説明

エアマッサージ機及びマッサージ椅子

【課題】マッサージ効果を維持しつつ使用者の身体が本体ケースと接触することを抑制可能なエアマッサージ機を提供する。
【解決手段】第1エアバッグ23,24には、エア給排装置による空気の給排気が行われて膨縮動作可能な膨縮部23a,24aと、エア給排装置による空気の給排気が不能な非膨縮部23b,24bとに区切るべく、第1エアバッグ23,24の内部空間を区切る区切り部32が備えられる。第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aには、押圧部位Xの変位を増大させるべくその周囲に蛇腹部35が設けられるものであり、非膨縮部23b,24bにおいても同様の蛇腹部35が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨縮動作可能なエアバッグを有するエアマッサージ機及びそのエアマッサージ機を備えたマッサージ椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、膨縮動作可能なエアバッグにて使用者の施療部位に対し、マッサージを行うエアマッサージ機が広く知られている。
例えば、特許文献1のエアマッサージ機は、座部の前部に使用者の脚部をのせることができるオットマンに脚部用のエアマッサージ機が備えられている。この脚部用のマッサージ機は、本体ケースに使用者の脚部を配置可能に形成される左右一対の収容溝部の外表面側で、使用者の脚部を左右方向から挟み込むことが可能なエアバッグが設けられている。そして、そのエアバッグを膨縮動作させることで、使用者の脚部を押圧してマッサージを行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−95867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のエアマッサージ機において、例えば本体ケースが硬質の成型品(例えばポリプロピレン)からなる場合、使用者の脚部と本体ケースの収容溝部(側壁)の外表面とが接触すると痛みを伴ってしまうため、使用者の脚部と本体ケースの収容溝とが接触しないようにエアバッグを配置することが望ましい。その解決手段として、例えば大きい(大容量の)エアバッグを用いることが考えられるが、そうするとマッサージを行う際に最も押圧力の高い部分(押圧部位)が狙った位置(例えば脹脛部のみ等)からずれてしまい好適なマッサージを行うことが難しかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、マッサージ効果を維持しつつ使用者の身体が本体ケースと接触することを抑制可能なエアマッサージ機及びマッサージ椅子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、エア給排装置による空気の給排気によって膨縮動作可能なエアバッグを本体ケースの外表面に備え、前記エアバッグを膨縮動作させて使用者にマッサージを行うエアマッサージ機であって、前記エアバッグは、前記エア給排装置による空気の給排気が行われて膨縮動作可能な膨縮部と、前記エア給排装置による空気の給排気が不能な非膨縮部とに区切るべく、前記エアバッグの内部空間を区切る区切り部を備えたことをその要旨とする。
【0007】
この発明では、エアバッグには、エア給排装置による空気の給排気が行われて膨縮動作可能な膨縮部と、エア給排装置による空気の給排気が不能な非膨縮部とに区切るべく、エアバッグの内部空間を区切る区切り部が備えられる。これにより、エアバッグの膨縮部によって狙った位置のマッサージを行いつつ、例えば本体ケースの外表面を非膨縮部にて覆うことが可能となるため、膨縮部によってマッサージ効果を維持しつつ、膨縮部及び非膨縮部にて使用者の身体が本体ケースと接触することを抑えることも可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアマッサージ機において、前記エアバッグは、前記膨縮部及び非膨縮部が区切られた第1エアバッグとして構成され、その第1エアバッグに加えて膨縮部を備えた第2エアバッグが用いられ、前記第1エアバッグの非膨縮部に前記第2エアバッグの膨縮部が重ねて配置されたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、エアバッグは、膨縮部及び非膨縮部が区切られた第1エアバッグとして構成され、その第1エアバッグに加えて膨縮部を備えた第2エアバッグが用いられ、第1エアバッグの非膨縮部に第2エアバッグの膨縮部が重ねて配置される。これにより、第1エアバッグの非膨縮部がスペーサの役割となり、第2エアバッグによる使用者の身体(脚部)の押圧力を大きくすることができる。また、所定押圧力になると第1エアバッグの非膨縮部が変形するため、使用者に対して過度の押圧力を与えることが抑制される。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエアマッサージ機において、前記第2エアバッグは、前記第1エアバッグよりも前記使用者側に配置されたことをその要旨とする。
この発明では、第2エアバッグは、第1エアバッグよりも使用者側に配置される。このように、第2エアバッグが第1エアバッグよりも使用者側に配置されることで、第2エアバッグの膨縮部による膨縮動作にて第1エアバッグが押し出されることが抑制されるため、第1エアバッグの膨縮部の膨縮動作によるマッサージに影響を与えることが抑えられる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のエアマッサージ機において、前記第1エアバッグの膨縮部には、押圧部位の変位を増大させるべくその周囲に蛇腹部が設けられるものであり、前記非膨縮部においても同様の蛇腹部が設けられたことをその要旨とする。
【0012】
この発明では、第1エアバッグの膨縮部には、押圧部位の変位を増大させるべくその周囲に蛇腹部が設けられるものであり、非膨縮部においても同様の蛇腹部が設けられる。つまり、非膨縮部を膨縮部同様に蛇腹形状の蛇腹部を設けることで、断面係数が大きくなり、非膨縮部を変形しにくい構成とすることができ、非膨縮部をより好適なスペーサとして使用することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、使用者が着座可能な座部の前部にオットマンが設けられ、該オットマンには、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエアマッサージ機が備えられて構成されることをその要旨とする。
【0014】
この発明では、使用者が着座可能な座部の前部にオットマンが設けられ、該オットマンには、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエアマッサージ機が備えられて構成されるため、請求項1〜4の効果と同様の効果を奏することができるマッサージ椅子を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、マッサージ効果を維持しつつ使用者の身体が本体ケースと接触することを抑制可能なエアマッサージ機及びマッサージ椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】マッサージ椅子の概略構成図である。
【図2】エアマッサージ機を備えたオットマンの斜視図である。
【図3】エアマッサージ機を備えたオットマンの正面図である。
【図4】膨縮部及び非膨縮部について説明するための説明図である。
【図5】膨縮部及び非膨縮部について説明するための説明図である。
【図6】エアマッサージ機を備えたオットマンの斜視図である。
【図7】エアマッサージ機を備えたオットマンの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のエアマッサージ機を備えたマッサージ椅子の概略構成を示す。図1に示すように、マッサージ椅子10の脚部11は図示しない床面に載置されるとともに、その脚部11の上部には使用者が着座可能な座部12が固定されている。その座部12の後側には、使用者が背中をもたれ掛けさせるための背もたれ部13が傾動可能に設けられるとともに、座部12の前側には使用者の脚を載せることができるオットマン14が傾動可能に設けられている。また、使用者の腕を置くための肘掛け部15が背もたれ部13から座部12の両側前方にかけて設けられている。
【0018】
背もたれ部13は、前面が開口された硬質樹脂材料からなる図示しない本体ケース内に、背もたれ部13の上下方向に沿って図示しないガイドレールが設けられ、このガイドレールに沿って上下方向にマッサージ機構16が組み付けられている。このマッサージ機構16には、図示しない各種駆動モータが備えられており、これら各種駆動モータの駆動によってマッサージ機構16の上下動や、該マッサージ機構16に備えられる一対の施療子16aによる所定の施療動作が行われるようになっている。
【0019】
オットマン14は、座部12に着座した使用者の脚部(脹脛部)を挿入配置可能な脚部側オットマン14aと、使用者の足部を載せて支持する足部側オットマン14bとで構成され、脚部側オットマン14aが前記座部12の前部に傾動可能に設けられ、脚部側オットマン14aの前部に前記足部側オットマン14bが傾動可能に設けられている。尚、これらオットマン14a,14bは、例えばポリプロピレン等の硬質な成型品からなる本体ケース17を図示しないカバーで覆われて構成されている。
【0020】
また、本実施形態のマッサージ椅子10の脚部側オットマン14aには、空気を利用して使用者に対して施療を行うエアマッサージ機20としての機能が備えられている。エアマッサージ機20は、図1又は図2に示すように、椅子型のマッサージ椅子10の脚部11内に設けられたエア給排装置21と、このエア給排装置21と図示しない給排気ホースにより接続されるとともにマッサージ椅子10の脚部側オットマン14aの本体ケース17に配置される第1エアバッグ23,24とから構成されている。
【0021】
エアマッサージ機20を構成する第1エアバッグ23,24は、図2に示すように、脚部側オットマン14aの本体ケース17に形成される左右一対の収容溝部25に沿って、設けられ、使用者の脚部(脹脛部)を左右方向から挟み込むことが可能となっている。
【0022】
第1エアバッグ23,24は、図2〜図4に示すように給排気ホースと接続される接続口30と、その接続口30から流入及び流出する空気を通す流路31とを備え、前記エア給排装置21からの空気を前記接続口30及び流路31を介し、第1エアバッグ23,24のそれぞれに設けられる膨縮動作可能な膨縮部23a,24aまで供給されるようになっている。
【0023】
また第1エアバッグ23,24には、その内部空間を区切ってエア給排装置21からの空気の給排気によって膨縮動作可能な前記膨縮部23a,24aと、エア給排装置21からの空気の給排気が不能とされて膨縮動作不能な非膨縮部23b,24bとなるように区切る区切り部32が設けられている。尚、第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bは本体ケース17の外表面(側壁)17aに配置されている。
【0024】
第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aには、使用者の脚部を押圧する押圧部位Xの変位を増大させるべくその周囲に蛇腹部35が設けられる。また、第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bにも、同様にその表面に蛇腹形状の蛇腹部35が設けられている。この蛇腹部35は、図5に示すようにエアバッグ23,24の膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bの前面36及び後面37の両面に設けられている。また、前面36及び後面37に設けられる蛇腹部35は、前面36側の凹部36a及び凸部36bと、後面37側の凹部37a及び凸部37bとで構成されており、それぞれの凹部36a,37aとそれぞれの凸部36b,37bとが交互に配置されるようになっている。また、蛇腹部35は、前面36側の凹部36aの位置の後面37側が後面37側の凸部37bが位置するように、前面36側の凸部36bの位置の後面37側が後面37側の凹部37aが位置するように形成されている。そのため、エアバッグ23,24成形段階において前面36側の凹部36a及び凸部36bが後面37側の凸部37b及び凹部37aと当接しにくくなっており、成形段階における成形ミスを抑えることができる。
【0025】
尚、第1エアバッグ23,24は、その膨縮部23a,24a、非膨縮部23b,24b及び蛇腹部35が所謂ブロー成形(袋状に膨らませつつ成形型にて成形)にて一体的に構成されているため、膨縮部23a,24a、非膨縮部23b,24b及び蛇腹部35を別工程で成形するといった工程数の増加を抑えることができ、加工コストも抑えられている。
【0026】
上記の構成にて、エアマッサージ機20は、エア給排装置21からの空気の給排によりエアバッグ23,24の膨縮部23a,24aを膨縮動作させ、マッサージ椅子10に着座した使用者の脚部(脹脛部)等を挟み込んで押圧してマッサージを施すようになっている。
【0027】
また、エアマッサージ機20を構成するエアバッグ23,24には、その内部空間が区切られて膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bとなるように区切り部32が設けられている。そして膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bにてエアマッサージ機20を構成するオットマン14aの本体ケース17の外表面17aが覆うとともに、膨縮部23a,24aが膨縮動作される。そのため、膨縮部23a,24aの膨縮動作にて使用者の身体(脚部)の狙った位置である脹脛部をマッサージして従来の装置と同様のマッサージ効果を維持しつつ、膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bにて使用者の脚部(身体)と本体ケース17とが接触することが抑制されている。また、第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aの表面(前面36及び後面37)に蛇腹部35を形成したため、エア給排装置21による空気供給時に、オットマン14の幅方向に膨張しやすくなり、好適に使用者の脚部を押圧することが可能となる。
【0028】
また、非膨縮部23b、24bには、膨縮部23a,24a同様に蛇腹形状の蛇腹部35が設けられることで、断面係数が大きくなり、非膨縮部23b,24bを変形しにくい構成とすることができ、非膨縮部23b,24bをより好適なスペーサとして使用することができる。
【0029】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)エアバッグ23,24には、エア給排装置21による空気の給排気が行われて膨縮動作可能な膨縮部23a,24aと、エア給排装置21による空気の給排気が不能な非膨縮部23b,24bとに区切るべく、エアバッグ23,24の内部空間を区切る区切り部32が備えられる。これにより、エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aによって狙った位置のマッサージを行いつつ、例えば本体ケース17の外表面17aを非膨縮部23b,24bにて覆うことが可能となるため、膨縮部23a,24aによってマッサージ効果を維持しつつ、膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bにて使用者の身体が本体ケース17と接触することを抑えることも可能となる。
【0030】
(2)エアバッグ23,24の押圧部位Xの周囲に蛇腹部35を設けたことで、押圧部位Xが膨張しやすくなり、使用者の脚部を挟み込んで押圧し、効果的なマッサージを施すことができる。
【0031】
(3)第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aには、押圧部位Xの変位を増大させるべくその周囲に蛇腹部35が設けられるものであり、非膨縮部23b,24bにおいても同様の蛇腹部35が設けられる。つまり、非膨縮部23b,24bを膨縮部23a,24a同様に蛇腹形状の蛇腹部35を設けることで、断面係数が大きくなり、非膨縮部23b,24bを変形しにくい構成とすることができ、非膨縮部23b,24bをより好適なスペーサとして使用することができる。
【0032】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図6,図7に従って説明する。尚、第1実施形態と同じ部材については同じ符号を付して図面及び説明の全て又は一部を割愛する。
【0033】
図1に本実施形態のマッサージ椅子10の第1エアバッグ23,24の内側(マッサージ時において使用者の脚部側)には、図6及び図7に示すように、第1エアバッグ23,24に沿って第2エアバッグ40,41が設けられている。この第2エアバッグ40,41は、前記エア給排装置21と図示しない給排気ホースによって接続される接続口42と、その接続口42から流入及び流出する空気を通す流路43とを備え、第2エアバッグ40,41のそれぞれに設けられる膨縮動作可能な膨縮部40a,41aまで供給されるようになっている。
【0034】
また、第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aには第1エアバッグ23,24同様にその表面(前面44及び後面45)に蛇腹形状の蛇腹部46(図6中、第2エアバッグ40,41のそれぞれに1つずつ図示)が設けられている。
【0035】
上記のように構成されたエアマッサージ機20は、エア給排装置21からの空気の給排により第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aと、第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aを膨縮動作させ、マッサージ椅子10に着座した使用者の脚部(脹脛部)等を挟み込んで押圧してマッサージを施すようになっている。尚、第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aには、第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aと同様に押圧部位Xの周囲に、押圧部位Xの変位を大きくするべく蛇腹部35が形成されている。
【0036】
また、エアバッグ23,24,40,41は、膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bを備えた第1エアバッグ23,24と、膨縮部40a,41aを備えた第2エアバッグ40,41とで構成され、第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bに第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aが重ねて配置されている。そのため、第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bがスペーサの役割となり、第2エアバッグ40,41による使用者の身体(脚部)の押圧力を大きくすることができる。また、所定押圧力になると第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bが変形するため、使用者に対して過度の押圧力を与えることが抑制される。
【0037】
また、第2エアバッグ40,41は、第1エアバッグ23,24よりも使用者側(収容溝部)に配置されている。このため、第2エアバッグ40,41が第1エアバッグよりも使用者側に配置されることで、第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aによる膨縮動作にて第1エアバッグ23,24が押し出されることが抑制されるため、第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aの膨縮動作によるマッサージに影響を与えることが抑えられる。
【0038】
また、エアバッグの非膨縮部23b,24bは、その表面(前面44及び後面45)が蛇腹形状となる蛇腹部46が形成されている。このような構成とすることで、非膨縮部23b,24bの断面係数が大きくなり、変形しにくい構成とすることができ、非膨縮部23b,24bをより好適なスペーサとして使用することができる。これにより、第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aの膨縮動作を安定して行うことが可能となる。
【0039】
以上記述したように、本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(1)エアバッグ23,24,40,41は、膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bが区切られた第1エアバッグ23,24として構成され、その第1エアバッグ23,24に加えて膨縮部40a,41aを備えた第2エアバッグ40,41が用いられ、第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bに第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aが重ねて配置される。これにより、第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bがスペーサの役割となり、第2エアバッグ40,41による使用者の身体(脚部)の押圧力を大きくすることができる。また、所定押圧力になると第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bが変形するため、使用者に対して過度の押圧力を与えることが抑制される。
【0040】
(2)また、第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b、24bには、蛇腹部35が形成され、その非膨縮部23b,24bと第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aとが重ねて配置されるため、第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aの膨張時に、その膨張動作を安定して行うことが可能となる。
【0041】
(3)第2エアバッグ40,41は、第1エアバッグ23,24よりも使用者側(内側)に配置される。このように、第2エアバッグ40,41が第1エアバッグよりも使用者側に配置されることで、第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aによる膨縮動作にて第1エアバッグ23,24が押し出されることが抑制されるため、第1エアバッグ23,24の膨縮部23a,24aの膨縮動作によるマッサージに影響を与えることが抑えられる。
【0042】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、蛇腹部35を前面36側の凹部36a及び凸部36bと、後面37側の凹部37a及び凸部37bとで構成したが、前面36側の凹部36a及び凸部36b、若しくは後面37側の凹部37a及び凸部37bの少なくとも一方で構成してもよい。また、第2実施形態の蛇腹部46についても同様である。また、各エアバッグ23,24,40,41の前面36,44及び後面37,45に蛇腹部35,46の数や形成位置を任意に変更してもよく、また、第1エアバッグ23,24及び第2エアバッグ40,41のいずれか一方のみに蛇腹部35,46を設ける構成や、膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bのいずれか一方にのみに蛇腹部35を設ける構成、更には蛇腹部35,46を省略した構成を採用してもよい。
【0043】
・上記第2実施形態では、第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bの内側に第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aを配置する構成としたが、これに限らず、第2エアバッグ40,41の膨縮部40a,41aの内側に第1エアバッグ23,24の非膨縮部23b,24bを配置する構成を採用してもよい。
【0044】
・上記第2実施形態では、第1エアバッグ23,24の内側に第2エアバッグ40,41を配置する構成としたが、これに限らず、第2エアバッグ40,41の内側に第1エアバッグ23,24を配置する構成を採用してもよい。また、第2エアバッグ40,41に非膨縮部を設けてもよい。また、第2エアバッグ40,41を省略した構成を採用してもよい。
【0045】
・上記各実施形態では、所謂ブロー成形にて第1エアバッグ23,24を成形したが、その他の成形方法にて第1エアバッグ23,24を成形してもよい。例えば、膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bを別体で形成し、膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bを溶着して一体的に成形してもよい。また、特に言及していないが、第2エアバッグ40,41は、ブロー成形やその他の成形方法を用いてよい。
【0046】
・上記各実施形態では、エアバッグ23,24,40,41を脚部側オットマン14aの収容溝部25に配置する構成としたが、その他の場所に更にエアバッグを増設してもよい。
【0047】
・上記各実施形態では、背もたれ部13にマッサージ機構16を有したマッサージ椅子10に、エアバッグ23,24,40,41によるエアマッサージ機20を設ける構成としたが、その他のタイプのマッサージ機にエアバッグ23,24,40,41によるエアマッサージ機20を設ける構成を採用してもよい。また、オットマン14単体にエアマッサージ機20を設ける構成を採用してもよい。
【0048】
・上記各実施形態では、マッサージ椅子10の背もたれ部13にマッサージ機構16を設けたが、マッサージ機構16を省略した構成を採用してもよい。
・上記各実施形態では、脚部側オットマン14aを傾動可能としたが、傾動不能、つまり固定する構成であってもよい。また、足部側オットマン14bを傾動可能としたが、傾動不能、つまり固定する構成であってもよい。
【0049】
・上記各実施形態では、オットマン14の収容溝部25に配置される第1エアバッグ23,24に適用したが、これ以外の位置にエアバッグを設け、そのエアバッグに、膨縮部23a,24a及び非膨縮部23b,24bに区切る区切り部32を設けるといった上記各実施形態を適用してもよい。
【0050】
・上記各実施形態では、肘掛け部15を設ける構成としたが、肘掛け部15を省略した構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…マッサージ椅子、12…座部、14,14a,14b…オットマン、17…本体ケース、17a…外表面、20…エアマッサージ機、21…エア給排装置、23,24…第1エアバッグ、23a,24a,40a,41a…膨縮部、23b,24b…非膨縮部、32…区切り部、35,46…蛇腹部、40,41…第2エアバッグ、X…押圧部位。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア給排装置による空気の給排気によって膨縮動作可能なエアバッグを本体ケースの外表面に備え、
前記エアバッグを膨縮動作させて使用者にマッサージを行うエアマッサージ機であって、
前記エアバッグは、前記エア給排装置による空気の給排気が行われて膨縮動作可能な膨縮部と、前記エア給排装置による空気の給排気が不能な非膨縮部とに区切るべく、前記エアバッグの内部空間を区切る区切り部を備えたことを特徴とするエアマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のエアマッサージ機において、
前記エアバッグは、前記膨縮部及び非膨縮部が区切られた第1エアバッグとして構成され、その第1エアバッグに加えて膨縮部を備えた第2エアバッグが用いられ、
前記第1エアバッグの非膨縮部に前記第2エアバッグの膨縮部が重ねて配置されたことを特徴とするエアマッサージ機。
【請求項3】
請求項2に記載のエアマッサージ機において、
前記第2エアバッグは、前記第1エアバッグよりも前記使用者側に配置されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のエアマッサージ機において、
前記第1エアバッグの膨縮部には、押圧部位の変位を増大させるべくその周囲に蛇腹部が設けられるものであり、前記非膨縮部においても同様の蛇腹部が設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
使用者が着座可能な座部の前部にオットマンが設けられ、該オットマンには、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエアマッサージ機が備えられて構成されることを特徴とするマッサージ椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−172478(P2010−172478A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18025(P2009−18025)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】