説明

ウエブページの更新通知システムおよび更新通知方法

【課題】ユーザが閲覧を指定したウエブページであっても、そのユーザ自身が必要とする情報について更新があったときのみ、その更新通知を受けることのできるウエブページの更新通知システムおよび更新通知方法を得ること。
【解決手段】ウエブページ作成者104は、作成したウエブページをウエブページサーバ102で公開している。ユーザ107はユーザ端末103でウエブページを閲覧できるが、あらかじめ定めた一覧表からウエブページの更新時に更新通知を必要とする更新内容に対応する項目を指定しておくと、ウエブページサーバ102が該当する更新の行われたウエブページの更新を、対応するユーザに知らせる。ウエブページサーバ102以外に同様の更新通知を他のサーバが行ってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等のネットワーク上で提供されるウエブページの更新を通知するウエブページの更新通知システムおよび更新通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットや各種ネットワークの発展により、多くのウエブページがネットワーク上で公開されている。本明細書でウエブページとは、単にWWW(World Wide Web)上の各種コンテンツを表わしたページだけをいうのではなく、たとえばLAN(ローカルエリアネットワーク)やCATV(CAble TeleVision)網あるいは携帯電話網からも得ることのできる各種情報を表わしたページをいうものとする。
【0003】
ウエブページはその基となる情報が電気的なデータで構成されている。このため、作成者はこれをいつでも比較的簡易に書き改める処理としての更新作業を行うことができる。ウエブページの作成者の努力にもよるが、ウエブページが常に最新の状態に保たれることは、執筆時点あるいは購入時点から内容の陳腐化が進行する物理的な本や雑誌と比較して大きな魅力である。
【0004】
そこで、ウエブページが更新されたときには、閲覧者としてのユーザに対して、この更新を電子メール等の通知手段を使用して通知することが行われている。しかしながら、ウエブページは通信ネットワーク全体で見ると膨大な数に上っており、必要のないウエブページの通知が行われることはユーザ側が迷惑を蒙るだけでなく、通知のためのトラヒックが増大する点でも問題がある。このため、あらかじめ更新情報の必要な分野を登録しておくと、その登録された分野のウエブページについての更新情報がユーザに通知されるようにした第1の提案が行われている(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
この第1の提案では、電子メールの送信先のメールリストを作成しておいて、ウエブページの変更が生じた場合にその更新情報を登録しているユーザに電子メールで送信するだけでなく、メール本文に、メンバが必要とする情報分野で内容の変更があったページのタイトルを記入して送信するようにしている。
【0006】
しかしながら、このように情報分野を指定したウエブページの通知も、該当する分野に関するウエブページの数が膨大であれば多くの数となり、ユーザ側では一方的に通知されたウエブページを1つずつチェックする処理が馬鹿にならない。そこで、ユーザが希望するウエブページの更新チェックの周期で必要とするウエブページのみの更新情報をそのユーザに通知するという提案も行われている(たとえば特許文献2参照)。
【0007】
この第2の提案で、クライアントサービスプロバイダは特定のウエブページについてユーザから更新通知要求を受け付ける。そして、要求のあったウエブページのURL(Uniform Resource Locator)とチェックの周期を指定させ、該当する周期で指定されたURLをチェックして、更新があった場合にはこれをユーザに通知するようにしている。
【特許文献1】特開2002−215506号公報(第0028段落、第0041段落、図8)
【特許文献2】特開2002−073455号公報(第0046段落、第0050段落、図8、図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この第2の提案では、具体的なURLが指定されており、また、更新のチェックの周期が定まっている。したがって、ユーザは不要なウエブページの更新情報を取得したり、頻繁に更新情報を取得する煩雑さから開放される。しかしながら、ユーザが更新のチェックの対象とするウエブページが増えてくると、これに応じてウエブページの更新情報が数多く通知されるようになるのはもちろんである。
【0009】
従来から、このようにウエブページの更新の通知が来ると、ユーザは通知のあったウエブページにアクセスしてその更新情報を確かめている。ところが、更新情報の中には、ユーザにとって必要でない情報も多い。たとえば、一般的には、文字サイズや文字の着色の変更あるいはページに配置された情報のレイアウトの単なる変更や、誤字の訂正といった内容もウエブページの更新であることに相違ない。このような形式的な変更は、多くのユーザにとって緊急に確認を必要とするものではなく、内容の実質的な変更を伴った更新があったときに併せて確認すれば足りる場合が多い。
【0010】
また、内容の実質的な変更を伴う更新が行われている場合であっても、該当するウエブページに複数のコンテンツが掲載されているような場合には、ユーザが全然必要としないコンテンツも存在する。たとえばあるメーカから新しくプリンタを自宅で購入したユーザは、プリンタドライバのソフトウェアの最新のものをダウンロードするための「ダウンロードのページ」の更新情報に強い関心があっても、「新製品の紹介のページ」には購入から数年間、特に興味を持たない場合が多い。このようなとき、同一のウエブページ内の情報であっても、ユーザにとって必要でないページの更新情報は、ユーザに無駄な閲覧作業を強いるだけとなってしまい、好ましくない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、ユーザが閲覧を指定したウエブページであっても、そのユーザ自身が必要とする情報について更新があったときのみ、その更新通知を受けることのできるウエブページの更新通知システムおよび更新通知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明では、(イ)ウエブページを閲覧する閲覧手段と、ウエブページの更新される内容を一覧で示した一覧表からウエブページの更新時に更新通知を必要とする更新内容に対応する項目を指定する項目指定手段と、この項目指定手段によって指定された項目をウエブページの管理者側に通知(申請)する通知手段(申請手段)とを備えた利用者側通信端末と、(ロ)通知手段の通知を受信する通知受信手段と、ウエブページの更新が通知受信手段の受信した通知による項目に該当するかを通知された利用者側通信端末ごとに判別する項目該当有無判別手段と、この項目該当有無判別手段が該当すると判別した項目のウエブページの更新をその項目に対応した利用者側通信端末に通知する更新通知手段とを備えたウエブページ管理サーバとをウエブページの更新通知システムに具備させる。
【0013】
すなわち請求項1記載の発明では、ウエブページの閲覧を行う側の利用者側通信端末に、ウエブページの更新される内容を一覧で示した一覧表からウエブページの更新時に更新通知を必要とする更新内容に対応する項目を指定させ、更新がその指定した項目で生じたときにそのウエブページをその指定した利用者側通信端末に通知することにして、指定しなかった項目だけの更新が行われた場合には通知が行われないようにして、利用者が特に必要としない更新のチェックを省略できるようにしている。
【0014】
請求項8記載の発明では、(イ)ウエブページを閲覧するユーザに対して、そのウエブページの更新される内容を一覧で示した一覧表を基にしてウエブページの更新時に更新通知を必要とする更新内容に対応する項目を指定させる項目指定ステップと、(ロ)ウエブページの更新があったとき、一覧表を基にしてその更新が項目指定ステップで指定した項目に該当するかどうかをユーザごとに判別する判別ステップと、(ハ)この判別ステップで該当するとされたウエブページの更新をその項目を指定したユーザに通知する更新通知ステップとをウエブページの更新通知方法に具備させる。
【0015】
すなわち請求項8記載の発明では、ウエブページを閲覧するユーザに対して、そのウエブページの更新される内容を一覧で示した一覧表を基にしてウエブページの更新時に更新通知を必要とする更新内容に対応する項目を指定させ、ウエブページの更新があったときにはその更新が項目指定ステップで指定した項目に該当するかどうかをユーザごとに判別して、該当するウエブページの更新をその項目を指定したユーザに通知することにした。これにより、ユーザは必要な更新が行われたウエブページのみについて更新の通知を受けることになり、不必要な更新の通知によるウエブページの無駄なチェックを省略することができる。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明では、ウエブページを閲覧するユーザが必要とする項目についてウエブページの更新が行われたときのみウエブページの更新の通知があるので、ユーザは無駄にウエブページをアクセスすることがなくなり、効率的な情報収集が可能になるだけでなく、更新通知の数も相対的に減少するので、無駄な通信によるトラヒックの増大を防止することができる。更に、ウエブページを公開するサーバ以外のサーバが専用でこのような更新通知の処理を行うようにすれば、高度の情報処理による項目の自動化も可能になるだけでなく、ウエブ用のビジネスとして成立させる可能性も生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例におけるウエブページの更新通知システムの概要を表わしたものである。このウエブページの更新通知システム100は、インターネット101と、このインターネットに接続され、各種のウエブページを格納したウエブページサーバ102と、インターネット101を介してこのウエブページサーバ102にアクセスすることのできるユーザ端末103を備えている。ウエブページサーバ102は、図では代表的に1つのみを示しているがインターネット101上に複数存在している。ユーザ端末103も、図では代表的に1つのみを示しているが、実際には複数存在している。
【0019】
ウエブページサーバ102は、たとえばインターネット101の接続業者としての図示しないプロバイダが管理するサーバである。ウエブページ作成者104は、パーソナルコンピュータ等の通信端末105を操作することで1まとまりのウエブページ(複数ページあるいは単一ページ)の作成や修正を行い、その内容をウエブページサーバ102の自己に割り当てられたURLの記憶領域にアップロードするようになっている。
【0020】
ユーザ端末103は、ウエブページの閲覧に用いられる通信端末であり、インターネットにアクセスできてその閲覧用のブラウザと呼ばれるソフトウェアを搭載しているものであれば、どのような種類のものであってもよい。すなわち、ユーザ端末103は、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム端末のような各種の通信端末が含まれる。ユーザ端末103は、ユーザ107によって操作される。本実施例では、ユーザ107がユーザ端末103を使用して、ウエブページサーバ102内の所望のウエブページにアクセスしたとき、そのウエブページで更新内容の閲覧を希望する項目を指定できるようになっている。
【0021】
図2は、本実施例のウエブページサーバの構成の概要を表わしたものである。ウエブページサーバ102は、中央処理装置(CPU)111を備えている。中央処理装置111は、データバス等のバス112を介して、制御プログラムを格納した制御プログラム格納部113の他に、ウエブページを格納するウエブページデータベース114と、ウエブページの作成者の一覧を格納したウエブページ作成者データベース115と、このウエブページサーバのユーザの一覧を格納したユーザデータベース116と、ウエブページの比較結果の履歴情報を格納した比較結果履歴データベース117と接続されている。
【0022】
図3は、本実施例で使用されるユーザ端末の構成を表わしたものである。ユーザ端末103は、中央処理装置121を備えている。中央処理装置121は、データバス等のバス122を介して、制御プログラムを格納した制御プログラム格納部123の他に、ウエブページ更新要素を指定した履歴情報を格納したウエブページ更新要素指定履歴データベース124を接続されている。また、バス122には入出力インタフェース回路125が接続されいる。入出力インタフェース回路125は、視覚的な情報を出力するためのディスプレイ126および図示しないキーボードやマウス等からなる入力機器127と接続されている。図示しないレーザプリンタ等の出力機器との接続も可能である。
【0023】
なお、図1に示した通信端末105は、ウエブページ作成者104が通常使用するパーソナルコンピュータ等の情報機器であってウエブページサーバ102との通信機能を備えたものである。そこで、この図示および装置の具体的な説明は省略する。
【0024】
図4は、ウエブページ作成者によるウエブページの処理の流れを表わしたものである。ウエブページ作成者104は、ウエブページの新規作成を行うときには(ステップS201:Y)、ウエブページの本文(以下、ウエブページ本文という。)をHTML(Hyper Text Markup Language)等の文書構造記述用言語で記述して作成すると共に、今後のウエブページ本文の更新のときに更新通知を必要とするか否かをユーザ単位で指示できるように、更新要素一覧ページをこのウエブページ本文に付加する(ステップS202)。そして、これらをそのウエブページ作成者104のウエブページとしてウエブページサーバ102にアップロードする(ステップS203)。
【0025】
図5は、この更新要素一覧ページの一例を示したものである。更新要素一覧ページ131は、一連の更新要素と、これら更新要素ごとの更新通知を必要とする更新要素の対で構成されている。たとえば、更新要素としての第1の要素では、新商品の追加が更新通知を必要とすることになっている。したがって、ユーザ107が第1の要素を指定すれば、ウエブページの更新が新商品の追加であったとき、そのユーザ107に対して更新通知が行われることになる。また、ユーザ107が第2の要素を指定している場合には、ウエブページに掲載された商品の価格が変更される更新が行われた場合に、そのユーザ107に更新通知が行われる。したがって、ユーザ107が第12の要素や第13の要素を併せて指定していない場合には、ウエブページのレイアウトが変更されたり、誤字脱字の訂正が行われただけの更新について、ユーザ107に更新通知が行われることはない。
【0026】
この図5に示したような更新要素一覧ページは、ウエブページ作成者104が作成するウエブページの内容によっても変化するし、図1に示した閲覧側のユーザ107の要求によって、その内容が変更される場合もあり得る。たとえば、多くのユーザ107から「中古商品の買い取り価格の変更」についての更新情報を更新要素として新設して欲しいという要望がウエブページ作成者104に寄せられた場合、第14の要素で「その他」としていた内容から、「中古商品の買い取り価格の変更」を概念上抜き出して、これに新たな更新要素を割り当てることになる。
【0027】
図6は、ウエブページ作成者がウエブページサーバにアップロードするウエブページの構成を表わしたものである。ウエブページ141は、本来のウエブページとしてのウエブページ本文142と、図5で示した更新要素一覧ページ131の組によって構成されている。ウエブページ141は、1ページだけでもよいが、通常の場合には複数のページで構成されている場合が多い。また、これらのページの多くは、図5に示した更新要素に対応させた形で作成することができる。たとえば、「新商品の紹介」のページに、「新商品の追加」の更新を通知する第1の要素を対応付けて作成することで、ページの更新とユーザ107に対する通知の関係を分かりやすくすることができる。もちろん、第12の要素や第13の要素は、特定のページに関係するものではないので、対応付けを行うことはできない。
【0028】
図4に戻って説明を続ける。ウエブページのアップロードを行ったら(ステップS203)、このウエブページの新規登録を知らせるべき者がいる場合(ステップS204:Y)、この者にそのウエブページのアドレス(URL)を通知する(ステップS205)。また、より多くの者にウエブページを知ってもらうために、ウエブページの各種リンク先にこのウエブページのアドレスを登録するといった周知の手法を採ってもよい。
【0029】
このようにしてウエブページの新規登録を行ったら、ウエブページ作成者104はその後、適宜、ウエブページ本文142の更新を行う(ステップS206:Y)。この更新の際には、図1に示した通信端末105を使用して更新の行われたページをウエブページサーバ102にアップロードするだけでなく、ウエブページ作成者104は更新内容が図5に示した更新要素一覧ページ131に示す更新要素のいずれに該当するかをチェックする。そして、該当する更新要素をウエブページサーバ102にアップロードする(ステップS207)。
【0030】
図7は、ウエブページサーバ側によるウエブページの登録・更新処理の流れを表わしたものである。ウエブページサーバ102は、ウエブページ作成者104からウエブページの新規登録があると、これを検知する(ステップS221:Y)。このような検知は、たとえばウエブページ格納用にウエブページ作成者104ごとにあらかじめ用意した記憶領域に対する書き込み(新規登録)が行われたか否かのチェックを行うこと、あるいはウエブページ作成者104がウエブページの登録を完了したときにウエブページサーバ102の管理者へその旨の電子メールを通知させることにしておいてその通知があるかどうかをチェックすること等の公知の手法で行うことができる。
【0031】
ウエブページの新規登録があったら、ウエブページサーバ102は図6に示したウエブページ本文142と図5で示した更新要素一覧ページ131を図2に示すウエブページデータベース114に登録する(ステップS222)。また、ウエブページ作成者104の名前と、更新要素一覧ページ131のウエブページデータベース114上における格納箇所を示す記憶領域のアドレスをウエブページ作成者データベース115に登録する(ステップS223)。更新要素一覧ページ131は、ウエブページサーバ102側が指定した識別符号をこのページの文書構造記述用言語で埋め込んでおく等の手法で、ウエブページ作成者104がアップロードしたウエブページ141から簡単に判別することができ、この部分の記憶領域のアドレスをウエブページ作成者データベース115に登録することができる。
【0032】
本実施例で更新要素一覧ページ131をウエブページデータベース114側に登録することにしたのは、後に説明するユーザ107が更新要素を選択するときに、この更新要素一覧ページ131で表示される内容を適宜、ユーザ107側に示せるようにウエブページ本文142を作成できるようにするためである。更新要素一覧ページ131をウエブページ本文142と異なった記憶領域に分離してウエブページサーバ102側で保存するようにすると、ウエブページ本文142と更新要素一覧ページ131の間のリンク関係を示すアドレス情報を書き変える必要が生じる。また、ウエブページ作成者104が更新要素一覧ページ131を含めてウエブページサーバ102側のデータの全体をダウンロードするような場合に、ウエブページサーバ102の管理者側が本来的に管理するウエブページ作成者データベース115にウエブページ作成者104が自由にアクセスできる事態は好ましくない。
【0033】
この一方で、ウエブページ作成者データベース115に更新要素一覧ページ131のリンク情報を記して、更新要素一覧ページ131をアクセスできるようにしたのは、ウエブページサーバ102側の更新通知処理のための検索処理をウエブページ141全体を検索対象とすることなく簡易に行えるようにするためである。また、ウエブページ作成者104が更新要素一覧ページ131自体に変更を加えた場合にも、その変更内容が自動的に適用されることになる。
【0034】
さて、ウエブページ作成者104がウエブページの更新のためのアップロードを行った場合(ステップS224:Y)、ウエブページサーバ102は、アップロードされたウエブページ本文142をウエブページデータベース114に上書きすることでその内容を更新する(ステップS225)。また、ウエブページ作成者104からこれと同時に送られてきた更新要素(図4ステップS207参照)を、ウエブページ作成者データベース115に追加登録する(ステップS226)。
【0035】
このようにしてウエブページの更新登録が終了したら、ウエブページサーバ102は、登録された更新要素に対応するウエブページに該当するユーザの検索を行う(ステップS227)。すなわち、その更新について通知を必要とするユーザ107が存在するかを更新要素ごとにチェックすることになる。
【0036】
ここで、説明を分かりやすくするために、ウエブページ本文142の新既登録後、更新が行われる前に複数のユーザ107(ここでは、ユーザA、ユーザB、ユーザCとする。)がウエブページ作成者104(ここではウエブページ作成者X)のウエブページを閲覧したものとして説明を続ける。
【0037】
図8は、ユーザ端末側のウエブページ閲覧に伴う処理を示したものである。ユーザAが図3に示したユーザ端末103を操作してウエブページ作成者Xの作成したウエブページXにアクセスしたとする(ステップS241:Y)。これにより、ウエブページサーバ102から要求のあったURLのウエブページが送られてきて、ディスプレイ126にその内容が表示される(ステップS242)。ユーザAはそのウエブページを気に入る等によって更新内容を見たいと思ったときに、更新通知登録ページに進んで更新の通知を受ける処理を行うことになる。ユーザ端末103は更新通知登録ページが要求されると(ステップS243:Y)、更新通知登録ページを受信してディスプレイ126にこれを表示する(ステップS244)。
【0038】
この更新通知登録ページでは、更新通知を受けようとする者の電子メールアドレスの入力と、どのような内容が更新されたときに更新通知が行われるかを指示するための更新要素の入力が求められる。ユーザAは、更新要素の入力に際しては更新要素一覧ページ131を参照する。ウエブページ作成者104によっては、更新要素をユーザAに入力させる代わりに、更新要素一覧ページ131の表示内容の各更新要素の表示位置にラジオボタンを配置して、所望の番号を選択できるようにしてもよい。
【0039】
ユーザAが所定の入力操作を完了させた後に更新通知の登録のための図示しない登録ボタンを押すと(ステップS245:Y)、入力された電子メールアドレスおよび選択された更新要素がウエブページサーバ102側に送信される(ステップS246)。また、ユーザAが指定した更新要素は、図3に示したユーザ端末103内のウエブページ更新要素指定履歴データベース124に登録される(ステップS247)。この後、ユーザAが更新通知登録ページ以外のページの閲覧を要求すれば(ステップS248:Y)、そのページの閲覧が行われる(ステップS242)。
【0040】
また、このようにしてユーザAが更新通知の登録を行うと、それ以後、そのウエブページにおけるユーザAが指定した更新要素の更新があったときは、これを知らせる電子メールがウエブページサーバ102から送られてくることになる。ユーザ端末103が電子メールの受信状態であれば(ステップS249:Y)、このような電子メールの受信処理が行われることになる(ステップS250)。なお、ユーザAが更新通知登録ページをディスプレイ126に表示したものの、登録処理を中止するために「戻る」ボタンを押したような場合には(ステップS251:Y)、ステップS242に進んで、戻った先の該当するウエブページが表示されることになる。
【0041】
ところで、図7のステップS227では、ウエブページ本文142の更新が行われたとき、その更新に対応する更新要素に該当するユーザを検索することにしている。
【0042】
図9は、図2に示したウエブページ作成者データベースの一部を示したものである。ウエブページ作成者データベース115には、ウエブページの更新の履歴が、ウエブページ名、ウエブページの更新日、更新要素、更新要素の指定日、ウエブページ作成者名の項目に分けて記されるようになっている。たとえば、ウエブページ作成者Xの作成したウエブページXは、2002年4月1日に更新され、そのときの更新要素は、「新商品の追加」の更新なので、第1の要素となっている。更新要素の指定日とは、該当する更新要素ごとに更新の通知の指定に対応できる日である。このため、ウエブページの更新日と更新要素の指定日は同日であるのが原則である。この例でも、ウエブページ作成者Xの作成したウエブページXは、2002年4月1日に更新されているので、更新要素の指定日も同日の2002年4月1日となっている。たとえば、ウエブページの更新自体は過去に行ったが、その時点でウエブページ作成者Xがまだウエブページサーバ102以外の図示しないサーバを使用してそのウエブページを公開していたような場合には、ウエブページの更新日と更新要素の指定日が異なってくることになる。
【0043】
図9に示したウエブページ作成者データベース115は、ユーザの要求に基づいて検索される。そして、このとき得られた各ウエブページの更新状況を基にして、ユーザデータベース116を検索して更新の通知の対象となるユーザを抽出し、これらのユーザに対して更新通知が行われることになる。
【0044】
図10は、ウエブページサーバ側におけるユーザデータベースの一部を示したものである。ユーザデータベース116には、更新通知の対象となるウエブページの名前と、更新通知の対象となる更新要素と、更新通知の必要性が生じた日としての必要性指定日と、更新通知の必要でなくなる日としての必要性解約日と、ユーザ名およびそのユーザ107に更新通知を知らせるための電子メールアドレスが、ユーザ107ごと、ならびに更新要素ごとに記録されるようになっている。一例として、この図10の最上欄のケースを説明する。この例では、ウエブページ作成者Xの作成したウエブページXの第1の要素について、2002年4月10日から特に期間の終期の指定がされていない状態で更新通知が設定されている。通知の対象となるユーザはユーザAであり、通知の宛先は、「xxxxx@xxx.co.jp」となっている。
【0045】
また、ユーザデータベース116で、必要性解約日が「未登録」とは、更新通知の必要でなくなる日が予定されていないことを意味する。ユーザ107が、たとえば夏休みに旅行に行く目的で、旅行に出発するまでの期間限定付きで資料収集のために旅行先の都市のウエブページの更新通知を要求するような場合には、図8のステップS245で示した更新通知の登録の際に必要性解約日を指定しておけばよい。また、そのウエブページを当初は大いに活用する目的で更新通知の登録を行ったが、更に適したウエブページが存在し、先に見つけたウエブページを利用することがなくなったような場合には、その利用しなくなったウエブページの必要性解約日を記入してウエブページサーバ102に送信するか、解約を別に申し込むようにすればよい。
【0046】
図11は、図10に対応するもので、ユーザ端末に備わったウエブページ更新要素指定履歴データベースの一部を表わしたものである。ウエブページ更新要素指定履歴データベース124には、この例ではユーザAのみの図10と対応するデータが格納されることになる。もちろん、図1に示したユーザ端末103を複数のユーザが共有しているような場合は、これら共有しているユーザの分のみがユーザ端末側のウエブページ更新要素指定履歴データベース124に格納されることになる。
【0047】
図7に戻って、ウエブページの更新が行われたときを具体的に説明する。図2に示したウエブページサーバ102は、その中央処理装置111がウエブページ作成者からの更新登録を待機している(ステップS224)。今、ウエブページ作成者Xがウエブページの更新のためのアップロードを行い(Y)、ウエブページ本文142あるいは変更されたページの部分が更新登録されたものとする(ステップS225)。
【0048】
図12は、ウエブページ作成者Xが更新したウエブページ本文を構成するページの一例を示したものである。このページ142X1は、メーカの取扱商品の説明やアフタサービスに関するものであり、HTML言語を使用して記述されている。ここでは、「商品の修理」に関する「修理先C」の項目151が新たに追加されている。
【0049】
ウエブページサーバ102はウエブページ本文142あるいは変更されたページ142X1をウエブページデータベース114上で更新すると、図9に示すウエブページ作成者データベース115を更新する(図7ステップS226)。図12に示した更新によって追加あるいは変更された部分は、図9に示されているように更新要素の第5の要素に関するものであり、更新日は2002年6月1日となっている。
【0050】
ここでは、ウエブページ作成者Xの作成したウエブページXにおける第5の要素の更新が行われたので、この更新を通知する対象となるユーザが存在するかどうかの検索が行われることになる(ステップS227)。具体的には、図10に示したユーザデータベース116の検索が行われる。ユーザデータベース116には、ウエブページXにおける第5の要素の更新に対してユーザAが2002年5月10日から更新通知を待機していることが記されている。そこで、更新通知の対象となるユーザが存在することになる(ステップS228:Y)。このため、ウエブページサーバ102は更新通知の対象となるユーザとして、ここではユーザAに対して所望の更新要素についてウエブページの更新があったことを通知する(ステップS229)。
【0051】
図13は、この例でウエブページサーバがユーザAに通知する更新通知の例を示したものである。この例では、ユーザAが登録したアドレス「xxxxx@xxx.co.jp」に対して更新通知の電子メールが送信される。電子メール161には、更新されたページがハイパーリンク162によって示されている。したがって、ユーザAはハイパーリンク162の箇所を図示しないマウスでクリックするだけで、更新されたページを見ることができる。また、この電子メール161には、ユーザAが指定した更新要素についての情報163も付記されている。このため、ユーザAは、この更新通知が適切なものであるかを判別することができ、必要に応じて更新通知の対象となる更新要素の修正を行ったり、場合によっては自己に対する更新通知そのものを取りやめさせることも可能である。
【0052】
以上のようにしてユーザに対して更新通知を行ったら、ウエブページサーバ102は更新要素の比較履歴を記録する(図7ステップS230)。これは、更新通知の行われた状況を順次記録しておくことで、たとえばユーザ107からの更新通知が来ないといった問い合わせに対応して、再度更新通知を行えるようにするためである。ウエブページサーバ102は更新要素の比較履歴を記録したら、続いて、更新通知の送信履歴を記録する(ステップS231)。このようにしてウエブページサーバ102側の一連の処理が終了する(リターン)。
【0053】
図14は、更新要素の比較と更新通知の送信履歴の記録とを行う比較結果履歴データベースの一部を表わしたものである。比較結果履歴データベース117には、それぞれのウエブページの更新の指定に対して、更新の通知の行われた日(更新通知の送信日)が記されるようになっている。この比較結果履歴データベース117で「N/A」とは、該当する情報が存在しないことを示している。例で挙げたウエブページXの第5の要素の更新については、ユーザAが指定した2002年5月10日以降でウエブページ作成者がその更新要素を更新対象として指定した2002年6月1日に更新通知が送信されたことが分かる。
【0054】
一方で、ウエブページXの第1の要素の更新については、ユーザAが更新要素を指定した日が、図10より2002年4月10日となっている。ウエブページXの第1の要素の更新は、最新のものが図14より2002年4月1日となってるので、ユーザAが更新要素を指定した日よりも古い。ユーザAが更新要素を指定した日にそのウエブページXを閲覧しているので、ユーザAは2002年4月1日に更新した内容をすでに閲覧の対象としていることになる。したがって、ウエブページサーバ102はこのようにすでに配布している内容を更にユーザAに更新内容として通知する必要はない。そこで、比較結果履歴データベース117におけるウエブページXの第1の要素の欄では、「ユーザが更新要素を指定した日」、「更新通知の送信日」、「ユーザ名」および「電子メールアドレス」が「N/A」となっている。もちろん、他のユーザが2002年4月1日よりも前に第1の要素の更新について通知を指定していれば、その者の「ユーザ名」、「更新通知の送信日」等の情報がこの欄に記載されていることになる。
【0055】
<発明の変形例>
【0056】
図15は、本発明の変形例におけるウエブページの更新通知システムの概要を表わしたものである。図15で図1と同一部分には同一の符号を付している。この変形例のウエブページの更新通知システム100Aでは、インターネット101に新たに更新管理サーバ301が接続されている。更新管理サーバ301は、更新管理を専用に行うサーバである。ユーザ107は、ウエブページサーバ102Aに公開されているウエブページについての更新通知を更新管理サーバ301に依頼する。更新管理サーバ301は、ウエブページ作成者104と契約してそのウエブページの更新があったとき、それが指定された更新要素に該当する場合、これをユーザ端末103あるいはユーザ107に通知する。
【0057】
この変形例のウエブページの更新通知システムによれば、ウエブページサーバ102A自体が実施例で説明したような更新通知のサービスを行わない場合であっても、ユーザ107に対するこのサービスを実現することができる。しかも、更新管理サーバ301に高度なウエブページ解析機能を持たせることで、ウエブページ作成者104に負担を掛けることなく更新要素の分析が可能である。
【0058】
以上説明した実施例では、ウエブページサーバ102およびユーザ端末103が各種データベースを備えることにしたが、これらは同等のデータを格納するテーブルあるいは記憶領域といった異なった名称のデバイスで構成されていてもよいことは当然である。
【0059】
更に実施例では、図5に示した更新要素一覧ページ131をウエブページ作成者ごとに用意することにしたが、ウエブページサーバ102側が統一した更新要素一覧ページあるいは更新要素一覧表を用意しておいて、更新要素を統一して使用できるようにしてもよい。これにより、ウエブページ作成者は更新要素一覧ページ131を個別に管理する煩わしさから開放される。また、更新要素一覧の内容を統一すると共に、各ウエブページの表記をある程度ルール化することによって、ウエブページ作成者が更新内容がどの更新要素に当たるかを判別しなくても、ウエブページサーバ102側で機械的に更新要素を判別することが可能になる。これにより、ウエブページ作成者に特別の負担を掛けずに更新要素別の更新通知が可能になる。また、ウエブページ作成者も気楽に更新を行うことができるので、ウエブページの新鮮さを保つことができるようになる。
【0060】
また、実施例では個々にウエブページ作成者の作成したウエブページを指定して、これらの更新内容の取捨選択を行うようにしたが、たとえば誤記の訂正やレイアウトの変更程度の更新内容については、すべてのウエブページの更新の通知を排除するような指定を通信端末側で行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例におけるウエブページの更新通知システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図2】本実施例のウエブページサーバの構成の概要を表わしたブロック図である。
【図3】本実施例で使用されるユーザ端末の構成を表わしたブロック図である。
【図4】本実施例でウエブページ作成者によるウエブページの処理の流れを表わした流れ図である。
【図5】更新要素一覧ページの一例を示した説明図である。
【図6】本実施例でウエブページの構成を示した説明図である。
【図7】本実施例でウエブページサーバ側によるウエブページの登録・更新処理を示した流れ図である。
【図8】本実施例でユーザ端末側のウエブページ閲覧に伴う処理を示した流れ図である。
【図9】本実施例のウエブページ作成者データベースの一部を示した説明図である。
【図10】本実施例のウエブページサーバ側におけるユーザデータベースの一部を示した説明図である。
【図11】本実施例でユーザ端末に備わったウエブページ更新要素指定履歴データベースの一部を表わした説明図である。
【図12】本実施例でウエブページ作成者Xが更新したウエブページ本文を構成するページの一例を示した説明図である。
【図13】本実施例でウエブページサーバがユーザAに通知する更新通知の例を示した説明図である。
【図14】本実施例で更新要素の比較と更新通知の送信履歴の記録とを行う比較結果履歴データベースの一部を表わした説明図である。
【図15】変形例におけるウエブページの更新通知システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【符号の説明】
【0062】
100 ウエブページの更新通知システム
101 インターネット
102、102A ウエブページサーバ
103、103A ユーザ端末
104 ウエブページ作成者
105 通信端末
107 ユーザ
111、121 中央処理装置
114 ウエブページデータベース
115 ウエブページ作成者データベース
116 ユーザデータベース
117 比較結果履歴データベース
113、123 制御プログラム格納部
124 ウエブページ更新要素指定履歴データベース
131 更新要素一覧ページ
142 ウエブページ本文
301 更新管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブページを閲覧する閲覧手段と、ウエブページの更新される内容を一覧で示した一覧表からウエブページの更新時に更新通知を必要とする更新内容に対応する項目を指定する項目指定手段と、この項目指定手段によって指定された項目をウエブページの管理者側に通知する通知手段とを備えた利用者側通信端末と、
前記通知手段の通知を受信する通知受信手段と、ウエブページの更新が通知受信手段の受信した通知による項目に該当するかを通知された利用者側通信端末ごとに判別する項目該当有無判別手段と、この項目該当有無判別手段が該当すると判別した項目のウエブページの更新をその項目に対応した利用者側通信端末に通知する更新通知手段とを備えたウエブページ管理サーバ
とを具備することを特徴とするウエブページの更新通知システム。
【請求項2】
前記ウエブページ管理サーバは、ウエブページを公開しているウエブページサーバであることを特徴とする請求項1記載のウエブページの更新通知システム。
【請求項3】
前記ウエブページ管理サーバは、ウエブページを公開しているウエブページサーバ以外の所定の管理用のサーバであることを特徴とする請求項1記載のウエブページの更新通知システム。
【請求項4】
前記ウエブページ管理サーバは、利用者側通信端末の個別指定したウエブページごとに前記一覧表の項目に応じて更新を通知することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の更新通知システム。
【請求項5】
前記一覧表は、前記ウエブページ管理サーバの管理するウエブページ全体で共通して適用される表であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の更新通知システム。
【請求項6】
前記一覧表は、ウエブページごとにそれらのコンテンツに適合するように作成された表であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の更新通知システム。
【請求項7】
前記更新通知手段は、更新の通知が行われる期間あるいは終期を特定する更新通知時間特定手段を更に具備することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の更新通知システム。
【請求項8】
ウエブページを閲覧するユーザに対して、そのウエブページの更新される内容を一覧で示した一覧表を基にしてウエブページの更新時に更新通知を必要とする更新内容に対応する項目を指定させる項目指定ステップと、
ウエブページの更新があったとき、前記一覧表を基にしてその更新が前記項目指定ステップで指定した項目に該当するかどうかをユーザごとに判別する判別ステップと、
この判別ステップで該当するとされたウエブページの更新をその項目を指定したユーザに通知する更新通知ステップ
とを具備することを特徴とするウエブページの更新通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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