説明

エア供給作動装置

【課題】供給エアの無駄な消費を防止し、作業者への作業負担を低減させることができるエア供給作動装置を提供すること。
【解決手段】エア供給作動装置1は、供給エアA1によって作動するエアマイクロ測定器7と、エアマイクロ測定器7への供給エアA1の供給及び供給遮断を行うメインバルブ2と、メインバルブ2を開けるよう構成された開操作バルブ3と、メインバルブ2が開いてから所定時間経過後にメインバルブ2を閉じるよう構成されたタイマー作動手段4とを有している。タイマー作動手段4は、メインバルブ2が開いた後、メインバルブ2からエアマイクロ測定器7へ流れる供給エアA1の一部を徐々にタンク43に貯留し、タンク43内の圧力が所定の設定圧力以上になったときに、メインバルブ2に制御エアA2を供給してメインバルブ2を閉じるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エア作動機器に所定の設定時間だけエアを供給し、所定時間だけエア作動機器を動作させることができるエア供給作動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種測定対象物における被測定部の寸法を測定するために、エア(空気)を用いて測定を行うエアマイクロメータ(エアマイクロ測定器)が使用されている。
このエアマイクロメータは、被測定部の外径又は内径と略同一の寸法を有する測定係合部を有しており、この測定係合部からエアを噴出するよう構成されている。そして、測定係合部と被測定部とを係合させ、測定係合部から噴出されるエアの量が多くなったときに、測定係合部における圧力降下が大きくなることを利用して、被測定部の寸法を測定することができる。
【0003】
上記エアマイクロメータへエアを供給する装置としては、例えば、特許文献1に開示された供給空気遮断装置がある。
この特許文献1の供給空気遮断装置は、エアマイクロメータへ圧縮空気を供給する供給通路を開閉する空気制御弁と、空気制御弁を開作動させるスイッチマットとを備えている。そして、作業者がスイッチマットを踏んだときには、空気制御弁を開けてエアマイクロメータへ圧縮空気を供給して被測定部の寸法を測定し、作業者がスイッチマットから離れたときには、エアマイクロメータへの圧縮空気の供給を遮断する。また、作業者がスイッチマットから離れたときには、スイッチマットから圧縮空気の一部を排気しておくことにより、エアマイクロメータにおける空気通流状態を変化させないようにしている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の供給空気遮断装置においては、エアマイクロメータにおいて測定対象物の寸法測定を行っていないときでも、常時圧縮空気を排気している。そのため、圧縮空気を無駄に消費してしまう。
また、エアマイクロメータへの圧縮空気の供給は、あくまでも作業者がスイッチマットを踏んでいる間のみ行われる。そのため、エアマイクロメータにおいて測定対象物の寸法測定を行っているときには、作業者は、スイッチマットを常時踏んでいなければならず、作業者の疲労が増すおそれがある。
【0005】
【特許文献1】特開平11−132753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、供給エアの無駄な消費を防止し、作業者への作業負担を低減させることができるエア供給作動装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エア作動機器と、
開動作をして上記エア作動機器への供給エアの供給を行うと共に、閉動作をして上記エア作動機器への供給エアの供給遮断を行う切替バルブと、
該切替バルブが開いてから所定時間経過後に該切替バルブを閉じるよう構成されたタイマー作動手段とを有し、
該タイマー作動手段は、上記切替バルブが開いた後、該切替バルブから上記エア作動機器へ流れる供給エアの一部を徐々にタンクに貯留し、該タンク内の圧力が所定の設定圧力以上になったときに、上記切替バルブに制御エアを供給して該切替バルブを閉じるよう構成されていることを特徴とするエア供給作動装置にある(請求項1)。
【0008】
本発明のエア供給作動装置は、上記切替バルブ及びタイマー作動手段を有しており、エア作動機器に所定時間だけ供給エアを供給し、所定時間だけエア作動機器を動作させることができるものである。
そして、上記エア供給作動装置においては、エア作動機器を作動させないときには、上記切替バルブが閉じており、この切替バルブによってエア作動機器への供給エアの供給が遮断されている。そのため、エア作動機器を作動させていないときには、供給エアを外部に排気してしまうことがなく、供給エアの無駄な消費を防止することができる。
【0009】
また、上記エア供給作動装置においては、エア作動機器を作動させるときには、上記切替バルブを開け、この切替バルブからエア作動機器への供給エアの供給を開始することができる。また、切替バルブが開いたときには、この切替バルブからエア作動機器へ供給される供給エアの一部が、タイマー作動手段におけるタンクに徐々に貯留される。そして、タイマー作動手段は、タンク内の圧力が所定の設定圧力以上になったときには、切替バルブに制御エアを供給してこの切替バルブを閉じることができる。
【0010】
そのため、エア作動機器は、切替バルブからの供給エアの供給が開始し、タンク内の圧力が所定の設定圧力になるまでの間の時間だけ作動することができる。これにより、作業者は、切替バルブを開ける操作を行うだけで、エア作動機器を連続して作動させることができ、作業者への作業負担を低減させることができる。
それ故、上記エア供給作動装置によれば、供給エアの無駄な消費を防止し、作業者への作業負担を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記切替バルブには、該切替バルブを開ける開操作バルブを接続し、該開操作バルブは、操作部を操作して上記切替バルブに制御エアを供給して該切替バルブを開けるよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、作業者は、上記開操作バルブにおける操作部を操作することにより、エア作動機器を作動させることができ、その作業性を向上させることできる。
【0012】
また、上記切替バルブには、供給エアが流れる供給エア主配管を接続すると共に、上記タイマー作動手段及び上記開操作バルブには、制御エアが流れる制御エア主配管を接続し、上記切替バルブは、上記開操作バルブから当該切替バルブへ制御エアが供給されることによって、開動作をして上記エア作動機器への供給エアの供給を行い、上記タイマー作動手段から当該切替バルブへ制御エアが供給されることによって、閉動作をして上記エア作動機器への供給エアの供給遮断を行うよう構成することが好ましい(請求項3)。
この場合には、切替バルブ、タイマー作動手段及び開操作バルブに上記各エア主配管を接続し、上記エア供給作動装置を簡単に構成することができる。
【0013】
また、上記エア作動機器は、測定対象物における被測定部の寸法を測定するエアマイクロ測定器であり、該エアマイクロ測定器は、上記被測定部と係合する測定係合部と、該測定係合部から上記被測定部に向けて供給エアを噴出させるためのエア噴出口と、当該エアマイクロ測定器における供給エアの圧力を検出するための圧力検出部とを備えていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記エア供給作動装置は、供給エアの無駄な消費を防止すると共に作業者への作業負担を低減させて、測定対象物における被測定部の寸法を測定することができる。
【0014】
また、上記エア作動機器は、エア(供給エア)を噴出させるエアノズルを有するエアブロー機器とすることもできる。このエアブロー機器は、例えば、切削を行った後のワークから切粉を吹き飛ばす際に用いるものとすることができる。
また、上記エア作動機器は、エア(供給エア)を駆動源として作動するエア駆動ポンプとすることもできる。このエア駆動ポンプは、例えば、クーラント、水、薬剤等の液体を送出する際に用いるものとすることができる。
【0015】
また、上記タイマー作動手段における上記タンクには、該タンク内に流入する供給エアの流量を絞る絞り弁を接続することが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記絞り弁の開度を調整することにより、上記タンクに貯留される供給エアの流量を適切に調整することができる。そのため、絞り弁の開度を調整することにより、タイマー作動手段が、切替バルブを開けてから閉じるまでの時間を適切に調整することができる。
【0016】
また、上記タイマー作動手段における上記タンクには、該タンクよりも容量が大きい補助タンクを接続することが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記タイマー作動手段に流れる供給エアは、上記タンクに貯留されるだけでなく、上記補助タンクにも貯留され、タンク内及び補助タンク内の両者の圧力が所定の設定圧力以上になったときに、タイマー作動手段は切替バルブを閉じることになる。そのため、切替バルブが開いてから、タイマー作動手段が切替バルブを閉じるまでの時間を容易に長くすることができ、切替バルブを開けてから閉じるまでの時間を一層適切に調整することができる。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明のエア供給作動装置にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例のエア供給作動装置1は、図1に示すごとく、供給エアA1によって作動するエア作動機器7と、このエア作動機器7への供給エアA1の供給及び供給遮断を行うメインバルブ(切替バルブ)2と、このメインバルブ2を開けるよう構成された開操作バルブ3と、メインバルブ2が開いてから所定時間経過後にメインバルブ2を閉じるよう構成されたタイマー作動手段4とを有している。
【0018】
メインバルブ2は、上記開操作バルブ3から制御エアA2の供給を受けて開動作を行って、エア作動機器7への供給エアA1の供給を行い、タイマー作動手段4から制御エアA2の供給を受けて閉動作を行って、エア作動機器7への供給エアA1の供給遮断を行うよう構成されている。また、タイマー作動手段4は、メインバルブ2が開いた後、このメインバルブ2からエア作動機器7へ流れる供給エアA1の一部を徐々にタンク43に貯留し、このタンク43内の圧力が所定の設定圧力以上になったときに、メインバルブ2に制御エアA2を供給してメインバルブ2を閉じるよう構成されている。また、開操作バルブ3は、操作部31を有しており、この操作部31の操作を受けてメインバルブ2に制御エアA2を供給し、メインバルブ2を開けるよう構成されている。
以下に、これを詳説する。
【0019】
図1、図2に示すごとく、本例のエア作動機器7は、測定対象物8における被測定部81の寸法を測定するエアマイクロ測定器7である。このエアマイクロ測定器7は、上記被測定部81と係合する測定係合部71と、この測定係合部71から被測定部81に向けて供給エアA1を噴出させるためのエア噴出口721と、当該エアマイクロ測定器7における供給エアA1の圧力を検出するための圧力検出部73とを備えている。
【0020】
また、図2に示すごとく、測定係合部71は、被測定部81に対向配置される測定面711を有しており、エア噴出口721は、測定面711に開口している。また、測定係合部71内には、供給エアA1を通過させる供給エア経路72が形成されており、エア噴出口721は、供給エア経路72の先端に形成されている。
また、本例の圧力検出部73は、供給エア経路72に接続された圧力計73である。そして、エアマイクロ測定器7は、圧力検出部73によって供給エア経路72内の圧力の変化を監視することにより、測定対象物8における被測定部81の寸法の測定を行うことができる。
【0021】
より具体的には、上記エアマイクロ測定器7は、測定対象物8における被測定部81の外径又は内径等の測定を行う際に用いることができる。
すなわち、例えば、図2に示すごとく、被測定部81が穴形状を有している場合には、この被測定部81の内径を測定するために、測定係合部71は、被測定部81の内周側に対向配置される曲状測定面711を有する形状に形成することができる。この場合には、曲状測定面711に向けて複数の供給エア経路72を形成し、曲状測定面711にエア噴出口721を開口させる。そして、供給エア経路72内における圧力降下を圧力検出部73により検出することにより、被測定部81の内径を測定することができる。
【0022】
また、例えば、図3に示すごとく、被測定部81が突出形状を有している場合には、この被測定部81の外径を測定するために、上記測定係合部71は、被測定部81の両側に対向配置される一対の測定面711を有する形状に形成することができる。この場合には、各測定面711に向けて供給エア経路72を分岐形成し、各測定面711にエア噴出口721をそれぞれ開口させる。そして、供給エア経路72内における圧力降下を圧力検出部73により検出することにより、被測定部81の外径を測定することができる。
【0023】
図1に示すごとく、上記メインバルブ2には、供給エアA1が流れる供給エア主配管51が接続されており、上記開操作バルブ3及びタイマー作動手段4には、制御エアA2が流れる制御エア主配管61が接続されている。
また、本例の制御エア主配管61には、開操作バルブ3及びタイマー作動手段4に供給する制御エアA2の圧力を所定圧力に設定するためのレギュレータ55が配設されている。
【0024】
また、メインバルブ2と開操作バルブ3とは、制御エアA2が流れる第1制御エア副配管62によって接続されており、メインバルブ2とタイマー作動手段4とは、制御エアA2が流れる第2制御エア副配管63によって接続されている。
また、メインバルブ2とエアマイクロ測定器7とは、供給エア副配管52によって接続されており、供給エア副配管52とタイマー作動手段4とは、供給エア取出配管53によって接続されている。
【0025】
ここで、図1は、メインバルブ2が閉位置にあり、開操作バルブ3が排気位置にあり、タイマー作動手段4におけるタイマーバルブ部40が排気位置にある状態で示している。
また、本例において、供給エアA1とは、エア作動機器7に供給するために用いるエア(空気)のことをいう。また、制御エアA2とは、メインバルブ2、開操作バルブ3又はタイマー作動手段4の制御動作を行うために用いるエア(空気)のことをいう。
【0026】
また、本例において、残留エアとは、メインバルブ2、開操作バルブ3又はタイマー作動手段4が動作した後に、これらの内部及びこれらを接続する配管52、53、62、63中に残留した供給エアA1又は制御エアA2のことをいう。
また、供給エアA1と制御エアA2とには、いずれも同じ空気(フレッシュエア)を用いることができ、例えば、0.3〜0.5MPaの圧縮空気を用いることができる。
【0027】
図1に示すごとく、上記メインバルブ2は、上記エアマイクロ測定器7へ供給エアA1の供給を行う開位置(供給位置)と、上記エアマイクロ測定器7へ供給エアA1の供給遮断を行う閉位置(排気位置)とに移動可能である。メインバルブ2は、上記開位置にあるときには、供給エアA1を上記エアマイクロ測定器7へ供給するための供給経路C1を形成し、上記閉位置にあるときには、上記エアマイクロ測定器7及び上記タイマー作動手段4に残留した残留エアを排気するための排気経路C2を形成するよう構成されている。
本例のメインバルブ2は、空気によって作動するダブルバルブである。
【0028】
また、メインバルブ2は、制御エアA2の供給を受けて当該メインバルブ2を上記開位置に移動させるための開操作ポートM1と、制御エアA2の供給を受けて当該メインバルブ2を上記閉位置に移動させるための閉操作ポートM2とを有している。また、メインバルブ2は、上記供給エア主配管51に接続される入力ポートPと、上記エアマイクロ測定器7に接続される出力ポートOと、大気開放される排気ポートRとを有している。そして、メインバルブ2は、上記開位置にあるときには、上記入力ポートPと上記出力ポートOとが繋がって上記供給経路C1を形成し、上記閉位置にあるときには、上記出力ポートOと上記排気ポートRとが繋がって上記排気経路C2を形成するよう構成されている。
【0029】
図1に示すごとく、上記開操作バルブ3は、上記メインバルブ2における上記開操作ポートM1へ制御エアA2の供給を行う供給位置と、上記メインバルブ2における上記開操作ポートM1に残留した残留エアの排気を行う排気位置とに移動可能である。開操作バルブ3は、操作部31の操作を受けて上記供給位置に移動し、上記操作部31の操作を解除したときに付勢バネ32の付勢力を受けて上記排気位置に復帰するよう構成されている。
また、開操作バルブ3は、上記供給位置にあるときには、制御エアA2を上記メインバルブ2における上記開操作ポートM1へ供給するための供給経路C1を形成し、上記排気位置にあるときに上記メインバルブ2における上記開操作ポートM1に残留した残留エアを排気するための排気経路C2を形成するよう構成されている。
本例の開操作バルブ3は、人の操作によって作動するメカニカルバルブである。
【0030】
また、開操作バルブ3は、上記制御エア主配管61に接続される入力ポートPと、上記メインバルブ2における上記開操作ポートM1に接続される出力ポートOと、大気開放される排気ポートRとを有している。そして、開操作バルブ3は、上記供給位置にあるときには、上記入力ポートPと上記出力ポートOとが繋がって上記供給経路C1を形成し、上記排気位置にあるときには、上記出力ポートOと上記排気ポートRとが繋がって上記排気経路C2を形成するよう構成されている。
【0031】
図1に示すごとく、上記タイマー作動手段4は、上記メインバルブ2における上記閉操作ポートM2へ制御エアA2の供給を行う供給位置と、上記メインバルブ2における上記閉操作ポートM2に残留した残留エアの排気を行う排気位置とに移動可能なタイマーバルブ部40と、上記メインバルブ2から上記エアマイクロ測定器7へ流れる供給エアA1の一部を貯留するタンク43と、該タンク43内の圧力が所定の設定圧力以上になったときに上記タイマーバルブ部40を上記供給位置へ移動させる移動操作部41とを有している。
【0032】
タイマーバルブ部40は、上記供給位置にあるときには、制御エアA2を上記メインバルブ2における上記閉操作ポートM2へ供給するための供給経路C1を形成し、上記排気位置にあるときには、上記メインバルブ2における上記閉操作ポートM2に残留した残留エアを排気するための排気経路C2を形成するよう構成されている。
本例のタイマー作動手段4は、空気によって作動するタイムディレーバルブである。
【0033】
また、タイマーバルブ部40は、上記制御エア主配管61に接続される入力ポートPと、上記メインバルブ2における上記閉操作ポートM2に接続される出力ポートOと、大気開放される排気ポートRとを有している。そして、タイマーバルブ部40は、上記供給位置にあるときには、上記入力ポートPと上記出力ポートOとが繋がって上記供給経路C1を形成し、上記排気位置にあるときには、上記出力ポートOと上記排気ポートRとが繋がって上記排気経路C2を形成するよう構成されている。
また、タイマーバルブ部40は、移動操作部41の押圧力を受けて上記供給位置に移動し、タンク43内及び補助タンク431内の残留エアが排気されたときに付勢バネ42の付勢力を受けて上記排気位置に復帰するよう構成されている。
【0034】
また、上記タイマー作動手段4は、上記タンク43に接続された補助タンク431と、上記メインバルブ2からタンク43に流入する供給エアA1の流量を絞る絞り弁44とを有している。補助タンク431は、タンク43よりも大きな容量を有しており、メインバルブ2からタンク43に流れる供給エアA1は、タンク43から補助タンク431にも流れる。そして、タイマー作動手段4は、タンク43内及び補助タンク431内の圧力が所定の設定圧力以上になったときに、タイマー作動手段4における移動操作部41が移動することにより、メインバルブ2を閉じるよう構成されている。
また、タイマー作動手段4は、絞り弁44と並列に接続したチェック弁45を有しており、タンク43及び補助タンク431に貯留された残留エアは、チェック弁45を介して迅速にメインバルブ2から排気されるようになっている。
【0035】
次に、上記エアマイクロ測定器7を備えたエア供給作動装置1の動作及びその作用効果につき説明する。
図1、図2に示すごとく、上記エアマイクロ測定器7を用いて、測定対象物8における被測定部81の寸法を測定する前には、上記メインバルブ2は、閉位置にあり、エアマイクロ測定器7への供給エアA1の供給を遮断している。また、このときには、メインバルブ2は、出力ポートOと排気ポートRとが繋がって排気経路C2を形成しており、エアマイクロ測定器7及びタイマー作動手段4において残留した残留エアは、供給エア副配管52及び供給エア取出配管53を介して、メインバルブ2の排気ポートRから排気されている。
【0036】
次いで、エアマイクロ測定器7における測定係合部71に、測定対象物8における被測定部81を係合させる。このとき、測定対象物8における被測定部81の寸法誤差により、この被測定部81の測定面711に開口するエア噴出口721と被測定部81との間には隙間が形成され、エア噴出口721から供給エアA1が噴出される状態が形成される。
【0037】
そして、測定対象物8をエアマイクロ測定器7にセットした後、作業者は、開操作バルブ3における操作部31を操作して、開操作バルブ3を供給位置に移動させる。このとき、開操作バルブ3の入力ポートPと出力ポートOとが繋がって供給経路C1が形成され、制御エア主配管61から第1制御エア副配管62へ制御エアA2が流れ込み、第1制御エア副配管62を介して、メインバルブ2の開操作ポートM1に制御エアA2が供給される。
【0038】
そして、メインバルブ2が閉位置から開位置に移動し、メインバルブ2の入力ポートPと出力ポートOとが繋がって供給経路C1が形成される。これにより、供給エア主配管51から供給エア副配管52へ供給エアA1が流れ込み、供給エア副配管52を介して、エアマイクロ測定器7における供給エア経路72へ供給エアA1が供給される。
なお、開操作バルブ3における操作部31の操作を解除したときには、この開操作バルブ3は、上記付勢バネ32の付勢力によって排気位置に移動し、第1制御エア副配管62中に残留した残留エアが開操作バルブ3の排気ポートRから排気される。
【0039】
次いで、測定係合部71の測定面711におけるエア噴出口721と、測定対象物8における被測定部81との間に形成された隙間へ向けて、供給エア経路72に供給された供給エアA1の一部は、エア噴出口721から噴出される。そして、この噴出による供給エア経路72内における圧力の低下を、圧力検出部73によって監視し、被測定部81の寸法を測定することができる。
【0040】
次いで、メインバルブ2から供給エア副配管52を介してエアマイクロ測定器7へ供給エアA1が供給されると共に、この供給エアA1の一部は、上記供給エア取出配管53を介して、タイマー作動手段4におけるタンク43へ流れ込む。このとき、この供給エアA1の一部は、絞り弁44によってその流量が絞られた状態でタンク43へ流れ込む。また、タンク43内に流れ込んだ供給エアA1は補助タンク431内にも流れ込む。
【0041】
そして、タンク43内及び補助タンク431内の圧力が所定の設定圧力になったときには、タイマー作動手段4における移動操作部41が動作し、タイマー作動手段4におけるタイマーバルブ部40を排気位置から供給位置に移動させる。これにより、タイマーバルブ部40の入力ポートPと出力ポートOとが繋がって供給経路C1が形成され、制御エア主配管61から第2制御エア副配管63へ制御エアA2が流れ込み、第2制御エア副配管63を介して、メインバルブ2の閉操作ポートM2に制御エアA2が供給される。
【0042】
そして、メインバルブ2が開位置から閉位置に移動し、メインバルブ2の出力ポートOと排気ポートRとが繋がって排気経路C2が形成される。これにより、エアマイクロ測定器7及びタイマー作動手段4に残留した残留エアが、供給エア副配管52及び供給エア取出配管53を介して、メインバルブ2の排気ポートRから排気される。また、タンク43内及び補助タンク431内の残留エアが排気されると共に、タイマーバルブ部40が、その付勢バネ42の付勢力によって供給位置から排気位置に移動し、第2制御エア副配管63中の残留エアが、タイマーバルブ部40の排気ポートRから排気される。
【0043】
このように、上記エア供給作動装置1においては、エアマイクロ測定器7を使用していないときには、上記メインバルブ2によってエアマイクロ測定器7への供給エアA1の供給が遮断されている。そのため、エアマイクロ測定器7を使用していないときには、供給エアA1を外部に排気してしまうことがなく、供給エアA1の無駄な消費を防止することができる。
【0044】
また、上記エア供給作動装置1は、上記タイマー作動手段4における絞り弁44の開度を調整することにより、メインバルブ2を開けてから閉じるまでの時間を適宜設定することができる。そして、エアマイクロ測定器7は、メインバルブ2からの供給エアA1の供給が開始し、タンク43内及び補助タンク431内の圧力が所定の設定圧力になるまでの間の時間だけ、測定対象物8における被測定部81の寸法の測定を行うことができる。これにより、作業者は、開操作バルブ3の操作部31を操作するだけで、エアマイクロ測定器7を連続して作動させることができ、作業者への作業負担を低減させることができる。
それ故、上記エア供給作動装置1によれば、供給エアA1の無駄な消費を防止し、作業者への作業負担を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例における、エアマイクロ測定器を備えたエア供給作動装置を示すエア回路図。
【図2】実施例における、穴形状の被測定部の測定を行うエアマイクロ測定器を示す説明図。
【図3】実施例における、突出形状の被測定部の測定を行うエアマイクロ測定器を示す説明図。
【符号の説明】
【0046】
1 エア供給作動装置
2 メインバルブ(切替バルブ)
3 開操作バルブ
31 操作部
4 タイマー作動手段
40 タイマーバルブ部
41 移動操作部
43 タンク
431 補助タンク
44 絞り弁
51 供給エア主配管
61 制御エア主配管
7 エアマイクロ測定器(エア作動機器)
71 測定係合部
721 エア噴出口
73 圧力検出部
8 測定対象物
81 被測定部
A1 供給エア
A2 制御エア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア作動機器と、
開動作をして上記エア作動機器への供給エアの供給を行うと共に、閉動作をして上記エア作動機器への供給エアの供給遮断を行う切替バルブと、
該切替バルブが開いてから所定時間経過後に該切替バルブを閉じるよう構成されたタイマー作動手段とを有し、
該タイマー作動手段は、上記切替バルブが開いた後、該切替バルブから上記エア作動機器へ流れる供給エアの一部を徐々にタンクに貯留し、該タンク内の圧力が所定の設定圧力以上になったときに、上記切替バルブに制御エアを供給して該切替バルブを閉じるよう構成されていることを特徴とするエア供給作動装置。
【請求項2】
請求項1において、上記切替バルブには、該切替バルブを開ける開操作バルブが接続されており、該開操作バルブは、操作部を操作して上記切替バルブに制御エアを供給して該切替バルブを開けるよう構成されていることを特徴とするエア供給作動装置。
【請求項3】
請求項2において、上記切替バルブには、供給エアが流れる供給エア主配管が接続されており、上記タイマー作動手段及び上記開操作バルブには、制御エアが流れる制御エア主配管が接続されており、
上記切替バルブは、上記開操作バルブから当該切替バルブへ制御エアが供給されることによって、開動作をして上記エア作動機器への供給エアの供給を行い、上記タイマー作動手段から当該切替バルブへ制御エアが供給されることによって、閉動作をして上記エア作動機器への供給エアの供給遮断を行うよう構成されていることを特徴とするエア供給作動装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記エア作動機器は、測定対象物における被測定部の寸法を測定するエアマイクロ測定器であり、該エアマイクロ測定器は、上記被測定部と係合する測定係合部と、該測定係合部から上記被測定部に向けて供給エアを噴出させるためのエア噴出口と、当該エアマイクロ測定器における供給エアの圧力を検出するための圧力検出部とを備えていることを特徴とするエア供給作動装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、上記タイマー作動手段における上記タンクには、該タンク内に流入する供給エアの流量を絞る絞り弁が接続されていることを特徴とするエア供給作動装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、上記タイマー作動手段における上記タンクには、該タンクよりも容量が大きい補助タンクが接続されていることを特徴とするエア供給作動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−23207(P2006−23207A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202271(P2004−202271)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】