説明

エアダンパ

【課題】シール部材の動作が安定しており、確実な緩衝力が得られるとともに、構造が簡単で、部品点数が少なく、容易に組み立てることができ、製造コストを低廉にできるエアダンパを提供すること。
【解決手段】一端を閉鎖し、他端を開放したシリンダ2と、このシリンダ2の内周面20aに摺接するシール部材10を取り付けたピストン3と、このピストン3から延設したピストンロッド4とからなり、シール部材10を、ピストンロッド4側から、シリンダ2の内周面20aとの間に隙間が形成されるようにシリンダ2の内径よりも小径に形成した円筒部11と、この円筒部11に連なり漸次拡径してシリンダ2の内周面20aに摺接するように形成した拡径部12と、円筒部11の内周側に形成した、ピストン3に形成した小径段部30に遊嵌する環状突部13とからなる可撓性を有する筒状部材で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアダンパに関し、例えば、事務机やシステムキッチン等の引き出しの緩衝装置に使用されるエアダンパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、事務机やシステムキッチン等に使用される緩衝装置として、引き出し本体及び引き出し収納部に配設した係合部材の相対移動を制動するロータリダンパを主要構成部品としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この緩衝装置に使用されるロータリダンパは、内部にオイルを充填したオイル式ロータリダンパが汎用されており、このため、長年の使用によってシール部材が劣化し、内部のオイルが漏れ出し、引き出し内の書類や貴重な装飾品を汚してしまうことがあるという問題があった。
【0004】
かかる問題に対処するため、作動流体として空気を使用するエアダンパを用いた引き出し用の緩衝装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ところで、この緩衝装置に使用されるエアダンパ50は、図6(a)に示すように、ピストン51に円筒状の第一シール部材52と末広がりとなったテーパ状の第二シール部材53とを取り付け、第一シール部材52の外部に複数のエア抜き52aを形成するとともに、第一シール部材52の嵌合部とピストン51の奥端部間に空気の流路51aを形成するようにされている。
【0006】
そして、このエアダンパ50は、ピストン51をシリンダ2の閉鎖側へ移動する際には、図6(b)に示すように、末広がりとなったテーパ状の第二シール部材53の最大径部分の摺接部53aが、より強くシリンダ2の内周面20aに接するとともに、第一シール部材52がシリンダ2の内周面20a側に膨らんで、さらに空気の流動を妨げつつ、第一シール部材52の外部に設けた複数のエア抜き52aから空気をシリンダ2の入口側に少しずつ流通させ、ピストン51に十分な抵抗力を与えることができる。
一方、ピストン51をシリンダ2の開放側へ移動する際には、図6(c)に示すように、第一シール部材52の外周を介して、シリンダ2の入口側の空気が流れ込み、さらに、その空気は、嵌合部とピストン51の奥端部間に形成した空気の流路51aからシリンダ2の閉鎖側の空間へ流れ込むことによって、小さい抵抗力で容易にピストン51を移動させることができる。
【0007】
しかしながら、上記構成のエアダンパ50は、特に、第一シール部材52の動作が不安定になりやすく、確実な緩衝力が得にくいという問題があるとともに、部品点数が多く、組み立てに時間を要するとともに、ピストン51に空気の流路51aを形成する必要があり、製造コストが高くつくという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−204790号公報
【特許文献2】特開2008−32206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来のエアダンパの有する問題点に鑑み、シール部材の動作が安定しており、確実な緩衝力が得られるとともに、構造が簡単で、部品点数が少なく、容易に組み立てることができ、製造コストを低廉にできるエアダンパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のエアダンパは、一端を閉鎖し、他端を開放したシリンダと、該シリンダの内周面に摺接するシール部材を取り付けたピストンと、該ピストンから延設したピストンロッドとからなるエアダンパにおいて、シール部材を、ピストンロッド側から、シリンダの内周面との間に隙間が形成されるようにシリンダの内径よりも小径に形成した円筒部と、該円筒部に連なり漸次拡径してシリンダの内周面に摺接するように形成した拡径部と、前記円筒部の内周側に形成した、ピストンに形成した小径段部に遊嵌する環状突部とからなる可撓性を有する筒状部材で構成し、収縮させる際に、シール部材の拡径部がシリンダの内周面に摺接することにより、シール部材の内周側が空気の流通経路になるように、伸長させる際に、シール部材の拡径部が撓んで、シール部材の外周側が空気の流通経路になるようにしたことを特徴とする。
【0011】
この場合において、前記シール部材の環状突部の内径を、ピストンの小径段部の外周面との間に隙間が形成されるようにピストンの小径段部の外径よりも小径に形成するとともに、環状突部の軸方向の長さを、小径段部の軸方向の長さよりも短く形成することができる。
【0012】
また、前記シール部材の円筒部の外周面に、軸方向に延びる複数本の溝を形成することができる。
【0013】
また、前記ピストンロッドの外周面に、シリンダの内周面に摺接する軸方向に延びる複数本のリブを形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のエアダンパによれば、収縮させる際には、シール部材の拡径部がシリンダの内周面に摺接することにより、シール部材の内周側のみが空気の流通経路になるようにして、ピストンの移動に対して十分な抵抗力を与えることができる。
一方、伸長させる際には、シール部材の拡径部が撓んで、シール部材の外周側及び前記シール部材の内周側が空気の流通経路になるようにして、ピストンの移動に対する抵抗力を小さくすることができる。
そして、シール部材の内周側に形成される空気の流通経路は、シール部材の円筒部の内周側に形成した環状突部が、ピストンに形成した小径段部に遊嵌することによって形成されたものであるため、シール部材の動作が安定しており、確実な緩衝力を得ることができる。
また、シール部材を1個の可撓性を有する筒状部材で構成するようにしているため、構造が簡単で、部品点数が少なく、容易に組み立てることができ、製造コストを低廉にできる。
【0015】
また、前記シール部材の環状突部の内径を、ピストンの小径段部の外周面との間に隙間が形成されるようにピストンの小径段部の外径よりも小径に形成するとともに、環状突部の軸方向の長さを、小径段部の軸方向の長さよりも短く形成することにより、シール部材の内周側に形成される空気の流通経路を容易に形成することができる。
【0016】
また、前記シール部材の円筒部の外周面に、軸方向に延びる複数本の溝を形成することにより、円筒部の変形性能を向上し、収縮させる際に、シール部材の円筒部をシリンダの内周面に摺接するようにして、ピストンの移動に対してより大きな抵抗力を与えることができる。
【0017】
また、前記ピストンロッドの外周面に、シリンダの内周面に摺接する軸方向に延びる複数本のリブを形成することにより、ピストンの直動性を向上して、シール部材のシリンダの内周面への摺接状態を均一にでき、シール部材の動作を一層安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のエアダンパの一実施例を示し、(a)は一部断面の正面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図2】同エアダンパのピストンを示し、(a)は一部切り欠きの正面図、(b)は分割構造にした例を示す正面図である。
【図3】同ピストンに取り付けるシール部材を示し、(a)は正面図、(b)はピストンロッド側の側面図、(c)は(a)のY−Y断面図、(d)は(b)のZ−Z断面図である。
【図4】ピストンにシール部材を取り付けた状態を示す一部切り欠き断面の正面図である。
【図5】同エアダンパの作動を説明する一部切り欠き断面の正面図で、(a)はピストンをシリンダ閉鎖端側へ移動させている状態(収縮させている際の状態)を、(b)はピストンをシリンダ開放端側へ移動させている状態(伸長させている際の状態)を、それぞれ示す。
【図6】従来のエアダンパを示す概略図で、(a)は一部切り欠き断面の正面図、(b)はピストンをシリンダ閉鎖端側へ移動させている状態を示す部分拡大図、(c)はピストンをシリンダ開放端側へ移動させている状態を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のエアダンパの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1〜図5に、本発明のエアダンパの一実施例を示す。
このエアダンパ1は、一端を閉鎖し、他端を開放したシリンダ2と、このシリンダ2の内周面20aに摺接するシール部材10を取り付けたピストン3と、このピストン3から延設したピストンロッド4とからなり、シール部材10を、ピストンロッド4側から、シリンダ2の内周面20aとの間に隙間が形成されるようにシリンダ2の内径よりも小径に形成した円筒部11と、この円筒部11に連なり漸次拡径してシリンダ2の内周面20aに摺接するように形成した拡径部12と、円筒部11の内周側に形成した、ピストン3に形成した小径段部30に遊嵌する環状突部13とからなる可撓性を有する筒状部材で構成するようにしている。
【0021】
シリンダ2は、一端が閉塞され、他端が開放された筒状のものであれば、特に限定されるものではないが、本実施例においては、両端が開放された筒状部材20と、この筒状部材20の一端を塞ぐ蓋部材21とから構成する。
また、開放端側も、ピストンロッド4の通過と空気が流通する空間を有するように構成してあれば、蓋部材を嵌合することもできる。
【0022】
ピストン3は、シリンダ2内をピストンロッド4のシリンダ2の軸方向の移動に伴って移動するもので、シリンダ2の内径よりも小径に形成されている。
そして、ピストン3はその周面に、シリンダ2の内周面20aに摺接するシール部材10を取り付けるための小径段部30を形成している。
【0023】
また、ピストン3は、小径段部30を挟んで、シリンダ2の閉鎖側(図例左側)を前段部31、シリンダ2の開放側(図例右側のピストンロッド4側)を後段部32としている。
前段部31、小径段部30及び後段部32は、一体構造としても構わないが、本実施例においては、図2(b)に示すように、シール部材10の取り付けを容易に行うことができるように、前段部31及び小径段部30を、後段部32側と別体に成形し、小径段部30側の端面に取付孔33を開口するとともに、後段部32の端面に取付孔33に嵌合する突出ピン34を形成するようにして、一体化するようにしている。
取付孔33の内径と突出ピン34の外径との公差は、ピストンロッド4のシリンダ2の軸方向の移動によって容易に抜けないように、中間嵌め、又は、締まり嵌めの範囲となるようにしている。
また、突出ピン34に雄ネジを、取付孔33に雌ネジを形成し、突出ピン34を取付孔33に螺合するようにしても構わない。
これによって、一体に成形された前段部31及び小径段部30を、シール部材10の内周側の空間10Aに挿入し、取付孔33をシール部材10の環状突部13側の端面に位置させ、後段部32の突出ピン34を取付孔33に嵌入するという簡単な手順でシール部材10をピストン3に取り付けることができる。
【0024】
ピストン3の後段部32から延設して設けられるピストンロッド4は、後段部32に螺合や接着等の固定手段によって取り付けても構わないが、本実施例においては、一体構造としている。
また、ピストンロッド4は、ピストン3がシリンダ2内のシリンダ閉鎖側の最奥に位置するときでも、その一端がシリンダ2の開放端から外部に突出する長さを有し、その端部には、例えば、他の部材に接続する接続部4bを形成することができる。
ピストンロッド4の形状は、シリンダ2内に挿通可能なように、シリンダ2の内径より若干小径の円筒形状や、角柱形状とすることができるが、本実施例においては、図1(b)に示すように、ピストンロッド4の外周面に、シリンダ2の内周面20aに摺接する軸方向に延びる複数本のリブ4aを形成するようにしている。
これにより、ピストン3の直動性を向上して、シール部材10のシリンダ2の内周面20aへの摺接状態を均一にでき、後述のシール部材10の動作を安定させることができるようにしている。
【0025】
シール部材10は、図3に示すように、円筒部11と、拡径部12と、環状突部13とからなる、ゴム製の可撓性を有する筒状部材で構成するようにしている。
【0026】
シール部材10の円筒部11の外周面には、図3(c)に示すように、軸方向に延びる複数本、本実施例においては、等間隔に4本の溝11aを形成するようにしている。
これにより、円筒部11の変形性能を向上させ、エアダンパ1を収縮させる際に、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって、内周面11bが押圧され、円筒部11の外周面が内周面20a側に向かって膨張し、シリンダ2の内周面20aに円筒部11の外周面が摺接するようにして、ピストン3の移動に対してより大きな抵抗力を与えることができるようにするとともに、エアダンパ1を収縮させる方向の負荷が解除された際に、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって、ピストン3が逆方向に押し戻されるのを防止するようにしている。
【0027】
拡径部12は、先端に摺接部12aを形成し、この摺接部12aは、シリンダ2の内径と略同径となるように形成されており、ピストン3の移動に伴って、シリンダ2の内周面20aに摺接しながら移動し、シリンダ2内の空気の流れを規制するようにしている。
また、拡径部12は、エアダンパ1を収縮させる際に、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって摺接部12aをシリンダ2の内周面20aに押圧するようにする内周面12bと、エアダンパ1を伸長させる際に、シール部材10の内周側の空間10Aが負圧になることによって、拡径部12が撓んで、シリンダ2の開放端側の空気がシール部材10の外周側を円滑に流通するようにする外周面12cとを備えている。
【0028】
円筒部11の内周側に形成した、ピストン3に形成した小径段部30に遊嵌する環状突部13は、環状突部13の内径D1を、ピストン3の小径段部30の外周面30aとの間に隙間が形成されるようにピストン3の小径段部30の外径D2よりも小径に形成するとともに、環状突部13の軸方向の長さL1を、小径段部30の軸方向の長さL2よりも短く形成し、これによって、ピストン3の小径段部30の外周面30aと環状突部13の内周面13cとの間、ピストン3の前段部31の小径段部30側の立設面31aと環状突部13の内側立設面13bとの間及びピストン3の後段部32の小径段部30側の立設面32aと環状突部13の外側立設面13aとの間にそれぞれ微小な隙間S1、S2及びS3が形成されるようにしている。
これらの隙間のうち、隙間S2及び隙間S3は、ピストン3がシリンダ2内を移動するときに、ピストン3及びシール部材10の環状突部13の立設面同士が当接した状態になるが、完全にはシールされず、高圧側から低圧側への空気の流通が許容されるようにされている。
また、本実施例においては、環状突部13の外側立設面13aの箇所の外径D4を、円筒部11の外径D3よりも小径に形成することにより、高圧側から低圧側への空気の流通量を調節する(増加させる)ようにし、これにより、緩衝力の大きさを調整するようにしている。
なお、ピストン3及びシール部材10の環状突部13の立設面のいずれか又は両方に空気が流通する溝(図示省略)を形成することにより、高圧側から低圧側への空気の流通量を調節する(増加させる)ことができ、これにより、緩衝力の大きさを調整することができる。
【0029】
次に、このエアダンパ1の動作を、図5に基づいて説明する。
【0030】
エアダンパ1を収縮させる場合、図5(a)に示すように、ピストン3をシリンダ2の閉鎖端側(図例左側)に移動させるようにすると、シリンダ2の閉鎖端側の空間2A内の空気によって、拡径部12の内周面12bが押圧され、拡径部12の摺接部12aがさらに強くシリンダ2の内周面20aに押し当てられ、ピストン3のシリンダ2の閉鎖端側への移動に抵抗力を与える。
さらに、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって、内周面11bが押圧され、円筒部11の外周面が内周面20a側に向かって膨張し、シリンダ2の内周面20aに円筒部11の外周面が摺接するようにして、ピストン3の移動に対してより大きな抵抗力が与えられるとともに、エアダンパ1を収縮させる方向の負荷が解除された際に、シール部材10の内周側の空間10Aの空気の圧力によって、ピストン3が逆方向に押し戻されるのが防止される。
【0031】
そして、高圧側のシリンダ2の閉鎖端側の空間2Aの空気が、シール部材10の内周側が空気の流通経路になって、具体的には、ピストン3の小径段部30の外周面30aと環状突部13の内周面13cとの間、ピストン3の前段部31の小径段部30側の立設面31aと環状突部13の内側立設面13bとの間及びピストン3の後段部32の小径段部30側の立設面32aと環状突部13の外側立設面13aとの間に形成された微小な隙間S1、S2及びS3(ここで、隙間S3は、ピストン3及びシール部材10の環状突部13の立設面32a、13a同士が当接した状態S3’になるが、完全にはシールされず、高圧側から低圧側への空気の流通が許容される。)を通って、低圧側のシリンダ2の開放端側の空間2Bに徐々に流通し、このとき、ピストン3に十分な抵抗力を与え、緩衝力を得ることができる。
【0032】
次に、エアダンパ1を伸長させる場合、図5(b)に示すように、ピストン3をシリンダ2の開放端側(図例右側)に移動させるようにすると、シリンダ2の閉鎖端側の空間2A及びこれに連なるシール部材10の内周側の空間10Aが負圧になることによって、拡径部12が撓んで、シリンダ2の開放端側の空間2Bの空気が、シール部材10の外周側を通って(一部の空気は、シール部材10の内周側の空気の流通経路になって、具体的には、前記の微小な隙間S1、S2及びS3(ここで、隙間S2は、ピストン3及びシール部材10の環状突部13の立設面31a、13b同士が当接した状態S2’になるが、完全にはシールされず、高圧側から低圧側への空気の流通が許容される。)を通って)、低圧側のシリンダ2の閉鎖端側の空間2Aに円滑に流通し、小さい抵抗力で容易にピストン3を移動させることができる。
【0033】
以上、本発明のエアダンパについて、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のエアダンパは、シール部材の動作が安定しており、確実な緩衝力が得られるとともに、構造が簡単で、部品点数が少なく、容易に組み立てることができ、製造コストを低廉にできるという特性を有していることから、引き出しの緩衝装置用のエアダンパとして好適に用いることができるほか、その他の緩衝装置の用途等にも広く用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 エアダンパ
2 シリンダ
20a 内周面
3 ピストン
30 小径段部
32a 立設面
4 ピストンロッド
4a リブ
10 シール部材
11 円筒部
11a 溝
12 拡径部
12a 摺接部
12b 内周面
12c 外周面
13 環状突部
13a 外側立設面
D1 環状突部の内径
D2 小径段部の外径
L1 環状突部の長さ
L2 小径段部の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端を閉鎖し、他端を開放したシリンダと、該シリンダの内周面に摺接するシール部材を取り付けたピストンと、該ピストンから延設したピストンロッドとからなるエアダンパにおいて、シール部材を、ピストンロッド側から、シリンダの内周面との間に隙間が形成されるようにシリンダの内径よりも小径に形成した円筒部と、該円筒部に連なり漸次拡径してシリンダの内周面に摺接するように形成した拡径部と、前記円筒部の内周側に形成した、ピストンに形成した小径段部に遊嵌する環状突部とからなる可撓性を有する筒状部材で構成し、収縮させる際に、シール部材の拡径部がシリンダの内周面に摺接することにより、シール部材の内周側が空気の流通経路になるように、伸長させる際に、シール部材の拡径部が撓んで、シール部材の外周側が空気の流通経路になるようにしたことを特徴とするエアダンパ。
【請求項2】
前記シール部材の環状突部の内径を、ピストンの小径段部の外周面との間に隙間が形成されるようにピストンの小径段部の外径よりも小径に形成するとともに、環状突部の軸方向の長さを、小径段部の軸方向の長さよりも短く形成したことを特徴とする請求項1記載のエアダンパ。
【請求項3】
前記シール部材の円筒部の外周面に、軸方向に延びる複数本の溝を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のエアダンパ。
【請求項4】
前記ピストンロッドの外周面に、シリンダの内周面に摺接する軸方向に延びる複数本のリブを形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のエアダンパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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