目24、または項目25に記載の内視鏡型の鉗子。
【0044】
(項目1’)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、該シャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
該顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、該顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
該駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、該ハンドルは、該駆動アセンブリを作動し、該顎部材を動かすために、該筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
該顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
該筐体に動作するように関連付けられたナイフアセンブリであって、該顎部材が該第2の位置に配置されたときに、該ナイフアセンブリは該顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進めるように選択的に作動可能であり、該ナイフアセンブリは少なくとも1つの安全メカニズムを含み、選択的な作動時の該ナイフの損傷を防止する、ナイフアセンブリと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0045】
(項目2’)
前記安全メカニズムは機械的ヒューズを含み、該機械的ヒューズは前記ナイフアセンブリを作動させる過度な力の行使の際に壊れる、項目1’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0046】
(項目3’)
前記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、該ギアティースとトラックとは前記ナイフを遠位方向に前記顎部材を通って進めるように協働し、前記機械的ヒューズは、該ピニオンギア、該ギアティース、および該トラックのうちの少なくとも1つに動作するように関連付けられている、項目2’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0047】
(項目4’)
前記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、該ギアティースとトラックとは前記ナイフを遠位方向に前記顎部材を通って進めるように協働し、該ピニオンギアは軸を含み、該軸は該ナイフアセンブリを作動させる過度な力の行使の際に壊れる、項目2’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0048】
(項目5’)
前記過度な力は少なくとも約9lbfである、項目2’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0049】
(項目6’)
前記過度な力は少なくとも約9lbfである、項目4’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0050】
(項目7’)
前記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、該ギアティースとトラックとは前記ナイフを遠位方向に前記顎部材を通って進めるように協働し、該ギアティースはバネによって偏らされ、該ナイフアセンブリを不作動位置に戻す、項目2’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0051】
(項目8’)
過度な力の行使の際に、前記機械的ヒューズは壊れ、前記バネは前記ナイフアセンブリを前記不作動位置に自動的に戻し、このことが、次に、ユーザが前記ハンドルを互いに対して動かし組織を解放することを可能にする、項目7’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0052】
(項目9’)
前記筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第1のスイッチと、
該筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第2のスイッチと
をさらに備えている、項目1’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0053】
(項目10’)
前記ハンドルのうちの少なくとも1つはナイフロックアウトを含み、前記顎部材が前記第2の位置に配置されたときに、該ナイフロックアウトは前記ナイフアセンブリが作動されるのを防止する、項目1’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0054】
(項目11’)
前記ロックアウトメカニズムは、前記ハンドルのうちの少なくとも1つから伸びている機械的インターフェースを含み、該ハンドルが前記筐体に対して第1の開いた位置に配置されたときに、該機械的インターフェースは前記ナイフアセンブリの動きを妨げるように大きさを決められており、該ハンドルが該筐体に対して第2の位置に配置されたときに、該機械的インターフェースは該ナイフアセンブリの作動を可能にするように大きさを決められている、項目10’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0055】
(項目12’)
前記鉗子は単極のロックアウトを含み、前記顎部材が前記第1の位置に配置されたときに、該単極のロックアウトは第1のスイッチの作動を防止する、項目1’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0056】
(項目13’)
前記単極のロックアウトは前記ハンドルのうちの少なくとも1つに配置されている機械的インターフェースを含み、該機械的インターフェースは、該ハンドルが前記筐体に対して第1の位置に配置されるときに、前記第1のスイッチの作動を防止し、該ハンドルが該筐体に対して第2の位置に配置されるときに、該第1のスイッチの作動を可能にする、項目12’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0057】
(項目14’)
前記単極のロックアウトは前記筐体内に配置されている圧力作動の安全スイッチを含み、該筐体に対する第1の位置から該筐体に対する第2の位置への前記ハンドルの動きは、該圧力作動の安全スイッチを閉じ、前記第1のスイッチの作動を可能にする、項目12’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0058】
(項目15’)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、該シャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
該顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、該顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
該駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、該一対のハンドルは、該駆動アセンブリを作動し、該顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
該顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
該筐体に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能であるスイッチであって、該スイッチは、該筐体の中に配置されている強度制御メカニズムに動作するように結合されており、該強度制御メカニズムは、少なくとも1つの顎部材への電気外科的エネルギーのレベルを調整するために選択的に調節可能である、スイッチと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0059】
(項目16’)
前記強度制御メカニズムは個々別々の増分で選択的に調節可能である、項目15’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0060】
(項目17’)
前記強度制御メカニズムは前記筐体内に規定されている一連の対応する機械的インターフェースに係合するように構成されている第1の機械的インターフェースを含み、個々別々の増分で前記電気外科的エネルギーのレベルを調整する、項目15’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0061】
(項目18’)
前記第1の機械的インターフェースはデテントを含み、前記筐体の中に規定されている前記対応する機械的インターフェースは、くぼみを含む、項目17’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0062】
(項目19’)
前記強度制御メカニズムは第2の機械的インターフェースを含み、対応する一連のくぼみのうちの1つに前記デテントが係合するときに、該第2の機械的インターフェースは前記デテントと協働し、前記筐体の中に配置されている回路基板に個々別々の位置で機械的に係合する、項目18’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0063】
(項目20’)
前記デテントは前記強度制御メカニズムの上にカンチレバー状の様式で配置されている、項目18’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0064】
(項目21’)
前記強度制御は前記筐体の中に規定される軌道の上に配置されている、項目15’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0065】
(項目22’)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、該シャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
該顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、該顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
該駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、該ハンドルは、該駆動アセンブリを作動し、該顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
該顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
該筐体に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能であるスイッチと、
該駆動アセンブリに該一対のハンドルのうちのそれぞれのハンドルを動作するように結合する第1および第2のトグルリンクであって、該トグルリンクのそれぞれは第1および第2の固定要素を含み、該第1の固定要素は該ハンドルに動作するように係合し、該第2の固定要素は該駆動アセンブリに動作するように係合する、第1および第2のトグルリンクと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0066】
(項目23’)
前記第1および第2の固定要素はそれぞれ一対のダブルタングを含み、該一対のダブルタングは前記ハンドルおよび前記駆動アセンブリにそれぞれ、動作するようにスナップフィットで係合する、項目22’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0067】
(項目24’)
前記各一対のダブルタングはテーパーを付けられている、項目23’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0068】
(項目25’)
前記各一対のダブルタングは、前記ハンドルおよび前記駆動アセンブリの中に規定されるそれぞれの開口の中に該各一対のダブルタングを据えるために、その近位端にステップを含む、項目24’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0069】
(項目26’)
前記各一対のダブルタングはその間に規定されるスロットを含み、該ダブルタングの最大断面積が、前記鉗子に加えられた荷重を負担するように、該スロットは向けられている、項目23’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0070】
本開示は、シャフトを取り付けられている筐体を有する内視鏡型の鉗子に関し、その該シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。鉗子はまた、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように構成されている、筐体内に配置されている駆動アセンブリを含む。一対のハンドルは駆動アセンブリに動作するように接続されており、該ハンドルは、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くように構成されている。顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、各顎部材は電気エネルギー源に接続するように適合されている。
【0071】
第1のスイッチは、筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。第2のスイッチは、筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。
【0072】
本開示に従った一実施形態において、鉗子はまた、筐体に動作するように関連付けられたナイフアセンブリを含む。顎部材が第2の位置に配置されたときに、ナイフアセンブリは顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進めるように選択的に作動可能である。さらに別の実施形態において、顎部材のうちの少なくとも1つは単極の延長部を含み得、該単極の延長部は顎部材の絶縁筐体を越えて伸び、組織の精密な切開を可能にする。
【0073】
1つの特に有益な実施形態において、ハンドルのうちの少なくとも1つはナイフロックアウトを含み、顎部材が第2の位置に配置されたときに、ナイフロックアウトはナイフアセンブリが作動されるのを防止する。ナイフロックアウトメカニズムは、ハンドルのうちの少なくとも1つから伸びている機械的インターフェースを含み得、ハンドルが筐体に対して第1の(すなわち、開いた)位置に配置されたときに、機械的インターフェースはナイフアセンブリの動きを妨げるように大きさを決められており、ハンドルが筐体に対して第2の位置に配置されたときに、機械的インターフェースはナイフアセンブリの作動を可能にするように大きさを決められている。
【0074】
本開示に従った別の実施形態において、鉗子は単極のロックアウトを含み、顎部材が第1の位置に配置されたときに、単極のロックアウトは第1のスイッチの作動を防止する。1つの特に有益な実施形態において、単極のロックアウトはハンドルのうちの少なくとも1つに配置されている機械的インターフェースを含み、ハンドルが筐体に対して第1の位置に配置されるときに、機械的インターフェースは、第1のスイッチの作動を防止し、ハンドルが筐体に対して第2の位置に配置されるときに、第1のスイッチの作動を可能にする。単極のロックアウトは筐体内に配置されている圧力作動のスイッチを含み得、筐体に対する第1の位置から筐体に対する第2の位置へのハンドルの動きは、圧力作動のスイッチを閉じ、第1のスイッチの作動を可能にする。
【0075】
本開示に従った、またさらに別の実施形態において、鉗子のハンドルは筐体の両側に配置され、筐体に対する第1の間隔の空いた位置から筐体に対する第2の閉じた位置へ動くことができる。筐体はまた筐体の両側に規定される一対のスリットを含むように構成され得、ハンドルはスリットの中で筐体に対して動くように大きさを決められ得る。1つの特に有益な実施形態において、筐体はそれを通って規定される長手方向軸を含み、ハンドルは、取り扱いを容易にするために、長手方向軸に対して角度「α」で配置される。
【0076】
本開示に従ったさらに別の実施形態において、作動の間、鉗子に対する電気外科的エネルギーの強度を調整する強度コントローラが含まれる。特に有益な実施形態において、強度コントローラは滑動ポテンシオメータであり、単極モードにおいてのみ動作可能である。
【0077】
また別の実施形態において、鉗子は電気的安全装置を含み得、該電気的安全装置は、鉗子が、任意の所与の期間、双極の様式または単極の様式のいずれかで動作するのを調整する。特に有益な実施形態において、第1および第2のスイッチは互いに対して、別個にかつ排他的に作動可能である。
【0078】
本開示はまた、電気外科的ジェネレータおよび内視鏡型の鉗子を有する電気外科的システムに関する。鉗子は、遠位端に配置されている一対の顎部材を有するシャフトを取り付けられている筐体を含む。顎部材は電気外科的ジェネレータに接続するように適合されている。鉗子はまた筐体内に配置されている駆動アセンブリを含み、該駆動アセンブリは、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、該顎部材を互いに対して動かすように動作可能である。一対のハンドルが駆動アセンブリに動作するように接続され、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かす。
【0079】
第1のスイッチは、筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。第2のスイッチは、筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。
【0080】
一実施形態において、ジェネレータは安全回路を有する制御回路を含み、該安全回路は、双極または単極の様式のいずれかでの鉗子の別個かつ排他的な作動を可能にする。安全回路は電気的または電気機械的であり、筐体に対する一対のハンドルの動きに基づいて作動され得る。ジェネレータはまた、第2のスイッチに動作するように接続された独立回路を有する制御回路を含み得、第2のスイッチを迂回させ、第2のスイッチの完全性を電流の過剰負荷から護る間に、該制御回路は顎部材に対するエネルギーを調整する。
【0081】
本開示はまた、シャフトを取り付けられている筐体を有する内視鏡型の鉗子に関する。シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。各顎部材は電気外科的エネルギー源に接続するように適合されており、その結果、顎部材は組織を処置するためにエネルギーを伝えることが可能となる。駆動アセンブリが筐体内に配置されており、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように動作可能である。一対のハンドルが駆動アセンブリに動作するように接続され、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる。
【0082】
筐体に動作するように関連付けられたナイフアセンブリが含まれる。顎部材が該第2の位置に配置されたときに、ナイフアセンブリは顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進めるように選択的に作動可能であり、ナイフアセンブリは少なくとも1つの安全メカニズムを含み、選択的な作動時のナイフの損傷を防止する。
【0083】
一実施形態において、安全メカニズムは機械的ヒューズを含み、該機械的ヒューズはナイフアセンブリを作動させる過度な力(約9lbf以上の力)の行使の際に壊れる。別の実施形態において、ナイフアセンブリは一組のギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、該一組のギアティースとトラックとは前記ナイフを遠位方向に顎部材を通って進めるように協働する。機械的ヒューズは、ピニオンギア、ギアティース、および/またはトラックに動作するように結合している。1つの特定の実施形態において、ピニオンギアの軸はナイフアセンブリの作動させる過度な力によって壊れるように設計されている。本開示に従った別の実施形態において、第1および第2のスイッチは、上で記述されたように、顎部材にエネルギーをデリバリするために含まれ得る。
【0084】
本開示はまた、シャフトを取り付けられている筐体を有する内視鏡型の鉗子に関する。シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。各顎部材は電気外科的エネルギー源に接続するように適合されており、その結果、顎部材は組織を処置するためにエネルギーを伝えることが可能となる。駆動アセンブリが筐体内に配置されており、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように動作可能である。駆動アセンブリに動作するように接続され、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる一対のハンドルが含まれる。
【0085】
筐体に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能であるスイッチが含まれる。スイッチは、筐体内に配置されている強度制御メカニズムに動作するように結合されており、該筐体は、少なくとも1つの顎部材に対する電気外科的エネルギーのレベルを調整するために選択的に調節可能である。一実施形態において、強度制御メカニズムは個々別々の増分で選択的に調節可能である。別の実施形態において、強度制御メカニズムは筐体内に規定されている一連の対応する機械的インターフェース(例えば、くぼみ)に係合するように構成されている第1の機械的インターフェース(例えば、デテント)を含み、個々別々の増分で電気外科的エネルギーのレベルを調整する。デテントは強度制御メカニズムの上にカンチレバー状の様式で配置され得、強度制御メカニズムは、動きを容易にするように、軌道の上に配置され得る。
【0086】
さらに別の実施形態において、強度制御メカニズムは第2の機械的インターフェース(例えば、滑動バンプ)を含み、対応する一連のくぼみのうちの1つに前記デテントが係合するときに、該第2の機械的インターフェースは前記デテントと協働し、前記筐体の中に配置されている回路基板に個々別々の位置で機械的に係合する。
【0087】
本開示はまた、シャフトを取り付けられている筐体を有する内視鏡型の鉗子に関する。シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。各顎部材は電気外科的エネルギー源に接続するように適合されており、その結果、顎部材は組織を処置するためにエネルギーを伝えることが可能となる。駆動アセンブリが筐体内に配置されており、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように動作可能である。一対のハンドルが、駆動アセンブリに動作するように接続され、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる。
【0088】
スイッチは、筐体の上に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。駆動アセンブリに一対のハンドルのそれぞれのハンドルを動作するように接続する第1および第2のトグルリンクが含まれる。トグルリンクのそれぞれは第1および第2の固定要素を含み、第1の固定要素はハンドルに動作するように係合し、第2の固定要素は駆動アセンブリに動作するように係合する。
【0089】
一実施形態において、第1および第2の固定要素はそれぞれ一対のテーパーの付いたダブルタングを含み、該一対のテーパーの付いたダブルタングはハンドルおよび駆動アセンブリにそれぞれ、スナップフィットで係合する。各一対のダブルタングは、ハンドルおよび駆動アセンブリの中に規定されるそれぞれの開口の中に各一対のダブルタングを据えるために、その近位端にステップを含み得る。
【0090】
スロットが各一対のダブルタングの間に規定され得る。ダブルタングの最大断面積が鉗子に加えられた荷重を負担することにより、ハンドルの作動中のトグルリンクの不具合を防止するように、スロットは向けられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0091】
対象の機器の様々な実施形態が図面を参照して本明細書において記述される。
【図1A】図1Aは、本開示に従った、開いた構成で示され、筐体と、ハンドルアセンブリと、シャフトと、末端エフェクタアセンブリとを含む内視鏡型の鉗子の上面斜視図である。
【図1B】図1Bは、本開示に従った、閉じた構成にある末端エフェクタアセンブリを示している図1Aの内視鏡型の鉗子の上面斜視図である。
【図2】図2は、図1Aの内視鏡型の鉗子の底面斜視図である。
【図3A】図3Aは、図1Aの末端エフェクタアセンブリの拡大左側斜視図である。
【図3B】図3Bは、図1Bの末端エフェクタアセンブリの拡大左側斜視図である。
【図3C】図3Cは、図1Aの末端エフェクタアセンブリの拡大側面図である。
【図3D】図3Dは、図1Aの末端エフェクタアセンブリの拡大端面図である。
【図4】図4は、筐体のカバーを外して示されている、図1Aの鉗子の内部上面斜視図である。
【図5A】図5Aは、鉗子が開いた構成にあるときの、内側の構成要素の配置を示している、図1Aの鉗子の拡大上面図である。
【図5B】図5Bは、鉗子が閉じた構成にあるときの、内側の構成要素の配置を示している、図1Bの鉗子の拡大上面図である。
【図6A】図6Aは、不作動位置にあるナイフアクチュエータを示している、図1Bの鉗子の内部作用構成要素の拡大斜視図である。
【図6B】図6Bは、作動されているナイフアクチュエータを示している、図1Bの鉗子の内部作用構成要素の拡大斜視図である。
【図7】図7は、不作動位置にあるナイフアクチュエータの拡大側面図である。
【図8A】図8Aは、最近位または不作動位置にあるナイフアクチュエータのナイフを示している末端エフェクタアセンブリの末端エフェクタの非常に拡大された上面断面図である。
【図8B】図8Bは、作動後のナイフの位置を示している、図8Aの末端エフェクタアセンブリの非常に拡大された上面断面図である。
【図9A】図9Aは、不作動位置にあるハンドルアセンブリを示している拡大上面図である。
【図9B】図9Bは、作動後のハンドルアセンブリを示している拡大上面図である。
【図10A】図10Aは、開いた構成で示されている末端エフェクタアセンブリの非常に拡大された側面断面図である。
【図10B】図10Bは、閉じた構成で示されている末端エフェクタアセンブリの非常に拡大された側面断面図である。
【図10C】図10Cは、最近位または不作動位置にあるナイフアクチュエータのナイフを示している末端エフェクタアセンブリの底部顎部材の非常に拡大された正面斜視図である。
【図10D】図10Dは、作動後のナイフの位置を示している、図10Cの底部顎部材の非常に拡大された正面斜視図である。
【図11A】図11Aは、作動後のナイフアクチュエータを示している、図9Bに似た拡大上面図である。
【図11B】図11Bは、作動後のナイフの位置を示している末端エフェクタアセンブリの非常に拡大された側面断面図である。
【図12】図12は、末端エフェクタアセンブリの回転を示している、図1Bの鉗子の上面斜視図である。
【図13】図13は、バーツが分解されている鉗子の上面斜視図である。
【図14】図14は、パーツが分解されている筐体の拡大斜視図である。
【図15A】図15Aは、パーツが分解されている末端エフェクタアセンブリの底部顎の非常に拡大された斜視図である。
【図15B】図15Bは、パーツが分解されている末端エフェクタアセンブリの上部顎の非常に拡大された斜視図である。
【図16】図16は、本開示に従った鉗子で使用するための回路基板の拡大斜視図である。
【図17】図17は、駆動アセンブリとナイフアセンブリとの様々な動くパーツを収容するための細長いシャフトの非常に拡大された斜視図である。
【図18】図18は、図1Aの鉗子で使用するための代替の安全ロックアウトメカニズムの上面斜視図である。
【図19】図19は、図1Aの鉗子で使用するための柔軟な回路基板の上面図である。
【図20】図20は、図19の柔軟な回路基板の安全スイッチの動作特徴を示している概略図である。
【図21】図21は、鉗子の筐体内での、図19の安全スイッチの組み立てを示している内部斜視図である。
【図22A】図22Aは、ロックアウトメカニズムが柔軟な回路基板の安全スイッチに係合するとき、図18の安全ロックアウトメカニズムの動作の動きを示している内部図である。
【図22B】図22Bは、ロックアウトメカニズムが柔軟な回路基板の安全スイッチに係合するとき、図18の安全ロックアウトメカニズムの動作の動きを示している内部図である。
【図22C】図22Cは、ロックアウトメカニズムが柔軟な回路基板の安全スイッチに係合するとき、図18の安全ロックアウトメカニズムの動作の動きを示している内部図である。
【図23】図23は、電気スイッチングアセンブリの概略的な電気回路図である。
【図24】図24は、スイッチングアセンブリ上の強度制御の動きを示しているコンピュータシミュレーションである。
【図25】図25は、強度制御アクチュエータの拡大図である。
【図26】図26は、筐体内に配置されるデテントトラックの中で機械的に係合する強度制御アクチュエータのコンピュータでシミュレーションされた内部拡大図である。
【図27】図27は、筐体内に規定された軌道の上で機械的に係合する強度制御アクチュエータのコンピュータでシミュレーションされた内部拡大上面図である。
【図28】図28は、ハンドルアセンブリのハンドルに駆動アセンブリを動作するように接続しているテーパーの付けられたトグルリンクを示している、コンピュータでシミュレーションされた斜視図である。
【図29】図29は、一対のダブルタング固定要素を示しているトグルリンクの一実施形態の拡大斜視図である。
【図30】図30は、一対のダブルタング固定要素のうちの1つの間にそれぞれ規定される一対のスロットの方向を示している拡大上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
ここで図1A〜図2を参照すると、様々な外科的処置での使用のための、内視鏡型の双極および単極の組み合わせ鉗子10の一実施形態が示されており、概ね、筐体20と、ハンドルアセンブリ30と、回転アセンブリ80と、ナイフトリガアセンブリ70と、管状血管および脈管組織を掴み、密閉し、分割するために互いに協働する末端エフェクタアセンブリ100(図10Aおよび図10B)とを含む。図面の大部分は内視鏡による外科的処置に使用する鉗子10を描いているが、本開示は、より多くの従来的な切開による外科的処置で使用され得る。本明細書における目的のために、鉗子10は内視鏡型の機器の観点から記述されているが、以下で記述されるように、切開のバージョンの鉗子がまた、同じまたは似た動作構成要素および特徴を含み得るということが理解される。
【0093】
鉗子10はシャフト12を含み、該シャフト12は末端エフェクタアセンブリ100に機械的に係合するように大きさを合わせられている遠位端16と、筐体20に機械的に係合する近位端14とを有する。シャフト12が末端エフェクタに接続する方法の詳細は以下でさらに詳細に記述される。シャフト12の近位端14が筐体20内で受け取られており、それに関する接続はまた以下で詳細に記述される。以下の図面および記述において、用語「近位」は、従来通り、ユーザにより近い鉗子10の端を指し、用語「遠位」はユーザからより遠い端を指す。
【0094】
鉗子10はまた電気外科的ケーブル310を含み、該電気外科的ケーブル310は電気外科的エネルギー源、例えば、ジェネレータ500(図16を参照)に鉗子10を接続する。Boulder、Coloradoに位置する、Tyco Healthcare LPの一部門であるValleylabによって販売されているもののようなジェネレータが、血管および脈管組織を密閉するための双極電気外科的エネルギー源と、一般的に組織を凝固するかまたは焼灼するために使用される単極電気外科的エネルギー源との両方として使用され得る。ジェネレータ500は、独立した出力、インピーダンス制御および/または付属装置の独立作動を含む様々な安全および性能特徴を含み得るということが想定されている。電気外科的ジェネレータ500はまた、VallylabのInstant
ResponseTM技術を含むように構成され得、該Instant ResponseTM技術は、1秒間に二百(200)回、組織の変化を感知し、適切な電力を維持するために電圧と電流とを調節する改良型フィードバックシステムを提供する。Instant ResponseTM技術は、外科的処置に対して以下の利益のうちの1つ以上を提供するということが考えられる:
・全組織のタイプを通して一貫した臨床的な効果;
・熱の広がりおよび側の組織の損傷に対するリスクの低減;
・「ジェネレータの出力を上げる」必要性がほとんどないこと;
・最小侵襲性の環境のために設計されていること
である。
【0095】
図16に最良に示されているように、ケーブル310はケーブルリード310aおよび310bに分割されており、該ケーブルリード310aおよび310bは、1つ以上のコネクタまたは別個の所謂「フライングリード」によって、電気外科的ジェネレータ500に鉗子を接続するように構成されており、該フライングリードは単一の位置でジェネレータ500に接続するように構成され、所望に応じてまたは特定の機器の構成に基づいて手術の前に外科医によって設定され、双極、単極(またはこれらの組み合わせ)のいずれかのエネルギーを提供する。一般的な電気コネクタの一例が、Tyco Healthcare、 LPの一部門である、Colorado、Boulder of Valleylabによって現在開発されており、「CONNECTOR SYSTEMS FOR ELECTROSURGICAL GENERATOR」と題される米国特許出願第10/718,114号の対象であり、該出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0096】
ハンドルアセンブリ30は、筐体20の対向する側に配置されている2つの可動なハンドル30aおよび30bを含む。鉗子10の動作に関して以下でさらに詳細に述べられるように、ハンドル30aおよび30bは、末端アセンブリ100を作動するために、互いに対して可動である。
【0097】
図13の分解図に最良に見られるように、筐体20は、二(2)つの筐体の半分20aおよび20bから形成されており、該筐体の半分20aおよび20bはそれぞれ複数のインターフェース205を含み、該インターフェース205は、互いに機械的に並んで係合し、筐体20を形成し、鉗子10の内部の作用構成要素を収容するように大きさを決められている。複数の追加のインターフェース(図示せず)が、超音波溶接の目的のために、筐体の半分20aおよび20bの周辺の様々なポイント、例えば、エネルギーを配向/偏向するポイントに配置され得るということが想定されている。(以下に記述される他の構成要素だけでなく)筐体の半分20aおよび20bも、当該分野において公知である様式で組み立てられ得るということがまた考えられている。例えば、アライメントピン、スナップ状のインターフェース、突起と溝とのインターフェース、ロックタブ、接着ポートなどが、単独または組み合わせのいずれかで、組み立ての目的で、全て利用され得る。
【0098】
回転アセンブリ80は筐体20に機械的に結合され、長手方向軸「A」に対していずれかの方向に約90度回転可能である(図1A〜図2および図12を参照)。回転アセンブリ80の詳細は図12〜図14を参照してさらに詳細に記述される。回転アセンブリ80は、2つの半分81aおよび81bを含み、該2つの半分81aおよび81bは、組み立てられたときには、回転アセンブリ80を形成し、それにより、該回転アセンブル80は細長いシャフト12を支持し、該シャフト12は駆動アセンブリ60とナイフアセンブリ70とを収容する。半分81aおよび81bは、組み立ての間に、それぞれフランジ82aおよび82bの上で筐体20に機械的に係合され、回転アセンブリ80の2つの半分81aおよび81bをしっかりと係合するように大きさを決められた他の機械的なインターフェース、例えば、アライメントピン、スナップフィットインターフェース、超音波溶接ポイントなどを含み得る。
【0099】
上で述べられたように、末端エフェクタアセンブリ100はシャフト12の遠位端16に取り付けられ、一対の対向する顎部材110および120(図3A〜図3Dを参照)を含む。ハンドルアセンブリ30のハンドル30aおよび30bは、最終的に、駆動アセンブリ60に接続し、該駆動アセンブリ60は、顎部材110および120が互いに間隔を空けられた関係で配置される開位置から、顎部材110および120がその間に組織を掴むように協働するクランピングまたは閉位置への、顎部材110および120の動作を伝えるように機械的に協働する(図10Aおよび図10B)。
【0100】
鉗子10が、特定の目的に従ってまたは特定の結果を達成するために、完全にまたは部分的に使い捨て可能であるように、鉗子10は設計されるということが想定される。例えば、末端エフェクタアセンブリ100はシャフト12の遠位端16に選択的にかつ取り外し可能に係合可能であり得、および/またはシャフト12の近位端14は筐体20およびハンドルアセンブリ30に選択的にかつ取り外し可能に係合可能であり得る。これら2つの例のいずれかにおいて、鉗子10は「部分的に使い捨て」または「再び搭載することが可能」であると考えられており、すなわち、新たなまたは異なる末端エフェクタアセンブリ100(または末端エフェクタアセンブリ100とシャフト12と)が、必要に応じて、古い末端エフェクタアセンブリ100と選択的に置き換わる。理解され得るように、現在開示されている電気的接続は、再び搭載することが可能な鉗子に機器を改変するために、変更される必要があり得る。
【0101】
ここで、図1A〜図16に関して記述されているような本開示のさらに詳細な特徴に移ると、各ハンドル30aおよび30bはその中に規定される開口33aおよび33bをそれぞれ含み、該開口33aおよび33bは、ユーザが各それぞれのハンドル30aおよび30bを掴み、互いに動かすことを可能にする。ハンドル30aおよび30bはまた、その外縁に沿ってそれぞれ配置される人間工学的に高められたグリッピング要素39aおよび39bを含み、該グリッピング要素39aおよび39bは、作動の間、ハンドル30aおよび30bのグリッピングを容易にするように設計されている。グリッピング要素39aおよび39bは、グリッピングを向上させるために、1つ以上の突起、スカラップおよび/またはリブを含み得るということが想定されている。
【0102】
図1Aおよび図7に最良に図示されているように、ハンドル30aおよび30bは、筐体20を通り定義される横方向軸「B」から、対向する側で外方向に伸びるように構成されており、該横方向軸「B」は長手方向軸「A」に対して直交している。ハンドル30aおよび30bは、軸「B」に平行な方向に互いに対して可動であり、手術の間に必要に応じて顎部材110および120を開閉する。この鉗子の型は、所謂「ピストルグリップ」型の鉗子または内視鏡型の機器と比較して、通常、「インライン」または止血鉗子型の鉗子と呼ばれている。インライン止血鉗子または鉗子は、通常、開胸外科的処置のために製造されており、一般的に、一体に結合されたハンドルを有する1対のシャフトを含んでおり、該1対のシャフトは互いに対して可動であり、遠位端に配置されている顎部材を開閉する。
【0103】
図5Aに最良に図示されており、かつ、上で述べられているように、ハンドル30aおよびハンドル30bは、筐体20に機械的に結合されており、筐体(および互い)に対して可動であり、組織に対して開いたまたは間隔の空いた構成から、閉じた位置へ顎部材110および120を動かす。各ハンドル、例えば、図7に示されているハンドル30aはまた、長手方向軸「A」に対して角度アルファ(α)を有して下方向に伸びるように構成されている。ハンドル30aおよび30bがこの様式で伸びるように製造することは、動作状態の間の鉗子10のグリッピングおよび操作を容易にしかつ高めるということが想定されている。鉗子10のハンドル30aおよび30bの角度(α)は、様々なユーザが特定の手のサイズの特定の使用のために、ハンドル30aおよび30bを実質的に「カスタマイズ」することを可能にするように調節可能であり得るということが想定される。代替的に、様々な鉗子10が、特定の外科的処置での使用、特定の手のサイズ(すなわち、小、中、および大)、および/または他の外科的な目的のために、様々な事前に定められた角度(α)を有して製造され得る。特に有益な実施形態において、ハンドルの角度(α)は0度(0°)から約35度(35°)までの範囲であるということがさらに考えられる。
【0104】
図5A、図5B、図13および図14に最良に見られるように、各ハンドル30aおよび30bの遠位端34および37はそれぞれ、筐体20の遠位端21に取り付けられているピボットピン34aおよび34bの周りを選択的に動くことができる。以下でさらに詳細に述べられるように、互いに対するハンドルの動きは、互いに対する顎部材110および120の動きを与える。遠位端34および37は相補的なギアティース34a’および34b’を含むように構成されており、該ギアティース34a’および34b’は互いにかみ合い、互いに対するハンドル30aおよび30bの一貫した動きを容易にし、顎部材110および120の作動を高めるように構成されている。
【0105】
図14において、各ハンドル30aおよび30bの近位端30a’および30b’はそれぞれフランジ31aおよび31bを含み、該フランジ31aおよび31bは、各ハンドル30aおよび30bの近位端30a’および30b’から筐体20に向けて伸びている。トグルリンク35aおよび35bの端36cおよび36dをそれぞれ受け取るために、フランジ31aおよび31bのそれぞれは、その中に配置される開口36c’および36d’を含む。トグルリンク35aおよび35bの対向する端36aおよび36bは、作動または駆動カラー69を貫通して規定される対応する開口36a’および36b’を通り、駆動アセンブリ60の作動または駆動カラー69に取り付けられるように構成されている。トグルリンク35aおよび35bは、駆動カラー69にハンドル30aおよび30bを取り付けるために概ねS字形状の構成で大きさを決められ得るか、またはトグルリンク35aおよび35bは、この目的を達成するために、(開示されているように)概ねU字形状であり得るということが想定される。トグルリンク35aおよび35bをU字形状の構成で大きさを決めることは、作動の間の座屈を低減し得るということが考えられる。
【0106】
想定される一実施形態において、トグルリンク、例えば、トグルリンク35a’は概ね対称的であり、その遠位端にスナップ状の機械的なインターフェースを含み、製造および組み立てを容易にする。さらに詳細に、かつ、図28〜図30に最良に示されているように、リンク35a’は、その対向する端に2つのダブルタング固定要素36d’’および36b’’を含み、該2つのダブルタング固定要素36d’’および36b’’は、それぞれのハンドル、例えば、30bに駆動カラー69が対応して係合するように設計されている。言い換えると、固定要素36d’’は、ハンドルbの開口36d’に係合するように構成され、固定要素36b’’は、駆動カラー69の開口36b’に係合するように構成され、駆動カラー69をハンドル30bに連結する。
【0107】
理解され得るように、各それぞれのダブルタング固定要素36b’’および36d’’の幾何形状は、一対のテーパーを付けられたダブルタング37aおよび37bと、37cおよび37dとを含む。各対のダブルタング37aおよび37bと、37cおよび37dとはそれぞれ、その近位端にステップ39a’および39b’と、39c’および39d’とをそれぞれ含む。各対の対向する突起37aおよび37bと、37cおよび37dとは、その間に規定されるスロット38aおよび38bをそれぞれ含み、各突起37aおよび37bと、37cおよび37dとが内側に片寄り、固定要素36d’’および36b’’の断面積を減少させることを可能にする。理解され得るように、対応する開口、例えば、36dおよび36bへの組み立ての際に、各突起37aおよび37bと、37cおよび37dとのテーパーは、各突起37aおよび37bと、37cおよび37dとを内側に押し、固定要素36d’’および36b’’の断面積を減少させ、対応する開口36d’および36’bの中への固定要素36d’’および36b’’の係合を容易にする。いったんステップ39a’および39b’と、39c’および39d’を通過して、それぞれの開口36d’’および36b’’内に、ダブルタング37aおよび37bと、37cおよび37dとが係合されると、突起37aおよび37bと、37cおよび37dとが外に弾け、対応する開口36d’および36b’内にそれぞれの固定要素36d’’および36b’’を係合させ、収容する。いったん組み立てられると、顎部材110および120を閉じるために負荷が加えられるときに、各固定要素36d’’および36b’’の最大の断面積、すなわち、材料の最大面積が荷重方向にあるように、スロット38aおよび38bは好適に方向を定められる(図28〜図30を参照)。これが、トグルリンク35a’および35b’が、過度の応力条件または繰り返しの使用により壊れることを防止する。
【0108】
理解され得るように、開いたまたは間隔の空けられた構成から閉じた位置への筐体に向けたハンドル30aおよび30bの動きは、スプリング63に対して近位方向に作動カラー69を強制し、次に、作動カラー69は駆動シャフト17を近位方向に向けて移動させ、顎部材110および120を閉じる(図7〜図9を参照)。駆動カラー69とハンドルアセンブリ30との動作関係は、鉗子10の動作に関して以下で詳細に述べられる。
【0109】
ハンドル30aおよび30bは、シャフト17または長手方向軸「A」と平行な向きをこえて、長手方向軸「A」に沿ってトグルリンク35aおよび35bを回転させることにより、解放する際に、バネ63の力がトグルリンク35aおよび35bを中心を越えたまたは延び過ぎた(または平行を越えた)構成に維持し、それによりハンドル30aおよび30b(従って、顎部材110および120)を互いに対してロックする(図9B)。ハンドル30aおよび30bが互い(および筐体20)から離れる動きは、ハンドル30aおよび30bを解除して開き、次に、続けて組織を掴むか、または再び掴むために、顎部材110および120を解除して開く。一実施形態において、ハンドル30aおよび30bは開いた構成で付勢され得、動作範囲内での鉗子の取り扱いおよび操作を容易にする。この目的を達成するために利用され得る様々なバネ状のメカニズムが考えられる。
【0110】
ハンドル30aはまたロックフランジ32を含み、該ロックフランジ32は遠位端34a’と近位端30a’それぞれとのの間に配置され、該ロックフランジ32は筐体20に向けて伸びており、ハンドル30aが作動されたときに筐体に対して動く。ロックフランジ32はロックアウト要素32’を含み(図14)、ハンドルアセンブリ30aが間隔を空けられたまたは開いた構成に配置されているときに、ナイフアセンブリ70の作動を防止するように、該ロックアウト要素32’は大きさを決められている。筐体20に向けたハンドル30aの作動または動きは、ロックアウト要素32を外し、以下でさらに詳細に述べられるような組織を分離するナイフアセンブリ70(例えば、カラー74)の動きを可能にする。
【0111】
可動なハンドル30aおよび30bは、トグルリンク35aおよび35bのユニークな位置により、従来のハンドルアセンブリを上回る、独特なレバー状の機械的利点を提供するように設計されており、作動されたときに、該トグルリンク35aおよび35bは、長手方向軸「A」に沿って回転し、作動または駆動カラー69を移動させる。言い換えると、顎部材110および120を作動するための高められた機械的な利点は、いくつかの相互に協働する要素(すなわち、対向するハンドル30a、30bと、トグルリンク35a、35bと、ハンドル部材30aおよび30bのそれぞれの遠位端34および37に位置を決められているギアティース)のユニークな位置と組み合わせとによって得られ、該ユニークな位置と組み合わせとが、約3kg/cm2から約16kg/cm2までの理想的な動作圧の下で、顎部材110および120を固定および維持するために必要なユーザの全体的な力を減少させるということが想定されている。言い換えると、これらの要素の組み合わせと、互いの位置とが、顎部材110および120を作動するレバー状の機械的利点を得ることをユーザに可能にし、ユーザがより少ない力で顎部材110および120を閉じることを可能し、一方で、適切かつ効果的な組織の密閉をもたらすために必要な求められる力をも生成するということが想定されている。上で識別された要素の様々な動きに関する詳細が、鉗子10の動作に関して以下で述べられる。
【0112】
図3A〜図3D、図10A〜図10Dおよび図15A〜図15Dに最良に示されているように、末端エフェクタアセンブリ100は、密閉の目的のために組織を効果的に掴むように協働する、対向する顎部材110および120を含む。末端エフェクタアセンブリ100は、相互的なアセンブリ、すなわち、顎部材110と120との両方がその中を通して配置されているピボットピン185の周りを互いに対して旋回するように設計されている。
【0113】
往復駆動スリーブ17(図17参照)はシャフト12内に滑動するように配置され、以下でさらに詳細に述べられるように駆動アセンブリ60によって遠隔的に動作可能である。駆動スリーブ17は、それぞれ半分17aおよび17bから成る二股に分かれた遠位端を含み、該半分17aおよび17bは、顎部材110および120を受け取るために、その間に空洞17’を規定する。さらに詳細に、かつ、図15Aおよび図15Bに最良に図示されているように、顎部材110および120は近位フランジ113および123をそれぞれ含み(図15Aおよび図15Bを参照)、該近位フランジ113および123は、それを貫通しそれぞれ規定される細長い角度を付けられたスロット181aおよび181bをそれぞれ含む。駆動ピン180(図10Aおよび図10Bを参照)は、回転シャフト18の端に、かつ、駆動スリーブ17の遠位端17aおよび17bに配置される空洞17’内に顎部材110および120を取り付ける。
【0114】
駆動アセンブリ60の作動の際に、駆動スリーブ17は往復運動し、その結果、所望に応じて、顎部材110および120を開閉するために、駆動ピン180をスロット181aおよび181b内で動かす。次に、顎部材110および120は、フランジ113および123内に配置されるそれぞれのピボットホール186aおよび186bを通して配置されるピボットピン185の周りを旋回する。理解され得るように、ハンドル30aおよび30bを筐体20に向けて締め付けることは、駆動スリーブ17と駆動ピン180を近位方向に引っ張り、間に掴まれている組織420に対して顎部材110および120を閉じ、スリーブ17を遠位方向に押すことは、掴む目的のために顎部材110および120を開く。
【0115】
図15Bに最良に示されているように、顎部材110はまた支持ベース119を含み、該支持ベース119は、フランジ113から遠位方向に伸び、その上にある絶縁プレート119’を支持するようにサイズを決められている。次に、絶縁プレート119’は、その上に導電性組織係合面または密閉プレート112を支持するように構成されている。密閉プレート112は、当該分野において公知の任意の方法、スナップフィット、オーバーモールド、スタンピング、超音波溶接などで絶縁プレート119’および支持ベース119の上に付着され得るということが考えられる。支持ベース119は、絶縁プレート119’および導電性組織係合面112と共に、外側絶縁筐体114によってカプセル化されている。外側筐体114は空洞114aを含み、該空洞114aは、支持ベース119および絶縁プレート119’だけでなく、導電性密閉面112にしっかりと係合するように大きさを決められている。スタンピングすること、オーバーモールドすること、スタンピングされた導電性密閉プレートをオーバーモールドすること、および/または金属粉末射出成型された密閉プレートをオーバーモールドすることによって、これは達成され得る。これら全ての製造技術は、導電性の面112を有する顎部材110を生成し、該顎部材110は絶縁基板114によって実質的に囲まれる。
【0116】
例えば、図15Bに示されているように、導電性密閉プレート112は、密閉プレート112の周縁を囲む嵌合部分112aを含む。フランジ112aは、外側絶縁体114の内側リップ117に嵌め合うように係合するように設計されている。回路基板170またはジェネレータ500から伸びるリード325a(図16を参照)が外側絶縁体114内で終了し、クリンプ状の接続部326aによって密閉プレート112に電気機械的に結合するように設計されるということが想定される。例えば、絶縁体119’と、導電性密閉面112と、外側の非導電性顎筐体114とは、好適には、組織の密閉に関する公知の望まれない影響、例えば、フラッシュオーバ、熱の広がり、および迷走電流の散逸などのうちの多くを限定および/または低減するように大きさを決められる。
【0117】
導電性密閉面112はまた、所定の半径を有する外側周縁を含み、外側筐体114は、密閉面112の隣接する縁に沿って概ね接するように導電性密閉面112に出会うということが想定されている。インターフェースにおいて、導電性の面112は外側筐体114に対して持ち上げられる。これらまたは他の想定されている実施形態は、Johnsonらによる「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WHICH REDUCES COLLATERAL DAMAGE TO ADJACENT TISSUE」と題される、同一人に譲渡された同時係属中の国際出願第PCT/US01/11412号と、Johnsonらによる「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WHICH IS DESIGNED TO REDUCE THE INCIDENCE OF FLASHOVER」と題される同一人に譲渡された同時係属中の国際出願第PCT/US01/11411号とに記述されており、該国際出願の両方の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0118】
導電性の面または密閉プレート112と、外側筐体114は、組み立てられたときに、ナイフブレード190の往復運動のために、密閉プレートを通って規定される長手方向に向けられたスロット115aを形成する。ナイフチャネル115aは、顎部材120に規定される対応するナイフチャネル115bと協働し、好適な切断面に沿ったナイフブレード190の長手方向の伸展を容易にし、形成された組織の密閉部に沿って組織を効果的にかつ正確に分離するということが想定されている。図8A、図8B、図15Aおよび図15Bに最良に図示されているように、ナイフチャネル115は、顎部材110および120の中央をそれぞれ通って走り、それにより、顎部材110および120が閉じた位置にあるときに、ナイフアセンブリ70からのブレード190が、顎部材110および120の間に掴まれた組織を切断する。さらに詳細に、かつ、ハンドルアセンブリ30の記述に関して上で述べられたように、ハンドル30aはロックアウトフランジを含み、該ロックアウトフランジは、ハンドル30aが開いているときに、ナイフアセンブリ70の作動を防止し、それにより、組織を通るブレード190の偶発的なまたは時期尚早な作動を防止する。
【0119】
上で述べられたように、かつ、図15Aおよび図15Bに図示されているように、顎部材110および120が閉じられたときに、ナイフチャネル115は形成される。言い換えると、ナイフチャネル115は2つのナイフチャネルの半分−顎部材110の密閉プレート112に配置されるナイフチャネルの半分115aと、顎部材120の密閉プレート122に配置されるナイフチャネルの半分115bとを含む。ナイフチャネル115は湾曲の全くない直線状のスロットとして構成され得、従って、該直線状のスロットは、ナイフ190を実質的に直線の様式で組織を通って動かすということが想定されている。代替的に、ナイフチャネル115はある程度の湾曲を含むように大きさを決められ得、ナイフ190を湾曲した様式で組織を通って動かす。絶縁プレート119’はまた、ナイフチャネル115の一部分を形成し、その中に規定されるチャネル115a’を含み、該チャネル115a’は該絶縁プレート119’に沿って伸び、ナイフチャネル115aに対して垂直に一致しており、そこを通るナイフ190の遠位端192の移動を容易にする。
【0120】
顎部材110の導電性の密閉プレート112はまた、単極の延長部112aを含み、鉗子10の動作に関して以下でさらに詳細に述べられるように、単極の作動モードで配置されるときに、該単極の延長部112aは外科医が組織を選択的に凝固させることを可能にする。単極の延長部112aは、好適には、導電性の密閉プレート112と一体に結合され得るが、特定の目的に従って選択的に延長もし得る。単極の延長部112aの形状および大きさは顎部材110または顎筐体114の湾曲の輪郭の輪郭全体に適合するように大きさを決められ得る。単極の延長部112aの縁は、延長部の縁に沿って電流密度を減少させるように特に大きさを決められた半径、例えば、滑らかな湾曲および遷移点を含むように大きさを決められ得る。単極の延長部112aの厚さは、好適には、約0.010インチ+/−0.005インチの範囲内である。単極の延長部112aの幅は、好適には、それにより顎部材が機械的に組織を広げる目的のためにそこを通過し得る腸切開の作成を可能にするように、約0.084インチ+/−0.010インチである。長さは、好適には、約0.040インチ+/−0.010インチである。「BIPOLAR FORCEPS HAVING MONOPOLAR EXTENSION」と題される共有に係る米国特許出願第10/970,307号と、「BIPOLAR FORCEPS HAVING MONOPOLAR EXTENSION」と題される米国特許出願第10/988,950号とは、単極の延長部の様々な実施形態を開示し、該単極の延長部は本開示の鉗子10を用いた使用のために構成され得る。これらの出願の両方の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0121】
顎部材120は、顎筐体124のような顎部材110と同様の要素を含み、該顎筐体124は、支持プレート129と絶縁プレート129’と導電性密閉面122とを包む。同様に、導電性密閉面122と絶縁プレート129’とは、組み立てられたときに、ナイフブレード190の往復運動のために、導電性密閉面と絶縁プレートとを通って規定される、それぞれ長手方向に向けられたナイフチャネル115aおよび115a’を含む。上で述べられたように、顎部材110および120が組織に対して閉じられたときには、ナイフチャネル115aおよび115bは、完全なナイフチャネル115を形成し、遠位方向へのナイフ190の長手方向の伸展が、組織の密閉部に沿って組織を切断することを可能にする。ナイフチャネル115が、特定の目的に従って、2つの顎部材のうちの1つ、例えば、顎部材120に完全に配置され得るということがまた想定される。顎部材120が、顎部材110に関して上で記述されたものと同様の方法で組み立てられ得るということがまた想定される。
【0122】
図15Aに最良にみられるように、顎部材120は導電性密閉面122の内側対向面に配置される一連の停止部材90を含み、組織のグリッピングおよび操作を容易にし、組織の密閉および切断の間の、対向する顎部材110および120の間にギャップ「G」(図10B)を規定する。一連の停止部材90は、特定の目的に従ってまたは所望の結果を達成するために、顎部材110および120の1つまたは両方で用いられ得るということが想定される。導電性密閉面112、122に停止部材90を取り付けるためおよび/または付着させるための製造および組み立ての様々なプロセスだけでなく、これらおよび他の想定された停止部材90に関する詳細な記述は、Dycusらによる「VESSEL SEALER AND DIVIDER WITH NON−CONDUCTIVE STOP MEMBERS」と題される、同一人に譲渡された同時係属中の国際出願第PCT/US01/11413号に記述されており、該出願は本明細書においてその全体が参考として援用される。
【0123】
顎部材120は回路基板170またはジェネレータ500から伸びる第2の電気リード325bに接続され(図16を参照)、該第2の電気リード325bは、外側絶縁体124の中で終了し、クリンプ状の接続部326bによって密閉プレート122に電気機械的に結合するように設計される。以下でさらに詳細に述べられるように、リード325aおよび325bは、ユーザが手術の間に必要に応じて、顎部材110および120に双極または単極の電気外科的エネルギーのいずれかを選択的に供給することを可能にする。
【0124】
顎部材110および120は互いから電気的に絶縁され、その結果、電気外科的エネルギーが組織を通って効果的に運ばれ、組織の密閉部を形成する。例えば、図15Aおよび図15Bに最良に図示されているように、各顎部材、例えば、顎部材110は、顎部材を通って配置される、独特に設計された電気外科的ケーブル経路を含み、該電気外科的ケーブル経路は導電性密閉面112に電気外科的エネルギーを送る。ケーブルリード325aは、ケーブル経路に沿って、緩やかではあるがしっかりと保持されており、顎部材110および120の回転を可能にする。理解され得るように、これは、末端エフェクタアセンブリ100の残りの動作構成要素、顎部材120およびシャフト12から導電性密閉面112を絶縁する。2つの電位は、ケーブルリード325aおよび325bを囲んでいる絶縁被膜によって互いから絶縁されている。
【0125】
上で述べられたように、顎部材110および120はピボットピン185によって回転シャフト18の端に係合され、その結果、回転アセンブリ80は、(スリーブ17およびナイフ駆動ロッド71と共に)シャフト18を対応するように回転させ、次に、該シャフト18は末端エフェクタアセンブリ100を回転させる(図12を参照)。さらに詳細には、回転シャフト18の遠位端は端18aおよび18bを含むように二股に分けられており、該端18aおよび18bは、その中に顎部材110および120を受け取るチャネルを規定する。ピボットピン185は、顎部材110および120のそれぞれを貫通して規定される開口186aおよび186bを通って端18aおよび18bに顎部材110および120を固定する。図13および図17に最良に見られるように、回転シャフト18は、ナイフ駆動ロッド71と、ナイフ190と、ナイフガイド197とを中で滑動可能に受け取るように大きさを決められている。次に、回転シャフト18は、駆動スリーブ17の中に回転するように受け取られ、該駆動スリーブ17は、上で述べられたように、駆動アセンブリ60に接続する。ナイフアセンブリに関する詳細は、図5A、図5B、図6A、図6B、図7、図8Aおよび図8Bで、さらに詳細に記述されている。
【0126】
回転シャフト18および駆動シャフト17は2つの回転タブによって回転アセンブリ80に固定され、該回転タブは回転シャフト18内のスロット18cを通って係合され、その結果、回転部材の回転は、回転シャフト18を対応するように回転させる。駆動シャフトおよび回転シャフトは、当該分野において公知である他の方法、スナップフィット、摩擦嵌入などで回転アセンブリに付着され得るということが想定される。
【0127】
図13および図14は、鉗子10と、その構成要素機能、つまり、筐体20、駆動アセンブリ60、回転アセンブリ80、ナイフアセンブリ70、およびハンドルアセンブリ30の詳細を示す。さらに詳細には、図13は上で識別されたアセンブリおよびその構成要素と共に鉗子10の全体を分解した状態で示し、図14は筐体20と、そこに含まれる構成要素との分解図を示す。
【0128】
筐体20は、嵌合されると筐体20を形成する筐体の半分20aおよび20bを含む。理解され得るように、筐体20は、いったん形成されると、内部空洞25を形成し、該内部空洞25は上で識別された様々なアセンブリを収容し、該様々なアセンブリは、ユーザが単純で効果的かつ効率的な方法で組織を選択的に操作し、掴み、密閉し、切断することを可能にする。筐体の各半分、例えば、半分20bは一連の機械的インターフェース構成要素、例えば、205を含み、該機械的インターフェース構成要素205は、対応する一連の機械的インターフェース(図示せず)と並びおよび/または嵌合し、内部構成要素およびアセンブリの回りで2つの筐体の半分20aおよび20bを並べる。次に、いったん組み立てられると、筐体の半分20aおよび20bは超音波溶接され得るか、または筐体の半分20aおよび20bを固定するように嵌め合うように係合され得る。
【0129】
上で述べられたように、ハンドルアセンブリ30は2つの可動ハンドル30aおよび30bを含み、該可動ハンドル30aおよび30bはそれぞれ、トグルリンク35aおよび35bと協働し、それぞれ駆動アセンブリ60の作動または駆動カラー69を作動する。次に、駆動カラーは駆動スリーブ17に往復運動をさせ、上記のように顎部材110および120を開閉する。可動ハンドル30aおよび30bは、トグルリンク35aおよび35bのユニークな位置により、従来のハンドルアセンブリを上回る、独特なレバー状の機械的利点を提供するように設計されており、作動されたときに、該トグルリンク35aおよび35bは、長手方向軸「A」に沿って回転し、作動カラー69を移動する。さらに詳細には、上で述べられたように、顎部材110および120を作動するために高められた機械的な利点は、様々な相互に協働する要素、例えば、トグルリンク35aおよび35bと、ハンドル30aおよび30bの遠位端におけるギアティース34aおよび34bとのユニークな位置と組み合わせとによって得られ、該ユニークな位置と組み合わせとが、約3kg/cm2から約16kg/cm2までの理想的な動作圧の下で、顎部材を固定および維持するために必要なユーザの全体的な力を減少させるように協働するということが想定されている。
【0130】
上で述べられたように、開いたまたは間隔を空けられた構成から閉じた位置への筐体20に向けたハンドル30aおよび30bの動きは、作動カラー69をバネ63に対して近位方向に押し、次に、バネ63は駆動スリーブ17を近位方向に向けて移動させ、顎部材110および120を閉じる。さらに、ハンドル30aおよび30bが閉じた位置まで回転すると、ハンドル回転ハンドル30aおよび30bはトグルリンク35aおよび35bを押し、長手方向軸「A」と平行な向きをこえて、長手方向軸「A」に沿ってトグルリンク35aおよび35bを回転させることにより、閉じた位置からのハンドル30aおよび30bの解放の際に、バネ63の力がトグルリンク35aおよび35bを延び過ぎた/中心を越えた(すなわち、平行を越えた)構成に維持し、それによりハンドル30aおよび30b(従って、顎部材110および120)を互いに対してロックする(図9Aおよび図9Bを参照)。顎部材110および120を解除するために、ハンドル30aおよび30bは互い(および筐体20)から離れるように動かされ、トグルリンク35aおよび35bを少なくとも長手方向軸「A」に対して平行な向きに戻し、該平行な位置はハンドル30aおよび30bを解除して開き、次に、続けて組織を掴むか、または再び掴むために、顎部材110および120を解除して開く。いったんハンドル30aおよび30bが平行を越えて開かれると、バネ63の力はハンドル30aおよび30bの開きと顎部材110および120の開きとを容易にする。
【0131】
上で述べられたように、ハンドル30aはまたロックフランジ32を含み、ハンドルアセンブリ30aが間隔を空けられたまたは開いた構成に配置されるときに、ナイフアセンブリ70の作動を防止するように、該ロックフランジ32は大きさを決められている。筐体20に向けたハンドル30aの作動または動きは、ロックアウト要素32を外し、以下でさらに詳細に述べられるような組織を分離するナイフアセンブリ70の動きを可能にする。
【0132】
図14に最良に見られるように、駆動アセンブリは、駆動カラー69と、バネ63と、ロックスリーブ62とを含む。トグルリンク35aおよび35bは、ハンドル30aおよび30bそれぞれに駆動カラー69を動作可能に接続する。ロックスリーブ62は駆動カラー69を貫通するように規定される開口部67を通って収まるように大きさを決められており、バネ63はロックスリーブ62を覆って収まるように大きさを決められている。次に、バネ63は、駆動カラー69とロックスリーブ62への一対のロックボルト62aおよび62bとの間でそれらに対して付勢される。ハンドル30aおよび30bの作動の際に、トグルリンク35aおよび35bは駆動カラー69を近位方向に押し、ロックボルト62aおよび62bに対してバネ63を縮ませる。
【0133】
図9Aおよび図9Bに最良に示されているように、ロックスリーブ62およびスリーブ17は組み立て時に固定されるか、または溶接される。ロックスリーブ62は遠位カラー62’を含み、該遠位カラー62’は駆動カラー69に接し、ハンドル30aおよび30bの作動の際の駆動カラー69の軸方向の移動を確かなものにする。ロックスリーブ62およびスリーブ17はまた、ハンドル30aおよび30bの作動の間、ロックナット62aおよび62bを介して往復運動するように大きさを決められており、このことが、上で述べられたように、バネ63がロックナット62aおよび62bに対して縮むことを可能にし、所望の力の範囲内で閉じた位置に鉗子10をロックすることを容易にし、鉗子10の作動後のハンドル30aおよび30bの開きを容易にする。
【0134】
図14はまた回転アセンブリ80を示し、該回転アセンブリ80は2つのC字型の回転半分81aおよび81bを含み、シャフト17の回りで組み立てられたときに、該2つのC字型の回転半分81aおよび81bは、概ね円形の回転部材81を形成する。さらに詳細には、各回転半分、例えば、回転半分81bは一連の機械的インターフェース83を含み、該機械的インターフェース83は、半分81aにおける対応する一連の機械的インターフェース(図示せず)に嵌め合うように係合し、回転部材81を形成する。半分81bはまたタブまたは突出部(図示せず)を含み、該タブまたは突出部は、半分81aに配置されている対応するタブまたは突出部(図示せず)と共に、駆動シャフト17および回転シャフト18それぞれのスロット17cおよび18cに嵌め合うように係合するように協働する。理解され得るように、これは、矢印「R」(図1Aおよび図12を参照)の方向へ回転部材80を操作することによって、軸「A」の周りでの末端エフェクタアセンブリ100の選択的な回転を可能にする。
【0135】
上で述べられたように、顎部材110および120は、密閉が所望されるまで、組織を処置するために、開かれ、閉じられ、回転させられ得る。これは、作動および密閉に先立ち、ユーザが鉗子10を配置および再配置することを可能にする。回転アセンブリ80を通って、シャフト18に沿って最終的に顎部材110および120に至るケーブルリード325aおよび325bのユニークな供給経路は、ケーブルリード325aおよび325bをもつれさせるか、またはケーブルリード325aおよび325bに過度な歪をもたらすこともなく、時計回りの方向と反時計回りの方向との両方に約170度、末端エフェクタアセンブリ100を、ユーザが回転させることを可能にするということが想定される。
【0136】
図5A、図5B、図6A、図6B、図7、図11A、図11Bおよび図14に最良に示されているように、ナイフアセンブリ70は筐体20の上に取り付けられ、ナイフバー71を選択的移動するように構成されており、次に、該ナイフバー71は組織を通ってナイフ190を移動させる。さらに詳細には、ナイフアセンブリ70はフィンガアクチュエータ76を含み、該フィンガアクチュエータはそこに付着されている細長い支持ベース72を有し、該細長い支持ベース72は長手方向軸「A」に平行に選択的に動くことができる。細長い支持ベース72は近位端を含み、該近位端は一連のギアティース72aを有するギアラックとして構成されており、該ギアティース72aは下方向に垂れている。ギアティース72aは、筐体20上での回転のために設置された対応するピニオンギア77とかみ合うように構成されている。ピニオンギア77はまた、カラー74に配置された複数のギアティース75aを有する第2のギアトラック75とかみ合い、該カラー74は、スリーブ17の上で滑動するように移動することができる。図9A、図9Bおよび図11Aに最良に示されているように、ピン78は、スリーブ17を貫通して規定されるスロット17dを通って、ナイフバー71の近位端71bにカラー74を取り付ける。方向「F」に向けたフィンガアクチュエータ76の近位方向への移動は、時計回りの方向にピニオンギア77を回転させ、次に、ピニオンギア77は第2のギアトラック75aを方向「H」に向けて遠位方向に押す(図7を参照)。スプリング79は筐体20に対してカラー74を付勢し、フィンガアクチュエータ76が解放された後に、ナイフアセンブリ70を発射前の位置に自動的に戻す。
【0137】
ナイフアセンブリは、ナイフアセンブリの過度な作動を防止する機械的ヒューズを含むように構成されている。例えば、ピニオンギア77は、近位方向へのフィンガアクチュエータの過伸展を防止する1つ以上の壊れやすいまたは離脱しやすい要素を含むように構成され得る。理解され得るように、この様式でピニオンギア77を構成することは、ユーザが顎部材110および120の間に配置された繊細なナイフブレード190に負荷をかけすぎることと、それを損傷することとから防止する。一実施形態において、約9lbf以上の過度な力が方向「F」(図7に示されているように)に加えられたときに、ピニオンギア77の軸は壊れる。この場合、そしてピニオン軸が壊れると、バネ79はナイフブレード190を引っ込んだ位置に自動的に戻し、顎部材110および120の分離を可能にし、このことが、組織を傷つけることなく体から鉗子10が安全に取り外されることを可能にする。理解され得るように、ピニオン軸の壊れは手術領域を汚染せず、壊れたギア77は鉗子10の筐体20の中に残る。さらに、筐体20の内部動作構成要素は、この例においては、ピニオンギアの交換を可能にするために、アクセス可能であり得るということが想定される。
【0138】
他の要素が、機器の過剰負荷と、鉗子10に関連する壊れやすいパーツを損傷することとを制限するために似た様式で構成され得るということがまた考えられる。例えば、ラックのティース72aは過度な力により壊れるように大きさを決められ得るか、またはトラック75aが同様に、過度な力により壊れるように大きさを決められ得る。さらに、ハンドル30aおよび30bは同様な過剰負荷安全装置を装備され得、該過剰負荷安全装置は、ハンドル30aおよび30bならびに駆動アセンブリ60またはハンドルアセンブリ30の過度の圧縮を防止する。例えば、リンク35aおよび35bが過剰負荷の状態で壊れるように構成され、または駆動カラー69が過剰負荷の状態で壊れるように構成され得る。
【0139】
上で述べられたように、顎部材110および120がハンドル30aに配置されたフランジ32により開かれたときに、ナイフアセンブリ70は始動されることを防止され、該フランジ32はハンドル30aおよび30bが開かれたときに、カラー74の遠位方向への始動を防止するように配置されている。閉じた位置へのハンドル30aおよび30bの運動の際、フランジ32はカラー74の遠位方向への移動を可能にし、ナイフバー71を作動するように配置される。
【0140】
鉗子10の内部作用構成要素の動作特徴および相対的な動きは、様々な図において想像表示によって示されている。ハンドル30aおよび30bがぎゅっと握られると、駆動カラー69は、インラインのトグルリンク35aおよび35bの機械的な利点を通じて、近位方向に動かされ、次に、このことがロックナット62aおよび62bに対してバネ63を押しつける。その結果として、駆動カラー69はロックスリーブ62を近位方向に運動させ、次に、該ロックスリーブ62は駆動スリーブ17を近位方向に運動させ、顎部材110および120を閉じる。いったん顎部材110および120が組織に対して閉じられると、ユーザは、単極の作動または双極の作動のいずれかで組織を処置するために、導電性密閉プレートに選択的にエネルギーを加え得る。
【0141】
図6A、図14および図16に最良に示されているように、鉗子10は2つのスイッチ250および260を含み、該2つのスイッチ250および260は筐体20の中または上に設置され、ユーザが鉗子10を選択的に作動することを可能にし、顎部材110および120に双極エネルギーを選択的に伝えるか、または顎部材110および120あるいは単一の顎部材、例えば、顎部材110に単極エネルギーを選択的に伝える。本明細書における目的のために、いずれかのスイッチ、例えば、スイッチ250が単極の作動のために構成され得、他のスイッチ、例えば、スイッチ260が双極の始動のために構成され得るということが想定される。さらに、スイッチ250および260はしるしまたは他の識別要素、例えば、高くなった隆起、スカラップ、様々な形状などを含み得、2つのスイッチ250および260を互いから区別し、該しるしまたは他の識別要素は濡れた動作状態で特に有益であることが明らかになり得る。
【0142】
1つの特に有益な実施形態において、かつ、図6Aに最良に示されているように、スイッチ250および260は、長手方向軸「A」に関して対向する側かつナイフアセンブリ70に関して対向する側で、筐体20の中に設置される。理解され得るように、ナイフアセンブリ70(およびその始動)と、スイッチ250および260(およびその始動)とは、動作状態の間にユーザによって始動/作動を容易にするように、便利な位置に決められている。例えば、組織を処置するためにスイッチ250および260を作動することと、いったん組織が処置されると、組織を切断するためにナイフアセンブリ70を始動することとの両方のために、ユーザは同じ指を利用し得るということが考えられる。
【0143】
図6Aおよび図16に示されているように、ケーブル310は駆動アセンブリ60の1つの側に筐体20bを通って供給され、スイッチアセンブリ170のプリント回路基板172に電気機械的に接続する。さらに詳細には、ケーブル310は内部で複数のリード311a〜311fに分割されており、該複数のリード311a〜311fは、クリンプ状のコネクタ174によって、プリント回路基板172から伸びる一連の対応する接点176a〜176f、または他の導電性リードに固定され、最終的に顎部材に接続する。当該分野において周知である他の電気機械的な接続、例えば、IDC接続、半田づけなどがまた想定される。様々なリード311a〜311fは、様々な電位を伝えるか、またはプリント回路基板172への信号を制御するように構成されており、該プリント回路基板172は、ジェネレータ500と共に、顎部材110および120への電気エネルギーを管理し、監視し、制御するということが想定される。顎部材の記述に関して上で述べられたように、電気リード325aおよび325bは回転部材80を通り、シャフト18に沿って、最終的に顎部材110および120に接続するように伸びる。
【0144】
図23は、本開示の鉗子10での使用のための制御回路510の概略的な表示を示す。上で述べられたように、鉗子10は2つの独立した動作のモード−様々な外科的処置のための双極モードおよび単極モードで動作するように構成されている。スイッチアセンブリ170のスイッチ250(図19および図23におけるS1)または260(図19および図23におけるS2)のうちの1つが押されると、スイッチ250および260の接点(図示せず)は、顎部材110および120に対して適切な電位(または複数の電位)を始動させ、該電位(複数の電位)はリード325aおよび/または325bを通って運ばれる。例えば、スイッチ250(LigaSureTM作動)が押されると、回路基板172は双極鉗子として鉗子10を構成するように、ジェネレータ500に信号を送り、リード325aが第1の電位を顎部材110に運び、リード325bが第2の電位を顎部材120に運ぶ。従って、顎部材110および120は、組織の密閉部を作り出すための作動の際に、組織を通して双極エネルギーを伝える。図23は、この目的を達成するために利用され得る、考えられる電気回路の一例を示す。
【0145】
スイッチ260(単極作動)が押されると、回路基板172は単極鉗子として鉗子を構成し、リード325aは顎部材110に第1の電位を運び、単極の様式で組織を凝固するかまたは処置する。上で述べられたように、顎部材110は単極の延長部を含み、該単極の延長部は様々な組織のタイプ、例えば、脈管組織構造の単極処置を容易にし、および/または狭い組織面の素早い切開を可能にする。単極の延長部の作動は作動回路によって制御され得、該作動回路はユーザが、手術の間に必要に応じて、単極エネルギーまたは双極エネルギーを選択的に加えることを可能にする。想定される1つの作動回路は、「BIPOLAR FORCEPTS HAVING MONOPOLAR EXTENSION」と題される共有に係る米国特許出願第10/970,307号と、BIPOLAR FORCEPTS HAVING MONOPOLAR EXTENSION」と題される米国特許出願第10/988,950号とに開示されており、これらの出願の両方の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0146】
代替的に、図23に最良に示されているように、スイッチ260が押されている単極モードの間、ジェネレータ(またはプリント回路基板)は、リード325aおよび325bの両方が特定の目的に従って、または所望の外科的処置、例えば、所謂「凝固ペインティング」に従って、顎部材110および120に同じ電位を運ぶように命令し得る。理解され得るように、単極モードにおいて、帰還パッドが電気エネルギーのための帰還経路(図示せず)として機能するように患者に接触して必ず配置される。この例における帰還パッドはジェネレータ500に直接的に、または帰還パッド制御メカニズム(図示せず)を通って接続しており、該帰還パッド制御メカニズムは、帰還パッドの特定のパラメータを監視するように構成され得る。想定される様々な制御システムが、「MULTIPLE RF RETURN CABLE PAD CONTACT DETECTION SYSTEM」と題される共有に係る米国特許出願第10/918,984号と、「ELECTROSURGICAL RETURN ELECTRODE MONITOR」と題される米国特許出願第09/310,059号(現在では、米国特許第6,258,085号)と、「DEVICE FOR DETECTING HEATING UNDER A
PATIENT RETURN ELECTRODE」と題される米国特許仮出願第60/616,970号と、「TEMPERATURE REGULATING PATIENT RETURN ELECTRODE AND RETURN ELECTRODE MONITORING SYSTEM」と題される米国特許仮出願60/666,798号に開示されており、全出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0147】
双極モードにおいて、回路510(図23に概略的に図示されている)は、2つの顎部材110および120へのエネルギーを電気的に送る。さらに詳細には、スイッチ250が押されると、回路510の独立した回路520が回路の抵抗降下を認識し、該抵抗降下はジェネレータによって認識され、電気外科的エネルギーが第1の電位を顎部材110に供給し、第2の電位を顎部材120に供給することを開始する。スイッチ520は独立した制御回路として機能し、ジェネレータの中の回路網によって、高い電流のループから保護されており、該高い電流のループは顎部材110および120に電気エネルギーを供給する。これは、作動の間の高い電流の負荷によるスイッチ260の電気的な故障の機会を減少させる。
【0148】
図14に最良に示されているように、ハンドル30aはまたスイッチロックアウトメカニズム255を含み、該スイッチロックアウトメカニズム255は、顎部材110および120が開いた構成に配置されるときに、スイッチ250および260の1つまたは両方の作動を防止するように構成され得る。さらに詳細には、ロックアウトメカニズム255はハンドルアセンブリ30aから筐体20に向けて伸び、スイッチ250および260の1つまたは両方が押され、回路基板172に接触することをロックアウトメカニズム255が防止する第1の位置から、ロックアウトメカニズム255がスイッチ250(またはスイッチ250および260)の作動を可能にするように配置される、筐体20により近い第2の位置に、ハンドル30aと共に選択的に動くことができる。ロックアウトメカニズム255は、スイッチ250および/または260の1つまたは両方の動きを物理的に防止する単に機械的なロックアウトとして構成され得るか、または作動を可能にする安全スイッチを作動する機械的な要素を含む電気機械的なロックアウトとして構成され得るということが想定される。さらに、1つまたは両方のスイッチが独立的かつ排他的に作動可能であり得、すなわち、1回に1つのスイッチのみが作動され得るように、スイッチロックアウトメカニズム255は構成され得る。
【0149】
例えば、柔軟な回路170は安全スイッチ171を含み得、ロックアウトメカニズム225が安全スイッチ171と物理的に係合し、回路を閉じて電気外科的な作動を可能にするときに、該安全スイッチ171は作動される。言い換えると、安全スイッチ171は、(すなわち、ハンドル30aおよび30bが閉じられたときに、ロックアウトメカニズム255の動きによって、)変形されるかまたは物理的に係合され、電気経路を閉じて電気外科的な作動を可能にする。安全スイッチの様々な実施形態に関するさらなる詳細は、図18〜図21Dを参照して以下で記述される。単に電気的な安全スイッチ(図23を参照)が含まれ得、該単に電気的な安全スイッチは、例えば、ハンドル30a(またはハンドル30aおよび30b)におけるポイントの光学的なアライメント(alignment)、スイッチを閉じるための磁気的または電磁気的アライメント(またはミスアライメント(misalignment))、近接センサ、スキャナ、水銀(または類似物)スイッチなどの電気的な条件の満足に基づいて作動を可能にするということがまた想定される。やはり、スイッチ250および/またはスイッチ260の1つまたは両方が独立的かつ排他的に作動可能であり得、すなわち、1回に1つのスイッチのみが作動され得るように、安全スイッチ171は構成され得る。
【0150】
理解され得るように、筐体20上にスイッチ250および260の位置を決めることは、動作の間、有利となり得る。なぜならば、この配置が手術室における電気ケーブルの量を減少させ、「見通しの良い」作動による、外科的処置の間の誤った機器または誤ったスイッチの作動の可能性を排除するからである。安全回路または他の安全メカニズムを停止することなく、スイッチ250および260が顎部材110および120に異なるモード(すなわち、双極または単極モード)でエネルギーを加えることを防止する、すなわち独立的かつ排他的な作動である自動安全回路または電気機械的もしくは機械的安全ロック(図示せず)が使用され得る。例えば、電気的モードをスイッチングする前にスイッチアセンブリ70が再設定されなければならないようにスイッチアセンブリ70を構成することが望ましいことがあり得る。組織を再び掴むこと、ハンドル30aおよび30bを再び開くこと、スイッチをリセットすることもしくはレバーをリセットすること、または当該分野において通例の他の方法によって、再設定は達成され得る。
【0151】
理解され得るように、様々なスイッチングアルゴリズム(図23を参照)が、血管の密閉のための双極モードとさらなる組織の処置(例えば、凝固、切開など)のための単極モードとの両方を作動するために使用され得る。上で述べられた安全またはロックアウトは、他の電気的モードの作動の間、1つの電気的モードを電気的、機械的または電気機械的のいずれかで「ロックアウト」するためのアルゴリズムの一部分として使用され得るということがまたさらに想定される。さらに、トグルスイッチ(または類似物)が、安全上の理由で、1度に1つのモードを作動するように使用され得るということが理解される。
【0152】
組み立てられたとき(およびハンドル30a’および30bと顎110および120とが開かれたとき)に、安全スイッチ171は、図22Aに示されているように、筐体20bの内壁またはレッジ173に固定される。筐体20bに向けたハンドル30aの動きの際に、安全ロックアウト255は、図22Bに示されているように、安全スイッチ171に向けて筐体20bに対して内側に動く。ハンドル30aおよび30bが(上で詳細に述べられたように)閉じた位置に向けて動くにつれ、安全ロックアウト255は安全回路171’(図19および図23におけるS3)に係合し、回路を完成させ、鉗子10の選択的な作動を可能にする(やはり図23を参照)。
【0153】
図14および図23〜図27に最良に示されているように、スイッチングアセンブリは強度制御150を含み得、該強度制御150は、回路基板172に電気機械的に接続し、かつ、動作状態の間、ユーザが電気外科的エネルギーの強度を選択的に調整することを可能にするように構成される。強度制御150は、鉗子が単極モードで構成されているときに、強度制御を調整するように特に構成されているということが想定される。特に有益な1つの実施形態において、強度制御150は細長くされ、接点154を含み、該接点154は強度制御150から横方向に伸び、筐体20を通って回路基板172に電気機械的にインターフェース接続する。作動ノブ151は強度制御150の反対側から横方向に伸び、組み立てられたときに、筐体20の側面から突出するように大きさを決められている(図5A、図5B、図6Aおよび図6Bを参照)。特に有益な1つの実施形態において、強度制御150は筐体20に沿って滑動し、所望に応じて強度レベルを調整するように構成されている。
【0154】
強度制御150は、特定の目的に従って、個々別々のまたは連続した方法で筐体20に沿って滑動するように構成されているということが想定される。例えば、図24〜図27に最良に示されているように、1つの想定される強度制御150’は作動ノブ151’を含むように大きさを決められており、該作動ノブ151’は強度制御150’の1つの側から横方向に伸び、組み立てられたときに、筐体20から突出する。カンチレバー状の延長部153’は、その端にデテント155’を有し、該デテントは、強度制御150’に対して概ね垂直に伸び、強度制御150’の中央に配置されている。カンチレバー状の延長部153’のデテント155’は、筐体20の中に配置されている対応する機械インターフェースまたはトラック161’(図26を参照)に係合するように大きさを決められている。理解され得るように、筐体20の中でデテント155’の作動を容易にする機械的な利点がカンチレバー状の延長部153’によって作り出される。
【0155】
デテント155’は(強度ノブ150’を選択的に作動することによって)選択的に動かすことができ、トラック161’に配置されている様々なくぼみ163a’、163b’、163c’、163d’および163e’に係合し、特定の外科的目的のために所望に応じて、個々別々の強度設定で強度制御ノブ150’をロックする。トラック161’は1つ以上のより大きいくぼみ、例えば、くぼみ163c’を含み得、(示されているような)中央、最近位または最遠位の位置に強度制御150’を戻すことを容易にするということが想定される。
【0156】
デテント155’の反対側の、強度制御150’の反対端は滑動バンプまたは他の機械インターフェース167’を含み、該滑動バンプまたは他の機械インターフェース167’は柔軟な回路基板170および170’の上に動作可能に係合される。強度制御150’が動かされるにつれ、滑動バンプ167’は様々な位置で柔軟な回路基板170(または170’)を変形させるように構成されている。様々な位置で回路基板170(または170’)を変形させることは、以下で記述されるように、柔軟なプリント基板170または170’のインピーダンスを制御することによって強度設定を調節する。言い換えると、滑動バンプ167’は、柔軟な回路170を異なる制御設定にスイッチするために充分な押し下げ力を作り出す。柔軟な回路基板170上の1つの導電層が別の導電層に触れるように曲がり、電気的接点を作り出すときに、スイッチは生じる。理解され得るように、これはユーザが動作状態の間、電気外科的エネルギーの強度を選択的に調整することを可能にする。示されているように、鉗子10は五(5)つの異なる強度設定を含む。
【0157】
図27に最良に示されているように、強度制御150’は筐体20に規定される軌道169’の上に配置され得る。軌道169’は、柔軟な回路170(または170’)の上かつ様々なくぼみ163a’〜163e’の中での、最近位の位置から最遠位の位置への強度制御150’の動きを容易にするように構成されている。
【0158】
様々なタイプのしるし155および/または触覚フィードバック要素(図示せず)、例えば、数値、図形的しるし、機械的インターフェースなどが、位置および/または電気エネルギーの強度のレベルを示すために利用され得る。ユーザはジェネレータ500(図16を参照)における最初の強度レベルを構成し得、鉗子10における強度制御150は、事前に設定されたレベルを一定の割合だけ、移動ノブ151によって増減するために利用され得るということがまた想定される。
【0159】
強度コントローラ150は、(分圧器ネットワークつまり「VDN」として機能するように構成され得る)柔軟な回路基板またはプリント回路基板の上およびそれに沿って滑動する滑動電位差計として機能するように構成され得る。例えば、強度コントローラ150は、相対的に低い強度設定に対応する(例えば、ユーザに最も近い)最近位の位置にノブ151が配置される第1の位置と、相対的に高い強度設定に対応する(例えば、ユーザから最も遠い)最遠位の位置にノブ151が配置される第2の位置と、ノブ151が様々な中間の強度設定に対応する様々な位置に配置される複数の中間の位置とを有するように構成され得る。理解され得るように、近位端から遠位端への強度設定は、例えば、高から低に反転され得る。強度コントローラ150の一実施形態は、「ELECTROSURGICAL PENCIL WITH ADVANCED ES CONTROLS」と題される共有に係る米国特許出願第11/337,990号に開示されており、該出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0160】
図14に図示され、上で述べられたように、ノブ151は筐体20aの中に配置されるガイドチャネル157に沿って進むように大きさを決められ得、該ガイドチャネル157は一連の位置、例えば、5つを規定する一連の個々別々なまたは係止される位置が提供され、低い強度設定から高い強度設定までの出力強度の容易な選択を可能にする。一連の協働する個々別々なまたは係止される位置はまた、ある程度の触覚フィードバックを外科医に提供する。従って、使用において、強度コントローラ150が遠位方向および近位方向に滑動するにつれ、接点154の上に配置される機械的インターフェース158は一連の対応する係止点(図示せず)に選択的に係合させ、強度コントローラ150が所望の強度設定に設定されたときにユーザに触覚フィードバックを提供すると共に、強度レベルを設定する。代替的に、強度コントローラ150から(例えば、「クリック(click)」)、電気外科的エネルギー源500から(たとえば、「トーン」)、および/またはブザーのような補助的な音生成デバイス(図示せず)から、聴覚フィードバックが生成され得る。
【0161】
強度コントローラ150はまた、知覚された出力強度に影響するように、電力パラメータ(例えば、電圧、電力、および/または電流の強度)および/または電力対インピーダンス曲線の形状を調節するように構成および適合され得る。例えば、強度コントローラ150が遠位方向に置かれれば、置かれるほど、顎部材110および120(または単極の構成に配置されたときには、顎部材110だけ)に伝えられる電力パラメータのレベルが大きくなる。鉗子が単極モードで配置されるときには、電力強度は約60mA〜約240mAの範囲にあり得、組織は約2kオームのインピーダンスを有する。60mAの強度レベルは、ごく少量および/または最小の切断/切開/止血効果を提供し得る。240mAの強度レベルは非常に強い切断/切開/止血効果を提供する。
【0162】
強度設定は、一般的には、所望の外科的効果、外科的特質および/または外科医の選択に基づいて、事前に設定され、かつ、参照表から選択される。選択は自動的に行われ得るか、またはユーザによって手動で選択され得る。
【0163】
鉗子10が1つのモードから別のモードに変更されるときに、強度コントローラ150がリセットされなければならない(例えば、ノブ151がガイドチャネル157の最近位に再配置されることにより、事前に設定された構成に強度レベルを再設定する)ように、強度コントローラ150は構成され得るということが想定される。リセットされた後に、強度コントローラ150は、必要に応じて、選択されたモードにとって所望のおよび/または必要な強度レベルに調節され得る。
【0164】
回路基板172またはジェネレータ500はまた、各モードに対する最後の強度レベル設定を記憶するアルゴリズムを含み得るということが想定されかつ考えられる。この方法で、特定のモードが再選択されたときに、強度コントローラ150は最後の動作値にリセットされることを必要としない。
【0165】
本開示はまた、電気外科的ジェネレータ500からの電気外科的エネルギーを用いて組織を処置するための方法に関し、該方法は、シャフト12を取り付けられた筐体20を含む内視鏡型の鉗子10を提供するステップを含む。シャフト12は、シャフト12の遠位端付近に取り付けられた第1および第2の顎部材110および120をそれぞれ含む。顎部材110および120が互いに対して間隔を空けた関係に配置される第1の位置から、顎部材110および120が協働して間に組織を掴む第2の位置に、顎部材110および120を互いに対して動かすために、アクチュエータまたはハンドルアセンブリ30が含まれる。スイッチアセンブリ170は筐体20の上に含まれており、該スイッチアセンブリ170は、ユーザが単極または双極のモードで顎部材110および120に選択的にエネルギーを加え、組織を処置することを可能にする。
【0166】
理解され得、かつ、上で述べられたように、スイッチアセンブリ170は、スイッチ250および260と、プリント回路基板172と、コネクタ176a〜dとを含む。強度コントローラ150はまた、スイッチアセンブリ170と共に含まれ得、いずれかのモードで配置されたときに、電気外科的エネルギーの強度レベルを調整する。この特定の方法において、ステップは、顎部材110および120の間に組織を掴むことと、双極または単極の様式で顎部材110および120を選択的に作動させ、顎部材110および120の間に配置された組織を処置することと、強度コントローラ150を制御することによって、電気外科的エネルギーの強度を選択的に調整することとをさらに含む。
【0167】
本方法の他のステップは、ナイフの選択的な作動のために構成されているナイフアセンブリ70を提供するステップと、組織の処置の後にナイフ190を進め、組織を分離するために、ナイフアセンブリ70を選択的に作動するステップとを含み得る。さらに別のステップは、動作状態の間に必要に応じて電気外科的エネルギーの強度を調節することと、作動の前に、ナイフアセンブリ70のロックを外すか、または第1の位置から第2の位置にハンドル30aおよび30bを作動しているときに、同時にナイフアセンブリ70のロックを外すこととを含み得る。
【0168】
図17に最良に示されているように、ナイフアセンブリ70の細長いナイフバー71の遠位端71aは、ナイフ190にその近位端で取り付けられる。ナイフ190は、当該分野において公知の任意の方法、例えば、スナップフィット、摩擦嵌入、ピン止め、溶接、接着剤などでナイフバー71に取り付けられ得るということが想定される。図17に示されている特定の実施形態において、クランプカラー197は、ナイフ190をナイフバー71にしっかりと係合されたままに保つために使用される。
【0169】
スイッチ250および260は一般的に押しボタンタイプであり、(いったん組み立てられると)筐体20のそれぞれの開口250’および260’の中に座るように人間工学的に大きさを決められる。スイッチ250および260は、ユーザが組織の外科的処置のために鉗子10を選択的に作動することを可能にするということが想定される。さらに詳細には、スイッチ250または260のいずれかが押されると、電気外科的エネルギーがリード325aおよび/または325bを通ってそれぞれの顎部材110および120に送られる。
【0170】
また、上で述べられたように、顎部材110および120が閉じられた場合および/または顎部材110および120が間に保持された組織を有する場合でなければ、スイッチ250および260の1つまたは両方が始動し得ないように、安全スイッチ255(または回路またはアルゴリズム(図示せず))が使用され得る。後者の例において、組織が顎部材の間に掴まれているかどうかを決定するために、センサ(図示せず)が使用され得る。さらに、手術前、同時(すなわち、手術中)および/または手術後の外科的状態を決定する他のセンサメカニズムが使用され得る。これらのセンサメカニズムはまた、電気外科的ジェネレータに結合される閉ループのフィードバックシステムと共に利用され得、手術前、同時(すなわち、手術中)および/または手術後の外科的状態の1つ以上に基づいて、電気外科的エネルギーを調整する。様々なセンサメカニズムとフィードバックシステムとが、「METHOD AND SYSTEM FOR CONTROLLING OUTPUT OF RF MEDICAL GENERATOR」と題される共有に係る同時係属中の米国特許出願第10/427,832号に記述されており、該出願の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0171】
再び図14に戻ると、筐体20と、回転アセンブリ80と、駆動アセンブリ70と、ハンドルアセンブリ30と、スイッチアセンブリ170との分解図を示しており、これらの様々な構成要素のパーツの全ては、シャフト12および末端エフェクタアセンブリ100と共に、製造プロセスの間に組み立てられ、部分的および/または完全に使い捨ての鉗子10を形成するということが想定される。例えば、上で述べられたように、シャフト12および/または末端エフェクタアセンブリ100は使い捨てであり得、従って、筐体20および回転アセンブリ80に選択的/解放可能に係合することができ、部分的に使い捨ての鉗子10を形成し得、および/または鉗子10全体が使用後に捨てられ得る。
【0172】
対向する顎部材110および120は、ナイフアセンブリ70のロックを外すことなく、回転され、部分的に開かれ、閉じられ得、理解され得るように、該ナイフアセンブリ70は、時期尚早にナイフ190を作動することなく、ユーザが組織を掴み処理することを可能にするということが想定される。以下で述べられるように、ハンドル30aおよび30bの実質的に完全に閉じられた位置だけが、作動のために、ナイフアセンブリ70のロックを外す。
【0173】
いったん密閉部位に対し所望の位置が決定され、顎部材110および120が適切に配置されると、ハンドル30aおよび30bがぎゅっと握られ得、駆動アセンブリ60を作動し、組織に対して顎部材110および120を閉じる。上で述べられたように、ハンドル30aおよび30bが組織に対して完全に閉じられたときに、トグルリンク35aおよび35bは長手方向軸「A」に平行な方向を越えて過回転し、その結果、ハンドル30aおよび30bをわずかに解放することがバネ63を付勢し、ハンドル30aおよび30bを互いに対してロックする。理解され得るように、ハンドル30aおよび30bが互いに対してロックするとき、次に、顎部材110および120は、約3kg/cm2〜約16kg/cm2の圧力範囲内で、好適には、約7kg/cm2〜約13kg/cm2の圧力範囲内で、組織に対してロックして固定する。ここで鉗子10は電気外科的エネルギーの選択的な印加および(所望される場合には)その後の組織の分離のための準備が整う。
【0174】
長手方向軸「A」に対するトグルリンク35aおよび35bの配置により得られる機械的利点と、相互係合するギアティースとして遠位端34a’および34b’を構成することによって得られる機械的な利点との組み合わせは、約3kg/cm2〜約16kg/cm2の作用圧力範囲内で、特に有益な実施形態においては、約7kg/cm2〜約13kg/cm2の作用圧力範囲内で、組織に対する一貫した均一かつ正確な閉鎖圧力を容易にしかつ確実にするということが想定される。組織に印加される電気外科的エネルギーの強度、周波数、および持続期間を制御することによって、ユーザは、スイッチ250および260のいずれかまたは両方を作動することによって、焼灼するか、凝固し/乾燥させるか、密閉するか、および/または出血を単に減少させるかまたは遅くするかのいずれかを行い得る。
【0175】
1つ以上の特に有益な実施形態において、顎部材110および120の導電性密閉面112、122のそれぞれは、尖った縁での電流の集中を避け、高電流の地点間でのアークをさけるために、比較的に平坦である。さらに、顎部材110および120は、好適には、係合したときの組織の反作用の力による曲げに耐えるように製造される。例えば、顎部材110および120は幅に沿ってテーパーを付けられ得、このことは、顎部材110および120のより厚い近位部分が組織の反作用の力による曲げに耐えるので、有利となる。
【0176】
上で述べられたように、少なくとも1つの顎部材、例えば、120は1つ以上の停止部材90を含み、該停止部材90は2つの対向する顎部材110および120の互いに対する動きを制限する。停止部材(複数の停止部材)90は、特定の材料特性(例えば、圧縮強度、熱膨張性など)に従って、所定の距離だけ密閉面122から伸びるように大きさを決められ得、密閉の間に一貫した正確なギャップ距離「G」をもたらす。密閉の間の、対向する密閉面112と122との間のギャップ距離は、約0.001インチ〜約0.006インチの間、1つの特に有益な実施形態においては、約0.002〜0.003インチの間の範囲にある。非導電性停止部材(複数の部材)90は、顎部材110および120の上に成型(例えば、オーバーモールド、射出成型など)され得るか、顎部材110および120の上にスタンピングされ得るか、または顎部材110および120の上に堆積され得る。例えば、1つの技術は、顎部材110および120の1つまたは両方の表面にセラミック材料(または類似物)を溶射し、停止部材(複数の停止部材)90を形成することを含む。様々な面に広い範囲の熱抵抗性かつ絶縁性の材料を堆積し、導電性面112および122の間のギャップ距離を制御するための停止部材90を作成することを含む、いくつかの溶射技術が考えられる。
【0177】
エネルギーが顎部材110および120を横切り組織を通って末端エフェクタアセンブリ100に選択的に伝えられるとき、組織の密閉部は分離した2つの組織の半分を形成する。この時点で他の公知の血管密閉機器では、ユーザは、鉗子10を取り外し、そして、組織の密閉部に沿って組織の半分を分割する切断機器(図示せず)に取り替えなければならない。理解され得るように、これは時間を浪費しうんざりするものであり、理想的な組織切断面に沿った切断機器の誤配列および誤配置による、組織の密閉部を横切る不正確な組織分割となり得る。
【0178】
上で詳細に述べられたように、本開示はナイフアセンブリ70を組み込み、トリガノブ76を介して作動されたときに、該ナイフアセンブリ70は正確に理想的な組織面に沿って組織を漸進的かつ選択的に分割し、間に組織のギャップを有する2つの密閉された半分に組織を効果的かつ確実に分割する。ナイフアセンブリ70は、カニューレまたはトロカールのポートを介して切断機器を取り替えることなく、密閉直後に、ユーザが組織を素早く分離することを可能にする。理解され得るように、組織の正確な密閉および分割は同じ鉗子10を用いて達成される。
【0179】
ナイフブレード190はまた同じまたは代替の電気外科的エネルギー源に結合され得、組織の密閉部に沿った組織の分離を容易にするということが想定される。さらに、ナイフブレードの先端192の角度は、特定の目的に従って、幾分急な切断角度を提供するように大きさを決められ得るということが想定される。例えば、ナイフブレードの先端192は、切断に関連する「組織の小片」を少なくする角度で配置され得る。さらに、ナイフブレードの先端192は、特定の目的に従って、または特定の結果を達成するために、例えば、鋸歯状、V字状、目打ち状、中空状、凹状、凸状などのような様々なブレードの幾何形状を有するように設計され得る。鉗子10は、組織の密閉部の形成後に組織を分割するために、単極モードで作動され得るということがまた考えられる。
【0180】
いったん組織が組織の半分に分割されると、顎部材110および120は、ハンドル30aおよび30bを再び掴み、各ハンドル30aおよび30bを筐体20に対して外方向に動かすことによって開かれ得る。ナイフアセンブリ70は漸進的かつ単一方向の様式(すなわち遠位方向)に概ね切断するということが想定される。
【0181】
図3A〜図3Cに最良に示されているように、顎部材110および120の近位部分とシャフト12の遠位端16とは、弾力的なまたは柔軟な絶縁材料またはブート220によって被膜され得、電気外科的作動の間、特に、単極作動モードにおける迷走電流の集中を減少させる。さらに詳細には、顎部材110および120が閉じた姿勢で配置されたときの第1の構成(図3Bを参照)から、顎部材110および120が開かれたときの第2の構成(図3Aおよび図3Cを参照)まで、ブート220は柔軟である。理解され得るように、顎部材110および120が開いているときには、ブートはエリア220aおよび220bで曲がるかまたは伸張し、近位フランジ113および123の動きに適応する。1つの想定される絶縁ブート220に関するさらなる詳細は、「INSULATING BOOT FOR ELECTROSURGICAL FORCEPS」と題される共有に係る同時に出願された米国特許仮出願第60/722,213号[代理人整理番号第203−4546(H−US−00237)号]に記述されており、該出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0182】
図18〜図22は、柔軟な回路170’での使用のための安全ロックアウトメカニズム255’の1つの特に有益な実施形態を示す。上で記述された安全ロックアウト255とほとんど同じく、ロックアウトメカニズム255’はトリガロックアウト32’に対して遠位方向の地点でハンドル30aに配置される。この特定の安全ロックアウト255’は、図18に最良に示されているように、長手方向軸「A」に対して垂直に伸びるように構成されている。筐体20に向けたハンドル30a’の動きは、上で記述された方法と似た方法で安全ロックアウト255’を筐体20に向けて動かす。安全ロックアウト255’は柔軟な回路170’の安全スイッチ171’に係合するように構成され、ハンドル30a’(次に顎部材110および120)が筐体20に対して動かされた(すなわち、ハンドル30a’および30b’の両方が組織を掴むために閉じられた)ときだけに作動することを可能にする。
【0183】
図20の概略図に最良に示されているように、安全スイッチ171’が作動されるまで、回路400が開いたままであるように、安全スイッチ171’は回路400の一部分として設計される。図21は組み立ての前後の安全スイッチ171’の位置を示す。さらに詳細には、組み立て時に、安全スイッチ171’は筐体20の先端部分20aによって所定の位置へと曲げられ(想像表示を参照)、その結果、安全スイッチ171’の遠位部分が筐体20bの中に配置されている内壁またはレッジ173’に対して付勢され、押し込まれる。安全スイッチ171’は、鉗子10の耐用年数の間、適切な位置に固定されたままであるということが想定される。
【0184】
図22A〜図22Cは安全スイッチ171’の作動順序を示す。さらに詳細には、上で述べられたように、安全スイッチ171’は、組み立てられたとき(およびハンドル30aおよび30bと顎部材110および120とが開かれたとき)に、図22Aに示されているように、筐体20bの内壁またはレッジ173’に対して固定される。筐体20bに向けたハンドル30a’の動きの際に、安全ロックアウト255’は、図22Bに示されているように、筐体20bに対して内方向に安全スイッチ171’に向けて動く。ハンドル30a’および30bが(上で詳細に記述されたように)閉じた位置に向けて動くにつれ、安全ロックアウト255’は安全回路171’に係合し、回路400を完成させ、かつ、鉗子10の選択的な作動を可能にする。
【0185】
いったん閉じられると、安全スイッチ171’は双極および単極の両方の作動を可能にするように構成され得るか、または例えば、安全スイッチ171’をリセットすること(すなわち、ハンドル30a’および30b’を開き再びぎゅっと握ること、別のトグルスイッチ(図示せず)など)なしには、1度に1つのタイプの電気的作動のみ可能にするより制限された様式で構成されるということが想定される。
【0186】
上の記述から、および様々な図面を参照して、特定の改変がまた本開示の範囲を逸脱することなく本開示に対して行われ得るということを当業者は理解し得る。例えば、鉗子10に他の機能、例えば、細長いシャフト12に対して末端エフェクタアセンブリ100を軸方向に移動する連結アセンブリを加えることが好ましいことがあり得る。
【0187】
鉗子10(および/または鉗子10と共に使用される電気外科的ジェネレータ)はセンサまたはフィードバックメカニズム(図示せず)を含み得、該センサまたはフィードバックメカニズムは、顎部材110および120の間に掴まれた特定のサイズの組織を効果的に密閉する適切な量の電気外科的エネルギーを自動的に選択するということがまた考えられる。センサまたはフィードバックメカニズムはまた、密閉の間、組織を横切るインピーダンスを測定し、(視覚および/または聴覚)インジケータを提供し得、その結果、効果的な密閉部が顎部材110および120の間に作成される。このようなセンサシステムの例は、「METHOD AND SYSTEM FOR CONTROLLING OUTPUT OF RF MEDICAL GENERATOR」と題される共有に係る米国特許出願第10/427,832号に記述されており、該出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0188】
さらに、ナイフアセンブリ70は、同じ目的を達成するために設計される他のタイプのリコイルメカニズム、例えば、ガス作動リコイル、電気作動リコイル(すなわちソレノイド)などを含み得るということが考えられる。鉗子10は密閉することなく組織を切断するために使用され得るということがまた想定される。代替的に、ナイフアセンブリ70は同じまたは代替の電気外科的エネルギー源に結合され得、組織の切断を容易にする。
【0189】
図面は独立した血管を処置する鉗子10を描いているが、鉗子10は独立していない血管にも同様に使用され得る。理想的な組織面に沿って組織を切断する他の切断メカニズムがまた考えられる。
【0190】
末端エフェクタアセンブリ100の外面は、ニッケルベースの材料の被覆、スタンピング、金属射出成型を含み得、それらは、作動および密閉の間、顎部材110および120の間での周囲の組織との粘着を低減させるように設計されているということが想定される。さらに、顎部材110および120の導電性面112および122が、以下の材料のうちの1つ(または1つ以上の組み合わせ)から製造されるということがまた考えられる:ニッケルクロム、窒化クロム、THE Electrolizing Corporation of OHIOによって製造されているMedCoat 2000、インコネル600、およびスズ−ニッケルである。組織の導電面112および122はまた、同じ結果、すなわち、「非粘着面」を達成するために、上記の材料のうちの1つ以上で被覆され得る。理解され得るように、密閉の間に組織が「粘着」する量を減少させることは、機器の全体的な効率を改善する。
【0191】
本明細書において開示された1つの特定の部類の材料は、優れた非粘着特性を示し、一部の例においては、優れた密閉の質を示した。例えば、窒化物の被覆は、限定するわけではないが、TiN、ZrN、TiAlN、およびCrNを含み、非粘着目的のために使用される好適な材料である。CrNは、表面全体の特性および最適性能により、非粘着目的のために特に有益であることが分かった。他の種類の材料がまた全体的な粘着性を減少させることが分かった。例えば、約5:1のNi/Cr比を有する高ニッケル/クロム合金が、双極器具における粘着性を顕著に減少させることが分かった。この種類における1つの特に有益な非粘着材料はインコネル600である。密閉面112および122を有し、Ni200、Ni201(〜100%Ni)で作られているか、または被覆されている双極器具はまた、一般的な双極ステンレス鋼電極を上回る改善された非粘着性能を示した。
【0192】
図面は、本開示の鉗子で使用するための、1つの特定のタイプの単極ロックアウトまたは安全メカニズム255を示すが、図18および図19は鉗子10と共に使用され得る代替の安全ロックアウトメカニズムを示す。
【0193】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示はそれらに限定されることを意図されていない。なぜならば、本開示が、技術的に可能な限り広い範囲となり、かつ、本明細書が、技術的に可能な限り広い範囲となるように読まれることが意図されているからである。従って、上の記述は限定として考えられるべきではなく、好適な実施形態の単なる例示として考えられるべきである。当業者は添付の特許請求の範囲および意図を逸脱することなく他の改変を想定する。
【0194】
(摘要)
内視鏡型の鉗子は、シャフトを取り付けられている筐体を含み、該シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。鉗子はまた、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かす、筐体内に配置されている駆動アセンブリを含む。一対のハンドルは駆動アセンブリに動作するように接続されており、該ハンドルは、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる。顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、各顎部材は電気エネルギー源に接続するように適合されている。鉗子はまた、筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第1のスイッチを含む。第2のスイッチは、筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。
【符号の説明】
【0195】
10 鉗子
12 シャフト
14 シャフトの近位端
16 シャフトの遠位端
20 筐体
30 ハンドルアセンブリ
70 ナイフトリガアセンブリ
80 回転アセンブリ
100 末端エフェクタアセンブリ
250 スイッチ
260 スイッチ
310 電気外科的ケーブル
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、Dumbauldらによる「IN−LINE VESSEL SEALER
AND DIVIDER」と題される2006年9月29日出願の米国特許出願第11/540,335号の部分継続出願であり、該米国特許出願第11/540,335号は、Patrick L.Dumbauldによる「IN−LINE VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される2005年9月30日出願の米国特許仮出願第60/722,177号に対する優先権の利益を主張し、該米国特許出願第11/540,335号および該米国特許仮出願第60/722,177号の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は電気外科用鉗子に関し、さらに詳細には、本開示は、組織を密閉および/または切断するための細長い内視鏡型の双極および単極の組み合わせの電気外科的鉗子に関する。
【背景技術】
【0003】
電気外科用鉗子は、機械的な関連動作および電気エネルギーの両方を利用し、組織および血管を加熱し、組織を凝固、焼灼、および/または密閉することによって止血に作用する。切開による外科的処置での使用のための切開用鉗子の代替品として、現代の様々な外科医は、小さい穿刺孔状の切り口を介して臓器に遠隔的にアクセスするために、内視鏡および内視鏡型の機器を使用する。その直接的な結果として、患者は、傷がより少なく、治療にかかる時間が減少するという利益を受ける。
【0004】
内視鏡型の機器は、トロカールで作成されるカニューレまたはポートを介して患者に挿入される。カニューレの一般的なサイズは、3ミリメートルから12ミリメートルに範囲する。より小さいカニューレが通常好まれるが、理解され得るように、このことは、より小さいカニューレを通り抜ける内視鏡型の機器を作り出す方法を見つけ出さなければならない機器の製造者に設計上の問題を最終的に呈する。
【0005】
多くの内視鏡型の外科的処置は血管または脈管組織を切断または結紮することを必要とする。外科的穴に関する本質的な空間的問題により、外科医は、多くの場合に、血管を縫合すること、または出血を制御する他の従来的な方法、例えば、切開された血管をクランピングおよび/または結紮を実行することが困難となる。内視鏡型の電気外科用鉗子を利用することによって、顎部材を介して組織に印加された電気外科的エネルギーの強度、周波数、および持続期間を制御することによって、外科医は、出血を焼灼し、凝固/乾燥し、および/または単に減少または減速させるかのいずれかを行い得る。多くの小さな血管、すなわち、直径が2ミリメートル未満の範囲にある血管は、多くの場合に、通常の電気外科的な機器または技術を使用して閉じられ得る。しかしながら、より大きい血管が結紮される場合には、外科医が内視鏡型の処置を切開による外科的処置に切り替えることを必要とすることがあり得、その結果、内視鏡型の手術の利益を捨てることとなる。代替的に、外科医はより大きな血管または組織を密閉し得る。
【0006】
血管を凝固させるプロセスは、電気外科的に血管を密閉することとは本質的に異なると考えられている。本明細書における目的のために、「凝固」は、組織細胞が断裂され、乾かされるという組織を乾燥させるプロセスとして定義される。「血管の密閉」または「組織の密閉」は、組織中のコラーゲンを液化することにより、組織が融解物(fused mass)に改質するプロセスとして定義される。小さい血管の凝固は血管を永続的に閉じるには充分であるが、より大きい血管は永続的な閉鎖を確かなものにするために密閉される必要がある。
【0007】
より大きな血管(または組織)を効果的に密閉するために、2つの主要な機械的パラメータ−血管(または組織)に加えられる圧力および電極または組織密閉面の間のギャップ距離−が正確に制御されなければならず、その両方が密閉される組織の厚さによって影響される。さらに詳細には、血管壁に対抗するためと、組織全体への充分な電気外科的エネルギーを可能にする充分に低い値に組織のインピーダンスを下げるためと、組織を加熱する間の膨張力を克服するためと、終端組織の厚さ(良好な密閉の目安となる)をもたらすためとに、圧力を正確に加えることは重要である。血管壁を融解するための一般的な顎のギャップは、0.001インチ〜0.006インチの間で最適となるということが確定されている。この範囲を下回ると、密閉は切り裂きや引き裂きを受けることがあり、この範囲を上回ると、管腔は適切にまたは効果的に密閉されないことがあり得る。
【0008】
より小さい血管に関しては、組織に加えられる圧力はあまり関係がない傾向にあるが、導電性面間のギャップ距離は効果的な密閉にとってより重要となる。言い換えると、2つの導電性面が作動の間に触れる機会は、血管が小さくなるにつれ増加する。
【0009】
様々な公知の機器がブレード部材または剪断部材を含み、該ブレード部材または剪断部材は機械的および/または電気機械的な方法で組織を単に切断するが、血管の密閉目的には比較的に効果がない。他の機器は適切な密閉厚を獲得するためにクランピング圧のみに頼っており、ギャップ許容差および/または平行度および平坦度要求を考慮に入れるように設計されておらず、該ギャップ許容差および/または平行度および平坦度要求は、適切に制御された場合には、一貫しかつ効果的な組織の密閉を確かなものにし得る。例えば、クランピング圧のみを制御することによって、結果として生じる密閉された組織の厚さを適切に制御することは、次の2つの理由のいずれかのために困難であるということが知られている:1)あまりに大きい力が加えられると、2つの電極が触れ、エネルギーが組織を通って伝えられず、効果的な密閉をもたらさない可能性がある、または2)あまりにも小さい力が加えられると、作動および密閉の前に、組織は時期尚早に動き得、および/またはより厚いあまり信頼できない密閉が作り出され得る。
【0010】
上で述べられたように、より大きい血管または組織を適切かつ効果的に密閉するために、対向する顎部材間のより大きい閉鎖力が必要とされる。顎間の大きい閉鎖力は、一般的には、各顎に対してピボットの周りで大きいモーメントを作り出すために必要である、大きい作動力を必要とするということが知られている。これは、ユーザが組織を効果的に密閉するために大きな閉鎖力を与えることを必要とし得る設計の不利な点に対して、非常に単純化された製造設計の利点に重点を置かなければならない機器の製造者に、設計上の問題を呈する。結果として、金属ピンを有する機器を設計すること、および/または少なくとも部分的にはこれらの閉鎖力を取り除き機械的な破壊を減少させ、エンドユーザ(すなわち、外科医)の疲労を軽減させる機器を設計することのいずれかによって、設計者はこれらの大きい閉鎖力を補わなければならない。
【0011】
電極間の閉鎖力を増加させることは、他の望まれない影響を有し得、例えば、対向する電極を互いに密接に接触させ得、そのことが短絡をもたらし得、そして、小さい閉鎖力は、圧縮の間および作動の前に、組織の時期尚早な動きをもたらし得る。結果として、好適な圧力範囲内で対向する電極間に適切な閉鎖力を一貫して提供する機器を提供することは、成功裏に密閉する機会を高める。理解され得るように、外科医が一貫して適切な範囲内で適切な閉鎖力を手動で提供することに頼ることは困難であり、結果としての密閉の有効性および質は変化し得る。さらに、効果的な組織の密閉を作り出す全体的な成功は、均一で一貫しかつ効果的に血管を密閉する適切な閉鎖力を判断することに関しては、ユーザの専門的知識、視力、器用さ、および経験に大きく依存している。言い換えると、密閉の成功は、機器の有効性よりも最終的には外科医の技術に大きく依存する。
【0012】
一貫した効果的な密閉を確かなものにするための圧力範囲は、約3kg/cm2〜約16kg/cm2であり、好適には、7kg/cm2〜13kg/cm2の作用範囲内であるということが分かっている。この作用範囲内の閉鎖力を提供することが可能である機器を製造することは、動脈、組織および他の脈管束を密閉するために有効であることが示されている。
【0013】
様々な作動力を作動し解放するアセンブリが、血管の密閉をもたらす適切な閉鎖力を提供するために、これまでに開発されている。例えば、1つのこのような作動アセンブリが、商標LIGASURE ATRAS(登録商標)の下で市販されているValleylabの血管密閉および分割機器での使用のために、Tyco Healthcare LPの一部門であるValleylab,Inc. of Boulder、Coloradoによって開発されている。このアセンブリは、4本の棒の機械的連動装置と、バネおよび駆動アセンブリとを含み、これらは上記の動作範囲内での組織圧を一貫して提供および維持するために協働する。「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される同時係属の米国特許出願第10/179,863号(現在、特許文献1)、「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される米国特許出願第10/116,944号(現在、特許文献2)、および「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される米国特許出願第10/472,295号(現在、特許文献3)、ならびに「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される国際出願第PCT/US01/01890号、および「VESSEL SEALER AND DIVIDER」と題される国際出願第PCT/US01/11340号は、すべて、LIGASURE ATRAS(登録商標)の様々な動作特徴、およびそれに関する様々な方法を詳細に記述している。これらの出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0014】
他の作動力を作動し解放するメカニズムまたは作動力を作動し解放するアセンブリが、「VESSEL SEALER AND DIVIDER FOR USE WITH SMALL TROCARS AND CANNULAS」と題される共有に係る米国特許出願第10/460,926号と、「VESSEL SEALER AND DIVIDER HAVING ELONGATED KNIFE STROKE AND SAFETY FOR CUTTING MECHANISM」と題される米国特許出願第10/953,757号に記述されており、該両出願の全内容は本明細書において参考として援用される。該両出願において記述されているように、より単純かつ機械的に有利な作動および駆動アセンブリが記述されており、該作動および駆動アセンブリは、血管および組織を掴み処置することを容易にし、ユーザの疲労を軽減する。
【0015】
特定の外科手術において、双極鉗子が単極鉗子または単極凝固装置(coagulator)と組み合わせて使用され、組織を処置し、手術中の出血を制御する。従って、特定の手術過程の間に、外科医は単極の機器を双極の機器に取替えることが必要とされ得、このことは、一般的には、トロカールまたはカニューレを通した取替えを含む。理解され得るように、これは、手術過程にわたり2回以上生じ得、このことは時間を非常に浪費し得るものであり、かつ、機器を殺菌されていない環境に不必要にさらす危険性があり得る。
【0016】
小さいカニューレを用いて使用され得る、小さく、単純で費用効果の高い双極および単極の組み合わせ機器を開発することが望ましい。さらに、容易に操作可能なハンドルと、ユーザの疲労を軽減する機械的に有利な作動力を作動し解放するアセンブリを含む機器本体とを含む機器を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第7,101,371号明細書
【特許文献2】米国特許第7,083,618号明細書
【特許文献3】米国特許第7,101,372号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
(項目1)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、そのシャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
その顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、その顎部材が互いに近づく第2の位置に、その顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
その駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、その一対のハンドルは、その駆動アセンブリを作動し、その顎部材を動かすために、その筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
その顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
その筐体に動作するように関連付けられたナイフアセンブリであって、その顎部材がその第2の位置に配置されたときに、そのナイフアセンブリはその顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進めるように選択的に作動可能であり、そのナイフアセンブリは少なくとも1つの安全メカニズムを含み、選択的な作動時のそのナイフの損傷を防止する、ナイフアセンブリと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0019】
(項目2)
上記安全メカニズムは機械的ヒューズを含み、その機械的ヒューズは上記ナイフアセンブリを作動させる過度な力の行使の際に壊れる、項目1に記載の内視鏡型の鉗子。
【0020】
(項目3)
上記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、そのギアティースとトラックとは上記ナイフを遠位方向に上記顎部材を通って進めるように協働し、上記機械的ヒューズは、そのピニオンギア、そのギアティース、およびそのトラックのうちの少なくとも1つに動作するように関連付けられている、項目2に記載の内視鏡型の鉗子。
【0021】
(項目4)
上記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、そのギアティースとトラックとは上記ナイフを遠位方向に上記顎部材を通って進めるように協働し、そのピニオンギアは軸を含み、その軸はそのナイフアセンブリを作動させる過度な力の行使の際に壊れる、項目1、項目2、または項目3に記載の内視鏡型の鉗子。
【0022】
(項目5)
上記過度な力は少なくとも約9lbfである、項目2、項目3、または項目4に記載の内視鏡型の鉗子。
【0023】
(項目6)
上記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、そのギアティースとトラックとは上記ナイフを遠位方向に顎部材を通って進めるように協働し、そのギアティースはバネによって付勢され、そのナイフアセンブリを不作動位置に戻す、項目1、項目2、項目3、項目4、または項目5に記載の内視鏡型の鉗子。
【0024】
(項目7)
上記過度な力の行使の際に、上記機械的ヒューズは壊れ、上記バネは上記ナイフアセンブリを不作動位置に自動的に戻し、このことが、次に、ユーザが互いに対して上記ハンドルを動かし組織を解放することを可能にする、項目6に記載の内視鏡型の鉗子。
【0025】
(項目8)
上記筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第1のスイッチと、
その筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第2のスイッチと
をさらに備えている、項目1、項目2、項目3、項目4、項目5、項目6、または項目7に記載の内視鏡型の鉗子。
【0026】
(項目9)
ハンドルのうちの少なくとも1つはナイフロックアウトを含み、上記顎部材が上記第2の位置に配置されたときに、そのナイフロックアウトは上記ナイフアセンブリが作動されるのを防止する、項目1、項目2、項目3、項目4、項目5、項目6、項目7、または項目8に記載の内視鏡型の鉗子。
【0027】
(項目10)
上記ロックアウトメカニズムは、上記ハンドルのうちの少なくとも1つから伸びている機械的インターフェースを含み、そのハンドルが上記筐体に対して第1の開いた位置に配置されたときに、その機械的インターフェースは上記ナイフアセンブリの動きを妨げるように大きさを決められており、そのハンドルがその筐体に対して第2の位置に配置されたときに、その機械的インターフェースはそのナイフアセンブリの作動を可能にするように大きさを決められている、項目9に記載の内視鏡型の鉗子。
【0028】
(項目11)
上記鉗子は単極のロックアウトを含み、上記顎部材が上記第1の位置に配置されたときに、その単極のロックアウトは第1のスイッチの作動を防止する、項目8に記載の内視鏡型の鉗子。
【0029】
(項目12)
上記単極のロックアウトは上記ハンドルのうちの少なくとも1つに配置されている機械的インターフェースを含み、その機械的インターフェースは、そのハンドルが上記筐体に対して第1の位置に配置されるときに、第1のスイッチの作動を防止し、そのハンドルがその筐体に対して第2の位置に配置されるときに、その第1のスイッチの作動を可能にする、項目11に記載の内視鏡型の鉗子。
【0030】
(項目13)
上記単極のロックアウトは上記筐体内に配置されている圧力作動の安全スイッチを含み、その筐体に対する第1の位置からその筐体に対する第2の位置への上記ハンドルの動きは、その圧力作動の安全スイッチを閉じ、上記第1のスイッチの作動を可能にする、項目11に記載の内視鏡型の鉗子。
【0031】
(項目14)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、そのシャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
その顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、その顎部材が互いに近づく第2の位置に、その顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
その駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、その一対のハンドルは、その駆動アセンブリを作動し、その顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
その顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
その筐体に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能であるスイッチと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0032】
(項目15)
上記スイッチは、上記筐体内に配置されている強度制御メカニズムに動作するように結合されており、その強度制御メカニズムは、少なくとも1つの顎部材に対する電気外科的エネルギーのレベルを調整するために選択的に調節可能である、項目14に記載の内視鏡型の鉗子。
【0033】
(項目16)
上記強度制御メカニズムは個々別々の増分で選択的に調節可能である、項目15に記載の内視鏡型の鉗子。
【0034】
(項目17)
上記強度制御メカニズムは上記筐体内に規定されている一連の対応する機械的インターフェースに係合するように構成されている第1の機械的インターフェースを含み、個々別々の増分で上記電気外科的エネルギーのレベルを調整する、項目15または項目16に記載の内視鏡型の鉗子。
【0035】
(項目18)
上記第1の機械的インターフェースはデテントを含み、上記筐体の中に規定されている上記対応する機械的インターフェースは、くぼみを含む、項目17に記載の内視鏡型の鉗子。
【0036】
(項目19)
上記強度制御メカニズムは第2の機械的インターフェースを含み、対応する一連のくぼみのうちの1つに上記デテントが係合するときに、その第2の機械的インターフェースは上記デテントと協働し、上記筐体の中に配置されている回路基板に個々別々の位置で機械的に係合する、項目18に記載の内視鏡型の鉗子。
【0037】
(項目20)
上記デテントは上記強度制御メカニズムの上にカンチレバー状の様式で配置されている、項目18または19に記載の内視鏡型の鉗子。
【0038】
(項目21)
上記強度制御メカニズムは上記筐体の中に規定される軌道の上に配置されている、項目15、項目16、項目17、項目18、項目19、または項目20に記載の内視鏡型の鉗子。
【0039】
(項目22)
上記駆動アセンブリに上記一対のハンドルのそれぞれのハンドルを動作するように接続する第1および第2のトグルリンクであって、そのトグルリンクのそれぞれは第1の固定要素と第2の固定要素とを含み、その第1の固定要素はそのハンドルに動作するように係合し、その第2の固定要素はその駆動アセンブリに動作するように係合する、第1および第2のトグルリンクをさらに備えている、項目14、項目15、項目16、項目17、項目18、項目19、項目20、または項目21に記載の内視鏡型の鉗子。
【0040】
(項目23)
上記第1および第2の固定要素はそれぞれ一対のダブルタングを含み、その一対のダブルタングは上記ハンドルおよび上記駆動アセンブリにそれぞれ、スナップフィットで係合する、項目22に記載の内視鏡型の鉗子。
【0041】
(項目24)
上記各一対のダブルタングはテーパーを付けられている、項目23に記載の内視鏡型の鉗子。
【0042】
(項目25)
上記各一対のダブルタングは、上記ハンドルおよび上記駆動アセンブリの中に規定されるそれぞれの開口の中にその各一対のダブルタングを据えるために、その近位端にステップを含む、項目23または項目24に記載の内視鏡型の鉗子。
【0043】
(項目26)
上記各一対のダブルタングはその間に規定されたスロットを含み、そのダブルタングの最大断面積が、上記鉗子に加えられた荷重を負担するように、そのスロットは向けられている、項目23、項目24、または項目25に記載の内視鏡型の鉗子。
【0044】
(項目1’)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、該シャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
該顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、該顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
該駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、該ハンドルは、該駆動アセンブリを作動し、該顎部材を動かすために、該筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
該顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
該筐体に動作するように関連付けられたナイフアセンブリであって、該顎部材が該第2の位置に配置されたときに、該ナイフアセンブリは該顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進めるように選択的に作動可能であり、該ナイフアセンブリは少なくとも1つの安全メカニズムを含み、選択的な作動時の該ナイフの損傷を防止する、ナイフアセンブリと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0045】
(項目2’)
前記安全メカニズムは機械的ヒューズを含み、該機械的ヒューズは前記ナイフアセンブリを作動させる過度な力の行使の際に壊れる、項目1’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0046】
(項目3’)
前記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、該ギアティースとトラックとは前記ナイフを遠位方向に前記顎部材を通って進めるように協働し、前記機械的ヒューズは、該ピニオンギア、該ギアティース、および該トラックのうちの少なくとも1つに動作するように関連付けられている、項目2’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0047】
(項目4’)
前記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、該ギアティースとトラックとは前記ナイフを遠位方向に前記顎部材を通って進めるように協働し、該ピニオンギアは軸を含み、該軸は該ナイフアセンブリを作動させる過度な力の行使の際に壊れる、項目2’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0048】
(項目5’)
前記過度な力は少なくとも約9lbfである、項目2’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0049】
(項目6’)
前記過度な力は少なくとも約9lbfである、項目4’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0050】
(項目7’)
前記ナイフアセンブリはギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、該ギアティースとトラックとは前記ナイフを遠位方向に前記顎部材を通って進めるように協働し、該ギアティースはバネによって偏らされ、該ナイフアセンブリを不作動位置に戻す、項目2’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0051】
(項目8’)
過度な力の行使の際に、前記機械的ヒューズは壊れ、前記バネは前記ナイフアセンブリを前記不作動位置に自動的に戻し、このことが、次に、ユーザが前記ハンドルを互いに対して動かし組織を解放することを可能にする、項目7’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0052】
(項目9’)
前記筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第1のスイッチと、
該筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第2のスイッチと
をさらに備えている、項目1’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0053】
(項目10’)
前記ハンドルのうちの少なくとも1つはナイフロックアウトを含み、前記顎部材が前記第2の位置に配置されたときに、該ナイフロックアウトは前記ナイフアセンブリが作動されるのを防止する、項目1’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0054】
(項目11’)
前記ロックアウトメカニズムは、前記ハンドルのうちの少なくとも1つから伸びている機械的インターフェースを含み、該ハンドルが前記筐体に対して第1の開いた位置に配置されたときに、該機械的インターフェースは前記ナイフアセンブリの動きを妨げるように大きさを決められており、該ハンドルが該筐体に対して第2の位置に配置されたときに、該機械的インターフェースは該ナイフアセンブリの作動を可能にするように大きさを決められている、項目10’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0055】
(項目12’)
前記鉗子は単極のロックアウトを含み、前記顎部材が前記第1の位置に配置されたときに、該単極のロックアウトは第1のスイッチの作動を防止する、項目1’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0056】
(項目13’)
前記単極のロックアウトは前記ハンドルのうちの少なくとも1つに配置されている機械的インターフェースを含み、該機械的インターフェースは、該ハンドルが前記筐体に対して第1の位置に配置されるときに、前記第1のスイッチの作動を防止し、該ハンドルが該筐体に対して第2の位置に配置されるときに、該第1のスイッチの作動を可能にする、項目12’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0057】
(項目14’)
前記単極のロックアウトは前記筐体内に配置されている圧力作動の安全スイッチを含み、該筐体に対する第1の位置から該筐体に対する第2の位置への前記ハンドルの動きは、該圧力作動の安全スイッチを閉じ、前記第1のスイッチの作動を可能にする、項目12’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0058】
(項目15’)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、該シャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
該顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、該顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
該駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、該一対のハンドルは、該駆動アセンブリを作動し、該顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
該顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
該筐体に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能であるスイッチであって、該スイッチは、該筐体の中に配置されている強度制御メカニズムに動作するように結合されており、該強度制御メカニズムは、少なくとも1つの顎部材への電気外科的エネルギーのレベルを調整するために選択的に調節可能である、スイッチと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0059】
(項目16’)
前記強度制御メカニズムは個々別々の増分で選択的に調節可能である、項目15’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0060】
(項目17’)
前記強度制御メカニズムは前記筐体内に規定されている一連の対応する機械的インターフェースに係合するように構成されている第1の機械的インターフェースを含み、個々別々の増分で前記電気外科的エネルギーのレベルを調整する、項目15’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0061】
(項目18’)
前記第1の機械的インターフェースはデテントを含み、前記筐体の中に規定されている前記対応する機械的インターフェースは、くぼみを含む、項目17’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0062】
(項目19’)
前記強度制御メカニズムは第2の機械的インターフェースを含み、対応する一連のくぼみのうちの1つに前記デテントが係合するときに、該第2の機械的インターフェースは前記デテントと協働し、前記筐体の中に配置されている回路基板に個々別々の位置で機械的に係合する、項目18’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0063】
(項目20’)
前記デテントは前記強度制御メカニズムの上にカンチレバー状の様式で配置されている、項目18’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0064】
(項目21’)
前記強度制御は前記筐体の中に規定される軌道の上に配置されている、項目15’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0065】
(項目22’)
内視鏡型の鉗子であって、
シャフトを取り付けられている筐体であって、該シャフトは、その遠位端に配置されている一対の顎部材を含む、筐体と、
該顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、該顎部材を互いに対して動かすように動作可能である、筐体内に配置されている駆動アセンブリと、
該駆動アセンブリに動作するように接続されている一対のハンドルであって、該ハンドルは、該駆動アセンブリを作動し、該顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる、一対のハンドルと、
該顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、電気エネルギー源に接続するように適合されている各顎部材と、
該筐体に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能であるスイッチと、
該駆動アセンブリに該一対のハンドルのうちのそれぞれのハンドルを動作するように結合する第1および第2のトグルリンクであって、該トグルリンクのそれぞれは第1および第2の固定要素を含み、該第1の固定要素は該ハンドルに動作するように係合し、該第2の固定要素は該駆動アセンブリに動作するように係合する、第1および第2のトグルリンクと
を備えている、内視鏡型の鉗子。
【0066】
(項目23’)
前記第1および第2の固定要素はそれぞれ一対のダブルタングを含み、該一対のダブルタングは前記ハンドルおよび前記駆動アセンブリにそれぞれ、動作するようにスナップフィットで係合する、項目22’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0067】
(項目24’)
前記各一対のダブルタングはテーパーを付けられている、項目23’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0068】
(項目25’)
前記各一対のダブルタングは、前記ハンドルおよび前記駆動アセンブリの中に規定されるそれぞれの開口の中に該各一対のダブルタングを据えるために、その近位端にステップを含む、項目24’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0069】
(項目26’)
前記各一対のダブルタングはその間に規定されるスロットを含み、該ダブルタングの最大断面積が、前記鉗子に加えられた荷重を負担するように、該スロットは向けられている、項目23’に記載の内視鏡型の鉗子。
【0070】
本開示は、シャフトを取り付けられている筐体を有する内視鏡型の鉗子に関し、その該シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。鉗子はまた、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように構成されている、筐体内に配置されている駆動アセンブリを含む。一対のハンドルは駆動アセンブリに動作するように接続されており、該ハンドルは、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くように構成されている。顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、各顎部材は電気エネルギー源に接続するように適合されている。
【0071】
第1のスイッチは、筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。第2のスイッチは、筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。
【0072】
本開示に従った一実施形態において、鉗子はまた、筐体に動作するように関連付けられたナイフアセンブリを含む。顎部材が第2の位置に配置されたときに、ナイフアセンブリは顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進めるように選択的に作動可能である。さらに別の実施形態において、顎部材のうちの少なくとも1つは単極の延長部を含み得、該単極の延長部は顎部材の絶縁筐体を越えて伸び、組織の精密な切開を可能にする。
【0073】
1つの特に有益な実施形態において、ハンドルのうちの少なくとも1つはナイフロックアウトを含み、顎部材が第2の位置に配置されたときに、ナイフロックアウトはナイフアセンブリが作動されるのを防止する。ナイフロックアウトメカニズムは、ハンドルのうちの少なくとも1つから伸びている機械的インターフェースを含み得、ハンドルが筐体に対して第1の(すなわち、開いた)位置に配置されたときに、機械的インターフェースはナイフアセンブリの動きを妨げるように大きさを決められており、ハンドルが筐体に対して第2の位置に配置されたときに、機械的インターフェースはナイフアセンブリの作動を可能にするように大きさを決められている。
【0074】
本開示に従った別の実施形態において、鉗子は単極のロックアウトを含み、顎部材が第1の位置に配置されたときに、単極のロックアウトは第1のスイッチの作動を防止する。1つの特に有益な実施形態において、単極のロックアウトはハンドルのうちの少なくとも1つに配置されている機械的インターフェースを含み、ハンドルが筐体に対して第1の位置に配置されるときに、機械的インターフェースは、第1のスイッチの作動を防止し、ハンドルが筐体に対して第2の位置に配置されるときに、第1のスイッチの作動を可能にする。単極のロックアウトは筐体内に配置されている圧力作動のスイッチを含み得、筐体に対する第1の位置から筐体に対する第2の位置へのハンドルの動きは、圧力作動のスイッチを閉じ、第1のスイッチの作動を可能にする。
【0075】
本開示に従った、またさらに別の実施形態において、鉗子のハンドルは筐体の両側に配置され、筐体に対する第1の間隔の空いた位置から筐体に対する第2の閉じた位置へ動くことができる。筐体はまた筐体の両側に規定される一対のスリットを含むように構成され得、ハンドルはスリットの中で筐体に対して動くように大きさを決められ得る。1つの特に有益な実施形態において、筐体はそれを通って規定される長手方向軸を含み、ハンドルは、取り扱いを容易にするために、長手方向軸に対して角度「α」で配置される。
【0076】
本開示に従ったさらに別の実施形態において、作動の間、鉗子に対する電気外科的エネルギーの強度を調整する強度コントローラが含まれる。特に有益な実施形態において、強度コントローラは滑動ポテンシオメータであり、単極モードにおいてのみ動作可能である。
【0077】
また別の実施形態において、鉗子は電気的安全装置を含み得、該電気的安全装置は、鉗子が、任意の所与の期間、双極の様式または単極の様式のいずれかで動作するのを調整する。特に有益な実施形態において、第1および第2のスイッチは互いに対して、別個にかつ排他的に作動可能である。
【0078】
本開示はまた、電気外科的ジェネレータおよび内視鏡型の鉗子を有する電気外科的システムに関する。鉗子は、遠位端に配置されている一対の顎部材を有するシャフトを取り付けられている筐体を含む。顎部材は電気外科的ジェネレータに接続するように適合されている。鉗子はまた筐体内に配置されている駆動アセンブリを含み、該駆動アセンブリは、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、該顎部材を互いに対して動かすように動作可能である。一対のハンドルが駆動アセンブリに動作するように接続され、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かす。
【0079】
第1のスイッチは、筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。第2のスイッチは、筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。
【0080】
一実施形態において、ジェネレータは安全回路を有する制御回路を含み、該安全回路は、双極または単極の様式のいずれかでの鉗子の別個かつ排他的な作動を可能にする。安全回路は電気的または電気機械的であり、筐体に対する一対のハンドルの動きに基づいて作動され得る。ジェネレータはまた、第2のスイッチに動作するように接続された独立回路を有する制御回路を含み得、第2のスイッチを迂回させ、第2のスイッチの完全性を電流の過剰負荷から護る間に、該制御回路は顎部材に対するエネルギーを調整する。
【0081】
本開示はまた、シャフトを取り付けられている筐体を有する内視鏡型の鉗子に関する。シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。各顎部材は電気外科的エネルギー源に接続するように適合されており、その結果、顎部材は組織を処置するためにエネルギーを伝えることが可能となる。駆動アセンブリが筐体内に配置されており、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように動作可能である。一対のハンドルが駆動アセンブリに動作するように接続され、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる。
【0082】
筐体に動作するように関連付けられたナイフアセンブリが含まれる。顎部材が該第2の位置に配置されたときに、ナイフアセンブリは顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進めるように選択的に作動可能であり、ナイフアセンブリは少なくとも1つの安全メカニズムを含み、選択的な作動時のナイフの損傷を防止する。
【0083】
一実施形態において、安全メカニズムは機械的ヒューズを含み、該機械的ヒューズはナイフアセンブリを作動させる過度な力(約9lbf以上の力)の行使の際に壊れる。別の実施形態において、ナイフアセンブリは一組のギアティースとトラックとの間に配置されるピニオンギアを含み、該一組のギアティースとトラックとは前記ナイフを遠位方向に顎部材を通って進めるように協働する。機械的ヒューズは、ピニオンギア、ギアティース、および/またはトラックに動作するように結合している。1つの特定の実施形態において、ピニオンギアの軸はナイフアセンブリの作動させる過度な力によって壊れるように設計されている。本開示に従った別の実施形態において、第1および第2のスイッチは、上で記述されたように、顎部材にエネルギーをデリバリするために含まれ得る。
【0084】
本開示はまた、シャフトを取り付けられている筐体を有する内視鏡型の鉗子に関する。シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。各顎部材は電気外科的エネルギー源に接続するように適合されており、その結果、顎部材は組織を処置するためにエネルギーを伝えることが可能となる。駆動アセンブリが筐体内に配置されており、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように動作可能である。駆動アセンブリに動作するように接続され、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる一対のハンドルが含まれる。
【0085】
筐体に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能であるスイッチが含まれる。スイッチは、筐体内に配置されている強度制御メカニズムに動作するように結合されており、該筐体は、少なくとも1つの顎部材に対する電気外科的エネルギーのレベルを調整するために選択的に調節可能である。一実施形態において、強度制御メカニズムは個々別々の増分で選択的に調節可能である。別の実施形態において、強度制御メカニズムは筐体内に規定されている一連の対応する機械的インターフェース(例えば、くぼみ)に係合するように構成されている第1の機械的インターフェース(例えば、デテント)を含み、個々別々の増分で電気外科的エネルギーのレベルを調整する。デテントは強度制御メカニズムの上にカンチレバー状の様式で配置され得、強度制御メカニズムは、動きを容易にするように、軌道の上に配置され得る。
【0086】
さらに別の実施形態において、強度制御メカニズムは第2の機械的インターフェース(例えば、滑動バンプ)を含み、対応する一連のくぼみのうちの1つに前記デテントが係合するときに、該第2の機械的インターフェースは前記デテントと協働し、前記筐体の中に配置されている回路基板に個々別々の位置で機械的に係合する。
【0087】
本開示はまた、シャフトを取り付けられている筐体を有する内視鏡型の鉗子に関する。シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。各顎部材は電気外科的エネルギー源に接続するように適合されており、その結果、顎部材は組織を処置するためにエネルギーを伝えることが可能となる。駆動アセンブリが筐体内に配置されており、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かすように動作可能である。一対のハンドルが、駆動アセンブリに動作するように接続され、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる。
【0088】
スイッチは、筐体の上に配置され、組織を処置するために少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。駆動アセンブリに一対のハンドルのそれぞれのハンドルを動作するように接続する第1および第2のトグルリンクが含まれる。トグルリンクのそれぞれは第1および第2の固定要素を含み、第1の固定要素はハンドルに動作するように係合し、第2の固定要素は駆動アセンブリに動作するように係合する。
【0089】
一実施形態において、第1および第2の固定要素はそれぞれ一対のテーパーの付いたダブルタングを含み、該一対のテーパーの付いたダブルタングはハンドルおよび駆動アセンブリにそれぞれ、スナップフィットで係合する。各一対のダブルタングは、ハンドルおよび駆動アセンブリの中に規定されるそれぞれの開口の中に各一対のダブルタングを据えるために、その近位端にステップを含み得る。
【0090】
スロットが各一対のダブルタングの間に規定され得る。ダブルタングの最大断面積が鉗子に加えられた荷重を負担することにより、ハンドルの作動中のトグルリンクの不具合を防止するように、スロットは向けられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0091】
対象の機器の様々な実施形態が図面を参照して本明細書において記述される。
【図1A】図1Aは、本開示に従った、開いた構成で示され、筐体と、ハンドルアセンブリと、シャフトと、末端エフェクタアセンブリとを含む内視鏡型の鉗子の上面斜視図である。
【図1B】図1Bは、本開示に従った、閉じた構成にある末端エフェクタアセンブリを示している図1Aの内視鏡型の鉗子の上面斜視図である。
【図2】図2は、図1Aの内視鏡型の鉗子の底面斜視図である。
【図3A】図3Aは、図1Aの末端エフェクタアセンブリの拡大左側斜視図である。
【図3B】図3Bは、図1Bの末端エフェクタアセンブリの拡大左側斜視図である。
【図3C】図3Cは、図1Aの末端エフェクタアセンブリの拡大側面図である。
【図3D】図3Dは、図1Aの末端エフェクタアセンブリの拡大端面図である。
【図4】図4は、筐体のカバーを外して示されている、図1Aの鉗子の内部上面斜視図である。
【図5A】図5Aは、鉗子が開いた構成にあるときの、内側の構成要素の配置を示している、図1Aの鉗子の拡大上面図である。
【図5B】図5Bは、鉗子が閉じた構成にあるときの、内側の構成要素の配置を示している、図1Bの鉗子の拡大上面図である。
【図6A】図6Aは、不作動位置にあるナイフアクチュエータを示している、図1Bの鉗子の内部作用構成要素の拡大斜視図である。
【図6B】図6Bは、作動されているナイフアクチュエータを示している、図1Bの鉗子の内部作用構成要素の拡大斜視図である。
【図7】図7は、不作動位置にあるナイフアクチュエータの拡大側面図である。
【図8A】図8Aは、最近位または不作動位置にあるナイフアクチュエータのナイフを示している末端エフェクタアセンブリの末端エフェクタの非常に拡大された上面断面図である。
【図8B】図8Bは、作動後のナイフの位置を示している、図8Aの末端エフェクタアセンブリの非常に拡大された上面断面図である。
【図9A】図9Aは、不作動位置にあるハンドルアセンブリを示している拡大上面図である。
【図9B】図9Bは、作動後のハンドルアセンブリを示している拡大上面図である。
【図10A】図10Aは、開いた構成で示されている末端エフェクタアセンブリの非常に拡大された側面断面図である。
【図10B】図10Bは、閉じた構成で示されている末端エフェクタアセンブリの非常に拡大された側面断面図である。
【図10C】図10Cは、最近位または不作動位置にあるナイフアクチュエータのナイフを示している末端エフェクタアセンブリの底部顎部材の非常に拡大された正面斜視図である。
【図10D】図10Dは、作動後のナイフの位置を示している、図10Cの底部顎部材の非常に拡大された正面斜視図である。
【図11A】図11Aは、作動後のナイフアクチュエータを示している、図9Bに似た拡大上面図である。
【図11B】図11Bは、作動後のナイフの位置を示している末端エフェクタアセンブリの非常に拡大された側面断面図である。
【図12】図12は、末端エフェクタアセンブリの回転を示している、図1Bの鉗子の上面斜視図である。
【図13】図13は、バーツが分解されている鉗子の上面斜視図である。
【図14】図14は、パーツが分解されている筐体の拡大斜視図である。
【図15A】図15Aは、パーツが分解されている末端エフェクタアセンブリの底部顎の非常に拡大された斜視図である。
【図15B】図15Bは、パーツが分解されている末端エフェクタアセンブリの上部顎の非常に拡大された斜視図である。
【図16】図16は、本開示に従った鉗子で使用するための回路基板の拡大斜視図である。
【図17】図17は、駆動アセンブリとナイフアセンブリとの様々な動くパーツを収容するための細長いシャフトの非常に拡大された斜視図である。
【図18】図18は、図1Aの鉗子で使用するための代替の安全ロックアウトメカニズムの上面斜視図である。
【図19】図19は、図1Aの鉗子で使用するための柔軟な回路基板の上面図である。
【図20】図20は、図19の柔軟な回路基板の安全スイッチの動作特徴を示している概略図である。
【図21】図21は、鉗子の筐体内での、図19の安全スイッチの組み立てを示している内部斜視図である。
【図22A】図22Aは、ロックアウトメカニズムが柔軟な回路基板の安全スイッチに係合するとき、図18の安全ロックアウトメカニズムの動作の動きを示している内部図である。
【図22B】図22Bは、ロックアウトメカニズムが柔軟な回路基板の安全スイッチに係合するとき、図18の安全ロックアウトメカニズムの動作の動きを示している内部図である。
【図22C】図22Cは、ロックアウトメカニズムが柔軟な回路基板の安全スイッチに係合するとき、図18の安全ロックアウトメカニズムの動作の動きを示している内部図である。
【図23】図23は、電気スイッチングアセンブリの概略的な電気回路図である。
【図24】図24は、スイッチングアセンブリ上の強度制御の動きを示しているコンピュータシミュレーションである。
【図25】図25は、強度制御アクチュエータの拡大図である。
【図26】図26は、筐体内に配置されるデテントトラックの中で機械的に係合する強度制御アクチュエータのコンピュータでシミュレーションされた内部拡大図である。
【図27】図27は、筐体内に規定された軌道の上で機械的に係合する強度制御アクチュエータのコンピュータでシミュレーションされた内部拡大上面図である。
【図28】図28は、ハンドルアセンブリのハンドルに駆動アセンブリを動作するように接続しているテーパーの付けられたトグルリンクを示している、コンピュータでシミュレーションされた斜視図である。
【図29】図29は、一対のダブルタング固定要素を示しているトグルリンクの一実施形態の拡大斜視図である。
【図30】図30は、一対のダブルタング固定要素のうちの1つの間にそれぞれ規定される一対のスロットの方向を示している拡大上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
ここで図1A〜図2を参照すると、様々な外科的処置での使用のための、内視鏡型の双極および単極の組み合わせ鉗子10の一実施形態が示されており、概ね、筐体20と、ハンドルアセンブリ30と、回転アセンブリ80と、ナイフトリガアセンブリ70と、管状血管および脈管組織を掴み、密閉し、分割するために互いに協働する末端エフェクタアセンブリ100(図10Aおよび図10B)とを含む。図面の大部分は内視鏡による外科的処置に使用する鉗子10を描いているが、本開示は、より多くの従来的な切開による外科的処置で使用され得る。本明細書における目的のために、鉗子10は内視鏡型の機器の観点から記述されているが、以下で記述されるように、切開のバージョンの鉗子がまた、同じまたは似た動作構成要素および特徴を含み得るということが理解される。
【0093】
鉗子10はシャフト12を含み、該シャフト12は末端エフェクタアセンブリ100に機械的に係合するように大きさを合わせられている遠位端16と、筐体20に機械的に係合する近位端14とを有する。シャフト12が末端エフェクタに接続する方法の詳細は以下でさらに詳細に記述される。シャフト12の近位端14が筐体20内で受け取られており、それに関する接続はまた以下で詳細に記述される。以下の図面および記述において、用語「近位」は、従来通り、ユーザにより近い鉗子10の端を指し、用語「遠位」はユーザからより遠い端を指す。
【0094】
鉗子10はまた電気外科的ケーブル310を含み、該電気外科的ケーブル310は電気外科的エネルギー源、例えば、ジェネレータ500(図16を参照)に鉗子10を接続する。Boulder、Coloradoに位置する、Tyco Healthcare LPの一部門であるValleylabによって販売されているもののようなジェネレータが、血管および脈管組織を密閉するための双極電気外科的エネルギー源と、一般的に組織を凝固するかまたは焼灼するために使用される単極電気外科的エネルギー源との両方として使用され得る。ジェネレータ500は、独立した出力、インピーダンス制御および/または付属装置の独立作動を含む様々な安全および性能特徴を含み得るということが想定されている。電気外科的ジェネレータ500はまた、VallylabのInstant
ResponseTM技術を含むように構成され得、該Instant ResponseTM技術は、1秒間に二百(200)回、組織の変化を感知し、適切な電力を維持するために電圧と電流とを調節する改良型フィードバックシステムを提供する。Instant ResponseTM技術は、外科的処置に対して以下の利益のうちの1つ以上を提供するということが考えられる:
・全組織のタイプを通して一貫した臨床的な効果;
・熱の広がりおよび側の組織の損傷に対するリスクの低減;
・「ジェネレータの出力を上げる」必要性がほとんどないこと;
・最小侵襲性の環境のために設計されていること
である。
【0095】
図16に最良に示されているように、ケーブル310はケーブルリード310aおよび310bに分割されており、該ケーブルリード310aおよび310bは、1つ以上のコネクタまたは別個の所謂「フライングリード」によって、電気外科的ジェネレータ500に鉗子を接続するように構成されており、該フライングリードは単一の位置でジェネレータ500に接続するように構成され、所望に応じてまたは特定の機器の構成に基づいて手術の前に外科医によって設定され、双極、単極(またはこれらの組み合わせ)のいずれかのエネルギーを提供する。一般的な電気コネクタの一例が、Tyco Healthcare、 LPの一部門である、Colorado、Boulder of Valleylabによって現在開発されており、「CONNECTOR SYSTEMS FOR ELECTROSURGICAL GENERATOR」と題される米国特許出願第10/718,114号の対象であり、該出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0096】
ハンドルアセンブリ30は、筐体20の対向する側に配置されている2つの可動なハンドル30aおよび30bを含む。鉗子10の動作に関して以下でさらに詳細に述べられるように、ハンドル30aおよび30bは、末端アセンブリ100を作動するために、互いに対して可動である。
【0097】
図13の分解図に最良に見られるように、筐体20は、二(2)つの筐体の半分20aおよび20bから形成されており、該筐体の半分20aおよび20bはそれぞれ複数のインターフェース205を含み、該インターフェース205は、互いに機械的に並んで係合し、筐体20を形成し、鉗子10の内部の作用構成要素を収容するように大きさを決められている。複数の追加のインターフェース(図示せず)が、超音波溶接の目的のために、筐体の半分20aおよび20bの周辺の様々なポイント、例えば、エネルギーを配向/偏向するポイントに配置され得るということが想定されている。(以下に記述される他の構成要素だけでなく)筐体の半分20aおよび20bも、当該分野において公知である様式で組み立てられ得るということがまた考えられている。例えば、アライメントピン、スナップ状のインターフェース、突起と溝とのインターフェース、ロックタブ、接着ポートなどが、単独または組み合わせのいずれかで、組み立ての目的で、全て利用され得る。
【0098】
回転アセンブリ80は筐体20に機械的に結合され、長手方向軸「A」に対していずれかの方向に約90度回転可能である(図1A〜図2および図12を参照)。回転アセンブリ80の詳細は図12〜図14を参照してさらに詳細に記述される。回転アセンブリ80は、2つの半分81aおよび81bを含み、該2つの半分81aおよび81bは、組み立てられたときには、回転アセンブリ80を形成し、それにより、該回転アセンブル80は細長いシャフト12を支持し、該シャフト12は駆動アセンブリ60とナイフアセンブリ70とを収容する。半分81aおよび81bは、組み立ての間に、それぞれフランジ82aおよび82bの上で筐体20に機械的に係合され、回転アセンブリ80の2つの半分81aおよび81bをしっかりと係合するように大きさを決められた他の機械的なインターフェース、例えば、アライメントピン、スナップフィットインターフェース、超音波溶接ポイントなどを含み得る。
【0099】
上で述べられたように、末端エフェクタアセンブリ100はシャフト12の遠位端16に取り付けられ、一対の対向する顎部材110および120(図3A〜図3Dを参照)を含む。ハンドルアセンブリ30のハンドル30aおよび30bは、最終的に、駆動アセンブリ60に接続し、該駆動アセンブリ60は、顎部材110および120が互いに間隔を空けられた関係で配置される開位置から、顎部材110および120がその間に組織を掴むように協働するクランピングまたは閉位置への、顎部材110および120の動作を伝えるように機械的に協働する(図10Aおよび図10B)。
【0100】
鉗子10が、特定の目的に従ってまたは特定の結果を達成するために、完全にまたは部分的に使い捨て可能であるように、鉗子10は設計されるということが想定される。例えば、末端エフェクタアセンブリ100はシャフト12の遠位端16に選択的にかつ取り外し可能に係合可能であり得、および/またはシャフト12の近位端14は筐体20およびハンドルアセンブリ30に選択的にかつ取り外し可能に係合可能であり得る。これら2つの例のいずれかにおいて、鉗子10は「部分的に使い捨て」または「再び搭載することが可能」であると考えられており、すなわち、新たなまたは異なる末端エフェクタアセンブリ100(または末端エフェクタアセンブリ100とシャフト12と)が、必要に応じて、古い末端エフェクタアセンブリ100と選択的に置き換わる。理解され得るように、現在開示されている電気的接続は、再び搭載することが可能な鉗子に機器を改変するために、変更される必要があり得る。
【0101】
ここで、図1A〜図16に関して記述されているような本開示のさらに詳細な特徴に移ると、各ハンドル30aおよび30bはその中に規定される開口33aおよび33bをそれぞれ含み、該開口33aおよび33bは、ユーザが各それぞれのハンドル30aおよび30bを掴み、互いに動かすことを可能にする。ハンドル30aおよび30bはまた、その外縁に沿ってそれぞれ配置される人間工学的に高められたグリッピング要素39aおよび39bを含み、該グリッピング要素39aおよび39bは、作動の間、ハンドル30aおよび30bのグリッピングを容易にするように設計されている。グリッピング要素39aおよび39bは、グリッピングを向上させるために、1つ以上の突起、スカラップおよび/またはリブを含み得るということが想定されている。
【0102】
図1Aおよび図7に最良に図示されているように、ハンドル30aおよび30bは、筐体20を通り定義される横方向軸「B」から、対向する側で外方向に伸びるように構成されており、該横方向軸「B」は長手方向軸「A」に対して直交している。ハンドル30aおよび30bは、軸「B」に平行な方向に互いに対して可動であり、手術の間に必要に応じて顎部材110および120を開閉する。この鉗子の型は、所謂「ピストルグリップ」型の鉗子または内視鏡型の機器と比較して、通常、「インライン」または止血鉗子型の鉗子と呼ばれている。インライン止血鉗子または鉗子は、通常、開胸外科的処置のために製造されており、一般的に、一体に結合されたハンドルを有する1対のシャフトを含んでおり、該1対のシャフトは互いに対して可動であり、遠位端に配置されている顎部材を開閉する。
【0103】
図5Aに最良に図示されており、かつ、上で述べられているように、ハンドル30aおよびハンドル30bは、筐体20に機械的に結合されており、筐体(および互い)に対して可動であり、組織に対して開いたまたは間隔の空いた構成から、閉じた位置へ顎部材110および120を動かす。各ハンドル、例えば、図7に示されているハンドル30aはまた、長手方向軸「A」に対して角度アルファ(α)を有して下方向に伸びるように構成されている。ハンドル30aおよび30bがこの様式で伸びるように製造することは、動作状態の間の鉗子10のグリッピングおよび操作を容易にしかつ高めるということが想定されている。鉗子10のハンドル30aおよび30bの角度(α)は、様々なユーザが特定の手のサイズの特定の使用のために、ハンドル30aおよび30bを実質的に「カスタマイズ」することを可能にするように調節可能であり得るということが想定される。代替的に、様々な鉗子10が、特定の外科的処置での使用、特定の手のサイズ(すなわち、小、中、および大)、および/または他の外科的な目的のために、様々な事前に定められた角度(α)を有して製造され得る。特に有益な実施形態において、ハンドルの角度(α)は0度(0°)から約35度(35°)までの範囲であるということがさらに考えられる。
【0104】
図5A、図5B、図13および図14に最良に見られるように、各ハンドル30aおよび30bの遠位端34および37はそれぞれ、筐体20の遠位端21に取り付けられているピボットピン34aおよび34bの周りを選択的に動くことができる。以下でさらに詳細に述べられるように、互いに対するハンドルの動きは、互いに対する顎部材110および120の動きを与える。遠位端34および37は相補的なギアティース34a’および34b’を含むように構成されており、該ギアティース34a’および34b’は互いにかみ合い、互いに対するハンドル30aおよび30bの一貫した動きを容易にし、顎部材110および120の作動を高めるように構成されている。
【0105】
図14において、各ハンドル30aおよび30bの近位端30a’および30b’はそれぞれフランジ31aおよび31bを含み、該フランジ31aおよび31bは、各ハンドル30aおよび30bの近位端30a’および30b’から筐体20に向けて伸びている。トグルリンク35aおよび35bの端36cおよび36dをそれぞれ受け取るために、フランジ31aおよび31bのそれぞれは、その中に配置される開口36c’および36d’を含む。トグルリンク35aおよび35bの対向する端36aおよび36bは、作動または駆動カラー69を貫通して規定される対応する開口36a’および36b’を通り、駆動アセンブリ60の作動または駆動カラー69に取り付けられるように構成されている。トグルリンク35aおよび35bは、駆動カラー69にハンドル30aおよび30bを取り付けるために概ねS字形状の構成で大きさを決められ得るか、またはトグルリンク35aおよび35bは、この目的を達成するために、(開示されているように)概ねU字形状であり得るということが想定される。トグルリンク35aおよび35bをU字形状の構成で大きさを決めることは、作動の間の座屈を低減し得るということが考えられる。
【0106】
想定される一実施形態において、トグルリンク、例えば、トグルリンク35a’は概ね対称的であり、その遠位端にスナップ状の機械的なインターフェースを含み、製造および組み立てを容易にする。さらに詳細に、かつ、図28〜図30に最良に示されているように、リンク35a’は、その対向する端に2つのダブルタング固定要素36d’’および36b’’を含み、該2つのダブルタング固定要素36d’’および36b’’は、それぞれのハンドル、例えば、30bに駆動カラー69が対応して係合するように設計されている。言い換えると、固定要素36d’’は、ハンドルbの開口36d’に係合するように構成され、固定要素36b’’は、駆動カラー69の開口36b’に係合するように構成され、駆動カラー69をハンドル30bに連結する。
【0107】
理解され得るように、各それぞれのダブルタング固定要素36b’’および36d’’の幾何形状は、一対のテーパーを付けられたダブルタング37aおよび37bと、37cおよび37dとを含む。各対のダブルタング37aおよび37bと、37cおよび37dとはそれぞれ、その近位端にステップ39a’および39b’と、39c’および39d’とをそれぞれ含む。各対の対向する突起37aおよび37bと、37cおよび37dとは、その間に規定されるスロット38aおよび38bをそれぞれ含み、各突起37aおよび37bと、37cおよび37dとが内側に片寄り、固定要素36d’’および36b’’の断面積を減少させることを可能にする。理解され得るように、対応する開口、例えば、36dおよび36bへの組み立ての際に、各突起37aおよび37bと、37cおよび37dとのテーパーは、各突起37aおよび37bと、37cおよび37dとを内側に押し、固定要素36d’’および36b’’の断面積を減少させ、対応する開口36d’および36’bの中への固定要素36d’’および36b’’の係合を容易にする。いったんステップ39a’および39b’と、39c’および39d’を通過して、それぞれの開口36d’’および36b’’内に、ダブルタング37aおよび37bと、37cおよび37dとが係合されると、突起37aおよび37bと、37cおよび37dとが外に弾け、対応する開口36d’および36b’内にそれぞれの固定要素36d’’および36b’’を係合させ、収容する。いったん組み立てられると、顎部材110および120を閉じるために負荷が加えられるときに、各固定要素36d’’および36b’’の最大の断面積、すなわち、材料の最大面積が荷重方向にあるように、スロット38aおよび38bは好適に方向を定められる(図28〜図30を参照)。これが、トグルリンク35a’および35b’が、過度の応力条件または繰り返しの使用により壊れることを防止する。
【0108】
理解され得るように、開いたまたは間隔の空けられた構成から閉じた位置への筐体に向けたハンドル30aおよび30bの動きは、スプリング63に対して近位方向に作動カラー69を強制し、次に、作動カラー69は駆動シャフト17を近位方向に向けて移動させ、顎部材110および120を閉じる(図7〜図9を参照)。駆動カラー69とハンドルアセンブリ30との動作関係は、鉗子10の動作に関して以下で詳細に述べられる。
【0109】
ハンドル30aおよび30bは、シャフト17または長手方向軸「A」と平行な向きをこえて、長手方向軸「A」に沿ってトグルリンク35aおよび35bを回転させることにより、解放する際に、バネ63の力がトグルリンク35aおよび35bを中心を越えたまたは延び過ぎた(または平行を越えた)構成に維持し、それによりハンドル30aおよび30b(従って、顎部材110および120)を互いに対してロックする(図9B)。ハンドル30aおよび30bが互い(および筐体20)から離れる動きは、ハンドル30aおよび30bを解除して開き、次に、続けて組織を掴むか、または再び掴むために、顎部材110および120を解除して開く。一実施形態において、ハンドル30aおよび30bは開いた構成で付勢され得、動作範囲内での鉗子の取り扱いおよび操作を容易にする。この目的を達成するために利用され得る様々なバネ状のメカニズムが考えられる。
【0110】
ハンドル30aはまたロックフランジ32を含み、該ロックフランジ32は遠位端34a’と近位端30a’それぞれとのの間に配置され、該ロックフランジ32は筐体20に向けて伸びており、ハンドル30aが作動されたときに筐体に対して動く。ロックフランジ32はロックアウト要素32’を含み(図14)、ハンドルアセンブリ30aが間隔を空けられたまたは開いた構成に配置されているときに、ナイフアセンブリ70の作動を防止するように、該ロックアウト要素32’は大きさを決められている。筐体20に向けたハンドル30aの作動または動きは、ロックアウト要素32を外し、以下でさらに詳細に述べられるような組織を分離するナイフアセンブリ70(例えば、カラー74)の動きを可能にする。
【0111】
可動なハンドル30aおよび30bは、トグルリンク35aおよび35bのユニークな位置により、従来のハンドルアセンブリを上回る、独特なレバー状の機械的利点を提供するように設計されており、作動されたときに、該トグルリンク35aおよび35bは、長手方向軸「A」に沿って回転し、作動または駆動カラー69を移動させる。言い換えると、顎部材110および120を作動するための高められた機械的な利点は、いくつかの相互に協働する要素(すなわち、対向するハンドル30a、30bと、トグルリンク35a、35bと、ハンドル部材30aおよび30bのそれぞれの遠位端34および37に位置を決められているギアティース)のユニークな位置と組み合わせとによって得られ、該ユニークな位置と組み合わせとが、約3kg/cm2から約16kg/cm2までの理想的な動作圧の下で、顎部材110および120を固定および維持するために必要なユーザの全体的な力を減少させるということが想定されている。言い換えると、これらの要素の組み合わせと、互いの位置とが、顎部材110および120を作動するレバー状の機械的利点を得ることをユーザに可能にし、ユーザがより少ない力で顎部材110および120を閉じることを可能し、一方で、適切かつ効果的な組織の密閉をもたらすために必要な求められる力をも生成するということが想定されている。上で識別された要素の様々な動きに関する詳細が、鉗子10の動作に関して以下で述べられる。
【0112】
図3A〜図3D、図10A〜図10Dおよび図15A〜図15Dに最良に示されているように、末端エフェクタアセンブリ100は、密閉の目的のために組織を効果的に掴むように協働する、対向する顎部材110および120を含む。末端エフェクタアセンブリ100は、相互的なアセンブリ、すなわち、顎部材110と120との両方がその中を通して配置されているピボットピン185の周りを互いに対して旋回するように設計されている。
【0113】
往復駆動スリーブ17(図17参照)はシャフト12内に滑動するように配置され、以下でさらに詳細に述べられるように駆動アセンブリ60によって遠隔的に動作可能である。駆動スリーブ17は、それぞれ半分17aおよび17bから成る二股に分かれた遠位端を含み、該半分17aおよび17bは、顎部材110および120を受け取るために、その間に空洞17’を規定する。さらに詳細に、かつ、図15Aおよび図15Bに最良に図示されているように、顎部材110および120は近位フランジ113および123をそれぞれ含み(図15Aおよび図15Bを参照)、該近位フランジ113および123は、それを貫通しそれぞれ規定される細長い角度を付けられたスロット181aおよび181bをそれぞれ含む。駆動ピン180(図10Aおよび図10Bを参照)は、回転シャフト18の端に、かつ、駆動スリーブ17の遠位端17aおよび17bに配置される空洞17’内に顎部材110および120を取り付ける。
【0114】
駆動アセンブリ60の作動の際に、駆動スリーブ17は往復運動し、その結果、所望に応じて、顎部材110および120を開閉するために、駆動ピン180をスロット181aおよび181b内で動かす。次に、顎部材110および120は、フランジ113および123内に配置されるそれぞれのピボットホール186aおよび186bを通して配置されるピボットピン185の周りを旋回する。理解され得るように、ハンドル30aおよび30bを筐体20に向けて締め付けることは、駆動スリーブ17と駆動ピン180を近位方向に引っ張り、間に掴まれている組織420に対して顎部材110および120を閉じ、スリーブ17を遠位方向に押すことは、掴む目的のために顎部材110および120を開く。
【0115】
図15Bに最良に示されているように、顎部材110はまた支持ベース119を含み、該支持ベース119は、フランジ113から遠位方向に伸び、その上にある絶縁プレート119’を支持するようにサイズを決められている。次に、絶縁プレート119’は、その上に導電性組織係合面または密閉プレート112を支持するように構成されている。密閉プレート112は、当該分野において公知の任意の方法、スナップフィット、オーバーモールド、スタンピング、超音波溶接などで絶縁プレート119’および支持ベース119の上に付着され得るということが考えられる。支持ベース119は、絶縁プレート119’および導電性組織係合面112と共に、外側絶縁筐体114によってカプセル化されている。外側筐体114は空洞114aを含み、該空洞114aは、支持ベース119および絶縁プレート119’だけでなく、導電性密閉面112にしっかりと係合するように大きさを決められている。スタンピングすること、オーバーモールドすること、スタンピングされた導電性密閉プレートをオーバーモールドすること、および/または金属粉末射出成型された密閉プレートをオーバーモールドすることによって、これは達成され得る。これら全ての製造技術は、導電性の面112を有する顎部材110を生成し、該顎部材110は絶縁基板114によって実質的に囲まれる。
【0116】
例えば、図15Bに示されているように、導電性密閉プレート112は、密閉プレート112の周縁を囲む嵌合部分112aを含む。フランジ112aは、外側絶縁体114の内側リップ117に嵌め合うように係合するように設計されている。回路基板170またはジェネレータ500から伸びるリード325a(図16を参照)が外側絶縁体114内で終了し、クリンプ状の接続部326aによって密閉プレート112に電気機械的に結合するように設計されるということが想定される。例えば、絶縁体119’と、導電性密閉面112と、外側の非導電性顎筐体114とは、好適には、組織の密閉に関する公知の望まれない影響、例えば、フラッシュオーバ、熱の広がり、および迷走電流の散逸などのうちの多くを限定および/または低減するように大きさを決められる。
【0117】
導電性密閉面112はまた、所定の半径を有する外側周縁を含み、外側筐体114は、密閉面112の隣接する縁に沿って概ね接するように導電性密閉面112に出会うということが想定されている。インターフェースにおいて、導電性の面112は外側筐体114に対して持ち上げられる。これらまたは他の想定されている実施形態は、Johnsonらによる「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WHICH REDUCES COLLATERAL DAMAGE TO ADJACENT TISSUE」と題される、同一人に譲渡された同時係属中の国際出願第PCT/US01/11412号と、Johnsonらによる「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WHICH IS DESIGNED TO REDUCE THE INCIDENCE OF FLASHOVER」と題される同一人に譲渡された同時係属中の国際出願第PCT/US01/11411号とに記述されており、該国際出願の両方の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0118】
導電性の面または密閉プレート112と、外側筐体114は、組み立てられたときに、ナイフブレード190の往復運動のために、密閉プレートを通って規定される長手方向に向けられたスロット115aを形成する。ナイフチャネル115aは、顎部材120に規定される対応するナイフチャネル115bと協働し、好適な切断面に沿ったナイフブレード190の長手方向の伸展を容易にし、形成された組織の密閉部に沿って組織を効果的にかつ正確に分離するということが想定されている。図8A、図8B、図15Aおよび図15Bに最良に図示されているように、ナイフチャネル115は、顎部材110および120の中央をそれぞれ通って走り、それにより、顎部材110および120が閉じた位置にあるときに、ナイフアセンブリ70からのブレード190が、顎部材110および120の間に掴まれた組織を切断する。さらに詳細に、かつ、ハンドルアセンブリ30の記述に関して上で述べられたように、ハンドル30aはロックアウトフランジを含み、該ロックアウトフランジは、ハンドル30aが開いているときに、ナイフアセンブリ70の作動を防止し、それにより、組織を通るブレード190の偶発的なまたは時期尚早な作動を防止する。
【0119】
上で述べられたように、かつ、図15Aおよび図15Bに図示されているように、顎部材110および120が閉じられたときに、ナイフチャネル115は形成される。言い換えると、ナイフチャネル115は2つのナイフチャネルの半分−顎部材110の密閉プレート112に配置されるナイフチャネルの半分115aと、顎部材120の密閉プレート122に配置されるナイフチャネルの半分115bとを含む。ナイフチャネル115は湾曲の全くない直線状のスロットとして構成され得、従って、該直線状のスロットは、ナイフ190を実質的に直線の様式で組織を通って動かすということが想定されている。代替的に、ナイフチャネル115はある程度の湾曲を含むように大きさを決められ得、ナイフ190を湾曲した様式で組織を通って動かす。絶縁プレート119’はまた、ナイフチャネル115の一部分を形成し、その中に規定されるチャネル115a’を含み、該チャネル115a’は該絶縁プレート119’に沿って伸び、ナイフチャネル115aに対して垂直に一致しており、そこを通るナイフ190の遠位端192の移動を容易にする。
【0120】
顎部材110の導電性の密閉プレート112はまた、単極の延長部112aを含み、鉗子10の動作に関して以下でさらに詳細に述べられるように、単極の作動モードで配置されるときに、該単極の延長部112aは外科医が組織を選択的に凝固させることを可能にする。単極の延長部112aは、好適には、導電性の密閉プレート112と一体に結合され得るが、特定の目的に従って選択的に延長もし得る。単極の延長部112aの形状および大きさは顎部材110または顎筐体114の湾曲の輪郭の輪郭全体に適合するように大きさを決められ得る。単極の延長部112aの縁は、延長部の縁に沿って電流密度を減少させるように特に大きさを決められた半径、例えば、滑らかな湾曲および遷移点を含むように大きさを決められ得る。単極の延長部112aの厚さは、好適には、約0.010インチ+/−0.005インチの範囲内である。単極の延長部112aの幅は、好適には、それにより顎部材が機械的に組織を広げる目的のためにそこを通過し得る腸切開の作成を可能にするように、約0.084インチ+/−0.010インチである。長さは、好適には、約0.040インチ+/−0.010インチである。「BIPOLAR FORCEPS HAVING MONOPOLAR EXTENSION」と題される共有に係る米国特許出願第10/970,307号と、「BIPOLAR FORCEPS HAVING MONOPOLAR EXTENSION」と題される米国特許出願第10/988,950号とは、単極の延長部の様々な実施形態を開示し、該単極の延長部は本開示の鉗子10を用いた使用のために構成され得る。これらの出願の両方の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0121】
顎部材120は、顎筐体124のような顎部材110と同様の要素を含み、該顎筐体124は、支持プレート129と絶縁プレート129’と導電性密閉面122とを包む。同様に、導電性密閉面122と絶縁プレート129’とは、組み立てられたときに、ナイフブレード190の往復運動のために、導電性密閉面と絶縁プレートとを通って規定される、それぞれ長手方向に向けられたナイフチャネル115aおよび115a’を含む。上で述べられたように、顎部材110および120が組織に対して閉じられたときには、ナイフチャネル115aおよび115bは、完全なナイフチャネル115を形成し、遠位方向へのナイフ190の長手方向の伸展が、組織の密閉部に沿って組織を切断することを可能にする。ナイフチャネル115が、特定の目的に従って、2つの顎部材のうちの1つ、例えば、顎部材120に完全に配置され得るということがまた想定される。顎部材120が、顎部材110に関して上で記述されたものと同様の方法で組み立てられ得るということがまた想定される。
【0122】
図15Aに最良にみられるように、顎部材120は導電性密閉面122の内側対向面に配置される一連の停止部材90を含み、組織のグリッピングおよび操作を容易にし、組織の密閉および切断の間の、対向する顎部材110および120の間にギャップ「G」(図10B)を規定する。一連の停止部材90は、特定の目的に従ってまたは所望の結果を達成するために、顎部材110および120の1つまたは両方で用いられ得るということが想定される。導電性密閉面112、122に停止部材90を取り付けるためおよび/または付着させるための製造および組み立ての様々なプロセスだけでなく、これらおよび他の想定された停止部材90に関する詳細な記述は、Dycusらによる「VESSEL SEALER AND DIVIDER WITH NON−CONDUCTIVE STOP MEMBERS」と題される、同一人に譲渡された同時係属中の国際出願第PCT/US01/11413号に記述されており、該出願は本明細書においてその全体が参考として援用される。
【0123】
顎部材120は回路基板170またはジェネレータ500から伸びる第2の電気リード325bに接続され(図16を参照)、該第2の電気リード325bは、外側絶縁体124の中で終了し、クリンプ状の接続部326bによって密閉プレート122に電気機械的に結合するように設計される。以下でさらに詳細に述べられるように、リード325aおよび325bは、ユーザが手術の間に必要に応じて、顎部材110および120に双極または単極の電気外科的エネルギーのいずれかを選択的に供給することを可能にする。
【0124】
顎部材110および120は互いから電気的に絶縁され、その結果、電気外科的エネルギーが組織を通って効果的に運ばれ、組織の密閉部を形成する。例えば、図15Aおよび図15Bに最良に図示されているように、各顎部材、例えば、顎部材110は、顎部材を通って配置される、独特に設計された電気外科的ケーブル経路を含み、該電気外科的ケーブル経路は導電性密閉面112に電気外科的エネルギーを送る。ケーブルリード325aは、ケーブル経路に沿って、緩やかではあるがしっかりと保持されており、顎部材110および120の回転を可能にする。理解され得るように、これは、末端エフェクタアセンブリ100の残りの動作構成要素、顎部材120およびシャフト12から導電性密閉面112を絶縁する。2つの電位は、ケーブルリード325aおよび325bを囲んでいる絶縁被膜によって互いから絶縁されている。
【0125】
上で述べられたように、顎部材110および120はピボットピン185によって回転シャフト18の端に係合され、その結果、回転アセンブリ80は、(スリーブ17およびナイフ駆動ロッド71と共に)シャフト18を対応するように回転させ、次に、該シャフト18は末端エフェクタアセンブリ100を回転させる(図12を参照)。さらに詳細には、回転シャフト18の遠位端は端18aおよび18bを含むように二股に分けられており、該端18aおよび18bは、その中に顎部材110および120を受け取るチャネルを規定する。ピボットピン185は、顎部材110および120のそれぞれを貫通して規定される開口186aおよび186bを通って端18aおよび18bに顎部材110および120を固定する。図13および図17に最良に見られるように、回転シャフト18は、ナイフ駆動ロッド71と、ナイフ190と、ナイフガイド197とを中で滑動可能に受け取るように大きさを決められている。次に、回転シャフト18は、駆動スリーブ17の中に回転するように受け取られ、該駆動スリーブ17は、上で述べられたように、駆動アセンブリ60に接続する。ナイフアセンブリに関する詳細は、図5A、図5B、図6A、図6B、図7、図8Aおよび図8Bで、さらに詳細に記述されている。
【0126】
回転シャフト18および駆動シャフト17は2つの回転タブによって回転アセンブリ80に固定され、該回転タブは回転シャフト18内のスロット18cを通って係合され、その結果、回転部材の回転は、回転シャフト18を対応するように回転させる。駆動シャフトおよび回転シャフトは、当該分野において公知である他の方法、スナップフィット、摩擦嵌入などで回転アセンブリに付着され得るということが想定される。
【0127】
図13および図14は、鉗子10と、その構成要素機能、つまり、筐体20、駆動アセンブリ60、回転アセンブリ80、ナイフアセンブリ70、およびハンドルアセンブリ30の詳細を示す。さらに詳細には、図13は上で識別されたアセンブリおよびその構成要素と共に鉗子10の全体を分解した状態で示し、図14は筐体20と、そこに含まれる構成要素との分解図を示す。
【0128】
筐体20は、嵌合されると筐体20を形成する筐体の半分20aおよび20bを含む。理解され得るように、筐体20は、いったん形成されると、内部空洞25を形成し、該内部空洞25は上で識別された様々なアセンブリを収容し、該様々なアセンブリは、ユーザが単純で効果的かつ効率的な方法で組織を選択的に操作し、掴み、密閉し、切断することを可能にする。筐体の各半分、例えば、半分20bは一連の機械的インターフェース構成要素、例えば、205を含み、該機械的インターフェース構成要素205は、対応する一連の機械的インターフェース(図示せず)と並びおよび/または嵌合し、内部構成要素およびアセンブリの回りで2つの筐体の半分20aおよび20bを並べる。次に、いったん組み立てられると、筐体の半分20aおよび20bは超音波溶接され得るか、または筐体の半分20aおよび20bを固定するように嵌め合うように係合され得る。
【0129】
上で述べられたように、ハンドルアセンブリ30は2つの可動ハンドル30aおよび30bを含み、該可動ハンドル30aおよび30bはそれぞれ、トグルリンク35aおよび35bと協働し、それぞれ駆動アセンブリ60の作動または駆動カラー69を作動する。次に、駆動カラーは駆動スリーブ17に往復運動をさせ、上記のように顎部材110および120を開閉する。可動ハンドル30aおよび30bは、トグルリンク35aおよび35bのユニークな位置により、従来のハンドルアセンブリを上回る、独特なレバー状の機械的利点を提供するように設計されており、作動されたときに、該トグルリンク35aおよび35bは、長手方向軸「A」に沿って回転し、作動カラー69を移動する。さらに詳細には、上で述べられたように、顎部材110および120を作動するために高められた機械的な利点は、様々な相互に協働する要素、例えば、トグルリンク35aおよび35bと、ハンドル30aおよび30bの遠位端におけるギアティース34aおよび34bとのユニークな位置と組み合わせとによって得られ、該ユニークな位置と組み合わせとが、約3kg/cm2から約16kg/cm2までの理想的な動作圧の下で、顎部材を固定および維持するために必要なユーザの全体的な力を減少させるように協働するということが想定されている。
【0130】
上で述べられたように、開いたまたは間隔を空けられた構成から閉じた位置への筐体20に向けたハンドル30aおよび30bの動きは、作動カラー69をバネ63に対して近位方向に押し、次に、バネ63は駆動スリーブ17を近位方向に向けて移動させ、顎部材110および120を閉じる。さらに、ハンドル30aおよび30bが閉じた位置まで回転すると、ハンドル回転ハンドル30aおよび30bはトグルリンク35aおよび35bを押し、長手方向軸「A」と平行な向きをこえて、長手方向軸「A」に沿ってトグルリンク35aおよび35bを回転させることにより、閉じた位置からのハンドル30aおよび30bの解放の際に、バネ63の力がトグルリンク35aおよび35bを延び過ぎた/中心を越えた(すなわち、平行を越えた)構成に維持し、それによりハンドル30aおよび30b(従って、顎部材110および120)を互いに対してロックする(図9Aおよび図9Bを参照)。顎部材110および120を解除するために、ハンドル30aおよび30bは互い(および筐体20)から離れるように動かされ、トグルリンク35aおよび35bを少なくとも長手方向軸「A」に対して平行な向きに戻し、該平行な位置はハンドル30aおよび30bを解除して開き、次に、続けて組織を掴むか、または再び掴むために、顎部材110および120を解除して開く。いったんハンドル30aおよび30bが平行を越えて開かれると、バネ63の力はハンドル30aおよび30bの開きと顎部材110および120の開きとを容易にする。
【0131】
上で述べられたように、ハンドル30aはまたロックフランジ32を含み、ハンドルアセンブリ30aが間隔を空けられたまたは開いた構成に配置されるときに、ナイフアセンブリ70の作動を防止するように、該ロックフランジ32は大きさを決められている。筐体20に向けたハンドル30aの作動または動きは、ロックアウト要素32を外し、以下でさらに詳細に述べられるような組織を分離するナイフアセンブリ70の動きを可能にする。
【0132】
図14に最良に見られるように、駆動アセンブリは、駆動カラー69と、バネ63と、ロックスリーブ62とを含む。トグルリンク35aおよび35bは、ハンドル30aおよび30bそれぞれに駆動カラー69を動作可能に接続する。ロックスリーブ62は駆動カラー69を貫通するように規定される開口部67を通って収まるように大きさを決められており、バネ63はロックスリーブ62を覆って収まるように大きさを決められている。次に、バネ63は、駆動カラー69とロックスリーブ62への一対のロックボルト62aおよび62bとの間でそれらに対して付勢される。ハンドル30aおよび30bの作動の際に、トグルリンク35aおよび35bは駆動カラー69を近位方向に押し、ロックボルト62aおよび62bに対してバネ63を縮ませる。
【0133】
図9Aおよび図9Bに最良に示されているように、ロックスリーブ62およびスリーブ17は組み立て時に固定されるか、または溶接される。ロックスリーブ62は遠位カラー62’を含み、該遠位カラー62’は駆動カラー69に接し、ハンドル30aおよび30bの作動の際の駆動カラー69の軸方向の移動を確かなものにする。ロックスリーブ62およびスリーブ17はまた、ハンドル30aおよび30bの作動の間、ロックナット62aおよび62bを介して往復運動するように大きさを決められており、このことが、上で述べられたように、バネ63がロックナット62aおよび62bに対して縮むことを可能にし、所望の力の範囲内で閉じた位置に鉗子10をロックすることを容易にし、鉗子10の作動後のハンドル30aおよび30bの開きを容易にする。
【0134】
図14はまた回転アセンブリ80を示し、該回転アセンブリ80は2つのC字型の回転半分81aおよび81bを含み、シャフト17の回りで組み立てられたときに、該2つのC字型の回転半分81aおよび81bは、概ね円形の回転部材81を形成する。さらに詳細には、各回転半分、例えば、回転半分81bは一連の機械的インターフェース83を含み、該機械的インターフェース83は、半分81aにおける対応する一連の機械的インターフェース(図示せず)に嵌め合うように係合し、回転部材81を形成する。半分81bはまたタブまたは突出部(図示せず)を含み、該タブまたは突出部は、半分81aに配置されている対応するタブまたは突出部(図示せず)と共に、駆動シャフト17および回転シャフト18それぞれのスロット17cおよび18cに嵌め合うように係合するように協働する。理解され得るように、これは、矢印「R」(図1Aおよび図12を参照)の方向へ回転部材80を操作することによって、軸「A」の周りでの末端エフェクタアセンブリ100の選択的な回転を可能にする。
【0135】
上で述べられたように、顎部材110および120は、密閉が所望されるまで、組織を処置するために、開かれ、閉じられ、回転させられ得る。これは、作動および密閉に先立ち、ユーザが鉗子10を配置および再配置することを可能にする。回転アセンブリ80を通って、シャフト18に沿って最終的に顎部材110および120に至るケーブルリード325aおよび325bのユニークな供給経路は、ケーブルリード325aおよび325bをもつれさせるか、またはケーブルリード325aおよび325bに過度な歪をもたらすこともなく、時計回りの方向と反時計回りの方向との両方に約170度、末端エフェクタアセンブリ100を、ユーザが回転させることを可能にするということが想定される。
【0136】
図5A、図5B、図6A、図6B、図7、図11A、図11Bおよび図14に最良に示されているように、ナイフアセンブリ70は筐体20の上に取り付けられ、ナイフバー71を選択的移動するように構成されており、次に、該ナイフバー71は組織を通ってナイフ190を移動させる。さらに詳細には、ナイフアセンブリ70はフィンガアクチュエータ76を含み、該フィンガアクチュエータはそこに付着されている細長い支持ベース72を有し、該細長い支持ベース72は長手方向軸「A」に平行に選択的に動くことができる。細長い支持ベース72は近位端を含み、該近位端は一連のギアティース72aを有するギアラックとして構成されており、該ギアティース72aは下方向に垂れている。ギアティース72aは、筐体20上での回転のために設置された対応するピニオンギア77とかみ合うように構成されている。ピニオンギア77はまた、カラー74に配置された複数のギアティース75aを有する第2のギアトラック75とかみ合い、該カラー74は、スリーブ17の上で滑動するように移動することができる。図9A、図9Bおよび図11Aに最良に示されているように、ピン78は、スリーブ17を貫通して規定されるスロット17dを通って、ナイフバー71の近位端71bにカラー74を取り付ける。方向「F」に向けたフィンガアクチュエータ76の近位方向への移動は、時計回りの方向にピニオンギア77を回転させ、次に、ピニオンギア77は第2のギアトラック75aを方向「H」に向けて遠位方向に押す(図7を参照)。スプリング79は筐体20に対してカラー74を付勢し、フィンガアクチュエータ76が解放された後に、ナイフアセンブリ70を発射前の位置に自動的に戻す。
【0137】
ナイフアセンブリは、ナイフアセンブリの過度な作動を防止する機械的ヒューズを含むように構成されている。例えば、ピニオンギア77は、近位方向へのフィンガアクチュエータの過伸展を防止する1つ以上の壊れやすいまたは離脱しやすい要素を含むように構成され得る。理解され得るように、この様式でピニオンギア77を構成することは、ユーザが顎部材110および120の間に配置された繊細なナイフブレード190に負荷をかけすぎることと、それを損傷することとから防止する。一実施形態において、約9lbf以上の過度な力が方向「F」(図7に示されているように)に加えられたときに、ピニオンギア77の軸は壊れる。この場合、そしてピニオン軸が壊れると、バネ79はナイフブレード190を引っ込んだ位置に自動的に戻し、顎部材110および120の分離を可能にし、このことが、組織を傷つけることなく体から鉗子10が安全に取り外されることを可能にする。理解され得るように、ピニオン軸の壊れは手術領域を汚染せず、壊れたギア77は鉗子10の筐体20の中に残る。さらに、筐体20の内部動作構成要素は、この例においては、ピニオンギアの交換を可能にするために、アクセス可能であり得るということが想定される。
【0138】
他の要素が、機器の過剰負荷と、鉗子10に関連する壊れやすいパーツを損傷することとを制限するために似た様式で構成され得るということがまた考えられる。例えば、ラックのティース72aは過度な力により壊れるように大きさを決められ得るか、またはトラック75aが同様に、過度な力により壊れるように大きさを決められ得る。さらに、ハンドル30aおよび30bは同様な過剰負荷安全装置を装備され得、該過剰負荷安全装置は、ハンドル30aおよび30bならびに駆動アセンブリ60またはハンドルアセンブリ30の過度の圧縮を防止する。例えば、リンク35aおよび35bが過剰負荷の状態で壊れるように構成され、または駆動カラー69が過剰負荷の状態で壊れるように構成され得る。
【0139】
上で述べられたように、顎部材110および120がハンドル30aに配置されたフランジ32により開かれたときに、ナイフアセンブリ70は始動されることを防止され、該フランジ32はハンドル30aおよび30bが開かれたときに、カラー74の遠位方向への始動を防止するように配置されている。閉じた位置へのハンドル30aおよび30bの運動の際、フランジ32はカラー74の遠位方向への移動を可能にし、ナイフバー71を作動するように配置される。
【0140】
鉗子10の内部作用構成要素の動作特徴および相対的な動きは、様々な図において想像表示によって示されている。ハンドル30aおよび30bがぎゅっと握られると、駆動カラー69は、インラインのトグルリンク35aおよび35bの機械的な利点を通じて、近位方向に動かされ、次に、このことがロックナット62aおよび62bに対してバネ63を押しつける。その結果として、駆動カラー69はロックスリーブ62を近位方向に運動させ、次に、該ロックスリーブ62は駆動スリーブ17を近位方向に運動させ、顎部材110および120を閉じる。いったん顎部材110および120が組織に対して閉じられると、ユーザは、単極の作動または双極の作動のいずれかで組織を処置するために、導電性密閉プレートに選択的にエネルギーを加え得る。
【0141】
図6A、図14および図16に最良に示されているように、鉗子10は2つのスイッチ250および260を含み、該2つのスイッチ250および260は筐体20の中または上に設置され、ユーザが鉗子10を選択的に作動することを可能にし、顎部材110および120に双極エネルギーを選択的に伝えるか、または顎部材110および120あるいは単一の顎部材、例えば、顎部材110に単極エネルギーを選択的に伝える。本明細書における目的のために、いずれかのスイッチ、例えば、スイッチ250が単極の作動のために構成され得、他のスイッチ、例えば、スイッチ260が双極の始動のために構成され得るということが想定される。さらに、スイッチ250および260はしるしまたは他の識別要素、例えば、高くなった隆起、スカラップ、様々な形状などを含み得、2つのスイッチ250および260を互いから区別し、該しるしまたは他の識別要素は濡れた動作状態で特に有益であることが明らかになり得る。
【0142】
1つの特に有益な実施形態において、かつ、図6Aに最良に示されているように、スイッチ250および260は、長手方向軸「A」に関して対向する側かつナイフアセンブリ70に関して対向する側で、筐体20の中に設置される。理解され得るように、ナイフアセンブリ70(およびその始動)と、スイッチ250および260(およびその始動)とは、動作状態の間にユーザによって始動/作動を容易にするように、便利な位置に決められている。例えば、組織を処置するためにスイッチ250および260を作動することと、いったん組織が処置されると、組織を切断するためにナイフアセンブリ70を始動することとの両方のために、ユーザは同じ指を利用し得るということが考えられる。
【0143】
図6Aおよび図16に示されているように、ケーブル310は駆動アセンブリ60の1つの側に筐体20bを通って供給され、スイッチアセンブリ170のプリント回路基板172に電気機械的に接続する。さらに詳細には、ケーブル310は内部で複数のリード311a〜311fに分割されており、該複数のリード311a〜311fは、クリンプ状のコネクタ174によって、プリント回路基板172から伸びる一連の対応する接点176a〜176f、または他の導電性リードに固定され、最終的に顎部材に接続する。当該分野において周知である他の電気機械的な接続、例えば、IDC接続、半田づけなどがまた想定される。様々なリード311a〜311fは、様々な電位を伝えるか、またはプリント回路基板172への信号を制御するように構成されており、該プリント回路基板172は、ジェネレータ500と共に、顎部材110および120への電気エネルギーを管理し、監視し、制御するということが想定される。顎部材の記述に関して上で述べられたように、電気リード325aおよび325bは回転部材80を通り、シャフト18に沿って、最終的に顎部材110および120に接続するように伸びる。
【0144】
図23は、本開示の鉗子10での使用のための制御回路510の概略的な表示を示す。上で述べられたように、鉗子10は2つの独立した動作のモード−様々な外科的処置のための双極モードおよび単極モードで動作するように構成されている。スイッチアセンブリ170のスイッチ250(図19および図23におけるS1)または260(図19および図23におけるS2)のうちの1つが押されると、スイッチ250および260の接点(図示せず)は、顎部材110および120に対して適切な電位(または複数の電位)を始動させ、該電位(複数の電位)はリード325aおよび/または325bを通って運ばれる。例えば、スイッチ250(LigaSureTM作動)が押されると、回路基板172は双極鉗子として鉗子10を構成するように、ジェネレータ500に信号を送り、リード325aが第1の電位を顎部材110に運び、リード325bが第2の電位を顎部材120に運ぶ。従って、顎部材110および120は、組織の密閉部を作り出すための作動の際に、組織を通して双極エネルギーを伝える。図23は、この目的を達成するために利用され得る、考えられる電気回路の一例を示す。
【0145】
スイッチ260(単極作動)が押されると、回路基板172は単極鉗子として鉗子を構成し、リード325aは顎部材110に第1の電位を運び、単極の様式で組織を凝固するかまたは処置する。上で述べられたように、顎部材110は単極の延長部を含み、該単極の延長部は様々な組織のタイプ、例えば、脈管組織構造の単極処置を容易にし、および/または狭い組織面の素早い切開を可能にする。単極の延長部の作動は作動回路によって制御され得、該作動回路はユーザが、手術の間に必要に応じて、単極エネルギーまたは双極エネルギーを選択的に加えることを可能にする。想定される1つの作動回路は、「BIPOLAR FORCEPTS HAVING MONOPOLAR EXTENSION」と題される共有に係る米国特許出願第10/970,307号と、BIPOLAR FORCEPTS HAVING MONOPOLAR EXTENSION」と題される米国特許出願第10/988,950号とに開示されており、これらの出願の両方の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0146】
代替的に、図23に最良に示されているように、スイッチ260が押されている単極モードの間、ジェネレータ(またはプリント回路基板)は、リード325aおよび325bの両方が特定の目的に従って、または所望の外科的処置、例えば、所謂「凝固ペインティング」に従って、顎部材110および120に同じ電位を運ぶように命令し得る。理解され得るように、単極モードにおいて、帰還パッドが電気エネルギーのための帰還経路(図示せず)として機能するように患者に接触して必ず配置される。この例における帰還パッドはジェネレータ500に直接的に、または帰還パッド制御メカニズム(図示せず)を通って接続しており、該帰還パッド制御メカニズムは、帰還パッドの特定のパラメータを監視するように構成され得る。想定される様々な制御システムが、「MULTIPLE RF RETURN CABLE PAD CONTACT DETECTION SYSTEM」と題される共有に係る米国特許出願第10/918,984号と、「ELECTROSURGICAL RETURN ELECTRODE MONITOR」と題される米国特許出願第09/310,059号(現在では、米国特許第6,258,085号)と、「DEVICE FOR DETECTING HEATING UNDER A
PATIENT RETURN ELECTRODE」と題される米国特許仮出願第60/616,970号と、「TEMPERATURE REGULATING PATIENT RETURN ELECTRODE AND RETURN ELECTRODE MONITORING SYSTEM」と題される米国特許仮出願60/666,798号に開示されており、全出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0147】
双極モードにおいて、回路510(図23に概略的に図示されている)は、2つの顎部材110および120へのエネルギーを電気的に送る。さらに詳細には、スイッチ250が押されると、回路510の独立した回路520が回路の抵抗降下を認識し、該抵抗降下はジェネレータによって認識され、電気外科的エネルギーが第1の電位を顎部材110に供給し、第2の電位を顎部材120に供給することを開始する。スイッチ520は独立した制御回路として機能し、ジェネレータの中の回路網によって、高い電流のループから保護されており、該高い電流のループは顎部材110および120に電気エネルギーを供給する。これは、作動の間の高い電流の負荷によるスイッチ260の電気的な故障の機会を減少させる。
【0148】
図14に最良に示されているように、ハンドル30aはまたスイッチロックアウトメカニズム255を含み、該スイッチロックアウトメカニズム255は、顎部材110および120が開いた構成に配置されるときに、スイッチ250および260の1つまたは両方の作動を防止するように構成され得る。さらに詳細には、ロックアウトメカニズム255はハンドルアセンブリ30aから筐体20に向けて伸び、スイッチ250および260の1つまたは両方が押され、回路基板172に接触することをロックアウトメカニズム255が防止する第1の位置から、ロックアウトメカニズム255がスイッチ250(またはスイッチ250および260)の作動を可能にするように配置される、筐体20により近い第2の位置に、ハンドル30aと共に選択的に動くことができる。ロックアウトメカニズム255は、スイッチ250および/または260の1つまたは両方の動きを物理的に防止する単に機械的なロックアウトとして構成され得るか、または作動を可能にする安全スイッチを作動する機械的な要素を含む電気機械的なロックアウトとして構成され得るということが想定される。さらに、1つまたは両方のスイッチが独立的かつ排他的に作動可能であり得、すなわち、1回に1つのスイッチのみが作動され得るように、スイッチロックアウトメカニズム255は構成され得る。
【0149】
例えば、柔軟な回路170は安全スイッチ171を含み得、ロックアウトメカニズム225が安全スイッチ171と物理的に係合し、回路を閉じて電気外科的な作動を可能にするときに、該安全スイッチ171は作動される。言い換えると、安全スイッチ171は、(すなわち、ハンドル30aおよび30bが閉じられたときに、ロックアウトメカニズム255の動きによって、)変形されるかまたは物理的に係合され、電気経路を閉じて電気外科的な作動を可能にする。安全スイッチの様々な実施形態に関するさらなる詳細は、図18〜図21Dを参照して以下で記述される。単に電気的な安全スイッチ(図23を参照)が含まれ得、該単に電気的な安全スイッチは、例えば、ハンドル30a(またはハンドル30aおよび30b)におけるポイントの光学的なアライメント(alignment)、スイッチを閉じるための磁気的または電磁気的アライメント(またはミスアライメント(misalignment))、近接センサ、スキャナ、水銀(または類似物)スイッチなどの電気的な条件の満足に基づいて作動を可能にするということがまた想定される。やはり、スイッチ250および/またはスイッチ260の1つまたは両方が独立的かつ排他的に作動可能であり得、すなわち、1回に1つのスイッチのみが作動され得るように、安全スイッチ171は構成され得る。
【0150】
理解され得るように、筐体20上にスイッチ250および260の位置を決めることは、動作の間、有利となり得る。なぜならば、この配置が手術室における電気ケーブルの量を減少させ、「見通しの良い」作動による、外科的処置の間の誤った機器または誤ったスイッチの作動の可能性を排除するからである。安全回路または他の安全メカニズムを停止することなく、スイッチ250および260が顎部材110および120に異なるモード(すなわち、双極または単極モード)でエネルギーを加えることを防止する、すなわち独立的かつ排他的な作動である自動安全回路または電気機械的もしくは機械的安全ロック(図示せず)が使用され得る。例えば、電気的モードをスイッチングする前にスイッチアセンブリ70が再設定されなければならないようにスイッチアセンブリ70を構成することが望ましいことがあり得る。組織を再び掴むこと、ハンドル30aおよび30bを再び開くこと、スイッチをリセットすることもしくはレバーをリセットすること、または当該分野において通例の他の方法によって、再設定は達成され得る。
【0151】
理解され得るように、様々なスイッチングアルゴリズム(図23を参照)が、血管の密閉のための双極モードとさらなる組織の処置(例えば、凝固、切開など)のための単極モードとの両方を作動するために使用され得る。上で述べられた安全またはロックアウトは、他の電気的モードの作動の間、1つの電気的モードを電気的、機械的または電気機械的のいずれかで「ロックアウト」するためのアルゴリズムの一部分として使用され得るということがまたさらに想定される。さらに、トグルスイッチ(または類似物)が、安全上の理由で、1度に1つのモードを作動するように使用され得るということが理解される。
【0152】
組み立てられたとき(およびハンドル30a’および30bと顎110および120とが開かれたとき)に、安全スイッチ171は、図22Aに示されているように、筐体20bの内壁またはレッジ173に固定される。筐体20bに向けたハンドル30aの動きの際に、安全ロックアウト255は、図22Bに示されているように、安全スイッチ171に向けて筐体20bに対して内側に動く。ハンドル30aおよび30bが(上で詳細に述べられたように)閉じた位置に向けて動くにつれ、安全ロックアウト255は安全回路171’(図19および図23におけるS3)に係合し、回路を完成させ、鉗子10の選択的な作動を可能にする(やはり図23を参照)。
【0153】
図14および図23〜図27に最良に示されているように、スイッチングアセンブリは強度制御150を含み得、該強度制御150は、回路基板172に電気機械的に接続し、かつ、動作状態の間、ユーザが電気外科的エネルギーの強度を選択的に調整することを可能にするように構成される。強度制御150は、鉗子が単極モードで構成されているときに、強度制御を調整するように特に構成されているということが想定される。特に有益な1つの実施形態において、強度制御150は細長くされ、接点154を含み、該接点154は強度制御150から横方向に伸び、筐体20を通って回路基板172に電気機械的にインターフェース接続する。作動ノブ151は強度制御150の反対側から横方向に伸び、組み立てられたときに、筐体20の側面から突出するように大きさを決められている(図5A、図5B、図6Aおよび図6Bを参照)。特に有益な1つの実施形態において、強度制御150は筐体20に沿って滑動し、所望に応じて強度レベルを調整するように構成されている。
【0154】
強度制御150は、特定の目的に従って、個々別々のまたは連続した方法で筐体20に沿って滑動するように構成されているということが想定される。例えば、図24〜図27に最良に示されているように、1つの想定される強度制御150’は作動ノブ151’を含むように大きさを決められており、該作動ノブ151’は強度制御150’の1つの側から横方向に伸び、組み立てられたときに、筐体20から突出する。カンチレバー状の延長部153’は、その端にデテント155’を有し、該デテントは、強度制御150’に対して概ね垂直に伸び、強度制御150’の中央に配置されている。カンチレバー状の延長部153’のデテント155’は、筐体20の中に配置されている対応する機械インターフェースまたはトラック161’(図26を参照)に係合するように大きさを決められている。理解され得るように、筐体20の中でデテント155’の作動を容易にする機械的な利点がカンチレバー状の延長部153’によって作り出される。
【0155】
デテント155’は(強度ノブ150’を選択的に作動することによって)選択的に動かすことができ、トラック161’に配置されている様々なくぼみ163a’、163b’、163c’、163d’および163e’に係合し、特定の外科的目的のために所望に応じて、個々別々の強度設定で強度制御ノブ150’をロックする。トラック161’は1つ以上のより大きいくぼみ、例えば、くぼみ163c’を含み得、(示されているような)中央、最近位または最遠位の位置に強度制御150’を戻すことを容易にするということが想定される。
【0156】
デテント155’の反対側の、強度制御150’の反対端は滑動バンプまたは他の機械インターフェース167’を含み、該滑動バンプまたは他の機械インターフェース167’は柔軟な回路基板170および170’の上に動作可能に係合される。強度制御150’が動かされるにつれ、滑動バンプ167’は様々な位置で柔軟な回路基板170(または170’)を変形させるように構成されている。様々な位置で回路基板170(または170’)を変形させることは、以下で記述されるように、柔軟なプリント基板170または170’のインピーダンスを制御することによって強度設定を調節する。言い換えると、滑動バンプ167’は、柔軟な回路170を異なる制御設定にスイッチするために充分な押し下げ力を作り出す。柔軟な回路基板170上の1つの導電層が別の導電層に触れるように曲がり、電気的接点を作り出すときに、スイッチは生じる。理解され得るように、これはユーザが動作状態の間、電気外科的エネルギーの強度を選択的に調整することを可能にする。示されているように、鉗子10は五(5)つの異なる強度設定を含む。
【0157】
図27に最良に示されているように、強度制御150’は筐体20に規定される軌道169’の上に配置され得る。軌道169’は、柔軟な回路170(または170’)の上かつ様々なくぼみ163a’〜163e’の中での、最近位の位置から最遠位の位置への強度制御150’の動きを容易にするように構成されている。
【0158】
様々なタイプのしるし155および/または触覚フィードバック要素(図示せず)、例えば、数値、図形的しるし、機械的インターフェースなどが、位置および/または電気エネルギーの強度のレベルを示すために利用され得る。ユーザはジェネレータ500(図16を参照)における最初の強度レベルを構成し得、鉗子10における強度制御150は、事前に設定されたレベルを一定の割合だけ、移動ノブ151によって増減するために利用され得るということがまた想定される。
【0159】
強度コントローラ150は、(分圧器ネットワークつまり「VDN」として機能するように構成され得る)柔軟な回路基板またはプリント回路基板の上およびそれに沿って滑動する滑動電位差計として機能するように構成され得る。例えば、強度コントローラ150は、相対的に低い強度設定に対応する(例えば、ユーザに最も近い)最近位の位置にノブ151が配置される第1の位置と、相対的に高い強度設定に対応する(例えば、ユーザから最も遠い)最遠位の位置にノブ151が配置される第2の位置と、ノブ151が様々な中間の強度設定に対応する様々な位置に配置される複数の中間の位置とを有するように構成され得る。理解され得るように、近位端から遠位端への強度設定は、例えば、高から低に反転され得る。強度コントローラ150の一実施形態は、「ELECTROSURGICAL PENCIL WITH ADVANCED ES CONTROLS」と題される共有に係る米国特許出願第11/337,990号に開示されており、該出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0160】
図14に図示され、上で述べられたように、ノブ151は筐体20aの中に配置されるガイドチャネル157に沿って進むように大きさを決められ得、該ガイドチャネル157は一連の位置、例えば、5つを規定する一連の個々別々なまたは係止される位置が提供され、低い強度設定から高い強度設定までの出力強度の容易な選択を可能にする。一連の協働する個々別々なまたは係止される位置はまた、ある程度の触覚フィードバックを外科医に提供する。従って、使用において、強度コントローラ150が遠位方向および近位方向に滑動するにつれ、接点154の上に配置される機械的インターフェース158は一連の対応する係止点(図示せず)に選択的に係合させ、強度コントローラ150が所望の強度設定に設定されたときにユーザに触覚フィードバックを提供すると共に、強度レベルを設定する。代替的に、強度コントローラ150から(例えば、「クリック(click)」)、電気外科的エネルギー源500から(たとえば、「トーン」)、および/またはブザーのような補助的な音生成デバイス(図示せず)から、聴覚フィードバックが生成され得る。
【0161】
強度コントローラ150はまた、知覚された出力強度に影響するように、電力パラメータ(例えば、電圧、電力、および/または電流の強度)および/または電力対インピーダンス曲線の形状を調節するように構成および適合され得る。例えば、強度コントローラ150が遠位方向に置かれれば、置かれるほど、顎部材110および120(または単極の構成に配置されたときには、顎部材110だけ)に伝えられる電力パラメータのレベルが大きくなる。鉗子が単極モードで配置されるときには、電力強度は約60mA〜約240mAの範囲にあり得、組織は約2kオームのインピーダンスを有する。60mAの強度レベルは、ごく少量および/または最小の切断/切開/止血効果を提供し得る。240mAの強度レベルは非常に強い切断/切開/止血効果を提供する。
【0162】
強度設定は、一般的には、所望の外科的効果、外科的特質および/または外科医の選択に基づいて、事前に設定され、かつ、参照表から選択される。選択は自動的に行われ得るか、またはユーザによって手動で選択され得る。
【0163】
鉗子10が1つのモードから別のモードに変更されるときに、強度コントローラ150がリセットされなければならない(例えば、ノブ151がガイドチャネル157の最近位に再配置されることにより、事前に設定された構成に強度レベルを再設定する)ように、強度コントローラ150は構成され得るということが想定される。リセットされた後に、強度コントローラ150は、必要に応じて、選択されたモードにとって所望のおよび/または必要な強度レベルに調節され得る。
【0164】
回路基板172またはジェネレータ500はまた、各モードに対する最後の強度レベル設定を記憶するアルゴリズムを含み得るということが想定されかつ考えられる。この方法で、特定のモードが再選択されたときに、強度コントローラ150は最後の動作値にリセットされることを必要としない。
【0165】
本開示はまた、電気外科的ジェネレータ500からの電気外科的エネルギーを用いて組織を処置するための方法に関し、該方法は、シャフト12を取り付けられた筐体20を含む内視鏡型の鉗子10を提供するステップを含む。シャフト12は、シャフト12の遠位端付近に取り付けられた第1および第2の顎部材110および120をそれぞれ含む。顎部材110および120が互いに対して間隔を空けた関係に配置される第1の位置から、顎部材110および120が協働して間に組織を掴む第2の位置に、顎部材110および120を互いに対して動かすために、アクチュエータまたはハンドルアセンブリ30が含まれる。スイッチアセンブリ170は筐体20の上に含まれており、該スイッチアセンブリ170は、ユーザが単極または双極のモードで顎部材110および120に選択的にエネルギーを加え、組織を処置することを可能にする。
【0166】
理解され得、かつ、上で述べられたように、スイッチアセンブリ170は、スイッチ250および260と、プリント回路基板172と、コネクタ176a〜dとを含む。強度コントローラ150はまた、スイッチアセンブリ170と共に含まれ得、いずれかのモードで配置されたときに、電気外科的エネルギーの強度レベルを調整する。この特定の方法において、ステップは、顎部材110および120の間に組織を掴むことと、双極または単極の様式で顎部材110および120を選択的に作動させ、顎部材110および120の間に配置された組織を処置することと、強度コントローラ150を制御することによって、電気外科的エネルギーの強度を選択的に調整することとをさらに含む。
【0167】
本方法の他のステップは、ナイフの選択的な作動のために構成されているナイフアセンブリ70を提供するステップと、組織の処置の後にナイフ190を進め、組織を分離するために、ナイフアセンブリ70を選択的に作動するステップとを含み得る。さらに別のステップは、動作状態の間に必要に応じて電気外科的エネルギーの強度を調節することと、作動の前に、ナイフアセンブリ70のロックを外すか、または第1の位置から第2の位置にハンドル30aおよび30bを作動しているときに、同時にナイフアセンブリ70のロックを外すこととを含み得る。
【0168】
図17に最良に示されているように、ナイフアセンブリ70の細長いナイフバー71の遠位端71aは、ナイフ190にその近位端で取り付けられる。ナイフ190は、当該分野において公知の任意の方法、例えば、スナップフィット、摩擦嵌入、ピン止め、溶接、接着剤などでナイフバー71に取り付けられ得るということが想定される。図17に示されている特定の実施形態において、クランプカラー197は、ナイフ190をナイフバー71にしっかりと係合されたままに保つために使用される。
【0169】
スイッチ250および260は一般的に押しボタンタイプであり、(いったん組み立てられると)筐体20のそれぞれの開口250’および260’の中に座るように人間工学的に大きさを決められる。スイッチ250および260は、ユーザが組織の外科的処置のために鉗子10を選択的に作動することを可能にするということが想定される。さらに詳細には、スイッチ250または260のいずれかが押されると、電気外科的エネルギーがリード325aおよび/または325bを通ってそれぞれの顎部材110および120に送られる。
【0170】
また、上で述べられたように、顎部材110および120が閉じられた場合および/または顎部材110および120が間に保持された組織を有する場合でなければ、スイッチ250および260の1つまたは両方が始動し得ないように、安全スイッチ255(または回路またはアルゴリズム(図示せず))が使用され得る。後者の例において、組織が顎部材の間に掴まれているかどうかを決定するために、センサ(図示せず)が使用され得る。さらに、手術前、同時(すなわち、手術中)および/または手術後の外科的状態を決定する他のセンサメカニズムが使用され得る。これらのセンサメカニズムはまた、電気外科的ジェネレータに結合される閉ループのフィードバックシステムと共に利用され得、手術前、同時(すなわち、手術中)および/または手術後の外科的状態の1つ以上に基づいて、電気外科的エネルギーを調整する。様々なセンサメカニズムとフィードバックシステムとが、「METHOD AND SYSTEM FOR CONTROLLING OUTPUT OF RF MEDICAL GENERATOR」と題される共有に係る同時係属中の米国特許出願第10/427,832号に記述されており、該出願の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0171】
再び図14に戻ると、筐体20と、回転アセンブリ80と、駆動アセンブリ70と、ハンドルアセンブリ30と、スイッチアセンブリ170との分解図を示しており、これらの様々な構成要素のパーツの全ては、シャフト12および末端エフェクタアセンブリ100と共に、製造プロセスの間に組み立てられ、部分的および/または完全に使い捨ての鉗子10を形成するということが想定される。例えば、上で述べられたように、シャフト12および/または末端エフェクタアセンブリ100は使い捨てであり得、従って、筐体20および回転アセンブリ80に選択的/解放可能に係合することができ、部分的に使い捨ての鉗子10を形成し得、および/または鉗子10全体が使用後に捨てられ得る。
【0172】
対向する顎部材110および120は、ナイフアセンブリ70のロックを外すことなく、回転され、部分的に開かれ、閉じられ得、理解され得るように、該ナイフアセンブリ70は、時期尚早にナイフ190を作動することなく、ユーザが組織を掴み処理することを可能にするということが想定される。以下で述べられるように、ハンドル30aおよび30bの実質的に完全に閉じられた位置だけが、作動のために、ナイフアセンブリ70のロックを外す。
【0173】
いったん密閉部位に対し所望の位置が決定され、顎部材110および120が適切に配置されると、ハンドル30aおよび30bがぎゅっと握られ得、駆動アセンブリ60を作動し、組織に対して顎部材110および120を閉じる。上で述べられたように、ハンドル30aおよび30bが組織に対して完全に閉じられたときに、トグルリンク35aおよび35bは長手方向軸「A」に平行な方向を越えて過回転し、その結果、ハンドル30aおよび30bをわずかに解放することがバネ63を付勢し、ハンドル30aおよび30bを互いに対してロックする。理解され得るように、ハンドル30aおよび30bが互いに対してロックするとき、次に、顎部材110および120は、約3kg/cm2〜約16kg/cm2の圧力範囲内で、好適には、約7kg/cm2〜約13kg/cm2の圧力範囲内で、組織に対してロックして固定する。ここで鉗子10は電気外科的エネルギーの選択的な印加および(所望される場合には)その後の組織の分離のための準備が整う。
【0174】
長手方向軸「A」に対するトグルリンク35aおよび35bの配置により得られる機械的利点と、相互係合するギアティースとして遠位端34a’および34b’を構成することによって得られる機械的な利点との組み合わせは、約3kg/cm2〜約16kg/cm2の作用圧力範囲内で、特に有益な実施形態においては、約7kg/cm2〜約13kg/cm2の作用圧力範囲内で、組織に対する一貫した均一かつ正確な閉鎖圧力を容易にしかつ確実にするということが想定される。組織に印加される電気外科的エネルギーの強度、周波数、および持続期間を制御することによって、ユーザは、スイッチ250および260のいずれかまたは両方を作動することによって、焼灼するか、凝固し/乾燥させるか、密閉するか、および/または出血を単に減少させるかまたは遅くするかのいずれかを行い得る。
【0175】
1つ以上の特に有益な実施形態において、顎部材110および120の導電性密閉面112、122のそれぞれは、尖った縁での電流の集中を避け、高電流の地点間でのアークをさけるために、比較的に平坦である。さらに、顎部材110および120は、好適には、係合したときの組織の反作用の力による曲げに耐えるように製造される。例えば、顎部材110および120は幅に沿ってテーパーを付けられ得、このことは、顎部材110および120のより厚い近位部分が組織の反作用の力による曲げに耐えるので、有利となる。
【0176】
上で述べられたように、少なくとも1つの顎部材、例えば、120は1つ以上の停止部材90を含み、該停止部材90は2つの対向する顎部材110および120の互いに対する動きを制限する。停止部材(複数の停止部材)90は、特定の材料特性(例えば、圧縮強度、熱膨張性など)に従って、所定の距離だけ密閉面122から伸びるように大きさを決められ得、密閉の間に一貫した正確なギャップ距離「G」をもたらす。密閉の間の、対向する密閉面112と122との間のギャップ距離は、約0.001インチ〜約0.006インチの間、1つの特に有益な実施形態においては、約0.002〜0.003インチの間の範囲にある。非導電性停止部材(複数の部材)90は、顎部材110および120の上に成型(例えば、オーバーモールド、射出成型など)され得るか、顎部材110および120の上にスタンピングされ得るか、または顎部材110および120の上に堆積され得る。例えば、1つの技術は、顎部材110および120の1つまたは両方の表面にセラミック材料(または類似物)を溶射し、停止部材(複数の停止部材)90を形成することを含む。様々な面に広い範囲の熱抵抗性かつ絶縁性の材料を堆積し、導電性面112および122の間のギャップ距離を制御するための停止部材90を作成することを含む、いくつかの溶射技術が考えられる。
【0177】
エネルギーが顎部材110および120を横切り組織を通って末端エフェクタアセンブリ100に選択的に伝えられるとき、組織の密閉部は分離した2つの組織の半分を形成する。この時点で他の公知の血管密閉機器では、ユーザは、鉗子10を取り外し、そして、組織の密閉部に沿って組織の半分を分割する切断機器(図示せず)に取り替えなければならない。理解され得るように、これは時間を浪費しうんざりするものであり、理想的な組織切断面に沿った切断機器の誤配列および誤配置による、組織の密閉部を横切る不正確な組織分割となり得る。
【0178】
上で詳細に述べられたように、本開示はナイフアセンブリ70を組み込み、トリガノブ76を介して作動されたときに、該ナイフアセンブリ70は正確に理想的な組織面に沿って組織を漸進的かつ選択的に分割し、間に組織のギャップを有する2つの密閉された半分に組織を効果的かつ確実に分割する。ナイフアセンブリ70は、カニューレまたはトロカールのポートを介して切断機器を取り替えることなく、密閉直後に、ユーザが組織を素早く分離することを可能にする。理解され得るように、組織の正確な密閉および分割は同じ鉗子10を用いて達成される。
【0179】
ナイフブレード190はまた同じまたは代替の電気外科的エネルギー源に結合され得、組織の密閉部に沿った組織の分離を容易にするということが想定される。さらに、ナイフブレードの先端192の角度は、特定の目的に従って、幾分急な切断角度を提供するように大きさを決められ得るということが想定される。例えば、ナイフブレードの先端192は、切断に関連する「組織の小片」を少なくする角度で配置され得る。さらに、ナイフブレードの先端192は、特定の目的に従って、または特定の結果を達成するために、例えば、鋸歯状、V字状、目打ち状、中空状、凹状、凸状などのような様々なブレードの幾何形状を有するように設計され得る。鉗子10は、組織の密閉部の形成後に組織を分割するために、単極モードで作動され得るということがまた考えられる。
【0180】
いったん組織が組織の半分に分割されると、顎部材110および120は、ハンドル30aおよび30bを再び掴み、各ハンドル30aおよび30bを筐体20に対して外方向に動かすことによって開かれ得る。ナイフアセンブリ70は漸進的かつ単一方向の様式(すなわち遠位方向)に概ね切断するということが想定される。
【0181】
図3A〜図3Cに最良に示されているように、顎部材110および120の近位部分とシャフト12の遠位端16とは、弾力的なまたは柔軟な絶縁材料またはブート220によって被膜され得、電気外科的作動の間、特に、単極作動モードにおける迷走電流の集中を減少させる。さらに詳細には、顎部材110および120が閉じた姿勢で配置されたときの第1の構成(図3Bを参照)から、顎部材110および120が開かれたときの第2の構成(図3Aおよび図3Cを参照)まで、ブート220は柔軟である。理解され得るように、顎部材110および120が開いているときには、ブートはエリア220aおよび220bで曲がるかまたは伸張し、近位フランジ113および123の動きに適応する。1つの想定される絶縁ブート220に関するさらなる詳細は、「INSULATING BOOT FOR ELECTROSURGICAL FORCEPS」と題される共有に係る同時に出願された米国特許仮出願第60/722,213号[代理人整理番号第203−4546(H−US−00237)号]に記述されており、該出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0182】
図18〜図22は、柔軟な回路170’での使用のための安全ロックアウトメカニズム255’の1つの特に有益な実施形態を示す。上で記述された安全ロックアウト255とほとんど同じく、ロックアウトメカニズム255’はトリガロックアウト32’に対して遠位方向の地点でハンドル30aに配置される。この特定の安全ロックアウト255’は、図18に最良に示されているように、長手方向軸「A」に対して垂直に伸びるように構成されている。筐体20に向けたハンドル30a’の動きは、上で記述された方法と似た方法で安全ロックアウト255’を筐体20に向けて動かす。安全ロックアウト255’は柔軟な回路170’の安全スイッチ171’に係合するように構成され、ハンドル30a’(次に顎部材110および120)が筐体20に対して動かされた(すなわち、ハンドル30a’および30b’の両方が組織を掴むために閉じられた)ときだけに作動することを可能にする。
【0183】
図20の概略図に最良に示されているように、安全スイッチ171’が作動されるまで、回路400が開いたままであるように、安全スイッチ171’は回路400の一部分として設計される。図21は組み立ての前後の安全スイッチ171’の位置を示す。さらに詳細には、組み立て時に、安全スイッチ171’は筐体20の先端部分20aによって所定の位置へと曲げられ(想像表示を参照)、その結果、安全スイッチ171’の遠位部分が筐体20bの中に配置されている内壁またはレッジ173’に対して付勢され、押し込まれる。安全スイッチ171’は、鉗子10の耐用年数の間、適切な位置に固定されたままであるということが想定される。
【0184】
図22A〜図22Cは安全スイッチ171’の作動順序を示す。さらに詳細には、上で述べられたように、安全スイッチ171’は、組み立てられたとき(およびハンドル30aおよび30bと顎部材110および120とが開かれたとき)に、図22Aに示されているように、筐体20bの内壁またはレッジ173’に対して固定される。筐体20bに向けたハンドル30a’の動きの際に、安全ロックアウト255’は、図22Bに示されているように、筐体20bに対して内方向に安全スイッチ171’に向けて動く。ハンドル30a’および30bが(上で詳細に記述されたように)閉じた位置に向けて動くにつれ、安全ロックアウト255’は安全回路171’に係合し、回路400を完成させ、かつ、鉗子10の選択的な作動を可能にする。
【0185】
いったん閉じられると、安全スイッチ171’は双極および単極の両方の作動を可能にするように構成され得るか、または例えば、安全スイッチ171’をリセットすること(すなわち、ハンドル30a’および30b’を開き再びぎゅっと握ること、別のトグルスイッチ(図示せず)など)なしには、1度に1つのタイプの電気的作動のみ可能にするより制限された様式で構成されるということが想定される。
【0186】
上の記述から、および様々な図面を参照して、特定の改変がまた本開示の範囲を逸脱することなく本開示に対して行われ得るということを当業者は理解し得る。例えば、鉗子10に他の機能、例えば、細長いシャフト12に対して末端エフェクタアセンブリ100を軸方向に移動する連結アセンブリを加えることが好ましいことがあり得る。
【0187】
鉗子10(および/または鉗子10と共に使用される電気外科的ジェネレータ)はセンサまたはフィードバックメカニズム(図示せず)を含み得、該センサまたはフィードバックメカニズムは、顎部材110および120の間に掴まれた特定のサイズの組織を効果的に密閉する適切な量の電気外科的エネルギーを自動的に選択するということがまた考えられる。センサまたはフィードバックメカニズムはまた、密閉の間、組織を横切るインピーダンスを測定し、(視覚および/または聴覚)インジケータを提供し得、その結果、効果的な密閉部が顎部材110および120の間に作成される。このようなセンサシステムの例は、「METHOD AND SYSTEM FOR CONTROLLING OUTPUT OF RF MEDICAL GENERATOR」と題される共有に係る米国特許出願第10/427,832号に記述されており、該出願の全内容は本明細書において参考として援用される。
【0188】
さらに、ナイフアセンブリ70は、同じ目的を達成するために設計される他のタイプのリコイルメカニズム、例えば、ガス作動リコイル、電気作動リコイル(すなわちソレノイド)などを含み得るということが考えられる。鉗子10は密閉することなく組織を切断するために使用され得るということがまた想定される。代替的に、ナイフアセンブリ70は同じまたは代替の電気外科的エネルギー源に結合され得、組織の切断を容易にする。
【0189】
図面は独立した血管を処置する鉗子10を描いているが、鉗子10は独立していない血管にも同様に使用され得る。理想的な組織面に沿って組織を切断する他の切断メカニズムがまた考えられる。
【0190】
末端エフェクタアセンブリ100の外面は、ニッケルベースの材料の被覆、スタンピング、金属射出成型を含み得、それらは、作動および密閉の間、顎部材110および120の間での周囲の組織との粘着を低減させるように設計されているということが想定される。さらに、顎部材110および120の導電性面112および122が、以下の材料のうちの1つ(または1つ以上の組み合わせ)から製造されるということがまた考えられる:ニッケルクロム、窒化クロム、THE Electrolizing Corporation of OHIOによって製造されているMedCoat 2000、インコネル600、およびスズ−ニッケルである。組織の導電面112および122はまた、同じ結果、すなわち、「非粘着面」を達成するために、上記の材料のうちの1つ以上で被覆され得る。理解され得るように、密閉の間に組織が「粘着」する量を減少させることは、機器の全体的な効率を改善する。
【0191】
本明細書において開示された1つの特定の部類の材料は、優れた非粘着特性を示し、一部の例においては、優れた密閉の質を示した。例えば、窒化物の被覆は、限定するわけではないが、TiN、ZrN、TiAlN、およびCrNを含み、非粘着目的のために使用される好適な材料である。CrNは、表面全体の特性および最適性能により、非粘着目的のために特に有益であることが分かった。他の種類の材料がまた全体的な粘着性を減少させることが分かった。例えば、約5:1のNi/Cr比を有する高ニッケル/クロム合金が、双極器具における粘着性を顕著に減少させることが分かった。この種類における1つの特に有益な非粘着材料はインコネル600である。密閉面112および122を有し、Ni200、Ni201(〜100%Ni)で作られているか、または被覆されている双極器具はまた、一般的な双極ステンレス鋼電極を上回る改善された非粘着性能を示した。
【0192】
図面は、本開示の鉗子で使用するための、1つの特定のタイプの単極ロックアウトまたは安全メカニズム255を示すが、図18および図19は鉗子10と共に使用され得る代替の安全ロックアウトメカニズムを示す。
【0193】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示はそれらに限定されることを意図されていない。なぜならば、本開示が、技術的に可能な限り広い範囲となり、かつ、本明細書が、技術的に可能な限り広い範囲となるように読まれることが意図されているからである。従って、上の記述は限定として考えられるべきではなく、好適な実施形態の単なる例示として考えられるべきである。当業者は添付の特許請求の範囲および意図を逸脱することなく他の改変を想定する。
【0194】
(摘要)
内視鏡型の鉗子は、シャフトを取り付けられている筐体を含み、該シャフトは遠位端に配置されている一対の顎部材を含む。鉗子はまた、顎部材が互いに対して間隔を空けられた関係に配置されている第1の位置から、組織を処置するために、該顎部材が互いに近づく第2の位置に、顎部材を互いに対して動かす、筐体内に配置されている駆動アセンブリを含む。一対のハンドルは駆動アセンブリに動作するように接続されており、該ハンドルは、駆動アセンブリを作動し、顎部材を動かすために、筐体に対して動くことができる。顎部材が組織を処置するためにエネルギーを伝えることができるように、各顎部材は電気エネルギー源に接続するように適合されている。鉗子はまた、筐体の上に配置され、単極の様式で組織を処置するために、少なくとも1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である第1のスイッチを含む。第2のスイッチは、筐体の上に配置され、双極の様式で組織を処置するために、1つの顎部材に第1の電位のエネルギーを選択的にデリバリし、かつ、他の顎部材に第2の電位のエネルギーを選択的にデリバリするために作動可能である。
【符号の説明】
【0195】
10 鉗子
12 シャフト
14 シャフトの近位端
16 シャフトの遠位端
20 筐体
30 ハンドルアセンブリ
70 ナイフトリガアセンブリ
80 回転アセンブリ
100 末端エフェクタアセンブリ
250 スイッチ
260 スイッチ
310 電気外科的ケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡型の鉗子であって:
筺体であって、該筺体に取り付けられたシャフトを有し、該シャフトがその遠位端に配置された一対の顎部材を含む、筺体と;
該顎部材の少なくとも1つを、該顎部材が互いに対して間隔を置いた関係で配置される第1の位置から、該顎部材が協働してそれらの間に組織を把持する第2の位置に移動するように作動可能である、該筺体中に配置される駆動アセンブリと;
該駆動アセンブリに作動可能に接続された一対のハンドルであって、該ハンドルの少なくとも1つが該筺体に対して移動可能であり、該駆動アセンブリを作動して該顎部材の少なくとも1つを該第1の位置と該第2の位置との間に移動する、一対のハンドルと;を備え、
各々の顎部材が、電気エネルギーの供給源に接続されるよう構成され、該顎部材が組織を処置するためにそれを通ってエネルギーを伝達することができ;そして
該筺体と作動可能に連結されるナイフアセンブリであって、該顎部材が該第2の位置に配置されるとき、該顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進行するために選択的に作動可能である、ナイフアセンブリ、を備える、内視鏡型の鉗子。
【請求項1】
内視鏡型の鉗子であって:
筺体であって、該筺体に取り付けられたシャフトを有し、該シャフトがその遠位端に配置された一対の顎部材を含む、筺体と;
該顎部材の少なくとも1つを、該顎部材が互いに対して間隔を置いた関係で配置される第1の位置から、該顎部材が協働してそれらの間に組織を把持する第2の位置に移動するように作動可能である、該筺体中に配置される駆動アセンブリと;
該駆動アセンブリに作動可能に接続された一対のハンドルであって、該ハンドルの少なくとも1つが該筺体に対して移動可能であり、該駆動アセンブリを作動して該顎部材の少なくとも1つを該第1の位置と該第2の位置との間に移動する、一対のハンドルと;を備え、
各々の顎部材が、電気エネルギーの供給源に接続されるよう構成され、該顎部材が組織を処置するためにそれを通ってエネルギーを伝達することができ;そして
該筺体と作動可能に連結されるナイフアセンブリであって、該顎部材が該第2の位置に配置されるとき、該顎部材の間に配置された組織を通ってナイフを進行するために選択的に作動可能である、ナイフアセンブリ、を備える、内視鏡型の鉗子。
【図1B】
【図2】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図7】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図15B】
【図16】
【図26】
【図1A】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図6A】
【図6B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図7】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図15B】
【図16】
【図26】
【図1A】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図6A】
【図6B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2013−59635(P2013−59635A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−245136(P2012−245136)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【分割の表示】特願2007−287955(P2007−287955)の分割
【原出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(507364377)コヴィディエン・アクチェンゲゼルシャフト (62)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−245136(P2012−245136)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【分割の表示】特願2007−287955(P2007−287955)の分割
【原出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(507364377)コヴィディエン・アクチェンゲゼルシャフト (62)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]