説明

ウォーターサーバー用液体容器

【課題】様々な種類の飲み物を自ら簡便にウォーターサーバー本体に補給し、利用することができるウォーターサーバー用液体容器を提供する。
【解決手段】上部に開口4dを有する有底筒状容器の底部にウォーターサーバー本体の液体導入口と接続し得る液体出口4aが備えられている容器本体部4と、上記開口4dを開放可能にカバーする蓋部5とを備えてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定温度に冷却した冷水と設定温度に加熱した温水とをそれぞれ個別に抽出することができるウォーターサーバーに関し、より詳しくは、そのウォーターサーバーに適用されるウォーターサーバー用液体容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウォーターサーバーは、事務所や家庭に設置されるサーバー本体と、そのサーバー本体の上部に交換可能に装着される液体容器、いわゆるガロンボトルとから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のガロンボトルは透明なプラスチック製容器からなるものが一般的であり、通常、ピュアウォーターを内容物として蓄えており、その容量は例えば3ガロン(約12リットル)、5ガロン(約20リットル)等、目的に応じて選択できるようになっている。
【0004】
空のガロンボトルは回収され、専用の洗浄設備によって洗浄されて再利用されるようになっており、上記ガロンボトルに充填されるピュアウォーターの生産システム、ガロンボトルの宅配および回収システムは一貫しており、必要な時に必要な量のピュアウォーターが利用者に供給されるようになっている。
【0005】
なお、上記した従来のガロンボトルは、その上部のみにピュアウォーターの出口となる開口部を備えており、ピュアウォーター充填後は、キャップで封止されて宅配され、上下逆にしてサーバー本体の上部にセットされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−249033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のウォーターサーバーでは、回収したガロンボトルの洗浄については専用の洗浄設備にて行い、上記生産システムで製造されるピュアウォーターをガロンボトルに充填してから利用者に提供するシステムであるため、利用者側が内容物を選択する余地がないという不都合がある。
【0008】
また、ガロンボトル内のピュアウォーターが無くなると、ピュアウォーターが充填されている新しいガロンボトルと交換する必要があるが、重量の重いガロンボトルを持ち上げてウォーターサーバー本体の上部にセットするという作業は女性では困難であるという問題もある。
【0009】
本発明は以上のような従来のウォーターサーバーにおける課題を考慮してなされたものであり、様々な種類の飲み物を、利用者が自分でウォーターサーバー本体に簡便に補給し、利用することができるウォーターサーバー用液体容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上部に開口を有する有底筒状容器からなり、容器底部にウォーターサーバー本体の液体導入口と接続し得る液体出口が備えられている容器本体部と、
上記開口を開放可能にカバーする蓋部と、
を備えてなるウォーターサーバー用液体容器である。
【0011】
本発明に従えば、ウォーターサーバー用液体容器に設けられた上記開口を介して利用者が好みの飲み物を補給することができるようになる。
【0012】
本発明において、上記蓋部に液体を補給するための補給口を備え、その補給口を開閉するキャップ部を上記蓋部に備えることができる。蓋部に補給口を備えれば、蓋部を閉じた状態で好みの飲み物を補給口から補給することができるようになる。
【0013】
本発明において、上記補給口として、ペットボトルの首部が下向きに挿入される貫通孔と、挿入された上記ペットボトルの肩部を支持するペットボトル支持部とを有することができる。この構成に従えば、ペットボトルの首部を貫通孔に挿入すれば、ペットボトルを下向きに起立させた状態でペットボトルがペットボトル支持部によって支持されるため、補給する間、ペットボトルを手で支えておく必要がなく、ペットボトルの内容物を簡便に容器本体部に補給することができるようになる。
【0014】
本発明において、上記キャップ部を上記蓋部に着脱可能に装着するための凸部を上記キャップ部に設け、上記凸部に係合する凹部を上記蓋部に設けることができる。
【0015】
この構成に従えば、補給口の開閉構造をシンプル且つ低コストで実現することができ、さらに、キャップ部を取り外せば洗浄も容易になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のウォーターサーバー用液体容器によれば、様々な種類の飲み物を自ら簡便にウォーターサーバーに補給し利用することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るウォーターサーバー用液体容器およびウォーターサーバー本体を分解した状態で示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係るウォーターサーバー用液体容器の第一実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示す容器本体部の縦断面図である。
【図4】(a)は図2に示す蓋部の開状態を示す縦断面図、(b)は閉状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係るウォーターサーバー用液体容器の第二実施形態を示す分解斜視図である。
【図6】図5に示す容器本体部の縦断面図である。
【図7】(a)は図5に示す蓋部の開状態を示す縦断面図、(b)は閉状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1において、ウォーターサーバー1はウォーターサーバー本体2とそのウォーターサーバー本体2の上部に装着されるウォーターサーバー用液体容器(以下、液体容器と略称する)3とから主として構成されている。
【0020】
ウォーターサーバー本体2は従来公知の構成からなり、ウォーターサーバー本体2の上部には液体容器3を載置するための液体容器載置部2aが設けられている。この液体容器載置部2aの中央には、容器本体部4の底部から垂設されている出口管(液体出口)4aを挿入する貫通孔2bが形成されている。
【0021】
ウォーターサーバー本体2の前面には温水を抽出するための温水抽出部2cおよび冷水を抽出するための冷水抽出部2dがそれぞれ設けられている。
【0022】
また、ウォーターサーバー本体2の内部には図示しないが冷水タンクと冷却機構および温水タンクと加熱機構がそれぞれ収納されている。
【0023】
1.液体容器の第一実施形態
図2において、液体容器3は、容器本体部4と、蓋部5と、キャップ部6とから主として構成されている。
【0024】
1.1容器本体部
容器本体部4は有底筒状容器からなり、その底部には、ウォーターサーバー1の液体容器載置部2aに設けられた貫通孔2b(図1参照)に挿入するための出口管4aが筒状に垂設されている。
【0025】
容器本体部4を構成する材料としては、例えばポリカーボネート、AS樹脂、ABS樹脂、PET樹脂、ポリプロピレン樹脂、ガラス、金属材等の耐衝撃性に優れた材料を使用することができるが、透明性の材料を選択すれば、液体残量が見える点で好ましい。
【0026】
なお、容器本体部4を樹脂成形する場合、インジェクション成形、インジェクションブロー成形、ブロー成形等の成形方法によって、図3の断面図に示す容器本体部4を形成することができる。
【0027】
同図において、出口管4aの一部には溝部4bが環状(垂直軸まわり)に凹設されており、その溝部4bには、上記貫通孔2b内壁との間のシールを図るためのゴムキャップ7(図2参照)が嵌められるようになっている。
【0028】
なお、図中、4cは出口管4aの下端に形成されている液体出口であり、4dは容器本体部4の上部に形成されている上部開口である。
【0029】
液体容器3の容量が例えば3ガロン(約12リットル)、外径270mmの場合、上記上部開口4dの径は120〜180mmの範囲であることが好ましい。
【0030】
120mmを下回ると、本体内部の洗浄がしにくくなり、また、180mmを上回ると容器本体部4の上部の強度が低くなるからである。
【0031】
図2において、上記上部開口4dの周囲には鉤状断面を有する縁部4eが立ち上げられており、この縁部4eは縁強度を高めるのと液体容器取り外し時の滑り止めとして役立っている。
【0032】
また、容器本体部4の外周面上部には上記蓋部5を螺合するためのねじ溝4fが円周方向において等間隔に3箇所形成されており、各ねじ溝4fの締付け始端には、蓋部5内壁に形成された突起5h(後述する)をそのねじ溝4fに案内するための案内溝4gがそれぞれ形成されている。
【0033】
1.2蓋部
上部開口4dをカバーする蓋部5は、円形の天板部5aとその外周部分から立ち下げられたスカート部5bとを有し、このスカート部5bの内壁(3カ所)に上記した突起5hが形成されている。
【0034】
上記天板部5aの中央にはペットボトル(図示しない)の首部を装着するための補給口5cがロート状に形成されており、ペットボトルを上下逆にしてその首部を補給口5cの貫通孔5dに差し込むと、補給口5cの円錐状傾斜面(ペットボトル支持部)5eがペットボトルの肩部と当接してペットボトルを支えるようになっている。
【0035】
また、円錐状傾斜面5eの上側外周部分には後述するキャップ部6を取り付けるための凹部5f,5fが形成され、これらの凹部5f,5fと反対側には別の凹部5gが形成されている。
【0036】
なお、短時間で容器本体部4を飲み物で満たしたい場合には、蓋部5を取り外して上部開口4dから注ぐこともできる。
【0037】
1.3キャップ部
キャップ部6は例えばポリプロピレン、ABS等の合成樹脂から構成されており、上記補給口5cを開閉するようになっている。
【0038】
詳しくは、キャップ部6の基端部には図4(a)および(b)に示すように、断面半円形の凸部6a,6aが形成されており、これらの凸部6a,6aを上記凹部5f,5fに圧入することにより、ヒンジとして機能させるようになっている。
【0039】
なお、蓋部5にキャップ6が取り付けられた状態において、そのキャップ6を開きやすくするために上記別の凹部5gが形成されており、その凹部5gに指を入れてキャップ6の前部6bを引っ張り上げるようになっている。
【0040】
ペットボトルから飲み物を補給する時以外は上記キャップ部6で補給口5cを閉じておく。
【0041】
2.液体容器の第二実施形態
図5において、液体容器10は、容器本体部11と、蓋部12と、キャップ部13と、シール手段としてのゴムパッキン14とから主として構成されている。
【0042】
2.1容器本体部
容器本体部11は有底筒状容器からなり、その底部にはウォーターサーバー1の液体容器載置部2aに設けられた貫通孔2bに挿入する首部(液体出口)11aが筒状に垂設されている。
【0043】
容器本体部11を形成するための材料としては、上記第一実施形態の容器本体部4と同種の材料を使用することができる。
【0044】
首部11aの一部には溝部11bが環状に凹設されており(図6参照)、その溝部11bに、上記貫通孔2bとの間のシール性を高めるためのゴムキャップ15を嵌めるようになっている。
【0045】
容器本体部10の内径と同じサイズの上部開口11cを容器本体部10の上部に有し、その上部開口11cの縁部には鍔部11dが外向きに形成されている。
【0046】
この鍔部11dは、後述する蓋部12と当接してその蓋部12を支持するようになっている。
【0047】
なお、鍔部12の下方には別の鍔部11eが形成されているが、この別の鍔部11eは容器本体部11の上部を補強して変形を防止するためのものである。
【0048】
2.2蓋部
上部開口11cをカバーする蓋部12は、円形の天板部12aとその底面から筒状に延設された筒部12bとを有している。
【0049】
この筒部12bの外周面には溝部12cが環状に形成され(図7参照)、その溝部12cにはゴムパッキン14が装着され、それにより、容器本体部11と蓋部11とのシール性を確保するようになっている。
【0050】
上記天板部12aの中央にはペットボトル(図示しない)の首部を装着するための補給口12dがロート状に形成されており、ペットボトルを上下逆にしてその首部を補給口12dの貫通孔12eに差し込むと、補給口12dの円錐状傾斜面(ペットボトル支持部)12fがペットボトルの肩部を支えるようになっている。
【0051】
2.3キャップ部
キャップ部13は例えばポリプロピレン、ABS等の合成樹脂から構成されており、上記補給口12dを開閉するようになっている。
【0052】
図7において、円形のキャップ部13には直径方向に仕切り13aが備えられ、その両側に指を挿入するための凹所13bがそれぞれ形成され、側面から見ると円錐状に形成されている。
【0053】
また、キャップ部13の下部には上記貫通孔12eに係合する筒部13cが形成されている。
【0054】
上記筒部13cは、キャップ部13を蓋部12に着脱可能に装着するための凸部として機能し、上記貫通孔12eは、その凸部に係合する凹部として機能するようになっている。
【0055】
ペットボトルから飲み物を補給する時以外は上記キャップ部13で補給口12dを閉じておく。
【0056】
2.4ゴムパッキン
図5において、リング状のゴムパッキン14は、蓋部12の筒部12b外壁と容器本体部11内壁との間の隙間をシールするようになっており、ゴムパッキン14を圧縮変形させつつ蓋部12の筒部12bを容器本体部11の上部開口11cに圧入すると、ゴムパッキン14の復元力によって蓋部12と容器本体部11とのシールが確保され、同時にそれらを解除可能に一体に固定するようになっている。
【0057】
上述した第一実施形態および第二実施形態に示した本発明の液体容器は、従来のウォーターサーバーで使用されるリースボトルとは異なり、ウォーターサーバー本体に常時設置した状態で使用するため、液体容器の交換が不要になる。また、液体容器に対して直接、飲み物を補給することができるため、利用者側で好みの飲み物を補強することができる。
【0058】
具体的には、量販店で購入した飲み物、例えば、お気に入りの銘柄のミネラルウォーター、お茶、ジュース等を補給することができるようになる。
【0059】
しかも、市販の上記飲み物はペットボトルの形態で販売されていることが多く、その容量は最大でも2リットル(3ガロンボトルの1/6、5ガロンボトルの1/10)であるため、女性でも簡便に補給することができる。
【0060】
また、飲み物の種類を変更したい場合に液体容器の洗浄が必要になるが、本発明の液体容器には取り外し可能な蓋部が備えられ、その蓋部を取り外せば大面積からなる開口が現れるため、液体容器の洗浄も簡便に行うことができる。
【符号の説明】
【0061】
1 ウォーターサーバー
2 ウォーターサーバー本体
2a 液体容器載置部
2b 貫通孔
2c 温水抽出部
2d 冷水抽出部
3 液体容器
4 容器本体部
4a 出口管(液体出口)
4b 溝部
4c 液体出口
4d 上部開口(開口)
4e 縁部
4f ねじ溝
4g 案内溝
5 蓋部
5a 天板部
5b スカート部
5c 補給口
5d 貫通孔
5e 円錐状傾斜面
5f 凹部
5g 別の凹部
5h 突起
6 キャップ部
6a 凸部
6b 前部
7 ゴムキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口を有する有底筒状容器からなり、容器底部にウォーターサーバー本体の液体導入口と接続し得る液体出口が備えられている容器本体部と、
上記開口を開放可能にカバーする蓋部と、
を備えてなることを特徴とするウォーターサーバー用液体容器。
【請求項2】
上記蓋部に液体を補給するための補給口を有し、
上記補給口を開閉するキャップ部が上記蓋部に備えられている請求項1記載のウォーターサーバー用液体容器。
【請求項3】
上記補給口として、ペットボトルの首部が下向きに挿入される貫通孔と、挿入された上記ペットボトルの肩部を支持するペットボトル支持部とを有する請求項2記載のウォーターサーバー用液体容器。
【請求項4】
上記キャップ部を上記蓋部に着脱可能に装着するための凸部が上記キャップ部に設けられ、上記凸部に係合する凹部が上記蓋部に設けられている請求項2または3に記載のウォーターサーバー用液体容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−116403(P2011−116403A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274580(P2009−274580)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(597141829)ユニテックメディカル株式会社 (4)
【Fターム(参考)】