説明

ウサギ由来IgGに結合するRNA分子およびその用途

【課題】抗体に代えて、抗原と特異的に結合する核酸分子ならびにその用途を提供する。
【解決手段】結合性、特異性および取り扱い性に優れる、ウサギ由来IgGに結合するRNA分子。本RNA分子によれば、ウサギ由来IgGと優れた特異性で結合可能であるため、例えば、二次抗体に代えて、本RNA分子を使用することによって、より精度よくターゲットを検出することができる。本RNA分子は、例えば、新たな研究用ツールとしても有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウサギ由来IgGに結合するRNA分子およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
抗原抗体反応は、特異性の高い反応であることから、タンパク質等のターゲットの検出において、広く利用されている。例えば、ELISA(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay)は、抗原抗体反応を利用して、以下のように行われる。まず、ターゲットを抗原とする抗体を、固相に固定化する。そして、前記固相に試料を接触させ、前記試料中のターゲットと前記固定化抗体とを、抗原抗体反応により結合させる。つぎに、前記固相に、ターゲットに結合する一次抗体を接触させる。前記一次抗体は、前記固定化抗体とは異なるエピトープを認識する抗体を使用する。これによって、前記固相上に、前記固定化抗体と前記ターゲットと前記一次抗体との複合体が形成される。つぎに、前記固相から、未反応の試料および前記一次抗体を除去した後、前記固相に、前記一次抗体に結合する二次抗体を接触させる。前記二次抗体は、例えば、酵素等の標識物質で標識した標識化二次抗体を使用する。これによって、前記複合体に、さらに、前記標識化二次抗体が結合する。そして、前記固相から、未反応の前記標識化二次抗体を除去した後、前記複合体に結合した前記標識化二次抗体の前記標識物質を検出する。前記標識物質が酵素の場合、例えば、発色試薬等を添加し、酵素反応による生成物を検出することで、前記標識物質を検出でき、間接的に、前記複合体における前記ターゲットを検出できる。
【0003】
しかしながら、抗体は、以下のような問題が指摘されている。すなわち、抗体は、例えば、ウサギ等の被免疫動物に抗原を注入し、血清等から結合性を有する画分を分離することによって調製されるため、作業が煩雑であり、コストもかかる。また、抗体は、例えば、タンパク質等の抗原以外に、例えば、ポリプロピレン等のポリマー製容器にも非特異的に結合するため、検出精度の問題がある。また、前記標識化二次抗体の調製においては、酵素等の標識物質と前記抗体とのコンジュゲートを形成する必要があるが、その操作も煩雑である。
【0004】
このような問題から、抗体に代えて、抗原と特異的に結合する核酸分子が注目されている。例えば、一次抗体であるウサギ由来IgGに結合可能な核酸分子として、抗体よりも高い結合力を示すRNA分子が報告されている(特許文献1参照)。前記二次抗体に代えて、このようなRNA分子を使用した場合、例えば、抗体における、ウサギ以外の動物由来IgGに対する結合、変性IgGへの結合等を防止できるため、抗体よりも優れた結合力および特異性を実現できる。
【0005】
そして、このようなRNA分子を用いたターゲット検出の実用化においては、さらに優れた精度で簡易な検出を可能とすることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−125484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、結合性、特異性および取り扱い性に優れる、ウサギ由来IgGに結合するRNA分子、ならびにその用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のRNA分子は、下記一般式(I)で表わされる一本鎖核酸を含むことを特徴とするウサギ由来IgGに結合するRNA分子である。
【化1】

前記式(I)において、前記N、N、N、N、N、NおよびNは、ヌクレオチド残基を示し、各n、n、n、n、n、nおよびnは、それぞれ前記ヌクレオチド残基N、N、N、N、N、NおよびNの数を示し、
前記NおよびNは、相互に水素結合してステム構造形成可能であり、前記NおよびNは、相互に水素結合してステム構造を形成可能であり、前記NおよびNは、インターナルループ構造を形成可能であり、前記Nは、ヘアピンループ構造を形成可能である。
【0009】
本発明の結合剤は、前記本発明のRNA分子を含むことを特徴とする、ウサギ由来IgGに対する結合剤である。
【0010】
本発明の検出試薬は、前記本発明の結合剤を含むことを特徴とする、ウサギ由来IgGの検出試薬である。
【0011】
本発明の検出キットは、前記本発明の検出試薬を含むことを特徴とする、ウサギ由来IgGの検出キットである。
【0012】
本発明のウサギIgGの検出方法は、ウサギ由来IgGと前記本発明の結合剤とを反応させる反応工程、および、前記ウサギ由来IgGに結合した前記結合剤を検出する検出工程を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明のターゲットの検出方法は、試料中のターゲットと、前記ターゲットに対する抗体とを反応させる第1の反応工程、前記ターゲットと前記抗体との複合体に、前記抗体に結合する結合剤とを反応させる第2の反応工程、および、前記複合体に結合した前記結合剤を検出する検出工程を含み、
前記ターゲットに対する抗体として、ウサギ由来IgGを使用し、
前記結合剤として、前記本発明の結合剤を使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のRNA分子によれば、ウサギ由来IgGと優れた特異性で結合可能である。このため、例えば、前述のような二次抗体に代えて、本発明のRNA分子を使用することによって、より精度よくターゲットを検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<RNA分子>
本発明のRNA分子は、前述のように、下記一般式(I)で表わされる一本鎖核酸を含むことを特徴とするウサギ由来IgGに結合するRNA分子である。
【化1】

前記式(I)において、前記N、N、N、N、N、NおよびNは、ヌクレオチド残基を示し、各n、n、n、n、n、nおよびnは、それぞれ前記ヌクレオチド残基N、N、N、N、N、NおよびNの数を示し、
前記NおよびNは、相互に水素結合してステム構造形成可能であり、前記NおよびNは、相互に水素結合してステム構造を形成可能であり、前記NおよびNは、インターナルループ構造を形成可能であり、前記Nは、ヘアピンループ構造を形成可能である。
【0016】
本発明において、「ウサギ由来IgGに結合する」とは、例えば、前記ウサギ由来IgGに対する結合能を有している、または、前記ウサギ由来IgGに対する結合活性を有しているともいう。本発明のRNA分子と前記ウサギ由来IgGとの結合は、例えば、表面プラズモン共鳴分子相互作用(SPR;Surface Plasmon resonance)解析等により決定できる。前記解析は、例えば、ビアコアX(商品名、GE Healthcare UK Ltd.)が使用できる。本発明のRNA分子は、RNAアプタマーともいう。
【0017】
本発明のRNA分子は、前記ウサギ由来IgGとの解離定数が、例えば、50nmol/L以下であり、好ましくは25nmol/L以下であり、より好ましくは10nmol/L以下であり、さらに好ましくは7nmol/L以下であり、特に好ましくは5nmol/L以下である。
【0018】
本発明において、「ループ構造形成可能」とは、例えば、実際にループ構造を形成すること、およびループ構造が形成されていなくても、条件によってループ構造形成可能なことも含む。「ループ構造形成可能」であることは、例えば、実験的に確認した場合、コンピュータ等のシミュレーションで予測した場合の双方を含む。本発明において、「ステム構造形成可能」とは、例えば、実際にステム構造を形成すること、およびステム構造が形成されていなくても、条件によってステム構造形成可能なことも含む。「ステム構造形成可能」であることは、例えば、実験的に確認した場合、コンピュータ等のシミュレーションで予測した場合の双方を含む。
【0019】
本発明のRNA分子は、例えば、一本鎖核酸でもよいし、二本鎖核酸でもよい。前者の前記一本鎖核酸の場合、前記一本鎖核酸は、前記式(I)で表わされる構造を含む一本鎖核酸でもよいし、前記構造からなる一本鎖核酸でもよい。後者の二本鎖核酸の場合、一方の一本鎖核酸は、前記式(I)で表わされる構造を含む一本鎖核酸でもよいし、前記構造からなる一本鎖核酸でもよく、他方の一本鎖核酸は、特に制限されない。前記二本鎖核酸の場合、例えば、使用に先立って、変性等により一本鎖核酸にすることが好ましい。また、前記式(I)で表わされる構造は、例えば、使用時において、ステム構造およびループ構造を形成していることが好ましい。
【0020】
本発明のRNA分子の構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基であり、リボヌクレオチド残基、デオキシリボヌクレオチド残基があげられる。本発明のRNA分子は、例えば、リボヌクレオチド残基のみから構成されるRNAでもよいし、1〜数個のデオキシリボヌクレオチド残基を含むRNAでもよい。
【0021】
本発明のRNA分子は、例えば、1〜数個の修飾化ヌクレオチド残基を含んでもよく、前記修飾化ヌクレオチド残基は、例えば、修飾化リボヌクレオチド残基および修飾化デオキシリボヌクレオチド残基があげられる。前記修飾化ヌクレオチド残基は、例えば、前記ヌクレオチド残基における糖残基が修飾されたものがあげられる。前記糖残基は、例えば、リボース残基またはデオキシリボース残基があげられる。前記ヌクレオチド残基における修飾部位は、特に制限されず、例えば、前記糖残基の2’位および/または4’位があげられる。前記修飾は、例えば、メチル化、フルオロ化、アミノ化、チオ化等があげられる。前記修飾化ヌクレオチド残基は、例えば、塩基としてピリミジン塩基(ピリミジン核)を有するヌクレオチド残基が修飾されたもの、または、塩基としてプリン塩基(プリン核)を有するヌクレオチド残基が修飾されたものがあげられ、好ましくは前者である。以下、ピリミジン塩基を有するヌクレオチド残基をピリミジンヌクレオチド残基といい、修飾されたピリミジンヌクレオチド残基を修飾化ピリミジンヌクレオチド残基といい、プリン塩基を有するヌクレオチド残基をプリンヌクレオチド残基といい、修飾されたプリンヌクレオチド残基を修飾化プリンヌクレオチド残基という。前記ピリミジンヌクレオチド残基は、例えば、ウラシルを有するウラシルヌクレオチド残基、シトシンを有するシトシンヌクレオチド残基、チミンを有するチミンヌクレオチド残基等があげられる。前記修飾化ヌクレオチド残基において、塩基がピリミジン塩基の場合、例えば、前記糖残基の2’位および/または4’位が修飾されていることが好ましい。前記修飾化ヌクレオチド残基の具体例は、例えば、リボース残基の2’位が修飾された、2’−メチル化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−メチル化−シトシンヌクレオチド残基、2’−フルオロ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−フルオロ化−シトシンヌクレオチド残基、2’−アミノ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−アミノ化−シトシンヌクレオチド残基、2’−チオ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−チオ化−シトシンヌクレオチド残基等があげられる。
【0022】
前記ヌクレオチド残基における塩基は、例えば、アデニン(a)、シトシン(c)、グアニン(g)、チミン(t)およびウラシル(u)の天然塩基(非人工塩基)でもよいし、非天然塩基(人工塩基)でもよい。前記人工塩基は、例えば、修飾塩基および改変塩基等があげられ、前記天然塩基(a、c、g、tまたはu)と同様の機能を有することが好ましい。前記同様の機能を有する人工塩基は、例えば、グアニン(g)に代えて、シトシン(c)に結合可能な人工塩基、シトシン(c)に代えて、グアニン(g)に結合可能な人工塩基、アデニン(a)に代えて、チミン(t)またはウラシル(u)に結合可能な人工塩基、チミン(t)に代えて、アデニン(a)に結合可能な人工塩基、ウラシル(u)に代えて、アデニン(a)に結合可能な人工塩基等があげられる。前記修飾塩基は、例えば、メチル化塩基、フルオロ化塩基、アミノ化塩基、チオ化塩基等があげられる。前記修飾塩基の具体例としては、例えば、2’−メチルウラシル、2’−メチルシトシン、2’−フルオロウラシル、2’−フルオロシトシン、2’−アミノウラシル、2’−アミノシトシン、2−チオウラシル、2−チオシトシン等があげられる。本発明において、例えば、a、g、c、tおよびuで表わされる塩基は、前記天然塩基の他に、前記天然塩基のそれぞれと同様の機能を有する前記人工塩基の意味も含む。
【0023】
本発明のRNA分子は、例えば、1〜数個の人工核酸モノマー残基を含んでもよい。前記人工核酸モノマー残基は、例えば、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)、ENA(2’−O,4’−C−Ethylenebridged Nucleic Acids)等があげられる。前記モノマー残基における核酸は、例えば、前述と同様である。
【0024】
前記式(I)において、例えば、前記デオキシリボヌクレオチド残基、前記修飾化ヌクレオチド残基および前記人工核酸モノマー残基の部位は、特に制限されない。
【0025】
前記式(I)において、前記デオキシリボヌクレオチド残基の数は、特に制限されず、例えば、1〜77残基の範囲であり、1〜76残基の範囲であり、好ましくは1〜25残基の範囲であり、より好ましくは1〜5残基の範囲である。前記式(I)において、前記修飾化ヌクレオチド残基の数は、特に制限されず、例えば、1〜77残基の範囲であり、1〜76残基の範囲であり、好ましくは1〜25残基の範囲であり、より好ましくは1〜5残基の範囲である。前記式(I)において、前記人工核酸モノマー残基の数は、特に制限されず、例えば、1〜77残基の範囲であり、1〜76残基の範囲であり、好ましくは1〜25残基の範囲であり、より好ましくは1〜5残基の範囲である。これらの残基は、例えば、前記式(I)において、連続してもよいし、非連続でもよい。
【0026】
本発明のRNA分子は、例えば、RNA分解酵素耐性であることが好ましい。本発明のRNA分子は、例えば、RNA分解酵素耐性のため、前記デオキシリボヌクレオチド残基、前記修飾化ヌクレオチド残基および前記人工核酸モノマー残基の少なくともいずれかを有することが好ましい。また、本発明RNA分子は、例えば、RNA分解酵素耐性のため、例えば、5’末端または3’末端に、数10kDaのPEG(ポリエチレングリコール)またはデオキシチミジン等が結合してもよい。
【0027】
前記式(I)で表わされる一本鎖核酸全体のヌクレオチド残基の数は、特に制限されず、例えば、39〜77残基の範囲であり、39〜76残基の範囲であり、好ましくは39〜70残基の範囲であり、より好ましくは39〜60残基の範囲であり、特に好ましくは39〜50残基の範囲である。
前記Nのヌクレオチド残基数nは、特に制限されず、例えば、4〜15残基の範囲であり、好ましくは4〜10残基の範囲であり、より好ましくは4〜7残基の範囲であり、特に好ましくは4〜5残基の範囲である。
前記Nのヌクレオチド残基数nは、特に制限されず、例えば、4〜15残基の範囲であり、好ましくは4〜10残基の範囲であり、より好ましくは4〜7残基の範囲であり、特に好ましくは4〜5残基の範囲である。
前記Nのヌクレオチド残基数nは、特に制限されず、例えば、7〜15残基の範囲であり、好ましくは7〜12残基の範囲であり、より好ましくは7〜10残基の範囲であり、特に好ましくは7〜8残基の範囲である。
前記Nのヌクレオチド残基数nは、特に制限されず、例えば、8〜15残基の範囲であり、9〜15残基の範囲であり、好ましくは9〜13残基の範囲であり、より好ましくは9〜11残基の範囲であり、特に好ましくは9〜10残基の範囲である。
前記Nのヌクレオチド残基数nは、特に制限されず、例えば、7〜15残基の範囲であり、好ましくは7〜12残基の範囲であり、より好ましくは7〜10残基の範囲であり、特に好ましくは7〜8残基の範囲である。
前記Nのヌクレオチド残基数nは、特に制限されず、例えば、4〜15残基の範囲であり、好ましくは4〜10残基の範囲であり、より好ましくは4〜7残基の範囲であり、特に好ましくは4〜5残基の範囲である。
前記Nのヌクレオチド残基数nは、特に制限されず、例えば、4〜15残基の範囲であり、好ましくは4〜10残基の範囲であり、より好ましくは4〜5残基の範囲であり、特に好ましくは4残基である。
前記各ヌクレオチド残基数n、n、n、n、n、nおよびnは、例えば、以下の等式および不等式を満たすことが好ましい。
=n、n=n、(n+n)>n
【0028】
前記一本鎖核酸の全長が前述のような範囲の場合、従来のウサギIgGに結合するRNA分子と比較して、小型化されているといえる。このように小型化した一本鎖核酸を有するRNA分子は、例えば、合成が容易であり、コストの低減、標識物質およびリンカーの結合等の修飾も容易である。このため、本発明のRNA分子は、例えば、検出用試薬としての使用、検出用デバイスへの適用等に適しているといえる。
【0029】
前記式(I)の具体例として、例えば、前記式(I)で表わされる一本鎖核酸全体のヌクレオチド残基の数は、43残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、8残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、8残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、8残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、4残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基である。このような一本鎖核酸を含むRNA分子は、例えば、下記配列からなるRNA分子または前記下記配列を含むRNA分子があげられる。
mini3(配列番号1)
GGGACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUCCC
mini3m(配列番号2)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUGGC
rd06−未修飾(配列番号18)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGAACGUGGC
rmd06−未修飾(配列番号19)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCCCGCCUUGGAAGCGUACGUGGC
【0030】
前記式(I)の具体例として、前記mini3(配列番号1)の二次構造を下記式(II)に示す。
【化2】

【0031】
これらの配列番号の配列は、例えば、前記デオキシリボヌクレオチド残基、前記修飾化ヌクレオチド残基および前記人工核酸モノマー残基で置換されてもよい。置換された配列の具体例を以下に示す。下記配列において、dA、dG、dCおよびdT等の「dN」は、デオキシリボヌクレオチド残基を示し、lGおよびlC等の「lN」は、LNA残基を示し、mCおよびmU等の「mN」は、メチル化リボヌクレオチド残基を示し、fCおよびfU等の「fN」は、フルオロ化リボヌクレオチドを示す(以下、同様)。
R10_M3−fC(配列番号3)
GGGA[fC][fC]AGAAGUUUUUAAA[fC][fC]G[fC]G[fC][fC]UUGGAAG[fC]GUA[fC]GU[fC][fC][fC]
R10_M3−fU(配列番号4)
GGGACCAGAAG[fU][fU][fU][fU][fU]AAACCGCGCC[fU][fU]GGAAGCG[fU]ACG[fU]CCC
rm01(配列番号5)
G[mC][mC]A[mC][mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]G[mC][mC]UUGGAAGCGUA[mC]GUGG[mC]
rm02(配列番号6)
G[mC][mC]A[mC][mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]GCCUUGGAAG[mC]GUA[mC]GUGG[mC]
rm03(配列番号7)
GCCAC[mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]G[mC][mC]UUGGAAGCGUA[mC]GUGGC
rm04(配列番号8)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rd03(配列番号9)
GCCAC[dC]AGAAGUUUUUAAA[dC][dC]G[dC]G[dC][dC]UUGGAAGCGUA[dC]GUGGC
rd06(配列番号10)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCGAACGUGGC
rmd02(配列番号11)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[mU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd03(配列番号12)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd04(配列番号13)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[dU]ACGUGGC
rmd05(配列番号14)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]ACGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd06(配列番号15)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]CCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmde01(配列番号16)
[lG][lC]CAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUG[lG][lC]
【0032】
また、前記式(I)の具体例として、これらの他に、例えば、前記式(I)で表わされる一本鎖核酸全体のヌクレオチド残基の数は、39残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、3残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、8残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、8残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、8残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、4残基であり、前記Nのヌクレオチド残基数nは、3残基である。このような一本鎖核酸を含むRNA分子は、例えば、下記配列からなるRNA分子または前記下記配列を含むRNA分子があげられる。
rme01−未修飾(配列番号20)
[lG][lC]C[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACG[lG][lC]
【0033】
前記配列番号の配列は、例えば、前記デオキシリボヌクレオチド残基、前記修飾化ヌクレオチド残基および前記人工核酸モノマー残基で置換されてもよい。置換された配列の具体例を以下に示す。下記配列において、dA、dG、dCおよびdT等の「dN」は、デオキシリボヌクレオチド残基を示し、lGおよびlC等の「lN」は、LNA残基を示し、mCおよびmU等の「mN」は、メチル化リボヌクレオチド残基を示す。
rme01(配列番号17)
[lG][lC]C[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACG[lG][lC]
【0034】
本発明のRNA分子は、前記式(I)において、(Nn4から(Nn5にかけて、配列番号21で表わされるモチーフを有することが好ましい。下記モチーフは、下記小文字の配列を、(Nn4の3’末端に有し、下記大文字の配列を(Nn5の5’末端に有することが好ましい。このようなモチーフを有するRNA分子は、例えば、前記配列番号1〜20の塩基配列を含むRNA分子があげられる。
モチーフ(配列番号21)
ccUUGGAA
【0035】
本発明のRNA分子は、例えば、下記配列における下線を付した塩基が保存されていることが好ましい。
mini3(配列番号1)
GGGACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUCCC
mini3m(配列番号2)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUGGC
rd06−未修飾(配列番号18)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGAACGUGGC
rmd06−未修飾(配列番号19)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCCCGCCUUGGAAGCGUACGUGGC
【0036】
本発明のRNA分子は、前記式(I)において、(Nn3および(Nn5のステム構造と、(Nn4のヘアピンループ構造のリン酸基が保持されていることが好ましい。
【0037】
本発明のRNA分子は、例えば、下記(A1)〜(A3)のRNA分子があげられる。
(A1)配列番号1〜20のいずれかの塩基配列からなるRNA分子
(A2)配列番号1〜20のいずれかの塩基配列において、1または複数の塩基が、置換、欠失、付加または挿入された塩基配列からなり、且つ、前記ウサギIgGに結合可能であるRNA分子
(A3)配列番号1〜20のいずれかで表わされる塩基配列と、90%以上の相同性を有する塩基配列からなり、且つ、前記ウサギIgGに結合可能であるRNA分子
【0038】
前記(A2)において、「1または複数」は、特に制限されない。「1または複数」は、前記配列番号1〜20の塩基配列において、例えば、1〜5個であり、好ましくは1〜4個であり、より好ましくは1〜3個であり、さらに好ましくは1個または2個であり、特に好ましくは1個である。また、「1または複数」は、前記ウサギIgG結合核酸分子(A1)の全長配列において、例えば、1〜5個であり、好ましくは1〜4個であり、より好ましくは1〜3個であり、さらに好ましくは1個または2個であり、特に好ましくは1個である。前記置換、付加または挿入に使用する塩基は、特に制限されず、例えば、前記天然塩基でもよいし、前記非天然塩基でもよい。前記塩基の置換、付加または挿入は、例えば、前記ヌクレオチド残基を用いてもよいし、前記人工核酸モノマー残基を用いてもよい。
【0039】
前記相同性は、例えば、90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。前記相同性は、例えば、BLAST等を用いてデフォルトの条件で計算することにより、算出できる。
【0040】
本発明のRNA分子において、前記ウサギIgGは、例えば、サブタイプ1、サブタイプ2aおよびサブタイプ3のいずれでもよい。
【0041】
本発明において、マウス由来のIgG抗体のサブタイプは、特に制約はなく、例えば、サブタイプ1、サブタイプ2aおよびサブタイプ3並びにこれらを任意に有する異なるサブタイプを有するIgG抗体を混合したものがあげられる。
【0042】
本発明のRNA分子は、例えば、さらに標識物質を有してもよい。前記標識物質は、例えば、RNA分子の5’末端および3’末端の少なくとも一方に結合していることが好ましく、具体的には、前記式(I)の5’末端および3’末端の少なくとも一方に結合していることが好ましく、より好ましくは、5’末端である。
【0043】
前記標識物質は、特に制限されず、例えば、ビオチンおよびその誘導体;アビジンおよびその誘導体;蛍光団;酵素;放射性同位元素;チオール基およびアミノ基等の官能基;メチレンブルー等の電子受容体;NADH、NADPH等の電子供与体;有機化合物、無機化合物、ルテニウム等の電気化学発光物質等があげられ、中でも、ビオチンが好ましい。前記蛍光団は、特に制限されず、例えば、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシルクロリドおよびその誘導体、ウンベリフェロン等があげられる。前記酵素は、特に制限されず、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ等のペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸脱水素酵素、アミラーゼ等があげられる。放射性同位元素は、特に制限されず、例えば、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、リン(32P)、イオウ(35S)、金属類(例えば68Ga、67Ga、68Ge、54Mn、99Mo、99Tc、133Xe等)、トリチウム等があげられる。前記標識物質は、その他に、例えば、NADH、FMNH等の電子供与体、アクリジニウムエステル、ルミノール等の発光物質、ルシフェラーゼ、ルシフェリン等の生物発光物質、GFP等の生体蛍光蛋白質等があげられる。
【0044】
本発明のRNA分子の製造方法は、何ら制限されず、化学合成を利用した核酸合成方法等、遺伝子工学的手法、公知の方法により合成できる。また、本発明のRNA分子は、例えば、RNAプールとウサギ由来IgGを用いて、SELEX法(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)により得ることもできる。
【0045】
本発明のRNA分子は、前述のように、前記ウサギIgGに結合性を示す。このため、本発明のRNA分子の用途は、前記ウサギIgGへの結合性を利用する用途であれば、特に制限されない。本発明のRNA分子は、例えば、前記ウサギIgGに対する抗体に代えて、種々の方法に使用できる。
【0046】
本発明のRNA分子によれば、例えば、前記ウサギIgGを検出できる。例えば、前記RNA分子と前記ウサギIgGとを反応させ、前記RNA分子と前記ウサギIgGとの複合体を形成させ、前記複合体における前記RNA分子を検出することによって、行うことができる。また、ターゲットに結合する前記ウサギIgGと併用することによって、前記ターゲットの検出を行うこともできる。例えば、ターゲットと前記ウサギIgGとを反応させ、前記ターゲットと前記ウサギIgGとを結合させ、複合体を形成する。そして、前記複合体に前記ウサギIgGを介して前記RNA分子を結合させ、前記結合したRNA分子を検出することによって、間接的に前記ターゲットを検出できる。前記ウサギIgGならびに前記ターゲットの検出方法は、特に制限されない。具体例については、後述する。
【0047】
本発明のRNA分子によれば、例えば、前記ウサギIgGを精製することができる。前記ウサギIgGの精製は、例えば、前記RNA分子と前記ウサギIgGの非精製画分とを接触させ、前記RNA分子と前記ウサギIgGとの複合体を形成させ、前記RNA分子に対する非結合物質を除去し、前記複合体を回収することによって、行うことができる。
【0048】
本発明のRNA分子をウサギ由来IgGの精製に用いる場合、例えば、前記RNA分子を、固相に結合して使用してもよい。前記固相の形状は、例えば、ビーズがあげられ、前記固相の材質は、例えば、アガロース製、合成樹脂製等があげられる。前記RNA分子の固相への結合方法は、特に制限されず、例えば、前記RNA分子および前記固相のいずれか一方をビオチン化し、他方をアビジン化し、アビジン−ビオチン結合により結合させる方法等があげられる。このため、本発明のRNA分子は、例えば、ビオチン化またはアビジン化等、種々の改変を施されてもよい。
【0049】
<結合剤等>
本発明の結合剤は、前述のように、前記本発明のRNA分子を含むことを特徴とするウサギ由来IgGに対する結合剤である。本発明の結合剤は、前記本発明のRNA分子を含んでいればよく、その他の構成は何ら制限されない。本発明の結合剤を使用すれば、前述のように、例えば、前記ウサギIgGおよび前記ターゲットの検出および前記ウサギIgGの精製等を行うことができる。
【0050】
本発明の検出試薬は、前述のように、前記本発明の結合剤を含むことを特徴とするウサギ由来IgGの検出試薬である。本発明の検出試薬は、前記本発明の結合剤を含んでいればよく、その他の構成は何ら制限されない。本発明の検出試薬を使用すれば、前述のように、例えば、前記ウサギIgGおよび前記ターゲットの検出等を行うことができる。
【0051】
本発明の検出キットは、前述のように、本発明の検出試薬を含むことを特徴とするウサギ由来IgGの検出キットである。本発明の検出キットは、前記本発明の検出試薬を含んでいればよく、その他の構成は、何ら制限されない。前記検出キットは、さらに、前記ウサギ由来IgGの検出に使用できる他の試薬を含んでもよい。前記他の試薬は、特に制限されず、例えば、後述する本発明の検出方法において使用可能な試薬があげられる。前記本発明の検出試薬と前記他の試薬は、例えば、同じ容器に収容されてもよく、別個の容器に収容されてもよい。前記検出キットは、例えば、さらに、使用説明書を含んでもよい。
【0052】
<ウサギ由来IgGの検出方法>
本発明のウサギ由来IgGの検出方法は、ウサギ由来IgGと前記本発明の結合剤とを反応させる反応工程、および、前記ウサギ由来IgGに結合した前記結合剤を検出する検出工程を含むことを特徴とする。本発明は、前記ウサギ由来IgGに、前記本発明の結合剤、すなわち、本発明のRNA分子を結合させることが特徴であって、その他の工程および条件は、特に制限されない。
【0053】
前記ウサギ由来IgGに結合した前記結合剤の検出方法は、特に制限されず、例えば、前記結合剤における前記RNA分子に標識物質を結合し、前記標識物質を検出することよって、前記結合剤を検出できる。前記標識物質は、特に制限されず、前述のような物質があげられる。前記ウサギ由来IgGに結合した前記結合剤の検出方法は、後述の本発明のターゲットの検出方法における説明を引用できる。
【0054】
<ターゲットの検出方法>
本発明のターゲットの検出方法は、前述のように、試料中のターゲットと、前記ターゲットに対する抗体とを反応させる第1の反応工程、前記ターゲットと前記抗体との複合体に、前記抗体に結合する結合剤とを反応させる第2の反応工程、および、前記複合体に結合した前記結合剤を検出する検出工程を含み、
前記ターゲットに対する抗体として、ウサギ由来IgGを使用し、前記結合剤として、前記本発明の結合剤を使用することを特徴とする。
【0055】
本発明の検出方法は、前記ターゲットと前記抗体との複合体を検出するにあたって、前記本発明の結合剤を使用することが特徴であって、その他の工程および条件は、特に制限されない。前記本発明の結合剤は、例えば、公知の二次抗体に代えて使用できる。
【0056】
本発明の検出方法は、例えば、前記第1の反応工程と前記第2の反応工程との間に、さらに、前記第1の反応の反応液から、前記ターゲットに未結合の前記抗体を除去する除去工程を含むことが好ましい。前記ターゲットに未結合の前記抗体の除去によって、例えば、前記未結合の前記抗体への前記結合剤の結合を除去できるため、さらに検出精度を向上できる。前記除去工程は、例えば、前記ターゲットを固相に固定化し、前記抗体を接触させた後、前記固相を洗浄することにより、行うことが好ましい。前記ターゲットの固定化により、例えば、前記未反応の前記抗体の他に、前記試料に含まれる他の物質も除去できる。前記ターゲットの固定化は、特に制限されず、例えば、メンブランへの固定化等があげられる。前記メンブランへの固定化は、例えば、泳動ゲルを用いて前記試料を電気泳動し、前記泳動ゲルからメンブランへのブロッティングにより行うことができる。前記電気泳動は、特に制限されず、例えば、PAGE、SDS−PAGEがあげられ、好ましくはSDS−PAGEである。
【0057】
本発明の検出方法は、例えば、前記第1の反応工程に先立って、前記試料中の前記ターゲットと前記試料中の他の成分とを分離する分離工程を含むことが好ましい。前記ターゲットと前記他の成分との分離によって、例えば、さらに検出精度を向上できる。前記分離工程は、例えば、前記試料の電気泳動により行うことができる。前記試料の電気泳動は、例えば、特に制限されず、前述と同様である。前記試料を電気泳動することによって、例えば、前記試料の前記ターゲットと前記他の成分とを分離でき、さらに、前記メンブランへの固定化を行うことで、例えば、前記未反応の前記抗体を除去できる。前記分離工程において、前記ターゲットおよび前記他の成分を変性させることが好ましく、具体的には、前記試料をSDS−PAGEに供することが好ましい。
【0058】
本発明の検出方法は、例えば、前記第2の反応工程と前記検出工程との間に、さらに、前記第2の反応の反応液から、前記複合体における前記ウサギ由来IgGに未結合の前記結合体を除去する除去工程を含むことが好ましい。前記未結合の前記結合体の除去によって、例えば、さらに検出精度を向上できる。
【0059】
本発明の検出方法は、例えば、ノースウェスタン法に準じて行うことができ、例えば、前記第1の反応工程、前記第2の反応工程および前記検出工程が、ウエスタンブロット法であることが好ましい。
【0060】
本発明において、試料は、特に制限されず、例えば、溶液、懸濁液、分散液等の液体系でもよいし、細胞、組織等の固体系でもよい。
【0061】
本発明の検出方法について、一例をあげて説明する。なお、本発明は、前記ターゲットと前記本発明のRNA分子との結合を利用すればよく、以下の例には、制限されない。
【0062】
まず、試料をSDS−PAGEに供し、メンブランにブロッティングする。前記SDS−PAGEの条件およびブロッティングの条件、使用するメンブランは、特に制限されず、公知の方法よび材料が使用できる。
【0063】
つぎに、前記メンブランに、前記ターゲットに結合するウサギ由来IgGを接触させる。これによって、前記メンブランに固定化された前記ターゲットと前記ウサギ由来IgGとが結合し、複合体を形成する。前記ターゲットと前記ウサギ由来IgGとの反応後、前記メンブランを洗浄し、未反応の前記ウサギ由来IgGおよび前記試料に含まれる他の成分を除去する。
【0064】
続いて、前記メンブランに、前記本発明の結合剤を接触させる。これによって、前記メンブラン上の前記複合体における前記ウサギ由来IgGに、前記本発明の結合剤が結合する。前記ウサギ由来IgGと前記結合剤との反応後、前記メンブランを洗浄して、前記ウサギ由来IgGと未反応の前記結合剤を除去する。
【0065】
そして、前記複合体における前記ウサギ由来IgGに結合した前記結合剤を検出する。前記結合剤の検出によって、間接的に、前記複合体における前記ターゲットを検出できる。前記結合剤の検出は、特に制限されず、前記RNA分子に応じて適宜決定できる。前記RNA分子は、前述のように標識物質で標識化されていることが好ましく、前記標識物質の種類に応じて適宜決定できる。前記標識物質が、例えば、酵素の場合、前記メンブランに、前記酵素に対する基質を添加し、酵素反応による生成物を検出することで、前記標識物質を検出し、間接的にターゲットを検出することができる。このような検出によって、前記ターゲットの定性および定量が可能である。
【0066】
また、ターゲットの検出方法は、例えば、前記第1の反応工程において、前記試料中のターゲットと前記抗体とを反応させた後、前記第1の反応の反応液を電気泳動に供し、メンブランへのブロッティングを行った後、前記本発明の結合剤を前記メンブランに接触させてもよい。
【実施例】
【0067】
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。市販の試薬は、特に示さない限り、それらのプロトコールに基づいて使用した。
【0068】
[実施例1]
RNAアプタマーを作製し、SPR解析により、ウサギIgGに対する結合能を確認した。
【0069】
(1)RNAアプタマー
下記配列番号のRNAアプタマーの3’末端に、タグとして24塩基長のポリdAを付加し、タグ付加RNAアプタマーを作製した。
mini3(配列番号1)
GGGACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUCCC
mini3m(配列番号2)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUGGC
R10_M3−fC(配列番号3)
GGGA[fC][fC]AGAAGUUUUUAAA[fC][fC]G[fC]G[fC][fC]UUGGAAG[fC]GUA[fC]GU[fC][fC][fC]
R10_M3−fU(配列番号4)
GGGACCAGAAG[fU][fU][fU][fU][fU]AAACCGCGCC[fU][fU]GGAAGCG[fU]ACG[fU]CCC
rm01(配列番号5)
G[mC][mC]A[mC][mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]G[mC][mC]UUGGAAGCGUA[mC]GUGG[mC]
rm02(配列番号6)
G[mC][mC]A[mC][mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]GCCUUGGAAG[mC]GUA[mC]GUGG[mC]
rm03(配列番号7)
GCCAC[mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]G[mC][mC]UUGGAAGCGUA[mC]GUGGC
rm04(配列番号8)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rd03(配列番号9)
GCCAC[dC]AGAAGUUUUUAAA[dC][dC]G[dC]G[dC][dC]UUGGAAGCGUA[dC]GUGGC
rd06(配列番号10)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCGAACGUGGC
rmd02(配列番号11)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[mU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd03(配列番号12)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd04(配列番号13)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[dU]ACGUGGC
rmd05(配列番号14)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]ACGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd06(配列番号15)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]CCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmde01(配列番号16)
[lG][lC]CAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUG[lG][lC]
rme01(配列番号17)
[lG][lC]C[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACG[lG][lC]
【0070】
また、比較例として、下記配列番号のRNAアプタマーの3’末端に、タグとして24塩基長のポリAを付加し、タグ付加RNAアプタマーを作製した。
R10(配列番号22)
GGGAGAAUUCCGACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUUGGCCCUUUCCUCUCUCCUCCUUCUUCU
【0071】
(2)SPR解析
SPR解析は、BIACORE 3000(商品名、BIACORE社製)、BIAevaluation software(version3.1、BIOACORE社製)を用いて行った。解離定数K値は、前記BIAevaluation softwareのglobal fitting curves(1:1 Langmuir binding)で、データをフィッティングして算出した。
【0072】
まず、チップ(商品名Sensor chip SA、BIACORE社製)に、5μmol/L ビオチン化ポリdTを、流速2μL/minで10分間添加した。前記ビオチン化ポリdTは、24塩基長のポリdTの5’末端をビオチン化したものを使用した。これによって、前記チップ上に、ビオチン化ポリdT 約1,000RUを固定化した。前記チップに、400nmol/L 前記タグ付加RNAアプタマーを、流速2μL/minで10分間添加した。これによって、前記チップ上の前記ビオチン化ポリdTに、前記タグ付加RNAアプタマー 約2,000RUをハイブリダイゼーションさせた。つぎに、前記タグ付加RNAアプタマーが固定化された前記チップに、所定濃度の抗マウスIgGウサギIgG(ポリクローナル抗体、商品名anti GST rabbit IgG:CHEMICON社製)を、流速20μL/mlで2分間添加した。前記ウサギIgGの所定濃度は、最終濃度100nmol/L、50nmol/L、25nmol/Lおよび12.5nmol/Lとした。そして、前記タグ付加RNAアプタマーと前記ウサギIgGとの結合反応速度を測定した後、3分間Buffer(50mmol/L HEPES−NaOH[pH7.4]、150mmol/L NaCl、5mmol/L MgCl)を流入し、前記タグ付加RNAアプタマーからの前記ウサギIgGの解離を、解離反応速度として測定した。なお、解離反応速度の測定後、10mmol/L NaOHの添加により、前記チップ上から前記タグ付加RNAアプタマーと前記ウサギIgGの複合体を解離し、再度、前述と同様にして、前記タグ付加RNAアプタマーのハイブリダイゼーション、前記ウサギIgGの結合および解離を、一連の工程として、繰り返し行った。下記表1に、これらの結果を示す。
【0073】
(表1)
RNAアプタマー 配列番号 解離定数K
(nmol/L)
mini3 1 22.4
mini3m 2 30.8
rm02 6 50.7
rm04 8 37
rd06 10 45.3
rmd02 11 31
rmd03 12 29
rmd04 13 40
rmd05 14 27.3
rmd06 15 26.1
rmde01 16 24.3
rme01 17 22.9
比較例RNAアプタマー 22 51.5

【0074】
前記表1に示すように、本発明のRNAアプタマーによれば、比較例のRNAアプタマーよりも優れた結合力を示すことがわかった。
【0075】
[実施例2]
(1)RNAアプタマー
下記配列番号のRNAアプタマーの3’末端に、タグとして24塩基長のポリdAを付加し、タグ付加RNAアプタマーを作製した。
mini3(配列番号1)
GGGACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUCCC
mini3m(配列番号2)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUGGC
R10_M3−fC(配列番号3)
GGGA[fC][fC]AGAAGUUUUUAAA[fC][fC]G[fC]G[fC][fC]UUGGAAG[fC]GUA[fC]GU[fC][fC][fC]
R10_M3−fU(配列番号4)
GGGACCAGAAG[fU][fU][fU][fU][fU]AAACCGCGCC[fU][fU]GGAAGCG[fU]ACG[fU]CCC
rm01(配列番号5)
G[mC][mC]A[mC][mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]G[mC][mC]UUGGAAGCGUA[mC]GUGG[mC]
【0076】
(2)SPR解析
前記チップ上の前記ビオチン化ポリdTに、前記タグ付加RNAアプタマー 約3,000RUをハイブリダイゼーションさせ、前記タグ付加RNAアプタマーが固定化された前記チップに、アナライトとして800nmol/Lの抗マウスIgGウサギIgG(ポリクローナル抗体、商品名anti mouse rabbit IgG:CHEMICON社製)を添加し、Bufferとして、異なる組成のBuffer(20mmol/L HEPES−NaOH[pH7.4]、150mmol/L NaCl、5mmol/L MgCl、0.05% Tween20)を使用した以外は、前記実施例1と同様にして、解析を行った。
【0077】
下記表2に、前記アナライトの添加開始から120秒のRU(Response Units)を示す。
【0078】
(表2)
RNAアプタマー 配列番号 RU
mini3 1 1666
R10 22 283

【0079】
小型化アプタマーmini3は、アプタマーR10と比較して、非常に高い結合量を示し、具体的には、約5.89倍に結合量が増加した 。SPR解析では、一般に、固定化した分子の分子量に反比例して、シグナル上昇がみられる。R10の分子量は、mini3の分子量の1.77倍であるため、理論的には、mini10のみかけ上のシグナルは、約1.77倍に増加すると推測される。しかしながら、実際には、mini3のシグナルは、約5.89倍に増加した。これは、R10における結合に関与しない塩基配列が、ウサギIgGとアプタマーの結合を阻害していたことを示唆している。そして、mini3は、不要な塩基配列が排除されたことによって、ウサギIgGに対するアプタマーの結合量が増加したと考えられた。
【0080】
[実施例3]
RNAアプタマーについて、血清中の安定性を評価した。
【0081】
(1)RNAアプタマー
下記配列番号のRNAアプタマーを作製した。これらのRNAアプタマーを、それぞれ、濃度0.15mg/mLとなるようにTBSに希釈し、これを以下の評価に使用した。前記TBSの組成は、20mmol/L Tris−HCl、0.9% NaCl、5mmol/L MgClとした。
mini3(配列番号1)
GGGACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUCCC
rmd02(配列番号11)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[mU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd03(配列番号12)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd04(配列番号13)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[dU]ACGUGGC
【0082】
(2)血清
ウサギ血清 (SIGMA #4505、シグマ社製)を、TBSで1/100希釈して、希釈血清を調製した。前記TBS(pH7.4)の組成は、20mmol/L Tris−HCl、0.9% NaCl、5mmol/L MgClとした。
【0083】
(3)評価方法
前記RNAアプタマー0.1mLを、前記希釈血清0.1mLと混合して、前記混合液を室温で放置した。そして、放置開始(0分)、開始から30分後、1時間後、2時間後、4時間後に、前記混合液のサンプリングを行い、電気泳動に供した。電気泳動の条件は、以下の通りとした。電気泳動後のゲルを、UVトランスイルミネーター上で撮影し、撮影したデータを用いて前記RNAアプタマー全長(43mer)のバンドを、画像解析ソフトImage−J(フリーソフトウェア、NIH製)のデンシトメトリによりシグナル強度を数値化した。そして、0分の結果を100%とした場合のシグナル強度の相対値を求め、前記相対値が50%を示す時間を半減期とした。
【0084】
(電気泳動の条件)
ゲル組成:15% Acrylamide、7mol/L Urea in 1×TBE
サンプルのロード量:30ng/lane
泳動条件:200V 定電圧、85min
染色:SYBR Green II染色
【0085】
ウサギ血清中の安定性の結果を下記表3に示す。アプタマー全長のバンドを、前記画像解析ソフトで数値化した結果、下記表3に示すように、mini3は、1/100希釈ウサギ血清中で、半減期が約15分であった。そして、修飾アプタマーrmd02、rmd03およびrmd04は、半減期が2〜3時間であった。このように、mini3は、修飾することで、血清中における分解耐性がより一層向上していることが示唆された。
【0086】
(表3)
アプタマー 半減期(分)
mini3 15
rmd02 180
rmd03 135
rmd04 150

【0087】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明のRNA分子によれば、ウサギ由来IgGと優れた特異性で結合可能である。このため、例えば、前述のような二次抗体に代えて、本発明のRNA分子を使用することによって、より精度よくターゲットを検出することができる。このため、本発明のRNA分子は、例えば、新たな研究用ツールとしても有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表わされる一本鎖核酸を含むことを特徴とするウサギ由来IgGに結合するRNA分子。
【化1】

前記式(I)において、前記N、N、N、N、N、NおよびNは、ヌクレオチド残基を示し、各n、n、n、n、n、nおよびnは、それぞれ前記ヌクレオチド残基N、N、N、N、N、NおよびNの数を示し、
前記NおよびNは、相互に水素結合してステム構造形成可能であり、前記NおよびNは、相互に水素結合してステム構造を形成可能であり、前記NおよびNは、インターナルループ構造を形成可能であり、前記Nは、ヘアピンループ構造を形成可能である。
【請求項2】
前記式(I)で表わされる一本鎖核酸全体のヌクレオチド残基の数は、39〜77残基の範囲であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、4〜15残基の範囲であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、4〜15残基の範囲であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、7〜15残基の範囲であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、9〜15残基の範囲であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、7〜15残基の範囲であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、4〜15残基の範囲であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、4〜15残基の範囲である、請求項1記載のRNA分子。
【請求項3】
前記式(I)で表わされる一本鎖核酸全体のヌクレオチド残基の数は、43残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、7残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、9残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、7残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基である、請求項2記載のRNA分子。
【請求項4】
前記式(I)で表わされる一本鎖核酸が、配列番号1または2の配列からなる、請求項3記載のRNA分子。
mini3(配列番号1)
GGGACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUCCC
mini3m(配列番号2)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCGUACGUGGC
【請求項5】
前記式(I)で表わされる一本鎖核酸が、配列番号3〜16のいずれかの配列からなる、請求項3記載のRNA分子。
R10_M3−fC(配列番号3)
GGGA[fC][fC]AGAAGUUUUUAAA[fC][fC]G[fC]G[fC][fC]UUGGAAG[fC]GUA[fC]GU[fC][fC][fC]
R10_M3−fU(配列番号4)
GGGACCAGAAG[fU][fU][fU][fU][fU]AAACCGCGCC[fU][fU]GGAAGCG[fU]ACG[fU]CCC
rm01(配列番号5)
G[mC][mC]A[mC][mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]G[mC][mC]UUGGAAGCGUA[mC]GUGG[mC]
rm02(配列番号6)
G[mC][mC]A[mC][mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]GCCUUGGAAG[mC]GUA[mC]GUGG[mC]
rm03(配列番号7)
GCCAC[mC]AGAAGUUUUUAAA[mC][mC]G[mC]G[mC][mC]UUGGAAGCGUA[mC]GUGGC
rm04(配列番号8)
GCCACCAGAAGUUUUUAAACCGCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rd03(配列番号9)
GCCAC[dC]AGAAGUUUUUAAA[dC][dC]G[dC]G[dC][dC]UUGGAAGCGUA[dC]GUGGC
rd06(配列番号10)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCGAACGUGGC
rmd02(配列番号11)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[mU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd03(配列番号12)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd04(配列番号13)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[dU]ACGUGGC
rmd05(配列番号14)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]ACGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmd06(配列番号15)
GCCAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]CCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUGGC
rmde01(配列番号16)
[lG][lC]CAC[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACGUG[lG][lC]
【請求項6】
前記式(I)で表わされる一本鎖核酸全体のヌクレオチド残基の数は、39残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、3残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、7残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、9残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、7残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、5残基であり、
前記Nのヌクレオチド残基数nは、3残基である、請求項2記載のRNA分子。
【請求項7】
前記式(I)で表わされる一本鎖核酸が、配列番号17の配列からなる、請求項6記載のRNA分子。
rme01(配列番号17)
[lG][lC]C[dC]AGAAGUUUU[dU]AAAC[dC]GCGCCUUGGAAGCG[mU]ACG[lG][lC]
【請求項8】
前記式(I)において、前記ヌクレオチド残基の一部が、修飾化ヌクレオチド残基である、請求項1から7のいずれか一項に記載のRNA分子。
【請求項9】
前記修飾化ヌクレオチド残基が、メチル化ヌクレオチド残基、フルオロ化ヌクレオチド残基、アミノ化ヌクレオチド残基およびチオ化ヌクレオチド残基からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項8記載のRNA分子。
【請求項10】
前記式(I)において、前記ヌクレオチド残基の一部が、LNAおよびDNAの少なくとも一方である、請求項1から8のいずれか一項に記載のRNA分子。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のRNA分子を含むことを特徴とする、ウサギ由来IgGに対する結合剤。
【請求項12】
請求項11記載の結合剤を含むことを特徴とする、ウサギ由来IgGの検出試薬。
【請求項13】
請求項12記載の検出試薬を含むことを特徴とする、ウサギ由来IgGの検出キット。
【請求項14】
ウサギ由来IgGと請求項11記載の結合剤とを反応させる反応工程、および、
前記ウサギ由来IgGに結合した前記結合剤を検出する検出工程を含むことを特徴とするウサギIgGの検出方法。
【請求項15】
試料中のターゲットと、前記ターゲットに対する抗体とを反応させる第1の反応工程、
前記ターゲットと前記抗体との複合体に、前記抗体に結合する結合剤とを反応させる第2の反応工程、および、
前記複合体に結合した前記結合剤を検出する検出工程を含み、
前記ターゲットに対する抗体として、ウサギ由来IgGを使用し、
前記結合剤として、請求項11記載の結合剤を使用することを特徴とする、ターゲットの検出方法。
【請求項16】
前記第1の反応工程と前記第2の反応工程との間に、さらに、前記第1の反応の反応液から、前記ターゲットに未結合の前記抗体を除去する除去工程を含む、請求項15記載の検出方法。
【請求項17】
前記第1の反応工程に先立って、前記試料中の前記ターゲットと前記試料中の他の成分とを分離する分離工程を含む、請求項15または16記載の検出方法。
【請求項18】
前記分離工程において、前記ターゲットを変性させる、請求項17記載の検出方法。
【請求項19】
前記分離工程が、試料のSDS−PAGEである、請求項17または18記載の検出方法。
【請求項20】
前記第1の反応工程、前記第2の反応工程および前記検出工程が、ウエスタンブロット法である、請求項15から19のいずれか一項に記載の検出方法。

【公開番号】特開2012−183039(P2012−183039A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49276(P2011−49276)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000232092)NECソフト株式会社 (173)
【Fターム(参考)】