説明

ウォータベッド式マッサージ機

【課題】患者の身体の各部位に適したマッサージ効果を与えられ、大きな設置スペースを必要としないウォータベッド式マッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】液体が充填されると共に患者を全身にわたって支持する単数のマットレス7と、マットレス7の内部で上部を回転させながら上方向に液体Lを噴出する複数の噴出ノズル8a,8bと、噴出ノズル8a,8bに液体Lを供給する循環ポンプ10と、を備える。そして、噴流液圧及び回転数が相違する2種類以上の複数の噴出ノズル8a,8bが、マットレス7の下壁部14に付設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォータベッド式マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のウォータベッド式マッサージ機は、本体ハウジング内に装備されたノズルから上方の膜部材に向けて噴射液体が噴射されて、膜部材上の患者に対してマッサージ効果を与える(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−325420公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このマッサージ機は、膜部材とノズルの距離が離れているため、ノズルから噴射される噴出液体の圧力損失が大きく、しかも、膜部材の厚みが大きいため、エネルギ伝達の損失が大きく、患者に与えられるマッサージ効果が減少する。このため、液体供給用のポンプの性能を大きくする必要がある。また、本体ハウジングが大きい(高い)ため、設置場所には大きなスペースを必要とする。さらに、ノズルを移動させながら患者の身体全身にマッサージ効果を与えているので、身体のマッサージを要する部位のみに、迅速に対応して、マッサージ効果を与えることが難しい。
【0004】
そこで本発明は、患者の身体の各部位に適したマッサージ効果を与えられ、大きな設置スペースを必要としないウォータベッド式マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明に係るウォータベッド式マッサージ機は、液体が充填されると共に患者を全身にわたって支持するマットレスと、該マットレスの内部で回転しながら上方向に液体を噴出する複数の噴出ノズルと、全ての該噴出ノズルに上記液体を供給する共通の循環ポンプと、を備え、上記マットレス上の上記患者の肩部と背中部と首部と腰臀部と大腿部のツボの各部位に対応するように上記噴出ノズルを、配設している。
また、噴出液圧及び回転数が相違する2種類以上の複数の上記噴出ノズルが、上記マットレスの下壁部に付設されている。
【0006】
また、回転数が小さい第1噴出ノズルと、回転数が大きい第2噴出ノズルと、をもって2種類以上の噴出ノズルを構成し;該第1噴出ノズルは、鉛直軸心廻りに回転すると共に水平左右方向へ延伸した横杆状ノズルヘッドを有し;さらに、上記第2噴出ノズルは、鉛直軸心廻りに回転する小円盤部と、該小円盤部の外周面に突設した上方向液体流を生じさせる羽根と、を有する。
【0007】
また、複数の上記噴出ノズルの夫々に、個別にON−OFF切換する切換弁を付設している。
また、患者のマッサージ部に対応して複数の上記噴出ノズルを配設し、かつ回転数が小さい第1噴出ノズルと、回転数が大きい第2噴出ノズルと、をもって2種類以上の噴出ノズルを構成し;さらに、上記第1噴出ノズルを、患者の肩部及び背中部に対応して配設している。
【発明の効果】
【0008】
患者は、ウォータベッドのマットレス7上に横たわるだけでマッサージ効果を受けることができる。そして、マットレス7は、患者を全身にわたって支持する一体物なので、液体を循環させる循環ポンプ10は、1台設置されるだけでよく、さらに、この1台の循環ポンプ10から全ての噴出ノズル8に液体Lを直接供給することができるので、循環ポンプ10や配管を配設する中空室を小さくでき、ウォータベッドの容積をコンパクト化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0010】
図1,図2及び図3に示すように、ウォータベッド5は、液体が充填されると共に患者を全身にわたって支持する単数のマットレス7と、マットレス7を収納状に保持する浅い凹状のマットレス受け6と、マットレス受け6を上部に保持するベッド枠体1と、を備える。マットレス7は、平均身長の(170cm 程度の)大人の患者の全身が十分に納まる広さの上面を有する略直方体形状である。
【0011】
ベッド枠体1は、長方形平板状の底板2と、底板2の4辺に包囲状に付設される下枠体1bと、マットレス受け6の下方と底板2の上部に中空室28を構成するようにマットレス受け6を保持する上枠体1aと、上枠体1aと下枠体1bを縦方向に連結する縦枠体1cと、を有し、底板2上に、循環ポンプ10が設置される。ベッド枠体1の下部4隅には、ウォータベッド5を移動可能にするキャスタ16…が付設され、ベッド枠体1の前後左右の外周には、外部からの衝撃を吸収する樹脂製等のカバー15が配設される。
【0012】
上部を回転させながら上方向に液体Lを螺旋状に噴出する複数の噴出ノズル8…は、マットレス受け6の底面の貫孔に対応して配設されると共に、噴出ノズル8…は、マットレス7の下壁部14に付設される。噴出ノズル8…は、回転数が小さい第1噴出ノズル8aと、回転数が大きい第2噴出ノズル8bとから成る。中空室28に於て、電気的なON−OFF切換により開閉する切換弁26が、夫々の噴出ノズル8の下部に接続され、循環ポンプ10から液体Lを流出する複数の流出口を有する液流分配継手12が循環ポンプ10に付設されており、切換弁26と液流分配継手12とは複数本の配管18…にて連結され、循環ポンプ10は、1台で全ての噴出ノズル8…に共通して液体Lを供給する。切換弁26は、市販の電動式ボール弁等から成り、コードによりコントローラに接続される。また、マットレス7の下壁部14には、マットレス7内の液体を循環ポンプ10へ還流させる還流取水口31が、各噴出ノズル8を、噴出液圧を降下させない程度の間隔を空けて固着されており、循環ポンプ10の上方部と配管にて連結されている。
【0013】
患者4の臀部付近に位置するマットレス7の上壁部13上には、縦方向に伸縮しない薄いネット状シーツ3が敷設される。図4の要部拡大断面側面図に示されるように、マットレス7の上壁部13の厚さt7 を、 0.1mm乃至 1.2mmに設定する。ネット状シーツ3の厚さは、マッサージ刺激が伝達されやすい薄いものとする。あるいは、患者の臀部付近に位置するマットレス7の上壁部13が、縦方向に伸縮しない材質で製作されているもよい。また、マットレス7の内部高さH7 を、 100mm乃至 150mmに設定する。
【0014】
また、中空室28には、マットレス7内の液体の温度を調節するための温度調節器19が配設され、図5に示されるように、温度調節器19に付設される接続部17,17と、循環ポンプ10に付設される分流出入口11,11とが、配管27,27で連結される。
【0015】
図6は噴出ノズル8…と患者4の配置関係を示す説明用の平面図であり、各噴出ノズル8を、患者の身体のツボの各部位に対応して配設している。即ち、低周波のマッサージ効果を与える第1噴出ノズル8aが、患者の肩部に2箇所及び背中部に1箇所対応して、合計3箇所配設されている。また、高周波のマッサージ効果を与える第2噴出ノズル8bが、患者の首部に1箇所,腰臀部に2箇所,大腿部に2箇所及び下肢部に2箇所対応して、合計7箇所配設されている。また、循環ポンプ10の(図示省略の)回転数コントローラが、ウォータベッド5に配設される。
【0016】
図7,図8,図9に於て、回転数が小さい第1噴出ノズル8aは、鉛直軸心45廻りに回転すると共に水平左右方向へ延伸した横杆状ノズルヘッド39と、ノズルヘッド39の下面と当接し孔部42を有する円筒状軸受40と、円筒状軸受40が挿嵌され外周に水平鍔部20を有する円筒状固着具24と、マットレス受け6の貫孔に配設されるナット25と、を有し、マットレス7の下壁部14に設けられた孔部の周辺部とパッキン9とが、ナット25と固着具24の水平鍔部20とで挟着されている。H8 は、下壁部14からノズルヘッド39の上面までのノズル高さである。また、円筒状固着具24の下部には、液体流路を有し分岐配管18に挿嵌されるユニオン継手32が付設されている。
【0017】
ノズルヘッド39上面には、水平面から傾斜角度α(30°≦α≦80°)の上方へ液体Lを噴出させる噴出孔23が、鉛直軸心45と距離Rの離れた位置に設けられている。そして、噴出孔23を一端側51に有し円筒形状の導水管29が、ノズルヘッド39の下面で鉛直軸心45を通るようにノズルヘッド39内部にS字状に弯曲して内設される。そして、導水管29の他端側21は、ノズルヘッド39の下面から鉛直軸心45を軸心として下方へ突設され、円筒状軸受40の孔部42に鉛直軸心45廻りに回転可能に挿嵌される。そして、この他端側21には、抜け止め防止用座金30が付設され、円筒状軸受40の下端面41に摺接する。
【0018】
図10,図11,図12に於て、回転数が大きい上記第2噴出ノズル8bは、短円柱形状の小円盤部36と、小円盤部36の外周面に突設した上方向液体流50を生じさせる羽根43と、小円盤部36の下面に突設されて流路49を有する円筒状回転軸44と、回転軸44を回動可能に保持するベアリング37を内周面に有し外周に水平鍔部47を有する円筒状固着具46と、マットレス受け6の貫孔に配設されるナット25と、を有し、マットレス7の下壁部14に設けられた孔部の周辺部とパッキン9とが、ナット25と固着具46の水平鍔部47とで挟着されている。また、ベアリング37は、止め輪52にて円筒状固着具46内に保持されており、止め輪52を取り外すことで、小円盤部36,ベアリング37を用途や機種に対応して取り替え可能である。羽根43は、平板形状で、回転方向に対して下辺が前方になるよう傾斜状に突設される。H8 は、下壁部14から小円盤部36の上面までのノズル高さである。また、固着具の下部には、液体流路を有し分岐配管18に挿嵌されるユニオン継手32が付設されている。
【0019】
小円盤部36の上面には、水平面から傾斜角度α(30°≦α≦70°)上方へ液体Lを噴出させる噴出孔23が、鉛直軸心45と距離Rの離れた位置に設けられている。そして、回転軸44には、鉛直軸心45と偏心距離eの偏心をした中心を有する偏心流路孔48が、流路49の上方に形成されており、小円盤部36の内部には、流路33が、偏心流路孔48と噴出孔23との間に形成されている。ここで、羽根43は、(図示されるように、)鉛直軸心45に対して噴出孔23と点対称の位置に付設される。
【0020】
図1〜図3のように、患者4は、上述のようなウォータベッド5のマットレス7上に横たわり、循環ポンプ10を作動させると、液体Lが、複数の分岐配管18を通って噴出ノズル8へ流れ、噴出ノズル8は、矢印35のように上部を回転させながらマットレス7内で液体Lを噴出する。そして、この噴出液流が、マットレス7内の上壁部13の下方に噴出液圧刺激を与え、(図6のように)患者4の身体の各部位は、夫々相違するマッサージ(刺激)効果を受ける。患者4の肩部及び背中部に対応する第1噴出ノズル8aの噴出液流は、その他の患者の首部,腰臀部,大腿部及び下肢部の左右両側に対応する第2噴出ノズル8bの噴出液流に比べ、低速回転に伴う低周波のマッサージ効果を与える。上述の配置に限定されず、低周波のマッサージ効果を与える第1噴出ノズル8aを、患者の首部,腰臀部,大腿部,下肢部の左右両側に対応して配設してもよい。
【0021】
患者4は、受けるマッサージ効果の強弱を変えるため、(図示省略の)コントローラで、循環ポンプ10の回転数を増減させて流量を調節する。また、医者,看護士,付添人(又は患者4自身)は、(図示省略の)コントローラから、切換弁26へ制御信号を送り、電気的にON−OFF切換で開閉して、身体の各部位へ噴出する噴出ノズル8を個別の調節を行う。また、循環ポンプ10は、配管27を通して、温度調節器19で温度調節された液体を循環し、マットレス7内の液体は、常時適温に保たれる。
【0022】
図7〜図9の第1噴出ノズル8aに於て、噴出力Fの液体Lが、配管18からユニオン継手32,固着具24,導水管29を通り、噴出孔23から噴出する。そして、液体Lの径方向の分力F1 により、ノズルヘッド39は、矢印35のように回転する。この回転モーメント(回転力の大きさ)は、分力F1 と距離Rとの積である。また、液体Lの鉛直方向の分力F2 が、マットレス7の上壁部13に下方から当たる押上力(マッサージ圧力)である。噴出孔23の傾斜角度αや噴出孔23と鉛直軸心45との距離Rを変えることで、種々の分力F1 及び分力F2 の大きさを得られる。
【0023】
図10〜図12の第2噴出ノズル8bに於て、液体Lが、配管18からユニオン継手32,固着具46,回転軸44の流路49を通り、小円盤部36の噴出孔23から噴出する。そして。液体Lの噴出力Fの接線方向(周方向)の分力F10により、小円盤部36は矢印35のように回転する。この回転モーメント(回転力の大きさ)は、分力F10と距離Rとの積である。回転によって羽根43から生じる上方向液体流50は、マットレス7の上壁部13に下方から当たる噴出力刺激の盛り上がりを増幅させる。噴出孔23の(流入側)偏心距離e,傾斜角度αそして噴出孔23と鉛直軸心45との距離Rを変えることで、種々の分力F10及び分力F20の大きさを得られる。
【0024】
上述のように、患者4は、ウォータベッド5のマットレス7上に横たわるだけでマッサージ効果を受けることができる。マットレス7は、患者4を全身にわたって支持する一体物なので、液体を循環させる循環ポンプ10は1台設置されるだけでよく、さらに、この1台の循環ポンプ10から全ての噴出ノズル8に液体Lを供給することができるので、循環ポンプ10や配管を配設する中空室28を小さくでき、ウォータベッド5の大きさ(高さ)を抑えることができる。また、患者4の体重心部に近い臀部付近に位置するマットレス7の上壁部13上には、縦方向に伸縮しないネット状シーツ3が敷設されているので、マットレス7は、(上述のように)上半身部と下半身部とが一体物であるが沈み込むことがなく、内部高さH7 が略均一に保たれ、患者4は、全身にわたって均等に、かつ効率よくマッサージを得ることができる。このネット状シーツ3を、臀部以外にも、荷重のある患者4の頭部,背中部,かかと部等に位置するマットレス7の上壁部13上にも敷設するのもよく、内部高さH7 は一層均一に保たれる。
【0025】
患者4にマッサージ効果を与える噴出ノズル8は、2種類以上あり、夫々の噴出液圧及び回転数が相違するので、患者4は、身体の各部位に適したマッサージ効果を受けることができる。また、医者,看護士,付添人(あるいは患者4自身)は、各噴出ノズル8をON−OFF切換することで、患部の各部位のマッサージを個別に調節でき、身体の各部位に適した大きさのマッサージ効果を、楽にかつ効率よく受けることができる。このON−OFF切換用の弁は、市販のボール弁等でよいので、性能面で安心できメンテナンスも容易であり、コストも抑えられる。さらに、(図示省略の)コントローラで、循環ポンプ10の回転(流量)を調節すれば、受けるマッサージの強弱を変えることができる。
【0026】
第1噴出ノズル8aのノズルヘッド39は、回転すると液体の抵抗を大きく受ける横杆状で、低い回転数で回転させることができ、マットレス7の上壁部13に低周波の噴出液圧刺激を与えることができるので、肩部及び背中部等のツボに対応して配設すれば、低周波のマッサージ効果を与えることができる。一方、第2噴出ノズル8bの小円盤部36は、液体から受ける抵抗が少ないため、第1噴出ノズル8aに比べて(高い回転数で)回転することができ、マットレス7の上壁部13に高周波の噴出液圧刺激を与えることができるので、高周波のマッサージ効果を与えると気持ちのよい患部(ツボ部)に対応して配設することができる。また、第1噴出ノズル8a,第2噴出ノズル8bとも、鉛直軸心45と噴出孔23の距離R,傾斜角度α,ノズル高さH8 を変えることにより、様々な大きさの刺激圧を与えることが可能である。具体的には、距離Rを小さく設定したり、または、傾斜角度αを小さく設定するほど、ノズルの回転数が速くなり、高周波の螺旋状の刺激流が得られる。第2噴出ノズル8bに於ては、羽根43のサイズを変えることにより、種々の噴出液圧の強さ及び周波数を得られる。
【0027】
このように、第1噴出ノズル8a,第2噴出ノズル8bとも簡易な構造でありながら、低周波,高周波のマッサージ効果を与えることができる。また、首部にも対応して噴出ノズル8が備えられているので、首部のツボにもマッサージ効果を与えることができる。さらに、各噴出ノズル8毎の切換弁26のON−OFF操作によって、マッサージしたい部位のみをマッサージすることが容易にできる。
【0028】
また、マットレス7の内部高さH7 は 100mm乃至 150mmに設定するのが好ましい、H7 が 150mmよりも大きいと、マットレス7の上壁部13に当たる(噴出ノズル8からの)噴出液圧の圧力損失が大きくなるので、効率よくマッサージ効果を与えにくく、高性能の循環ポンプ10が必要となってしまい、かつ、ウォータベッド5が大きくなってしまう。さらに、H7 が 100mmよりも小さいと、各噴出ノズ8の上部にマットレス7の上壁部13と接触する虞れがある。
【0029】
マットレス7の上壁部13の厚さt7 を 0.1mm乃至 1.2mmに設定するのが好ましい。t7 が 1.2mmよりも大きいと、上壁部13に当たる噴出液圧のエネルギ伝達が大きく損なわれてしまい、患者4の身体の各ツボ部には、効率よくマッサージ刺激を与えられない。さらに、t7 が 0.1mmよりも小さいと、マットレス7の耐久性が低くなり、すぐ破れる虞れがある。また、マットレス7内の液体は、温度調節器19により温度調節されるので、患者4は、常時適温のマットレス7上でマッサージ効果を受けることができる。
【0030】
本発明は、上述の構成により次のような著大な効果を奏する。
(請求項1によれば、)患者は、ウォータベッドのマットレス7上に横たわるだけでマッサージ効果を受けることができる。そして、マットレス7は、患者を全身にわたって支持する一体物なので、液体を循環させる循環ポンプ10は、1台設置されるだけでよく、さらに、この1台の循環ポンプ10から全ての噴出ノズル8に液体Lを直接供給することができるので、循環ポンプ10や配管を配設する中空室を小さくでき、ウォータベッドの容積をコンパクト化できる。
【0031】
(請求項2によれば、)噴出ノズル8は、噴出液圧及び回転数が相違する2種類以上あるので、身体の各患部(ツボ部)に最適なマッサージ効果を与えることができる。
【0032】
(請求項3によれば、)第1噴出ノズル8aのノズルヘッド39は、回転すると液体の抵抗を大きく受ける横杆状で、低い回転数で回転させることができ、マットレス7の上壁部13に低周波の螺旋状の噴出液圧刺激を与えることができるので、肩部及び背中部等のツボに対応して配設すれば、低周波のマッサージ効果を与えることができる。一方、第2噴出ノズル8bの小円盤部36は、液体から受ける抵抗が少ないため、第1噴出ノズル8aに比べて高い回転数で回転することができ、マットレス7の上壁部13に高周波の螺旋状の噴出液圧刺激を与えることができるので、高周波のマッサージ効果を与えると気持ちのよい患部(ツボ部)に対応して配設できる。また、第1噴出ノズル8a,第2噴出ノズル8bとも、鉛直軸心45と噴出孔23の距離,傾斜角度の組み合わせにより、種々の噴出液圧の強さ及び周波数を得られるので、患者に合わせて様々に噴出ノズル8を変えて配設することで、多くの患者に最適なマッサージを与えることができる。また、第2噴出ノズル8bに於ては、羽根43のサイズを変えることにより、種々の噴出液圧の強さ及び周波数を与えられる。このように、第1噴出ノズル8a,第2噴出ノズル8bとも簡易な構造でありながら、低周波,高周波のマッサージ効果を与えることができる。
【0033】
(請求項4によれば、)循環ポンプ10と全ての噴出ノズル8とが直結しており、夫々の噴出ノズル8に、個別にON−OFF切換する切換弁26が付設されているので、患部に必要な部位のみを選択して、集中的にマッサージ効果を効率よく与えることができる。
【0034】
(請求項5によれば、)肩部及び背中部等のツボに低周波のマッサージ刺激を与え、最適のマッサージ効果を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の一形態を示す断面側面図である。
【図2】図1のA−A断面矢視図である。
【図3】図1のB−B断面矢視図である。
【図4】要部拡大断面側面図である。
【図5】温度調節器と循環ポンプの接続を示す簡略側面図である。
【図6】噴出ノズルと患者の配置関係を示す説明用の平面図である。
【図7】第1噴出ノズルの平面図である。
【図8】一部断面背面図である。
【図9】図8のC−C断面図である。
【図10】第2噴出ノズルの平面図である。
【図11】一部断面正面図である。
【図12】一部断面側面図である。
【符号の説明】
【0036】
3 ネット状シーツ
7 マットレス
8 噴出ノズル
8a 第1噴出ノズル
8b 第2噴出ノズル
10 循環ポンプ
13 上壁部
14 下壁部
26 切換弁
36 小円盤部
39 ノズルヘッド
43 羽根
45 鉛直軸心
7 内部高さ
L 液体
7 厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填されると共に患者を全身にわたって支持するマットレス(7)と、該マットレス(7)の内部で回転しながら上方向に液体(L)を噴出する複数の噴出ノズル(8)と、全ての該噴出ノズル(8)に上記液体(L)を供給する共通の循環ポンプ(10)と、を備え、上記マットレス(7)上の上記患者の肩部と背中部と首部と腰臀部と大腿部のツボの各部位に対応するように上記噴出ノズル(8)を、配設したことを特徴とするウォータベッド式マッサージ機。
【請求項2】
噴出液圧及び回転数が相違する2種類以上の複数の上記噴出ノズル(8)が、上記マットレス(7)の下壁部(14)に付設されている請求項1記載のウォータベッド式マッサージ機。
【請求項3】
回転数が小さい第1噴出ノズル(8a)と、回転数が大きい第2噴出ノズル(8b)と、をもって2種類以上の噴出ノズル(8)を構成し、
該第1噴出ノズル(8a)は、鉛直軸心(45)廻りに回転すると共に水平左右方向へ延伸した横杆状ノズルヘッド(39)を有し、
さらに、上記第2噴出ノズル(8b)は、鉛直軸心(45)廻りに回転する小円盤部(36)と、該小円盤部(36)の外周面に突設した上方向液体流を生じさせる羽根(43)と、を有する請求項2記載のウォータベッド式マッサージ機。
【請求項4】
複数の上記噴出ノズル(8)の夫々に、個別にON−OFF切換する切換弁(26)を付設した請求項1,2又は3記載のウォータベッド式マッサージ機。
【請求項5】
患者のマッサージ部に対応して複数の上記噴出ノズル(8)を配設し、かつ回転数が小さい第1噴出ノズル(8a)と、回転数が大きい第2噴出ノズル(8b)と、をもって2種類以上の噴出ノズル(8)を構成し、
さらに、上記第1噴出ノズル(8a)を、患者の肩部及び背中部に対応して配設した請求項2,3又は4記載のウォータベッド式マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−144206(P2007−144206A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24303(P2007−24303)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【分割の表示】特願2003−90937(P2003−90937)の分割
【原出願日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願人】(391034695)平和電子工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】