説明

ウェブ搬送装置用ローラ係合カバーの作製方法

ウェブ搬送用のローラ係合カバーを作製する方法であって、
(a)第1面及び第2面を有する織布基層と、第1面から突出した弾力的なループパイルと、を含むニット布地を提供する工程と、
(b)エラストマーコーティング組成物をループパイルに適用する工程と、
(c)コーティング組成物を硬化させて、ループパイル上にエラストマーポリマーの付着物を残し、係合カバーをもたらす工程と、を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2009年9月24日付で出願された米国特許仮出願第61/245,335号に対し優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ウェブ搬送又はウェブ取扱い方法及び装置に関し、特定すると、その装置で使用されるローラのための係合カバーの作製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの製品は、連続ウェブ形式による方法で達成可能な処理効率及び能力のための連続ウェブ形式においてしばしば製造される。本明細書で用語「ウェブ」は、連続した可撓性のストリップ形状において製造又は処理される薄い材料を表すために使用される。代表的な例としては、薄いプラスチック、紙、テキスタイル、金属、及びそのような材料の複合体が挙げられる。
【0004】
そのような作業では典型的に1つ以上の(多くの場合、1つよりかなり多くの数の)ローラ(ロールと呼ばれる場合もある)が使用され、一連の処置、製造工程などを経るプロセス全体を通してそれらのローラの周囲をウェブが搬送される。ローラは、例えばウェブの方向を転換するため、ニップステーションにおいてウェブに圧力を適用するため、コーティング及び他の処置のステーションを通過するようにウェブを位置付けるため、積層のために複数のウェブを位置付けるため、ウェブを延伸するためなど、多くの目的のために使用される。そのような作業で使用されるローラは様々な材料で作製されるが、材料の選択は、取り扱うウェブ及び動作パラメータ(例えば、速度、温度、湿度、張力など)に主に依存する。ローラ、又はローラ上を覆う表面の作製に使用される材料のいくつかの代表的な例としては、ゴム、プラスチック、金属(例えば、アルミニウム、スチール、タングステンなど)、発泡体、フェルト、及び織布が挙げられる。特定のローラは、(ウェブの移動速度と同じ又は異なる速度で、ウェブの移動方向と同じ方向又は反対方向への)フリーローリング、電動など、所望の張力パラメータに依存して構成され得る。
【0005】
ウェブ搬送特性を改善するためにローラの表面にテクスチャを与えることは既知である。例えば、米国特許第4,426,757号(Hourticolonら)、及び同第4,910,843号、同第4,914,796号、並びに同第4,970,768号(いずれもLioyら)は、高速移動ウェブによって運ばれる空気の影響を軽減するためにローラの表面に穴を形成することを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新世代製品には、なおいっそう厳密かつ正確な仕様が伴う。なおいっそう厳しい品質管理仕様には、より高い性能プロセスが要求される。ウェブを取り扱う製造業者は、より速いウェブ処理速度を求め続けているようである。特に、光学フィルム及び他の特殊プラスチック材のような要件の厳しいウェブ材料の高速、高能力の製造及び取扱いに使用するための、改善されたウェブ移送方法及びウェブ取扱い方法並びに装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、新規なウェブ取扱い又は搬送方法及び新規なウェブ搬送装置を提供する。このウェブ搬送方法及び装置は、様々なウェブと使用することができる。これらは、高速、高能力の工業規模の製造作業における光学フィルムのような洗練された又は高いグレードのフィルムと共に使用するときに、特に有利である。加えて、本発明は、新規なウェブ搬送装置を作製するための新規な方法を提供する。
【0008】
要約すると、本発明のウェブ搬送方法は、
(a)ウェブ材料を提供する工程と、
(b)弾力的なループパイル係合表面を有する少なくとも1つのローラを提供する工程と、
(c)ウェブ材料を通過構成に構成する工程と、
(d)ウェブ材料を係合表面と係合接触させて通過させる工程と、を含む。
【0009】
要約すると、本発明の装置は、本明細書に記述したようなコアと、弾力的なループパイル係合表面と、を含むローラを含む。
【0010】
要約すると、本発明のウェブ搬送装置を作製する方法は、
(a)第1面及び第2面を有する織布基層と、第1面から突出した弾力的なループパイルと、を含むニット布地を提供する工程と、
(b)エラストマーコーティング組成物をループパイルに適用する工程と、
(c)コーティング組成物を乾燥させて、ループパイル上にエラストマーポリマーの付着物を残し、係合表面をもたらす工程と、を含む。
【0011】
本発明は、多くの驚くべき結果及び利点を提供することが見出された。それらのいくつかとしては、1)ローラの上を搬送される際のウェブのスカッフィング又はスクラッチングの削減、2)ウェブの搬送又は搬送システムの通過の際のウェブの高頻度の伸張及び速度の変化の最小化、3)搬送中のウェブの洗浄、4)搬送中のウェブの可塑化及び/又は歪みの削減が挙げられる。結果的に、本発明を利用するウェブ製造作業は、無駄を減らし収率を高めるといった利益を享受し、有意なコスト削減及び環境負荷の削減を実現することができる。
【0012】
本発明は、例えばディスプレイなど光管理用途で使用される光学フィルムなど、高品質のポリマーフィルムの製造において特に利点をもたらす。代表的な例として、ライトガイド、ミラーフィルム、光方向変換フィルム、リターダフィルム、偏光フィルム、拡散フィルムが挙げられる。本発明によると、より少ない廃棄物、より少ないメンテナンス要求、及びより少ないコストで、そのような高技術フィルムをより効果的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明について、図面を参照して更に説明することにする。
【図1】本発明による係合カバーを有するローラの一実施形態の概略断面図。
【図2】図1に示した係合カバーの部分の斜視図。
【図3】本発明の装置の一実施形態の概略断面図。
【図4】ローラの上を搬送されているウェブの伸張プロファイルを示す概略図。
【図5】本発明の係合カバーのループパイルの一実施形態の写真。
【図6】本発明の係合カバーのループパイルの別の実施形態の写真。
【0014】
これらの図は一定の縮尺ではなく、また、単に説明のためのものであって非限定的なものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
下記の用語は、示されたような意味を有するものとして本明細書で使用される。その他の用語は明細書中の別の場所で定義される。
【0016】
「搬送する」は、ウェブを第1の位置から第2の位置へ移動することを意味するものとして使用され、ウェブはローラとの係合接触を経て通過する。
【0017】
「係合接触」は、搬送されるにつれて、ウェブとの接触に応じてカバーを圧縮しているローラの係合カバーとウェブが係合するようなウェブとローラとの接触を指すものとして使用される。
【0018】
「係合表面」は、ウェブが搬送されるときに、ウェブと直接接触する係合カバーの半径方向に外向きに面する部分である。
【0019】
「係合ゾーン」は、ある特定の瞬間にウェブと直接接触する係合表面の部分である。
【0020】
「弾力的」は、変形又は圧縮されてから元の形又はかさを回復する能力を指すものとして使用される。
【0021】
「ウェブ」は、可撓性の細長いリボン又はシート材料を指す。
【0022】
上記のように、ウェブを搬送するための本発明の方法は、
(a)ウェブ材料を提供する工程と、
(b)弾力的なループパイル係合表面を有する少なくとも1つのローラを提供する工程と、
(c)ウェブ材料を通過構成に構成する工程と、
(d)ウェブを係合表面と係合接触させて通過させる工程と、を含む。
【0023】
ウェブ材料は、例えばそれ自体の上に又はコア上に巻かれたロール形状で典型的には提供されるが、所望により他の形態で提供されてもよい。
【0024】
本発明は、広範な種類のウェブ材料と共に使用することができ、代表的な例としては、プラスチック、紙、金属、及び複合フィルム又はフォイルが挙げられる。
【0025】
いくつかの実施形態では、ウェブ材料は中間体保管状態から、例えば原材料及び/又は中間材料の品目一覧から提供される。他の実施形態では、ウェブ材料は、例えばフィルム形成プロセスからのテークオフ供給のように前駆体処理から直接本発明のプロセスに提供され得る。ウェブ材料は単層でも多層でもよく、場合によっては、本発明は製造作業を通してウェブ材料を1つ以上の追加層において搬送するために使用される、及び/又は、1つ以上の処置がウェブ材料に適用される。
【0026】
ウェブ材料を通過構成に構成するとは、ウェブ材料が本発明によるローラの係合表面と係合接触し得るように、ウェブ材料の位置及び配向を整えることを単に指す。多くの実施形態において、これは、ウェブ材料を係合表面と係合接触させることができるように、ロール形状のウェブ材料の一部分を巻き解く工程を単に含むであろう。その他の代表的な実施形態において、ウェブ材料は作業の前駆部分において、すなわちインラインで形成され、ロール形状に巻かれることなく本発明のウェブ搬送装置内に直接送られるものであり、例えば、高分子材料を押出成形又はインライン鋳造して、ロール形状に巻かれることなくその時点で通過構成にあるフィルムを形成し、それを本発明の装置によって搬送されるウェブ材料とする。
【0027】
次いで、ウェブ材料を装置によって搬送し、それにつれて、本発明のローラの係合表面との係合接触を介して通過させる。
【0028】
図1は本発明の代表的実施形態を図示し、図には、ローラ12上の係合カバー10が示されている。図の実施形態で、係合カバー10はローラ12から取り外し可能であり、基層すなわちグラウンド層14と、その第1面から上方に延びるループパイル16とを含み、係合表面を形成する。層14の第2面はローラ12と接触している。係合カバー10の一部分を図2に示す。
【0029】
図3は、使用中の本発明の装置の実施形態を示し、図のウェブ18はガイドローラ12a上を通り処理ステーション20を経て、引きローラ12b上を通り、例えばコーティングの適用、別の材料との積層、曝露など、又は単にロール形状に巻かれるなど更なる処理(図示せず)のために更に進む。ガイドローラ12aは本発明による係合カバー10aを有し、引きローラ12bは本発明による係合カバー10bを有する。
【0030】
実施形態によっては、本発明のウェブ搬送装置は本発明の係合カバーを備える1つ以上のローラを含むことが可能であり、そのような係合カバーを備えていない1つ以上のローラも更に含むことができる。いくつかの実施形態は、数十個以上のローラを順に使用し、それらのローラのいくつか、ほとんど、又は場合によっては全てに本発明の係合カバーが装着される。本発明の係合カバーが装着された2つ以上のローラを含む装置の実施形態では、異なる特性を持つように係合カバーを選択して、製造順序における異なる場所で性能を最適化することができる。
【0031】
本発明の利点は、典型的には、大掛かりな設備変更又は装置構成要素の大掛かりな再構成を伴わずに、係合カバーを既存のローラ上に容易に設置することができることである。したがって、既存のウェブ搬送装置に本発明の係合カバーを容易に後付けして、それによる性能上の改善を達成することができる。
【0032】
ローラに係合カバーを装着する方法は装置及びローラの構成のような要因に依存し、例えば、場合によっては、係合カバーをローラに装着するためにローラをその作動位置から取り外さなくてはならないこともあり、また別の場合には、作動位置にあるロールにカバーを装着できることもある。
【0033】
動作中、下に位置するローラ上での係合カバーの滑り又は伸張は、装置の様々な構成要素の磨耗、ウェブの損傷、又は他の性能障害につながる可能性があるため、そのような滑り又は伸張があってはならない。多くの場合、係合カバーは本明細書に記述されているような単純なニット布地であり、下に位置するローラの表面にぴったりと適合しており、係合カバーの第2面は、動作中ローラ上にしっかりと位置付けられた状態で維持される。場合によっては、中間接着剤、噛み合いフック・アンド・ループ式ファスナー、ローラに付着する剛性外殻などのような装着手段が使用される。場合によっては、本発明の複数の係合カバーが単一のローラ上に設置され、それぞれの係合表面がローラから外向きに又は離れて配向されるようにしてローラ上に同心に装着される。
【0034】
好ましい実施形態において、係合カバーは本明細書に記述されているようなニット布地であり、取り外し可能なスリーブとしてローラ上に装着される。スリーブは継目なしであることが好ましく、緩みによる膨らみ又は隆起を一切作らずにぴったりとローラの周囲に適合するように適切なサイズでなくてはならない。多くの実施形態において、スリーブはローラの両端を超えて十分に遠くまで延出するように構成され、締める又は結ぶことができ、スリーブが適切な寸法であれば、この作用によって典型的にはスリーブはきつく引かれる。典型的には、スリーブは少なくともウェブと同じ幅でなくてはならず、好ましくはウェブより幅広く、移動中のウェブの整合の懸念を緩和する。
【0035】
ローラへの係合カバーの装着は、係合カバー及び搬送装置の性質にある程度依存して、従来の手段によって達成され得る。好ましくは、係合カバーは動作中にローラのコア上で滑らない。多くの実施形態において、カバーはローラにぴったりと適合するスリーブの形状であり、所望により、ローラの端で締められるようにローラの端を超えて延出する。いくつかの実施形態において、係合カバーとローラの表面は十分な摩擦効果を呈し、場合によっては、接着剤又はフック・アンド・ループ式ファスナー機構のような追加的な手段を使用することができる。
【0036】
本発明のスリーブの基部はロール上にぴったり適合するように伸張することが通常は望ましいが、搬送中のウェブの下でよれることがないよう、基部は動作中に伸張してはならない。
【0037】
あるいは、本明細書に記述されているような係合カバーと共にローラを製造して、ローラの外面に更に強くカバーを付着させてもよい。
【0038】
取り外し可能な実施形態の利点は、典型的には、本発明による一体化された係合表面を有するローラを再加工するより、係合表面を交換することによって、ローラ上の取り外し可能な係合カバーを交換することがより容易かつより安価となることである。
【0039】
図2は、係合カバー10が基部14、及びその第1面上のループパイル16を含む代表的な実施形態を図示する。
【0040】
典型的な実施形態において、カバーはステッチ毎にパイルを形成するループを有するニット布地で作製される。代表的な実施形態では、1インチ毎に25のステッチがある(1ミリメートル毎に1ステッチ)。この布地の作製に使用される繊維状材料は、単一フィラメントストランド、マルチフィラメントストランド(例えば、2つ以上のストランドを共に巻いて単一のスレッドを作る)、又はそれらの組み合わせでもよい。
【0041】
多くの実施形態において、ループパイルは、約0.4〜約0.8mm、好ましくは約0.5〜約0.7mmのループ高さ(すなわち、基層の上部によって画定される平面からパイルループの頂点までの寸法)を有する。この範囲外のループ高さを有するループパイルを有する係合カバーを特定の実施形態で使用する場合があるものと理解されたい。ループ高さが不十分であると、カバーは、本発明の完全な利益を達成するために効果的な緩衝効果をウェブに提供できない場合がある。ループ高さが高すぎると、パイルがばたつきやすくなり、ウェブの移送に望ましくない影響を与えること又は搬送されるウェブを損なうことがあり得る。
【0042】
本発明の利益を確実に達成するように、パイルは搬送中のウェブを支持するために十分な密度でなくてはならない。例えば、ループパイルは用途に適したデニールを有するように選択された繊維を含み、繊維が太いほど圧縮に対してより大きい抵抗が提供される。代表的な例としては、約100〜約500デニールを有する繊維が挙げられる。理解されるように、本発明によるいくつかの実施形態でこの範囲外のデニールを有する繊維を使用する場合もある。
【0043】
この理論による束縛を望むものではないが、本明細書に記述されたように使用されたとき、本発明の係合表面は、そうでなければウェブとロール表面との間に形成されるであろうKnow−Sweeney空気境界層を削減又は除去すると考えられる。更に、パイル層によってシステムに導入される弾力性は、ウェブが搬送中に曝される速度及び/又は張力の変動性を有意に低減又は緩和する。結果として、本発明は、表面のスカッフィングを起こさずに、又は特性を劣化させる変化を与えずに、ウェブを高速・高効率設定で搬送及び取り扱うことを可能にする。例えば、典型的な高速・高張力の動作で遭遇する応力に曝されると、ポリエステルなどいくつかの高分子ウェブ材料では可塑化及び/又は歪みが生じ、所望の光学特性又は物理特性が損なわれる場合がある。本発明者らは、驚くべきことに、本発明によるローラカバーの使用がこれらの有害な影響を最小限にすることを見出した。
【0044】
代表的な実施形態において、繊維状材料は、ポリ(テトラフルオロエチレン)(TEFLON(登録商標)のようなPTFE)、アラミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。当業者は、効果的に編むことができる、かつ本発明のカバーに使用され得るその他の繊維を容易に選択することができるであろう。
【0045】
基部は、例えば装着を可能にするようにロールの上で十分に容易に伸張し滑るが、動作中は不要な伸張をしないなど、基部をローラ上に配置し、本発明に従って使用することを可能にするために所望の特性を提供するように典型的には編まれる。
【0046】
本発明の係合カバーを作製するためにスリーブとして使用可能な材料のいくつかの代表的な例としては、Syfilco Ltd.(オンタリオ州Exeter(カナダ))のHS4−16及びHS6−23ポリエステルスリーブ、Zodiac Fabrics Company(オンタリオ州London(カナダ))又はその子会社であるCarriff Corp.(ノースカロライナ州Midland)のWM−0401C、WM−0601、及びWM−0801ポリエステルスリーブ、並びにDrum Filter Media,Inc(ノースカロライナ州High Point)のBBW3310TP−9.5及びBBW310TP−7.5スリーブが挙げられる。
【0047】
典型的には、ニット布地は、織物プロセスを促進するために潤滑剤で処理された繊維材料を使用して作製される。その結果得られたニット布地を本発明によるウェブ搬送動作に使用すると、そのような潤滑剤が磨耗されやすく、ウェブへの摩擦性能の変化及び潜在的汚染の問題を引き起こす場合がある。したがって、通常は本明細書のローラカバーとして使用される布地は、洗うか研磨することが好ましい。
【0048】
選択される材料は、ウェブの材料、及び例えば温度、湿度、存在する材料などの周囲動作条件下で安定かつ耐久性であるなど動作条件と適合性を有するものでなくてはならない。例えば、透明なフィルムウェブと共に使用する係合カバーに黒色のポリエステル繊維を使用するなど、係合カバー材料をウェブ材料と対照的な色にすると、係合カバーに捕捉された破片の観察がしやすくなることが観察された。
【0049】
典型的には、それらを作製するために使用される編物プロセスの要件のために、制限のあるエラストマー特性を有する繊維材料でニット布地を作製することにより、繊維が互いに接触して移動して、所望のウィーブを形成するようにする。多くの場合、潤滑剤を繊維に適用して、編物プロセスを促進する。例えば、使用前に材料を洗うことによって材料を洗浄又は研磨することにより、本発明で使用するニットからそのような潤滑剤を取り除くことが好ましい。場合によっては、潤滑剤が磨耗される状態で、ニットを本発明の係合表面として使用することができる。
【0050】
通常、係合カバーのループパイルは約0.25〜約2の摩擦係数をウェブに提供することが好ましく、多くの場合、約1.0が好ましいが、所望によりこの範囲外の摩擦係数を提供する係合カバーを使用してもよい。
【0051】
ウェブに対する係合表面に望まれる把持の度合い、すなわち摩擦係数(「COF」)は、対象となるローラの機能にある程度依存する。例えば、小さい張力差の下で(すなわち、下記のベルト等式でTとTとの差が少ない)動作するアイドラローラ又は他のローラの場合、より低いCOFで通常は十分である。駆動ローラの場合、特に大きい張力差の下で(すなわち、TとTとの間に有意な差がある)動作する高駆動ローラでは、より高いCOFが通常は望ましい。
【0052】
場合によっては、望まれるようなウェブとの摩擦特性、磨耗耐性、半径方向弾性係数、及びループパイルの弾性を同時に達成することができるようにするために、選択された高分子の(繊維状パイル材料と比較して)比較的エラストマーの材料の量を係合表面に適用して、係合表面とウェブとの間の有効COFを高める把持性補強要素を形成することができる。本発明者らは、エラストマー要素を使用するとき、そのエラストマー要素が約75未満、時には約30〜約60、好ましくは約30〜約45のショアA硬度を有する場合、改善された性能が達成されることを見出した。典型的には、パイル上の別個の要素の配列として把持性補強要素を提供することが好ましい。
【0053】
要約すると、本発明の係合カバーのそのような補強された実施形態は、
(a)第1面及び第2面を有する織布基層と、第1面から突出した弾力的なループパイルと、を含むニット布地を提供する工程と、
(b)エラストマーコーティング組成物を、好ましくはループパイルからあらゆる破片及び/又は潤滑剤を取り除くためにループパイルを洗うか又は研磨した後に、ループパイルに適用する工程と、
(c)エラストマーコーティング組成物の余分量を所望により取り除いて、ループパイル上の弾性コーティング組成物上に不連続付着物を残す工程と、
(d)コーティング組成物を硬化させて、ループパイル上に1つ以上の把持性補強要素を残し、係合カバーをもたらす工程と、によって作製される。
【0054】
選択されたエラストマー材料に依存して、溶剤又は他の液体キャリアを取り除くために乾燥によって、化学線(例えば、熱、電子光線、紫外線など)への曝露による架橋によって、化学架橋剤の作用による架橋によって、又はそれらの組み合わせによって、硬化を達成することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、エラストマーコーティング組成物は、1つ以上の溶剤中に溶解した1つ以上のエラストマーポリマーを含む。
【0056】
把持性補強要素を形成するために使用され得るエラストマーポリマーの代表的な例は、KRATON(商標)ポリマー(例えば、スチレン)、ウレタン、アクリル、シリコーン、オレフィン、及びコポリマー、ブロックコポリマー、並びにそれらの他の組み合わせからなる群から選択されるものを含む。
【0057】
当業者は、エラストマーポリマーを溶解するための有効性、ニットのループパイル及び基層との適合性、使いやすさ、及び乾燥性能のために溶剤又は溶剤の組み合わせを選択することにより、好適な溶剤を容易に選択することができる。代表的な例としては、限定はしないが、キシレン、トルエン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、及びそれらの組み合わせからなる群が挙げられる。
【0058】
いくつかの実施形態において、エラストマーコーティング組成物は約10重量%〜約50重量%のエラストマーポリマーを含む。所望により、より薄い又はより濃い濃度を有するコーティング組成物を使用してよいものと理解されたい。
【0059】
いくつかの他の実施形態において、エラストマーコーティング組成物は、そのエラストマーポリマーの水性エマルションを含む。
【0060】
更に他の実施形態では、エラストマーコーティング組成物を架橋して、所望の付着物又は把持性補強要素をもたらす。
【0061】
1つ以上のエラストマーポリマーを含有するエラストマーコーティング組成物は、ループパイルに適用される。任意の好適な適用方法を使用することができ、例えば、含浸、コーティング、又はスプレーによるいくつかの方法など、当業者は容易に選択することができる。
【0062】
どれだけ多くのコーティング組成物をループパイルに適用するかに依存して、所望の最終的な付着量を達成するために、いくらかの量をループパイルから除去することが望ましい場合がある。例えば、通常、パイルの表面上に付着された別個の離散した要素の配列が好ましい。所望の付着物の程度及び構成をもたらすための除去方法の代表的な例としては、拭き取り、スクイージー、ドクターブレード、ニップ通しなどが挙げられる。
【0063】
適用後、コーティング組成物をその場で硬化させて、所望の把持性補強要素を残す。典型的な実施形態において、把持性補強要素を構成する得られるエラストマーコーティングの量は、ループパイルの重量の約5重量パーセント〜約50重量パーセントに等しく、典型的に好ましくは約5重量パーセント〜約20重量パーセントに等しく、約10重量パーセントが典型的には最も好ましい量である。エラストマーコーティングが少なすぎると、ウェブとの摩擦係数の所望の改善が達成されない。エラストマーコーティングが重過ぎると、ループパイルがもつれて所望の弾力性支持を提供することができず、ウェブの損傷又はその他のダメージにつながること、使用中にコーティングの一部が外れやすくなり、ウェブを汚染すること、ないしは何らかの方法でウェブの搬送を不能にしてしまうことがあり得る。
【0064】
ループパイル上のエラストマーポリマーの付着は、ローラへの係合カバーの設置の前又は後のいずれかに実行することができる。
【0065】
図5は、本発明の係合カバーの代表的なループパイルを示し、図中にパイル繊維22を見ることができる。図6は、更に拡大した図であり、エラストマーポリマーを付着した後の本発明の係合カバーの代表的なループパイルを、繊維22及び付着物24と共に見ることができる。
【0066】
ローラと係合接触しているとは、係合ゾーンと呼ばれる弧状部分にかけて、少なくとも部分的にループパイルを圧縮するために十分な圧力で、ウェブがローラの係合表面と接触していることを意味する。そのような構成では、ローラの一方の側のウェブの張力は、ローラの反対側の張力と異なる。図4を参照すると、対象のローラの片側上のウェブの張力とローラの係合表面の特性との関係は、ベルト等式と呼ばれることのある等式によって理解することができる。
【0067】
=T×eθμ
式中、Tはローラに近づくウェブの張力であり、Tはローラを離れるウェブの張力であり、θは係合ゾーンの角度幅を弧度で表したものであり、μはローラの係合表面とウェブの表面との間の摩擦係数である。
【0068】
本発明は、例えば、ゴムローラ、金属ローラ(例えば、アルミニウム、スチール、タングステンなど)、及び複合ローラを含む既知のウェブ移送ローラと共に使用してもよい。本発明は、限定はしないが、巻き戻しローラ、張力制御ローラ、ガイドローラ、アイドラローラ、引張りローラ、真空引張りローラ、駆動ローラ、ニップローラ、コースタバックアップローラなど、任意の異なる多様な機能のために構成されたローラ上で使用してもよい。本発明を使用するローラは固体でも中空でもよく、真空効果を適用するため、ウェブを加熱するため、ウェブを冷却するためなどの装置を含むことができる。
【0069】
上記のように、場合によっては、装置はローラ上に設置され、同心に装着された本発明の複数の係合カバーを有するローラを含むことになる。これは、より厚い緩衝材深さをもたらすことによって、係合カバーの緩和効果を増すために行われる場合がある。また、場合によっては、特に大きい工業設定においては、係合カバーをローラから取り外すために必要な努力より有意に多くの努力が、係合カバーをローラに設置するために要求される。したがって、複数の係合カバーをローラ上に設置する場合は、いったん外側のカバーが使用により汚染され及び/又は磨耗したら、新しいカバーを新たに設置するより有意に少ないコスト及び努力で、外側の係合カバーを取り外して、下に位置する本発明の係合カバーを露出することができる。
【0070】
本発明は、多様なウェブ材料と共に使用することができる。本発明は、光学フィルムのような高品質の高分子材料のウェブの製造及び取扱いに好適であり、それに関連する特定の利点を提供することができる。例えば放射線硬化性組成物など選択的な高分子材料の1つ以上の層を典型的に含むそのようなフィルムは、通常、非常に低い欠陥率と共に幅、厚さ、フィルム特性などの正確かつ均一な仕様を要求する。ウェブ材料は単層構造でも多層構造でもよい。
【0071】
本発明を使用して作製可能な代表的な光学フィルムの例としては、米国特許第5,175,030号(Luら)、同第5,183,597号(Lu)、同第5,161,041号(Abileah)、同第5,828,488号(Ouderkirkら)、同第5,919,551号(Cobbら)、同第6,277,471号(Tang)、同第6,280,063号(Fong)、同第6,759,113号(Tang)、同第6,991,695号(Taitら)、同第7,269,327号(Tang)、同第7,269,328号(Tang)、及び米国特許出願第2002/0057564号(Campbellら)に開示されているようなフィルムが挙げられる。
【0072】
当業者には知られているように、そのようなフィルムは、例えば放射線硬化された単官能基及び多官能基(メタ)アクリレートモノマーの混合物など多くの既知の好適な材料から作製することができ、例えばマイクロレプリケーションプロセスなど既知の技法によって製造することができる。代表的な例はとしては、ポリ(メタ)アクリルモノマーなどのモノマーが挙げられ、(a)モノ(メタクリル)含有化合物、例えばフェノキシエチルアクリレート、エトキシル化フェノキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、エトキシル化テトラヒドロフルフラルアクリレート、及びカプロラクトンアクリレート、(b)ジ(メタ)アクリル含有化合物、例えば1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノアクリレートモノメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、アルコキシル化脂肪族30ジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン修飾されたネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、カプロラクトン修飾されたネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールA5ジアクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド修飾されたトリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコール10ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート;(c)トリ(メタ)アクリル含有化合物、例えばグリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエルチリトールトリアクリレート、エトキシル化トリアクリレート(例えばエトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート)、プロポキシル化トリアクリレート(例えばプロポキシル化(3)グリセリル15トリアクリレート、プロポキシル化(5.5)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート;(d)高官能基の(メタ)アクリル含有化合物、例えばペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシル化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン20修飾されたジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;(e)オリゴマー(メタ)アクリル化合物、例えばウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、前述のポリアクリルアミド類似体;及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。このような化合物は、例えば、ペンシルベニア州ExtonのSartomer Company、ジョージア州SmyrnaのUCB Chemicals Corporation、及びウィスコンシン州MilwaukeeのAldrich Chemical Companyなどの供給業者から広く入手可能である。追加の有用な(メタ)アクリレート物質としては、例えば米国特許第4,262,072号(Wendlingら)に記載されたようなヒダントイン部分含有ポリ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0073】
いくつかの実施形態では、ウェブは、例えばポリエステル(例えば、光学グレードのポリエチレンテレフタレート及びDuPont FilmsのMELINEX(商標)PET)又はポリカーボネートのような単純なフィルムである。いくつかの実施形態では、フィルムは、例えば、スチレン−アクリロニトリル、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸系コポリマー又はブレンド、ポリシクロオレフィン、及びポリイミドのような材料を含む。
【0074】
驚くべきことに、本明細書に記述したようにウェブ移送/取扱いロールを係合カバーと共に提供することによって、有意な性能上の利点が得られることが見出された。例えば光学フィルムなど特定の高価値のウェブ材料は、高弾性率の硬直性(stiff character)を特徴とする。結果として、ウェブは伸張に抵抗せず、ウェブラインを通して遭遇する痙動力を受けてローラの上を滑ると、ウェブ移送中にスカッフィング又は場合によっては破壊にさえ曝される。加えて、ウェブ材料がそのような力を受けると、望ましくない変化がそのバルク特性に生じる場合がある(例えば、その降伏点を越える際に可塑化が生じてたるむ)。そのような変化は、結果的に得られる材料の作業性を下げたり、光学特性の均一性に支障を来たしたりなどして、その最終用途としての許容性を下げる場合がある。
【0075】
本明細書に記述した係合カバーは、高められたトライボロジー特性を伴う低い半径方向弾性率を有する。結果として、本発明は、ウェブの移送及び取り扱い中のウェブへの望ましくない影響を削減する便利で低コストな方法を提供する。
【0076】
これらの係合カバーは適合する低い半径方向弾性率特性をローラ表面に提供することにより、例えば厚さ、弾性率などのようなウェブ特性の変化、多くのロールを含むシステムにおける個々のロールの性能又は性質の変化、駆動ロールにおける動力の変動などといった様々な原因のいずれかによる、例えば張力の変化及び速度の変化といった、複雑なウェブ移送システムでの多くの問題を補正する。本発明によると、カバーは、ウェブが座屈する及びしわになるであろうときに、ウェブがそれらを回避することを可能にする。加えて、ウェブがウェブラインを通って移動するにつれ、ウェブの速度及び張力の変動をカバーが緩和することが見出された。結果として、例えば光学グレードのウェブである高品質のウェブを、例えば100fpm(30.5メートル/分)、150fpm(45.7メートル/分)、170fpm(51.8メートル/分)、あるいはそれ以上の高い速度で処理すると共に、例えば座屈、スカッフィングなどウェブの劣化を低減することが可能である。更に、パイル構成体は、処理中のウェブを損傷するであろう、例えば汚れ粒子のような汚染を捕捉すると考えられる。
【0077】
本発明は、1つ又は2つのみのロールを有するウェブ移送装置でも、それより多くのロールを有するシステムでも使用することができる。本発明のカバーは、所望によりシステムの1つ又は2つの選択されたロールに使用してもよく、システム全体の多くのロールに使用してもよい。
【0078】
製造作業は、ウェブの形成、それに次いで行われる例えばプライマー、追加光学層、接着剤、着色料などの適用などウェブの処置を含むことができる。本発明は、そのような作業を技術的に有効でコスト効率の優れた方法で実行するための手段を提供する。
【実施例】
【0079】
本発明は、以下の実施例を参照して更に説明される。
【0080】
(実施例1)
生産規模・商用の2軸配向されたPETフィルムラインの23本のローラに、本発明を代表する弾力的なループパイル係合カバーを装着した。試験したローラのタイプは、アイドラローラ、コーターバックアップローラ、及び引張りローラを含む。
【0081】
以下のように係合カバーとして使用するために、Syfilco,Ltd.(オンタリオ州Exeter(カナダ))から適切な直径の5つの異なるタイプの円形ニット在庫品を入手した。
【0082】
PET−HS6:150デニールのポリエチレンテレフタレート繊維で作製された直径6インチ(15cm)、ループ高さ0.7mmのループパイルスリーブ。
【0083】
PET−HS4:150デニールのポリエチレンテレフタレート繊維で作製された直径4インチ(10cm)、ループ高さ0.7mmのループパイルスリーブ。
【0084】
POLYPROPYLENE:ポリプロピレン繊維で作製された直径6インチ(15cm)、ループ高さ0.5mmのループパイルスリーブ。
【0085】
PTFE−400−HS6:400デニールのポリテトラフルオロエチレン繊維で作製された直径6インチ(15cm)、ループ高さ0.6mmのループパイルスリーブ。
【0086】
PTFE−200−HS6:200デニールのポリテトラフルオロエチレン繊維で作製された直径6インチ(15cm)、ループ高さ0.6mmのループパイルスリーブ。
【0087】
本発明の係合カバーを装着したライン上のローラは、様々なローラ材料及び機能タイプを代表するように選択した。いくつかのローラには1つの係合カバーを装着し、いくつかには2つのカバー(引き被せたカバーを1つ及び指示されたようなカバーを1つ)を装着した。表1は、ローラ材料及び係合カバー材料の要約を示す。
【0088】
【表1】

フィルムラインを4日間作動させた。本発明の係合カバーなしで作動されたときの、このフィルムラインからの不合格製品ロールの主要な原因であったフィルムのスクラッチ及びスカッフィングを監視した。ローラ係合カバーの磨耗、伸張、及びそのループパイル係合表面上の異物の蓄積を監視した。
【0089】
磨耗による異物の蓄積は、どの係合カバーにも観察されなかった。しかし、ループパイル係合カバーによる粒状破片の引き付けが観察されたが、通過するフィルムへの破片によるスクラッチは防がれているようであった。そのような破片による係合カバーの小さい穴又は裂け目が時々観察されたが、これらの穴又は裂け目による性能の劣化は観察されなかった。使用中、特に使用後約1時間以内に、いくつかの係合カバーが軸方向に伸張した。伸張は、プルロール、及びフィルム張力が比較的高いロールで最も激しかった。伸張は、任意の特定の1つのカバー材料に限定されるものではなかった。ポリプロピレン係合カバーは、4日使用後に少量のパイルの平坦化を呈したが、スクラッチ及びスカッフィングを除去する機能は継続した。200デニールPTFEカバーを有するローラのいくつかは、ループパイルのある程度のほころびに至る少量のファイバー破壊を呈した。400デニールのPTFEは、ほとんどほころびを呈さなかった。PETカバー材料は、視認可能な磨耗の兆候を示さなかった。一重カバーローラと二重カバーローラとの間の性能差は見られなかった。
【0090】
ループパイル係合カバーの使用の結果、フィルムのスカッフィング及びスクラッチングは大幅に低減された。カバーされたローラのいずれにも、また、かなりの量の粒状破片を捕捉したローラにさえも、視認可能なスクラッチの増加は観察されなかった。従来、このフィルムラインでは、ロールに面するウェブ面のスクラッチ及びスカッフィングによるロール不合格率は、全製品ロール不合格品合計の約4.5%である。この値は全ロール不合格品の最高7%に至ることも時にはあり、2.5%を下回ることはほとんどなかった。この試験でのスクラッチ及びスカッフィングによるロール不合格品の数は、全製品ロール不合格品のわずか1.7%であった。
【0091】
(実施例2)
実施例1と同じフィルムラインを使用した。試行錯誤法により、ほとんどのローラがカバーされるまで選択的なループパイル係合カバーで追加的にローラをカバーし、スカッフィング及びスクラッチによるロール不合格品率の減少の利益の衰えが観察された。5ヶ月連続して、スカッフィング及びスクラッチによる製品ロール不合格率は、全製品ロール不合格品の0.5%未満/月と観察された。ループパイルローラカバーなしで動作した同じフィルムラインで、スカッフィング及びスクラッチによる製品ロール不合格率が、全製品ロール不合格品の0.6%を下回った月はそれまでは一度もなかった。
【0092】
(実施例3〜20)
これらの実施例では、実施例1で使用した同じ円形ニット在庫品の1つであるPET−HS6を、係合カバーとして、Zodiac Fabrics Co.(オンタリオ州London(カナダ))のFT−10201という商品名の円形ニット在庫品と互換的に使用した。FT−10201は、ポリエチレンテレフタレート繊維製の直径2インチ(5cm)のループパイルスリーブであった。
【0093】
実施例3〜20のそれぞれでは、管状の在庫品から矩形の布片を切断した。次いで、IMASS,Inc.(マサチューセッツ州Accord(米国))のスリップ/剥離試験機モデルSP−102B−3M90を使用して実施例3の布片を試験し、二軸配向のPETフィルムに対するその動的滑り摩擦係数を決定した。この試験は、被検体であるループパイル布地のふわふわした性質のために試験装置の200gスレッドを1000gの追加重量で補充したことを除き、計器マニュアルに従って実行した。この装置は、約0.1〜約2.0の範囲で動的摩擦係数(「COF」)を記録する能力を有する。
【0094】
実施例3の布片が呈したCOFは0.5であった。しかし、反復運転中、繰り返し試験するにつれて、コーティングされていない布片のCOFが減少し、COF約0.3でプラトーレベルに達するまで減少し続けたことが観察された。この影響は、受領した在庫品材料が、ループパイル布地への編み込みを助けるために繊維に使用された潤滑油のわずかな残留物を含んでいたことによるものであると決定した。繰り返しの試験運転と共にこの油が徐々にPETフィルムにも移動したために両面が潤滑され、COFが低下したものと考えられる。
【0095】
実施例4では、同じ在庫品の複製布地を使用した。この布片を一連の溶剤槽に浸して、潤滑油を洗い流した。それらの槽は、酢酸エチル、アセトン、イソプロピルアルコール、そして水を含むものであった。乾燥後、得られた布地のCOFを実施例3と同じ方法で試験した。実施例4の布片は約0.5のCOFを呈し、この結果は50の反復測定値にかけて一貫していた。
【0096】
実施例5〜20では、実施例4と同じようにそれぞれのPET布地片を浸して、潤滑油を取り除いた。次いで、次のように把持性補強要素をそれぞれに形成した。示されているように、コーティングするポリマーに依存して、PETループパイル布地にコーティングするポリマー溶液をトルエンか、又はトルエンとイソプロピルアルコールとの70:30ブレンドのいずれかを用いて10重量パーセントで調製した。詳細を表2に示す。示されているコーティング溶液に布片を浸し、布地のループパイル表面を有効に飽和した。溶液は布地に容易に吸収され、基礎布地の裏面にもエラストマー材料の有効な付着をもたらした。次いで、室温にて、コーティングされた布地から溶剤を蒸発させた。最後の溶剤は、100℃の炉内で加熱して飛ばした。それぞれの事例で、個々の及び交差するPET繊維に第2のポリマーがコーティングされたループパイル布地が結果として得られ、これは、図6に示すように光学顕微鏡及び電子顕微鏡による観察によって確認された。標本の重量を測定した結果、コーティングされたポリマーは、PET繊維に約15〜20重量%で付加されたことが明らかになった。
【0097】
次いで、実施例3と同じ装置及び手順を使用してそれぞれの布片を試験し、二軸配向されたPETフィルムに対する動的摺動摩擦係数を決定した。表2は、コーティングされるポリマー、ポリマーの一般的化学、使用した溶剤、COF測定値を示す。コーティングされていないPETループパイル布地とほぼ同じ、すなわち約0.5〜2.0を越す範囲までの広範なCOFを有するコーティングされたループパイル布地を作製することが可能であることが観察された。
【0098】
KRATON(商標)ブロックコポリマーは全て、Kraton Polymers LLC(オハイオ州Belpre(米国))から入手した。QUINTAC(商標)3620は、Zeon Chemicals LP(ケンタッキー州Louisville(米国))から入手した。VECTOR(商標)8508Aは、Dexco Polymers LP(テキサス州Houston(米国))から入手した。LUBIZOL(商標)ESTANE(商標)ポリマーは両方とも、Lubrizol Corp.(オハイオ州Wickliffe)から入手した。SBRゴムは、Dynasol Elastomeros SA de CV(Altamira(メキシコ))から入手した。NORDEL(商標)EPDM 4570は、Dow Chemical Co.(ミシガン州Midland(米国))から入手した。HUNTSMAN(商標)IROGRAN(商標)160E−4902は、Huntsman LLC(ミシガン州Auburn Hills(米国))から入手した。
【0099】
これらの材料の多くに関し、ショアA硬度の値は公表されている。それらの値も表2に記載した。
【0100】
把持性補強要素のために使用したエラストマーのショアA硬度と、コーティングされたループパイル布地の結果的に得られたCOFとの間の一般的相関が観察され、COFはショアA硬度の低下につれて上昇する傾向を示した。
【0101】
【表2】

(実施例21)
コーティング重量がコーティングされたループパイル布地のCOFに影響を与えたかどうかを決定するために、コーティング溶液がわずか2重量%のKRATON(商標)D1340Kを含むことを除いて、実施例11を繰り返した。COF測定値は0.67であり、コーティングされていない実施例4のものより高かったが、実施例11のものよりはるかに低かった。
【0102】
(実施例22〜34)
フィルムがフィルムライン上でそれらを通過する際の張力に有意な差があるため、引張りローラ(又は駆動ローラ)は、ローラによるスカッフィング及びスクラッチの最大の発生源であると考えられる。フィルムを滑らせずに(したがって、スクラッチのリスクを避けて)引張りローラの上を移送するためには、ロール上のフィルムの係合カバーの静的COFは、上記のベルト等式での予測値以上でなくてはならない。
【0103】
静的COFは、動的(摺動)COFに近いがそれ以上であるのが好ましい。計算により、商用ウェブ取扱いラインでのほとんどの引張りローラ張力、及び一般に使用されるほとんどのラップ角度で、最適な性能のループパイル布地係合カバーには約1.0以上の静的COFが必要とされるであろうことが示された。表2の実施例の多くが、PETフィルムに対してそのような高いCOFを呈した。
【0104】
本発明の材料は、アンワインド、ロードセル、張力制御ローラ、引張りローラ、アイドラローラ、及びワインダローラを含む実験用フィルム移送装置で試験した。アイドラロールは、フィルムが引張りローラからワインダへ向かう途中でそれらの上を通過するように装着されたときに、引張りローラのラップ角度が150度となり、フィルムがプルロールからワインダへ向かう途中でそれらをバイパスするように装着されたときに、引張りローラのラップ角度が50度となるように構成された。
【0105】
実施例27〜30に関して、ループパイル在庫品材料PET−HS4の標本は、連続含浸によってトルエン中10%の溶液からのVECTOR(標本)8508Aで、米国特許第6,017,831号に記載されているのと同様のニッププロセスでコーティングした。基本的には、ロールカバー在庫品をポリマー溶液槽に浸してから取り出し、ニップローラに通して余分な溶液のほとんどを出してから100℃の炉で乾燥した。実施例31〜34に関しては、全く同じプロセスにより、別のPET−HS4の標本をKRATON(商標)D1340Kでコーティングした。
【0106】
実験用フィルム移送装置に通すフィルムは、フィルムの片面のCOFを下げるために1つの面にプライマーをコーティングした2軸方向に配向された幅20インチ(50.8cm)のPETであった。
【0107】
実施例22に関しては、PETフィルムのコーティングされていない面が直径3.5インチ(8.9cm)のアルミニウム引張りローラと150度のラップ角度で接触するようにして、実験用フィルム移送装置にフィルムを通した。フィルムは約15フィート/分(460cm/分)で移動し、フィルムが引張りローラ上でスリップし始めるまで張力を徐々に調節した。この点での張力を記録し、PLI(直線インチ当たりのパウンド力)及び静的摩擦係数を計算した。また、プルロールと同じアルミニウム製のクーポンを入手し、実施例3で既に説明したようにPETフィルムに対するその動的COFをIMASS試験機で測定した。結果を表3に示す。
【0108】
実施例23〜26に関しては、コーティングされていないPET−HS4のループパイル布地のスリーブでプルロールをカバーした。PETフィルムは、コーティングされた面を下にした場合対コーティングされていない面を下にした場合、及び50度のラップ角度対150度のラップ角度から得た4つの全ての順列において、それ以外は実施例22と同じ手順を使用して、実験用フィルム移送装置に通した。PET−HS4ループパイル布地の矩形片を切断し、既に説明した手順により、PETフィルムのそれぞれの面に対する動的COFを試験した。結果を表3に示す。
【0109】
実施例27〜30に関しては、VECTOR(商標)8508AでコーティングしたPET−HS4ループパイル布地のスリーブで引張りローラをカバーした。PETフィルムは、コーティングされた面を下にした場合対コーティングされていない面を下にした場合、及び50度のラップ角度対150度のラップ角度から得た4つの全ての順列において、それ以外は実施例22と同じ手順を使用して、実験用フィルム移送装置に通した。VECTOR(商標)8508AでコーティングしたPET−HS4ループパイル布地の矩形片を切断し、既に説明した手順により、PETフィルムのそれぞれの面に対する動的COFを試験した。結果を表3に示す。
【0110】
実施例31〜34に関しては、KRATON(商標)D1340KでコーティングしたPET−HS4ループパイル布地のスリーブで引張りローラをカバーした。PETフィルムは、コーティングされた面を下にした場合対コーティングされていない面を下にした場合、及び50度のラップ角度対150度のラップ角度から得た4つの全ての順列において、それ以外は実施例22と同じ手順を使用して、実験用フィルム移送装置に通した。KRATON(商標)D1340KでコーティングしたPET−HS4ループパイル布地の矩形片を切断し、既に説明した手順により、PETフィルムのそれぞれの面に対する動的COFを試験した。結果を表3に示す。
【0111】
【表3】

フィルムのより滑りにくいコーティングされていない側が150度という大きいラップ角度で引張りローラと接触している最良のシナリオでさえも、裸のアルミニウムローラは1.0PLI(1.75ニュートン/直線センチメートル)でさえスリップなしで取り扱うことができなかったことがわかる。コーティングされていないPET−HS4ループパイル布地係合カバーをローラに装着すると、引張りローラは同じ条件で2.2PLI(3.85ニュートン/直線センチメートル)を生成することができた。PET−HS4係合カバーにVECTOR(商標)8508Aをコーティングすると、引張りローラは同じ条件で5.0PLI(8.75ニュートン/直線センチメートル)以上を生成することができた。しかし、その係合カバーでカバーした引張りローラは、より滑りやすいフィルム、より小さいラップ角度、又はそれら両方というより難しいシナリオでは性能が下がった。PET−HS4係合カバーにKRATON(商標)D1340Kをコーティングすると、引張りローラは4つの全てのシナリオで5.0PLI(8.75ニュートン/直線センチメートル)以上を生成することができた。
【0112】
フィルム作製、フィルムコーティング、又はフィルム変換ラインにおいては、そのような高い張力が必要である場合があり、適切にコーティングされた係合カバーは引張りローラ上でのスリップのない動作を可能にすることができる。表3からわかるように、動的摩擦係数は性能の合理的予測を与える。
【0113】
本発明を添付図面を参照しながら好ましい実施形態について詳細に説明したが、様々な変更及び修正が当業者に明らかであることに留意されたい。そのような変更及び修正は、添付された「特許請求の範囲」によって定められるような本発明の範囲から逸脱しない限り、これに含まれるものと理解すべきである。
【0114】
本明細書で引用する全ての特許、及び特許刊行物は、それらの全容を援用するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ係合カバーを作製する方法であって、
(a)第1面及び第2面を有する織布基層と、前記第1面から突出した弾力的なループパイルと、を含むニット布地を提供する工程と、
(b)エラストマーコーティング組成物を前記ループパイルに適用する工程と、
(c)前記コーティング組成物を硬化させて、前記ループパイル上にエラストマーポリマーの付着物を残し、前記係合カバーをもたらす工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記付着物が、把持性補強要素の配列である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基層が、ポリ(テトラフルオロエチレン)、アラミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される繊維状材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ループパイルが、ポリ(テトラフルオロエチレン)、アラミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される繊維状材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ループパイルが、約0.4〜約0.8mmのループ高さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ループパイルが、約0.5〜約0.7mmのループ高さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ループパイルが、約100〜約500デニールを有する繊維を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ループパイルが、1ステッチ毎に1ループスレッドを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エラストマーコーティング組成物が、溶剤中に溶解した前記エラストマーポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記エラストマーポリマーが、スチレン、ウレタン、アクリル、シリコーン、オレフィン、及びコポリマー、ブロックコポリマー、並びにそれらの他の組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記溶剤が、キシレン、トルエン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記エラストマーコーティング組成物が、前記エラストマーポリマーの水性エマルションを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記エラストマーコーティングの量が、前記ループパイルの約5重量パーセント〜約50重量パーセントに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記エラストマーコーティングの量が、前記ループパイルの約5重量パーセント〜約20重量パーセントに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記エラストマーコーティングの量が、前記ループパイルの約10重量パーセント以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記エラストマーコーティングのショアA硬度が約75未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記エラストマーコーティングのショアA硬度が約30〜約60である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記エラストマーコーティングのショアA硬度が約30〜約45である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記係合カバーが、約0.25〜約3の対ポリエステル摩擦係数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記係合カバーが、約1以上の対ポリエステル摩擦係数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記エラストマーコーティング組成物を前記パイルに適用する前に、前記ループパイルを洗浄して前記ループパイルから繊維潤滑剤を取り除く工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
含浸、コーティング、又はスプレーからなる群から選択される方法によって、前記エラストマーコーティング組成物を前記パイルに適用する、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記エラストマーコーティング組成物が、コーティングによって前記パイルに適用され、不連続の把持性補強要素の配列をもたらすために、乾燥前に余分なエラストマーコーティング組成物を取り除く工程を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ローラカバーを、前記基層の前記第2面がローラに面するようにして前記ローラ上に設置する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
エラストマーコーティングを前記ループパイルに適用する前記工程の前に、前記ニット布地を、前記基層の前記第2面がローラに面するようにして前記ローラ上に装着する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−505882(P2013−505882A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531084(P2012−531084)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/050286
【国際公開番号】WO2011/038284
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】