説明

エアガン用極細フレキシブルノズル

【課題】 ノズルパイプの抜け外れを防止し、圧縮空気の漏れを防ぐことが可能なエアガン用極細フレキシブルノズルの提供。
【解決手段】 エアガン用極細フレキシブルノズル1は、管継手3とノズルパイプ4とOリング5とスペーサ6と袋ナット7とを備える。袋ナット7の内周に形成しためねじ部71を管継手3のパイプ取付け部33の外周に形成したおねじ部35に螺合して締め付けることにより、スペーサ6がOリング5を介してノズルパイプ4の基端に形成したフレアー部43を管継手3のパイプ取付け部33の先端に向って押し付ける。ノズルパイプ4のフレアー部43を管継手3のパイプ取付け部33の端面に密着させ、管継手3のパイプ取付け部33の端面とノズルパイプ4のフレアー部43との間からの圧縮空気の漏れを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアガン用極細フレキシブルノズルに関し、特に、被清掃対象物に付着した塵埃を除去清掃するために圧縮空気を噴出するエアガンに取付けられるエアガン用極細フレキシブルノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被清掃対象物に付着した塵埃の清掃は、圧縮空気を噴出するエアガンを使用し、エアガンにエアガン用極細フレキシブルノズルを取付け、エアガン用極細フレキシブルノズルの先端から噴射される圧縮空気により被清掃対象物に付着した塵埃を吹き飛ばして除去清掃を行っている。
【0003】
図9は、従来のエアガン用極細フレキシブルノズルの構成を示す正断面図である。
従来のエアガン用極細フレキシブルノズル101は、図9に示すように、エアガン102に接続される中空体からなるエアガン接続部材である管継手103と、管継手103のパイプ取付け部133の先端に同一中心軸線C1上に沿って延出するように配置された可撓性を有する長尺な圧縮空気噴射用のノズルパイプ104と、ノズルパイプ104の基端寄りの外側に配置されたパイプ止め部材である緩い締りばめの円筒形のスペーサ106と、スペーサ106を押えるためにノズルパイプ104に嵌挿して配置され、管継手103のパイプ取付け部133に螺着された締め付け部材である袋ナット107とを備えている。
【0004】
そして、従来のエアガン用極細フレキシブルノズル101は、ノズルパイプ104の先端に圧縮空気を噴射するための開口する圧縮空気噴射口142を形成し、管継手103のパイプ取付け部133の外周におねじ部135を形成し、管継手103のパイプ取付け部133の先端側の外周に圧縮空気の漏れを防止するためのOリング108を嵌合する小径部133aを形成し、管継手103のパイプ取付け部133の端壁137に中心軸線C1上に臨んでエアガン102の噴出する圧縮空気を絞って一次圧縮するためのノズル孔138を設け、管継手103のパイプ取付け部133の端面にノズルパイプ104の開口する基端部を嵌め込むための円形凹溝139を形成し、スペーサ106のスペーサ本体160にノズルパイプ104を嵌合する貫通孔161を設け、スペーサ106のスペーサ本体160の貫通孔161の開口する他端側の内周に圧縮空気の漏れを防止するためのOリング109を嵌合する大径部162を形成し、スペーサ106のスペーサ本体160の貫通孔161と大径部162の内端との間に一端側から他端側に向って徐々に拡径するテーパ部163を形成し、袋ナット107の内周に管継手103のパイプ取付け部133のおねじ部135に螺合するめねじ部171を形成し、袋ナット107の端壁172に管継手103の中心軸線C1上に臨んでノズルパイプ104を挿通するための貫通したパイプ挿通孔173を設けている。
【0005】
従来のエアガン用極細フレキシブルノズル101の組立ては、まず、管継手103のパイプ取付け部133の先端側の外周に形成した小径部133aにOリング108を嵌め込み、次いで、スペーサ106のスペーサ本体160の貫通孔161の開口する他端側の内周に形成した大径部162にOリング109を嵌め込んだ後、スペーサ106のスペーサ本体160の貫通孔161にノズルパイプ104を挿通し、ノズルパイプ104の基端寄りの外側にスペーサ106を嵌め込む。
【0006】
次いで、ノズルパイプ104を袋ナット107の端壁172のパイプ挿通孔173に開口する一端側より閉塞する他端側に向って挿通し、ノズルパイプ104の基端寄りの外側に嵌め込んだスペーサ106の開口する他端を袋ナット107の端壁172の内面に当接させる。
【0007】
次いで、ノズルパイプ104の基端部を管継手103のパイプ取付け部133の端面に形成した円形凹溝139に嵌め入れた後、袋ナット107のめねじ部171を管継手103のパイプ取付け部133のおねじ部135に螺合して締め付けることにより、袋ナット107の端壁172がOリング109を押圧して弾性変形させ、Oリング109がノズルパイプ104の外周面に圧接し、ノズルパイプ104を緩い締りばめのスペーサ106とOリング109により保持し、ノズルパイプ104がスペーサ106,袋ナット107,Oリング109を介して管継手103の先端に固定され、図9に示すように、エアガン用極細フレキシブルノズル101が組立てられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、図9に示した従来のエアガン用極細フレキシブルノズル101では、ノズルパイプ104を緩い締りばめのスペーサ106と外周面に圧接するOリング109により保持しているのみのため、Oリング108やOリング109が経年変化により劣化すると、Oリング109のノズルパイプ104の外周面への圧接が弱くなり、ノズルパイプ104が袋ナット107の端壁172のパイプ挿通孔173より抜け外れてしまうことがあり、また、圧縮空気が管継手103のパイプ取付け部133の端面とスペーサ106のスペーサ本体160の一端との間,袋ナット107の端壁172とスペーサ106のスペーサ本体160の他端との間,ノズルパイプ104の外周面とスペーサ106のスペーサ本体160の貫通孔161との間などから外部に漏れるおそれがあり、しかも、管継手103にOリング108を嵌め込むための小径部133aやノズルパイプ104の基端部を嵌め込むための円形凹溝139を形成したり、スペーサ106にOリング109を嵌め込むための大径部162やテーパ部163を形成したりする必要があるので、管継手103やスペーサ106の形状が複雑となり、管継手103やスペーサ106の製造が容易でなく、管継手103やスペーサ106の製造コストがかかり、部品点数が多く、ノズルパイプ104の管継手103に対する取付け作業も手数を要して面倒であった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、締め付け部材をエアガン接続部材のパイプ取付け部に締め付けて螺着するのみで、パイプ止め部材が弾性リング部材を介してノズルパイプのフレアー部をエアガン接続部材のパイプ取付け部の先端に向って押し付けるので、ノズルパイプのフレアー部をエアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に密着させることができ、パイプ止め部材がノズルパイプの締め付け部材の端壁のパイプ挿通孔からの抜け外れを確実に防止し、弾性リング部材が経年変化により劣化しても、エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面とノズルパイプのフレアー部との間からの圧縮空気の漏れを防ぐことができ、従来のようにエアガン接続部材及びパイプ止め部材の形状が複雑とならず、エアガン接続部材及びパイプ止め部材の製造を容易に行え、エアガン接続部材及びパイプ止め部材の製造コストの低減化を図れ、従来に比べて部品点数も少なくなり、ノズルパイプのエアガン接続部材に対する取付け作業も手数を要さずに簡単に行うことが可能なエアガン用極細フレキシブルノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のエアガン用極細フレキシブルノズルは、空気を圧縮した圧縮空気を噴出するエアガンに着脱自在に取付けられるエアガン用極細フレキシブルノズルであって、前記エアガンに接続される中空体からなるエアガン接続部材と、前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の先端に同一中心軸線上に沿って延出するように配置された可撓性を有する長尺な圧縮空気噴射用のノズルパイプと、前記ノズルパイプの基端部の外側に嵌合して配置された弾性リング部材と、前記ノズルパイプの基端寄りの外側に遊嵌して前記弾性リング部材に隣接するように配置され、前記ノズルパイプの基端部を前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に押し付けて止めるためのパイプ止め部材と、前記パイプ止め部材を押えるために前記ノズルパイプに嵌挿して配置され、前記エアガン接続部材のパイプ取付け部に螺着された締め付け部材とを備え、前記ノズルパイプの先端に前記圧縮空気を噴射するための開口する圧縮空気噴射口を形成し、前記ノズルパイプの基端に開口を拡開した前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に当接するフレアー部を形成し、前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の外周におねじ部を形成し、前記エアガン接続部材の端壁に中心軸線上に臨んで前記エアガンの噴出する圧縮空気を絞って一次圧縮するためのノズル孔を設け、前記締め付け部材の内周に前記エアガン接続部材のパイプ取付け部のおねじ部に螺合するめねじ部を形成し、前記締め付け部材の端壁に前記エアガン接続部材の中心軸線上に臨んで前記ノズルパイプを挿通するためのパイプ挿通孔を設け、前記締め付け部材のめねじ部を前記エアガン接続部材のパイプ取付け部のおねじ部に螺合して締め付けることにより、前記パイプ止め部材が前記弾性リング部材を介して前記ノズルパイプのフレアー部を前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の先端に向って押し付け、前記ノズルパイプのフレアー部を前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に密着させたことを特徴とする構成を有するものである。
【0011】
上記に記載の本発明によれば、弾性リング部材をノズルパイプの基端部の外側にフレアー部に当接するように嵌合すると共に、パイプ止め部材をノズルパイプの基端寄りの外側に弾性リング部材に隣接するように遊嵌し、ノズルパイプを締め付け部材の端壁のパイプ挿通孔に開口する一端側より閉塞する他端側に向って挿通した後、締め付け部材のめねじ部をエアガン接続部材のパイプ取付け部のおねじ部に螺合して締め付けることにより、締め付け部材の端壁がパイプ止め部材を弾性リング部材に向って押圧するので、弾性リング部材をノズルパイプのフレアー部に均一に密接するように弾性変形させることができ、パイプ止め部材が弾性リング部材を介してノズルパイプのフレアー部をエアガン接続部材のパイプ取付け部の先端に向って押し付けるので、ノズルパイプのフレアー部をエアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に密着させることができ、ノズルパイプのフレアー部とパイプ止め部材との間に弾性リング部材が介在されているので、ノズルパイプのフレアー部とパイプ止め部材とが互いに接触せず、ノズルパイプのフレアー部及びパイプ止め部材の破損を防止でき、締め付け部材がエアガン接続部材のパイプ取付け部に対して緩むこともなく、ノズルパイプの締め付け部材の端壁のパイプ挿通孔からの抜け外れをパイプ止め部材により確実に防止することができ、ノズルパイプを弾性リング部材,パイプ止め部材,締め付け部材によりエアガン接続部材のパイプ取付け部の先端に固定することができ、弾性リング部材が経年変化により劣化しても、エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面とノズルパイプのフレアー部との間からの圧縮空気の漏れを防ぐことができる。
【0012】
本発明のエアガン用極細フレキシブルノズルは、上記ノズルパイプの材質が、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂である。
【0013】
上記に記載の本発明によれば、ノズルパイプの材質がポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂であるので、ノズルパイプが耐衝撃性に優れ、ノズルパイプの製造コストが安価で、ノズルパイプを再資源としてリサイクルすることもできる。
【0014】
本発明のエアガン用極細フレキシブルノズルは、上記弾性リング部材が、Oリングである。
【0015】
上記に記載の本発明によれば、弾性リング部材がOリングであるので、弾性リング部材として市販の安価なOリングを用いることができ、弾性リング部材のコストを低減できる。
【発明の効果】
【0016】
以上に述べたように、本発明によれば、締め付け部材をエアガン接続部材のパイプ取付け部に締め付けて螺着するのみで、パイプ止め部材が弾性リング部材を介してノズルパイプのフレアー部をエアガン接続部材のパイプ取付け部の先端に向って押し付けるので、ノズルパイプのフレアー部をエアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に密着させることができ、パイプ止め部材がノズルパイプの締め付け部材の端壁のパイプ挿通孔からの抜け外れを確実に防止し、弾性リング部材が経年変化により劣化しても、エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面とノズルパイプのフレアー部との間からの圧縮空気の漏れを防ぐことができ、従来のようにエアガン接続部材及びパイプ止め部材の形状が複雑とならず、エアガン接続部材及びパイプ止め部材の製造を容易に行え、エアガン接続部材及びパイプ止め部材の製造コストの低減化を図れ、従来に比べて部品点数も少なくなり、ノズルパイプのエアガン接続部材に対する取付け作業も手数を要さずに簡単に行うことが可能なエアガン用極細フレキシブルノズルを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
本発明のエアガン用極細フレキシブルノズル1は、空気を圧縮した圧縮空気を噴出するエアガン2に着脱自在に取付けられるエアガン用の極細なフレキシブルノズルである。
【0019】
本発明のエアガン用極細フレキシブルノズル1は、エアガン2に接続される中空体からなるエアガン接続部材である管継手3と、管継手3のパイプ取付け部33の先端に同一中心軸線C上に沿って延出するように配置された可撓性を有する長尺な圧縮空気噴射用のノズルパイプ4と、ノズルパイプ4の基端部の外側に嵌合して配置された弾性リング部材であるOリング5と、ノズルパイプ4の基端寄りの外側に遊嵌してOリング5に隣接するように配置され、ノズルパイプ4の基端部を管継手3のパイプ取付け部33の端面に押し付けて止めるためのパイプ止め部材である円筒形のスペーサ6と、スペーサ6を押えるためにノズルパイプ4に嵌挿して配置され、管継手3のパイプ取付け部33に螺着された締め付け部材である袋ナット7とを備え、ノズルパイプ4の先端に圧縮空気を噴射するための開口する圧縮空気噴射口42を形成し、ノズルパイプ4の基端に開口を拡開した管継手3のパイプ取付け部33の端面に当接するフレアー部43を形成し、管継手3のパイプ取付け部33の外周におねじ部35を形成し、管継手3の端壁37に中心軸線C上に臨んでエアガン2の噴出する圧縮空気を絞って一次圧縮するためのノズル孔38を設け、袋ナット7の内周に管継手3のパイプ取付け部33のおねじ部35に螺合するめねじ部71を形成し、袋ナット7の端壁72に管継手3の中心軸線C上に臨んでノズルパイプ4を挿通するためのパイプ挿通孔73を設け、袋ナット7のめねじ部71を管継手3のパイプ取付け部33のおねじ部35に螺合して締め付けることにより、スペーサ6がOリング5を介してノズルパイプ4のフレアー部43を管継手3のパイプ取付け部33の先端に向って押し付け、ノズルパイプ4のフレアー部43を管継手3のパイプ取付け部33の端面に密着させている。
【0020】
本発明のエアガン用極細フレキシブルノズル1は、ノズルパイプ4の材質が、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂である。
【0021】
本発明のエアガン用極細フレキシブルノズル1は、弾性リング部材が、Oリングである。
【0022】
図1は、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの構成を示す正断面図、図2は、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルのエアガン接続部材を示す正断面図、図3は、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルのノズルパイプを示す正断面図、図4は、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルのパイプ止め部材を示す正断面図、図5は、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの締め付け部材を示す正断面図、図6は、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの組立て途中の状態を示す正断面図、図7は、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの組立て完了前の状態を示す正断面図、図8は、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルのエアガンへの取付け状態を示す正断面図である。
エアガン用極細フレキシブルノズル1は、図1に示すように、圧縮空気噴射用の可撓性を有する長尺なノズルパイプ4と、ノズルパイプ4を図8に示すエアガン2に接続するための管継手3と、ノズルパイプ4の基端部の外側に嵌合されたOリング5と、ノズルパイプ4の基端寄りの外側にOリング5に隣接して遊嵌されたスペーサ6と、スペーサ6を押えるための袋ナット7とから構成されている。
【0023】
管継手3は、図1に示すように、中空体からなる継手本体30を有し、継手本体30の内部には、図2に示すように、エアガン2の噴出する圧縮空気を流通するための圧縮空気通路31が形成されている。
【0024】
管継手3の継手本体30の基端側には中心軸線C上に沿ってエアガン2に接続するための大径筒形のエアガン接続部32が形成され、継手本体30の先端側には中心軸線C上に沿って小径筒形のパイプ取付け部33が形成され、継手本体30のエアガン接続部32の外周にはエアガン2に設けたねじ穴20に螺合するおねじ部34が形成され、継手本体30のパイプ取付け部33の外周にはおねじ部35が形成されている。
【0025】
管継手3の継手本体30のエアガン接続部32とパイプ取付け部33との間の外周には外方に向って膨出した締め付け用の六角部36が形成され、継手本体30のパイプ取付け部33の端壁37の中央には中心軸線C上に臨んでエアガン2の噴出する圧縮空気を絞って一次圧縮するための貫通したノズル孔38が設けられている。
【0026】
管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33と六角部36との間には、図2に示すように、大径の段差部39が形成され、継手本体30のパイプ取付け部33のおねじ部35の付け根には完ねじとするための逃げ溝310が形成されている。
【0027】
なお、管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33のおねじ部35の付け根に逃げ溝310を形成せずに、袋ナット7側に逃げ部を形成することも可能である。
【0028】
ノズルパイプ4は、図1に示すように、円筒状のノズルパイプ本体40を有し、ノズルパイプ本体40の内部には、図3に示すように、一次圧縮された圧縮空気を流通するための圧縮空気通路41が形成され、ノズルパイプ本体40の先端には一次圧縮された圧縮空気を噴射するための一側方に向って開口する端面円形の圧縮空気噴射口42が形成され、ノズルパイプ本体40の基端には開口を拡開したフレアー部43が形成されている。
【0029】
ノズルパイプ4は、全長Lが140mm、外径Dが2mm、内径dが0.8mmとなっている。
【0030】
ノズルパイプ4は、ノズルパイプ本体40の基端に熱成形加工することによりフレアー部43が形成されている。
【0031】
スペーサ6は、図1に示すように、円筒形のスペーサ本体60を有し、スペーサ6のスペーサ本体60には、図4に示すように、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40を嵌合する貫通孔61が設けられている。
【0032】
袋ナット7は、図1に示すように、中空体からなる六角形のナット本体70を有し、ナット本体70の開口する一端側の内周には、図5に示すように、管継手3のパイプ取付け部33のおねじ部35に螺合するめねじ部71が形成され、ナット本体70の他端部を閉塞する端壁72には中心軸線C上に臨んでノズルパイプ4を挿通するためのパイプ挿通孔73が貫通して設けられている。
【0033】
袋ナット7は、止まり位置が他部品により規定されていない場合、ノズルパイプ4やOリング5のような軟質材料部品が押し潰されるまでねじ込められてしまう。
これを避けるため、管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33と六角部36との間に段差部39を形成し、管継手3の継手本体30のおねじ部35の付け根に逃げ溝310を形成して、袋ナット7のナット本体70のめねじ部71側端面と管継手3の継手本体30の段差部39の端面とが突き当たった位置で袋ナット7が止まる構造とする。
【0034】
袋ナット7のナット本体70のめねじ部71側端面と管継手3の継手本体30の段差部39の端面とが突き当たった位置で袋ナット7が止まることにより、ノズルパイプ4及びOリング5に対して適切な変形量を設定することができるので、管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の端壁37の外側の端面とノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43との間からの圧縮空気の漏れを長期にわたって防ぐことが可能となる。
【0035】
次に、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの組立て方法について説明する。
エアガン用極細フレキシブルノズル1の組立ては、まず、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の先端部をOリング5に嵌め入れた後、Oリング5をノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の長手方向に沿って先端から基端に向ってフレアー部43に当接する位置まで移動させ、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の基端部の外側にOリング5を嵌め込む。
【0036】
次いで、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の先端部をスペーサ6のスペーサ本体60の貫通孔61の開口する一端60a側から嵌め入れた後、スペーサ6をノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の長手方向に沿って先端から基端に向ってOリング5に当接する位置まで移動させ、図6に示すように、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の基端寄りの外側にスペーサ6をOリング5に隣接して嵌め込む。
【0037】
次いで、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の先端部を袋ナット7のナット本体70の端壁72のパイプ挿通孔73に開口する一端側より閉塞する他端側に向って挿通し、袋ナット7のナット本体70の端壁72のパイプ挿通孔73より突出するノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の先端部を指で掴んで引っ張りながら外方に向って移動させ、図7に示すように、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の基端寄りの外側に嵌め込んだスペーサ6のスペーサ本体60の貫通孔61の開口する他端60bを袋ナット7のナット本体70の端壁72の内面に当接させる。
【0038】
その後、袋ナット7のナット本体70のめねじ部71を管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33のおねじ部35に螺合させ、袋ナット7のナット本体70のめねじ部71側端面と管継手3の継手本体30の段差部39の端面とが当接するまで、袋ナット7のナット本体70を管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33に対して締め付け方向に回動することにより、袋ナット7のナット本体70の端壁72がスペーサ6をOリング5に向って押圧し、スペーサ6がOリング5を介してノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の基端に形成したフレアー部43を管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の先端に向って押し付け、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43が管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の端壁37の外側の端面に密着し、ノズルパイプ4がOリング5,スペーサ6,袋ナット7により管継手3の先端に固定され、図1に示すように、エアガン用極細フレキシブルノズル1が組立てられる。
【0039】
次に、本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの使用方法について説明する。
被清掃対象物に付着した塵埃をエアガン用極細フレキシブルノズル1により除去清掃する場合は、まず始めに、エアガン用極細フレキシブルノズル1の管継手3のエアガン接続部32のおねじ部34をエアガン2のねじ穴20に螺合させた後、管継手3を継手本体30に形成した六角部36を利用して締め付け方向に回動させることにより、管継手3の継手本体30の六角部36がエアガン2の端面に当接し、図8に示すように、エアガン用極細フレキシブルノズル1をエアガン2に取付ける。
【0040】
次いで、清掃作業員がエアガン2の操作レバー(図示せず)を指で引くと、エアガン2が圧縮空気を噴出し、エアガン2の噴出する圧縮空気は管継手3の継手本体30の内部の圧縮空気通路31を基端から先端に向って流れ、管継手3のパイプ取付け部33の端壁37のノズル孔38がエアガン2の噴出する圧縮空気を絞って一次圧縮した圧縮空気とし、管継手3のパイプ取付け部33の端壁37のノズル孔38からノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の内部に向って一次圧縮した圧縮空気を噴射する。
【0041】
その後、管継手3のパイプ取付け部33の端壁37のノズル孔38からノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の内部に向って噴射された圧縮空気は、ノズルパイプのノズルパイプ本体40の内部の圧縮空気通路41を基端から先端に向って流れ、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の先端に形成した圧縮空気噴射口42から一次圧縮した圧縮空気を噴射する。
【0042】
清掃作業員は、エアガン2を手で掴み、エアガン用極細フレキシブルノズル1のノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の先端を清掃しようとする被清掃対象物の清掃箇所に近付けることにより、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の先端の圧縮空気噴射口42から噴射する一次圧縮した圧縮空気を被清掃対象物の清掃箇所に吹き付け、被清掃対象物に付着した塵埃をノズルパイプ4のノズルパイプ本体40の先端の圧縮空気噴射口42から噴射する一次圧縮した圧縮空気により吹き飛ばして除去清掃を行う。
【0043】
本発明のエアガン用極細フレキシブルノズル1では、袋ナット7を管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33に締め付けて螺着することにより、袋ナット7のナット本体70の端壁72がスペーサ6をOリング5に向って押圧し、Oリング5をノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43に均一に密接するように弾性変形させ、スペーサ6がOリング5を介してノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43を管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の先端に向って押し付けるので、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43を管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の端壁37の外側の端面に密着させることができ、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43とスペーサ6との間にOリング5が介在されているので、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43とスペーサ6のスペーサ本体60の貫通孔61の開口する一端60aとが互いに接触せず、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43及びスペーサ6の破損を防止することができ、管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33に螺着した袋ナット7が緩むこともなく、ノズルパイプ4の袋ナット7のナット本体70の端壁72のパイプ挿通孔73からの抜け外れをスペーサ6により確実に防止することができる。
【0044】
また、ノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43が管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の端壁37の外側の端面に密着するので、管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の端壁37の外側の端面とノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43との間からの圧縮空気の漏れを防ぐことができる。
【0045】
なお、管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の端面とノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43との間にシール剤を塗布すれば、管継手3の継手本体30のパイプ取付け部33の端面とノズルパイプ4のノズルパイプ本体40のフレアー部43との間からの圧縮空気の漏れをより確実に防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの構成を示す断面図。
【図2】本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルのエアガン接続部材を示す断面図。
【図3】本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルのノズルパイプを示す断面図。
【図4】本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルのパイプ止め部材を示す断面図。
【図5】本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの締め付け部材を示す断面図。
【図6】本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの組立て途中の状態を示す断面図。
【図7】本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルの組立て完了前の状態を示す断面図。
【図8】本発明の実施例に係るエアガン用極細フレキシブルノズルのエアガンへの取付け状態を示す断面図。
【図9】従来のエアガン用極細フレキシブルノズルの構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0047】
1 エアガン用極細フレキシブルノズル
2 エアガン
3 管継手(エアガン接続部材)
4 ノズルパイプ
5 Oリング(弾性リング部材)
6 スペーサ(パイプ止め部材)
7 袋ナット(締め付け部材)
20 ねじ穴
30 継手本体
31 圧縮空気通路
32 エアガン接続部
33 パイプ取付け部
34 おねじ部
35 おねじ部
36 六角部
37 端壁
38 ノズル孔
39 段差部
40 ノズルパイプ本体
41 圧縮空気通路
42 圧縮空気噴射口
43 フレアー部
60 スペーサ本体
60a 一端
60b 他端
61 貫通孔
70 ナット本体
71 めねじ部
72 端壁
73 パイプ挿通孔
101 エアガン用極細フレキシブルノズル
102 エアガン
103 管継手
104 ノズルパイプ
106 スペーサ
107 袋ナット
108 Oリング
109 Oリング
133 パイプ取付け部
133a 小径部
135 おねじ部
137 端壁
138 ノズル孔
139 円形凹溝
142 圧縮空気噴射口
160 スペーサ本体
161 貫通孔
162 大径部
163 テーパ部
171 めねじ部
172 端壁
173 パイプ挿通孔
310 逃げ溝
C,C1 中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮した圧縮空気を噴出するエアガンに着脱自在に取付けられるエアガン用極細フレキシブルノズルであって、
前記エアガンに接続される中空体からなるエアガン接続部材と、前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の先端に同一中心軸線上に沿って延出するように配置された可撓性を有する長尺な圧縮空気噴射用のノズルパイプと、前記ノズルパイプの基端部の外側に嵌合して配置された弾性リング部材と、前記ノズルパイプの基端寄りの外側に遊嵌して前記弾性リング部材に隣接するように配置され、前記ノズルパイプの基端部を前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に押し付けて止めるためのパイプ止め部材と、前記パイプ止め部材を押えるために前記ノズルパイプに嵌挿して配置され、前記エアガン接続部材のパイプ取付け部に螺着された締め付け部材とを備え、前記ノズルパイプの先端に前記圧縮空気を噴射するための開口する圧縮空気噴射口を形成し、前記ノズルパイプの基端に開口を拡開した前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に当接するフレアー部を形成し、前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の外周におねじ部を形成し、前記エアガン接続部材の端壁に中心軸線上に臨んで前記エアガンの噴出する圧縮空気を絞って一次圧縮するためのノズル孔を設け、前記締め付け部材の内周に前記エアガン接続部材のパイプ取付け部のおねじ部に螺合するめねじ部を形成し、前記締め付け部材の端壁に前記エアガン接続部材の中心軸線上に臨んで前記ノズルパイプを挿通するためのパイプ挿通孔を設け、前記締め付け部材のめねじ部を前記エアガン接続部材のパイプ取付け部のおねじ部に螺合して締め付けることにより、前記パイプ止め部材が前記弾性リング部材を介して前記ノズルパイプのフレアー部を前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の先端に向って押し付け、前記ノズルパイプのフレアー部を前記エアガン接続部材のパイプ取付け部の端面に密着させたことを特徴とするエアガン用極細フレキシブルノズル。
【請求項2】
上記ノズルパイプの材質は、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂である請求項1に記載のエアガン用極細フレキシブルノズル。
【請求項3】
上記弾性リング部材は、Oリングである請求項1に記載のエアガン用極細フレキシブルノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−35168(P2006−35168A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222152(P2004−222152)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000233491)日立電子サービス株式会社 (394)
【Fターム(参考)】