説明

ウエットティシュペーパー収納容器

【課題】ウエットティシュペーパーを内包し、該ウエットティッシュペーパーを取り出すための開口部及び該開口部を覆うシール部材を備える袋体と、この袋体をさらに内包する箱体とからなるウエットティシュペーパー収納容器において、上記箱体に上記袋体を内包した状態で該箱体の取り出し口から直接、袋体に備えられるシール部材を容易に引き剥がすことを可能とするウエットティシュペーパー収納容器を提供することを目的とするものである。
【解決手段】ウエットティシュペーパー収納容器における袋体に設けられるつまみ部を、該袋体とは実質的に接触していない状態に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエットティシュペーパー(以下、単に「ウエットティシュ」という場合もある。)を内包する袋体と、該袋体を内包する箱体とからなるウエットティシュペーパー収納容器(以下、単に「ウエットティシュ収納容器」という場合もある。)に関し、より詳しくは、上記袋体に形成されるウエットティシュ取り出し用の開口部を覆うシール部材を該袋体から引き剥がすために、該シール部材に設けられたつまみ部に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウエットティシュが家庭用としてまた業務用として盛んに利用されるようになり、その消費量は年々拡大している。ウエットティシュは不織布等の繊維質シートに薬剤、化粧料等の含浸剤を含浸せしめてなるもので、手の汚れ落し、消毒や赤ちゃんのおしり拭き等の目的で利用されている。
【0003】
従来から、ウエットティシュを気密性を有する軟質フィルムにて形成された袋体に収納し、該袋体をさらに箱体に内包せしめたタイプのウエットティシュ収納容器が知られている(例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2)。かかるタイプのウエットティシュは、卓上用あるいは車内用などとして広く利用されている。
【0004】
上述する従来のウエットティシュ収納容器の例を図3に示す。図3に示すウエットティシュ収納容器101は、箱体本体103と箱体本体103の下面に嵌合する箱体底板102とからなる箱体104、及び箱体104に内包される袋体105から構成される。袋体105内にはウエットティシュが内包されている。袋体105上面には、ウエットティシュを取り出すための開口部106及び開口部106を覆って該袋体105に貼着されるシール部材107が設けられており、使用前においては、シール部材107の存在により袋体105内部の気密性が維持されている。また箱体本体103には、これに内包される袋体105に設けられた開口部106を介してウエットティシュを取り出すための取り出し口108及び該取り出し口108を開閉するための蓋部109が備えられており、箱体104内の気密性を高めるために、上記蓋部109は箱体本体103の天板において該本体と嵌合構造を形成するなどして密閉性を確保する構造が採用されることが一般的である。
【0005】
上記ウエットティシュ収納容器101は、ウエットティシュを内包した袋体105が箱体104に詰められた状態で販売されており、使用者は、ウエットティシュ収納容器101を購入後、袋体105に設けられたシール部材107を引き剥がし、該袋体105の開口部106を開口させ、該開口部106及び箱体天板103における取り出し口108を介してウエットティシュを取り出して使用することになる。したがって、従来のウエットティシュ収納容器101では、シール部材107を袋体105から引き離し易いように、シール部材107の周縁の一部に、裏面に接着剤の塗布されていないつまみ部110が設けられていた。つまみ部110は、袋体105と非接着の部材であるが、シール部材107本体と略同一面に形成されており、実質的に袋体105と接触した状態で設けられていた。
【0006】
【特許文献1】特開平7−215379号公報
【特許文献2】特開平11−342091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記シール部材107は、使用前の袋体105の気密性を維持するために袋体105の開口部106を十分に覆う大きさで形成される必要がある。したがって箱体104に袋体105が内包された状態で、蓋体109を開けて取り出し口108を上方より観察した場合に、該取り出し口108内側においてシール部材107自体は観察されるが、シール部材107に設けられたつまみ部110は箱体104の天板下に隠れており、該取り出し口108からは観察されない位置に存在する。ここで、箱体104内に上記袋体105が内包された状態において、取り出し口108から指を挿入し、直接、つまみ部110をつまんでシール部材107を引き剥がそうとしても、上述するように、つまみ部110はシール部材107と略同一面、即ち袋体105上面において平坦状に形成されているため、つまむことが難儀であった。したがって、使用者は、一度、箱体底板102を開けて、袋体105を箱体104から取り出して、シール部材107を引き剥がした後、再度、箱体104に該袋体105を詰めなければならず、使用者に対し煩わしい作業を強いる結果となり問題であった。
【0008】
本発明は上記問題点を鑑みなされたものであって、ウエットティシュ収納容器において、箱体に袋体を内包した状態で該箱体の取り出し口から直接、袋体に備えられるシール部材を引き剥がすことが容易なウエットティシュ収納容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の特徴は、ウエットティシュペーパー収納容器における袋体に設けられるつまみ部を、該袋体とは実質的に非接触状に形成せしめることにある。
【0010】
即ち本発明は、
ウエットティシュペーパーを内包している袋体であって該ウエットティシュペーパーを取り出すための開口部及び上記開口部を覆うシール部材を備える袋体と、上記袋体を内包する箱体であって上記開口部を介して該ウエットティシュペーパーを取り出すための取り出し口及び上記取り出し口を開閉するための蓋部を備える箱体と、を備えるウエットティシュペーパー収納容器であって、上記シール部材の周縁の任意の箇所に上記袋体に実質的に接触していない非接触つまみ部が形成されていることを特徴とするウエットティシュペーパー収納容器、
を要旨とするものである。
【0011】
上記本発明において、(A)非接触つまみ部が、シール部材と一体的に形成されていてもよく、または、(B)上記非接触つまみ部が、折り返された姿勢で、あるいは反り返された姿勢で、該非接触つまみ部の少なくとも一部が、シール部材の表面に貼着されていてもよく、または、(C)上記蓋部を開けた状態で、取り出し口上方より観察したときに、上記非接触つまみ部が、上記取り出し口の内側に位置していてもよく、または、本発明において上記(A)〜(C)を任意に組み合わせてもよい。
【0012】
尚、本発明において「実質的に接触していない」とは、つまみ部の裏面が袋体表面に接着されておらず、且つ、つまみ部が袋体の表面から有意に離れた状態を意味する。したがって、シール部材と略同一面に形成された従来のつまみ部の如く、袋体の表面に沿って位置するが、つまみ部の裏面が該袋体の表面に接着されていないことによって若干の隙間を有している状態までも含むものではない。また本発明において「非接触つまみ部」とは、袋体表面と実質的に接触していないつまみ部のことを意味する。
【0013】
また本発明において「つまみ部の裏面」とは、シール部材の接着剤が塗布された面(即ちシール部材の袋体と接する面)に連続する面のことをいい、「シール部材の表面」とは、シール部材の接着剤が塗布された面とは反対側の面のことをいう。以下における記述では、上記シール部材の接着剤が塗布された面を便宜的に「シール部材の裏面」という場合がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、ウエットティシュ収納容器における袋体に設けられるつまみ部が該袋体とは実質的に非接触となるように形成されているため、箱体内に袋体が内包された状態において、該箱体の取り出し口から上記つまみ部を容易につまむことができる。そしてその結果、箱体内に袋体が内包された状態において、取り出し口からシール部材を引き剥がすことが容易である。したがって、ウエットティシュ収納容器の使用者は、袋体のシール部材を引き剥がすために該袋体を箱体より出してシール部材を引き剥がし、再度、箱体の中に袋体を詰めるという作業を強いられることなくウエットティシュ収納容器を使用することができる。
【0015】
またウエットティシュ収納容器の使用者の中には、ウエットティシュの乾燥を防ぐという目的でより厳密に気密性を求めるため、使用の度に、シール部材の一部あるいは全部を袋体から引き剥がし、ウエットティシュを取り出した後、再度、シール部材を袋体の開口部を覆って袋体に貼着することを希望する場合がある。これに対し、本発明のシール部材におけるつまみ部は、袋体が箱体に内包された状態でも非常につまみ易いため、ウエットティシュを取り出す度にシール部材を引き剥がし、再度、貼着する使用方法においても、非常に優れた使用感を使用者に与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態を示すウエットティシュ収納容器1の分解斜視図である。ウエットティシュ収納容器1は、箱体底板2と箱体本体3とからなる箱体4及び箱体4に内包される袋体5から構成される。袋体5内には、ウエットティシュが内包されている。袋体5上面には、ウエットティシュを取り出すための開口部6及び開口部6を覆って該袋体5に貼着されるシール部材7が設けられており、使用前においては、シール部材7の存在により袋体5内部の気密性が維持されている。また箱体本体3には、開口部6を介してウエットティシュを取り出すための取り出し口8及び該取り出し口8を開閉するための蓋部9が備えられており、箱体4内の気密性を維持するために、蓋部9は箱体4の天板において該箱体4と嵌合構造をなして形成されている。また略円形状の取り出し口8には、使用時において使用単位毎にウエットティシュを取り出し易いようにウエットティシュを押さえるため、箱体の長辺方向に並列な向きにおいて互いに向き合う突起が取り出し口8の側面から内側に向けて4本形成されて押さえ部12が設けられている。
【0018】
シール部材7の短辺の一方には、裏面に接着剤の塗布されていない長細状のつまみ部が該シール部材7と一体的に設けられおり、上記長細状のつまみ部を反り返して、その先端を、留め部材11によりシール部材7の表面に貼着させることにより、非接触つまみ部10が形成されている。箱体4内に袋体5を内包した状態で蓋部9を開けて、取り出し口8上方から本発明を観察した際に、非接触つまみ部10の少なくとも先端部分は、押さえ部12を構成する4本の突起間に位置し、目視において観察される位置においてその先端が留め部材11においてシール部材7表面に貼着されている。
以下に、本発明の構成についてより詳しく説明する。
【0019】
箱体について:
箱体本体3と、箱体底板2とからなる箱体4は、内包する袋体5及びそれに内包されるウエットティシュの形状を保護することが可能な程度に、硬質または半硬質の部材より形成される、硬質または半硬質の箱体であることが望ましい。例えば、このような部材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、あるいはアルミ、あるいは木材などを適宜選択して用いることができ、またこれら部材に限定されることなく従来公知の部材を使用してよい。但し、後述する箱体底板2と箱体本体3との嵌合構造を容易に形成することができるという点からは、熱可塑性樹脂の使用が好ましい。
【0020】
本発明における箱体4は、シール部材7を剥がした後も、一定期間、ウエットティシュの湿潤性の維持を可能とする程度に気密性が求められる。さらに内部のウエットティシュを使い切った後は、空になった袋体5を捨てて、新しい交換用の袋体を内包せしめ、箱体4自体は、繰り返し使用されることが望ましい。従って、これら所望される点を適えるためには、例えば図1に示すように、箱体4が、開け閉め可能な箱体本体3と箱体底板2との組み合わせから構成されており、且つ、箱体本体3と箱体底板2とが互いに嵌合するよう形成されていることが望ましい。上述の趣旨から勘案すれば当然であるが、本発明における箱体において、袋体の出し入れを目的として開け閉め可能とする構造は、図1に示す箱体本体3と箱体底板2とに限定されず、例えば、箱体の底部分は箱体本体と一体的に形成され、蓋部を備える箱体天板部分が、箱体本体から取り外し可能に構成されていてもよく、あるいは箱体本体の側面の一部が取り外し可能に構成されていてもよい。
尚、図1には直方体形状の箱体4を例示したが、本発明における箱体の形状はこれに限定されず、立方体や、円柱状体、楕円柱状体などの任意の形状であってよい。
【0021】
蓋部について:
次に、箱体4の天板に形成された蓋部9について説明する。蓋部9は、箱体4に内包される袋体5の開口部6を介してウエットティシュを取り出すことを目的に形成されるものであり、ウエットティシュを使用する際に繰り返し開け閉めされる部分である。図1に示す蓋部9は、その一部が箱体本体3の天板と連結され一体的に形成されており、該天板に形成される取り出し口8を覆い、且つ、閉めた状態では箱体4の気密性を維持するよう該天板と嵌合可能に形成されている。
【0022】
蓋部9を構成する部材は、箱体4を構成する部材と同様のものを用いることができ、箱体4と同じ部材で形成してもよいし、異なる部材で形成することもできる。また蓋部9の形状、構造については、図1に示す略円形状のものに限定されず、如何なる形状のものであってもよく、また、天板全面あるいは天板略全面を蓋部として構成してもよい。
【0023】
箱体4の天板に設けられる取り出し口8は、上述するように、蓋部9を開けた際に、箱体4に内包される袋体5の開口部6を介してウエットティシュを取り出すために設けられるものであって、その形状は略円形状だけではなく、楕円形状、四角形状など任意の形状であってよい。図1に示す取り出し口8には、ウエットティシュを使用単位毎に取り出しやすくすることを目的に、押さえ部12が設けられた例を示したが、押さえ部12は本発明のウエットティシュ容器において必須の構成ではない。したがって、全く押さえ部を有しない単純な円形、楕円形、四角形などの任意の形状の取り出し口8であってもよい。
【0024】
ウエットティシュについて:
本発明に用いられるウエットティシュは、従来公知のウエットティシュであれば適宜選択して使用することができる。通常は、方形シート状のウエットティシュが幾層にも積み重ねられた積層体の状態で袋体5に内包される。積層されるウエットティシュは、1枚の使用単位を適当な大きさに折りたたみ、それを一枚ずつ重ねていくか、あるいは、折りたたまれた使用単位毎のウエットティシュにおいて前後する使用単位ごとのウエットティシュの端部同士を重なり合わせる等して互いに引っかかりあうよう積み重ねる所謂ポップアップ形式で積層してもよい。特にポップアップ形式で積層したウエットティシュであれば、一枚目のウエットティシュを取り出し口8より完全に取り出した際に、自動的に次のウエットティシュの上端部が取り出し口8の上方に持ち上がった状態を作り出すことができ、ウエットティシュの取り出しを容易にするという利点がある。またウエットティシュのさらなる別の形態としては、使用単位毎の積層体ではなく、ロール状にした一連のウエットティシュ、あるいはプリーツ状に折りたたんだ一連のウエットティシュであって、等間隔に切り取り用の点線が設けられたものであってもよい。
【0025】
ウエットティシュとしては、合成繊維又は天然繊維からなる紙、織布、不織布、コットン、ガーゼ、発泡シート等のシート素材に、薬剤、化粧材料などの含浸剤を含浸または塗布せしめたものが用いられる。上記薬剤としては、例えば消毒用アルコール等が挙げられる。
【0026】
袋体について:
上記ウエットティシュを内包する袋体5は、該ウエットティシュが含浸また塗布される薬剤、化粧材料等の含浸剤が漏れ出たり、揮発したりするのを防止するため、気密性を有するフィルムで形成されることが一般的である。このようなフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、セロハン、アセテート等のプラスチックからなるフィルム、或いはこれらフィルムの2種以上の組み合わせからなる積層フィルム、或いは上記単層のフィルム又は上記積層フィルムにさらにアルミ箔を積層してなる複合フィルム等が挙げられる。
【0027】
袋体5の一面には、上述するとおり該袋体5に内包されるウエットティシュを取り出すための開口部6が設けられる。開口部6の大きさ及び形状は、ウエットティシュを取り出すために不都合にならない程度に如何なるものであってもよい。開口部6は、予め設計された形状の穴部を袋体5を構成するフィルム上の適切な位置において切り抜くことによって形成することができる(以下、単に「形成方法1」ともいう)。また別の形成方法としては、予め開口部として設計された形状の輪郭線上に破線を形成し、次いで該形状を覆ってシール部材7を貼り、シール部材7を最初に剥がす際に、シール部材7の接着力により袋体5の一部を上記破線部分で切り取ることによって開口部6を形成することもできる(以下、単に「形成方法2」ともいう)。
【0028】
上述のとおり開口部6が設けられた袋体5は、通常、開口部6が、箱体4における取り出し口8の開口部分と重複する位置にくるよう箱体4に内包される。
【0029】
シール部材について:
シール部材7は、形成方法1によって形成される開口部6からウエットティシュの含浸剤が漏れ出たり、揮発したりするのを防止するため気密性を維持する目的で設けられる。また、上記形成方法2によって開口部6が形成される場合には、開口が予定される位置を覆ってシール部材7を貼り、これを剥がすときにその接着力により袋体5の一部が破線部分で切り離されて開口部6が形成されるため、上記形成方法2により開口部6が形成される場合であっても、シール部材7を備えることは重要である。
【0030】
シール部材7が剥がされて、開口部6が露出した袋体5は、良好に気密性の維持される箱体4に内包されるため、箱体4内においては、開口部6は開口状態のままであってもよい。即ち、一度剥がされたシール部材7を、再度、開口部6を覆って袋体5に貼らなくても、箱体4の気密性により箱体4の外にウエットティシュの含浸剤が漏れ出たり、揮発することが防止される。したがって、かかる場合には、シール部材7の裏面(貼着面)に塗布される接着剤は、特に再粘着及び再剥離可能な接着剤でなくてもよい。
【0031】
しかしながら、箱体4によって良好に維持される気密性をより確実にすることが望まれる場合があり、ウエットティシュを使用する度にシール部材7の全部あるいは一部を剥がし、開口部6よりウエットティシュを取り出した後、再度、開口部6を覆ってシール部材7を貼る使用方法が採用される場合がある。かかる使用方法を可能とするためには、シール部材7の裏面(貼着面)に再粘着及び再剥離可能な接着剤を塗布することが望ましい。
【0032】
シール部材7を構成する部材としては、上述する袋体5を構成することが可能なフィルムであれば適宜選択して採用することができ、袋体5と同じ部材であってもよいし、異なる部材を採用してもよい。またシール部材7の大きさ及び形状は、開口部6を十分に覆うことが可能であれば、如何なるものであってもよい。
【0033】
非接触つまみ部について:
上述のとおり、シール部材7は、形成方法1及び形成方法2のいずれにおいても、本発明のウエットティシュ収納容器の最初の使用の際には、袋体5から剥がされる部材である。また特に、ウエットティシュを取り出す度にシール部材7を剥がし、再度袋体5に貼着させる使用方法では、繰り返し、シール部材7が剥がされることとなる。したがって、シール部材7を容易に引き剥がすことができるように、本発明では非接触つまみ部10が設けられている。
【0034】
より詳しく説明すると、本発明では、袋体5を箱体4に内包した状態のまま、取り出し口8から、本発明品の使用者が指先で容易にシール部材7を剥がすことができるように、袋体5表面とは実質的に非接触のつまみ部が設けられているのである。例えば、図1に示すように、シール部材7と一体的に設けられた長細状のつまみ部を反り返してシール部材7の表面にその先端を留め部材11で貼着せしめ非接触つまみ部を形成することができる。また別の態様としては、シール部材7と一体的に設けられ、裏面に接着剤が塗布されていないつまみ部であって、図2(a)に示すように、該つまみ部の裏面と袋体5の表面が離れる方向に湾曲させて形成した非接触つまみ部20、或いは、図2(b)に示すように該つまみ部とシール部材7との臨界線において該つまみ部の裏面が袋体5とは離れる方向に折り目を付けることによって形成した非接触つまみ部30、或いは、図2(c)に示すように該つまみ部の裏面と袋体5の表面が離れる方向に該つまみ部を反り返し、その先端を接着剤などによってシール部材の表面に接着せしめて形成した非接触つまみ部40を採用してもよい。非接触つまみ部40を形成する際に、つまみ部の先端をシール部材の表面に接着させるための接着剤は、指先で容易に接着部分が剥がせる程度の接着力であることが望ましい。
【0035】
本発明における非接触つまみ部は、シール部材7と必ずしも一体的に設けられる必要はなく、シール部材7の任意の一辺に、別体として形成されたつまみ部が設けられてもよい。例えば、細長状片の一端をシール部材7の任意の一辺の裏面または表面に接着せしめ、他端を、上述する非接触つまみ部10、非接触つまみ部20、非接触つまみ部30または非接触つまみ部40の如く、袋体5の表面とは実質的に非接触となるように構成することによって、シール部材7とは別体に設けられる非接触つまみ部を形成することができる。
【0036】
本発明における非接触つまみ部は、上述のとおり袋体5の表面とは非接触な姿勢で設けられているため、該非接触つまみ部が箱体4天板下に位置していても、取り出し口8から指を挿入してつまみ部をつまむことが容易であり、この結果、指先でつまんだ該つまみ部を引っ張ることにより、取り出し口8からシール部材7を引き剥がすことが簡単である。
【0037】
特に、図1に示すとおり、本発明品を蓋部6を開けて取り出し口8上方より観察した際に、非接触つまみ部10の少なくとも先端が取り出し口8の内側に観察されるよう位置している態様では、箱体天板内に指を挿入する必要がなく、該つまみ部をつまむことがさらに容易である。したがって非常にスムーズに取り出し口8よりシール部材7を引き剥がすことができる。このように非接触つまみ部が特につまみ易いという観点から、図1の如く、取り出し口8に押さえ部12が設けられた本発明においては、該押さえ部12の下方に非接触つまみ部10が位置していないことが望ましい。
【0038】
上述するように、取り出し口8より非接触つまみ部10が指先で容易につまむことができ、これによってシール部材7を引き剥がすことが容易な本発明のウエットティシュ容器であれば、最初に使用する際に、箱体4より袋体5を取り出してシール部材7を剥がし、再度、箱体4に袋体5を内包せしめる手間がない。さらに、ウエットティシュを使用する度にシール部材7を引き剥がし、再度袋体に貼るという使用方法を容易に実施することができ、より確実にウエットティシュの含浸剤が漏れ出たり、揮発したりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のウエットティシュ収納容器の一実施態様を示す分解斜視図である。
【図2】2(a)、2(b)、2(c)は、異なる態様のシール部材を備える袋体の側面図である。
【図3】従来のウエaトティシュ収納容器の一例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ウエットティシュ収納容器
2 箱体底板
3 箱体本体
4 箱体
5 袋体
6 開口部
7 シール部材
8 取り出し口
9 蓋部
10、20、30、40 非接触つまみ部
11 留め部材
12 押さえ部
101 ウエットティシュ収納容器
102 箱体底板
103 箱体本体
104 箱体
105 袋体
106 開口部
107 シール部材
108 取り出し口
109 蓋部
110 つまみ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエットティシュペーパーを内包している袋体であって該ウエットティシュペーパーを取り出すための開口部及び上記開口部を覆うシール部材を備える袋体と、
上記袋体を内包する箱体であって上記開口部を介して該ウエットティシュペーパーを取り出すための取り出し口及び上記取り出し口を開閉するための蓋部を備える箱体と、
を備えるウエットティシュペーパー収納容器であって、
上記シール部材の周縁の任意の箇所に上記袋体に実質的に接触していない非接触つまみ部が形成されていることを特徴とするウエットティシュペーパー収納容器。
【請求項2】
上記非接触つまみ部が、シール部材と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウエットティシュペーパー収納容器。
【請求項3】
上記非接触つまみ部が、折り返された姿勢で、あるいは反り返された姿勢で、該非接触つまみ部の少なくとも一部が、シール部材の表面に貼着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のウエットティシュペーパー収納容器。
【請求項4】
上記蓋部を開けた状態で、取り出し口上方より観察したときに、上記非接触つまみ部が、上記取り出し口の内側に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のウエットティシュペーパー収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−168935(P2008−168935A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5491(P2007−5491)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(595007552)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【Fターム(参考)】