説明

ウイルス組成物の安定化

本発明は、安定化したウイルス組成物(好ましくは弱毒化若しくは遺伝子組み換えした単純ヘルペスウイルス又は水痘帯状発疹ウイルスであり得るヘルペスウイルス)、並びに糖(好ましくはグルコース)及びアミノ酸(好ましくはリジン)の添加によりウイルスを安定化し、製剤に免疫付与する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、免疫付与製剤に特に有用な生ウイルス及び生ウイルス組成物を安定化させる方法及び組成物に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
該当なし。
【0003】
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載]
該当なし。
【0004】
[コンパクトディスクで提出された資料の参照による援用]
該当なし。
【背景技術】
【0005】
[発明の背景]
[米国特許法施行規則1.97条及び米国特許法施行規則1.98条に開示の情報を含む関連技術の記載]
生ウイルスは通常、熱に不安定であり、ヘルペスウイルスの生ウイルスは特に熱に不安定である。単純ヘルペスウイルスは、延長保存では−80℃であっても不安定である。ワクチン製剤はしばしば、低温凍結製品又は凍結乾燥製品として供給され、数多くの安定化方法が評価されている。
【0006】
米国特許第4,147,772号は、加水分解したゼラチン及び多価アルコールの使用を開示している。
【0007】
米国特許第4,337,242号は、加水分解したゼラチン及び単糖に加えて、L−グルタミン酸及びL−アルギニンの使用を開示している。
【0008】
米国特許第4,500,512号は、黄熱病ワクチンのためのカルシウムイオン、マグネシウムイオン、アミノ酸、及びラクトース又はソルビトールを含有するリン酸緩衝液(PBS)の使用を開示し、非常に低濃度のアミノ酸(0.005〜0.05M)による安定化のいくつかの例を挙げている。
【0009】
米国特許第4,537,769号は、インフルエンザワクチンのためのアミノ酸(グリシン、イソロイシン、ロイシン、リジン、ヒスチジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アラニン、アスパラギン酸、及びグルタミン酸)より非常に優れたタンパク質加水分解物の使用を開示している。
【0010】
米国特許第4,985,244号は、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、グルタミン酸、及びゼラチン加水分解物による麻疹ワクチン、おたふく風邪ワクチン、風疹ワクチンの安定化を開示している。
【0011】
米国特許第5,792,643号は、組み換えレトロウイルスを安定化させるためのマンニトール、ラクトース、スクロース、及びトレハロースの使用を開示している。
【0012】
米国特許第5,618,539号は、ポリオウイルスを安定化させるための特定のポリアミン、特に1〜2モル濃度のリジンの使用を開示している。
【0013】
米国特許第5,948,411号は、スクロース、ラクトース、ソルビトール、システイン、グルタミン酸、ゼラチン、並びにカルシウムイオン及びマグネシウムイオンが除去されている加水分解ゼラチンの添加によって安定化させる生水痘ウイルスワクチンを開示している。
【0014】
米国特許第6,258,362号は、分子量5,000〜70,000の多糖又は部分的に加水分解したペプトン、緩衝液、及び単糖によって安定化させる凍結乾燥したヘルペスウイルス組成物を開示している。
【0015】
生ウイルスワクチンを安定化させるのに様々な組成物を使用しているが、ウイルス製剤の安定性、特にヘルペスウイルス、さらに特には単純ヘルペスの安定性を改善する製剤の必要性が存在することは明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
[発明の概要]
本発明の実施の形態は、単純ヘルペスウイルス(特に1型及び2型)等の生ウイルスを含有する生ウイルスワクチンの安定性を改善するための組成物を提供する。このような改良安定剤は、濃度が0.2〜200g/lであるリジン及び濃度が0.2〜200g/lである糖又は糖アルコールを含有する。このような組成物においてリジン及びグルコースを含有することは、液状及び固体状の両方におけるワクチンの安定化の改善、並びにワクチン製剤のためにウイルスを集菌する方法での収率の改善をもたらす。リジン及びグルコースの使用は、動物由来の産物を含まないワクチン安定剤の形成を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、本発明の実施の形態の目的は、生ウイルス(特にヘルペスウイルス及びさらに特には単純ヘルペスウイルス)の保存に対する安定性の改善を提供することである。
【0018】
本発明の実施の形態の目的はまた、生ウイルス(特にヘルペスウイルス及びさらに特には単純ヘルペスウイルス)を安定化させる方法を提供することである。
【0019】
本発明の実施の形態の別の目的は、免疫付与製剤(特にヘルペスウイルス製剤及びさらに特には単純ヘルペスウイルス製剤)の調製に使用することができるウイルスの安定化製法を提供することである。
【0020】
本発明の実施の形態のさらに別の目的は、動物又は人間において使用することができる、安定化した免疫付与製剤(特にヘルペスウイルス製剤及びさらに特には単純ヘルペスウイルス製剤)を提供することである。
【0021】
本発明の実施の形態のさらに別の目的は、ウイルスを細胞又は培養培地から抽出することでウイルスを安定化させる方法を提供することである。
【0022】
本発明の実施の形態のさらに別の目的は、動物由来のさらなる産物を含まない安定化したウイルス組成物を提供することである。
【0023】
本発明の実施の形態のこれらの目的及び別の目的は、以下の記載より明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[発明の詳細な説明]
本発明の実施形態は、生ウイルスワクチンのための改良安定剤である組成物に関する。この改良安定剤は、凍結したヘルペスウイルス(特に単純ヘルペス及び遺伝子組み換えした単純ヘルペス)に安定性を与えない従来の安定剤の成分にかわるものである。本発明はまた、このような改良安定剤を有するウイルスを含む免疫付与組成物を提供する。
【0025】
本発明の実施形態は、組み換え型であろうが動物であろうが、タンパク質を加えずとも、リジン及びグルコースが不活性化に対して生ウイルス(特にヘルペスウイルス)を安定化させることを見出しているという点で、血清アルブミンのような成分を含む従来技術の安定剤の使用に比べ大幅な改善を示す。
【0026】
本発明による組成物の実施形態は、これら組成物が、例えば滅菌など許容可能な水準に達するように、すでに知られている製薬実務に従って包括的に構成され得る。
【0027】
希釈又は再構成した注射用液体において、例えば約103〜約108pfuのウイルスの用量を得るように、本発明の実施例による凍結又は凍結乾燥した製剤におけるウイルスの用量を選択することができる。一般に選択される例の注射用の用量は約0.1〜0.5mlである。
【0028】
再構成される液体として、製剤の主成分が同じ濃度であるか、より大きいか、又はより小さい濃度かのいずれかである液体組成物から、凍結又は凍結乾燥した製剤を調製することができる。
【0029】
凍結乾燥した産物の含水量は、0.5〜15%の範囲であり、約10%未満(例えば約5%未満、例えば約2%もしくはそれ以下)であり得る。
【0030】
また、ヘルペスウイルスの免疫付与製剤の安定化医薬品を製造する方法が、本発明の実施形態により提供され、これは注射用水溶液において分散性であり、(i)活性ワクチン成分としてのウイルス(好ましくはヘルペスウイルス)(例えば弱毒化若しくは遺伝子組み換えした単純ヘルペスウイルス又は水痘帯状発疹ウイルス)、(ii)滅菌水溶性組成物における最終濃度が0.2〜200g/lであるリジン、及び(iii)グルコース、ラクトース、又は糖アルコール(例えばマンニトール又はソルビトール)等の糖を含む上記滅菌水溶性組成物を凍結乾燥することを含む。
【0031】
さらに、ヘルペスウイルスの免疫付与製剤の安定化した医薬品を製造するための本発明の実施形態の方法、これは凍結安定化した製剤であって(i)活性免疫付与成分としてのウイルス(好ましくはヘルペスウイルス)(例えば弱毒化若しくは遺伝子組み換えした単純ヘルペスウイルス又は水痘帯状発疹ウイルス)、(ii)滅菌水溶性組成物における最終濃度が0.2〜200g/lであるリジン、及び(iii)グルコース又はラクトース等の糖、マンニトール又はソルビトール等の糖アルコール(この場合、害なく人間又は動物に注射することができるような適切なレベルの浸透圧までこの製剤を希釈するために、水又は薬理学的に好適な緩衝液が添加される)を含む上記滅菌水溶性組成物をバイアルに入れる(vialing)ことを含む。
【0032】
例えば凍結乾燥するための凍結液体のガラス転移温度未満の温度で、従来の凍結乾燥の実施方法により、任意の適切な期間にわたって上記製造物の凍結乾燥を行うことができ、上記製造物は、好ましくは滅菌条件下でガラスバイアル中では固体の乾燥ケーキ(solid dried cake)状であり得る。凍結乾燥方法は、2段階乾燥を達成するためのすでに知られているプロセス工程を含むことができ、このプロセス工程において、例えば約−40℃以下
の温度で第1段階の含水量の昇華が行われ、その後、部分的に乾燥した組成物によってケーキが形成されるのに十分に乾燥が進み、より高い温度でその形状が維持されると、組成物の温度がより高い温度(例えば0〜+10℃)まで上がり、低減した圧力のままこのような温度の上昇中及び上昇後、さらなる量の水を除去する。
【0033】
滅菌水溶液(例えば注射用水)で都合よく上記製造物を再び水和させることができる。
【0034】
注射用のウイルスワクチンの液体製剤を製造する方法が本発明の実施形態によって提供され、この方法は、ほぼ等張濃度の液体組成物を製造するために、注射用水溶液中、上記で特定される滅菌した凍結乾燥製剤(例えば組み換え単純ヘルペスウイルスの安定化医薬品)を分散又は溶解することを含む。
【0035】
上記組成物は、他のコロイド等の他の物質も含むことができ、存在する場合、ヒドロキシエチルデンプン等の多糖類又は多糖類誘導体であることが好ましい。この製剤のウイルスは一般的には生ウイルス、好ましくは弱毒化又は遺伝子組み換えした生ウイルスを含み得る。
【0036】
このウイルスは、感染性ウイルス(例えばヘルペスウイルス)であることが好ましく、例えば国際公開特許第92/05263号(Immunology Ltd: Inglis他)、L H Nguyen, D Knipe他, J Virol 66(12)(1992年12月)7067-7072、国際公開特許第94/01573号(Akzo: Peeters他)、国際公開特許第94/03595号(Akzo: Visser他)、国際公開特許第94/21807号(Cantab Pharmaceuticals Research Ltd: Inglis他)、国際公開特許第95/18852号(Harvard College and Dana-Farber Cancer Institute:
D Knipe他)、国際公開特許第96/04395号(Lynxvale Ltd: P Speck他)、国際公開特許第96/26267号(Cantab Pharmaceuticals Research Ltd: MEG Boursnell他)、米国特許第6,207,168号(University of Maryland at Baltimore: Aurelian)、米国特許第6,054,131号(University of Maryland at Baltimore: Aurelian)、及び米国特許第6,013,265号(University of Maryland at Baltimore: Aurelian)において記載されているか、又は言及されている種類の1つである遺伝的に欠失した(disabled)ウイルスであり得る。
【0037】
本発明の実施形態は、例えば特にヘルペスウイルス及びポックスウイルスに適用可能である。特に有用な用途は、例えばこのウイルスが免疫賦活剤又は異種抗原をコードする外因性遺伝物質を有する実施形態では、例えば、国際公開特許第94/21807号(Cantab Pharmaceuticals: Inglis他)、国際公開特許第96/26267号(Cantab Pharmaceuticals Research Ltd: MEG Boursnell他)、米国特許第6,207,168号(University of Maryland at Baltimore: Aurelian)、米国特許第6,054,131号(University of Maryland at Baltimore: Aurelian)、及び米国特許第6,013,265号(University of Maryland at Baltimore: Aurelian)に記載されるような欠失したHSV−2の形態でのHSV(例えばHSV−2)の安定化に関するものである。例えば水痘帯状疱疹ウイルス、ウシのヘルペスウイルス、及び仮性狂犬病ウイルス等の他のヘルペスウイルスも、同様の結果を伴って本明細書中に記載されるように製造することができる。
【0038】
本発明の組成物の例は、例えばin−vivo及びex−vivoの使用のために、免疫原、ワクチン、及びウイルスベクター製剤を含むことができる。該組成物は、上記のウイルス以外の免疫原(例えばインターロイキン(例えばIL−12)等の免疫賦活剤、及び所定の使用目的に望まれるようなすでに知られている安定剤及び賦形剤)を含み得る。
【実施例】
【0039】
[実施例1]
力価が1×108pfu/mLである弱毒化したヘルペスウイルス製剤は、さらなるヒスチジン、プロリン、又はグルコースを含むヒスチジン(0.002%)若しくはグルコースが添加されているプロリン(0.002%)を含有し、23℃、4℃、及び−20℃に維持された。0日、7日、及び21日で、力価をプラークアッセイ法によって測定した。以下の表1は、指定の日数で見出された力価(6uLで×1000(pfu))を示す。
【0040】
【表1】

【0041】
実施例1は、それぞれの実験処理で、対照に比べてそれぞれの温度で生存能力が拡大したことを示した。
【0042】
[実施例2]
力価が1×108pfu/mLである弱毒化したヘルペスウイルス製剤は、さらなるリジン(0.9M)、又はグルコース(2%)が添加されているリジン(0.9M)を含有し、23℃、4℃、及び−20℃に維持された。0日、14日、及び28日で、力価をプラークアッセイ法によって測定した。以下の表2は、指定の日数で見出された力価(1uLで×1000(pfu))を示す。
【0043】
【表2】

【0044】
実施例2は、リジン又はリジンとグルコースとの混合物によりウイルス寿命が延長したことを示した。
【0045】
[実施例3]
最終濃度が0.875Mであり、及び2%のグルコースが添加されているリジンにおける力価が1×107pfu/mLである弱毒化したヘルペスウイルス製剤は、室温(約23℃)、4℃、及び−20℃に維持された。0日及び28日で、力価をプラークアッセイ
法によって測定した。以下の表3は、指定の日数で見出された力価(7uLで×1000(pfu))を示す。
【0046】
【表3】

【0047】
実施例3は、−20℃でリジン及びグルコースによりウイルス寿命が延長したことを示した。
【0048】
[実施例4]
力価が1×108pfu/mLである弱毒化したヘルペスウイルス製剤は、2%のグルコースが添加されているリジンの最終濃度が0.3M、0.5M、及び0.7Mになるまで希釈して、そのアリコートを−20℃に維持した。0週及び9週で、力価をプラークアッセイ法によって測定した。以下の表4は、9週で見出された(0日(100%)に対する)力価を示す。
【0049】
【表4】

【0050】
実施例4は、グルコースを含む3つの濃度のリジン全てが、−20℃で単純ヘルペスの寿命を延長したことを示した。
【0051】
[実施例5]
2%のグルコースを含む0.3Mのリジン(最終濃度)における、力価が6×106pfu/mL及び1.6×106pfu/mLである弱毒化したヘルペスウイルス製剤をバイアルに入れ、24ヶ月間、−80℃で保存した。力価をプラークアッセイ法によって測定した。力価が低減することなく、この期間、ウイルスは安定していた。
【0052】
実施例5は、−80℃で24ヶ月間、0.3Mのリジン及び2%のグルコースにおいて、ヘルペスの生存能力が維持されたことを示した。
【0053】
[実施例6]
力価が1.6×106pfu/mLである、米国特許第6,207,168号(本明細書中に参照により援用される)に開示されている方法によって調製された、PKドメインが欠失している弱毒化したヘルペス製剤である2型単純ヘルペスを、0.3Mのリジン及び2%のグルコース(最終濃度)の安定化製法で調製し、テンジクネズミにおいて治療活
性を試験した。フットパッド(0日)において、HSV−2(3×106pfu)にテンジクネズミを感染させ、また、感染の7日後及び17日後、脇腹に上記製剤で免疫付与するか、又は皮下接種によりPBSで偽の免疫付与を行い、疾患の再発の進行について、全ての動物を観察した。安定化組み換え単純ヘルペスウイルスは、これまでに感染した動物での再発疾患からの再発防御において、67%の低減を提供した。
【0054】
実施例6は、0.3Mのリジン及び2%のグルコースの安定化製法で製造したヘルペスワクチンによる免疫付与は、ヘルペス感染に対する防御効果を維持したことを示した。
【0055】
[実施例7]
0.3Mのリジン及び2%のグルコース(最終濃度)の安定化製法で、力価が1.6×106pfu/mLである弱毒化したヘルペス製剤を調製し、生殖器ヘルペス(HSV−2)に感染していることが分かっており、且つ前年に最低4〜20回再発した人間において治療活性を試験した。プラシーボ処理した患者の87%が再発したのに対し、治療した被検体の44%で、再発の防止が見られた。治療した患者の何人かは、12ヶ月以上前に調製された、実施例5に記載の安定化したウイルス製剤を受けた。
【0056】
実施例7は、0.3Mのリジン及び2%のグルコースの安定化製法で製造したヘルペスワクチンが、24ヶ月保存した後でも、生殖器ヘルペス(HSV−2)に感染している人間において、ヘルペスの再発に対する防御効果を維持したことを示した。
【0057】
本明細書中に記載の実施例及び実施形態は、限定目的ではなく、例示目的であり、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の例を使用してもよいということが、当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ウイルス製剤であって、
(a)単純ヘルペスと、
(b)濃度が0.2〜200g/lであるリジンと、
(c)濃度が0.2〜200g/lである糖又は糖アルコール、
とを含む生ウイルス製剤。
【請求項2】
前記糖又は糖アルコールがグルコースである、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
請求項1に記載の製剤を凍結乾燥することによって調製された生ウイルス製剤。
【請求項4】
弱毒化した生ウイルスを含有する安定化したワクチンを調製する方法であって、弱毒化した生ウイルスを請求項1に記載の有効量の安定化剤と接触させることを含む方法。
【請求項5】
前記生ウイルスがヘルペスウイルスである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ヘルペスウイルスが2型単純ヘルペスである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ヘルペスウイルスが、PKドメインが欠失している2型単純ヘルペスである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記接触させることが凍結乾燥工程の前に行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
リジン及びグルコースを含む生ヘルペスウイルスのウイルス性免疫付与剤のための安定化剤。
【請求項10】
前記免疫付与剤が2型ヘルペスウイルスである、請求項9に記載の安定化剤。
【請求項11】
前記ヘルペスウイルスが、PKドメインが欠失している2型単純ヘルペスである、請求項10に記載の安定化剤。
【請求項12】
生ウイルス免疫付与剤を調製する方法であって、生ヘルペスウイルスを1〜100g/lの糖又は糖アルコールと2〜20g/lのリジンとの水溶液を含む安定剤と混合させることを含む、調製方法。
【請求項13】
前記生ウイルスが、PKドメインが欠失している2型単純ヘルペスウイルスである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
生ウイルス免疫付与剤における使用のために生ヘルペスウイルスを集菌する方法であって、1〜200g/lの糖又は糖アルコールと0.2〜200g/lのリジンとの水溶液を含む安定剤の存在下で、該ウイルスを含有する細胞を破壊させる工程を含む、集菌方法。
【請求項15】
前記糖又は糖アルコールがグルコースである、請求項14に記載の集菌方法。
【請求項16】
前記生ヘルペスウイルスが2型単純ヘルペスウイルスである、請求項14に記載の集菌方法。
【請求項17】
前記ヘルペスウイルスが、PKドメインが欠失している2型単純ヘルペスである、請求
項16に記載の集菌方法。
【請求項18】
生ウイルス免疫付与剤における使用のために単純ヘルペスウイルスを集菌する方法であって、成長培地を該単純ヘルペスが成長する細胞から単離する工程、そして安定剤を、リジン及び糖又は糖アルコールを含む分泌されたウイルスを含有する前記成長培地に添加し、最終濃度が1〜200g/lである前記糖又は前記糖アルコールと最終濃度が0.2〜200g/lである前記リジンとを提供する工程を包含する、集菌方法。
【請求項19】
前記糖又は糖アルコールがグルコースである、請求項18に記載の集菌方法。
【請求項20】
前記ヘルペスウイルスが2型単純ヘルペスである、請求項18に記載の集菌方法。
【請求項21】
前記ヘルペスウイルスが、PKドメインが欠失している2型単純ヘルペスである、請求項20に記載の集菌方法。

【公表番号】特表2008−525444(P2008−525444A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548224(P2007−548224)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/041062
【国際公開番号】WO2006/071373
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(507211990)オールクス,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】