説明

ウレタンアクリル系ブレンド

【課題】ウレタンとアクリル系ポリマーとのブレンドであって、望まれる水準の光学透明性、機械的強度、寸法安定性および耐候性を示すブレンドを提供する。
【解決手段】1種以上の熱可塑性ポリウレタン、および重合単位として1種以上の水素結合可能なモノマーを含む1種以上のアクリル系ポリマーを含むポリマー膜が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な目的のためにポリマー膜を使用することが多くの場合望まれる。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,319,985号は熱可塑性ウレタンとエチレン−プロピレンゴムとのブレンドを開示する。米国特許第6,319,985号はこのようなブレンドが膜で使用されうることを開示する。
【0003】
ポリマー膜が適用されうる用途の一例については、ポリマー膜は構造体または筐体の壁および/または屋根の部分を形成するのに使用されうる。このような膜に望まれる特性は光学透明性、機械強度、寸法安定性および耐候性である。過去において、高価な特殊材料を使用していくつかの膜が製造されてきた。高価でなくまたはより容易に得られうる他の物質と熱可塑性ウレタンポリマーとのブレンドを形成することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,319,985号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アクリル系ポリマーは容易に得られかつ比較的安価である。ウレタンとアクリル系ポリマーとのブレンドであって、望まれる水準の光学透明性、機械強度、寸法安定性および耐候性を示すブレンドを提供することが望まれる。
【0006】
ポリマー膜が適用されうる用途の他の例については、ポリマー膜はグラフィックアート(graphic arts)膜に使用されうる。いくつかのグラフィックアート膜は構造体または筐体を形成するのに使用される膜によって必要とされる特性に似た特性を有することを必要とする。いくつかのグラフィックアート膜は、構造体に使用される膜によっても必要とされるいくつかの特性、例えば耐候性などに加えて、いくつかの他の特性、例えば、一体性(すなわち、曲がった表面に一体化する能力)、および印刷適性(すなわち、印刷インクと付着する能力)を有することを必要とする。ウレタンとアクリル系ポリマーとのブレンドであって、所望の水準の一体性および耐候性を示すブレンドを提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様においては、1種以上の熱可塑性ポリウレタン、および、重合単位として1種以上の水素結合可能なモノマーを含む1種以上のアクリル系ポリマーを含むポリマー膜が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において使用される場合、2つの数字の比率が「X以上:1」と称される場合には、それは値Y:1(YはX以上である)を有する比率を意味する。同様に、2つの数字の比率が「W以下:1」と称される場合には、それは値Z:1(ZはW以下である)を有する比率を意味する。
【0009】
本明細書において使用される場合、「膜」は、他の2つの寸法(長さおよび幅)と比較して相対的に小さい1つの寸法(厚み)を有する物体である。膜の厚みは0.01mm〜2mmである。膜の長さおよび幅はそれぞれ1cm以上である。その長さおよび幅で定義される膜の表面は、本明細書においては、膜の「面」と称される。
【0010】
本明細書において使用される場合、複数層構造体は2以上の膜を互いに接触させて製造される物体である。複数層構造体において隣接する膜は、隣接する膜の面の全体または一部と接触している1つの膜の面の全体または一部を有することにより、互いに接触する。複数層構造体のそれぞれの膜は層と称される。
【0011】
本明細書において使用され、かつTextbook of Polymer Science第2版、1971においてFW Billmeyer,JR.によって定義される「ポリマー」は、より小さな化学繰り返し単位の反応生成物からなる比較的大きな分子である。ポリマーは線状、分岐、星状、ループ、超分岐、架橋またはそれらの組み合わせである構造を有しうる;ポリマーは単一種類の繰り返し単位を有することができ(ホモポリマー)、またはポリマーは一種より多い繰り返し単位を有することができる(コポリマー)。コポリマーはランダム、シークエンス、ブロック、他の配列、またはこれらのいずれかの混合または組み合わせで配列される様々な種類の繰り返し単位を有しうる。
【0012】
ポリマー分子量は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC、ゲル透過クロマトグラフィー、すなわちGPCとも称される)のような標準的な方法によって測定されうる。概して、ポリマーは1,000以上の重量平均分子量(Mw)を有する。ポリマーは極端に高いMwを有することができ;あるポリマーは1,000,000を超えるMwを有し;典型的には1,000,000以下のMwを有する。いくつかのポリマーは架橋され、架橋されたポリマーは無限のMwを有すると考えられる。いくつかのポリマーはMn、数平均分子量によって特徴づけられる。
【0013】
本明細書において使用される場合、「ポリマーの重量」はポリマーの乾燥重量を意味する。
互いに反応してポリマーの繰り返し単位を形成できる分子は、本明細書において、「モノマー」と称される。
ポリマーを特徴づける一方法は示差走査熱量計によって測定されるようなガラス転移温度(Tg)である。
【0014】
本発明は、熱可塑性ウレタンポリマー(熱可塑性ポリウレタン、またはTPUとも称される)の使用を伴う。ウレタンポリマーはポリイソシアナートとポリオールと、場合によってはポリアミンとの反応生成物である。ポリイソシアナートは1分子あたり2以上のイソシアナート基を有する化合物である。ポリオールは1分子あたり2以上のヒドロキシル基を有する分子である。ポリアミンは1分子あたり2以上のアミン基を有する化合物である。
【0015】
本発明は熱可塑性であるウレタンポリマーの使用を伴う。熱可塑性ポリマーは通常の使用温度(−40℃〜60℃)で固体(結晶状またはガラス状またはこれらの混合)であり、かつ他のポリマーとのブレンドのためにおよび/または所望の形状に成形するために、より高い温度(典型的には150℃〜250℃)で溶融されうるものである。熱可塑性ポリマーは、顕著な分解または特性の損失をすることなく溶融され、次いで、室温まで冷却されうる。
【0016】
好適なTPUはあらゆる種類のTPUのものであり得る。例えば、好適なTPUは、例えば、脂肪族TPUまたは芳香族TPUまたは少なくとも1種の脂肪族構成物と少なくとも1種の芳香族構成物とを含むTPUでありうる。TPUの構成物はポリオールまたはポリイソシアナートまたは存在する場合にはポリアミンである。芳香族構成物は1以上の芳香環を含む構成物である。ポリオール(単一種または複数種)は脂肪族ポリオールまたは芳香族ポリオールまたはその混合物であり得る。ポリイソシアナート(単一種または複数種)は脂肪族ポリイソシアナートまたは芳香族イソシアナートまたはその混合物であり得る。ポリアミン(単一種または複数種)は存在する場合には脂肪族ポリアミンまたは芳香族ポリアミンまたはその混合物であり得る。
【0017】
ある実施形態においては、本発明の1種以上のTPUは脂肪族である。脂肪族TPUにおいては、ポリイソシアナート、ポリオールおよび(使用される場合には)ポリアミンのそれぞれは脂肪族である。本明細書において、「脂肪族」は線状脂肪族、分岐脂肪族、環式脂肪族またはその混合物を意味する。好適なポリオールには、例えば、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリエステルポリオールおよびその混合物が挙げられる。ある好適な脂肪族ポリオールは、比較的低分子量(1,000未満)の脂肪族ジオールである、脂肪族鎖延長剤(aliphatic chain extenders)として知られている。ある実施形態においては、1種以上の脂肪族ポリエーテルポリオールを含むポリオールから製造される1種以上のTPUが使用される。
【0018】
ある実施形態においては、使用される全てのTPUが脂肪族である。
ある実施形態においては、5,000以上;または10,000以上;または25,000以上;または50,000以上;または100,000以上の重量平均分子量を有する本発明のTPUが使用される。独立して、ある実施形態においては、2,000,000以下;または1,000,000以下;または500,000以下;または300,000以下の重量平均分子量を有する本発明のTPUが使用される。
【0019】
ある実施形態においては、1.3以上;または1.4以上;または1.45以上の屈折率を有する本発明のTPUが使用される。独立して、ある実施形態においては、1.7以下;または1.6以下の屈折率を有する本発明のTPUが使用される。
【0020】
本発明は少なくとも1種のアクリル系ポリマーを伴う。本明細書において使用される場合、アクリル系ポリマーは、アクリル系ポリマーの重量を基準にして50重量%以上のアクリル系モノマーを重合単位として含むポリマーである。アクリル系モノマーには、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の置換または非置換エステル、および(メタ)アクリル酸の置換または非置換アミドがある。本明細書において使用される場合、「(メタ)アクリル」はアクリルまたはメタクリルを意味し;「(メタ)アクリラート」はアクリラートまたはメタクリラートを意味し;「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミドまたはメタクリルアミドを意味する。
【0021】
好適なアクリル系モノマーの1つの群はメタクリル酸非置換アルキルの群である。ある実施形態においては、1〜18の炭素原子のアルキル基を有する、1種以上のメタクリル酸非置換アルキルが使用される。ある実施形態においては、8以下の炭素原子、または6以下の炭素原子、または4以下の炭素原子のアルキル基を有する、1種以上のメタクリル酸非置換アルキルが使用される。ある実施形態においては、メタクリル酸メチルが使用される。ある実施形態においては、メタクリル酸ブチルが使用される。ある実施形態においては、メタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルの双方が使用される。
【0022】
好適なアクリル系モノマーの別の群は、アクリル酸非置換アルキルの群である。ある実施形態においては、1〜18の炭素原子のアルキル基を有する、1種以上のアクリル酸非置換アルキルが使用される。ある実施形態においては2以上の炭素原子のアルキル基を有する、1種以上のアクリル酸非置換アルキルが使用される。ある実施形態においては、8以下の炭素原子、または6以下の炭素原子のアルキル基を有する、1種以上のアクリル酸非置換アルキルが使用される。ある実施形態においては、アクリル酸エチルが使用される。ある実施形態においては、アクリル酸ブチルが使用される。
【0023】
好適なアクリル系モノマーの別の群は、水素結合可能なモノマーの群である。本明細書において使用される場合、水素結合可能なモノマーは水素結合可能な基を含むモノマーである。水素結合可能な基はモノマーに共有結合されるおよび水素原子に共有結合される電気陰性原子を含む。電気陰性原子はフッ素、酸素または窒素であるにちがいない。ある好適な水素結合可能なモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アミン置換アルキル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキル、およびそれらのさらなる置換体である。好適な水素結合可能なモノマーの他のいくつかの例は、例えば、ビニルイミダゾール、n−ビニルピロリドンおよびそれらの置換体のようなビニル化合物である。
【0024】
好適な水素結合可能なモノマーの他のいくつかの例は、1〜100のアルキレンオキシド単位を有するアルキレンオキシド鎖を含む(メタ)アクリラートモノマーであり、例えば、(メタ)アクリラート末端ポリ(アルキレンオキシド)、アルコキシポリ(アルキレンオキシド)(メタ)アクリラート、(メタ)アクリラート末端ポリ(エチレングリコール)、アルコキシポリ(アルキレングリコール)(メタ)アクリラート、ポリ(アルキレンオキシド)ジ(メタ)アクリラート、およびこれらの混合物が挙げられる。ある好適なアルキレンオキシド単位には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの好適なアルコキシ基には、例えば、メトキシ、ブトキシおよびこれらの混合が挙げられる。1〜100のアルキレンオキシド単位を有するアルキレンオキシド鎖を含むある好適な(メタ)アクリラートモノマーには、例えば、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリラート、ポリプロピレンオキシド(メタ)アクリラートおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0025】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは1種以上の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルの重合単位を含む。(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルにおいては、1以上のヒドロキシ基がアルキル基に結合している。ある実施形態においては、1〜8の炭素原子のアルキル基を有する、1種以上の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルが使用される。ある実施形態においては、2以上の炭素原子のアルキル基を有する、1種以上の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルが使用される。ある実施形態においては、4以下の炭素原子のアルキル基を有する、1種以上の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルが使用される。
【0026】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは、1種以上の(メタ)アクリル酸アミン置換アルキルの重合単位を含む。(メタ)アクリル酸アミン置換アルキルモノマーにおいては、アミンは第1級、第2級または第3級でありうる。
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは1種以上の(メタ)アクリルアミドの重合単位を含む。好適な(メタ)アクリルアミドには、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびこれらの置換体が挙げられる。
ある実施形態においては、使用される水素結合可能なモノマーだけが1種以上の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルである。
【0027】
ある実施形態においては、本発明の1種以上のアクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーではない1種以上のモノマーを重合単位として含む。いくつかの好適な非アクリル系モノマーには、例えば、ビニル化合物が挙げられる。いくつかの好適なビニル化合物には、例えば、アルケン、ジエン、酢酸ビニルおよびビニル芳香族化合物が挙げられる。ある実施形態においては、アルケンは使用されない。ある実施形態においては、ジエンは使用されない。
【0028】
ある実施形態においては、1種以上のビニル芳香族化合物が使用される。ビニル芳香族化合物の芳香族部分は、置換されてよく、または非置換であり得る。ある好適なビニル芳香族化合物には、例えば、スチレンおよびアルキル置換スチレンが挙げられる。ある実施形態においては、スチレンまたはアルファ−メチルスチレンまたはこれらの混合物が使用される。ある実施形態においては、アルファ−メチルスチレンが使用される。
【0029】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは1種以上の多官能性モノマーを含む。好適な多官能性モノマーには、例えば、2以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。ビニル基は(メタ)アクリラート基の部分であることができ、または他の種類のビニル基であることができる。ある好適な多官能性モノマーには、例えば、(メタ)アクリル酸アリル、および2以上の(メタ)アクリラート基を有する化合物が挙げられる。ある実施形態においては、メタクリル酸アリルが使用される。
【0030】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは、連鎖移動剤の存在下で全体的にまたは部分的に行われる重合反応によって製造される。連鎖移動剤の存在は、通常、重合反応から得られるポリマーを、さもなければ有したであろうよりも低い分子量を有するようにすることが考えられる。ある好適な連鎖移動剤には、例えば、4〜20の炭素原子を有するチオール化合物が挙げられる。ある好適な連鎖移動剤はn−ドデカンチオールである。
【0031】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは単一段階(single−stage)ポリマーである。いくつかの実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは多段階(multi−stage)ポリマーである。多段階ポリマーは、第1の重合が完了または完了付近まで行われ、続いて1以上の後続の重合(そのそれぞれは従前の段階(単一または複数)の存在下で行われ、かつそのそれぞれは完了または完了付近まで行われる)が行われる方法により製造されるポリマーである。第1の重合によって形成されるポリマーは第1段階ポリマーと称され;第2の重合によって形成されるポリマーは第2段階ポリマーなどと称される。第1段階の完了後に重合が行われない場合には、得られるポリマーは本明細書においては単一段階ポリマーと称される。
【0032】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは水性乳化重合によって製造される。乳化重合によって製造されるポリマーは、水中に分散されたポリマー粒子の形態である。多段階ポリマーが乳化重合によって製造される場合には、第2段階ポリマーのいくつかまたは全部が第1段階によって形成されたポリマー粒子上でまたは粒子内で形成するであろうことが考えられる。(行われるのであれば)それぞれの追加の段階において形成されるポリマーのいくつかまたは全部は従前の段階によって製造されたポリマー粒子上でまたは粒子内で形成するであろうことがさらに考えられる。
【0033】
1種以上の単一段階アクリル系ポリマーが使用される実施形態(単一段階実施形態)においては、いくつかの好適なアクリル系ポリマーは、例えば、30℃以上;または40℃以上;または50℃以上;または60℃以上のTgを有する。独立して、単一段階実施形態においては、ある好適なアクリル系ポリマーは、例えば、125℃以下;または100℃以下;または75℃以下のTgを有する。
【0034】
ある単一段階実施形態においては、メタクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして10重量%以上;または20重量%以上;または40重量%以上である。独立して、ある単一段階実施形態においては、メタクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして、95重量%以下;または80重量%以下;または70重量%以下である。
【0035】
ある単一段階実施形態においては、アクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして2重量%以上;または5重量%以上;または10重量%以上である。独立して、ある単一段階実施形態においては、アクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして75重量%以下;または50重量%以下;または35重量%以下である。
【0036】
ある単一段階実施形態においては、ビニル芳香族モノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして1重量%以上;または2重量%以上;または5重量%以上;または8重量%以上である。独立して、ある単一段階実施形態においては、ビニル芳香族モノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして50重量%以下;または30重量%以下;または20重量%以下である。
【0037】
ある単一段階実施形態においては、水素結合可能なモノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして0.5重量%以上;または1重量%以上;または2重量%以上である。独立して、ある単一段階実施形態においては、水素結合可能なモノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして60重量%以下;または45重量%以下;または20重量%以下である。
【0038】
ある単一段階実施形態においては、多官能性モノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして0.1重量%以上;または0.2重量%以上;または0.5重量%以上である。独立して、ある単一段階実施形態においては、多官能性モノマーの好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして6重量%以下;または4重量%以下;または2重量%以下である。ある単一段階実施形態においては、多官能性モノマーは使用されない。
【0039】
ある単一段階実施形態においては、連鎖移動剤の好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして0.05重量%以上;または0.1重量%以上;または0.2重量%以上である。独立して、ある単一段階実施形態においては、連鎖移動剤の好適な量は、例えば、単一段階ポリマーの重量を基準にして5重量%以下;または3重量%以下;または2.5重量%以下である。
【0040】
単一段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、単一段階アクリル系ポリマーの好適なガラス転移温度は、例えば、30℃以上;または40℃以上;または50℃以上である。独立して、単一段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、単一段階アクリル系ポリマーの好適なガラス転移温度は、例えば、120℃以下;または90℃以下;または70℃以下である。
【0041】
ある実施形態においては、全てのアクリル系ポリマーは単一段階ポリマーである。ある実施形態においては、全てのアクリル系ポリマーは多段階ポリマーである。ある実施形態においては、アクリル系ポリマーは1種以上の単一段階ポリマーと1種以上の多段階ポリマーとのブレンドである。
【0042】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおけるメタクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、50重量%以下;または30重量%以下;または20重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおけるメタクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、2重量%以上;または4重量%以上;または8重量%以上である。多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態は、第1段階において少量の、すなわち、1%以下;または0.5%以下;または0.2%以下;または0%のメタクリル酸アルキルモノマーを使用する。
【0043】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおけるメタクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、99重量%以下;または95重量%以下;または90重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおけるメタクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、20重量%以上;または40重量%以上;または80重量%以上である。
【0044】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおけるアクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、95重量%以下;または90重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおけるアクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、5重量%以上;または15重量%以上;または20重量%以上;または50重量%以上;または60重量%以上である。
【0045】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおけるアクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、50重量%以下;または35重量%以下;または25重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおけるアクリル酸アルキルモノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、0.5重量%以上;または1重量%以上;または2重量%以上である。
【0046】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおけるビニル芳香族モノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、95重量%以下;または85重量%以下;または80重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおけるビニル芳香族モノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、2重量%以上;または4重量%以上;または8重量%以上;または10重量%以上である。
【0047】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおけるビニル芳香族モノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、50重量%以下;または35重量%以下;または30重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおけるビニル芳香族モノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、1重量%以上;または2重量%以上;または3重量%以上;または6重量%以上である。
【0048】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおける多官能性モノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、5重量%以下;または2.5重量%以下;または1.2重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおける多官能性モノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、0.1重量%以上;または0.2重量%以上;または0.5重量%以上である。
【0049】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおける多官能性モノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、5重量%以下;または2重量%以下;または1.5重量%以下;または0重量%である。
【0050】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおける水素結合可能なモノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、50重量%以下;または25重量%以下;または10重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーにおける水素結合可能なモノマーの好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、1重量%以上;または2重量%以上;または3重量%以上である。
【0051】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおける水素結合可能なモノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、50重量%以下;または25重量%以下;または10重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーにおける水素結合可能なモノマーの好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、1重量%以上;または2重量%以上;または3重量%以上である。
【0052】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーの製造における連鎖移動剤の好適な量は、第1段階ポリマーの重量を基準にして、0.2重量%以下;または0.1重量%以下;または0重量%である。
【0053】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーの製造における連鎖移動剤の好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、5重量%以下;または2.5重量%以下である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーの製造における連鎖移動剤の好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして、0.1重量%以上;または0.2重量%以上;または0.5重量%以上である。独立して、多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーの製造における連鎖移動剤の好適な量は、最終段階ポリマーの重量を基準にして0重量%である。
【0054】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーの好適なガラス転移温度は、例えば、−60℃以上;または−50℃以上;または−40℃以上である。多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーの好適なガラス転移温度は、例えば、20℃以下;または15℃以下;または10℃以下である。
【0055】
多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーの好適なガラス転移温度は、例えば、50℃以上;または75℃以上;または85℃以上である。多段階アクリル系ポリマーが使用されるある実施形態においては、最終段階ポリマーの好適なガラス転移温度は、例えば、150℃以下;または125℃以下である。
【0056】
多段階ポリマーが使用されるある実施形態においては、ある好適な多段階ポリマーは2段階ポリマーである。独立して、多段階ポリマーが使用されるある実施形態においては、全ての多段階ポリマーが2段階ポリマーである。
【0057】
多段階ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーの重量対最終段階ポリマーの重量(比率)は、例えば、0.5以上:1、または1以上:1、または1.2以上:1でありうる。独立して、多段階ポリマーが使用されるある実施形態においては、第1段階ポリマーの重量対最終段階ポリマーの重量(比率)は、例えば、5以下:1、または4以下:1、または3以下:1、または2.5以下:1でありうる。
【0058】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは、ニトリル基を含むモノマーの重合単位を含まない。独立して、ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは、エチレンまたはプロピレンまたは非置換アルケンであるモノマーの重合単位を含まない。独立して、ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは、ジエンであるモノマーの重合単位を含まない。独立して、ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは、ジエンであるモノマーの重合単位を含まず、かつ本発明のアクリル系ポリマーはニトリル基を含むモノマーの重合単位を含まない。ニトリル基を含むモノマーの一例はアクリロニトリルである。
【0059】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーはアクリル酸またはメタクリル酸の重合単位を含まない。ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーはカルボン酸基を含むモノマーの重合単位を含まない。ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーはあらゆる酸基を含むモノマーの重合単位を含まない。
【0060】
本発明のアクリル系ポリマーにおいては、好適なモノマーの混合物が好適である。
【0061】
ある実施形態においては、本発明のポリマー膜の所望の特性の1つは光学透明性である。光学透明性を向上させる一方法は、互いに等しいかまたはほぼ等しい屈折率を有するTPUおよびアクリル系ポリマーを提供することであることが考えられる。典型的なTPUは典型的なアクリル系ポリマーよりも高い屈折率を有する。よって、アクリル系ポリマーについて典型的なものよりも高い屈折率を有するモノマーの重合単位を有するアクリル系ポリマーを提供することが考えられる。
【0062】
本発明のアクリル系ポリマーの屈折率と好適な熱可塑性ポリウレタンの屈折率との間の差は2つのポリマーの試験ブレンドを形成することにより評価されうる。このような試験ブレンドは40部のアクリル系ポリマー対60部の熱可塑性ポリウレタンの重量比を有する(この比率は屈折率を評価するために使用され;他の比率のブレンドは本発明の範囲内にある)。膜は下記の実施例において記載されるように製造および試験されうる。屈折率の差がより小さいと、試験ブレンドから製造された膜の視感透過率(luminous transmittance)がより高くなるであろうと考えられる。ある実施形態においては、アクリル系ポリマーと熱可塑性ウレタンは視感透過率が60%以上;または70%以上;または80%以上;または90%以上であるように選択される。
【0063】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは、1.490以上の屈折率を有する1種以上のモノマーを重合単位として含む。モノマーの屈折率は、例えば、ASTM標準D1218−02によって、25℃で測定されうる。ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは重合単位として、1.500以上;または1.530以上の屈折率を有する1種以上のモノマーを含む。また、ある実施形態においては、1.49以上の屈折率を有する全てのモノマーがビニル芳香族モノマーである。ある実施形態においては、すべてのビニル芳香族モノマーは1.49以上の屈折率を有するモノマーである。
【0064】
本発明のアクリル系ポリマーは任意の重合方法によって製造されうる。ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは水性乳化重合によって製造され、よってアクリル系ポリマーはラテックス(すなわち、水中に分散されたポリマー粒子)の形態で製造される。ある実施形態においては、ラテックスの平均粒子サイズは30nm以上;または50nm以上である。独立して、ある実施形態においては、ラテックスの平均粒子サイズは250nm以下、または175nm以下、または125nm以下、または90nm以下である。
【0065】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは1種の好適なアクリル系ポリマーから構成される。このような1種の好適なアクリル系ポリマーは、ある実施形態においては、単一段階ポリマーである。このような1種のポリマーは、ある実施形態においては、多段階ポリマーである。
【0066】
ある実施形態においては、本発明のアクリル系ポリマーは2種以上の好適なポリマーを含む。2以上の好適なポリマーが使用される場合には、好適なポリマーの種類のあらゆる組み合わせが想定される。
【0067】
単一段階および/または多段階アクリル系ポリマーの好適な組み合わせのいくつかの例は次の通りである:単一段階アクリル系ポリマーと多段階アクリル系ポリマー;異なる2種の単一段階アクリル系ポリマー;異なる2種の多段階アクリル系ポリマー。
【0068】
ガラス転移温度の好適な組み合わせのいくつかの例は次の通りである:20℃以下のTgを有する1種以上のアクリル系ポリマーと25℃以上のTgを有する1種以上のアクリル系ポリマー;双方が20℃以下のTgを有する2種のアクリル系ポリマー;双方が25℃以上のTgを有する2種以上のポリマー。1つの段階が20℃以下のTgを有し、かつ1つの段階が25℃以上のTgを有する1種以上の多段階ポリマー、場合によっては1種以上の他のアクリル系ポリマーとの組み合わせであるものも意図される。
【0069】
様々な分子量のアクリル系ポリマーの好適な組み合わせのいくつかの例は次の通りである:ポリマーの重量を基準にして1重量%以上の量の連鎖移動剤を用いて製造された1種以上のアクリル系ポリマーとポリマーの重量を基準にして0.5重量%以下の量の連鎖移動剤を用いて製造された1種以上のアクリル系ポリマー;ポリマーの重量を基準にして1重量%以上の量の連鎖移動剤を用いて製造された2種以上のアクリル系ポリマー;ポリマーの重量を基準にして0.5重量%以下の量の連鎖移動剤を用いて製造された2種以上のアクリル系ポリマー。1つの段階がその段階においてポリマーの重量を基準にして1重量%以上の量の連鎖移動剤を用いて製造され、かつ別の段階がその段階においてポリマーの重量を基準にして0.5重量%以下の量の連鎖移動剤を用いて製造される多段階アクリル系ポリマーも意図される。
【0070】
アクリル系ポリマーが乳化重合によって製造される実施形態においては、固体アクリル系ポリマーは、その固体ポリマーをTPUとブレンドする前に水から分離されうる。固体アクリル系ポリマーの水からの分離は、例えば、噴霧乾燥、凝集、オーブン乾燥、凍結乾燥、フィルターベルト上での加圧、吸引、脱揮押出(devolatilizing extrusion)、流動床乾燥、他の乾燥方法およびこれらの組み合わせをはじめとする任意の方法によって達成されうる。
【0071】
ある実施形態においては、本発明のブレンドは顕微鏡的スケールで混合されているアクリル系ポリマーとTPUを含む。本明細書において使用される場合、「顕微鏡的スケールで混合されている」とは、アクリル系ポリマーとTPUが分子スケールで緊密に混合されているか、またはブレンド内にアクリル系ポリマーまたはTPUの別個の領域が存在し、そのような領域が2マイクロメートル以下の特徴寸法を有することを意味する。ある実施形態においては、アクリル系ポリマーの領域またはTPUの領域が存在し、かつ1マイクロメートル以下;または500ナノメートル以下;または200ナノメートル以下の特徴サイズを有する。
【0072】
ある実施形態においては、ペレットまたは粉体形態のTPUがペレットまたは粉体形態のアクリル系ポリマーと混合される。このような混合は任意の方法で行われうる。例えば、混合は25℃で手作業で、または25℃でまたは高温、例えば、50℃〜120℃で機械式ミキサーで行われうる。混合後、TPUおよびアクリル系ポリマーは溶融加工装置、例えば、押し出し機などにおいて一緒に溶融されうる。場合によっては、混合物についてポリマー溶融押出が行われて充分に混合されたブレンドを生じさせ;その押出物が、例えば、切断されてそのブレンドのペレットに形成されうる。
【0073】
ある実施形態においては、TPU対アクリル系ポリマー(重量比)は0.1以上:1、または0.2以上:1、または0.5以上:1、または1以上:1である。独立して、ある実施形態においては、TPU対アクリル系ポリマー(重量比)は10以下:1、または5以下:1、または3以下:1、または2以下:1である。
【0074】
本発明の膜は任意の方法によって製造される。ある実施形態においては、TPUとアクリル系ポリマーとの混合物が押し出され、その押出物が、例えば、膜吹込(film−blowing)方法によって、膜に成形される。
【0075】
本発明の膜の厚みは0.01mm以上;または0.02mm以上;または0.05mm以上である。独立して、本発明の膜の厚みは2mm以下;または1mm以下;または0.5mm以下;または0.2mm以下である。ある実施形態においては、本発明の膜の長さおよび幅は、互いに独立して、1cm以上;または10cm以上;または1メートル以上である。
【0076】
本発明の膜はTPUおよびアクリル系ポリマーに加えて、ある成分を含みうる。このような追加の成分には、例えば、加工助剤、UV安定剤、粘着防止剤、可塑剤、潤滑剤、耐衝撃性改良剤、他の追加の成分、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0077】
ある実施形態においては、可塑剤は使用されない。可塑剤はポリマーに添加されたときに、そのポリマーのガラス転移温度を低下させる化合物である。典型的な可塑剤はポリマーではない。いくつかの一般的な可塑剤は、エステルのアルコール基が4〜18の炭素原子の炭化水素基であるエステルである。いくつかの典型的なアルコール基はベンジル、ブチル、イソブチルおよび6〜18の炭素原子の分岐アルキル基である。いくつかの典型的な酸の群は2以上の酸基を有する酸であり、例えば、フタル酸、アジピン酸、トリメリット酸、セバシン酸およびアゼライン酸などである。典型的には、酸基の全部がエステル化されている。いくつかの一般的な可塑剤には、例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(フタル酸ジオクチルとも称される)、4〜18の炭素原子の分岐アルキル基を有する他のフタル酸ジアルキル、およびフタル酸ベンジルブチルがある。可塑剤のいくつかのさらなる例は、アルカン基が13〜15の炭素原子を有するアルカンスルホン酸のアリールエステルである。
【0078】
ある実施形態においては、耐衝撃性改良剤は使用されない。耐衝撃性改良剤は、10℃未満のTgの架橋ポリマーのコアを含み、30℃を超えるTgの熱可塑性ポリマーシェルを含む、直径50n〜1000nmのポリマー粒子である。ある実施形態においては、本発明の膜は1種以上のUV安定剤、1種以上の粘着防止剤またはこれらの混合物を含む。
【0079】
TPUの顕微鏡的層と接触しているアクリル系ポリマーの顕微鏡的層は本発明のブレンドを構成しないことが意図される。本明細書において使用される場合、顕微鏡的層は10マイクロメートル〜1cmの厚さであり、かつそれぞれ1cmより大きい長さおよび幅を有する層である。
【0080】
本発明の膜は、ある実施形態において、複数層構造体で使用されうる。ある実施形態においては、複数層構造体の少なくとも1層は本発明の膜である。複数層構造体中のそれぞれのさらなる層は、互いに独立して、本発明の膜であってもよいし、本発明の膜でなくてもよい。
【0081】
ある実施形態においては、複数層構造体の部分ではない本発明の膜が使用される。
【0082】
本発明の膜について意図される1つの用途は屋外構造体のための覆いとしてである。ある実施形態においては、屋外構造体の全部または一部が剛性の支持体を含み、その支持体間に大きな隙間を有する形状を作り出している。隙間は10cm〜10メートルのサイズの範囲であり得る。本発明の膜はそのような隙間にわたって容易に伸ばされて、その支持体に取り付けられるであろうことが意図される。よって、膜はその隙間を通して光を通過させるが、空気または水を大量に通過させないであろう。このような構造について意図される1つの用途は生長する植物のための温室である。
【0083】
本発明の膜について意図される用途の別の例はグラフィックアート膜の一部または全部である。グラフィックアート膜はその上に視像(visual image)が見える膜である。視像は英数字または絵または抽象的形状または他の形状、これらの任意の組み合わせでありうる。ある実施形態においては、視像は本発明の膜の面に、例えば印刷によって付けられる。
【0084】
本発明の膜がグラフィックアート膜の一部または全部として使用される実施形態においては、本発明の膜は複数層構造体の部分であってもよいし、または部分でなくてもよい。独立して、視像は、例えば視像に固定剤を噴霧することによって、または視像に透明な膜の面を接触させることによって保護されてもよいし、保護されなくてもよい。
【0085】
本発明の膜がグラフィックアート膜の一部または全部として使用される実施形態においては、グラフィックアート膜は引き伸ばし可能(すなわち、崩壊することなく10%以上の引張り伸びが可能である)であり得る。他の実施形態においては、グラフィックアート膜は引き伸ばし可能でなくてもよい。
【0086】
本発明の膜がグラフィックアート膜の一部または全部として使用されるある実施形態においては、グラフィックアート膜は、空気と接触する両面の大部分の領域を残す方法に使用される。例えば、このようなグラフィックアート膜の使用はバナーとしてである。このようなバナーのいくつかはエッジ付近に取り付けることにより支持されることができ、よってバナーは、過度の引き伸ばしもしくは垂れ下がり、または崩壊することなくそれ自身の重量を支えることができるであろう。
【0087】
本発明の膜がグラフィックアート膜の一部または全部として使用されるある実施形態においては、本発明の膜の1つの面は感圧接着剤の層と接触している。このような実施形態のいくつかにおいては、グラフィックアート膜は、支持体と接触している感圧接着剤の層に押しつけることによって、そのグラフィックアート膜を剛性の支持体に取り付けることにより使用される。このような実施形態のいくつかにおいては、剛性の支持体は平坦である。このような実施形態のいくつかに置いては、剛性の支持体の全部または一部は曲がっている。支持体が曲がっている場合には、グラフィックアート膜は剛性の基体の曲率に一致するように引き伸ばされることができるように充分に引き伸ばし可能であることが意図される。好適な剛性の支持体には、例えば、被覆されたまたは未被覆の金属、被覆されたまたは未被覆の木材、剛性プラスチック、ガラス、塗装されたまたは未塗装の石膏または石膏ボード、他の剛性の支持体、およびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの好適な剛性の支持体には、例えば、乗り物、例えば、自動車、バスまたはトラックなどの1以上の外装表面がある。他の好適な支持体は、例えば、窓、床または壁である。
【0088】
本明細書および特許請求の範囲の目的のために、ここで示される範囲および比率の限界は組み合わせ可能であることが理解される。例えば、特定のパラメータについて60〜120、および80〜110の範囲が示される場合には、60〜110、および80〜120の範囲も意図されると理解される。さらに独立した例として、特定のパラメータが1、2および3の好適な最小値を有することを開示し、かつそのパラメータが9および10の好適な最大値を有することを開示する場合には、次の範囲の全てが意図される:1〜9、1〜10、2〜9、2〜10、3〜9、および3〜10。
本明細書および特許請求の範囲の目的のために、ここで開示されるそれぞれの操作は、他に示されない限りは、25℃で行われることが理解される。
【実施例】
【0089】
次の実施例においては、膜は次の試験方法により試験された:
膜を試験するのに使用された引裂伝播抵抗方法は、25.4cm/分(10インチ/分)のクロスヘッド分離速度での、ASTM方法D1922(エルメンドルフ引裂;Elmendorf Tear)(米国、ペンシルベニア州、ウェストコンショホッケンのASTMインターナショナル)であった。結果はグラムフォースで報告される。
ヘイズ(haze)および視感透過率は方法ASTM D1003(米国、ペンシルベニア州、ウェストコンショホッケンのASTMインターナショナル)によって試験された。ヘイズは全透過率に対する拡散透過率の割合であり、パーセンテージで表される。
応力白化試験は次のように行われる:薄い透明な膜ストリップが2つの手で伸ばされて、膜が応力下で白色に変化した場合には、それは表中で「−」と表示された。膜が応力下で白色にならなかった場合には、それは「+」と表示された。
クリープ抵抗測定:10mm幅で140mm長さの膜サンプルが一方の端でつるされる。4MPaの応力を作り出す重量が底部に適用される。そのサンプルは、次いで、室温(25℃)で100時間おかれる。クリープの量が次のように定義される:
A=100×(L−L0)/L0
式中、L=100時間後の長さ、L0=開始時の長さである。
30以下のAを有するサンプルは「合格」と見なされるが、30を超えるAを有するサンプルは不合格と見なされる。
【0090】
次の実施例において、丸括弧内の数は重量部である。水は脱イオン水であり、次の略語が使用される:
pbw=重量部
DDBS=23.40%水性ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
MMA=メタクリル酸メチル
HEMA=メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
HPMA=メタクリル酸ヒドロキシプロピル
EA=アクリル酸エチル
aMS=α−メチルスチレン
ALMA=メタクリル酸アリル
SFS=ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム
SPS=過硫酸ナトリウム
nDDT=n−ドデカンチオール
1−SA=単一段階アクリル系ポリマー
2−SA=2段階アクリル系ポリマー
St.Wh.=応力白化
LT=視感透過率
H=ヘイズ
【0091】
実施例1:アクリル系ポリマー
【表1】

【0092】
スターラーおよび凝縮器を備え、窒素で覆われた反応器に混合物Aを入れた。88℃に加熱され撹拌された反応器に混合物Bの25%、混合物Cの全部および混合物Dの50%を入れた。発熱重合が起こり、反応器がピーク温度に到達した後、加熱および撹拌が5分間続けられた。反応器温度を81〜82℃に調節した後、残りの混合物Bが105分で徐々に反応器に添加され、同時に残りの混合物Cが135分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は81℃〜82℃で60分間保持された。エマルションの粒子サイズは、ブルックハーベンインストルメンツ(Brookhaven Instruments)粒子サイズ分析器BI−90によって測定して66nmであった。反応器温度を81〜82℃に安定化した後、次いで、混合物EおよびFが60分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は85〜86℃に上げられた。混合物Gが30分で反応器に徐々に添加された後、反応器の温度は80〜81℃に下げられた。撹拌および80〜81℃での加熱がさらに30分間続けられた後、反応器を周囲温度に冷却した。得られたエマルションの粒子サイズはブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して74nmであった。
【0093】
実施例2:アクリル系ポリマー
【表2】

【0094】
スターラーおよび凝縮器を備え、窒素で覆われた反応器に混合物Aを入れた。81℃に加熱され撹拌された反応器に混合物Bの15%、混合物Cの30%および混合物Dの全てを入れた。発熱重合が起こり、反応器がピーク温度に到達した後、加熱および撹拌が5分間続けられた。反応器温度を81〜82℃に調節した後、残りの混合物Bが120分で徐々に反応器に添加され、同時に残りの混合物Cが150分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は81℃〜82℃で60分間保持され、その後反応器を周囲温度に冷却した。得られたエマルションの粒子サイズは、ブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して77nmであった。
【0095】
実施例3:アクリル系ポリマー
【表3】

【0096】
スターラーおよび凝縮器を備え、窒素で覆われた反応器に混合物Aを入れた。81℃に加熱され撹拌された反応器に混合物Bの15%、混合物Cの30%および混合物Dの全てを入れた。発熱重合が起こり、反応器がピーク温度に到達した後、加熱および撹拌が5分間続けられた。反応器温度を81〜82℃に調節した後、残りの混合物Bが120分で徐々に反応器に添加され、同時に残りの混合物Cが150分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は81℃〜82℃で60分間保持され、その後反応器を周囲温度に冷却した。得られたエマルションの粒子サイズは、ブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して75nmであった。
【0097】
実施例4:アクリル系ポリマー
【表4】

【0098】
スターラーおよび凝縮器を備え、窒素で覆われた反応器に混合物Aを入れた。82℃に加熱され撹拌された反応器に混合物Bの25%、混合物Cの全部および混合物Dの50%を入れた。発熱重合が起こり、反応器がピーク温度に到達した後、加熱および撹拌が5分間続けられた。反応器温度を81〜82℃に調節した後、残りの混合物Bが105分で徐々に反応器に添加され、同時に残りの混合物Cが135分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は81℃〜82℃で60分間保持された。エマルションの粒子サイズは、ブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して60nmであった。反応器温度を81〜82℃に安定化した後、次いで、混合物EおよびFが60分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は85〜86℃に上げられた。混合物Gが30分で反応器に徐々に添加された後、反応器の温度は80〜81℃に下げられた。撹拌および80〜81℃での加熱がさらに30分間続けられた後、反応器を周囲温度に冷却した。得られたエマルションの粒子サイズはブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して69nmであった。
【0099】
実施例5:アクリル系ポリマー
【表5】

【0100】
スターラーおよび凝縮器を備え、窒素で覆われた反応器に混合物Aを入れた。82℃に加熱され撹拌された反応器に混合物Bの25%、混合物Cの全部および混合物Dの50%を入れた。発熱重合が起こり、反応器がピーク温度に到達した後、加熱および撹拌が5分間続けられた。反応器温度を81〜82℃に調節した後、残りの混合物Bが105分で徐々に反応器に添加され、同時に残りの混合物Cが135分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は81℃〜82℃で60分間保持された。エマルションの粒子サイズは、ブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して63nmであった。反応器温度を81〜82℃に安定化した後、次いで、混合物EおよびFが60分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は85〜86℃に上げられた。混合物Gが30分で反応器に徐々に添加された後、反応器の温度は80〜81℃に下げられた。撹拌および80〜81℃での加熱がさらに30分間続けられた後、反応器を周囲温度に冷却した。得られたエマルションの粒子サイズはブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して73nmであった。
【0101】
実施例6:アクリル系ポリマー
【表6】

【0102】
スターラーおよび凝縮器を備え、窒素で覆われた反応器に混合物Aを入れた。82℃に加熱され撹拌された反応器に混合物Bの25%、混合物Cの全部および混合物Dの50%を入れた。発熱重合が起こり、反応器がピーク温度に到達した後、加熱および撹拌が5分間続けられた。反応器温度を81〜82℃に調節した後、残りの混合物Bが105分で徐々に反応器に添加され、同時に残りの混合物Cが135分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は81℃〜82℃で60分間保持された。エマルションの粒子サイズは、ブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して60nmであった。反応器温度を81〜82℃に安定化した後、次いで、混合物EおよびFが60分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は85〜86℃に上げられた。混合物Gが30分で反応器に徐々に添加された後、反応器の温度は80〜81℃にさげられた。撹拌および80〜81℃での加熱がさらに30分間続けられた後、反応器を周囲温度に冷却した。得られたエマルションの粒子サイズはブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して68nmであった。
【0103】
実施例7:アクリル系ポリマー
【表7】

【0104】
スターラーおよび凝縮器を備え、窒素で覆われた反応器に混合物Aを入れた。82℃に加熱され撹拌された反応器に混合物Bの25%、混合物Cの全部および混合物Dの50%を入れた。発熱重合が起こり、反応器がピーク温度に到達した後、加熱および撹拌が5分間続けられた。反応器温度を81〜82℃に調節した後、残りの混合物Bが105分で徐々に反応器に添加され、同時に残りの混合物Cが135分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は81℃〜82℃で60分間保持された。エマルションの粒子サイズは、ブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して60nmであった。反応器温度を81〜82℃に安定化した後、次いで、混合物EおよびFが60分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は85〜86℃に上げられた。混合物Gが30分で反応器に徐々に添加された後、反応器の温度は80〜81℃に下げられた。撹拌および80〜81℃での加熱がさらに30分間続けられた後、反応器を周囲温度に冷却した。得られたエマルションの粒子サイズはブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して68nmであった。
【0105】
実施例8:アクリル系ポリマー
【表8】

【0106】
スターラーおよび凝縮器を備え、窒素で覆われた反応器に混合物Aを入れた。82℃に加熱され撹拌された反応器に混合物Bの25%、混合物Cの全部および混合物Dの50%を入れた。発熱重合が起こり、反応器がピーク温度に到達した後、加熱および撹拌が5分間続けられた。反応器温度を81〜82℃に調節した後、残りの混合物Bが105分で徐々に反応器に添加され、同時に残りの混合物Cが135分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は81℃〜82℃で60分間保持された。エマルションの粒子サイズは、ブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して60nmであった。反応器温度を81〜82℃に安定化した後、次いで、混合物EおよびFが60分で反応器に徐々に添加された。添加が完了した後、反応器は85〜86℃に上げられた。混合物Gが30分で反応器に徐々に添加された後、反応器の温度は80〜81℃に下げられた。撹拌および80〜81℃での加熱がさらに30分間続けられた後、反応器を周囲温度に冷却した。得られたエマルションの粒子サイズはブルックハーベンインストルメンツ粒子サイズ分析器BI−90によって測定して66nmであった。
【0107】
実施例9−12:ブレンドの試験
上記エマルションのそれぞれがラボスプレー乾燥機(NIRO Inc.、Soeborg、デンマーク)を用いて噴霧乾燥され、30mm二軸スクリュー押し出し機および4mmの2−ストランドダイ(Werner & Phleiderer、ニュージャージー州、ラムゼー)を用いて、粉体が脂肪族TPU、Krystalgran(商標)PN03−217(米国、ミシガン州、ハンツマン)と共にペレットにされた。ペレット化の条件は以下の通りであった:温度は190℃であり、供給速度は4.5−6.8kg/時(10−15 lbs/時)であり、RPMは150であった。
【0108】
【表9】

【0109】
実施例9−12の4つ全ては良好な視感透過率および応力白化耐性を示した。実施例11および12は良好なクリープ抵抗をさらに示した。
【0110】
実施例13−16:ブレンドの試験
KrystalgranPN03−217(米国、ミシガン州、ハンツマン)が上記アクリル系ポリマー粉体とブレンドされ、30mm二軸スクリュー押し出し機および4mmの2−ストランドダイ(Werner Phleiderer、ラムゼー)を用いてペレットにされた。TPU対アクリル系(重量比)は70:30〜10:90であった。ペレットは2.25mmダイ(Killion、24:1 D/L、ニュージャージー州)を用いた単一層吹き込み膜ラインであって、単層膜を生じさせた。
【0111】
【表10】

【0112】
実施例13−16は全て良好な視感透過率を示した。実施例16はヘイズの良好な欠失も示した。実施例15は特に良好な引裂抵抗も示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上の熱可塑性ポリウレタン、および重合単位として1種以上の水素結合可能なモノマーを含む1種以上のアクリル系ポリマーを含むポリマー膜。
【請求項2】
アクリル系ポリマーがジエンモノマーの重合単位を含まない、請求項1に記載のポリマー膜。
【請求項3】
アクリル系ポリマーがニトリル基を含むモノマーの重合単位を含まない、請求項1に記載のポリマー膜。
【請求項4】
アクリル系ポリマーが酸官能性モノマーの重合単位を含まない、請求項1に記載のポリマー膜。
【請求項5】
熱可塑性ポリウレタンが脂肪族である、請求項1に記載のポリマー膜。
【請求項6】
請求項1の膜の1以上を含み、当該膜が剛性の支持体間の隙間を覆う構造体。
【請求項7】
構造体が温室である請求項6に記載の構造体。
【請求項8】
請求項1の組成の1以上の層および感圧接着剤の1以上の層を含む複数層構造体。

【公開番号】特開2010−65220(P2010−65220A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−190975(P2009−190975)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】