説明

エアロゲル含有複合材を製造する方法及びその方法により製造される複合材

本発明は、鉱物繊維、エアロゲル及び結合剤を含有する絶縁複合材を製造する方法に関する。この方法は、繊維織布及びエアロゲルを空気流に浮遊させることによって繊維織布を解きほぐす工程、並びに、繊維とエアロゲルと、最終的には結合剤とを均質に混合する工程を含む。記載される装置は、繊維を紡績する工程、これらを織布として収集する工程、繊維織布を空気に浮遊させて解きほぐす工程、繊維をエアロゲル及び結合剤と混合する工程、並びに。混合物を圧縮及び硬化することによって、密度が150〜800kg/mの凝固製品にする工程を組み合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゲル含有複合材を製造する方法及びその方法により製造される新規エアロゲル含有複合材に関する。本発明は、また、本発明の方法を実施するのに適した装置に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁材料として使用されるエアロゲル含有複合材を提供することが、以前から試みられてきた。例えば、特許文献1は、エアロゲル材料の複合材、並びに繊維を0.1〜40容量%の量で準備する工程、0.5mm未満の平均粒子直径を有するエアロゲル粒状材料を5〜97容量%で準備する工程、樹脂結合剤を準備する工程、成分を混合する工程及び材料を高温圧縮に付して成分を凝固する工程を含む、エアロゲル含有複合材を製造する方法に関する。この従来技術の文書は、主に、エアロゲルの低い伝導性及び低い誘電率を利用する電子的な目的のエアロゲル複合材に関する。この特定の適用において、0.01〜2mmのような薄層が必要であり、これはエアロゲル粒子の大きさが複合材の機械的特性に影響を及ぼすことを意味し、そこでこの従来技術の焦点は、非常に小さな直径を有するエアロゲル粒状材料を使用することである。複合材の多様な成分を混合するのに使用された方法及びこれが最終製品の特性にどのように影響を与えたかに関してこの明細書には情報が提供されていない。特に、当業者は開示された情報に基づいて均質複合材を得ることができない。
【0003】
別の例を特許文献2において見出すことができ、これも、エアロゲル材料の複合材、並びに繊維を0.1〜40容量%の量で準備する工程、少なくとも0.5mmの平均粒子直径を有するエアロゲル粒状材料を5〜97容量%で準備する工程、樹脂結合剤を準備する工程、成分を混合する工程及び材料を高温圧縮に付して成分を凝固する工程を含む、エアロゲルの複合材を製造する方法に関する。得られる複合材は、良好な断熱性及び空気伝送音に対する良好な遮音性を有すると主張されている。しかし、この文書は、複合材の成分を混合するのに使用された方法及びこれが複合材の特性にどのように影響を与えたかに関して情報を提供していない。これは、この複合材においてどのように高いレベルの均質性を達成するかについて当業者に教示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許公報 WO97/10187号
【特許文献2】米国特許公開公報 2003/0077438号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以前のエアロゲル含有複合材及びその製造方法の主な問題の1つは、複合材の凝集性及び機械的強度の欠如である。
【0006】
したがって、高い機械的強度を有するエアロゲル含有複合材及び複合材を製造する方法を提供することが、本発明の目的である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、繊維を分離し、原材料を混合する装置の概略図である。
【図2】図2は、更なる解きほぐし装置の概略図である。
【図3】図3は、試験的な実施により作製した本発明の複合材パネルの写真である。
【図4】図4は、本発明のエアロゲル含有複合材の試料の顕微鏡写真である。
【図5】図5は、本発明のエアロゲル含有複合材の試料の顕微鏡写真である。
【図6】図6は、本発明のエアロゲル含有複合材の試料の顕微鏡写真である。
【図7】図7は、本発明以外の混合方法を使用して製造された複合材の写真である。
【図8】図8は、本発明以外の混合方法を使用して製造された更なる複合材の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明によると、この目的は、エアロゲル含有複合材を製造する方法であって、
出発材料の総重量の24〜80重量%の量で鉱物繊維を準備する工程、
出発材料の総重量の10〜75重量%の量でエアロゲル粒状材料を準備する工程、
出発材料の総重量の1〜30重量%の量で結合剤を準備する工程、
繊維を一次空気流に浮遊させる工程、
エアロゲル粒状材料を一次空気流に浮遊させることによって、浮遊エアロゲル粒状材料と浮遊繊維とを混合する工程、
繊維とエアロゲル粒状材料との混合工程の前、間又は後に、結合剤を、鉱物繊維及び/又はエアロゲル粒状材料と混合する工程、
鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤の混合物を収集する工程、及び、
混合物を圧縮及び硬化することによって、150kg/m〜800kg/mのような120kg/m〜800kg/mの密度の凝固複合材を提供する工程
を含む方法によって達成される。
【0009】
この方法を使用して、新規エアロゲル含有複合材を製造することができる。
【0010】
ある特定の新規複合材は、
出発材料の総重量の24〜80重量%の量の繊維と、
出発材料の総重量の10〜75重量%の量のエアロゲル粒状材料と、
出発材料の総重量の1〜30重量%の量の結合剤と
を含み、
ここで複合材は、実質的に均質であり、150kg/m〜800kg/mのような120kg/m〜800kg/mの密度に硬化及び圧縮される。
【0011】
記述された率は、出発材料の乾燥重量に基づいている。
【0012】
上記に定義された本発明の方法により、エアロゲル含有複合材の非常に汎用的で費用効率の高い製造方法が達成される。例えば機械的強度、断熱性能などに関する広範囲の特性を、それぞれの成分の量を変えることにより生じることができる。これは、同じ方法によって、特別な目的に合わせて作製される多様な異なる複合材を作製できることを意味する。
【0013】
更に、繊維とエアロゲル粒状材料を空気流において浮遊物として混合することは、とりわけこれらの材料の空気力学的特性における顕著な差を考慮すると、驚くべきことに、均質の複合材をもたらすことが見出された。複合材におけるこの高レベルの均質性は、一般に、成分の量の所定の組み合わせによる従来技術の複合材と比べて増加したレベルの機械的強度をもたらす。製品の均質性の増加は、単一製品の全体にわたって美観及び特性の一貫性のような他の利点も有する。
【0014】
本発明者たちは、本発明において、空気流に浮遊しているときにエアロゲル粒状材料と鉱物繊維を混合することによって、エアロゲル粒状材料が、存在する繊維の房に浸透するのを可能にすると考える。対照的に、混合過程が、例えば撹拌機と繊維との物理的な接触を伴う場合、繊維は、エアロゲル粒状材料が容易に浸透することができない凝縮ボールを形成する傾向がある。この結果、このことは、混合過程が物理的接触を伴う場合、最終製品はエアロゲル及び繊維が別々の区画に目に見えるように分かれている領域を含有するということになりうる。
【0015】
本発明の複合材は、均質性がもたらされたことによって、木材と同様に機械加工可能でありうることも見出された。「機械加工可能」とは、鋸及び形削り盤、例えば溝切り機、表面フライスなどの通常の木材成形機械により、複合材を機械加工できることであると理解される。
【0016】
本発明の方法により製造される材料は、主に建築用の材料として多様な用途を有する。特に、製品はパネルの形態でありうる。一般に、製品は、機械的安定性及び均一な表面仕上、並びに絶縁性が重要である用途に使用される。幾つかの用途において、パネルを吸音天井又は壁パネルとして使用することができる。他の用途において、パネルを建築物の絶縁性外側被覆材として使用することができる。
【0017】
好ましくは、複合材はパネルの形態である。好ましくは、パネルの厚さは4〜25mmである。幾つかの実施態様において、とりわけパネルが建物の被覆材として使用される場合、パネルの厚さは、好ましくは4〜12mm、より好ましくは5〜10mm、最も好ましくは6〜8mmである。代替的な実施態様において、とりわけパネルが壁又は天井の絶縁パネルとして使用される場合、パネルの厚さは、好ましくは12〜25mm、より好ましくは15〜23mm、最も好ましくは18〜21mmである。
【0018】
「エアロゲル」は、より広い意味で使用されるとき、分散媒として空気を有するゲルを意味する。しかし広範囲の記載の範囲内では、3種類のエアロゲルが存在し、これらが乾燥する条件に従って分類される。
【0019】
これらの材料は、非常に高い表面積及び高い多孔性によって、優れた絶縁特性を有することが知られている。これらは、流動性ゾルゲル溶液をゲル化し、次に、ゲルの孔を破壊しない方法でゲルから液体を除去することによって製造される。
【0020】
湿潤ゲルが液体の臨界点を超えて乾燥される場合、毛管圧は存在せず、したがって、液体が除去されるときの収縮が比較的少ない。そのような方法による製品は、極めて高度に多孔質であり、エアロゲルとして知られており、この用語は狭い意味で使用される。一方、ゲルを臨界未満の条件の蒸発により乾燥すると、得られる製品はキセロゲルである。キセロゲルの製造において、この材料は、通常、非常に小さな孔径と組み合わされた非常に高い多孔性及び大きな表面積を保持する。語句のより広い意味において、エアロゲルは、凍結乾燥法により乾燥された乾燥ゲル製品も包含する。これらの製品は、一般にクリオゲルと呼ばれる。
【0021】
「分散媒として空気を有するゲル」のより広い意味において、用語「エアロゲル」は、より狭い意味のエアロゲル、キシロゲル及びクリオゲルをそれぞれ包含する。本明細書で使用されるとき、用語「エアロゲル」は、分散媒として空気を有するゲルの広い意味におけるエアロゲルを意味する。
【0022】
好ましくは、本発明に使用されるエアロゲルは超臨界条件下で乾燥されており、すなわち、上記に記載されている「狭い意味の」エアロゲルである。
【0023】
本発明に使用されるエアロゲルは粒状形態である。好ましい実施態様において、エアロゲルの粒子は、0.2〜5mmの平均直径を有する。より好ましくは、エアロゲル粒状材料の粒子の平均直径は0.3〜4mmであり、最も好ましくは、エアロゲル粒状材料の粒子の平均直径は0.7〜1.2mmである。これらの粒径は、重量平均で測定され、最終複合材に存在するものではなく、むしろ出発材料の粒径を意味する。
【0024】
本発明の方法の際には、幾つかの実施態様において、エアロゲルの平均粒径は、方法の使用される工程の結果として低減されうる。
【0025】
エアロゲル粒状材料は任意の種類のエアロゲルでありうる。特に、エアロゲルは有機又は無機でありうる。耐火性を考慮すると、無機エアロゲルが通常好ましい。有機エアロゲルには、炭素エアロゲル及びポリマーエアロゲルが含まれる。有機エアロゲルは、一般により低価格であり、より良好な絶縁性を有する。好ましい無機エアロゲルは、金属酸化物に基づいている。特に好ましい材料は、シリカ、カーバイド及びアルミナである。Cabot Internationalからの「Nanogel(登録商標)Fine Particle Aerogel」のようなシリカエアロゲルが最も好ましい。
【0026】
エアロゲル粒状材料は、典型的には0.01g/cm〜0.3g/cmの低い密度を有する。エアロゲル粒状材料の熱伝導率は、好ましくは5〜20mW/mK、より好ましくは7〜16mW/mK、最も好ましくは9〜12mW/mKである。
【0027】
本発明の方法に使用され、複合材に存在する鉱物繊維の正確な量は、多量の繊維は複合材の強度を増加するが、断熱値を減少するので、適切な用途に応じて適切な強度及び適切な断熱値を維持するように選択される。このことは、下限の24重量%が、強度があまり重要ではない場合、一部の複合材に有利でありうる並はずれて良好な断熱性及び妥当なだけの強度を有する複合材をもたらすことを意味する。複合材の強度が特に重要な場合、繊維の量を上限の80重量%に増加することができるが、これは、妥当なだけの断熱性をもたらす。大部分の用途では、適切な組成には、30〜70重量%又は40〜70重量%の繊維量が含まれる。最も一般的には、繊維の適切な量は50〜60重量%である。
【0028】
同様に、使用されるエアロゲル粒状材料の量は、多量のエアロゲル粒状材料は複合材の強度を減少するが、断熱値を増加するので、適切な強度と断熱値の両方を提供するように選択される。このことは、下限の10重量%のエアロゲル粒状材料が、強度が非常に重要である場合、一部の複合材に有利でありうる優れた強度を有するが、並の断熱性を有する複合材をもたらすことを意味する。複合材の断熱値が重要な場合、エアロゲル粒状材料の量を上限の75重量%に増加することができるが、これは並の強度をもたらす。大部分の用途では、適切な組成には、30〜60重量%、35〜55重量%又は最も典型的には40〜50重量%のエアロゲル粒状材料の量が含まれる。
【0029】
結合剤の量も、望ましい強度及び費用+火に対する反応及び断熱値のような特性に基づいて選択される。下限の1重量%は、強度の低い複合材をもたらすが、これは一部の用途には妥当であり、比較的低価格であり、潜在的に良好な断熱性があるという利点を有する。高い機械的強度が必要な用途では、上限の30重量%までのようなより多い量の結合剤が使用されるべきであるが、これは得られる製品の価格を上昇させ、更に、火に対する反応は、結合剤の選択によっては多くの場合にあまり好ましくない。
【0030】
結合剤はエアロゲル粒子に連結していないと考えられる。代わりに、繊維だけが結合剤により連結しており、エアロゲル粒子は、結合剤を硬化した後に複合材の繊維の間に閉じ込められると考えられる。エアロゲル粒子の間接的な機械的保持の利点には、得られる複合材の機械的強度が比較的脆いエアロゲル粒子により損なわれないことが含まれる。更に、エアロゲル粒子の絶縁性は、結合剤がエアロゲル粒子の表面に連結している場合のように、結合剤によって損なわれることがない。更に、小さなエアロゲル粒子は、その大きな表面積によって多くの結合剤を消費する。繊維とエアロゲルとの連結ではなく、結合剤による繊維と他の繊維との連結は、エアロゲル粒子が疎水性であり、高度に非極性である及び使用される結合剤がノボラック乾燥結合剤のような極性結合剤である実施態様において特に広く存在する。特にこれらの実施態様において、結合剤は繊維の表面に結合するが、エアロゲル粒状材料の表面には結合しない。
【0031】
複合材の繊維の間に閉じ込められているエアロゲル粒子の更なる利点は、これが複合材ボードを一緒に接着するのを可能にすることである。純粋なエアロゲルボードは、エアロゲルの疎水性及び高度に非極性の性質のために、一緒に接着することが非常に困難である。繊維構造に閉じ込められたエアロゲル粒子を有することによって、複合材ボードを一緒に接着することが可能であり、これは、繊維構造への接着結合に起因すると考えられる。
【0032】
本発明により使用される鉱物繊維(人造ガラス繊維又はMMVFとしても知られている)は、ガラス繊維、セラミック繊維又は岩石繊維を含む任意の鉱物繊維でありうるが、好ましくは岩石繊維が使用される。岩綿繊維は、一般に、少なくとも3%の酸化鉄及び10〜40%のアルカリ土類金属(酸化カルシウム及び酸化マグネシウム)の含有量を、鉱物綿の他の通常の酸化物構成成分と共に有する。これらは、シリカ;アルミナ;アルカリ金属(酸化ナトリウム及び酸化カリウム)であり、これらは通常低量で存在し、チタニア及び他の微量酸化物も含まれうる。繊維の直径は、従来のとおりに、多くの場合に3〜20ミクロン、特に5〜10ミクロンである。
【0033】
一つの実施態様において、鉱物繊維は、出発材料の総重量の好ましくは20%まで、より好ましくは15%まで、最も好ましくは10%までの量のガラス繊維を含む。残りの鉱物繊維は好ましくは岩石繊維である。ガラス繊維は、好ましくは10mm〜50mm、より好ましくは15mm〜40mm、最も好ましくは20mm〜30mmの長さを有する。これらのガラス繊維は、複合材を補強するように機能する。
【0034】
好ましくは、鉱物繊維及びエアロゲル粒状材料は、出発材料の総重量の少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、最も好ましくは少なくとも70%を一緒に形成する。
【0035】
好ましくは、鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料は、出発材料の総重量の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは実質的に全てを一緒に構成する。
【0036】
一つの実施態様において、繊維は収集織布の形態で提供され、方法は、繊維の収集織布を解きほぐし工程に付す工程を更に含む。解きほぐされた繊維は、次に一次空気流に浮遊される。
【0037】
本明細書で使用されるとき、用語「収集織布」は、表面に一緒に収集された任意の鉱物繊維を含むことが意図され、すなわちこれらはもはや空気により飛沫同伴されておらず、例えば顆粒、房又は再循環織布廃棄物である。
【0038】
収集織布は、コンベアベルト上へ繊維の収集により形成され、重ね継ぎ、そうでなければ凝固することなく出発材料として提供される一次織布でありうる。あるいは、収集織布は、一次織布を重ね継ぎ、そうでなければ凝固して形成された二次織布でありうる。好ましくは、収集織布は一次織布である。
【0039】
供給機構を、織布に供給するために備えることができる。供給機構は、駆動供給ローラーのセットを含むことができる。例えば、織布を解きほぐし工程に制御前進する供給ローラーにより駆動される供給ローラーの間に織布を挟むことができる。
【0040】
一つの実施態様において、解きほぐし工程は、低い相対空気流のダクトから高い相対空気流のダクトへ鉱物繊維の織布を供給することを含む。この実施態様において、最初に高い相対空気流のダクトに入った繊維が織布の次の繊維から引き離されるので、解きほぐしが生じると考えられる。この種類の解きほぐしは、エアロゲル粒状材料により浸透されうる開繊房を生じるのに特に有効である。
【0041】
好ましくは、高い相対空気流の速度は、20m/s〜150m/s又は30m/s〜120m/sである。より好ましくは、40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sである。高い相対空気流は一次空気流と別でありうるが、より一般的には、一次空気流を供給する。
【0042】
好ましくは、低い相対空気流と高い相対空気流の速度の差は、少なくとも20m/s、より好ましくは少なくとも40m/s、最も好ましくは少なくとも50m/sである。
【0043】
本明細書で使用されるとき、用語「空気流」は、地球の大気に存在する割合のガスを含む空気流のみならず、任意の適切な割合の任意の適切なガス流も含むように、広義に理解されるべきである。
【0044】
特に好ましい実施態様によると、解きほぐし工程は、縦軸周りに回転し、外周表面から突出しているスパイクを有する少なくとも1つのローラーに収集織布を供給する工程を含む。この実施態様において、回転ローラーは、一般的に、少なくとも部分的には高い相対空気流にも寄与する。多くの場合、ローラーの回転は、高い相対空気流の唯一の供給源である。
【0045】
幾つかの実施態様において、少なくとも2つのローラーが存在する。これらのローラーは同時又は連続的に稼働することができる。
【0046】
ローラーは、任意の適切な大きさでありうるが、好ましい実施態様では、ローラーは、スパイクの最外点に基づいて20cm〜80cm、より好ましくは30cm〜70cmの直径を有する。さらにより好ましくは、直径は40cm〜60cm、最も好ましくは45cm〜55cmである。
【0047】
ローラーは、任意の適切な速度で回転することができる。大部分の実施態様では、ローラーの適切な回転速度は、500rpm〜5000rpm、好ましくは1000rpm〜4000rpm、より好ましくは1500rpm〜3500rpm、最も好ましくは2000rpm〜3000rpmである。
【0048】
ローラーの寸法及び回転速度は、ローラーの外周に所定の速度をもたらすように選択することができる。一般に、高速はより効果的な解きほぐし工程をもたらすが、これは、使用される鉱物繊維の織布の種類及びローラーの正確な形態によって左右される。大部分の実施態様において、ローラーのスパイクの最外点が、20m/s〜150m/s、好ましくは30m/s〜120m/s、より好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sの速度で動くことが適している。
【0049】
スパイクは、摩滅に対する最適な耐性のためにローラーに永久に固定されうる。例えば、スパイクをローラーの外周に配置されためくら穴に接着又は溶接することによって、スパイクを固定することができる。あるいは、スパイクは交換可能でありうる。これは、例えば、円筒壁に貫通孔を有する中空円筒であるローラーによって達成することができる。次にスパイクは、例えば、頭部を有することができ、貫通孔の内側から穴を通って挿入することができる。これによってスパイクを、破損又は摩耗した場合に交換することができる。更に、交換可能なスパイクを有することによって、スパイクのパターンを変えることが可能である。これによって、解きほぐされる異なる種類の材料、例えば、ばら鉱物綿繊維又は液体結合剤が含浸した鉱物綿繊維の収集織布のパターンに最適化することが可能である。
【0050】
ローラーは、好ましくは、実質的に円筒状チャンバ内に位置する。チャンバは入口ダクトを有し、その中を通って鉱物繊維及び場合によりエアロゲル粒状材料及び結合剤がローラーに供給される。チャンバは出口も有し、その中を通って解きほぐされた鉱物繊維及び場合によりエアロゲル粒状材料及び結合剤が排出される。好ましくは、これらは、出口を通る一次空気流により排出される。
【0051】
好ましい実施態様において、鉱物繊維及び場合により結合剤及びエアロゲル粒状材料は、上方からローラーに供給される。解きほぐされた鉱物繊維及び場合により結合剤及びエアロゲル粒状材料が、ローラーの外周の下部からローラーの横方向に放出されることも好ましい。最も好ましい実施態様において、鉱物繊維は、放出される前にローラーによりおよそ180°で運ばれる。
【0052】
ローラーは、好ましくはチャンバの大部分を占める。好ましくは、スパイクの先端は、実質的に円筒状のチャンバの湾曲壁から10cm未満、より好ましくは7cm未満、最も好ましくは4cm未満のところにある。このことは、ローラーにより作り出された空気流が、空気流及びスパイクそれ自体によりも大きく、より全体的な繊維の解きほぐしであることをもたらす。
【0053】
好ましくは、鉱物繊維は上方からローラーに供給される。
【0054】
解きほぐされた繊維は、一般に、一次空気流によりローラーから放出される。幾つかの実施態様において、ローラーは一次空気流に寄与する。別の実施態様において、ローラーは一次空気流の唯一の供給源である。
【0055】
エアロゲル粒状材料を任意の適切な方法により一次空気流で運ぶことができる。
【0056】
一つの実施態様では、解きほぐし工程が使用され、エアロゲル粒状材料が、繊維解きほぐし工程の前に収集鉱物繊維織布に加えられ、解きほぐされた繊維と一緒に一次空気流に浮遊される。エアロゲル粒状材料のこの添加方法は、一般に、成分の最も効果的な混合を促進する。この実施態様において、エアロゲル粒状材料を、収集鉱物繊維織布及び場合により結合剤と任意の適切な方法により予備混合することができる。
【0057】
あるいは、エアロゲル粒状材料を、支流の空気流に浮遊させて一次空気流にまで運ぶことができる。補助空気流は一次空気流と合わされ、それによってエアロゲル粒状材料と繊維を混合する。
【0058】
幾つかの実施態様において、繊維解きほぐし工程を使用することは必要ではない。一つの実施態様において、鉱物繊維は、繊維形成工程からの直接の空気流に飛沫同伴された繊維として提供される。これによって、形成過程の空気に飛沫同伴された(例えば、紡績機から放出された)繊維は、表面に収集されるのではなく、空気中の浮遊物として一次空気流にまで輸送される。
【0059】
この実施態様において、エアロゲル粒状材料を一次空気流に直接供給することができる又は補助空気流に浮遊させて一次空気流にまで運ぶことができる。補助空気流は一次空気流と合わされ、それによってエアロゲル粒状材料を繊維と混合する。
【0060】
補助空気流が浮遊エアロゲル粒状材料を一次空気流にまで運ぶ場合、補助空気流の速度は、一般に一次空気流よりも遅い。典型的には、補助空気流は、1〜20m/s、好ましくは1〜13m/s、より好ましくは2〜9m/s、最も好ましくは3〜7m/sの速度を有する。
【0061】
本発明によると、繊維及びエアロゲル粒状材料は一次空気流に浮遊される。このことは、成分が密接に混合するのを可能にする。空気流の浮遊物として混合することの利点は、不要な粒子又は集塊をふるい分けできることである。そのような粒子は、例えば繊維の玉であり、集塊は、いわゆるチューインガムのような、繊維に正確に開放されなかったとりわけ重たい大きな綿の塊である。試験では、粒子と繊維の非常に異なる物理的及び空気力学的特性がこの種類の混合を不可能することが予測されていたので、空気流との混合は驚くほど良好に実施された。粒子と繊維の密度及び形状の差にもかかわらず、優れた混合が実施されることは注目に値する。エアロゲル粒子の密度は、140kg/mのオーダーであり、一方、例えば鉱物綿繊維は、2,500kg/mのオーダーの密度を有する。これは、空気流を使用する混合過程において重大な問題を引き起こすことが予測されうるが、驚くべきことにそうならない。
【0062】
一次空気流は、一般に乱流がないことはない。好ましい実施態様において、一次空気流に有意な乱流が存在し、そのことによってエアロゲル粒状材料と鉱物繊維との混合を促進する。本発明によると、一次空気流のその供給源での速度は、好ましくは20m/s〜150m/s、より好ましくは30m/s〜120m/s、さらにより好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sである。
【0063】
一次空気流は、好ましくは概して横方向の空気流である。エアロゲル粒状材料が補助空気流に浮遊されて一次空気流まで運ばれる実施態様において、一次空気流は、好ましくは概して横方向であり、補助空気流は概して上向きである。
【0064】
一次空気流は、好ましくは混合チャンバに入る。混合チャンバにおいて、一次空気流内の乱流は成分のより密接な混合を可能にする。
【0065】
繊維と粒状材料の全体的な混合を実施するために、混合チャンバにおけるエアロゲル粒状材料と繊維の平均滞留時間が少なくとも0.5秒、より好ましくは少なくとも2秒又はさらには少なくとも3秒であるように装置を配置することが好ましい。
【0066】
しかし、ガスに浮遊しているエアロゲル粒状材料と繊維の混合の有効性のために、通常、粒状材料と繊維の混合チャンバ内の平均滞留時間は、10秒を越える必要がない。より一般的には、平均滞留時間は7秒未満、最も一般的には、平均滞留時間は5秒未満である。
【0067】
使用される場合、混合チャンバ内の周囲温度は、一般的に20℃〜100℃、より一般的に30℃〜70℃である。温度は、外気温度、すなわち冬の冷気及び夏の熱気によって左右されうる。100℃までの高温を、混合チャンバにおいて結合剤の早期硬化を提供するために使用することができる。
【0068】
特定の実施態様において、結合剤は特定の条件下で乾燥、固まる又は硬化する材料である。便宜上、これら及び類似の過程を本明細書において「硬化」と呼ぶ。好ましくは、これらの「硬化」過程は、非可逆的であり、凝集複合材料をもたらす。
【0069】
無機はもとより有機の結合剤も用いることができる。有機結合剤が好ましい。更に、乾燥結合剤はもとより液状結合剤も使用することができる。結合剤材料の特定の例には、フェノールホルムアルデヒド結合剤、尿素ホルムアルデヒド結合剤、フェノール尿素ホルムアルデヒド結合剤、メラミンホルムアルデヒド結合剤、縮合樹脂、アクリレート及び他のラテックス組成物、エポキシポリマー、ケイ酸ナトリウム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリテトラフルオロエチレンポリマーのホットメルトなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
実施態様において、乾燥結合剤が使用される。任意の適切な乾燥結合剤を使用することができるが、フェノールホルムアルデヒド結合剤を使用することが好ましく、それはこの種類の結合剤が容易に入手可能であり、効率的であることが実証されているからである。幾つかの場合において混合が容易であり、更に器具を維持する必要性が低いので、乾燥結合剤を使用することが有利でありうる。更に、結合剤は比較的安定しており、貯蔵可能である。
【0071】
代替的な実施態様によると、液状結合剤が使用される。液状結合剤は、乾燥結合剤と比較して低価格であるという利点を有し、多くの場合、乾燥結合剤と比較して、液状結合剤を使用することにより結合剤の量を低減することが可能である。結合剤の量の低減は、更に、火に対する複合材のより良好な反応をもたらす。任意の適切な液状結合剤を使用することができるが、フェノールホルムアルデヒド結合剤を使用することが好ましく、それはこの種類の結合剤が容易に入手可能であり、効率的であることが実証されているからである。
【0072】
結合剤を、繊維とエアロゲル粒状材料との混合の前、間又は後に、鉱物繊維及び/又はエアロゲル粒状材料と混合することができる。幾つかの実施態様において、とりわけ結合剤が液状の場合、繊維をエアロゲル粒状材料と混合する前に、結合剤を繊維と混合することが好ましい。特に、繊維は、液状結合剤を含有する未硬化収集織布の形態でありうる。
【0073】
あるいは、液状結合剤を、繊維形成工程から直接の一次空気流に運ばれる、空気により飛沫同伴される繊維に噴霧することができる。
【0074】
乾燥結合剤が使用される場合、これを、例えば鉱物繊維の収集織布及び場合によりエアロゲル粒状材料と予備混合することができる。あるいは、それを一次空気流に別個に供給し、一次空気流において混合することができる。
【0075】
鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料は、一次空気流に浮遊しているとき、幾つかの実施態様では、一次空気流と異なる方向の更なる空気流に付される。このことは、一次空気流に更なる乱流を生じることを助け、これは混合を更に助ける。通常、一次空気流は概して横方向であり、更なる空気流は概して上向きである。幾つかの実施態様において、複数の更なる空気流が提供される。
【0076】
好ましくは、更なる空気流は、1〜20m/s、より好ましくは1〜13m/s、さらにより好ましくは2〜9m/s、最も好ましくは3〜7m/sの速度を有する。
【0077】
鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤の混合物は、任意の適切な手段により一次空気流から収集される。一つの実施態様において、一次空気流は、下端部が開放されているサイクロンチャンバの最上部に向けられ、混合物はサイクロンチャンバの下端部から収集される。
【0078】
代替的な実施態様において、一次空気流は、空気流が通過すると混合物を捕らえる有孔表面を通して向けられる。
【0079】
繊維が一次空気流に浮遊される前に解きほぐし工程がある実施態様において、鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤との混合物は、混合物が一次空気流に浮遊された後であるが、混合物が圧縮及び硬化される前に、好ましくは更なる繊維解きほぐし工程に付される。
【0080】
更なる解きほぐし工程は、前記に記載された解きほぐし工程の好ましい特徴のいずれかを有することができる。
【0081】
特に好ましい方法において、鉱物繊維と結合剤とエアロゲル粒状材料との混合物は、好ましくはサイクロンチャンバにおいて一次空気流から取り出されて、外周表面に突出しているスパイクを有する回転ローターに供給される。更なる解きほぐし手段のローラーは、収集織布が最初に供給されうるローラーに関して上記に記載された特徴のいずれかを有することができる。
【0082】
鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤との混合物は、好ましくは更なる解きほぐし工程から形成チャンバに放出される。
【0083】
更なる解きほぐし工程を受けてから、鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤との混合物は、収集、圧縮及び硬化される。好ましくは、混合物は、下方に位置する吸引手段を有する有孔コンベアベルトに収集される。
【0084】
本発明の好ましい方法において、収集された、エアロゲル粒状材料と結合剤と鉱物繊維の混合物は、硬化及び圧縮される前に剥ぎ取られる。
【0085】
方法をバッチプロセスで実施することができるが、実施態様によると、方法は、一次又は二次鉱物綿織布を繊維分離過程に供給する鉱物綿製造ラインで実施され、これは、広範囲の密度で好ましい機械的特性及び断熱性を有する複合材をもたらす、特に費用効率が高く汎用的な方法を提供する。
【0086】
特別な実施態様によると、方法は鉱物綿製造ラインにおけるオンラインプロセスとして実施される。
【0087】
鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤との混合物が収集されると、圧縮及び硬化されて、所望の密度の複合材が製造される。
【0088】
硬化及び圧縮の圧力、温度及び保持時間は、とりわけ使用される結合剤の種類によって左右される。予備試験に使用される温度及び保持時間の例を下記に記述する。
【0089】
本発明の態様は、本発明の方法により得られるエアロゲル含有複合材に関する。
【0090】
本発明の更なる態様は、出発材料の総重量24〜80重量%の量の繊維と、
出発材料の総重量の10〜75重量%の量のエアロゲル粒状材料と、
出発材料の総重量の1〜30重量%の量の結合剤と
を含むエアロゲル含有複合材に関し、
ここで複合材は、実質的に均質であり、150kg/m〜800kg/mのような120kg/m〜800kg/mの密度に硬化及び圧縮される。
【0091】
文言「実質的に均質」とは、複合材がミリメートル規模で均質であること、すなわちミリメートル規模の所定の領域の顕微鏡画像が混合物の他の試料と(実質的に)同一であることを理解するべきである。これは、混合した後、材料が複合材内に実質的に均一に分布されていること、すなわちエアロゲル粒子が複合材全体に実質的に同じ量で存在することを更に意味する。
【0092】
好ましくは、ミリメートル規模の領域は、1mmである。しかし、複合材が離散粒子を100μm以上のオーダーで含有する場合、「実質的に均質」は、最大離散成分に関して定義することができる。したがって、複合材は、最大離散成分の規模、例えば最大粒子の10倍の大きさで視覚的に均質であることが理解されるべきである。例えば1mmの粒径(最大直径)では、例えば100mmの領域の目視調査は、混合物の他の試料と(実質的に)同一である。これは、混合した後、材料が複合材内に実質的に均一に分布されていること、すなわちエアロゲル粒子が複合材全体に実質的に同じ量で存在し、目に見える蓄積がないことを更に意味する。
【0093】
方法に関して記載された最終製品の好ましい特徴のいずれも、関連する場合、本発面の複合材に等しく当てはまる。
【0094】
本発明は、また、本発明の方法を実施するのに適した新規装置に関する。
【0095】
第1新規装置は、
空気により飛沫同伴される繊維の供給を行うための鉱物繊維形成装置と、
繊維に結合剤を供給するための結合剤供給装置と、
繊維形成装置から繊維を受け取るように配置されている第1収集機と、
収集機を通じて吸引することによって、繊維を織布として収集機上に収集するための吸引装置と、
織布を解きほぐして、解きほぐされた繊維を提供するための解きほぐし装置と、
解きほぐし装置に織布を供給するための織布供給装置と、
解きほぐし装置の前又は後に位置するエアロゲル粒状材料供給装置と、
浮遊させるために、解きほぐされた鉱物繊維に一次空気流を供給するための空気供給装置と、
解きほぐされた鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料を収集するための第2収集機と、
収集された鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料を圧縮するためのプレスとを含む。
【0096】
鉱物繊維形成装置は、この目的に適した任意の装置であることができ、例えばカスケード紡績機又は紡績カップである。装置の好ましい実施態様において、鉱物繊維形成装置はカスケード紡績機である。それぞれの場合において、鉱物溶融物が供給され、繊維が装置の遠心分離作用の実施により製造される。
【0097】
結合剤供給手段は、結合剤を鉱物繊維に供給する。これは、第2収集機の前の任意の地点に位置することができるが、好ましくは繊維形成装置と第1収集機の間に位置する。別の実施態様において、結合剤供給手段は、第1収集機と第2収集機の間に位置する。別の好ましい実施態様において、結合剤供給手段は、第1収集機と解きほぐし手段の間に位置する。
【0098】
結合剤供給手段を、液状結合剤を供給する又は乾燥結合剤を供給するように適合させることができる。
【0099】
第1収集機は、好ましくは連続稼働第1コンベアベルトの形態である。ベルトは空気透過性である。繊維は一次織布をベルトの上に形成する。吸引手段が第1収集機の後ろに位置して、収集機を介した空気流の通過を可能にする。
【0100】
第1装置は、場合により、当業者に既知のいずれかの方法により一次織布を処理する手段を含むことができる。例えば、装置は、一次織布を更なる連続稼働コンベアベルト上に重ね継ぎして二次鉱物繊維織布を形成する、振り子ベルトを含むことができる。
【0101】
好ましい実施態様において、第1収集機は、入口ダクトにつながるコンベアベルトの形態である。入口は、上縁部に運搬ローラーを有して、入口ダクトを通る鉱物繊維の移動を助けることができる。
【0102】
第1収集機と解きほぐし装置の間に、幾つかの実施態様では実質的に垂直のダクトがある。多くの場合、実質的に垂直のダクトはその上端部よりもその下端部が狭くなっている。
【0103】
第1装置は、一次又は二次織布を解きほぐして解きほぐされた繊維を形成する、解きほぐし手段を含む。一つの実施態様において、解きほぐし装置は、一次又は二次織布を運ぶ第1ダクト及び第1ダクトに接合する第2ダクトを有する。この実施態様において、解きほぐし装置は、第1ダクトに存在するよりも速い速度で空気流を第2ダクトに供給する手段を含む。
【0104】
特に、解きほぐし手段は、本発明の方法に関して記載されたローラーの形態でありうる。方法に関して記載されたローラーの好ましい又は任意の特徴のいずれかが、本発明の第1新規装置にも等しく当てはまる。
【0105】
更に、第1装置は、ローラーを収容する円筒状チャンバを含むことができる。本発明の方法に関して記載された円筒状チャンバの特徴のいずれかが、本発明の第1装置に関しても等しく当てはまる。
【0106】
本発明の第1装置は、一次空気流を供給する供給手段も必要とする。この空気供給手段を解きほぐし装置の一部として形成することができる。例えば、第1ダクトに存在するより高速で空気流を第2ダクトに供給する手段は、一次空気流の供給源でもありうる。
【0107】
ローラーが、空気流に浮遊した解きほぐされた鉱物繊維の流れを作り出すように、第1空気流それ自体を生じる手段として作用することも可能である。
【0108】
第2新規装置は、
一次空気流に浮遊している繊維の供給を行うための鉱物繊維形成装置と、
一次空気流を供給するための空気供給装置と、
繊維に結合剤を供給するための結合剤供給装置と、
一次空気流にエアロゲル粒状材料を供給するためのエアロゲル粒状材料供給装置と、
鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料を収集するための収集機と、
収集された鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料を圧縮するためのプレスとを含む。
【0109】
本発明の第2装置の鉱物繊維形成装置は、この目的に適した任意の装置であることもでき、例えばカスケード紡績機又は紡績カップである。装置の好ましい実施態様において、鉱物繊維形成装置はカスケード紡績機である。
【0110】
本発明の第2装置において、空気供給手段が一次空気流を供給するために必要である。これは、カスケード紡績機の回転ホイールの軸方向に向けて冷却ガスを供給する形態であることができ、繊維はホイールから放出されることにより紡績機から運び出される。
【0111】
結合剤供給手段は、通常、空気流に浮遊された繊維への噴霧の形態で結合剤を供給するように位置する。
【0112】
本発明の両方の装置において、エアロゲル粒状材料供給手段が必要である。エアロゲル粒状材料供給手段は、エアロゲル粒状材料を含有するホッパーを含むことができる。エアロゲル粒状材料の投与供給は、スクリューフィーダー、計量セル又は粒状材料の正確な投与に適した任意の手段により得ることができる。
【0113】
第1装置において、エアロゲル粒状材料は最終的に一次空気流に供給されなければならないが、供給手段から直接空気流に供給される必要はない。実際に、エアロゲル粒状材料を供給するためのエアロゲル粒状材料供給手段を、鉱物繊維の織布の方に位置させ、これらを一緒に解きほぐし装置に供給することが好ましい。解きほぐし手段の前に位置する場合、エアロゲル粒状材料は、解きほぐされた繊維と一緒に一次空気流に供給される。
【0114】
しかし、エアロゲル粒状材料を解きほぐし手段の後に位置させることも可能である。
【0115】
第2装置及び場合により第1装置において、エアロゲル粒状材料供給手段は、エアロゲル粒状材料を一次空気流に供給するように位置する。場合により、補助空気流供給手段を、エアロゲル粒状材料を一次空気流に運ぶ補助空気流を提供するように位置させることができる。
【0116】
両方の装置において、更なる空気流供給手段が存在して、更なる空気流を一次空気流に供給することができる。
【0117】
本発明のそれぞれの装置は、好ましくは、本発明の方法に関して記載された混合チャンバを含む。支流及び/又は更なる空気流供給手段は、存在する場合、好ましくは混合チャンバの下端部に位置し、混合チャンバ内で空気の流れを上向きに供給するように配置される。一次空気流供給手段は、好ましくは混合チャンバの側部に位置し、チャンバを横方向に横断する空気流を供給するように配置される。
【0118】
存在する場合、更なる空気流供給手段は、固形材料の進入を防止するためにその開口部にわたって配置されている細目金網を有することができる。
【0119】
混合チャンバの下端部には、好ましくは重量ペレット又は凝縮繊維が落下する排出開口部がある。
【0120】
好ましい実施態様において、鉱物繊維、エアロゲル粒状材料及び結合剤は、一方が一次空気流に浮遊して一緒に混合チャンバに入る。次に混合物は、チャンバの下端部に位置する更なる空気供給手段により吹き上げられて、更に混合される。次に混合物は、混合チャンバの上端部にある取出ダクトを通じて混合チャンバから出る。
【0121】
取出ダクトは最終的に収集機につながっている。本発明の第1装置において、これは第2収集機である。収集機は、その後ろに吸引手段が位置する有孔ベルトの形態でありうる。
【0122】
あるいは、収集手段は、鉱物繊維と結合剤とエアロゲル粒状材料の混合物を一次空気流から分離することができるサイクロンチャンバを含むことができる。この実施態様において、サイクロンチャンバは下端部に開口部を有し、その中を通って混合物が放出され、同時に空気流が上端部のダクトを通って取り出される。サイクロンチャンバは、その下端部よりも大きな直径をその上端部に有する。
【0123】
一つの実施態様において、混合物は、サイクロンチャンバからコンベアベルトに放出される。
【0124】
本発明の第1装置において、鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤の混合物を受け取るように位置する更なる解きほぐし装置がある。更なる解きほぐし装置は、鉱物繊維の収集織布を解きほぐす解きほぐし装置に関して記載された好ましい特徴のいずれかを有することができる。
【0125】
好ましくは、更なる解きほぐし装置は、サイクロンチャンバの下端部の開口部から鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤の混合物を受け取るように位置する。
【0126】
好ましくは、更なる解きほぐし装置から繊維を受け取るように位置する形成チャンバがある。好ましくは、形成チャンバは、鉱物繊維とエアロゲル粒状材料の混合物を収集する有孔コンベアベルトを含む。
【0127】
本発明のそれぞれの装置において、プレスの前に剥取手段を備えることが好ましい。装置を、剥ぎ取られた材料が再循環するように配置することができる。
【0128】
本発明のそれぞれの装置は、鉱物繊維と結合剤とエアロゲル粒状材料の収集混合物を圧縮及び硬化するプレスを含む。プレスは、120kg/m〜800kg/m、特に150kg/m〜800kg/mの密度に複合材を圧縮するのに適している。一般に、プレスは、結合剤を硬化するために複合材を加熱するように適合されている。
【0129】
本発明の方法に関して記載された好ましい特徴のいずれも、装置に関して等しく当てはまる。同様に、上記に開示された装置の特徴のいずれも、本発明の方法に関して等しく当てはまる。
【実施例】
【0130】
本発明を、図面を参照しながら、例として以下に記載する。
図1は、繊維を分離し、原材料を混合する装置の概略図である。
図2は、上記に記載された更なる解きほぐし装置の概略図である。
図3は、試験的な実施により作製した本発明の複合材パネルの写真である。
図4は、本発明のエアロゲル含有複合材の試料の顕微鏡写真である。
図5は、本発明のエアロゲル含有複合材の試料の顕微鏡写真である。
図6は、本発明のエアロゲル含有複合材の試料の顕微鏡写真である。
図7は、本発明以外の混合方法を使用して製造された複合材の写真である。
図8は、本発明以外の混合方法を使用して製造された更なる複合材の写真である。
【0131】
本発明の方法の使用に適した装置を図1に見ることができる。ここでは、繊維形成装置及び収集機が鉱物繊維織布を入口ダクト1に運ぶように配置され、結合剤供給手段が結合剤を鉱物繊維へ供給するように位置され、エアロゲル粒子供給手段がエアロゲル粒状材料を入口ダクトへ供給するように位置されており、示されている装置は、本発明の第1新規装置の一部を形成することもできる。
【0132】
装置は、出発材料、例えばエアロゲル粒子、結合剤及び鉱物繊維のために入口ダクト1を含み、特定の原材料では、装置は嵩高材料を少なくとも部分的に切断するために入口ダクト1に破砕機(示されず)を含むことができる。入口ダクトの下縁部には、原材料を入口ダクト1の中を通して運ぶコンベア2がある。入口ダクトの上縁部では、運搬ローラー3が、出発材料を入口ダクト1の中を通して供給するのを助ける。入口ダクト1の端部には、相互に間隔を置いた第1セットの伸長要素4が、入口ダクト1の端部を横断して伸びている。これらは、出発材料の大きな部分、例えば鉱物繊維織布を分解するように機能する。幾つかの実施態様において、伸長要素4は、回転しながらその間に出発材料を引き込む回転ブラシの形態である。
【0133】
次に入口の端部を通過する出発材料は、実質的に垂直のダクト5に落下する。示されている実施態様では、相互に間隔を置いた第2セットの伸長要素6がダクトの上端部を横断して伸びている。第2セットの伸長要素は、通常、第1よりも近接した間隔で置かれている。示されている実施態様では、第2セットの伸長要素は、十分に小さい部分の鉱物繊維織布は通過するが、出発材料再循環ダクト7を通じて大きな部分を運び去ることを可能にするように回転する。
【0134】
垂直ダクト5は、一般に、その下端部が狭くなっている。示されている実施態様では、垂直ダクトの下端部は、実質的に円筒状のチャンバ9への入口8を形成する。示されているように、入口8は実質的に円筒状のチャンバ9の上部にある。使用時には、出発材料は垂直ダクト5を通過し、入口8を通過して、円筒状チャンバ9に入る。
【0135】
円筒状チャンバ9は、外周表面12から突出しているスパイク11を有するローラー10を収容する。図1に示されているローラー10は、図面に示されているように反時計回りに回転し、それによって出発材料が、入口8から、示されているローラー10の左側を周って運ばれ、一次空気流により横方向に放出されて、混合チャンバ14に入る。円筒状チャンバ9及びローラー10は、一緒に、解きほぐし手段を形成する。解きほぐし手段は繊維の解きほぐしを引き起こし、これは、織布又は房としてもつれている綿として提供されうる繊維を処理して、より開繊した綿又はさらにはばら繊維をもたらし、それによって続く繊維と他の成分との混合を促進することを意味する。
【0136】
示されている実施態様では、一次空気流は、円筒状チャンバ9内のローラー10の回転により、特にローラーの外周表面と円筒状チャンバ9の湾曲壁13の間の空間を通るスパイク11及び出発材料の移動により作り出される。
【0137】
図1に示されている混合チャンバ14は、排出開口部16及び更なる空気流供給手段15を含む。更なる空気流供給手段15は、その中を通って更なる空気流が供給される開口部を含む。細目金網17が更なる空気流供給手段15の開口部にわたって配置されている。これらの細目金網は、更なる空気流が通過して混合チャンバ14に入ることを可能にするが、供給手段に材料が進入するのを予防することが意図される。更なる空気流供給手段15は、更なる空気流を上方に向けて、混合チャンバ14の中に入れる。
【0138】
更なる空気流は、混合チャンバにおいて、解きほぐされた繊維を含有する一次空気流と接する。更なる空気流は、解きほぐされた繊維と結合剤とエアロゲル粒状材料の混合物を混合チャンバ14内において上方に運ぶ効果を有する。鉱物材料の一部のより凝縮された繊維及び玉は混合チャンバにおいて上方に運ばれず、下端部に落下して、排出開口部16を通る。
【0139】
解きほぐされた繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤の所望の混合物は、混合チャンバ14の上部に運ばれ、そこには取出ダクト18が位置して、混合物を混合チャンバ14から運び出す。第1空気再循環ダクト19が取出ダクト18に接合し、取出ダクト18の空気の一部を再循環して更なる空気供給手段15に戻す。
【0140】
取出ダクトはサイクロンチャンバ20につながっている。サイクロンチャンバ20は、上端部が更なる空気供給手段15につながっている第2空気再循環ダクト22を有する。フィルタ21が第2空気再循環ダクトに接合している。使用時には、フィルタ21は、任意の迷走鉱物繊維、エアロゲル粒状材料及び結合剤を第2空気再循環ダクト22から除去する。空気がサイクロンチャンバ20の上端部から取り出されると、解きほぐされた繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤の混合物は、サイクロンチャンバ20の下端部にあるサイクロンチャンバ出口23を通って落下する。
【0141】
収集機24が、サイクロンチャンバ出口23の下方に位置する。示されている実施態様では、収集機24はコンベアの形態であり、収集された繊維を圧縮及び硬化装置(示されず)に運ぶ。
【0142】
図2は、場合により方法において使用することができる更なる解きほぐし装置の実施態様を示す。更なる解きほぐし装置は、図1に示されている収集機24の代わりに位置することができる。示されている更なる解きほぐし装置は、構造におけるローラー10と同じローラー25を含む。成分の混合物が上方からローラー25に供給され、形成チャンバ26の中に放出される。下端部において、形成チャンバ26は、下に吸引手段28が位置する有孔コンベアベルト27を含む。剥取機29が混合物の上部を剥ぎ取るために位置して、均一表面をもたらす。次に剥ぎ取られた材料は再循環される。
【0143】
有孔コンベアベルト27は混合物をプレス(示されず)に運ぶ。
【0144】
図3の写真は、本発明の本格的な装置による実験的な実施により製造した複合材パネルを表す。装置に供給された複合材の原材料は、液状結合剤とエアロゲル粒子を有する未硬化岩綿織布であった。示されている試料は、およそ20cm×20cmである。複合材パネルは極めて均質であるように見える。肉眼でエアロゲル粒子を見ることは、可能ではない。岩綿織布は、装置において崩壊し開放されており、表面に小さな繊維房が見えるだけであり、小さな繊維房のランダムパターンがあるので、蓄積又は分布の変動の徴候がない。
【0145】
図4の顕微鏡写真は、ばら岩綿繊維を使用して本発明により作製したエアロゲル含有複合材の試料を示す。エアロゲル粒状材料が小さな点又は粒として見られる。繊維も目に見える。見て分かるように、エアロゲル粒状材料及び繊維は、1mm規模で実質的に均質に混合されている。
【0146】
図5の顕微鏡写真は、本発明のパネルにおけるエアロゲル粒子と繊維の混合物を示す。2つの最大粒子は、481μm及び302μmであることが測定される。分析したパネルの組成は、およそ、エアロゲル粒子が51重量%、鉱物綿繊維が38重量%及び結合剤が11重量%であった。
【0147】
同様に、図6の顕微鏡写真は、本発明のパネルにおけるエアロゲル粒子と繊維の混合物をより大きな倍率で示す。結合剤がエアロゲル粒子に結合した徴候はない。このことは、上記に記述されたように極めて有益である。
【0148】
試験において、商品名「Prefere 94 8182U7」でDyneaにより販売されている種類である乾燥フェノールホルムアミドポリマー結合剤(粉末)を使用した。試験において結合剤の含有量は、製造したボードが十分な強度を有することを確実にするために、12重量%であった。初期試験の硬化時間は7分間から始め、続いて14分間に上げて、正確な硬化を確実にした。
【0149】
図7及び8は、本発明の方法により製造したものではない複合材を示す比較例である。
【0150】
図7は、複合材の成分を本発明ではない方法で混合したときに達成された結果を示す写真である。この場合、成分をブレンダーで混合した。繊維の凝縮ボール、並びにエアロゲル、繊維及び結合剤の別々の領域が肉眼で見ることができるので、複合材が均質ではないことが図7から明らかである。これは、特に図3に示されている本発明により製造された複合材の平滑で均質の外観と対照的である。
【0151】
同様に、図8は、10〜31%のエアロゲル粒状材料、鉱物繊維及びおよそ10%の乾燥結合剤を含む多数の複合材の写真である。複合材の成分を、本発明にではない方法を使用してブレンダーにより混合した。ここでも、繊維の凝縮ボール及び異なる成分の独立した領域を複合材において見ることができ、これは、特に図3に示されている本発明により製造された複合材の均質な外観と対照的である。
【0152】
試験では、Cabot Internationalの「Nanogel(登録商標)Fine Particle Aerogel」の種類であるエアロゲル粒状材料を使用し、優れた結果を示した。
【0153】
試験は、およそ2,800kg/mの密度を有する岩綿繊維により実施した。
【0154】
複合材が実質的に均質であるための要件は、この場合、複合材パネルの主要面と同一平面上のX−Y面において、最大変動の5%(例えば、密度)で満たされると考慮される。より高い変動がZ面、すなわち複合材パネルの厚さにおいて許容される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゲル含有複合材を製造する方法であって、
出発材料の総重量の24〜80重量%の量で鉱物繊維を準備する工程、
出発材料の総重量の10〜75重量%の量でエアロゲル粒状材料を準備する工程、
出発材料の総重量の1〜30重量%の量で結合剤を準備する工程、
前記繊維を一次空気流に浮遊させる工程、
前記エアロゲル粒状材料を前記一次空気流に浮遊させることによって、前記浮遊エアロゲル粒状材料と前記浮遊繊維とを混合する工程、
前記繊維と前記エアロゲル粒状材料との混合工程の前、間又は後に、前記結合剤を、前記鉱物繊維及び/又はエアロゲル粒状材料と混合する工程、
鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤との前記混合物を収集する工程、及び、
前記混合物を圧縮及び硬化することによって、150kg/m〜800kg/mのような120kg/m〜800kg/mの密度の凝固複合材を提供する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記鉱物繊維が収集織布の形態で提供され、前記方法が、前記繊維の収集織布を解きほぐし工程に付す工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記解きほぐし工程が、低い相対空気流のダクトから高い相対空気流のダクトへ、前記織布を供給する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記高い相対空気流の速度が、20m/s〜150m/s、好ましくは30m/s〜120m/s、より好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記解きほぐし工程が、縦軸周りに回転し、外周表面から突出しているスパイクを有する少なくとも1つのローラーに、前記収集織布を供給する工程を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ローラーが、前記スパイクの最外点に基づいて、20cm〜80cm、好ましくは30cm〜70cm、より好ましくは40cm〜60cm、最も好ましくは45cm〜55cmの直径を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ローラーが、500rpm〜5000rpm、好ましくは1000rpm〜4000rpm、より好ましくは1500rpm〜3500rpm、最も好ましくは2000rpm〜3000rpmの速度で回転する、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記ローラーのスパイクの最外点が、20m/s〜150m/s、好ましくは30m/s〜120m/s、より好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sの速度で動く、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記エアロゲル粒状材料が、前記繊維解きほぐし工程の前に前記収集鉱物繊維織布に加えられ、前記解きほぐされた繊維と一緒に前記一次空気流に浮遊される、請求項2〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記鉱物繊維が、液状結合剤を含有する未硬化の織布の形態である、請求項2〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
一次又は二次鉱物綿織布を前記繊維解きほぐし工程に供給する鉱物綿製造ラインで実施される、請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
鉱物繊維とエアロゲル粒状材料と結合剤との前記混合物が、前記混合物が前記一次空気流に浮遊された後であるが、前記混合物が圧縮及び硬化される前に、更なる繊維解きほぐし工程に付される、請求項2〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記鉱物繊維が、繊維形成工程からの直接の空気に飛沫同伴された繊維として提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記エアロゲル粒状材料の少なくとも一部が、補助空気流に浮遊されたエアロゲル粒状材料として前記一次空気流に運ばれ、前記方法が、前記補助空気流を前記一次空気流と合わせることによって、前記エアロゲル粒状材料を前記繊維と混合する工程を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料が、前記一次空気流に浮遊しているとき、前記一次空気流と異なる方向の更なる空気流に付される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記一次空気流が概して横方向であり、前記更なる空気流が概して上向きである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記一次空気流が、20m/s〜150m/s、好ましくは30m/s〜120m/s、より好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sの初期速度を有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記更なる空気流が、1〜20m/s、好ましくは1〜13m/s、より好ましくは2〜9m/s、最も好ましくは3〜7m/sの速度を有する、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記結合剤が乾燥形態で提供される、請求項1〜9又は11〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記結合剤が液状形態で提供される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法により得られる、エアロゲル含有複合材。
【請求項22】
出発材料の総重量の24〜80重量%の量の繊維と、
出発材料の総重量の10〜75重量%の量のエアロゲル粒状材料と、
出発材料の総重量の1〜30重量%の量の結合剤とを含み、
実質的に均質であり、150kg/m〜800kg/mのような120kg/m〜800kg/mの密度に硬化及び圧縮される、エアロゲル含有複合材。
【請求項23】
エアロゲル含有複合材を製造するための装置であって、
空気により飛沫同伴される繊維の供給を行うための鉱物繊維形成装置と、
前記繊維に結合剤を供給するための結合剤供給手段と、
前記繊維形成装置から前記繊維を受け取るように配置されている第1収集機と、
前記収集機を通じて吸引することによって、前記繊維を織布として前記収集機上に収集するための吸引手段と、
前記織布を解きほぐして、解きほぐされた繊維を提供するための解きほぐし装置と、
前記解きほぐし装置に前記織布を供給するための織布供給手段と、
前記解きほぐし手段の前又は後に位置するエアロゲル粒状材料供給手段と、
浮遊させるために、前記解きほぐされた鉱物繊維に一次空気流を供給するための空気供給手段と、
前記解きほぐされた鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料を収集するための第2収集機と、
前記収集された鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料を圧縮するためのプレスとを含む、装置。
【請求項24】
前記鉱物繊維とエアロゲル粒状材料との混合物を受け取るように位置する更なる解きほぐし装置を更に含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
エアロゲル含有複合材を製造するための装置であって、
一次空気流に浮遊している繊維の供給を行うための鉱物繊維形成装置と、
前記一次空気流を供給するための空気供給手段と、
前記繊維に結合剤を供給するための結合剤供給手段と、
前記一次空気流にエアロゲル粒状材料を供給するためのエアロゲル粒状材料供給手段と、
前記鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料を収集するための収集機と、
前記収集された鉱物繊維、結合剤及びエアロゲル粒状材料を圧縮するためのプレスとを含む、装置。
【請求項26】
前記エアロゲル粒状材料を前記エアロゲル粒状材料供給手段から前記一次空気流に運ぶための補助空気流を供給するように位置する、補助空気流供給手段を更に含む、請求項23〜25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記結合剤と繊維とエアロゲル粒状材料とに、これらが前記一次空気流に浮遊しているときに、更なる空気流を向けるように位置する、更なる空気供給手段を更に含む、請求項23〜26のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−500921(P2013−500921A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522183(P2012−522183)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061149
【国際公開番号】WO2011/012710
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(500336306)ロックウール・インターナショナル・アクティーゼルスカブ (7)