説明

エアフレッシュナーを備える容器

本発明は、(1)分注される洗剤組成物を収容する容器本体と、(2)容器の栓と、(3)この容器本体に恒久的に取り付けられ、45mlを超える一定容量を有する空気清新ユニットとを備え、洗剤の利用法を提供し、受動的空気清新性能と揺り動かす間に芳香噴出を向上させる、一体型分注容器及びエアフレッシュナーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤用途のための洗剤容器とエアフレッシュナーの組み合わせ並びに速やかかつ持続的な空気処理に関する。
【背景技術】
【0002】
エアフレッシュナーは、浴室、台所及び他の密閉空間の臭気を制御するために、頻繁に用いられる。一般に、芳香剤又は空気清新物質を分注するための市販の分注装置は、能動的モード又は受動的モードで機能する。能動的分注は、エアゾール又はポンプで作動する噴霧分注装置を介して達成される。分散性組成物を速やかに分注するのに消費者側の動作を必要とするような分注装置に加えて、消費者による能動的物理的関与なく、気化可能な物質の蒸発又は昇華を通して受動的に機能する分注装置もまた周知である。能動的分注によって速やかかつ強力な空気処理が行えるが、一方受動的分注は、緩徐な放出速度で長時間にわたって、大気に対して持続的な効果をもたらす。能動的及び受動的モードで機能する複式分注装置が当該技術分野において記載されている。例えば、能動的に分散される噴霧又は長期間にわたって蒸発する分散性物質を分注することが独立にできる分注ユニットを備える複式機能分注装置を開示する、2001年2月15日発行のPCT国際公開特許WO01/10739(S.C.ジョンソン&サン社(S.C. Johnson & Son Inc.))を参照されたい。
【0003】
エアフレッシュナーをハンドローション又は石鹸と組み合わせることもまた、当該技術分野において既知である。2002年3月14日発行のPCT国際公開特許WO02/20172(フレッシュ・プロダクト(Fresh Product))には、エアフレッシュナーが、制御された速度で受動的に分散され得る、又はユーザーがポンプで装置から汲み上げる際に能動的に分散されて測定された量のハンドローションを受容することができる、一体となったユニットが開示されている。分散は、機械式扇風機又はスポンジの圧縮を用いて実施できる。
【0004】
実際に、皿洗い洗剤などの洗浄製品の容器は、一日を通じて常時使用されるため、調理台に放置されている。かかる容器は、二つの効果をもたらすことができる。エアフレッシュナーと洗剤用容器、特に手動皿洗い用洗剤用容器を組み合わせることにより、台所の空気をさわやかにし、調理又は他の臭気を除去でき、又は単純に空気に心地よい芳香を付与できる。2004年10月7日発行のPCT国際公開特許WO2004/084954(コルゲート・パームオリーブ(Colgate Palmolive))には、構造の一部として、部屋をさわやかにする芳香を受動的に送達するシステムを有する家庭用品のための容器が記載されている。同一又は異なる芳香剤(the same of a different fragrance)を収容する複数の分離した区画を有するトレイユニットが、容器の上部に取り付けられている。各区画は、部屋に送達するエアフレッシュナーの量を制御するための手段として、別々に開口できる。2004年10月7日発行のPCT国際公開特許WO2004/084660(コルゲート・パームオリーブ(Colgate Palmolive))に記載されている、芳香を放つ分注容器は、栓の中に位置する。しかしながら、これらの先行技術の製品は、緩徐な放出速度で長期間持続的受動的効果をもたらすのみである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際に、ほとんどの小売り又は消費者志向のエアフレッシュナーは、「常時オン(always on)」方式で機能する。即ち、初期にエアフレッシュナーが一旦活性化されると、補給材料を使い果たすまで芳香を分散する。空気清新は、典型的には、人がエアフレッシュナー分注装置と同じ通常領域にいる時にのみ必要であり、「常時オン」方式の分注装置は、それが必要とされていない又は所望されていないときに、芳香の大部分が分注されることになる場合がある。例えば、噴霧型製品のような、よりユーザー志向の家庭用エアフレッシュナーも入手可能である。しかしながら、エアフレッシュナーを射出するのに必要な機構により、噴霧式の分注装置が比較的高価に、及び再利用を困難に、及び台所での使用に常に好適ではない状態になる場合が多い。
【0006】
本発明は、洗剤組成物が保存及び/又は使用される環境で長時間にわたって蒸発することにより、空気中での芳香剤の能動的噴出及び同一物質の受動的分注の両方において、非常に単純で費用効率の高い様式を提供できる、一体型洗剤/エアフレッシュナー分注装置を提供する。消費者が使用するために洗剤を分注する際の又は単に分注装置を揺り動かす際の持続的空気清新効果に加えて、必要な場合又は望ましい場合、消費者は速やかかつ強力な空気処理を行うことができる。かかる利点を得るために、本発明の一体型分注装置の空気清新ユニットは、45mlを超える一定容量を特徴とする。
【0007】
理論に束縛されるものではないが、静置している間、芳香はエアフレッシュナーのヘッドスペースの空気に集中していると考えられる。揺り動かした場合、ヘッドスペースは空になり、これによって芳香が有効に及び心地よく噴出する。かかる芳香の噴出は、十分な芳香がヘッドスペース内で蓄積されている場合に得られることが見出されている。これには、少なくとも45mlの空気清新ユニットの容量を必要とする。さらに、驚くべきことに、4cm2を超える通気領域により、揺り動かしている間に受動的性能及び芳香噴出が強化されることが見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(1)分注される洗剤組成物を収容する容器本体と、(2)容器の栓と、(3)この容器本体に恒久的に取り付けられ、45mlを超える一定容量を有する空気清新ユニットとを備える、一体型分注容器及びエアフレッシュナー(以下「装置」とも呼ばれる)に関する。
【0009】
本発明はまた、前記一体型分注容器及びエアフレッシュナーを揺り動かすことによる、速やかかつ強力な空気処理を提供する方法に関する。好ましい実施形態では、かかる速やかかつ強力な空気処理は、洗剤が装置から分注される際に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の記載は、頻繁にエアフレッシュナー又は芳香剤の用途について言及するが、本発明はまた、脱臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、薬剤、消毒剤、殺菌剤、ムード増強剤(mood enhancer)、及びアロマセラピー組成物などの受動的に分注され得る分散性物質の他の形態にも応用できることを理解されたい。
【0011】
本発明の目的のために、能動的分注装置は、消費者側の分散性組成物を分注する動作を必要とするものであるべきであり、それは噴出又は噴霧として、消費者の動作の直接的結果として分注され、一方受動的分注装置は、分散性組成物が分注される時に消費者による動作は必要としないが、能動的分注装置の速度と比較して比較的低速度で長期間にわたって分散性組成物を蒸発、昇華等により分注するものであるべきである。受動的分注装置からカバー、包装、又は制御手段を取り除くことは、組成物を分注する動作と見なされるべきではない。
【0012】
注入可能な洗剤組成物、好ましくは液体洗剤組成物は、容器内に保持され、注入又は圧搾により洗剤組成物を容器から分注できる。かかる洗剤組成物は、典型的には、食器洗い組成物、洗濯組成物及び/又は硬質表面清浄組成物の群から選択され、好ましくは食器手洗い組成物である。かかる洗剤組成物は通常、界面活性剤系、並びに典型的には溶媒、並びに染料、酵素、香料、増粘剤、pH調整剤、還元又は酸化漂白剤、悪臭抑制剤、酸化防止剤、及びフリーラジカル抑制剤、及びこれらの混合物などの洗浄の技術分野において既知である1以上の任意成分を含む。
【0013】
容器
容器本体及び栓は、ガラスを含む任意の材料であってよいが、プラスチック、特に射出成形又は吹き込み成形できるプラスチックが好ましい。これらとしては、ポリプロピレンなどのポリオレフィン及びポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルが挙げられる。
【0014】
任意の形状を本発明の容器本体に用いることができ、典型的には、栓により閉鎖された首部、掴み領域、好ましくは圧絞領域及び基部を含む。首部は、任意のキャップ、好ましくは押し上げ式キャップ又は引き押しキャップ、より好ましくは押し上げ式キャップにより閉鎖され得る。
【0015】
エアフレッシュナー(AF)ユニット
AFユニットは、容器本体に恒久的に取り付けられる。それは、別々に製造し、次いで、例えばクリップ式システムを介して容器本体に固定してよく、又は容器本体と同時に製造してもよい。好ましくは、AFユニットは容器の栓の一部ではない。好ましくは、AFユニットは容器本体の底部に位置し、装置の基部を形成する。
【0016】
AFユニットは、45mlを超える、好ましくは50mlを超える、より好ましくは60mlを超える、さらにより好ましくは70mlを超える一定容量を有する。AFユニットは、好ましくは250ml未満、より好ましくは150ml未満、さらにより好ましくは120ml未満の一定容量を有する。AFユニットの容量は、AFユニットそれ自体の容量であり、通気開口部を含むが、任意の空気清新物質は除外する。
【0017】
空気清新ユニットは、芳香が確実に外側に拡散できるように構築されなければならない。AFユニットは、それ故、例えば低密度ポリエチレンのように、香料に対して透過性を有する材料で製造することができる。しかしながら、その実施形態では、材料を通した香料の移行は緩徐であり、制御がより困難である場合があるため、好ましい実施形態では、AFユニットは任意のプラスチックから製造され、通気孔とも呼ばれる開口部を備え、AFユニットのヘッドスペースから外部環境への芳香の伝達を可能にする。これらの開口部(1つ又は複数)あるいは通気孔(1つ又は複数)は全てともに通気領域を形成し、どのような形状及び配向(水平又は垂直、波形、線形、円形又は他の形状)であってもよい。エアフレッシュナーが香料粒の形態である場合、かかる通気孔は、空気清新ユニットに収容されているより小さな香料粒よりもさらに小さい。
【0018】
好ましい実施形態では、AFユニットは4cm2を超える、好ましくは5cm2を超える、より好ましくは6cm2を超える、さらにより好ましくは7cm2を超える通気領域を有する。AFユニットは、好ましくは30cm2未満、より好ましくは20cm2未満、さらにより好ましくは15cm2未満の通気領域を有する。
【0019】
使用前に、AFユニットの通気領域は、取り外し可能なステッカー又は収縮スリーブ(shrink sleeve)などの任意の手段で封止される。かかる封止具は、例えば1個、数個又は全てのステッカーを取り除くことにより、エアフレッシュナーの放出を調節できるように、1つ以上の部品であってよい。
【0020】
エアフレッシュナー組成物
典型的には、エアフレッシュナーユニットに含有するのに好適な成分は、固体、液体又はゲル形態の、芳香剤、エアフレッシュナー、脱臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、薬剤、消毒剤、殺菌剤、ムード増強剤、アロマセラピー組成物等である。好ましくは、芳香剤又はエアフレッシュナーは、フィルメニッチ社(Firmenich Inc.)、高砂香料(Takasago Inc.)、ノビーリ社(Noville Inc.)、クエスト社(Quest Co.)、インターナショナル・フレーバー&フレグランス社(International Flavors & Fragrances)及びジボダン−ルール社(Givaudan-Roure Corp.)などの香料メーカーから入手可能な1以上の揮発性有機化合物を含む芳香剤である。最も常套的な芳香剤物質は揮発性精油である。芳香剤は、合成的に形成された物質、又は天然由来の油(ベルガモット油、橙皮油、レモン油、マンダリン油、ヒメウイキョウ油、ニオイヒバ(Cedar Leaf)油、クローブリーフ油、セダー油、ゼラニウム油、ラベンダー油、オレンジ油、ハナハッカ(Origanum)油、プチグレン油、ホワイトシダー油、パチョリ油、ラバンジン油、ネロリ油、純バラ油等)であってよい。
【0021】
アルデヒド、ケトン、エステル、アルコール、テルペン等のような広範な化学物質が、香料として既知である。芳香剤は比較的単純な組成物であってよく、又は天然及び合成化学成分の複雑な混合物であってもよい。単独の又は天然油と組み合わせた合成型の芳香剤組成物は、新規ケトアミンについて及びシクロプロパンカルボン酸ピレスロイド(cyclorpropanecarboxylic acid pyrethroid)中間体の調製プロセスにおけるその新規ケトアミンの使用について記載した米国特許第4,324,915号;フルーティー、フローラルといった清々しい香調を再現するためのメチル2,6,6−トリメチル−シクロヘキサ−2−エン−1−イルカルボキシレートについて記載した米国特許第4,411,829号;並びにビャクダン油のような匂いのためのビシクロール[2,2,2]オクタン及びビシクロ[2,2,2]オクテン(bicycle[2,2,2]octenes)誘導体に基づいた香料組成物について記載した米国特許第4,434,306号;は参照として本明細書に組み込まれたものとする。他の人工液体芳香剤としては、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、オイゲノール、イソオイゲノール、リナロール、酢酸リナリル、フェネチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイオノン、酢酸イソボミル等が挙げられる。
【0022】
液体芳香剤はまた、セルロース系物質、高分子増粘剤、又はカボット社(Cabot Corporation)から商標カボシル(Cabosil)として販売されている種類のヒュームドシリカなどの、増粘剤の添加により揺変性ゲルに形成されてもよい。芳香剤成分もまた、結晶性固体の形態であってよく、それは周囲温度で蒸気相に昇華する能力を有する。結晶性芳香剤出発物質は、バニリン、エチルバニリン、クマリン、トナリド、カロン、ヘリオトロペン、ムスクキシロール、セドロール、ムスクケトンベンゾフェノン、ラズベリーケトン、メチルナフチルケトンベータ、サリチル酸フェニルエチル、ベルトール、マルトール、メープルラクトン、酢酸プロオイゲノール、エベミル等を含む有機化合物から選択できる。この種類の芳香剤は、本発明で使用するためのエアフレッシュナー分注装置の長期間空気処理能力に貢献できる。
【0023】
好ましい実施形態では、エアフレッシュナー組成物は、これらの香料を時間とともに徐々に放出する香料入り粒の形態である。本明細書で用いるのに好適な粒は、ポリマー又は粘土又は多孔質岩石又は、軽石、シリカ若しくはケイ酸塩など石で製造されてもよい。
【0024】
本明細書で用いるのに好適なのは、PCT国際公開特許WO9947182(16頁1行〜22頁16行)(:発泡した又は発泡していない低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと酢酸ビニル及びポリ塩化ビニルとのコポリマー、より具体的にはエチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸から選択される極性ビニルモノマーとのコポリマー);米国特許第4,095,031号(:エチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸から選択される6〜6重量%の極性ビニルモノマーのコポリマーについて同様に記載);米国特許第3,505,432号(4段8〜64行)(:香りのするポリエチレンとポリプロピレンの製造方法);米国特許第4,247,498号(6段28〜45行)(:相対的均一性及び狭い孔径分布を特徴とするミクロ孔質ポリマーの製造方法について記載);米国特許第4,156,067号(:6,000を超える分子量を有するポリウレタンポリマーと、アルコール及びエステルの支持体としてのポリマー主鎖中のラクトン基とヒドロキシル基);米国特許第4,521,541号及び同第4,542,162号(:一軸又は二軸押出成形機を使用して(suing)、樹脂、機能液又は固体及び気体又は液体発泡剤を、特定の範囲のラテラル・インターバル(lateral interval)で押出流中に置くことによって、香料用組成物の放出が制御されるような熱可塑性高分子発泡粒の製造について記載);米国特許第5,543,398号(12段20〜46行)(:香料組成物の芳香を増強するためのパラ−C5アルキル置換エトキシシクロヘキサンについて記載);米国特許第6,379,689号(1段39〜62行)(:揮発性物質が分散したシリコーンエラストマーマトリクスに基づいた担体を開示)に開示及び例示されているものなどの高分子粒であり、これらは全て本明細書に参照として組み込まれたものとする。
【0025】
本発明で用いるための好ましい高分子担体は、低密度ポリエチレン又はエチレンビニルアセテートであり、好ましくはエチレンビニルアセテートである。例えば、米国特許第4,761,437号(エチレンビニルアセテートに液体芳香剤を吸収することによって芳香剤チップを製造するプロセスを開示);米国特許第4,515,909号(3段6行〜4段26行)(少なくとも1種類の特定のエチレンビニルアセテートコポリマー並びに安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル及び/又はジ−(低級アルキル)フタレートである拡散剤を含む芳香剤のための樹脂製組成物について記載);米国特許第4,492,644号(2段14行〜3段30行)(粒状エチレンビニルアセテートコポリマーから製造された香料組成物並びに炭化水素及び/又はエステルを含有する香料を、10〜50℃の温度で緩徐に放出することを開示);並びに米国特許第4,511,496号(エチレンビニルアセテートコポリマーと香料を混合するプロセス及び香料がコーティングとしてペレット、微粉の表面層にのみ浸透する場合について開示した)を参照されたい(これらは全て、本明細書に参照として組み込まれたものとする)。
【0026】
本明細書で用いるのに好適な香料入り粒は、インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス社(International Flavors and Fragrances)(IFF)から商標名ポリイッフ(Polyiff)として市販されている。かかる粒は、低密度ポリエチレン及びエチレンビニルアセテート(EVA)の両方として利用可能であり、好ましくはEVA形態である。
【0027】
端的に言うと、かかる粒の製造プロセスは、溶融プラスチックと香料を混合し、混合物を適切な形状に固化することを含む。
【0028】
粒の香料充填は、香料組成物及び香料担体用の具体的な装置に対する具体的な要求に応じて、広い範囲で変動する場合がある。本明細書で粒は、典型的には、2重量%〜75重量%、好ましくは5重量%〜60重量%、より好ましくは5重量%〜35重量%の香料を保有し、粒の総重量は5グラム〜40グラムを示してよい。好ましい実施形態では、香料物質の香料充填及び香料物質の量は、標準的な消費者による通常使用の間に標準用量で使用される場合の、洗剤組成物の耐用期間に適合するよう調整される。
【0029】
香料の放出の持続時間及び直線性を改善するために、分注装置を揺り動かす際及び/又は液体を分注するために使用する際、香料粒が自由に移動するように、AFユニット内に十分な空き領域が存在することが好ましいが、それは存在する粒が多すぎる場合、ある時点で妨げられる。
【0030】
香料入り粒は理想的には通気領域を通じた空気流を妨害すべきではないことも見出されている。通気領域を超えて堆積した粒は、通気領域を減少させる効果を有する。ふさがれる通気領域は、好ましくは50%未満、より好ましくは25%未満であり、所望の受動的及び能動的通過(passive and active experience)を提供すべきである。
【0031】
本明細書で粒は、棒状又は正方形状又は方形状ブロックとは対照的に、好ましくは実質的に球形状である。実際に、球形状である場合、粒は装置内での可動性を増すため、粒の新鮮で清浄な表面が長い期間をかけて曝露される。粒の集団は、それらの香料含量の観点では実質的に均質であってよいが、不均質な集団を有することが魅力的である場合もある。実際に、特定の香料を含む特定の粒を、バッチ方式で均質な集団として製造し、次いで異なる集団とともに無限の組み合わせ(variation)で混合し、香料及び機能性を柔軟に選択することができ、これは経済的に魅力的である。実際に、衛生化及び/又は抗菌効果をさらに提供する香料を用いてよい。
【0032】
エアフレッシュナーの芳香剤は、洗剤組成物の香料アコード(perfume accord)と協調的であるか又は同一である。エアフレッシュナーは、洗剤組成物の色又は色合いと同一であるか又は適合することが好ましい。
【0033】
プロセス
本発明によるプロセスでは、これまでに述べてきた一体型分注容器及びエアフレッシュナーは、台所又は貯蔵室、好ましくは台所の、調理台に、又は収納食器棚などの密閉空間に、好ましくは調理台に置かれる。AFユニットの封止は、周囲空気を受動的に持続してさわやかにするように、部分的に又は完全に取り除かれる。密閉空間で発生する調理臭若しくは異臭を退ける必要がある場合などの所望の場合、一体型分注容器とエアフレッシュナーを揺り動かして速やかで大量の分注又はエアフレッシュナーを提供することができる。洗剤組成物が、使用のために一体型分注容器及びエアフレッシュナーから分注される場合、同様に速やかかつ強力であるとともに非常に心地よい空気処理が得られる。
【0034】
使用説明書付き装置
本発明の別の実施形態では、装置の独自の利点を最大限に使用するように、上記装置は上記プロセスでそれを使用するための使用説明書とともに提供される。この実施形態では、一体型分注容器及びエアフレッシュナーと、並びに該装置を収納食器棚又は台所の調理台のような能動的及び受動的空気清新が必要とされる環境内に置き、該装置を揺り動かしてエアフレッシュナーの速やかなかつさらなる放出をもたらす旨の使用説明書とを備える製品が提供される。
【0035】
本発明の別の実施形態では、液体洗剤組成物は、該装置の分注容器用詰め替え品として、上述のように装置とは別々に提供される。
【0036】
本発明の好ましい実施形態は、図1及び図2を参照としてより詳細に開示される。図1は、容器本体(2)、栓としての押し上げ式キャップ(3)、及び空気清新ユニット(4)を備える一体型分注容器及びエアフレッシュナー(1)を描く。容器本体は、首部(5)及び掴み領域(6)、好ましくは圧搾領域及び基部(7)を有する。エアフレッシュナーユニット(4)は、例えば溝(1つ又は複数)を介して容器本体(2)の基部(7)に取り付けられる。エアフレッシュナー(4)は、基部(8)及び通気領域(9)を有する。かかる通気領域は、取り外し可能なステッカー(10)により閉鎖される。図2は、通気領域(9)の取り外し可能なステッカーが取り外された、同一の一体型分注容器及びエアフレッシュナー(1)の斜視図を描く。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】一体型分注容器及びエアフレッシュナーの正面図。
【図2】一体型分注容器及びエアフレッシュナーの斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)洗剤組成物を収容する容器本体と、
(2)容器の栓と、
(3)前記容器本体に恒久的に取り付けられ、45mlを超える一定容量を有する空気清新ユニットと
を備えることを特徴とする一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項2】
前記空気清新ユニットが、50mlを超える、好ましくは60mlを超える、より好ましくは70mlを超える一定容量を有することを特徴とする請求項1に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項3】
前記空気清新ユニットが、250ml未満、好ましくは150ml未満、より好ましくは120ml未満の一定容量を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項4】
前記空気清新ユニットが、さらに、4cm2を超える、好ましくは5cm2を超える、より好ましくは6cm2を超える、さらにより好ましくは7cm2を超える通気領域によって特徴づけられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項5】
前記空気清新ユニットが、30cm2未満、好ましくは20cm2未満、より好ましくは15cm2未満の通気領域を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項6】
前記空気清新ユニットが、前記容器の栓の一部ではないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項7】
前記空気清新ユニットが前記容器本体の底部に位置することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項8】
前記空気清新ユニットが、香料粒の形態でエアフレッシュナーを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項9】
前記洗剤組成物が、食器手洗い組成物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナー。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナーを揺り動かすことによって、芳香の速やかな噴出をもたらすことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記洗剤組成物を分注する際に揺り動かすことが達成されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜9に記載の一体型分注容器及びエアフレッシュナーと、前記一体型分注容器及びエアフレッシュナーを、収納食器棚又は台所の調理台などの能動的及び受動的空気清新を必要とする環境内に置き、並びに、前記装置を揺り動かして、エアフレッシュナーの速やかなかつさらなる放出をもたらすための使用説明書とを備える製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−532295(P2009−532295A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503717(P2009−503717)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051212
【国際公開番号】WO2007/113774
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】