説明

ウエットティシュ収納容器及びウエットティシュ収納容器に装着する外装体

【課題】上蓋による容器本体の開口部のシール性の向上と取り出し容易なウエットティシュ収納容器を得る。
【解決手段】開口部3を上面部2に有する容器本体4に、開口部3を開閉する上蓋5をヒンジ部7を介して開閉自在に設け、上蓋5を開方向に付勢する開方向付勢手段8を設け、ヒンジ部7とは反対側位置に開閉操作手段10を、ヒンジ部11を介して回動自在に設けた構造のウエットティシュ収納容器1において、容器本体4における開口部3の周囲に、本体側弾性シール部材17を容器本体4の上面に露出するように設け、上蓋5の下面に上蓋5の閉鎖時に本体側弾性シール部材17と圧接する上蓋側弾性シール部材20を露出するように設け、また開口部3には、その周囲に本体側弾性シール部材17の内側に沿って起立する内壁部19を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエットティシュを収容する容器本体の上面部に内容物の取り出しを行う開口部を設け、この開口部を開閉する上蓋をヒンジ部で容器本体に開閉自在に設けたウエットティシュ収納容器及びこのウエットティシュ収納容器に装着する外装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のウエットティシュ収納容器として、ウエットティシュの取り出しを行う開口部を上面部に有する容器本体に、開口部を開閉する上蓋をヒンジ部を介して開閉自在に設け、ヒンジ部側における容器本体と上蓋の間に、上蓋を開方向に付勢する開方向付勢手段を設け、ヒンジ部とは反対側に位置して容器本体に、付勢手段により付勢され回動して上蓋を閉状態にロックすると共に付勢手段の付勢に抗する回動により閉状態のロックを解除する操作を行う開閉操作手段をヒンジ部を介して回動自在に設けた構造のウエットティシュ収納容器が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4354141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載されているウエットティシュ収納容器にあっては、上蓋により容器本体の開口部を閉じたとき、上蓋の内面に設けた筒状の閉鎖リブが容器本体の開口部内周面に嵌合し、閉鎖リブの外周面が開口部の内面に接して開口部がシールされるようになっているので、シール性を高めようとすると閉鎖リブが容器本体の開口部内周面に嵌合し難く操作性が悪くなり、また、操作性を良くしようとするとシール性が悪くなるといった問題があった。
【0005】
また、開方向付勢手段にあっては板状ばねで形成されていて、この板状ばねの撓みによる復元力で前記上蓋を開く方向に付勢しているが、図19(A)(B)に示すように、容器本体70の上面部71の後部に上向きに開口した凹部72を設け、この凹部72に板状ばね73の下端部を差し込み、板状ばね73の上端部は上蓋74の後部の内面に沿わせて固定具75により固定して取り付けられており、上蓋74を閉状態にしたとき、上蓋74の後部の内面に沿わせて固定具75により固定された板状ばね73の上端部が板状ばね73の下端部と略90度の角度を為すようにして、板状ばね73の下端部と上端部との中間部に撓みを生じさせ、この中間部の撓みによる復元力を利用する構造となっているので、板状ばね73の下端部と上端部との中間部の撓み率が小さく、強い付勢力が得難いといった問題があった。また、板状ばね73の上端部は上蓋74の後部の内面に固定具75により固定して取り付けられているので、固定具75といった部材を必要とすると共に、構造が複雑化し、その分製造に手間がかかり、コスト高の要因になるといった問題点があった。
【0006】
また、上蓋を閉状態にロックする方向に開閉操作手段を付勢する付勢手段にあっては、図20に示すように、開閉操作手段76の下面に両端が固定された弧状のばね部77で構成されており、ばね部77は、その頂部77aが容器本体の上面部に当接し、開閉操作手段76のロック解除方向への回動により圧縮されるようになっており、その復元力で開閉操作手段76をロックする方向に付勢するするようになっているが、前記のように弧状のばね部77の両端が開閉操作手段76に固定されているのでばね部77の弾性変形に難があり、特に開閉操作手段76が幅広である場合、ばね部77の弾性変形が不安定になり、全体を安定的に付勢することが困難であるといった問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上蓋による容器本体の開口部のシール性の向上を図るとともに、容器本体の開口部からウエットティシュを容易に取り出すことにできるウエットティシュ収納容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、上蓋を閉じたとき、容器本体の開口部から引き出された状態にあるウエットティシュの引き出し部位が、上蓋を閉じたときに容器本体の開口部のシール性の妨げにならないようにしたウエットティシュ収納容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、上蓋を開く方向に付勢する開方向付勢手段が板状ばねであるとき、板状ばねの弾性復元力を効果的に活用できるようにすると共に板状ばねの取り付けを容易にしたウエットティシュ収納容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、上蓋を閉状態にロックする方向に開閉操作手段を付勢する付勢手段の安定性を図ることができるウエットティシュ収納容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、容器本体の上面部が傾斜状態になっていても、容器本体の上面部の上に別の容器本体を安定よく重ねることができるようにした外装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ウエットティシュの取り出しを行う開口部を上面部に有する容器本体に、前記開口部を開閉する上蓋をヒンジ部を介して開閉自在に設け、前記ヒンジ部側における前記容器本体と前記上蓋の間に、前記上蓋を開方向に付勢する開方向付勢手段を設け、前記ヒンジ部とは反対側に位置して前記容器本体に、付勢手段により付勢され回動して前記上蓋を閉状態にロックすると共に付勢手段の付勢に抗する回動により閉状態のロックを解除する操作を行う開閉操作手段を、ヒンジ部を介して回動自在に設けた構造のウエットティシュ収納容器において、前記容器本体における前記開口部の周囲に、本体側弾性シール部材が前記容器本体の上面に露出するように設けられ、前記上蓋の下面には前記上蓋の閉鎖時に前記本体側弾性シール部材と圧接する上蓋側弾性シール部材が露出するように設けられ、また前記開口部には、その周囲に前記本体側弾性シール部材の内側に沿って起立する内壁部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記上蓋に設けられた前記上蓋側弾性シール部材によって囲まれた部分には、前記開口部から飛び出た前記ウエットティシュの引き出し部位を収容する収容空間が下向きに開口して設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の、前記上蓋を開方向に付勢する開方向付勢手段は板状ばねからなり、前記容器本体の上面部に上向きに開口した上向き凹部が設けられ、前記上蓋の下面には前記上向き凹部と概ね平行状態で下向きに開口した下向き凹部が前記上向き凹部より後方に位置をずらして設けられ、前記板状ばねの下端部は前記上向き凹部に差し込まれ、上端部は前記下向き凹部に差し込まれて取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の、前記開閉操作手段をロック方向に付勢する付勢手段は、前記開閉操作手段の下面にその一端が固定され他端が開放端となっている弧片からなるの複数のばね部で構成され、前記ばね部は、その開放端が容器本体の上面部に当接し、前記開閉操作手段のロック解除方向への回動により圧縮されるようになっていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の、前記容器本体の底面部には、ウエットティシュを前部に対して後部が上がった傾斜状態にする傾斜部が設けられ、前記開口部を有する前記容器本体の前記上面部は、前記傾斜部と概ね平行となる傾斜をもって形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の前記ウエットティシュ収納容器に装着する外装体であって、両側部を開口する略台形筒状体からなり、前記略台形筒状体は、前記ウエットティシュ収納容器の底部を載せる底面板部と、前記底面板部から起立されていて前記ウエットティシュ収納容器の前部を覆う前面板部と、前記底面板部から起立されていて前記ウエットティシュ収納容器の背部を覆う背面板部と、前記前面板部と前記背面板部に両端に連続して設けられていて前記ウエットティシュ収納容器の上部を覆って前記ウエットティシュ収納容器の上部の最高頂部に接触する上面板部とを備え、前記前面板部が前記ウエットティシュ収納容器の前部に接触して傾斜状態で立ち上がり且つ前記背面板部が前記ウエットティシュ収納容器の背部に接触して傾斜状態で立ち上がるように前記上面板部の幅が前記底面板部の幅より狭く設定された構成となっていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の前記ウエットティシュ収納容器に装着する外装体であって、両側部を開口する略台形筒状体からなり、前記略台形筒状体は、前記ウエットティシュ収納容器の底部を載せる底面板部と、前記底面板部から起立されていて前記ウエットティシュ収納容器の前部を覆う前面板部と、前記底面板部から起立されていて前記ウエットティシュ収納容器の背部を覆う背面板部と、前記前面板部と前記背面板部に両端に連続して設けられていて前記ウエットティシュ収納容器の上部を覆って前記ウエットティシュ収納容器の上部の最高頂部に接触する上面板部とを備え、前記上面板部には前記前面板部との接続折れ線部に沿って下向きのV字折り曲げ部が形成されており、前記V字折り曲げ部の存在により前記前面板部が前記ウエットティシュ収納容器の前部に接触して傾斜状態で立ち上がり且つ前記背面板部が前記ウエットティシュ収納容器の前記背部に接触して傾斜状態で立ち上がり、前記上面板部と前記前面板部との間の接続折れ線部により形成される頂部と、前記上面板部と前記背面板部との間の接続折れ線部により形成される頂部が同じ高さとなるように設定された構成となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載のウエットティシュ収納容器によれば、容器本体における開口部の周囲に、本体側弾性シール部材が容器本体の上面に露出するように設けられ、上蓋の下面には上蓋の閉鎖時に本体側弾性シール部材と圧接する上蓋側弾性シール部材が露出するように設けられているので、上蓋の閉鎖時に、本体側弾性シール部材と上蓋側弾性シール部材が圧接し、本体側弾性シール部材と上蓋側弾性シール部材の間が確実にシール状態となるので、上蓋による容器本体の開口部のシール性の向上が図れる。
また、容器本体の開口部には、その周囲に本体側弾性シール部材の内側に沿って起立する内壁部が設けられているので、開口部からウエットティシュを引き出す際に、ウエットティシュが開口部の周囲に起立する内壁部により本体側弾性シール部材との接触が阻止されることになり、本体側弾性シール部材による接触抵抗を受けずに容易に引き出すことができる。
【0016】
請求項2に記載のウエットティシュ収納容器によれば、請求項1に記載の、上蓋に設けられた上蓋側弾性シール部材によって囲まれた部分には、開口部から飛び出たウエットティシュの引き出し部位を収容する収容空間が下向きに開口して設けられているので、上蓋を閉じたとき、開口部から飛び出ているウエットティシュの引き出し部位が収容空間内に収容され、本体側弾性シール部材と上蓋側弾性シール部材の間に挟まれるといったことがなく、開口部から飛び出たウエットティシュの引き出し部位が容器本体の開口部のシール性を阻害するといった事態を防止することができる。
【0017】
請求項3に記載のウエットティシュ収納容器によれば、請求項1または2のいずれか1項に記載の、上蓋を開方向に付勢する開方向付勢手段は板状ばねからなり、容器本体の上面部に上向きに開口した上向き凹部が設けられ、上蓋の下面には上向き凹部と概ね平行状態で下向きに開口した下向き凹部が上向き凹部より後方に位置をずらして設けられ、板状ばねの下端部は上向き凹部に差し込まれ、上端部は下向き凹部に差し込まれて取り付けられているので、容器本体の上面部に設けられた上向き凹部と上蓋の下面に設けられた下向き凹部に差し込まれている板状ばねは、上蓋を閉状態にしたとき、上向き凹部と下向き凹部との間で大きく撓み、強い弾性復元力を得ることができることになり、上蓋の開動作を円滑に且つ確実に行わせることができる。
また、板状ばねの取付にあっては、固定具といった部材を必要とすることなく、その両端部を上向き凹部と下向き凹部に差し込むといった簡単な作業で取り付けることができる。
【0018】
請求項4に記載のウエットティシュ収納容器によれば、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の、開閉操作手段をロック方向に付勢する付勢手段は、開閉操作手段の下面にその一端が固定し他端が開放端となっている弧片からなる複数のばね部で構成され、ばね部は、その開放端が容器本体の上面部に当接し、開閉操作手段のロック解除方向への回動により圧縮されるようになっているので、開閉操作手段を押し下げてロック解除操作を行う際、ばね部が安定して変形し、特に開閉操作手段が幅広であっても、全体を安定的に付勢することができる。
【0019】
請求項5に記載のウエットティシュ収納容器によれば、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の、容器本体の底面部には、ウエットティシュを前部に対して後部が上がった傾斜状態にする傾斜部が設けられ、開口部を有する容器本体の上面部は、傾斜部と概ね平行となる傾斜をもって形成されているので、容器本体の上面部に有する開口部が使用者に向かって傾斜した状態となり、ウエットティシュの取り出しをスムーズに行うことができる。
【0020】
請求項6に記載の外装体によれば、請求項5に記載の上面部が傾斜したウエットティシュ収納容器に装着すると、このウエットティシュ収納容器の傾斜している上面部の上に外装体を構成する略台形筒状体の上面板部がほぼ水平状態で存在することになることから、外装体をウエットティシュ収納容器に装着することにより、容器本体の上面部が傾斜していても外装体を介して上下方向に安定した状態で重ねておくことができ、このことから外装体を用いることによって、上面部が傾斜したウエットティシュ収納容器を店頭に陳列する際に、複数個を積み重ねて陳列することができ、陳列効率の向上を図ることができる。
また、略台形筒状体の筒状の両端は開口されているので、ウエットティシュ収納容器に容易に装着することができ、さらに、略台形筒状体の略台形といった構造上の特徴と、略台形筒状体はウエットティシュ収納容器の外周に接触しており両者の間の空間が小さいといったことから、ウエットティシュ収納容器に装着したときにおける外装体の機械的強度が強く、外装体を装着したウエットティシュ収納容器を積み重ねたとき変形することなく、安定した状態で積み重ね状態を維持することができる。
また、外装体にキャッチコピー等の必要な表示を行うことができ、ウエットティシュ収納容器そのものには殆どこの種の表示を行う必要が無くなるので、消費者に受け入れられ易い無地に近いデザインの容器とすることができる。
【0021】
請求項7に記載の外装体によれば、請求項5に記載の上面部が傾斜したウエットティシュ収納容器に装着すると、このウエットティシュ収納容器の傾斜している上面部の上に外装体を構成する略台形筒状体の上面板部と前面板部との間に形成される頂部と、上面板部と背面板部との間に形成される頂部が同じ高さとなって存在することになるので、外装体をウエットティシュ収納容器に装着することにより、容器本体の上面部が傾斜していても外装体を介して上下方向に安定した状態で重ねておくことができ、このことから外装体を用いることによって、上面部が傾斜したウエットティシュ収納容器を店頭に陳列する際に、複数個を積み重ねて陳列することができ、陳列効率の向上を図ることができる。
また、略台形筒状体の筒状の両端は開口されているので、ウエットティシュ収納容器に容易に装着することができ、さらに、略台形筒状体の略台形といった構造上の特徴と、略台形筒状体の上面板部には前面板部との接続折れ線部に沿って下向きのV字折り曲げ部が存在し、且つ略台形筒状体はウエットティシュ収納容器の外周に接触しており両者の間の空間が小さいといったことから、ウエットティシュ収納容器に装着したときにおける外装体の機械的強度がより強く、外装体を装着したウエットティシュ収納容器を積み重ねたとき変形することなく、安定した状態で積み重ね状態を維持することができる。
また、外装体にキャッチコピー等の必要な表示を行うことができ、ウエットティシュ収納容器そのものには殆どこの種の表示を行う必要が無くなるので、消費者に受け入れられ易い無地に近いデザインの容器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るウエットティシュ収納容器の一実施例で、上蓋を閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を開けた状態を示す斜視図である。
【図3】本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を閉じた状態の縦断面図である。
【図4】本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を閉じた状態における容器本体に取り付けられた本体側シール部材と上蓋に取り付けられた上蓋側シール部材の部位を示す拡大縦断面端面図である。
【図5】本例のウエットティシュ収納容器で用いている板状ばねの斜視図である。
【図6】本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を閉じた状態における容器本体と上蓋とに取り付けられた板状ばねの部位を示す拡大縦断面図である。
【図7】本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を開けた状態における容器本体と上蓋とに取り付けられた板状ばねの部位を示す拡大縦断面図である。
【図8】本例のウエットティシュ収納容器における開閉操作手段の部位を示す拡大縦断面図である。
【図9】本例のウエットティシュ収納容器蓋の開閉操作手段を示す背面図である。
【図10】図9の左側面図である。
【図11】本例のウエットティシュ収納容器における容器本体の底部の構成を示す拡大縦断面図である。
【図12】本発明に係る外装体の第1実施例で、ウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す斜視図である。
【図13】本例の外装体をウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す側面図である。
【図14】比較例の外装体をウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す側面図である。
【図15】比較例の外装体をウエットティシュ収納容器に装着した状態のものを上下に重ねた状態の説明図である。
【図16】本発明に係る外装体の第2実施例で、ウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す斜視図である。
【図17】本例の外装体をウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す側面図である。
【図18】第2実施例の外装体の展開図である。
【図19】(A)は従来のウエットティシュ収納容器で、容器本体と上蓋とに取り付けられた板状ばねの取り付け状態における上蓋を閉じた状態の縦断面図、(B)は上蓋を開けた状態の縦断面図である。
【図20】従来の付勢手段を備えた開閉操作手段を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るウエットティシュ収納容器及びウエットティシュ収納容器に装着する外装体を図面に示した実施例に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1乃至図11は本発明に係るウエットティシュ収納容器の一実施例を示したもので、図1は本発明に係るウエットティシュ収納容器の一実施例で、上蓋を閉じた状態を示す斜視図、図2は本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を開けた状態を示す斜視図、図3は本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を閉じた状態の縦断面図、図4は本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を閉じた状態における容器本体に取り付けられた本体側シール部材と上蓋に取り付けられた上蓋側シール部材の部位を示す拡大縦断面端面図、図5は本例のウエットティシュ収納容器で用いている板状ばねの斜視図、図6は本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を閉じた状態における容器本体と上蓋とに取り付けられた板状ばねの部位を示す拡大縦断面図、図7は本例のウエットティシュ収納容器で、上蓋を開けた状態における容器本体と上蓋とに取り付けられた板状ばねの部位を示す拡大縦断面図、図8は本例のウエットティシュ収納容器における開閉操作手段の部位を示す拡大縦断面図、図9は本例のウエットティシュ収納容器蓋の開閉操作手段を示す背面図、図10は、図9の左側面図、図11は本例のウエットティシュ収納容器における容器本体の底部の構成を示す拡大縦断面図である。
【0025】
本例のウエットティシュ収納容器1は、図1乃至図3に示すように、上面部2に開口部3を有する容器本体4と、開口部3を開閉する上蓋5を有する。容器本体4内にはウエットテッシュ6が収容される。このウエットテッシュ6は、開口部3から所定枚数(例えば、1枚ずつ)が連続的に取り出せるように周知の方法で折り畳まれて容器本体4内に収容される。容器本体4の上面部2に有する開口部3を開閉する上蓋5は、その後部がヒンジ部7を介して容器本体4に開閉自在に取り付けられている。ヒンジ部7は、本例では上蓋5に軸を設け、容器本体4に軸受孔を設けることにより構成されている。ヒンジ部7側における容器本体4と上蓋5との間には、上蓋5を開方向に付勢する開方向付勢手段8が設けられている。ヒンジ部7と反対側の容器本体4には、付勢手段9により付勢され回動して上蓋5を閉状態にロックすると共に付勢手段9の付勢に抗する回動により閉状態のロックを解除する操作を行う開閉操作手段10がヒンジ部11を介して回動自在に設けられている。
【0026】
さらに詳細に説明すると、容器本体4にあっては、図1乃至図3に示すように、前記した上面部2と底面部12と前面部13と両側面部14,14と背面部15とで構成されている。上面部2と前面部13と両側面部14,14と背面部15とは一体に構成されて本体部16となっている。この本体部16の下に底面部12が公知の取り付け手段で着脱可能に取り付けられている。
【0027】
容器本体4の上面部2における開口部3の周囲には、図2乃至図4に示すように、ゴム製でリング状をした本体側弾性シール部材17が容器本体4の上面部2の上面に露出するように設けられている。この本体側弾性シール部材17の上面には、同じゴム製で起立リブ17aがリング状に突設されている。
【0028】
本体側弾性シール部材17が設けられる容器本体4の上面部2には、開口部3の周囲に沿って嵌め込み凹部18が設けられ、この嵌め込み凹部18に本体側弾性シール部材17が圧入して取り付けられている。嵌め込み凹部18に対する本体側弾性シール部材17の取り付けは、接着剤により行うこともできる。また、開口部3の周囲には本体側弾性シール部材17の内側に沿って起立する内壁部19が設けられている。この内壁部19はその上端が少なくとも本体側弾性シール部材17の上面より上に出ていることを要する。
本体側弾性シール部材17としては、ゴム弾性を有するものであれば様々な素材が使用可能であるが、ウエットテッシュ6に含まれる薬液への耐久性を考慮するとシリコーン、エチレンプロピレン、クロロプレン、ブチル、天然ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、エピクロルヒドリン、熱可塑性エラストマー(TPE)が好ましい。この中では複雑な形状を安価に射出成形できるものとして熱可塑性エラストマー(TPE)が最も好ましい。また、硬度(JIS K6253)は50から70度が好ましい。
【0029】
また、上蓋5の下面には、図2乃至図4に示すように、ゴム製の上蓋側弾性シール部材20が前記した本体側弾性シール部材17に対向するように上蓋5の下面に露出するように設けられている。上蓋5の下面には、上蓋側弾性シール部材20を取り付ける箇所にリング状にブラケット21が突設され、このブラケット21の内側に前記の上蓋側弾性シール部材20が嵌め込まれて取り付けられている。上蓋側弾性シール部材20の取り付けは、接着剤により行うこともできる。
【0030】
また、上蓋5に設けられた上蓋側弾性シール部材20によって囲まれた部分には、開口部3から飛び出たウエットティシュ6の引き出し部位を収容する収容空間22が下向きに開口して設けられている。本例では、上蓋側弾性シール部材20の下面を凹ませることにより収容空間22が形成されている。なお、上蓋側弾性シール部材20をリング状にして、中央の孔を収容空間22とすることもできる。上蓋側弾性シール部材20の素材及び性状については、本体側弾性シール部材17と同じものが使用できる。
【0031】
前記した上蓋5を開方向に付勢する開方向付勢手段8は板状ばね23からなり、次のようにして容器本体4と上蓋5との間に設けられている。即ち、図6、図7に示すように、容器本体4の上面部2に上向きに開口した上向き凹部24が設けられ、上蓋5の下面には上向き凹部24と概ね平行状態で下向きに開口した下向き凹部25が上向き凹部24より後方に位置をずらして設けられており、板状ばね23は、その下端部が上向き凹部24に差し込まれ、上端部が下向き凹部25に差し込まれ取り付けられている。
【0032】
このように、上向き凹部24と下向き凹部25とを前後にずらして設けると、上蓋5を閉じた状態では、図6に示すように、板状ばね23が上向きに大きく撓んだ部分と下向きに大きく撓んだ部分とが隣り合わせにでき、その撓み率が大きく、板状ばね23に強い復元力が得られ、その復元力をもって上蓋5が開ける方向に付勢されることになる。
板状ばね23としては反発弾性が良好なシリコーンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー(TPE)が使用でき、これらの内、耐圧縮永久歪性からシリコーンゴムが最も好ましい。また、硬度(JIS K6253)は60から80度が好ましい。
【0033】
また、ヒンジ部7と反対側の容器本体4に設けられて、付勢手段9により付勢され回動して上蓋5を閉状態にロックすると共に付勢手段9の付勢に抗する回動により閉状態のロックを解除する操作を行う開閉操作手段10にあっては、図8乃至図10に示すように、中程にヒンジ部7を構成する回転軸26を有し、回転軸26を挟んで一側を係止片27、他側を押圧操作片28とする操作体29とからなっている。
【0034】
そして、係止片27の先端には上蓋5の縁部に設けた係止部30と係止する係止部31を有しており、付勢手段9により付勢され回転軸26を中心にして操作体29が回動し、閉じた上蓋5の係止部30に係止片27の先端に設けた係止部31が係止して上蓋5が閉状態にロックされ、操作体29を付勢手段9の付勢に抗する方向に回動することにより係止片27の先端に設けた係止部31が上蓋5の係止部30から外れ、上蓋5の閉状態のロックが解除されるようになっている。
【0035】
操作体29を付勢する付勢手段9にあっては、操作体29の下面にその一端が固定し他端が開放端となっている弧片からなるばね部32からなり、該ばね部32が回転軸26の軸方向に沿って所定間隔で複数設けられた構成となっている。
そして、ばね部32は、その開放端が容器本体4の上面部2に当接し、操作体29のロック解除方向への回動により圧縮されるようになっている。
【0036】
また、図10に示すように、操作体29における押圧操作片28の端部からばね部32までの距離Aは、ばね部32から回転軸26までの距離Bより大きくなっている。特に、押圧操作片28の端部からばね部32までの距離A:ばね部32から回転軸26までの距離Bの比が、3:2〜3:1が好適である。こよのようにすると、操作体29における押圧操作片28の押圧操作が軽い力で容易に行え、押圧操作片28を押し下げたとき、ばね部32により大きな力を伝達することができ、よって、ばね部32をより耐久性のある剛性の高い構造とすることができる。
【0037】
また、容器本体4の底面部12には、ウエットティシュ6を前部、即ち前面部13に対して後部、即ち背面部15側が上がった傾斜状態にする傾斜部33が設けられている。本例の傾斜部33は、底面部12の上に複数枚の三角形状板34を配置して構成している。この傾斜部33の傾斜角度は、5〜30度の範囲が好適である。傾斜部33の傾斜角度が5度を下回ると、傾斜による改善効果が殆どなくなり、傾斜部33の傾斜角度が30度を上回ると、容器本体4の傾斜角度がきつくなり、容器本体4が不安定になる。また、開口部3有する容器本体4の上面部2は、傾斜部33と概ね平行となる傾斜をもって形成されている。
【0038】
このように構成されたウエットティシュ収納容器1では、容器本体4における開口部3の周囲に、本体側弾性シール部材17が容器本体4における上面部2の上面に露出するように設けられ、上蓋5の下面には上蓋5の閉鎖時に本体側弾性シール部材17と圧接する上蓋側弾性シール部材20が露出するように設けられているので、上蓋5の閉鎖時に、本体側弾性シール部材17と上蓋側弾性シール部材20が圧接し、本体側弾性シール部材17と上蓋側弾性シール部材20の間が確実にシール状態となる。
【0039】
特に、本例では、本体側弾性シール部材17の上面に、同じゴム製で起立リブ17aがリング状に突設されているので、本体側弾性シール部材17に上蓋側弾性シール部材20が圧接したとき、起立リブ17aが上蓋側弾性シール部材20に食い込み、本体側弾性シール部材17と上蓋側弾性シール部材20の間のシールが一層確実なものとなる。
【0040】
また、容器本体4の開口部3には、その周囲に本体側弾性シール部材17の内側に沿って起立する内壁部19が設けられているので、開口部3からウエットティシュ6を引き出す際に、ウエットティシュ6が開口部3の周囲に起立する内壁部19により本体側弾性シール部材17との接触が阻止されることになり、本体側弾性シール部材17による接触抵抗を受けずに容易に引き出すことができる。
【0041】
また、上蓋5に設けられた上蓋側弾性シール部材20によって囲まれた部分には、開口部3から飛び出たウエットティシュ6の引き出し部位を収容する収容空間22が下向きに開口して設けられているので、上蓋5を閉じたとき、開口部3から飛び出ているウエットティシュ6の引き出し部位が収容空間22内に収容され、本体側弾性シール部材17と上蓋側弾性シール部材20の間に挟まれるといったことがなくなる。
【0042】
また、上蓋5を開方向に付勢する開方向付勢手段8は板状ばね23からなり、容器本体4の上面部2に上向きに開口した上向き凹部24が設けられ、上蓋5の下面には上向き凹部24と概ね平行状態で下向きに開口した下向き凹部25が上向き凹部24より後方に位置をずらして設けられており、板状ばね23は、その下端部が上向き凹部24に差し込まれ、上端部が下向き凹部25に差し込まれ取り付けられているので、上蓋5を閉じた状態では、板状ばね23が上向きに大きく撓んだ部分と下向きに大きく撓んだ部分とが隣り合わせにでき、その撓み率が大きく、板状ばね23に強い復元力が得られ、その復元力をもって上蓋5が開ける方向に付勢される。
【0043】
また、ヒンジ部7と反対側の容器本体4に設けられて、付勢手段9により付勢され回動して上蓋5を閉状態にロックし及び付勢手段9の付勢に抗する回動により閉状態のロックを解除する操作を行う開閉操作手段10にあっては、中程にヒンジ部7を構成する回転軸26を有し、回転軸26を挟んで一側を係止片27、他側を押圧操作片28とする操作体29とからなり、操作体29を付勢する付勢手段9にあっては、操作体29における押圧操作片28の下面にその一端が固定し他端が開放端となっている弧片からなる複数のばね部32で構成され、ばね部32は、その自由端が容器本体4の上面部2に当接し、操作体29のロック解除方向への回動により圧縮されるようになっているので、操作体29を押圧操作片28を押し下げてロック解除操作を行う際、ばね部32が安定して変形し、特に操作体29が幅広であっても、全体を安定的に付勢できる。
【0044】
本例では、操作体29における押圧操作片28の端部からばね部32までの距離Aは、ばね部32から回転軸26までの距離Bより大きくなっているので、操作体29における押圧操作片28の押圧操作が軽い力で容易に行え、押圧操作片28を押し下げたとき、ばね部32により大きな力を伝達することができ、よって、ばね部32をより耐久性のある剛性の高い構造とすることができる。
【0045】
また、容器本体4の底面部12には、ウエットティシュ6を前部に対して後部が上がった傾斜状態にする傾斜部33が設けられているので、容器本体4の上面部2に有する開口部3が使用者に向かって傾斜した状態となり、ウエットティシュ6の取り出しをスムーズに行える。
【0046】
次に、上記のように構成されたウエットティシュ収納容器1に装着する外装体を図面に示した実施例に基づいて詳細に説明する。
図12及び図13は、本発明に係る外装体の第1実施例を示したもので、図12は本例の外装体をウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す斜視図、図13は本例の外装体をウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す側面図である。
【0047】
本例の外装体35は、両側部を開口し、前述したウエットティシュ収納容器1を内部に収容する略台形筒状体36からなる。略台形筒状体36は、ウエットティシュ収納容器1の底部37を載せる底面板部38と、底面板部38から起立されていてウエットティシュ収納容器1の前部39を覆う前面板部40と、底面板部38から起立されていてウエットティシュ収納容器1の背部41を覆う背面板部42と、前面板部40と背面板部42の両端に連続して設けられていてウエットティシュ収納容器1の上部43を覆ってウエットティシュ収納容器1の上部43の最高頂部44に接触する上面板部45とを備え、前面板部40がウエットティシュ収納容器1の前部39に接触して傾斜状態で立ち上がり且つ背面板部42がウエットティシュ収納容器1の背部41に接触して傾斜状態で立ち上がるように上面板部45の幅が底面板部38の幅より狭く設定された構成となっている。
【0048】
本例では、略台形筒状体36には、収容したウエットティシュ収納容器1の上蓋5と開閉操作手段10に対応して窓46が開けられている。また、外装体35は、紙またはプラスチック等で構成することができるが、本例では紙で構成されている。
【0049】
このように構成された外装体35は、前記の上面部2が傾斜したウエットティシュ収納容器1に装着すると、ウエットティシュ収納容器1の傾斜している上面部2の上に外装体35を構成する略台形筒状体36の上面板部45がほぼ水平状態で存在することになり、外装体35をウエットティシュ収納容器1に装着することにより、容器本体4の上面部2が傾斜していても外装体35を介して上下方向に安定した状態で重ねておくことができる。
【0050】
また、略台形筒状体36の筒状の両端は開口されているので、ウエットティシュ収納容器1に容易に装着することができ、さらに、略台形筒状体36の略台形といった構造上の特徴と、略台形筒状体36はウエットティシュ収納容器1の外周に接触しており両者の間の空間が小さいといったことから、ウエットティシュ収納容器1に装着したときにおける外装体35の機械的強度が強く、外装体35を装着したウエットティシュ収納容器1を積み重ねたとき変形することなく、安定した状態で積み重ね状態を維持することができる。
【0051】
図14及び図15は前述した外装体35の比較例として挙げた外装体を示したものである。図14は比較例の外装体47をウエットティシュ収納容器1に装着した状態を示す側面図、図15は比較例の外装体47をウエットティシュ収納容器1に装着した状態のものを上下に重ねた状態の説明図である。
【0052】
この比較例として示す外装体47は、前述したウエットティシュ収納容器1を収容する四角筒状体48を有する。この四角筒状体48は、ウエットティシュ収納容器1の外周に装着して図16に示すように重ねると、四角筒状体48はウエットティシュ収納容器1の外周との空間が大きく機械的強度が弱く、上側に重ねたウエットティシュ収納容器1の重量でつぶれて変形してしまう。
【0053】
図16及び図17は、本発明に係る外装体の第2実施例を示したもので、図16は本例の外装体をウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す斜視図、図17は本例の外装体をウエットティシュ収納容器に装着した状態を示す側面図である。
【0054】
本例の外装体49は、両側部を開口し、前述したウエットティシュ収納容器1を内部に収容する略台形筒状体50からなる。略台形筒状体50は、ウエットティシュ収納容器1の底部37を載せる底面板部51と、底面板部51から起立されていてウエットティシュ収納容器1の前部39を覆う前面板部52と、底面板部51から起立されていてウエットティシュ収納容器1の背部41を覆う背面板部53と、前面板部52と背面板部53の両端に連続して設けられていてウエットティシュ収納容器1の上部43を覆ってウエットティシュ収納容器1の上部43の最高頂部44に接触する上面板部54とを備えている。
【0055】
そして、上面板部54には前面板部52との接続折れ線部55に接近した位置に、接続折れ線部55に沿って下向きのV字折り曲げ部56が形成されており、V字折り曲げ部56で下向きに折り曲げられた上面板部54における背面板部53側の面がウエットティシュ収納容器1の上部43、即ち容器本体4の上面部2に接触するように傾斜し、そして、V字折り曲げ部56の存在により前面板部52がウエットティシュ収納容器1の前部39に接触して傾斜状態で立ち上がり且つ背面板部53がウエットティシュ収納容器1の背部41に接触して傾斜状態で立ち上がり、上面板部54と前面板部52との間の接続折れ線部55により形成される頂部57と、上面板部54と背面板部53との間の接続折れ線部58により形成される頂部59が同じ高さとなるように設定された構成となっている。
上面板部54に形成された下向きのV字折り曲げ部56は、接続折れ線部55に接近した位置に接続折れ線部55と平行に設けた折り曲げ線56aを谷折りすることにより形成されている。
【0056】
本例では、略台形筒状体50には、収容したウエットティシュ収納容器1の上蓋5と開閉操作手段10に対応して窓60が開けられている。また、外装体49は、紙またはプラスチック等で構成することができるが、本例では紙で構成されている。
【0057】
このように構成された外装体49は、前記の上面部2が傾斜したウエットティシュ収納容器1に装着すると、このウエットティシュ収納容器1の傾斜している上面部2の上に外装体49を構成する略台形筒状体50の上面板部54と前面板部52との間に形成される頂部57と、上面板部54と背面板部53との間に形成される頂部59が同じ高さとなって存在することになるので、外装体49をウエットティシュ収納容器1に装着することにより、容器本体4の上面部2が傾斜していても外装体49を介して上下方向に安定した状態で重ねておくことができる。
【0058】
さらに、略台形筒状体50の略台形といった構造上の特徴と、略台形筒状体50の上面板部54には前面板部52との接続折れ線部55に沿って下向きのV字折り曲げ部56が存在し、且つ略台形筒状体50はウエットティシュ収納容器1の外周に接触しており両者の間の空間が小さいといったことから、ウエットティシュ収納容器1に装着したときにおける外装体49の機械的強度がより強く、外装体49を装着したウエットティシュ収納容器1を積み重ねたとき変形することなく、安定した状態で積み重ね状態を維持することができる。
【0059】
図18は、図16及び図17に示す本発明に係る第2実施例の外装体の展開図である。
この展開図において、背面板部53の開放端縁に貼り代部61設けられており、底面板部51の開放端縁に貼着される。また、底面板部51には、外装体49を平面状に折り畳めるような位置に折り曲げ線62が形成されている。
この場合、背面板部53の幅と上面板部54の幅とを合わせた幅をXとし、前面板部52の幅とこの前面板部52に接する側の底面板部51の端部から折り曲げ線62までの底面板部51の幅とを合わせた幅をYとし、折り曲げ線62から底面板部51の開放端縁までの底面板部51の幅をZとしたとき、X+Z=Yとなるように設定している。
【0060】
このようにすることにより、外装体49を、前面板部52と上面板部54との接続折れ線部55と折り曲げ線62との箇所で折りたたむことにより平面状になり、外装体49の保管性や輸送効率を向上させることができる。
なお、この折り曲げ線62は、前述した図12及び図13に示す第1実施例の外装体35の底面板部38にも同様にして設けることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 ウエットティシュ収納容器
2 上面部
3 開口部
4 容器本体
5 上蓋
6 ウエットティシュ
7 ヒンジ部
8 開方向付勢手段
9 付勢手段
10 開閉操作手段
11 ヒンジ部
12 底面部
13 前面部
14 側面部
15 背面部
16 本体部
17 本体側弾性シール部材
17a 起立リブ
18 嵌め込み凹部
19 内壁部
20 上蓋側弾性シール部材
21 ブラケット
22 収容空間
23 板状ばね
24 上向き凹部
25 下向き凹部
26 回転軸
27 係止片
28 押圧操作片
29 操作体
30 係止部
31 係止部
32 ばね部
33 傾斜部
34 三角形状板
35 外装体
36 略台形筒状体
37 底部
38 底面板部
39 前部
40 前面板部
41 背部
42 背面板部
43 上部
44 最高頂部
45 上面板部
46 窓
47 外装体
48 四角筒状体
49 外装体
50 略台形筒状体
51 底面板部
52 前面板部
53 背面板部
54 上面板部
55 接続折れ線部
56 V字折り曲げ部
56a 折り曲げ線
57 頂部
58 接続折れ線部
59 頂部
60 窓
61 貼り代部
62 折り曲げ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエットティシュの取り出しを行う開口部を上面部に有する容器本体に、前記開口部を開閉する上蓋をヒンジ部を介して開閉自在に設け、前記ヒンジ部側における前記容器本体と前記上蓋の間に、前記上蓋を開方向に付勢する開方向付勢手段を設け、前記ヒンジ部とは反対側に位置して前記容器本体に、付勢手段により付勢され回動して前記上蓋を閉状態にロックすると共に付勢手段の付勢に抗する回動により閉状態のロックを解除する操作を行う開閉操作手段を、ヒンジ部を介して回動自在に設けた構造のウエットティシュ収納容器において、前記容器本体における前記開口部の周囲に、本体側弾性シール部材が前記容器本体の上面に露出するように設けられ、前記上蓋の下面には前記上蓋の閉鎖時に前記本体側弾性シール部材と圧接する上蓋側弾性シール部材が露出するように設けられ、また前記開口部には、その周囲に前記本体側弾性シール部材の内側に沿って起立する内壁部が設けられていることを特徴とするウエットティシュ収納容器。
【請求項2】
前記上蓋に設けられた前記上蓋側弾性シール部材によって囲まれた部分には、前記開口部から飛び出た前記ウエットティシュの引き出し部位を収容する収容空間が下向きに開口して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のウエットティシュ収納容器。
【請求項3】
前記上蓋を開方向に付勢する開方向付勢手段は板状ばねからなり、前記容器本体の上面部に上向きに開口した上向き凹部が設けられ、前記上蓋の下面には前記上向き凹部と概ね平行状態で下向きに開口した下向き凹部が前記上向き凹部より後方に位置をずらして設けられ、前記板状ばねの下端部は前記上向き凹部に差し込まれ、上端部は前記下向き凹部に差し込まれて取り付けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のウエットティシュ収納容器。
【請求項4】
前記開閉操作手段をロック方向に付勢する付勢手段は、前記開閉操作手段の下面にその一端が固定され他端が開放端となっている弧片からなるの複数のばね部で構成され、前記ばね部は、その開放端が容器本体の上面部に当接し、前記開閉操作手段のロック解除方向への回動により圧縮されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウエットティシュ収納容器。
【請求項5】
前記容器本体の底面部には、ウエットティシュを前部に対して後部が上がった傾斜状態にする傾斜部が設けられ、前記開口部を有する前記容器本体の前記上面部は、前記傾斜部と概ね平行となる傾斜をもって形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウエットティシュ収納容器。
【請求項6】
請求項5に記載の前記ウエットティシュ収納容器に装着する外装体であって、両側部を開口する略台形筒状体からなり、前記略台形筒状体は、前記ウエットティシュ収納容器の底部を載せる底面板部と、前記底面板部から起立されていて前記ウエットティシュ収納容器の前部を覆う前面板部と、前記底面板部から起立されていて前記ウエットティシュ収納容器の背部を覆う背面板部と、前記前面板部と前記背面板部に両端に連続して設けられていて前記ウエットティシュ収納容器の上部を覆って前記ウエットティシュ収納容器の上部の最高頂部に接触する上面板部とを備え、前記前面板部が前記ウエットティシュ収納容器の前部に接触して傾斜状態で立ち上がり且つ前記背面板部が前記ウエットティシュ収納容器の背部に接触して傾斜状態で立ち上がるように前記上面板部の幅が前記底面板部の幅より狭く設定された構成となっていることを特徴とする外装体。
【請求項7】
請求項5に記載の前記ウエットティシュ収納容器に装着する外装体であって、両側部を開口する略台形筒状体からなり、前記略台形筒状体は、前記ウエットティシュ収納容器の底部を載せる底面板部と、前記底面板部から起立されていて前記ウエットティシュ収納容器の前部を覆う前面板部と、前記底面板部から起立されていて前記ウエットティシュ収納容器の背部を覆う背面板部と、前記前面板部と前記背面板部に両端に連続して設けられていて前記ウエットティシュ収納容器の上部を覆って前記ウエットティシュ収納容器の上部の最高頂部に接触する上面板部とを備え、前記上面板部には前記前面板部との接続折れ線部に沿って下向きのV字折り曲げ部が形成されており、前記V字折り曲げ部の存在により前記前面板部が前記ウエットティシュ収納容器の前部に接触して傾斜状態で立ち上がり且つ前記背面板部が前記ウエットティシュ収納容器の前記背部に接触して傾斜状態で立ち上がり、前記上面板部と前記前面板部との間の接続折れ線部により形成される頂部と、前記上面板部と前記背面板部との間の接続折れ線部により形成される頂部が同じ高さとなるように設定された構成となっていることを特徴とする外装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−184068(P2011−184068A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50763(P2010−50763)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000183462)日本製紙クレシア株式会社 (112)
【Fターム(参考)】